JP2007211076A - 有機ポリマー粒子およびその製造方法、ならびにプローブ結合粒子 - Google Patents

有機ポリマー粒子およびその製造方法、ならびにプローブ結合粒子 Download PDF

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【課題】生体関連物質の非特異吸着が少ない有機ポリマー粒子およびその製造方法、ならびにプローブ結合粒子を提供すること。
【解決手段】有機ポリマー粒子は、2,3−ジヒドロキシプロピル基をトシル化して得られた活性基を有する架橋重合体をシェルとし、かつ、数平均粒径が0.1〜15μmである。
【選択図】なし

Description

本発明は、タンパク質や核酸等の生体関連物質の非特異吸着が少ない有機ポリマー粒子およびその製造方法に関し、特に、生化学・医薬品分野で特出する高感度を発現するプローブ結合粒子に関する。
有機ポリマー粒子および磁性粒子は、例えば、感染症・癌マーカー・ホルモン等の検査対象物質の検出を行なうため、抗原抗体反応を利用した診断薬の反応固相として用いられている。このような診断薬においては、抗体または抗原等の検査用プローブ(一次プローブ)が粒子上に固定化される。サンプル中の検査対象物質は一次プローブを介して粒子上に捕捉された後、第二の検査プローブと反応される。第二の検査プローブ(二次プローブ)は蛍光物質や酵素で標識されており、蛍光や酵素反応によって検出が行われる。近年、疾病の早期発見等の目的のため、検査の高感度化が求められており、診断薬の感度向上は大きな課題となっている。磁性粒子を用いた診断薬においても、感度向上のため、検出法として酵素発色を用いる方式から、より高い感度が得られる蛍光や化学発光を用いる方式へと切り替わりつつある。
これらの検出技術の発展により、理論上は一分子の検査対象物質の存在まで検出できるレベルに達しているといわれているが、実際には十分な感度が得られていない。その原因としては、粒子表面への二次プローブや夾雑物の非特異的な吸着が挙げられる。例えば、理論上一分子の検査対象物質を検出可能な検査技術であっても、数分子の二次プローブが粒子表面に非特異的に吸着すると、一分子検出は不可能である。このようなことから、粒子表面への検査に使用される物質に対して非特異的な吸着の抑制が強く求められている。
従来、このような非特異吸着の抑制方法として、ブロッキングと言われる方法が行われてきた。ブロッキングは、一次プローブを粒子上に固定化した後に、二次プローブや夾雑物等の吸着の少ないアルブミンやスキムミルク等のブロッキング剤で粒子表面を被覆する。しかし、ブロッキング剤の被覆効果が十分得られない場合や、生体物質であるブロッキング剤の品質安定性の問題、ブロッキングが十分に行われた場合でもブロッキング剤の変質等によってその作用が経時的に変化し非特異吸着が発生するといった問題点があり、十分な非特異吸着の抑制効果は得られていなかった。
非特異吸着の問題を解決するための方法として、96ウェルプレートに代表される免疫測定用基材の表面に親水性ポリマーを導入する方法が提案されている(特許文献1〜3)。しかし、このような平面を利用した免疫測定用基材では、一次プローブを固定化する面積が限られること、ならびに、一次プローブと検査対象物質との反応は固液反応であるため、抗原抗体反応の効率が悪く、検査時間が長くなること等の欠点があった。
さらに、非特異吸着を少なくするための対応策として、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体等からなる有機ポリマー粒子にスペーサを介して生理活性物質を結合したミクロスフィア(特許文献4,5,6)や、粒子表面に親水性のスペーサを導入した有機ポリマー粒子(特許文献7,8)等が提案されている。しかしながら、これらはいずれも、非特異吸着の低減効果が充分ではなく、また、免疫検査用としては感度が不十分であった。
本発明者らは、親水性モノマーとして、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(C2−C4)基含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、ホスホリルコリン類似基含有単量体等を粒子表面に共重合させた、非特異吸着の少ない免疫検査用磁性粒子を提案しているが(特許文献9)、さらなる高感度の発現が望まれる。
特開平11−174057号公報 特開2000−304749号公報 特開2001−272406号公報 特開平10−195099号公報 特開2000−300283号公報 WO2004/025297 A1号公報 特開2004−331953号公報 WO2004/040305 A1号公報 特開2005−69926号公報
本発明の目的は、タンパク質や核酸等の生体関連物質の非特異吸着が少ない有機ポリマー粒子およびその製造方法、ならびにプローブ結合粒子を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ね、特定の官能基を有する架橋重合体をシェルとし、かつ、数平均粒径が0.1〜15μmである有機ポリマー粒子が、タンパク質や核酸等の非特異吸着が極めて少ないこと、ならびに、この有機ポリマー粒子を用いることにより、生化学・医薬品分野で特出する高感度を発現するプローブ結合粒子が得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば、以下の態様の有機ポリマー粒子およびその製造方法、ならびにプローブ結合粒子を提供することができる。
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、2,3−ジヒドロキシプロピル基をトシル化して得られた活性基を有する架橋重合体を少なくとも粒子表面に有し、かつ、数平均粒径が0.1〜15μmである。
本発明において、「トシル化する」とは、水酸基を「p−トルエンスルホニル基」へと変換することをいう。
上記有機ポリマー粒子の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が70°以上であることができる。この場合、上記有機ポリマー粒子は、2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する架橋重合体を少なくとも粒子表面に有する有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理することにより得られ、前記有機ポリマー粒子(A)の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が40°以下であることができる。
上記有機ポリマー粒子は、磁性体を含有することができる。この場合、前記架橋重合体は、母粒子を覆うように設けられ、前記母粒子は、核粒子と、該核粒子の表面に設けられた超常磁性微粒子の磁性体層とを含むことができる。
本発明の一態様のプローブ結合粒子は、上記有機ポリマー粒子と、該有機ポリマー粒子に結合するプローブとを含む。
本発明の一態様の有機ポリマー粒子の製造方法は、
(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマー40〜95重量部、(ii)架橋性モノマー5〜30重量部、および(iii)その他のモノマー0〜55重量部からなるモノマー部を重合して架橋重合体を形成することにより、前記架橋重合体を少なくとも粒子表面に有する有機ポリマー粒子(A)を得る工程と、
前記有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理する工程と、
を含む。
上記有機ポリマー粒子の製造方法において、前記有機ポリマー粒子(A)を得る工程は、母粒子を覆うように前記架橋重合体を形成する工程を含み、前記母粒子は、核粒子と、該核粒子の表面に設けられた超常磁性微粒子の磁性体層とを含むことができる。
上記有機ポリマー粒子の製造方法において、前記有機ポリマー粒子(A)の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が40°以下であることができる。
上記本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、タンパク質や核酸等の生体関連物質の非特異吸着量が少ないため、生化学・医薬品分野で特出する高感度を発現する生化学検査用有機ポリマー粒子として好適である。また、上記本発明の一態様のプローブ結合粒子は、タンパク質や核酸等の生体関連物質の非特異吸着量が少ないため、生化学・医薬品分野で特出する高感度を発現し、生化学検査用として高いS/N比を得ることができる。
1.有機ポリマー粒子およびその製造方法
1.1.有機ポリマー粒子の構成
本発明の一態様の有機ポリマー粒子の数平均粒径(以下、単に「粒径」という。)は、通常、0.1〜15μmであり、好ましくは0.3〜10μmであり、より好ましくは1〜10μmである。粒径は、レーザ回折・散乱法により求める。ここで、粒径が0.1μm未満の場合、遠心分離等を用いた分離に長時間を要し、水等の洗浄溶媒と粒子との分離が不十分になるため、目的外の分子(例えば、タンパク質や核酸等の生体関連物質)の除去が不十分になり、充分な精製ができない場合がある。一方、粒径が15μmを超えると、比表面積が小さくなり、生体関連物質の捕捉量が少なくなる結果、感度が低くなる場合がある。
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、通常、適当な分散媒に分散させて用いられる。使用できる分散媒としては、有機ポリマー粒子を溶解したり、あるいは、有機ポリマー粒子を膨潤させたりしない分散媒が好ましい。好ましい分散媒としては、例えば、水系媒体を用いることができる。ここで、水系媒体とは、水、または水と水に混和する有機溶剤(例えば、アルコール類、アルキレングリコール誘導体等)との混合物をいう。
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、2,3−ジヒドロキシプロピル基をトシル化して得られた活性基を有する架橋重合体を少なくともその表面に有する。すなわち、本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、2,3−ジヒドロキシプロピル基をトシル化した活性基を有する架橋重合体を少なくとも粒子表面に有する。
2,3−ジヒドロキシプロピル基をトシル化した活性基は、例えば、2,3−ジヒドロキシプロピル基中の水酸基の一方または両方がトシル化された基であり、より具体的には、2−ヒドロキシ−3−(4’−メチルフェニル)スルホニルオキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−(4’−メチルフェニル)スルホニルオキシプロピル基、2,3−ジ(4’−メチルフェニル)スルホニルオキシプロピル基が挙げられる。なお、本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、トシル化されていない残余の2,3−ジヒドロキシプロピル基を有していても良い。
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、この(4’−メチルフェニル)スルホニル基すなわちトシル基を介して、一次プローブを化学結合させて、免疫検査用のプローブ結合粒子として利用することができる。また、一次プローブの結合後、過剰の一次プローブを洗浄し、未反応のトシル基を不活化した後の残余の2,3−ヒドロキシプロピル基により特出した高感度と低ノイズを発現することができる。このような効果は、例えば、モノヒドロキシプロピル基をトシル化したもの、例えば、3−(4’−メチルフェニル)スルホニルオキシプロピル基のみを有する粒子では発現し得ない。
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、架橋重合体を少なくとも粒子表面に有する。本発明の一態様の有機ポリマー粒子においては、この架橋重合体による架橋構造によって、分散媒による粒子の溶解または粒子表面の膨潤を防止することができる。有機ポリマー粒子において、架橋重合体を少なくともその表面に有さない場合、粒子表面が溶解し、結合した抗体が脱離して感度低下を招いたり、あるいは、粒子表面が膨潤して非特異吸着を増加させたりすることがある。なお、本発明における「少なくとも粒子表面に有する」とは、粒子表面を構成する成分を指し、有機ポリマー粒子が必ずしもコア・シェル構造を必要とするわけではない。よって、本発明においては、有機ポリマー粒子全体が架橋重合体であっても良い。
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する架橋重合体をシェルとする有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理することにより得られる。有機ポリマー粒子(A)の具体的なトシル化処理方法については後述する。また、後述するように、有機ポリマー粒子(A)中の2,3−ジヒドロキシプロピル基の少なくとも一部がトシル化されればよく、また、1つの2,3−ジヒドロキシプロピル基の少なくとも一方の水酸基がトシル化されればよい。
ここで、有機ポリマー粒子(A)の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角は、好ましくは40°以下、さらに好ましくは30°以下、最も好ましくは10°〜25°である。
また、本発明の一態様の有機ポリマー粒子(以下、有機ポリマー粒子(A)と区別するため有機ポリマー粒子(B)という場合もある)の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角は、好ましくは70°以上、さらに好ましくは90°以上、最も好ましくは105°〜120°である。
水分散液からの乾燥塗膜は、50mgの粒子を含む0.2mlの水分散液を、アプリケーター等を用いてスライドガラス等の平滑な基材に塗布し、湿度40%、気温25℃で24時間乾燥することにより得られる。乾燥塗膜と水との接触角は、約1μLの水滴を乾燥塗膜に滴下し、直ちに水平方向からの画像をカメラでデータとして取り込み、水滴の輪郭を円周の一部と仮定して塗膜の水平線との角度から求めることができる。有機ポリマー粒子(A)および(B)の接触角をこれらの範囲とすることにより、低非特異吸着性と高感度とを両立することができる。
有機ポリマー粒子(A)の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角が40°を超えると、非特異吸着が増加する場合がある。また、有機ポリマー粒子(B)の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角が70°未満であると、感度が低下する場合がある。
有機ポリマー粒子(A)の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角は、後述のシェルの構成成分である2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーの量およびその他のモノマーの種類および量によって調整することができ、有機ポリマー粒子(B)の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角は、有機ポリマー粒子(A)の接触角の調整因子およびトシル化の度合いによって調整することができる。
1.2.有機ポリマー粒子の製造方法
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマー40〜95重量部、(ii)架橋性モノマー5〜30重量部、および(iii)その他のモノマー0〜55重量部からなるモノマー部を重合して架橋重合体(共重合体)を形成することにより、前記架橋重合体をシェルとする有機ポリマー粒子(A)を得る工程と、有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理する工程とによって得ることができる。
ここで、有機ポリマー粒子(A)中をトシル化処理する工程において、1つの2,3−ジヒドロキシプロピル基中の2つの水酸基の両方がトシル化されてもよいし、あるいは、1つの2,3−ジヒドロキシプロピル基中の一方の水酸基のみがトシル化されてもよい。また、有機ポリマー粒子(A)中の複数の2,3−ジヒドロキシプロピル基のうち少なくとも一部がトシル化されればよい。さらに、有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理する工程において、有機ポリマー粒子(A)中の2,3−ジヒドロキシプロピル基以外の官能基の水酸基がトシル化されてもよい。
1.2.1.モノマー部の組成
(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーとしては、具体的には、グリセロールメタクリレート、グリセロールアクリレート、アリルグリセロールエーテル等を例示することができる。また、(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーの代わりに、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−3−(t−ブトキシ)プロピルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−(t−ブトキシ)プロピルメタクリレート、2,3−ジ(t−ブトキシ)プロピルメタクリレート等を重合中または重合後に加水分解して、(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーに相当する成分を導入しても良い。
共重合体形成後の加水分解条件は、例えば、0.05〜0.3mol/Lの硫酸中に、得られた粒子を分散させ、室温〜80℃で1〜24時間反応させることにより行なうことができる。(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーは、粒子表面を構成する共重合体100重量部中に40〜95重量部を占め、好ましくは60〜95重量部を占め、最も好ましくは80〜95重量部を占める。
(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーが40重量部未満では、低非特異性および高感度が発現せず、一方、95重量部を超えると、(ii)架橋性モノマーの量が不足し、粒子表面が溶解して結合した抗体が脱離し、感度低下を招いたり、あるいは、粒子表面が膨潤して非特異吸着を増加させたりすることがある。
(ii)架橋性モノマーは、(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマー等と共重合可能であり、かつ、1分子中に2個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するモノマーである。このような(ii)架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート等を例示することができる。さらに、(ii)架橋性のモノマーとして、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリビニルアルコールのポリ(メタ)アクリルエステル等の親水性のモノマーを例示することができる。
(ii)架橋性モノマーは、架橋重合体を構成する共重合体100重量部中に5〜30重量部を占める。(ii)架橋性モノマーが5重量部未満であると、粒子表面が溶解して結合した抗体が脱離して感度低下を招いたり、あるいは、粒子表面が膨潤して非特異吸着を増加させたりすることがあり、一方、30重量部を超えると、粒子が多孔質化して非特異吸着を増加させることがある。
(iii)その他のモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等の親水性官能基を有する(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アリルグリシジルエーテル等の親水性モノマー、ならびに、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルを例示することができる。
(iii)その他のモノマーの量は、上記(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーおよび(ii)架橋性モノマー以外の残余の量である。
1.2.2.重合方法
有機ポリマー粒子(A)は、例えば、乳化重合、ソープフリー重合、懸濁重合等の定法を用いて製造が可能である。より具体的には、有機ポリマー粒子(A)は、例えば、上記ビニル系モノマーの懸濁重合、あるいはポリマーバルクの粉砕によって得ることができる。例えば、有機ポリマー粒子(A)は、特公昭57−24369号公報記載のシード粒子(母粒子)を用いる二段膨潤重合法、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス・ポリマーレター・エディション,937頁,第21巻,1963年(J. Polym. Sci., Polymer Letter Ed. 21,937(1963))記載の重合方法、特開昭61−215602号公報、特開昭61−215603号公報、および特開昭61−215604号公報記載の方法によって作製することができる。これらの方法の中では、シード粒子(母粒子)を用いる二段膨潤重合法が、粒径の変動係数を小さくすることができるため好ましい。シード粒子(母粒子)は、ポリスチレンまたはスチレン系共重合体等を用いることができる。そして、二段膨潤重合法により追加されるポリマー部分は、上述の(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーあるいはその前駆体および(ii)架橋性モノマーを必須成分とするモノマー部から形成された共重合体(架橋重合体)からなる。したがって、このようにして得られた有機ポリマー粒子(A)は、2,3−ジヒドロキシプロピル基を少なくともその表面に有する。
上述したように、有機ポリマー粒子(B)は、有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理することにより、有機ポリマー粒子(A)中の2,3−ジヒドロキシプロピル基をトシル化することにより得られる。トシル化は、公知の方法により行なうことができる。例えば、有機ポリマー粒子(A)中の2,3−ジヒドロキシプロピル基とp−トルエンスルホン酸塩とを反応させることにより、2,3−ジヒドロキシプロピル基を、2−ヒドロキシ−3−(4’−メチルフェニル)スルホニルオキシプロピル基に変換することにより、トシル化を達成することができる。
p−トルエンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、p−トルエンスルホン酸クロライド等を挙げることができる。この工程は、典型的には、有機ポリマー粒子(A)をピリジン等の有機溶剤に分散した後、有機ポリマー粒子(A)100重量部当たり1〜50重量部のp−トルエンスルホン酸クロライドを添加し、室温で1〜6時間反応させることにより行なう。
あるいは、有機ポリマー粒子(A)中の2,3−ジヒドロキシプロピル基とp−トルエンスルホン酸とを脱水縮合させることにより、2,3−ジヒドロキシプロピル基を2−ヒドロキシ−3−(4’−メチルフェニル)スルホニルオキシプロピル基に変換することにより、前記トシル化を行なってもよい。
以上により、本発明の一態様の有機ポリマー粒子(B)を得ることができる。有機ポリマー粒子(B)の分散液は、遠心分離法等により、アセトン洗浄と水洗とを繰り返し、有機ポリマー粒子(B)の水分散体とすることが好ましい。
2.磁性体を含有する有機ポリマー粒子およびその製造方法
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、磁性体を含有する有機ポリマー粒子(以下、「磁性体含有有機ポリマー粒子」という。)であってもよい。磁性体含有有機ポリマー粒子は、例えば遠心分離器等を用いずに、磁石を用いて分離することができるため、被検体からの粒子の分離工程を簡素化または自動化することができる点で有用である。
磁性体含有有機ポリマー粒子は、(I)有機ポリマー等の非磁性体の連続相中に磁性体微粒子が分散している粒子、(II)磁性体微粒子の2次凝集体をコアとし、有機ポリマー等の非磁性体をシェルとする粒子、(III)有機ポリマー等の非磁性体からなる核粒子と、該核粒子の表面に設けられた磁性体微粒子の2次凝集体層(磁性体層)とを有する母粒子をコアとし、該母粒子の最外層の有機ポリマー層をシェルとする粒子等が挙げられる。これらの中では、(III)前記磁性体微粒子の2次凝集体層を含む母粒子をコアとし、有機ポリマー層をシェルとする粒子が好ましい。なお、各種構造の磁性体含有有機ポリマー粒子に用いる有機ポリマーは、コア・シェル型粒子のコア部分を除いて、上述の(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマーおよび(ii)架橋性モノマーを必須成分とするモノマー部を用いて形成された共重合体であることが必要である。
最も好ましい磁性体含有有機ポリマー粒子は、核粒子と、この核粒子の表面に設けられた超常磁性微粒子の磁性体層とを含む母粒子を覆うように、架橋重合体が設けられている。すなわち、この磁性体含有有機ポリマー粒子では、前記母粒子をコアとし、架橋重合体をシェルとする。ここで、架橋重合体は上述の製造方法により得られる。すなわち、架橋重合体は、(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマー40〜95重量部、(ii)架橋性モノマー5〜30重量部、および(iii)その他のモノマー0〜55重量部からなるモノマー部を重合することにより得られる。
核粒子の表面に超常磁性微粒子の磁性体層が形成された母粒子の製造方法としては、例えば、非磁性の有機ポリマー粒子と超常磁性微粒子とをドライブレンドして、物理的に強い力を外部から加えることにより双方の粒子を複合化させる方法により作製することができる。物理的に強い力を負荷する方法としては、例えば、乳鉢、自動乳鉢、ボールミル、ブレード加圧式粉体圧縮法、メカノフュージョン法のようなメカノケミカル効果を利用するもの、あるいはジェットミル、ハイブリダイザー等の高速気流中衝撃法を利用するものが挙げられる。効率よくかつ強固に複合化を実施するには、物理的吸着力が強いことが望ましい。その方法としては、攪拌翼付き容器中で攪拌翼の周速度が好ましくは15m/秒以上、より好ましくは30m/秒以上、さらに好ましくは40〜150m/秒で実施することが挙げられる。撹拌翼の周速度が15m/秒より低いと、非磁性の有機ポリマー粒子の表面に超常磁性微粒子を吸着させるのに十分なエネルギーを得ることができないことがある。なお、撹拌翼の周速度の上限については、特に制限はないが、使用する装置、エネルギー効率等の点から自ずと決定される。本発明で使用する超常磁性微粒子は、例えば、粒子径5〜20nm程度のフェライトおよび/またはマグネタイトの微粒子が好適に使用できる。
(i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマー40〜95重量部、(ii)架橋性モノマー5〜30重量部、および(iii)その他のモノマー0〜55重量部からなるモノマー部を重合することにより得られる共重合体(シェル)は、母粒子(コア)の存在下で前記モノマー部を共重合することにより形成することができる。各モノマー成分については上述の通りである。より具体的な重合方法については、特開2004−205481号公報等に開示されている通りである。
3.用途
本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、生化学分野での化合物担体用粒子および診断薬用の化学結合担体用粒子等のアフィニティー担体として利用でき、特に、抗原または抗体等の一次プローブを結合させた免疫検査用のプローブ結合粒子として、特出する高感度および低ノイズを発現することができる。
本発明の一態様のプローブ結合粒子において、検査対象となる物質は、免疫検査用試薬および被検査試料に含まれる生体関連物質および化学物質である。本発明において、「生体関連物質」とは、生体に関わるすべての物質をいう。生体関連物質としては、例えば、生体に含まれる物質、生体に含まれる物質から誘導された物質、生体内で利用可能な物質が挙げられる。生体関連物質は特に限定されないが、例えば、タンパク質(例えば、酵素、抗体、アプタマー、受容体等)、ペプチド(例えばグルタチオン等)、核酸(例えば、DNAやRNA等)、糖質、脂質、およびその他の細胞または物質(例えば、血小板、赤血球、白血球等の各種血球細胞を含む各種血液由来物質、各種浮遊細胞等)等が挙げられる。
本発明の一態様のプローブ結合粒子によれば、トシル基が粒子の表面に導入されているため、実際に使用するに当たり、一次プローブと粒子とを混合するだけで、一次プローブを粒子の表面に化学的に結合させることができる。
一次プローブを粒子の表面に結合させた後、過剰の一次プローブを洗浄し、必要に応じて未反応のトシル基を不活化する。不活化剤として、エタノールアミン、トリス(ヒドロキシアミノ)メタン等の水酸基を含有する不活化剤を使用するのが好ましい。また、一次プローブの活性を阻害しない範囲の酸またはアルカリ条件でトシル基を加水分解してもよい。また、一次プローブを粒子の表面に結合させた後、通常行われるブロッキングの操作は不要であるが、上記不活化工程において、アルブミン等のブロッキング剤を併用してもかまわない。以降は、粒子を用いた通常の分析工程に移行すればよい。
本発明の一態様のプローブ結合粒子に担持することができるプローブは、タンパク質(抗原または抗体)または核酸であり、このうち抗原または抗体が好ましい。この場合、抗原または抗体としては、被検体中に一般に含まれている成分に反応するものであれば特に制限されないが、例えば、アンチプラスミン検査用抗アンチプラスミン抗体、Dダイマー検査用抗Dダイマー抗体、FDP検査用抗FDP抗体、tPA検査用抗tPA抗体、TAT検査用抗トロンビン=アンチトロンビン複合体抗体、FPA検査用抗FPA抗体等の凝固線溶関連検査用抗原または抗体;BFP検査用抗BFP抗体、CEA検査用抗CEA抗体、AFP検査用抗AFP抗体、フェリチン検査用抗フェリチン抗体、CA19−9検査用抗CA19−9抗体等の腫瘍関連検査用抗原または抗体;アポリポタンパク検査用抗アポリポタンパク抗体、β2−ミクロブロブリン検査用抗β2−ミクロブロブリン抗体、α1−ミクログロブリン検査用抗α1―ミクログロブリン抗体、免疫グロブリン検査用抗免疫グロブリン抗体、CRP検査用抗CRP抗体等の血清蛋白関連検査用抗原または抗体;HCG検査用抗HCG抗体等の内分泌機能検査用抗原または抗体;HBs抗原検査用抗HBs抗体、HBs抗体検査用HBs抗原、HCV抗体検査用HCV抗原、HIV−1抗体用HIV−1抗原、HIV−2抗体検査用HIV−2抗原、HTLV−1検査用HTLV−1抗原、マイコプラズマ症検査用マイコプラズマ抗原、トキソプラズマ検査用トキソプラズマ抗原、ASO検査用ストレプトリジンO抗原等の感染症関連検査用抗原または抗体;抗DNA抗体検査用DNA抗原、RF検査用熱変成ヒトIgG等自己免疫関連検査用抗原または抗体;ジゴキシン検査用抗ジゴキシン抗体、リドカイン検査用抗リドカイン抗体等の薬物分析用抗原または抗体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。抗体としては、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のどちらを用いてもかまわない。
また、本発明の一態様の有機ポリマー粒子は、酵素・ホルモン等のタンパク質、DNA・RNA等の核酸、脂質、あるいは生理活性糖鎖化合物を粒子表面に化学結合法で感作させるアフィニティー担体としても利用できる。さらに、本発明の一態様の有機ポリマー粒子に、解析対象の化学物質(被解析化学物質;リガンド分子に該当する)を化学結合により固定化し、タンパク物質等との特異的相互作用を用いて当該相互作用を解析および/または測定することによって、被解析化学物質と特異的な相互作用を有するタンパク質等(ターゲット分子に該当する)を選別し、精製することが可能である。
具体的には、粒子に結合させるリガンド分子としては、本発明の一態様の有機ポリマー粒子が有するトシル基と反応しうる官能基を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、核酸、ペプチド核酸、ホルモン、分子量500〜100万のタンパク質、糖鎖、多糖類、細胞、アプタマー、ウイルス、酵素、各種のアフィニティー用タグ捕捉物質、ビオチン等の補酵素、特定の生理活性作用を有する(あるいは、特定の生理活性作用を有する可能性がある)化学物質等を使用することができる。
4.実施例
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。なお、本実施例において、「%」および「部」は重量基準である。
4.1.評価方法
4.1.1.CLEIA(化学発光酵素免疫測定)
抗AFP(αフェトプロテイン)抗体を感作させた、後述する各実施例・比較例で得られた有機ポリマー粒子の分散液10μl(粒子50μg相当)をテストチューブに取り、ウシ胎児血清(FCS)で1000ng/mLに希釈したAFP抗原(日本バイオテスト社製)の標準検体50μlと混合し、37℃で10分間反応した。遠心または磁気分離して粒子を分離し上清を除いた後、2次抗体としてアルカリフォスファターゼ(以下、「ALP」という。)で標識した抗AFP抗体(富士レビオ株式会社製、ルミパルスAFP−Nに付属の試薬を使用)40μlを添加し、37℃で10分間反応させた。次いで、遠心または磁気分離して粒子を分離し上清を除いた後、PBSで3回遠心洗浄を繰り返して得られた粒子を50μlの0.01%Tween20に分散させ、新しいチューブに移し替えた。ALPの基質液(ルミパルス基質液:富士レビオ株式会社製)100μlを加え、37℃で10分間反応させた後、化学発光量を測定した。化学発光の測定には、ベルトールジャパン株式会社製の化学発光測定装置(商品名:Lumat LB9507)を用いた。
4.1.2.粒径
レーザ回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製)SALD−200Vにより、粒子の数平均粒径およびその変動係数を測定した。
4.1.3.水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角
後述する各実施例・比較例で得られた有機ポリマー粒子50mgを1mlの純水で10回洗浄し、最後に0.2mlの純水に分散させた。この粒子を含む水分散液をアプリケーターでスライドガラスに塗布し、湿度40%、気温25℃で24時間乾燥して乾燥塗膜を得た。得られた乾燥塗膜と水との接触角を、協和界面科学製FAMAS接触角測定システム(商品名:DropMaster900)を用いて、以下の手順で測定した。1.0μLの水滴を乾燥塗膜に滴下してから0.15秒後の水平方向からの画像をカメラでデータとして取り込み、水滴の輪郭を円周の一部と仮定して、水滴の輪郭と乾燥塗膜の水平線との角度から、得られた乾燥塗膜と水との接触角を求めた。
4.2.合成例1(磁性体を含有しない有機ポリマー粒子の合成)
以下に記載するように、シード粒子(母粒子)を用いる二段膨潤重合法により有機ポリマー粒子(A)を作製した。シード粒子(母粒子)として、ソープフリー重合により得られた粒子径0.98μmのポリスチレン粒子を用い、このポリスチレン粒子を窒素雰囲気下で水500gに分散させて、水分散体(固形分量5.0g)を調製した。この水分散体に、一段目として有機溶剤(シェルゾールTK0.1g)、二段目としてメタクリル酸メチル(以下、「MMA」という。)40g、エチレングリコールジメタクリレート10g、およびグリセロールメタクリレート(以下、「GLM」という。)50gを加えてそれぞれ吸収させた後、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を2g添加して75℃で24時間ゆっくり撹拌した。次に、この反応液を冷却した後、500メッシュ金網でろ過したところ、99%が通過し、良好な重合安定性であった。重合収率は99%であった。上記工程により得られた有機ポリマー粒子(A)を以下「A−1」とする。
このA−1粒子を、遠心分離を用いて蒸留水で洗浄した後、上述の方法にて、水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角を測定した結果、該接触角は34°であった。
次に、このA−1粒子5.0gを、遠心分離を用いて蒸留水で洗浄した後、凍結乾燥して得られた乾燥粒子1.0gを8mlのピリジンに分散させ、次いで、p−トルエンスルホン酸クロライド(和光純薬工業製)0.2gを加えて室温で2時間撹拌した。反応後、遠心分離機を用いて分離した粒子を採取した後、この粒子をアセトンで4回、続いて蒸留水で4回洗浄して、有機ポリマー粒子(B)(以下、「B−1」とする。)を得た。B−1粒子の粒子径は2.6μmであり、粒子径の変動係数は4%であった。B−1粒子の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角は80°であった。
得られたB−1粒子のトシル基含量を、エタノールアミンとの反応量から求めた。B−1粒子5mgに0.2mol/Lのエタノールアミンを含有するホウ酸緩衝液(0.1mol/L、pH9.5)溶液500μlを加え、37℃で16時間撹拌して反応した。反応後、反応によって生じたp−トルエンスルホン酸の生成量を反応液の上澄みの吸光度から測定した結果から(ε262=440)、B−1粒子の粒子のトシル基量は、0.17μモル/mgであった。
4.3.合成例2(磁性体を含有する有機ポリマー粒子の合成)
75%ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド溶液(日本油脂製「パーロイル355−75(S)」2質量部を1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液20質量部に混合し、超音波分散機にて微細乳化した。これを粒径0.77μmのポリスチレン粒子13質量部および水41質量部の入ったリアクターに入れ、25℃で12時間攪拌した。別の容器にて、スチレン96質量部およびジビニルベンゼン4質量部を0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液400質量部で乳化させた液を前記リアクターに入れ、40℃で2時間攪拌した後、75℃に昇温して8時間重合した。室温まで冷却した後、遠心分離により粒子のみ取り出したものをさらに水洗し、乾燥および粉砕した。これを核粒子とする(核粒子の作製)。数平均粒径は1.5μmであった。
次に、油性磁性流体(商品名:「EXPシリーズ」,(株)フェローテック製)にアセトンを加えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することにより、疎水化処理された表面を有するフェライト系の磁性体微粒子(平均一次粒子径:0.01μm)を得た。
次いで、上記核粒子15gおよび上記疎水化された磁性体微粒子15gをミキサーでよく混合し、この混合物をハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(奈良機械製作所(株)製)を使用して、羽根(撹拌翼)の周速度100m/秒(16200rpm)で5分間処理し、平均数粒子径が2.0μmの磁性体微粒子からなる磁性体層を表面に有する母粒子を得た。
次に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.25重量%を含む水溶液375gを1Lセパラブルフラスコに投入し、次いで、前記磁性体層を有する母粒子15gを投入し、ホモジナイザーで分散した後、60℃に加熱した。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.25重量%を含む水溶液150gに、MMA27g、トリメチロールプロパントリメタクリレート(以下、「TMP」という。)3g、およびジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日本油脂社製;パーロイル355)0.6gを入れて分散させたプレエマルジョンを、60℃にコントロールした前記1Lセパラブルフラスコに1時間30分かけて滴下した。滴下終了後、60℃に保持し1時間攪拌した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量%およびノニオン性乳化剤(商品名:「エマルゲン150」,花王(株)製)0.25重量%を含む水溶液75gに、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という。)13.5g、TMP1.5g、およびジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日本油脂社製;パーロイル355)0.3gを入れて分散させたプレエマルジョンを、60℃にコントロールした上記1Lセパラブルフラスコに1時間30分かけて滴下した。その後75℃に昇温した後さらに2時間重合を続けて、反応を完了させた。続けて、この1Lセパラブルフラスコに1mol/L 硫酸60mlを入れ、60℃で6時間撹拌した。次いで、前記セパラブルフラスコ中の粒子を、磁気を用いて分離した後、蒸留水を用いて繰り返し洗浄した。以上により、磁性体を含有する有機ポリマー粒子(A)の分散液を得た(以下、「A−2」とする。)。A−2粒子の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角は20°であった。
次に、A−2粒子を凍結乾燥して得られた乾燥粒子1.0gを8mlのピリジンに分散させた後、p−トシルクロライド0.2gを加えて室温で2時間撹拌した。反応後、磁気を用いて粒子を分離し、アセトンで4回、続いて蒸留水で4回洗浄して、有機ポリマー粒子(B)(以下、「B−2」とする。)を得た。この磁性粒子(B−2粒子)の平均数粒子径は2.9μmであった。また、B−2粒子の水分散液からの乾燥塗膜と水との接触角は112°であった。
得られたB−2粒子のトシル基量を、エタノールアミンとの反応から求めた結果、0.24μmol/mgであった。
4.4.合成例3:(抗体を感作させた、磁性体を含有しない有機ポリマー粒子の合成)
合成例1で得られた有機ポリマー粒子(B−1粒子)10mgをホウ酸緩衝液(0.1mol/L、pH9.5)溶液1.0mlに分散させ、腫瘍マーカーであるヒトαフェトプロテイン(AFP)に対する抗体(以下、「抗AFP抗体」という。コスモ・バイオ株式会社製)100μgを加えて室温で18時間反応させた。反応後、粒子を遠心分離し、洗浄液(25mmol/L Tris−HCl,pH7.4、0.01%Tween20含有)で繰り返し洗浄した後、粒子濃度が0.5%になるように洗浄液で希釈して、抗AFP抗体を感作させた有機ポリマー粒子(以下、「C−1」とする。)の分散液を得た。
4.5.合成例4(抗体を感作させた、磁性体を含有する有機ポリマー粒子の合成)
有機ポリマー粒子(B−1粒子)に替えて、合成例2で得られた、磁性体を含有する有機ポリマー粒子(B−2粒子)を用い、遠心分離に替えて磁気分離を用いた他は、合成例3と同様の方法にて、抗AFP抗体を感作させた有機ポリマー粒子(以下、「C−2」とする。)の分散液を得た。
4.6.比較合成例1(抗体を感作させた、磁性体を含有しない有機ポリマー粒子の合成)
合成例1でGLMの代わりにGMAを用いて得られたグリシジル基含有ポリマー粒子10mgを1mol/L硫酸アンモニウム含有ホウ酸緩衝液(0.1mol/L、pH9.5)溶液1.0mlに分散させ、抗AFP抗体100μgを加えて室温で18時間反応させた。反応後、粒子を遠心分離し、洗浄液(25mmol/L Tris−HCl,pH7.4、0.01%Tween20含有)で繰り返し洗浄した後、粒子濃度0.5%になるように洗浄液で希釈して、抗AFP抗体を感作させた有機ポリマー粒子(以下、「C−3」とする。)の分散液を得た。
4.7.比較合成例2(抗体分子を感作した、磁性体を含有する粒子の合成)
有機ポリマー粒子(B−2粒子)に替えて、Dynabeads M280 Tosylactivated(粒子径2.8μm;DYNAL BIOTECH社、3−ヒドロキシプロピル基をトシル化した活性基を有する)を用いた他は、合成例4と同様に、抗AFP抗体を感作させた有機ポリマー粒子(以下、「C−4」とする。)を得た。
4.8.実施例1
合成例3で得られた、抗体を感作させた、磁性体を含有しない有機ポリマー粒子(C−1)の分散液を用いて、化学発光酵素免疫測定(CLEIA)を実施した。AFPを含まない検体のノイズ強度は155RIU(Relative intensity units)であった。AFP濃度1000ng/mLの時のシグナル強度は445849(RIU)であった。
4.9.実施例2
有機ポリマー粒子(C−1)の分散液に替えて、合成例4で得られた、抗体を感作させた、磁性体を含有する有機ポリマー粒子(C−2)の分散液を用いた他は実施例1と同様にして、CLEIAを実施した。AFPを含まない検体のノイズ強度は52(RIU)であった。AFP濃度1000ng/mLの時のシグナル強度は584221(RIU)であった。
4.10.比較例1
有機ポリマー粒子(C−1)の分散液に替えて、比較合成例1で得られた、抗体分子を感作させた、磁性体を含有しない有機ポリマー粒子(C−3)の分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてCLEIAを実施した。AFPを含まない検体のノイズ強度は250(RIU)であった。AFP濃度1000ng/mLの時のシグナル強度は42045(RIU)であった。
4.11.比較例2
有機ポリマー粒子(C−1)の分散液に替えて、比較合成例2で得られた、抗体分子を感作させた、磁性体を含有する粒子(C−4)の分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてCLEIAを実施した。AFPを含まない検体のノイズ強度は580(RIU)であった。AFP濃度1000ng/mLの時のシグナル強度は157898(RIU)であった。

Claims (9)

  1. 2,3−ジヒドロキシプロピル基をトシル化して得られた活性基を有する架橋重合体を少なくとも粒子表面に有し、かつ、数平均粒径が0.1〜15μmである、有機ポリマー粒子。
  2. 請求項1において、
    前記有機ポリマー粒子の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が70°以上である、有機ポリマー粒子。
  3. 請求項2において、
    2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する架橋重合体を少なくとも粒子表面に有する有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理することにより得られ、
    前記有機ポリマー粒子(A)の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が40°以下である、有機ポリマー粒子。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    磁性体を含有する、有機ポリマー粒子。
  5. 請求項4において、
    前記架橋重合体は、母粒子を覆うように設けられ、
    前記母粒子は、核粒子と、該核粒子の表面に設けられた超常磁性微粒子の磁性体層とを含む、有機ポリマー粒子。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の有機ポリマー粒子と、該有機ポリマー粒子に結合するプローブとを含む、プローブ結合粒子。
  7. (i)2,3−ジヒドロキシプロピル基を有するモノマー40〜95重量部、(ii)架橋性モノマー5〜30重量部、および(iii)その他のモノマー0〜55重量部からなるモノマー部を重合して架橋重合体を形成することにより、前記架橋重合体を少なくとも粒子表面に有する有機ポリマー粒子(A)を得る工程と、
    前記有機ポリマー粒子(A)をトシル化処理する工程と、
    を含む、有機ポリマー粒子の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記有機ポリマー粒子(A)を得る工程は、
    母粒子を覆うように前記架橋重合体を形成する工程を含み、
    前記母粒子は、核粒子と、該核粒子の表面に設けられた超常磁性微粒子の磁性体層とを含む、有機ポリマー粒子の製造方法。
  9. 請求項7または8において、
    前記有機ポリマー粒子(A)の水分散液から得られる乾燥塗膜と水との接触角が40°以下である、有機ポリマー粒子の製造方法。
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