JP2007213744A - 光情報媒体 - Google Patents

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JP2007213744A JP2006035387A JP2006035387A JP2007213744A JP 2007213744 A JP2007213744 A JP 2007213744A JP 2006035387 A JP2006035387 A JP 2006035387A JP 2006035387 A JP2006035387 A JP 2006035387A JP 2007213744 A JP2007213744 A JP 2007213744A
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寿一 藤本
Seiji Nurishi
誠司 塗師
Mitsutoshi Hiraoka
三季 平岡
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Abstract

【課題】外部の環境変化(温度及び湿度)に対する寸法安定性に優れ、且つ、高温高湿条件下においても、光透過層の膜厚変化が小さい、耐光性に優れた光情報媒体を得る
【解決手段】支持基体上に情報記録層を有し、この情報記録層上に光透過層を有し、この光透過層を通して記録光及び再生光の少なくとも一方が入射するように使用される光情報媒体であって、前記光透過層が、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(B)、一般式(2)で示される(メタ)アクリレート(C)、光重合開始剤(D)及びアミノエーテル型光安定剤(E)を含有する硬化性組成物の硬化物の層である光情報媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、再生専用光ディスク、記録型光ディスク等の光情報媒体に関する。更に詳しくは、高温高湿条件下において膜厚減少が小さく、外部の温度変化及び湿度変化に対して反りの変化が小さく、且つ耐光性に優れた光透過層を有する光情報媒体に関する。
近年、情報記録媒体の分野では高密度化に関して様々な研究が進められている。光ディスクの分野においても、動画が記録できる0.6mm厚の基板を貼り合わせた構造のDVDが普及期を迎えている。
しかしながら、今後デジタルハイビジョン放送が広まるにつれ、更なる大容量の光ディスクが必要とされていることから、記録・再生側の基板(光透過層)を0.1mm厚とし、対物レンズの開口数(NA)を0.85程度、レーザー波長400nm程度とした高密度光ディスクシステムが提案され、実用化されつつある。
この0.1mm厚の光透過層の形成方法としては、プラスチック製の透明シートを貼り合わせる手法や、液状の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法により塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させる手法が開発されている(例えば特許文献1〜3)。高速記録用光ディスクを製造する場合には、周方向の膜厚均一性に優れることから、スピンコート法により光透過層用樹脂層を形成することが望ましい。このスピンコート法に用いる液状の紫外線硬化型樹脂としては、例えば、特許文献4、5及び6に記載の組成物が挙げられる。
しかしながら、特許文献1〜3の光ディスクは外部の温度変化及び湿度変化により生じる反りが問題である。
更に、光透過層として、特許文献4〜6記載の液状紫外線硬化型樹脂を用いた光ディスクは、反りが大きい、又は、高温高湿条件において光透過層の厚みが減少するという問題があった。高密度光ディスクシステムにおいてはその光透過層の膜厚が0.1mm±3μm、即ち、100μm±3μmの範囲を越えると球面収差が大きくなり、情報の記録又は再生に重大な問題を引き起こすため、特に、光透過層の厚みが変化するといった現象は避ける必要がある。また、波長400nmのレーザーを用いた高密度光ディスクシステムにおいては、光透過層の400nm光に対する透明性が必要であるが、特許文献4〜6記載の液状紫外線硬化型樹脂を用いた光ディスクを自動車ダッシュボードや窓際等の外光に曝される場所に長時間放置すると、光透過層が光と熱により黄変し、情報の記録又は再生が不可能となる問題があった。
特開2002−92945号公報 特開2003−91883号公報 特開2003−173571号公報 特開平4−324135号公報 特開平8−194968号公報 特開2002−155245号公報
本発明の目的は、高温高湿条件下において膜厚減少が小さく、外部の温度変化及び湿度変化に対して反りの変化が小さく、且つ耐光性に優れた光透過層を有する光情報媒体を得ることにある。
本発明は、支持基体上に情報記録層を有し、この情報記録層上に光透過層を有し、この光透過層を通して記録光及び再生光の少なくとも一方が入射するように使用される光情報媒体であって、前記光透過層が、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、下記一般式(1)で示されるジ(メタ)アクリレート(B)、下記一般式(2)で示されるジ(メタ)アクリレート(C)、光重合開始剤(D)及びアミノエーテル型光安定剤(E)を含有する硬化性組成物の硬化物の層である光情報媒体である。
CH=CRCOO(Cα2α)OCOCR=CH (1)
(式中、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基を示す。またαは2〜16の整数を示す。)
O(RO)βCOCR=CH (2)
(式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。またβは1〜3の整数を示す。)
本発明によって、高温高湿条件下において膜厚減少が小さく、外部の温度変化及び湿度変化に対して反りの変化が小さく、且つ耐光性に優れた光透過層を有する光情報媒体を得ることができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
支持基体
本発明における支持基体としては、例えば、金属、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチック等の材料やこれらの複合材料が挙げられる。特に、従来の光ディスク製造プロセスを利用できることから、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が好適である。
情報記録層
本発明における情報記録層の材料としては、例えば、金、銀、銀・Pd・Cu合金、アルミ、アルミチタン合金、Si・Cu合金、銀・In・Te・Sb合金、銀・In・Te・Sb・Ge合金、Ge・Sb・Te合金、Ge・Sn・Sb・Te合金、Sb・Te合金、Tb・Fe・Co合金、色素等が挙げられる。これらの材料は読み取り専用型媒体、相変化型記録媒体、ピット形成タイプ記録媒体、光磁気記録媒体等の使用目的に応じて選択すればよい。
また、記録層の少なくとも一方の側に、記録層の保護や光学的効果を目的としてSiN、ZnS、SiO等の誘電体を設けることも可能である。
光透過層
本発明において、光透過層は記録光又は再生光に対する透明性を保ち、情報記録層を保護する役割を有する。光透過層の厚みとしては、20μm以上の場合に光情報媒体の表面を十分に保護できる傾向にあり好ましく、また、500μm以下で光情報媒体の反りを抑制しやすい傾向にあり好ましい。より好ましくは30〜300μmの範囲であり、更に好ましくは70〜150μmの範囲である。
光透過層は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)(以下「成分(A)」という)、前記一般式(1)で示されるジ(メタ)アクリレート(B)(以下「成分(B)」という)、前記一般式(2)で示されるジ(メタ)アクリレート(C)(以下「成分(C)」という)、光重合開始剤(D)(以下「成分(D)」という)及びアミノエーテル型光安定剤(E)(以下「成分(E)」という)を含有する硬化性組成物の硬化物によって形成された層である。
また、本発明における硬化性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて成分(A)〜(C)以外のエチレン性不飽和化合物(F)(以下「成分(F)」という)を含有させることができる。
硬化性組成物
成分(A)
本発明で用いる成分(A)は硬化性組成物に低収縮性を付与する成分であり、またその硬化物に強靭性及び可とう性を付与するための成分である。
成分(A)の具体例としては、イソシアネート化合物、多価アルコール及び水酸基含有(メタ)アクリレートから合成される化合物が挙げられる。
成分(A)の原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネート類が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記化合物の中で、硬化物に優れた靭性と難黄変性を付与できることから、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族骨格のジイソシアネート化合物が好ましい。
成分(A)の原料となる多価アルコールとしては市販されている各種の多価アルコール類が使用可能である。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1−メチルブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類;ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類;これらアルコール類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテル変性ポリオール類;これら多価アルコール類と、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸類又はこれら多塩基酸の酸無水物類との反応によって得られるポリエステルポリオール類;これら多価アルコール類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるポリカプロラクトンポリオール類;これら多価アルコール類及び多塩基酸類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるカプロラクトン変性ポリエステルポリオール類;1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリメチルヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等のジオール類と、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジフェニルカーボネート等の炭酸エステル類とのエステル交換反応により得られるポリカーボネートジオール類;ポリブタジエングリコール類等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール類及びポリカーボネートジオール類は、耐湿性と強伸度バランスに優れることから、得られる光透過層の膜厚変化が小さく、寸法安定性に優れるため、特に好ましい。
成分(A)の原料となる水酸基含有(メタ)アクリレートは、具体的には、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基、及び分子内に少なくとも1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートであればよい。具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類や、これらのカプロラクトンの付加物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中で、低粘度であることから、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分(A)の合成方法としては、公知のウレタン(メタ)アクリレート合成法を使用できる。例えば、フラスコ内に2モルのジイソシアネートを仕込み、更にジブチル錫ジラウレート等の公知の触媒を総仕込量に対して50〜300ppm混合し、フラスコ内温度を40〜60℃に保ちながら、滴下ロートを用いて1モルのジオール化合物を2〜4時間かけて滴下して、ウレタンプレポリマーを得る。その後、得られたウレタンプレポリマー末端に残存するイソシアネート基に、当量の水酸基含有(メタ)アクリレートを滴下させながらフラスコ内温60〜75℃で付加反応させればよい。
成分(A)の含有量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量、又は更に後述する成分(F)を含む合計量(以下これらの合計量を「組成物単量体合計量」という)100質量%を基準として40質量%以上が好ましく、55質量%以上が特に好ましい。また、成分(A)の含有量は90質量%以下が好ましく、80質量%以下が特に好ましい。
成分(A)の含有量が40質量%以上の場合には硬化性組成物の硬化収縮率の低減効果が十分に発現され、得られる硬化物の可撓性が良好となる傾向にあり、また、90質量%以下の場合には硬化性組成物の液粘度が低くなり、情報記録層上への塗工作業性が良好となる傾向にある。
成分(B)
一般式(1)で示される成分(B)は、硬化性組成物に低粘度化と速硬化性を付与すると共に、得られる硬化物に表面硬度、耐湿性及び支持基体との密着性を付与する成分である。
成分(B)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,13−トリデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。それらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
上記の中で、硬化性組成物の低粘度化、低揮発性、及び硬化性のバランスが良好であることから、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
成分(B)の含有量は、組成物単量体合計量100質量%中5質量%以上が好ましく、10質量%がより好ましい。また、成分(B)の含有量は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
成分(B)の含有量が5質量%以上の場合には得られる硬化性組成物の硬化性と硬化物と支持基体との密着性が良好となる傾向にあり、また、30質量%以下の場合には硬化物の可とう性が良好になる傾向にある。
成分(C)
一般式(2)で示される成分(C)は、硬化性組成物を低粘度化すると共に、得られる硬化物に可とう性を付与し、硬化物と支持基体との密着性を向上させる成分である。
成分(C)の具体例としては、2−エチル−ヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
上記の中で、低粘度化、低揮発性及び可とう性のバランスが良好であることから、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
成分(C)の含有量は組成物単量体合計量100質量%中5質量%以上が好ましく、10質量%がより好ましい。また、成分(C)の含有量は30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
成分(C)の含有量が5質量%以上の場合には硬化性組成物の硬化収縮率が低下し、基材との密着性が向上する傾向にあり、また、30質量%以下の場合には硬化性組成物の硬化性が良好となる傾向にある。
成分(D)
成分(D)は硬化性組成物を活性エネルギー線照射により効率よく硬化物とするために含有される。
成分(D)の具体例としては、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート等の光重合開始剤が挙げられる。
上記化合物の中で、硬化性組成物の硬化性及び得られる硬化物の難黄変性の観点から2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンが好ましい。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
成分(D)の含有量は組成物単量体合計量100質量部に対して1質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましい。また、成分(D)の含有量は5質量部以下が好ましく、4質量部以下がより好ましい。
成分(D)の含有量が1質量部以上の場合には、空気雰囲気中での硬化性が良好となる傾向にあり、また、5質量部以下の場合には、硬化性組成物の深部硬化性、得られる硬化物の難黄変性及び光透過層の膜厚安定性が良好となる傾向にある。
成分(E)
成分(E)は硬化物を蛍光灯下や太陽光下に長時間暴露しても黄変し難いようにするための成分である。
成分(E)の具体例としては、アミノエーテル基を有する光安定剤が挙げられ、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジニル)セバケート、N,N′−ジブチル−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキシルオキシ−4−ピペリジニル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレート及びビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートの混合物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレ−ト、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]スクシネ−ト、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルペラジン−4−イル]グルタレ−ト及びビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]スクシネ−トの混合物、1−(4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−オクタデカノイルオキシ−2−メチルプロパン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[9−(メトキシカルボニル)ノナノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[5−(メトキシカルボニル)ペンタノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[3−(メトキシカルボニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[4−(メトキシカルボニル)ブチリルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−イルオキシ)−2−ヘキサデカノイルオキシ−2−メチルプロパン、1,3,5−トリス{〔1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ]カルボニルアミノヘキシル}−2,4,6−トリオキソ−s−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジニル)−{〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル}ブチルマロネート、メチル(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジニル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジニル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
成分(E)の含有量は組成物単量体合計量100質量部に対して0.01〜1質量部含有することが好ましい。
成分(E)の含有量は、硬化物の難黄変性の観点から0.01質量部以上であることが好ましく、光透過層の硬度や膜厚安定性の観点から1質量部以下であることが好ましい。
成分(F)
成分(F)としては、多官能(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、モノ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ビニル化合物等であって、前述の成分(A)、(B)、(C)以外のものが挙げられる。
成分(F)のうち、多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノ(メタ)アクリレートの具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、2−イソブチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステルポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコール及び(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ビニル化合物の具体例としては、酢酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
上記化合物の中で、成分(F)としては、得られる硬化物の硬化収縮が小さく、且つ表面硬度に優れることから、分子内に環状構造を有する化合物が好ましく、更に硬化後の残モノマーが揮発して光透過層の膜厚が減少しないように分子量170以上であることが好ましい。
分子内に環状構造を有し、且つ、分子量170以上である化合物の具体例としては、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、2−イソブチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
成分(F)の含有量は、低揮発性と寸法安定性のバランスを考慮すると、組成物単量体合計量100質量%中20質量%以下が好ましい。
硬化性組成物
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲であれば、硬化性組成物中に熱重合開始剤、酸化防止剤、成分(E)以外の光安定剤、光増感剤、熱可塑性高分子、スリップ剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等、公知の添加剤等を適宜配合して用いてもよい。
これら酸化防止剤や光安定剤の添加量は組成物単量体合計量100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
本発明における硬化性組成物は、ダストやゲル物等の異物の存在による光情報媒体の読み取り又は書き込みエラーを防止するために、5μm以上、好ましくは1μm以上の異物を排除するろ過フィルターを用いてろ過することが好ましい。ろ過フィルターの素材としてはセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等が使用可能である。また、光透過層に気泡が存在してもエラーの原因となるため、硬化性組成物は予め真空若しくは遠心条件下、又は真空且つ遠心条件下において脱泡を行うことが好ましい。
硬化性組成物を硬化させるために使用される活性エネルギー線の種類としては、α、β及びγ線等、公知の活性エネルギー線が挙げられる。活性エネルギー線を照射する雰囲気は空気中又は窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよいが、製造コストの観点から空気中で照射することが好ましい。
本発明においては、高温高湿条件下においても光透過層の膜厚変化が小さくなるために、硬化性組成物を90%以上の反応率となるよう硬化させて、硬化物とするのが好ましい。反応率が90%以上であれば、光透過層中に残存する未反応のジ(メタ)アクリレート類や光重合開始剤が経時的に揮発することがなく、光透過層の膜厚変化を小さくできる傾向にある。反応率は93%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。
反応率を90%以上とするためには、好ましくは紫外線の積算光量を500mJ/cm以上、より好ましくは1000mJ/cm以上、更に好ましくは2000mJ/cm以上の条件で照射して硬化性組成物を硬化させる。
反応率を測定する方法としては、赤外分光法により(メタ)アクリロイル基の残存量を測定する方法や、光透過層の弾性率、Tg(ガラス転移温度)等の物理特性の飽和度から測定する方法、ゲル分率により架橋度合いを測定する方法等が挙げられる。
この中で、光透過層中に残存し、光透過層から揮発して膜厚減少の原因となり得る残渣を定量し易いことから、ゲル分率を測定する手法を利用することが好ましい。ゲル分率の測定方法の例としては、光透過層を粉砕し、溶剤中で未硬化成分を抽出後、乾燥させて、その重量変化によりゲル分率を測定する手法が挙げられる。
硬化物
光透過層を構成する硬化物の23℃における引張弾性率は50〜600MPaが好ましく、より好ましくは100〜550MPaである。
引張弾性率が50MPa以上で光透過層が傷つきにくい傾向にあり、また、600MPa以下で外部の温度変化及び湿度変化に対する寸法安定性が良好である傾向にある。
23℃における引張弾性率を50〜600MPaにするためには、好ましくは紫外線の積算光量を500mJ/cm以上、より好ましくは1000mJ/cm以上、更に好ましくは2000mJ/cm以上の条件で照射して硬化性組成物を硬化させる。
光情報媒体
本発明の光情報媒体は、コンパクトディスク等、既存の光情報媒体同様、公知の手法で製造可能である。ポリカーボネート等の透明樹脂を射出成型法により円盤状に成型した後、円盤の情報記録面となる面上に、例えばスパッタリング法により情報記録層となる金属薄膜層を形成する。その後、例えばスピンコート法により金属薄膜層上に光透過層を形成することにより製造できる。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。尚、以下、部は質量部を意味する。
尚、実施例中の反り角とは、光ディスク(光情報記録体)最外周における光透過層側への半径方向の最大反り角を意味する。また、負(−)の反り角は光透過層側とは反対側に反った場合の最大反り角を意味する。
実施例及び比較例において得られた組成物及びそれを用いて得た光ディスクについて、以下に示す評価項目及び評価方法で評価した。
〔評価項目及び評価方法〕
1.光透過層の評価
<反応率(%)>
評価用光ディスクから光透過層を剥離させ、これを試験片とした。この試験片約10g(初期重量)を5mm角に裁断した後、1Lのメチルエチルケトン中に入れ、メチルエチルケトンの沸点にて4時間還流した。還流終了後、東洋濾紙5Cのフィルターで濾過、室温にて4時間減圧乾燥した。次いで、この乾燥物を23℃、相対湿度50%環境下にて24時間放置後に測定した重量を還流後乾燥重量とし、(還流後乾燥重量/初期重量)×100の計算式により算出した値を硬化性組成物の反応率とした。
<光線透過率(%)>
評価用光ディスクから剥離させた光透過層の波長400nmにおける光線透過率を、日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用いて、空気をリファレンスとして測定した。
○:良好(85%以上)
×:不良(85%未満)
<耐光性(%)>
スガ試験機(株)製塗料用退色試験機FM−1型を用い、光透過層を光源に向けた状態で評価用光ディスクを配置、ブラックパネル温度60度の条件下で100時間耐光性テストを行った。その後、光ディスクを取り出し、23℃、相対湿度50%環境下にて24時間放置後、光透過層を剥離して光線透過率を測定した。
○:良好(85%以上)
×:不良(85%未満)
<引張特性>
評価用光ディスクから剥離させた光透過層から10mm×100mm×100μmの試験片を切り出し、標線間距離を50mm、引張速度20mm/分とすること以外はJIS K7127−1989に準拠し、23℃、相対湿度50%の環境下において、引張弾性率(単位:MPa)と破断伸度(単位:%)を測定した。
2.光ディスクの評価
<残膜率(%)>
評価用光ディスクについて、(株)キーエンス製レーザーフォーカス変位計LT−8100を用いて初期膜厚を測定した。また、80℃、相対湿度85%、240時間の耐久試験を行い、更に23℃、相対湿度50%の環境下にて24時間放置した後に同一箇所の膜厚を同環境下にて測定した。尚、残膜率を、(試験後膜厚/初期膜厚)×100とし、下記基準に基づき評価した。
○:良好(97〜103%)
×:不良(97%未満又は103%超)
<寸法安定性>
評価用光ディスクについて、ジャパンイーエム(株)製DLD−3000光ディスク光学機械特性測定装置を用いて、23℃、相対湿度50%環境下にて、半径55mm位置における初期反り角を測定した。
次いで、得られた光ディスクを70℃の乾燥機内に50分間放置し、更に、23℃、相対湿度50%環境下へ取り出した直後より、半径55mm位置における反り角を1分間隔で10分間測定し、反り角の最小値と最大値の幅をP−Pとして表わした。尚、寸法安定性は、下記基準に基づいて評価を行った。
◎:良好(初期反りが0.2度以内且つP−Pが0.3度以内)
○:やや良好(初期反りが0.4度以内且つP−Pが0.4度以内)
×:不良(初期反りが0.4度超又はP−Pが0.4度超)
《合成例1》ウレタンアクリレート(UA1:成分A)の製造
5Lの4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート1110g及びジブチル錫ジオクテート0.5gを仕込んで水浴中でフラスコ内温が40℃になるように加熱した。
ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名プラクセル205、数平均分子量530)1206gを側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)で調製したフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を40℃に保ちながら4時間等速で滴下し、更に同温度で2時間攪拌して反応させた。
次いで、フラスコ内容物の温度を75℃に上げ、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート633g及びハイドロキノンモノメチルエーテル1gの混合溶液を、フラスコ内温を75℃に保ちながら2時間等速で滴下した。更にフラスコ内容物の温度を75℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレートUA1を製造した。
《合成例2》ウレタンアクリレート(UA2:成分A)の製造
プラクセル205の代わりに、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学(株)製、商品名PTG1000SN、数平均分子量970)1721g及びN−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミド82.5gを用いる以外は合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA2を製造した。
《合成例3》ウレタンアクリレート(UA3:成分A)の製造
プラクセル205の代わりに、ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名T5650J、数平均分子量826)1466g及びN−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミド82.5gを用いる以外は合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA3を製造した。
[実施例1]
(1)硬化性組成物の製造
成分(A)として合成例1で得られたUA1を60部、成分(B)として1,9−ノナンジオールジアクリレート20部、成分(C)としてフェノキシエチルアクリレート20部、成分(D)として1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン3部、及び成分(E)としてアミノエーテル型光安定剤であるチバスペシャルティケミカルズ(株)製チヌビン123を0.2部混合溶解し、硬化性組成物を得た。
(2)評価用光ディスクの作製及び評価
ポリカーボネート樹脂(飽和吸水率:0.15質量%)を射出成型して得た光ディスク形状を有する透明円盤状鏡面基板(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)の片面に、Ag98PdCu(原子比)合金を膜厚20nmとなるようにスパッタリング法にて製膜し、鏡面に銀合金反射膜を有する評価用光ディスク基材を得た。
得られた評価用光ディスク基材の銀合金反射膜上に、上記(1)で得られた硬化性組成物を雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下、スピンコーターを用いて塗工した。塗工面の上方より、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製Dバルブランプを用いて、積算光量2000mJ/cmのエネルギー量(オーク(株)製UV−350にて測定)で紫外線を照射、塗膜を硬化させて、平均膜厚が100μmの光透過層を有する評価用光ディスクを得た。
各種評価結果を表1に示す。尚、全ての評価は作製した光ディスクを23℃、相対湿度50%の環境下にて24時間放置した後に実施した。
[実施例2〜4及び比較例1〜4]
硬化性組成物として表1に記載のものを用いること以外は実施例1と同様にして評価用光ディスクを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2007213744
表1中の略号は、以下の通りである。
UA1:合成例1で得られたウレタンアクリレート
UA2:合成例2で得られたウレタンアクリレート
UA3:合成例3で得られたウレタンアクリレート
NPGDA:ネオペンチルグリコールジアクリレート
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
C9DA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
C10DA:1,10−デカンジオールジアクリレート
PHE−S:フェノキシエチルアクリレート(第一工業製薬(株)製)
PHE−2D:フェノキシジエチレングリコールアクリレート(第一工業製薬(株)製)
CEA:エチレンオキサイド変性クレゾールアクリレート(第一工業製薬(株)製)
HCPK:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
BDK:ベンジルジメチルケタール
T123:チヌビン123(チバスペシャリティケミカルズ(株)製アミノエーテル型光安定剤)
T152:チヌビン152(チバスペシャリティケミカルズ(株)製アミノエーテル型光安定剤)
V540:ビスフェノールA型エポキシアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
TCDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
PM−21:カプロラクトン変性メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(日本化薬(株)製)
LA−82:1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(旭電化工業(株)製光安定剤)
GA−80:スミライザーGA−80(住友化学(株)製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール

Claims (1)

  1. 支持基体上に情報記録層を有し、この情報記録層上に光透過層を有し、この光透過層を通して記録光及び再生光の少なくとも一方が入射するように使用される光情報媒体であって、前記光透過層が、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(B)、下記一般式(2)で示される(メタ)アクリレート(C)、光重合開始剤(D)及びアミノエーテル型光安定剤(E)を含有する硬化性組成物の硬化物の層である光情報媒体。
    CH=CRCOO(Cα2α)OCOCR=CH (1)
    (式中、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基を示す。またαは2〜16の整数を示す。)
    O(RO)βCOCR=CH (2)
    (式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。またβは1〜3の整数を示す。)
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