JP2007216101A - 粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法 - Google Patents

粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法 Download PDF

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大剛 渡辺
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宏 西野
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健次 堺
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Abstract

【課題】粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法において、耐摩耗性を向上することで製品の長寿命化を図ると共に補修時間の短縮化による生産効率の向上及び製造コストの低減を図る。
【解決手段】粉砕ロール16の摩耗部33の表面に、ステンレス鋼を溶接材料として被覆アーク溶接を用いたバタリングを行うことで中間層34を形成し、この中間層34の表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料としてノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで再生硬化肉盛層35を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外周面に硬化肉盛層が設けられた粉砕ロール及びこの粉砕ロールの補修方法に関する。
例えば、石炭焚きボイラでは、竪型ミルによって原炭を粉砕して微粉炭を生成し、得られた微粉炭を燃料として用いるようにしている。そして、この竪型ミルでは、ハウジングの下部に原炭が供給される粉砕テーブルが駆動回転可能に配設されると共に、この粉砕テーブルの周辺部に3つの粉砕ロールが連れ回り可能で、且つ、粉砕荷重を付与可能に配設されている。
従って、原炭が給炭管から粉砕テーブル上に供給されると、遠心力により全面に分散されて炭層が形成され、この炭層に対して各粉砕ロールが押圧することで原炭が粉砕され、供給空気により乾燥されて分級された後に外部に排出される。
このような竪型ミルでは、粉砕ロールの表面の耐磨耗性を向上させるために、その表面に硬化肉盛溶接が施されている。ところが、この竪型ミルを長期間にわたって使用すると、粉砕ロールの外周部、つまり、硬化肉盛層が磨耗するため、この摩耗した部分に再度硬化肉盛溶接を行って補修する必要がある。
従来は、粉砕ロールの摩耗部に対して溶接材料を用い、サブマージアーク溶接やノンガスアーク溶接などの方法を用いて硬化肉盛溶接を行っている。この場合、硬化肉盛溶接を行うと、この溶接に伴う残留応力が増加する。そのため、この残留応力を緩和して母材から硬化肉盛層がはがれないように、この硬化肉盛層の表面にクロスチェック割れを生じさせており、このクロスチェック割れのピッチを適正化することで、残留応力のバランスを整えている。つまり、表面が摩耗した粉砕ロールをガスまたは火炉で150℃〜250℃(予熱層間温度)に予熱し、予熱した粉砕ロールの摩耗部に対して硬化肉盛溶接を行っている。
なお、このような硬化肉盛溶接を行う技術としては、下記特許文献1、2に記載されたものがある。
特開昭63−286273号公報 特開2002−200072号公報
上述したように、従来の粉砕ロールの補修方法にあっては、表面が摩耗した粉砕ロールを予熱し、高温となった粉砕ロールの摩耗部に対して硬化肉盛溶接を行っている。ところが、粉砕ロールの予熱層間温度を設定するために、相当の予熱時間が必要となり、生産効率が良くないという問題がある。また、予熱時間が長いために、製造コストが増大してしまう。
本発明は上述した課題を解決するものであり、耐摩耗性を向上することで製品の長寿命化を図ると共に補修時間の短縮化による生産効率の向上及び製造コストの低減を図った粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の粉砕ロールは、外周面に硬化肉盛層が設けられた粉砕ロールにおいて、前記硬化肉盛層の摩耗部にバタリングによる中間層が設けられると共に、該中間層の外側に再生硬化肉盛層が設けられたことを特徴とするものである。
請求項2の発明の粉砕ロールでは、前記中間層が複数設けられたことを特徴としている。
請求項3の発明の粉砕ロールでは、前記中間層と前記再生硬化肉盛層が交互に複数設けられたことを特徴としている。
請求項4の発明の粉砕ロールでは、前記再生効果肉盛層の初層部が低入熱溶接により設けられたことを特徴としている。
請求項5の発明の粉砕ロールでは、前記再生効果肉盛層が該再生硬化肉盛層を含む前記硬化肉盛層の50%以上を有することを特徴としている。
請求項6の発明の粉砕ロールの補修方法は、外周面に硬化肉盛層が設けられた粉砕ロールにおいて、前記硬化肉盛層の摩耗部にバタリングにより中間層を設け、該中間層の外側に硬化肉盛溶接により再生硬化肉盛層を設けたことを特徴とするものである。
請求項7の発明の粉砕ロールの補修方法では、前記バタリングを複数回行うことで、前記中間層を複数設けたことを特徴としている。
請求項8の発明の粉砕ロールの補修方法では、前記再生効果肉盛層の初層部を低入熱溶接により設けたことを特徴としている。
請求項9の発明の粉砕ロールの補修方法では、前記初層部を5〜15KJ/cmの低入熱溶接により設けたことを特徴としている。
請求項10の発明の粉砕ロールの補修方法では、前記再生硬化肉盛層を、該再生効果肉盛層を含む前記硬化肉盛層の50%以上設けたことを特徴としている。
請求項1の発明の粉砕ロールによれば、硬化肉盛層の摩耗部にバタリングによる中間層を設けると共に、この中間層の外側に再生硬化肉盛層を設けたので、硬化肉盛層の摩耗部が中間層に被覆され、この中間層の外側に再生硬化肉盛層が設けられており、この中間層により残留応力を緩和して再生硬化肉盛層の剥離が防止され、硬度を高めて耐摩耗性を向上することができると共に、予熱を不要として補修時間を短縮することができ、生産効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
請求項2の発明の粉砕ロールによれば、中間層を複数設けたので、再生硬化肉盛層の定着性を良くして隔離強度を向上することができる。
請求項3の発明の粉砕ロールによれば、中間層と再生硬化肉盛層を交互に複数設けたので、硬度を著しく向上させて耐摩耗性を向上することができる。
請求項4の発明の粉砕ロールによれば、再生効果肉盛層の初層部を低入熱溶接により設けたので、クロスチェック割れのピッチを適正化することで、残留応力を緩和して硬化肉盛層の剥離強度を向上することができる。
請求項5の発明の粉砕ロールによれば、再生硬化肉盛層を硬化肉盛層の50%以上としたので、中間層に作用する応力を低減することで、長寿命化を可能とすることができる。
請求項6の発明の粉砕ロールの補修方法によれば、硬化肉盛層の摩耗部にバタリングにより中間層を設け、この中間層の外側に硬化肉盛溶接により再生硬化肉盛層を設けので、硬化肉盛層の摩耗部を被覆した中間層により残留応力を緩和して再生硬化肉盛層の剥離が防止され、硬度を高めて耐摩耗性を向上することができると共に、予熱を不要として補修時間を短縮することができ、生産効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
請求項7の発明の粉砕ロールの補修方法によれば、バタリングを複数回行うことで中間層を複数設けたので、再生硬化肉盛層の定着性を良くして隔離強度を向上することができる。
請求項8の発明の粉砕ロールの補修方法によれば、再生効果肉盛層の初層部を低入熱溶接により設けたので、クロスチェック割れのピッチを適正化することで、残留応力を緩和して硬化肉盛層の剥離強度を向上することができる。
請求項9の発明の粉砕ロールの補修方法によれば、初層部を5〜15KJ/cmの低入熱溶接により設けたので、適正な低入熱溶接により初層部を設けることで、残留応力を緩和して硬化肉盛層の剥離強度を向上することができる。
請求項10の発明の粉砕ロールの補修方法によれば、再生硬化肉盛層を硬化肉盛層の50%以上設けたので、中間層に作用する応力を低減することで、長寿命化を可能とすることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る粉砕ロールの断面図、図2は、竪型ミルを表す概略構成図、図3は、竪型ミルにおける粉砕テーブル及び粉砕ロールの要部断面図である。
実施例1の粉砕ロールの補修方法では、外周面に硬化肉盛層が設けられた粉砕ロールにおいて、硬化肉盛層の摩耗部にバタリングによる中間層を設けると共に、この中間層の外側に再生硬化肉盛層を設けている。
まず、この粉砕ロールが適用された竪型ミルについて説明する。図2に示すように、竪型ミル11にて、ハウジング12は円筒形状をなし、上部に図示しない給炭機から原炭が供給される給炭管13が装着され、下方まで延設されている。また、ハウジング12の下部には給炭管13の下端部に対向して粉砕テーブル14が配設され、駆動装置15により駆動回転可能となっている。そして、この粉砕テーブル14の外周上方部に3つの粉砕ロール16が回転可能に配設されて粉砕テーブル14に連れて回転可能であると共に、油圧荷重装置17により粉砕荷重を付与可能となっている。
また、ハウジング12の下部には粉砕テーブル14の外周辺に位置して一次空気が送り込まれる入口ポート18が形成される一方、ハウジング12の上部には給炭管12の外周辺に位置して微粉炭を排出して図示しないバーナに接続される出口ポート19が形成されている。そして、ハウジング12の中間部には微粉炭を分級するロータリセパレータ20が駆動回転可能となっている。更に、粉砕テーブル14の外周辺には原炭に混在する礫や木片や金属片などの異物(スピレージ)を排出する異物吐出管21が装着されている。
従って、原炭が給炭管13からハウジング12内に供給されると、この原炭は粉砕テーブル14上の中心部に落下し、遠心力により全面に分散されて一定の炭層が形成され、この炭層に対して各粉砕ロール16が回転しながら押圧することで原炭を粉砕する。そして、ハウジング12内に入口ポート18から一次空気が送り込まれることで、粉砕された微粉炭は乾燥されつつ上昇する。この上昇した微粉炭はロータリセパレータ20により分級され、粗粉は再び粉砕テーブル14上に戻されて再粉砕が行われる一方、細粒粉のみが気流に乗って出口ポート19から排出される。また、原炭に混在する礫や木片や金属片などのスピレージは粉砕テーブル14の遠心力により外方に落下し、異物吐出管21に送り込まれる。
このように構成された竪型ミル11では、原炭が粉砕テーブル14上に分散された状態で、その上方から回転する粉砕ロール16に押圧されることで粉砕される。そのため、特に、粉砕ロール16の外周面が早期に磨耗するため、ここに硬化肉盛層が形成されている。即ち、図3に示すように、竪型ミル11にて、粉砕テーブル14の上面に所定の厚さで硬化肉盛層31が形成されると共に、粉砕ロール16の外周面に所定の厚さで硬化肉盛層32が形成されている。
この竪型ミル1の粉砕ロール16に形成された硬化肉盛層32は、所定の耐久年数を確保できるだけの硬度及び靭性が必要であり、クロム(Cr)、炭素(C)、シリコン(Si)などの粉末からなる硬化肉盛溶接材料を用い、サブマージアーク溶接やノンガスアーク溶接などの方法を用いて硬化肉盛溶接を行うことで形成される。しかし、この竪型ミル11を長期間にわたって使用すると、粉砕ロール16の硬化肉盛層32が磨耗するため、この摩耗した部分に再度硬化肉盛溶接を行って補修する必要がある。
本実施例の粉砕ロールの補修方法では、図1に示すように、粉砕ロール16の外周面に設けられた硬化肉盛層32が摩耗して摩耗部33が形成されたら、まず、粉砕ロール16の摩耗部33に対して、プラズマガウジングにより表面に付着している粉砕物を除去し、熱応力微視亀裂、疲労亀裂、進展したクロスチェック割れをグラインダで削って仕上げる。次に、この摩耗部33の表面にバタリング(内面肉盛)によって中間層34を設ける。この場合、粉砕ロール16を予熱することなく、ステンレス鋼(SUS309)を被覆アーク溶接により中間層34を形成する。そして、この中間層34の表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料とし、ノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで、再生硬化肉盛層35を形成する。
このように実施例1の粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法にあっては、粉砕ロール16の摩耗部33の表面に、ステンレス鋼を溶接材料として被覆アーク溶接を用いたバタリングを行うことで中間層34を形成し、この中間層34の表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料としてノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで再生硬化肉盛層35を形成するようにしている。
従って、粉砕ロール16における硬化肉盛層16の摩耗部33が中間層34に被覆され、この中間層34の表面に再生硬化肉盛層35が設けられることとなり、この中間層34により残留応力を緩和して再生硬化肉盛層35の剥離が防止され、硬度を高めて耐摩耗性を向上することができると共に、予熱を不要として補修時間を短縮することができ、生産効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
図4は、本発明の実施例2に係る粉砕ロールの断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例の粉砕ロールの補修方法では、図3に示すように、粉砕ロール16の外周面に設けられた硬化肉盛層32が摩耗して摩耗部33が形成されたら、まず、粉砕ロール16の摩耗部33に対して、プラズマガウジングにより表面に付着している粉砕物を除去し、熱応力微視亀裂、疲労亀裂、進展したクロスチェック割れをグラインダで削って仕上げる。次に、この摩耗部33の表面にバタリングによって複数(本実施例では、3層)の中間層34a,34b,34cを設ける。この場合、粉砕ロール16を予熱することなく、ステンレス鋼(SUS309)を被覆アーク溶接により3つの中間層34a,34b,34cを形成する。そして、この中間層34cの表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料とし、ノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで、再生硬化肉盛層35を形成する。
このように実施例2の粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法にあっては、粉砕ロール16の摩耗部33の表面に、ステンレス鋼を溶接材料として被覆アーク溶接を用いたバタリングを行うことで、複数の中間層34a,34b,34cを形成し、この中間層34cの表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料としてノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで再生硬化肉盛層35を形成するようにしている。
従って、粉砕ロール16における硬化肉盛層16の摩耗部33が中間層34aに被覆され、外側の中間層34cの表面に再生硬化肉盛層35が設けられることとなり、この各中間層34a,34b,34cにより残留応力を緩和して再生硬化肉盛層35の剥離が防止され、硬度を高めて耐摩耗性を向上することができると共に、予熱を不要として補修時間を短縮することができ、生産効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。また、複数の中間層34a,34b,34cを設けており、再生硬化肉盛層35の定着性を良くして隔離強度を向上することができる。
なお、本実施例では、粉砕ロール16の摩耗部33の表面に3つの中間層34a,34b,34cを形成し、その表面に再生硬化肉盛層35を形成したが、中間層の層数は3つの限らず、2つであっても4つ以上であってもよい。また、摩耗部33の表面に中間層と再生硬化肉盛層を交互に複数設けてもよく、この場合、硬度を著しく向上させて耐摩耗性を向上することができる。
図5は、本発明の実施例3に係る粉砕ロールの断面図、図6は、バタリングによる初層溶接時おける入熱量に対する割れピッチを表すグラフである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例の粉砕ロールの補修方法では、図5に示すように、粉砕ロール16の外周面に設けられた硬化肉盛層32が摩耗して摩耗部33が形成されたら、まず、粉砕ロール16の摩耗部33に対して、プラズマガウジングにより表面に付着している粉砕物を除去し、熱応力微視亀裂、疲労亀裂、進展したクロスチェック割れをグラインダで削って仕上げる。次に、この摩耗部33の表面にバタリングによって中間層34を設ける。この場合、粉砕ロール16を予熱することなく、ステンレス鋼(SUS309)を被覆アーク溶接により中間層34を形成する。
そして、この中間層34の表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料とし、ノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで、再生硬化肉盛層35を形成する。この場合、再生効果肉盛層35は、複数の層から構成されるが、その初層部35aは低入熱溶接により形成されている。具体的には、図6に示すように、初層部35aへの入熱量Qを5〜15KJ/cmの範囲で低入熱溶接することが望ましく、10KJ/cmが最適である。即ち、初層部35aへの入熱量Qを5〜15KJ/cmの範囲とすることで、クロスチェック割れピッチを5〜15mmにして残留応力のバランスを適正化することができる。初層部35aへの入熱量Qが5KJ/cmより低いと、ビードが不安定になると共に、クロスチェック割れピッチが4mmより小さくなり、硬度が低下してしまう。一方、初層部35aへの入熱量Qが15KJ/cmより高いと、残留応力が大きくなって寿命が低下してしまう。
このように実施例3の粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法にあっては、粉砕ロール16の摩耗部33の表面に、ステンレス鋼を溶接材料として被覆アーク溶接を用いたバタリングを行うことで中間層34を形成し、この中間層34の表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料としてノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで再生硬化肉盛層35を形成し、この再生効果肉盛層35の初層部35aを低入熱溶接により形成するようにしている。
従って、粉砕ロール16における硬化肉盛層16の摩耗部33が中間層34に被覆され、この中間層34の表面に再生硬化肉盛層35が設けられることとなり、この各中間層34により残留応力を緩和して再生硬化肉盛層35の剥離が防止され、硬度を高めて耐摩耗性を向上することができると共に、予熱を不要として補修時間を短縮することができ、生産効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。また、再生効果肉盛層35の初層部35aを低入熱溶接(5〜15KJ/cm)により設けており、クロスチェック割れのピッチを適正化することで、中間層34と再生硬化肉盛層35との密着性が増し、残留応力を緩和して硬化肉盛層の剥離強度を向上することができる。
なお、本実施例では、粉砕ロール16の摩耗部33の表面に中間層34を形成し、その表面に再生硬化肉盛層35を形成し、その初層部35aを低入熱溶接により形成したが、中間層34を設けずに、摩耗部33の表面に再生硬化肉盛層35を形成し、その初層部35aを低入熱溶接により形成してもよい。
図7は、本発明の実施例4に係る粉砕ロールの断面図、図8は、再生効果肉盛比率に対する応力を表すグラフである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施例の粉砕ロールの補修方法では、図7に示すように、粉砕ロール16の外周面に設けられた硬化肉盛層32が摩耗して摩耗部33が形成されたら、まず、粉砕ロール16の摩耗部33に対して、プラズマガウジングにより表面に付着している粉砕物を除去し、熱応力微視亀裂、疲労亀裂、進展したクロスチェック割れをグラインダで削って仕上げる。次に、この摩耗部33の表面にバタリングによって中間層34を設ける。この場合、粉砕ロール16を予熱することなく、ステンレス鋼(SUS309)を被覆アーク溶接により中間層34を形成する。そして、この中間層34の表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料とし、ノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで、再生硬化肉盛層35を形成する。
この場合、再生硬化肉盛層35の厚さT2を硬化肉盛層32の厚さT1の50%以上とすることが望ましい。即ち、粉砕ロール16を補修した後に使用すると、竪型ミル11では、粉砕テーブル上の原炭に対して粉砕ロール16が回転しながら押圧することで、この原炭を粉砕しており、粉砕ロール16の再生硬化肉盛層35の表面には、粉砕テーブルから衝撃力が作用する。このとき、再生硬化肉盛層35の厚さT2に応じて中間層34に作用する応力が変化する。図8に示すように、再生硬化肉盛層比率(T2/T1)が大きくなると、中間層34に作用する応力σが減少し、再生硬化肉盛層比率が50%以上で中間層34に作用する応力σがσ1以下となる。この応力σ1は、補修後の粉砕ローラ16の寿命が2年以上となる値であることから、再生硬化肉盛層比率を50%以上とすることが望ましい。
つまり、粉砕ロール16の硬化肉盛層32が摩耗し、再生硬化肉盛層比率を50%以上確保できる摩耗量となってから補修作業を実施するとよい。硬化肉盛層32の摩耗が少なく、再生硬化肉盛層比率を50%以上確保できない状態で補修作業を実施すると、寿命が短縮化されてしまう。
このように実施例4の粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法にあっては、粉砕ロール16の摩耗部33の表面に、ステンレス鋼を溶接材料として被覆アーク溶接を用いたバタリングを行うことで中間層34を形成し、この中間層34の表面に、高クロム(Cr)及び高炭素(C)を含有する鋳鉄を溶接材料としてノンガスアーク溶接を用いた硬化肉盛溶接を行うことで再生硬化肉盛層35を形成し、この再生効果肉盛層35の再生硬化肉盛層比率を50%以上としている。
従って、粉砕ロール16における硬化肉盛層16の摩耗部33が中間層34に被覆され、この中間層34の表面に再生硬化肉盛層35が設けられることとなり、この各中間層34により残留応力を緩和して再生硬化肉盛層35の剥離が防止され、硬度を高めて耐摩耗性を向上することができると共に、予熱を不要として補修時間を短縮することができ、生産効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。また、再生硬化肉盛層比率を50%以上としたことで、中間層34に作用する応力を低減することで、粉砕ロール16の長寿命化を可能とすることができる。
本発明に係る粉砕ロール及び粉砕ロールの補修方法は、摩耗した粉砕ロールの表面にバタリングにより中間層を形成し、この中間層の表面に再生硬化肉盛層を形成して補修するものであり、いずれの形式の粉砕ロールやその補修方法に適用することができる。
本発明の実施例1に係る粉砕ロールの断面図である。 竪型ミルを表す概略構成図である。 竪型ミルにおける粉砕テーブル及び粉砕ロールの要部断面図である。 本発明の実施例2に係る粉砕ロールの断面図である。 本発明の実施例3に係る粉砕ロールの断面図である。 バタリングによる初層溶接時おける入熱量に対する割れピッチを表すグラフである。 本発明の実施例4に係る粉砕ロールの断面図である。 再生効果肉盛比率に対する応力を表すグラフである。
符号の説明
11 竪型ミル
14 粉砕テーブル
16 粉砕ロール
32 硬化肉盛層
33 摩耗部
34,34a,34b,34c 中間層
35 再生硬化肉盛層
35a 初層部

Claims (10)

  1. 外周面に硬化肉盛層が設けられた粉砕ロールにおいて、前記硬化肉盛層の摩耗部にバタリングによる中間層が設けられると共に、該中間層の外側に再生硬化肉盛層が設けられたことを特徴とする粉砕ロール。
  2. 請求項1に記載の粉砕ロールにおいて、前記中間層が複数設けられたことを特徴とする粉砕ロール。
  3. 請求項1または2に記載の粉砕ロールにおいて、前記中間層と前記再生硬化肉盛層が交互に複数設けられたことを特徴とする粉砕ロール。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の粉砕ロールにおいて、前記再生効果肉盛層の初層部が低入熱溶接により設けられたことを特徴とする粉砕ロール。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の粉砕ロールにおいて、前記再生効果肉盛層が該再生硬化肉盛層を含む前記硬化肉盛層の50%以上を有することを特徴とする粉砕ロール。
  6. 外周面に硬化肉盛層が設けられた粉砕ロールにおいて、前記硬化肉盛層の摩耗部にバタリングにより中間層を設け、該中間層の外側に硬化肉盛溶接により再生硬化肉盛層を設けたことを特徴とする粉砕ロールの補修方法。
  7. 請求項6に記載の粉砕ロールの補修方法において、前記バタリングを複数回行うことで、前記中間層を複数設けたことを特徴とする粉砕ロールの補修方法。
  8. 請求項6または7に記載の粉砕ロールの補修方法において、前記再生効果肉盛層の初層部を低入熱溶接により設けたことを特徴とする粉砕ロールの補修方法。
  9. 請求項8に記載の粉砕ロールの補修方法において、前記初層部を5〜15KJ/cmの低入熱溶接により設けたことを特徴とする粉砕ロールの補修方法。
  10. 請求項6から9のいずれか一つに記載の粉砕ロールの補修方法において、前記再生硬化肉盛層を、該再生効果肉盛層を含む前記硬化肉盛層の50%以上設けたことを特徴とする粉砕ロールの補修方法。
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