JP2007216476A - 記録装置及び搬送制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数モータを同時駆動して記録媒体の搬送を行う際に、搬送経路上の記録媒体の状態を考慮した最適な条件でモータ駆動制御し、高品位な記録を行なう記録装置と搬送制御方法を提供することである。
【解決手段】 第1のモータにより発生した駆動力が伝達された第1の搬送ローラを介して記録媒体を搬送して装置内に給紙するとともに、第1の搬送ローラによる回転位置を検出する。さらに、記録ヘッドによる記録動作に従って、第2のモータにより発生した駆動力が伝達された第2の搬送ローラを介して前記給紙された記録媒体を搬送するとともに、第2の搬送ローラによる回転位置を検出する。一方、記録指令と予め定められた駆動条件とに基づいて第1及び第2の搬送ローラ夫々の駆動タイミングと駆動力とが調整され、その調整値と前記検出された位置情報とに基づいて、第1及び第2のモータの駆動を制御する。
【選択図】 図6

Description

本発明は記録装置及び搬送制御方法に関し、特に、例えば、インクジェット記録ヘッドから記録媒体に対しインクを吐出させて記録を行う記録装置における記録媒体の搬送動作での最適動作制御に関する。
インクジェット記録装置(以下、記録装置)は、記録ヘッドに設けられた複数のインク吐出口からインク滴を吐出させ、これを記録媒体に付着させることによって画像を形成するように構成されている。複数のインク吐出口は記録媒体の搬送方向(副走査方向)に平行な方向に配列されている。
この記録装置の走査方式にはシリアルスキャン方式を採用することが多い。シリアルスキャン方式では、記録ヘッドを搭載したキャリッジを副走査方向と交差する方向(主走査方向)移動させ、一走査分の記録を終了後に所定量の紙送りを行い、その後に再び停止した記録媒体に対して次の一走査分の画像を記録するという動作を繰り返す。このようにして、記録媒体全体に対する記録を行う(例えば、特許文献1参照)。
従来の一般的な記録装置では、記録媒体への記録中は搬送モータの駆動力のみで記録媒体が搬送される。この際、搬送モータの動力は、搬送ローラと、機構的に連結され動力が伝わる排紙ローラとに伝達される。記録媒体の給紙完了後には、搬送ローラの上流側(給紙開始位置側)に残っている部分の記録媒体に積極的に動力を与えることで記録媒体搬送を行う駆動ローラは存在しない。
このため、搬送ローラの上流側の機構部の構成が、搬送ローラ以降の記録媒体へ与える張力に影響し、記録媒体に対し十分な搬送量を与えることができず、結果として黒筋の発生といった記録品位の低下をもたらす場合がある。この場合には、搬送ローラの駆動を調整することで、記録品位の低下を防ぐことが一般的である。
特開2004−216711号公報
しかしながら上記従来例では以下のような問題がある。
近年になり、記録装置の多機能化、例えば、両面印刷、カセット給紙機構等の搭載等に伴い、記録媒体の搬送機構が複雑化してきた。
図8は記録媒体の搬送機構の例を示す図である。
図8に示すように、点線矢印に従い記録媒体が搬送され、プラテン112上の部分で、キャリッジ102により記録媒体への記録が行われる。記録媒体の搬送は、搬送ローラ110と排紙ローラ113と給紙ローラ118とを介して行われる。この場合、搬送ローラ110と排紙ローラ113とは夫々、搬送モータ、排紙モータで駆動される。また、給紙ローラ118も給紙モータから動力が与えられる。つまり、搬送ローラ110、排紙ローラ113、給紙ローラ118は夫々、搬送モータ、排紙モータ、給紙モータという別個のモータにより独立に駆動される。
さらに、それぞれのモータに対して、搬送用エンコーダ、排紙用エンコーダ、給紙用エンコーダが用いられ、位置情報が検出され、これらの位置情報を用いてクローズドループ制御が行われる。記録媒体の搬送の際には、記録品位を支配するプラテン112上に存在する記録媒体に対して、他の領域(排紙ローラ、給紙ローラの駆動で記録媒体が動く部分)が、張りや緩み等を起こし過ぎないよう各モータを駆動していく必要がある。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、複数モータを同時駆動して記録媒体の搬送を行う際に、搬送経路上の記録媒体の状態を考慮した最適な条件でモータ駆動制御し、高品位な記録を行なう記録装置と搬送制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明の記録装置は以下の構成からなる。
即ち、記録ヘッドを搭載したキャリッジの走査と、前記キャリッジの走査方向と直交する方向に複数のモータと複数の搬送ローラによる記録媒体の搬送とを交互に実行させ、前記記録ヘッドにより前記記録媒体に対して記録を行なう記録装置であって、第1のモータにより発生した駆動力が伝達された第1の搬送ローラを介して前記記録媒体を搬送して装置内に給紙する給紙手段と、前記第1の搬送ローラによる回転位置を検出する第1の検出手段と、前記記録ヘッドによる記録動作に従って、第2のモータにより発生した駆動力が伝達された第2の搬送ローラを介して前記給紙手段により給紙された前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記第2の搬送ローラによる回転位置を検出する第2の検出手段と、記録指令と予め定められた駆動条件とに基づいて前記第1及び第2の搬送ローラの夫々の駆動タイミングと駆動力とを調整する調整手段と、前記調整手段からの調整値と前記第1及び第2の検出手段からの位置情報とに基づいて、前記第1及び第2のモータの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
また他の発明によれば、記録ヘッドを搭載したキャリッジの走査と、前記キャリッジの走査方向と直交する方向に複数のモータと複数の搬送ローラによる記録媒体の搬送とを交互に実行させ、前記記録ヘッドにより前記記録媒体に対して記録を行なう記録装置の搬送制御方法であって、第1のモータにより発生した駆動力が伝達された第1の搬送ローラを介して前記記録媒体を搬送して装置内に給紙する給紙工程と、前記第1の搬送ローラによる回転位置を検出する第1の検出工程と、前記記録ヘッドによる記録動作に従って、第2のモータにより発生した駆動力が伝達された第2の搬送ローラを介して前記給紙工程において給紙された前記記録媒体を搬送する搬送工程と、前記第2の搬送ローラによる回転位置を検出する第2の検出工程と、記録指令と予め定められた駆動条件とに基づいて前記第1及び第2の搬送ローラの夫々の駆動タイミングと駆動力とを調整する調整工程と、前記調整工程において得られる調整値と前記第1及び第2の検出工程において得られる位置情報とに基づいて、前記第1及び第2のモータの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする搬送制御方法を備える。
本発明によれば、複数の搬送ローラ間で記録媒体にかかる力の変動を抑制した状態で記録媒体の搬送が行なうことができるという効果がある。これにより、弛みのない状態で記録媒体が安定的に搬送され、高品位な画像を記録することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみを表すものではない。これに加えて、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。即ち、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概略構成を示す斜視図である。なお、図8で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
図1において、101はインクタンクを有するインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)である。キャリッジ102の軸受け部には主走査方向に摺動可能な状態でガイドシャフト103が挿入され、そのシャフトの両端はシャーシ114に固定されている。キャリッジ102に係合したベルト104を解して、キャリッジモータ105の駆動力が伝達され、キャリッジ102が主走査方向に移動可能となる。
記録待機中において記録用紙などの記録媒体115は、給紙ベース106にスタックされており、記録開始時には給紙ローラ(不図示)により記録用紙が給紙される。給紙された記録用紙を搬送するため、DCモータである搬送モータ107の駆動力によりギア列(モータギア108、搬送ローラギア109)を介して搬送ローラが回転する。そして、ピンチローラばね(不図示)により搬送ローラ110に押圧され従動回転するピンチローラ111と搬送ローラ110とにより記録用紙115は適切な送り量だけ搬送される。ここで、その搬送量は搬送ローラ109に圧入されたコードホイール(ロータリーエンコーダフィルム)116のスリットをエンコーダセンサ117で検知、カウントすることで管理され、高精度搬送が可能になる。
なお、ロータリーエンコーダとエンコーダセンサは搬送ローラのみならず、給紙ローラや排紙ローラ113にも設けられ、夫々のローラからの位置情報を得ることができる。従って、この記録装置では、給紙ローラ、搬送ローラ、排紙ローラ夫々からの位置情報を得ることができ、さらに、その位置情報の変化から各ローラの速度情報が得られる。
図2は記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
図2において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROMである。また、1703は各種データ(上記記録信号や記録ヘッド101に供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッド101に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。105は記録ヘッド102を搬送するためのキャリッジモータ、107は記録媒体搬送のための搬送モータ、119は給紙モータ、120は排紙モータである。1705は記録ヘッド101を駆動するヘッドドライバ、1706、1707、1708、1709は夫々、キャリッジモータ105、搬送モータ107、給紙モータ119、排紙モータ120を駆動するためのモータドライバである。
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッド101が駆動され、記録が行われる。
ここでは、MPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしたが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、記録装置と接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
ここで、エンコーダと駆動ローラとの機構構成の差異から生じる遅延時間について説明する。
従来例の図8に示した機構では、給紙ローラ118、搬送ローラ110、排紙ローラ113の3つのローラにより記録媒体が記録動作中に搬送される。そして、それぞれのローラに関連した位置情報を検知するエンコーダは個別に存在する。
このような機構において、搬送ローラでは、搬送ローラ110とコードホイール116との関係でエンコーダの位置情報とローラの位置情報が1対1である。これに対し、給紙ローラではエンコーダが装着されたローラから複数個のギア列を経由することで給紙ローラに動力が伝達される。この場合、駆動力がギア列を経由して伝達されるので、給紙ローラは、エンコーダが装着されたローラより遅れて動くことになる。
この様な駆動条件をもつ搬送ローラと給紙ローラを同じタイミングで動かした場合、駆動開始時には、駆動を開始した搬送ローラと停止している給紙ローラの関係から、給紙ローラが記録媒体に対して引っ張り力を発生させる。そして、駆動停止前には、停止している搬送ローラと駆動中の給紙ローラの関係から、給紙ローラが記録媒体に対して押し込み力を発生させる。そのため、ローラ間の記録媒体に対する力の変動から搬送量が変動して記録品位に悪影響を及ぼすことが考えられる。
この状態を改善する為には、実際のローラの駆動が遅くなる給紙ローラを先に動かし、実際の給紙ローラが動くタイミングに合わせて、搬送ローラの駆動開始タイミングを遅延する必要がある。
図3は搬送ローラと給紙ローラとの間の動作遅延の様子を示す図である。
図3において、(a)はローラ駆動開始から停止前の速度変化を表わし、(b)が位置変化を表している。
これらの図において、実線が搬送ローラ110の変化で、点線が給紙ローラ118の変化となる。給紙ローラの駆動開始から搬送ローラの駆動開始までの遅延時間(DT)は給紙ローラのエンコーダとローラとの遅延時間であり、給紙ローラの実際の動きは搬送ローラと重なることから、これらローラ間の記録媒体に与える力の変動は消去される。
駆動ローラが複数個になる場合には、最も遅延時間が大きいものから順次駆動を開始することになる。最も遅延時間が大きいローラからの遅延時間をその他の駆動ローラが持つ形となり、結果として全駆動ローラの動作が同時となるように遅延時間を調整する。
次に、駆動ローラ毎の記録媒体搬送力の差異から生じる搬送量調整について説明する。
従来例の図8に示した機構では、上述のように搬送ローラではエンコーダ位置での搬送量と実際の記録媒体の搬送量が1対1である。これに対し、給紙ローラではニップ力等の関係からエンコーダが備えられたローラの回転距離に比べ実際の記録媒体の搬送量が小さくなることがある。
この様な条件で搬送ローラと給紙ローラを同じタイミングで動かした場合には、駆動開始から停止までの間で、給紙ローラが記録媒体に対して引っ張り力を発生させることになる。そのため、ローラ間の記録媒体に対する力の変動から搬送量が変動して記録品位を悪影響を及ぼすことが考えられる。
この状態を改善する為には、実際の搬送量が小さくなる給紙ローラを搬送ローラに比較して多く回転させる必要がある。
図4は搬送ローラと給紙ローラの駆動力の関係を示す図である。なお、この図はエンコーダによって取得された情報に基づいており、(a)は各ローラの駆動開始から停止前の速度変化を表しており、(b)が各ローラの位置変化を表している。これらの図において、実線が搬送ローラで、点線が給紙ローラとなる。
特に、図4(b)に示すように、目標位置1と目標位置2の差分値が搬送不足量となり、基準値からの増減速比Gとして表される。従って、シーケンス内での目標搬送量に増減速比Gを乗算することで給紙ローラの目標位置が導かれることになる。そして、増減速比Gが搬送目標速度にも乗算されることで、ローラ駆動開始から停止までの時間が等しくなり、駆動開始から一律で開いていくローラ間での搬送量誤差が除去される。
なお、駆動ローラが複数個になる場合には、記録中の記録媒体搬送量を支配する搬送ローラに対して、各駆動ローラの搬送量誤差を比較して、結果として各駆動ローラが発生する搬送量が同じになるように調整する。
図4の例では搬送ローラに比較して給紙ローラの搬送量が不足する場合であるが、逆に過剰な場合には搬送量が小さくなる比率を掛けることになる。これは、給紙条件によって記録媒体を過剰に給紙しておき、記録動作中に過剰量を徐々に消費していくといった記録媒体搬送方法に対応する場合に適用できる。
図5は図3と図4に示した条件を併せ持つ、即ち、給紙ローラの駆動開始は搬送ローラに比較して遅延し、かつ、搬送量が不足する条件を改善する制御を示す図である。なお、なお、この図はエンコーダによって取得された情報に基づいており、(a)は各ローラの駆動開始から停止前の速度変化を表しており、(b)が位置変化を表している。これらの図において、実線が搬送ローラで、点線が給紙ローラとなる。エンコーダから得られる速度変化はいびつな形となるが、駆動時間で見ると給紙ローラは搬送ローラに重なる状態となり、ローラ間の記録媒体に与える力の変動量を極力抑えた形で記録媒体の搬送が可能となる。
次に、上述したような記録媒体の搬送機構を備えた記録装置におけるローラの同期補償演算について説明する。この演算は、MPU1701、G.A.1704がROM1702やDRAM1703にアクセスしながら、各エンコーダから得られる信号に基づいて実行する。
図6は記録装置の記録媒体の搬送機構の制御構成を示す機能ブロック図である。
この記録装置では記録媒体の搬送機構36に含まれる3つのモータ、即ち、給紙モータ119、搬送モータ107、排紙モータ120を制御する。また、これらのモータには夫々、各モータの位置と速度情報を検出するエンコーダ121、エンコーダ117、エンコーダ123が備えられている。
図6に示す各機能ブロックはMPU1701やG.A.1704によって実現される機能であるが、ASICや論理回路によって実現しても良い。
さて、スジムラ判定器1は、搬送ローラ110と記録媒体との関係から全体的な搬送量を調整する。これは、従来の記録装置などでも適用される記録媒体搬送量の補正値を搬送ローラ110(一般的にはLFローラ)の搬送目標量に増減する。
指令値発生器2は記録データに応じた搬送量にスジムラ判定器1の補正値を加減算したものを加えた搬送目標値について、目標速度、目標加速度などから駆動プロファイルを演算する。この駆動プロファイルは、位置、速度、加速度指令値を含み、この演算出力値が基準指令値21となる。
従来例で示した図8に示す構成に適用して考えると、記録中の搬送量は搬送ローラ110に準じて定まるものであるので、駆動プロファイルを規定する各パラメータは搬送モータ107のものから基準指令値21が演算される。
同期制御スジムラ判定器9は記録媒体の搬送機構の機構的条件から遅延時間補正値22と増減速補正値26とを出力する。
遅延時間補正値22は、最も速く駆動を開始する搬送ローラ(遅延時間主搬送ローラ)と主搬送ローラ以外の搬送ローラ(遅延時間副搬送ローラ)から遅延時間が導出される。ここでは、遅延時間主搬送ローラの駆動開始時間が基準となり基準時間値“0”となる。そして、遅延時間主搬送ローラの駆動開始時間と遅延時間副搬送ローラの駆動開始時間との差分時間が遅延時間値となり、各副搬送ローラの駆動開始時間を遅延させる遅延時間補正値が求められる。
機構的な駆動遅延時間を給紙ローラ>排紙ローラ>搬送ローラとするなら、給紙モータ119が駆動するローラが遅延時間主搬送ローラとなり基準時間値“0”をもち、排紙モータ120と搬送モータ107が夫々駆動するローラが遅延時間副搬送ローラとなる。従って、排紙モータ120と搬送モータ107とは夫々、遅延時間補正値DT1、DT2を持つ。なお、ここでは、DT1<DT2であり、搬送モータ107が最も遅く駆動を開始する。
増減速補正値26は、最も停止位置精度が求められる搬送ローラ(増減速主搬送ローラ)と、増減速主搬送ローラ以外の搬送ローラ(増減速副搬送ローラ)から増減速比が導出される。記録媒体の搬送駆動機構の各搬送ローラの駆動目標量を増減速主搬送ローラの駆動目標量で除算した値が増減速補正値となり、増減速主搬送ローラでは“1”となる。
この実施例の記録装置の搬送機構では、搬送ローラ110が支配的な搬送量を規定し、排紙ローラ113、給紙ローラ118とも増速系とするなら、搬送モータ107が駆動するローラが増減速主搬送ローラとなり増減速補正値“1”をもつ。一方、給紙モータ119と排紙モータ120が夫々駆動するローラが増減速副搬送ローラとなり1以上の増減速補正値を持つ。
タイムシフト器3、4、5は遅延時間補正値22に従い、基準時間指令値21の駆動プロファイルの発生を遅延演算して、遅延時間指令値23、24、25を導出する。図3に示した例で考えると、この遅延により基準プロファイル(点線)から時間方向に駆動プロファイルを遅らせた(実線)状態となる。
増減速調整器6、7、8は増減速補正値26に従い、遅延時間補正値23、24、25の駆動プロファイルに各モータの増減速補正値を乗算して、増減速調整指令値27、28、29を導出する。時間遅延補正値が“0”である増減速調整器に対する変化は図4に示されている。即ち、増減速補正値を乗算して駆動プロファイルが変化した様子が、図4の実線から点線に変わるものに相当する。
同期制御補正値判定器14は、遅延時間補正値22と増減速補正値26と増減速調整指令値27、28、29とエンコーダ121、117、123からの位置情報30、31、32から同期制御補正値38を出力する。
同期制御補正値判定器14は、駆動系毎に異なる機構負荷状態などから変動する位置の状態を監視して、時間時間でのローラ間での微小移動量を修正し、記録媒体への力の変動を抑制することを目的とする。
図7は2つの駆動モータに対して、指令値とエンコーダ値とローラ位置との関係を模式化した図である。
図7において、細線が遅延時間主搬送ローラ(例えば、給紙ローラ)の位置と時間の関係を示したもので、太線が遅延時間副搬送ローラ(例えば、搬送ローラ)の位置と時間の関係を示したものである。ここで、細実線aが指令値、細実線bがエンコーダによる位置情報、細実線cがローラ上での位置となる。太実線Aが指令値、太実線Bがエンコーダによる位置情報であり、遅延時間副搬送ローラではエンコーダ=ローラ位置としている。
遅延時間主搬送ローラのクローズドループ内の補償器演算の堅牢性が高く、指令値から一定の遅延時間を持って確実に追従する場合には、細実線bの様にエンコーダの位置情報は細実線aから一定の時間遅延して変化する。この結果、ローラの位置は細実線cに示すようになる。遅延時間副搬送ローラでも同様に安定性が高い場合、そのローラのエンコーダ位置情報は太実線Bが示すようになる。従って、この場合にはローラ間の偏差はほとんど発生せず安定した記録媒体の搬送ができる。
しかし、実際には細実線b、cの様な状態ではなく、指令値に対して一定の時間偏差を持って状態で揺らぎながら目標位置まで追従することになる。これをエンコーダ上で見たものが細点線αであり、目標値の変化に収束するように時々刻々と変化する。そして、実際のローラの位置の変化は細点線βに示すようになる。細点線βと太点線Bで示すように2つのローラが動作したならば、時間毎での記録媒体に与える力が引っ張りと押し付けを交互に繰り返す形で搬送を行うことになり記録品位への悪影響がありえる。
遅延時間副搬送モータが、搬送を支配する増減速主搬送モータ(即ち、搬送モータ)であったとしても、遅延時間主搬送モータが時間的に先に駆動した結果としてローラ挙動に不安定性が生じているなら、遅延時間主搬送モータを補正することは不可能である。
そのため、同期制御補正値判定器14では、遅延時間主搬送モータの挙動に、遅延時間副搬送モータの挙動をあわせることで、ローラ間位置偏差を低減させ、記録媒体にかかる力を一定化させる。具体的には、細実線bの値を遅延時間主搬送モータの位置変化基準値として、駆動開始から停止までの位置変化基準値と細点線αとの偏差分(δ)を、遅延時間副搬送モータの位置補正値として加算する。このようにして、太実線Bを細点線βに近づける。
遅延時間主搬送モータと副搬送モータでの増減速補正値の違いから偏差量の値は異なるが、遅延時間主搬送モータと副搬送モータの増減速比が分かっていれば、偏差量(δ)に増減速比をかけることによりこの影響は除去できる。具体的には、偏差量(δ)に遅延時間主搬送ローラの増減速補正値を除算したものが基準同期制御補正値となり、基準同期制御補正値に遅延時間副搬送ローラの増減速補正値を乗算したものが同期制御補正値38となる。
補償器10、11、12は各モータ毎の増減速指令値27、28、29に同期制御補正値38を加算したものと、各エンコーダからの位置情報33、34、35との偏差情報に対してPID制御などの補償器演算を行う。そして、最終的に各モータへの操作量30、31、32を出力する。
従って以上説明した一連の処理を記録媒体の搬送機構に実行することで、各ローラ間の記録媒体に与える力を安定化させることができる。これにより、複数ローラを同時駆動する搬送機構において最適な記録媒体の搬送が行って、高品位な画像を記録することが可能となる。
なお、以上説明した実施例では3つのモータを駆動対象としているが、駆動対象が2つ、もしくは4つ以上に関しても同様の処理を行うことでローラ間の記録媒体に与える力を安定させ、高品位記録を実現することができる。
また、以上説明した実施例では全てのモータの演算を1つのプログラムから演算させる処理としたが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、モータ毎に指令値、補償器演算を1つの組み合わせとしたプログラムとして演算させ並列処理させても良い。この場合には、予めスジムラ判定器1と同期制御スジムラ判定器9の値を指令値を演算させるパラメータに盛り込み、増減速調整指令値を個別に演算しても良い。この場合には、同期制御補正値判定器14のみが各モータ間の関係を監視して、それぞれの同期制御補正値38を出力することとなる。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。 搬送ローラと給紙ローラとの間の動作遅延の様子を示す図である。 搬送ローラと給紙ローラの駆動力の関係を示す図である。 図3と図4に示した条件を併せ持つ、即ち、給紙ローラの駆動開始は搬送ローラに比較して遅延し、かつ、搬送量が不足する条件を改善する制御を示す図である。 記録装置の記録媒体の搬送機構の制御構成を示す機能ブロック図である。 2つの駆動モータに対して、指令値と、エンコーダ値と、ローラ位置との関係を模式化した図である。 記録媒体の搬送機構の例を示す図である。
符号の説明
101 記録ヘッド
102 キャリッジ
103 ガイドシャフト
104 ベルト
105 キャリッジモータ
106 給紙ベース
107 搬送モータ
108 モータギア
109 搬送ローラギア
110 搬送ローラ
111 ピンチローラ
114 シャーシ
115 記録用紙
116 ロータリーエンコーダフィルム
117 エンコーダセンサ
118 給紙ローラ
119 給紙モータ
120 排紙モータ
121 給紙用エンコーダ
122 搬送用エンコーダ
123 排紙用エンコーダ
1700 インタフェース
1701 MPU
1702 ROM
1703 DRAM
1704 G.A.
1705 ヘッドドライバ
1706〜1709 モータドライバ

Claims (8)

  1. 記録ヘッドを搭載したキャリッジの走査と、前記キャリッジの走査方向と直交する方向に複数のモータと複数の搬送ローラによる記録媒体の搬送とを交互に実行させ、前記記録ヘッドにより前記記録媒体に対して記録を行なう記録装置であって、
    第1のモータにより発生した駆動力が伝達された第1の搬送ローラを介して前記記録媒体を搬送して装置内に給紙する給紙手段と、
    前記第1の搬送ローラによる回転位置を検出する第1の検出手段と、
    前記記録ヘッドによる記録動作に従って、第2のモータにより発生した駆動力が伝達された第2の搬送ローラを介して前記給紙手段により給紙された前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記第2の搬送ローラによる回転位置を検出する第2の検出手段と、
    記録指令と予め定められた駆動条件とに基づいて前記第1及び第2の搬送ローラの夫々の駆動タイミングと駆動力とを調整する調整手段と、
    前記調整手段からの調整値と前記第1及び第2の検出手段からの位置情報とに基づいて、前記第1及び第2のモータの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 第3のモータにより発生した駆動力が伝達された第3の搬送ローラを介して前記記録ヘッドにより記録がなされた記録媒体を搬送して装置外に排紙する排紙手段と、
    前記第3の搬送ローラによる回転位置を検出する第3の検出手段とをさらに有し、
    前記調整手段はさらに、前記第3の搬送ローラの駆動タイミングと駆動力とを調整し、
    前記制御手段はさらに、前記調整手段からの調整値と前記第3の検出手段からの位置情報とに基づいて、前記第3のモータの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1及び第2の検出手段は夫々、前記第1及び第2のモータの回転速度を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記第1、第2、及び第3のモータに対して予め定められた駆動条件に従って駆動指令を発する指令発生手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記調整手段は、
    前記第1、第2、及び第3の搬送ローラの内、最も駆動タイミングの速い搬送ローラの駆動タイミングを基準に、他の搬送ローラの駆動タイミングを遅延させるように調整する、前記第1、第2、及び第3の搬送ローラ夫々に対応する第1、第2、及び第3の遅延手段と、
    前記第1、第2、及び第3の搬送ローラの内、最も停止位置精度が求められる搬送ローラの回転速度を基準に、他の搬送ローラの回転速度を増減するように調整する、第1、第2、及び第3の速度増減手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  6. 前記最も駆動タイミングの速い搬送ローラは、前記第1の搬送ローラであり、
    前記最も停止位置精度が求められる搬送ローラは、前記第2の搬送ローラであることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1、第2、及び第3の遅延手段と前記第1、第2、及び第3の速度増減手段とによる調整値を入力して、前記第1、第2、及び第3のモータの駆動を制御するとともに、前記第1、第2、及び第3の検出手段の内のいずれかから得られる前記最も駆動タイミングの速い搬送ローラの位置情報に基づいて、他の搬送ローラを駆動させるモータの駆動を補正するよう制御することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  8. 記録ヘッドを搭載したキャリッジの走査と、前記キャリッジの走査方向と直交する方向に複数のモータと複数の搬送ローラによる記録媒体の搬送とを交互に実行させ、前記記録ヘッドにより前記記録媒体に対して記録を行なう記録装置の搬送制御方法であって、
    第1のモータにより発生した駆動力が伝達された第1の搬送ローラを介して前記記録媒体を搬送して装置内に給紙する給紙工程と、
    前記第1の搬送ローラによる回転位置を検出する第1の検出工程と、
    前記記録ヘッドによる記録動作に従って、第2のモータにより発生した駆動力が伝達された第2の搬送ローラを介して前記給紙工程において給紙された前記記録媒体を搬送する搬送工程と、
    前記第2の搬送ローラによる回転位置を検出する第2の検出工程と、
    記録指令と予め定められた駆動条件とに基づいて前記第1及び第2の搬送ローラの夫々の駆動タイミングと駆動力とを調整する調整工程と、
    前記調整工程において得られる調整値と前記第1及び第2の検出工程において得られる位置情報とに基づいて、前記第1及び第2のモータの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする搬送制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009119745A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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