JP2007211070A - 粘着性グリース組成物 - Google Patents

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Kunihiro Yamada
邦弘 山田
Osamu Uchida
内田  修
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Abstract

【課題】トルクが大きく且つ低温から高温において温度依存性が小さい安定したトルクが得られる粘着グリースを提供する。
【解決手段】(A)下記の通り定義されるチキソ度αが1.03〜1.50であり、25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサンと、
(B)平均粒径0.1〜100μmの無機充填剤
を含有し、これら成分(A)及び成分(B)の合計(100質量%)において成分(A)の割合が5〜95質量%であり、成分(B)の割合が5〜95質量%である粘着性グリース組成物。
チキソ度α=η12
〔ここで、η1はB型回転粘度計により25℃においてローターの回転数をβrpmとして測定した粘度であり、η2はB型回転粘度計により25℃においてローターの回転数を2×βrpmとして測定した粘度である。〕
【選択図】なし

Description

インジェクトダンパーやヒンジ体に用いられる粘着グリース組成物に関し、特に例えば軸受けに封入したときにトルクが大きく、しかし低温から高温に至るまでトルク変化の少ない粘着グリース組成物に関する。
シリコーンオイルあるいは鉱油系オイルに、充填剤あるいは粘着成分を混合した粘着グリースなるものが従来から知られ(特許文献1、2、3および4)、その特性からビデオデッキ、DVD、車の灰皿などのインジェクトダンパー部に用いられる。これらの粘着グリースは一般的には、低温領域程トルクが大きくなり高温領域ほどトルクが低くなる傾向があるが、ダンパーなどは構造体が比較的大きくスプリング等なども併用して使用されるためその影響は比較的小さく出来る。しかしながら、折りたたみ携帯電話などに代表されるようなヒンジ体は、設計上構造体を大きく出来ないので強力なスプリングも使えないため、その動作は使用される粘着グリースの温度変化によるトルク変化の影響を受けやすい。また、元来このトルクの温度による変化は、低トルクのグリースの場合はトルクの絶対値が小さいため見かけ上変化は少ないが、高トルクの粘着グリースは、どうしても温度によるトルク変化が大きくなってしまう。携帯電話に使われるようなヒンジ体には、高トルクであり、且つトルクの温度依存性の低い粘着グリースが求められるがこのようなものは従来知られていない。
特公昭53-776号 特公昭60-45240号 特公昭56-16195 特公平5-34394
そこで、本発明の課題は、トルクが大きく且つ低温から高温において温度依存性が小さい安定したトルクが得られる粘着グリースを提供することにある。
本発明者らは、上記欠点を解決すべく鋭意検討の結果、特定のオルガノポリシロキサンをベースオイルに使用することにより、トルクが大きく且つ低温から高温におよぶ領域において安定したトルクを得ることが出来ることを見出した。
即ち、本発明は、上記課題を解決する手段として、
(A)下記の通り定義されるチキソ度αが1.03〜1.50であり、25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン と、
(B)平均粒径0.1〜100μmの無機充填剤
を含有し、これら成分(A)及び成分(B)の合計(100質量%)において成分(A)の割合が5〜95質量%であり、成分(B)の割合が5〜95質量%である粘着性グリース組成物を提供する。
チキソ度α=η12
〔ここで、η1はB型回転粘度計により25℃においてローターの回転数をβrpmとして測定した粘度であり、η2はB型回転粘度計により25℃においてローターの回転数を2×βrpmとして測定した粘度である。〕
上記の本発明の粘着グリース組成物は高トルクであり且つ低温域から高温域において温度依存性の小さい安定したトルクを発現することが出来る。
以下、本発明の組成物について詳述する。
−成分(A)−
成分(A)のオルガノポリシロキサンはチキソ性を有しているものである。チキソ度αはオイルのチキソ性を示す値で、これが大きいほどオイルの粘性が強いことを示す。チキソ度が1.03より小さいと粘性が弱いためこのオルガノポリシロキサンと成分(B)の無機充填剤との親和性が弱く、粘着グリース組成物がオイルブリードしやすくなり、1.50より大きいと成分(B)の無機充填剤との混合が困難となるため、チキソ度は1.03〜1.50の範囲であり、好ましくは1.05〜1.40である。
またこのオルガノポリシリキサンの25℃における粘度は、100mPa・sより小さいと得られる粘着グリース組成物の安定性が乏しいものとなり、1,000,000mPa・sより大きいと成分(B)との混合が困難となるため、100〜1,000,000mPa・sの範囲であり、好ましくは1000〜100,000 mPa・sである。
この成分(A)のオルガノポリシロキサンは、例えば1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、一分子中に少なくとも2個のSi-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で付加反応させることにより容易に得られる。
上記少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、例えば、ケイ素原子に直結したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するもので、直鎖状でも分岐状でもよく、またこれら2種以上の異なる粘度の混合物でもよい。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基などが例示されるが、合成のし易さ、コストの面からビニル基が好ましい。ケイ素原子に結合した残余の有機基としては、メチル基、エチル基、プルピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基などのアラルキル基が例示され、さらにクロロメチル基、3,3,3,−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基も例として挙げられる。これらのうち、合成のし易さ、コストの面から90%以上メチル基が好ましい。ケイ素原子に結合したアルケニル基は、オルガノポリシロキサンの分子鎖の末端、途中(非末端)の何れにも存在してもよいが、柔軟性の面では両末端にのみ存在することが好ましい。この少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの好ましい例としては、一般式(1):
Figure 2007211070
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を含まない置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、Xはアルケニル基であり、Kは1≦K≦3000の、Lは0≦L≦1000の数である。)
で表されるものが挙げられる。ここで、Rで表される脂肪族不飽和結合を含まない置換もしくは非置換の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロヘキシル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、2-フェニルエチル基、2-メチル-2-フェニルエチル基等のアラルキル基、3,3,3-トリフロロプロピル基、2-(パーフロロブチル)エチル基、2-(パーフロロオクチル)エチル基、p-クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、合成のし易さ、コストの面から90%以上メチル基が好ましい。Xで表されるアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基等が挙げられる。
前記のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(2):
Figure 2007211070
(式中、R2としては水素原子、または置換または非置換の炭素原子数1〜20の飽和もしくは不飽和の一価の炭化水素基である。n、mはそれぞれ1≦n≦1000, 0≦m≦1000である。)
一般式(2)において、R2で表される置換または非置換の一価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロヘキシル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、2-フェニルエチル基、2-メチル-2-フェニルエチル基等のアラルキル基、3,3,3-トリフロロプロピル基、2-(パーフロロブチル)エチル基、2-(パーフロロオクチル)エチル基、p-クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、合成のし易さ、コストの面から90%以上メチル基が好ましい。
前記の白金系触媒としては、同種の付加反応を促進するものとして従来公知のいずれの白金系触媒をも使用することができ、例えば、白金単体、塩化白金酸、白金-オレフィン錯体、白金−アルコール錯体等が挙げられる。
この付加反応で所望する、成分(A)であるオルガノポリシロキサンを得る場合には、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン及び/又はSi-H基を有するオルガノポリシロキサンはそれぞれ2種類以上使用してもよいし、また反応基を持たないジメチルポリシロキサン等を混合してもよい。
また、別な方法として、一般的な線状オルガノポリシロキサンの構造単位である〔R3 SiO1/2〕単位及び〔R3 SiO〕単位に加えて、〔R3SiO3/2〕単位あるいは〔SiO4/2〕単位を導入することでも得られる。ここでR3はR2と同じ意味を有する。このようなオルガノポリシロキサンの製造方法としては、例えば、(CH33SiCl、(CH3SiCl2、(CH3)SiClなどのクロロシランを加水分解、縮合するか、またはこうして得られた縮合物と環状低分子シロキサンとをアリカリ金属水酸化物、アリカリ金属シラノレートあるいはテトラアルキルホスホニウムヒドロキシド、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドなどの水酸化物、あるいは硫酸、有機スルホン酸などの強酸物などから選ばれる触媒存在下で、室温あるいは加熱下で反応させるか、あるいは水酸基を有し(CH33SiO1/2単位とSiO2単位とからなるオルガノポリシロキサンとシラノール基を有するポリジオルガノシロキサン等をアミン触媒、錫触媒などの縮合触媒存在下で室温あるいは加熱下で反応させることにより容易に得ることができる。
成分(A)の製造方法としては、以上説明した方法に限ったものではなく、所要のチキソ度及び粘度を有するものが得られればどんな合成方法でも構わない。
本発明の組成物において、成分(A)のオルガノポリシロキサンと成分(B)の無機充填剤との合計において、成分(A)の割合が5質量%より少ないと組成物として硬くなりすぎるため取り扱いが難しくなるし、95質量%より多いと充分なトルクが得られないため、5〜95質量%であり、好ましくは10〜90質量%である。
−成分(B)−
成分(B)である無機充填剤はグリースとしての性状を保たせる目的で混合する。この無機充填剤の平均粒径は0.1μmより小さいと得られる組成物の粘度が高くなりすぎ扱いが難しくなるし、100μmより大きいと得られる組成物が不均一となるため0.1〜100μmの範囲であり、好ましくは0.1〜20μmである。ここで、「平均粒径」とは、粒体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたときの50%径(中心径:Median径)を意味し、Microtrac社の粒度分析計により測定することができる。
本発明の組成物において、成分(A)のオルガノポリシロキサンと成分(B)の無機充填剤との合計において、成分(B)の配合量は5質量%より小さいと得られる組成物が安定せず、オイル分離など起こしやすくなり、95質量%より大きいと組成物が硬くなりすぎて取り扱いが難しくなるため、5〜95質量%の範囲であり、好ましくは10〜90質量%である。
この無機充填剤はグリースとしての性状を保たせることが出来れば何でもよいが、軸受けなどを摩耗させないために硬度は比較的低い粉末が好ましく、例えばシリカ粉末、カーボン粉末、酸化亜鉛粉末等が挙げられるがこれらに限られたものではない。シリカ粉末はどのような表面処理を施されたものでもよい。これら無機充填剤の粉末粒子の形状は特に限定されず、例えば球状、不規則形状どちらでもよい。2種類以上の無機充填剤を混合してもよい。
−その他の任意成分−
本発明の組成物には上記の成分(A)、(B)以外に、本発明の目的、効果を害しない限り、必要に応じてその他の成分を配合することができる。そのような成分について説明する。
・(C)成分:
本発明の組成物には、式:R SiO0.5(Rは炭素原子数1〜10の1価炭化水素基。)で表される単位および式:SiOで表される単位を含有し、R SiO0.5単位/SiO単位のモル比が0.6〜1.7であって、25℃で固体であるポリオルガノシロキサンを組成物の粘着力を向上させるために配合してもよい。
上記のRで表される炭素原子数1〜10の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基があげられ、メチル基が好ましい。
上記成分(C)のオルガノポリシロキサンにおいて、R SiO0.5単位/SiO単位のモル比が小さすぎると粘着力向上の効果が得がたく、このモル比が大きすぎると粘着力や保持力が低下することがある。
上記成分(C)のオルガノポリシロキサンはOH基を含有していてもよく、また、本発明の特性を損なわない範囲でRSiO1.5単位,R 2SiO単位を成分(C)中に含有させることも可能である。なお、成分(C)は2種以上を併用してもよい。
この成分(C)が成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対し、100質量部を越えると粘着グリースが硬くなりすぎるため、好ましくは0〜100質量%の範囲、より好ましくは0〜70質量%の範囲が良い。
・成分(D):
また、本発明の組成物には粘着成分としてポリブテンおよび/またはポリブタジエンを必要に応じて配合することができる。
ポリブテンおよびポリブタジエンは粘着成分として代表的なものであり、かつそのようなものとして公知のものである。この成分(D)が成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対し、100質量部を越えると粘着グリースが硬くなりすぎるため0〜100質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0〜70質量%の範囲が良い。
−調製−
本発明のグリース組成物を製造するには、成分(A)及び成分(B)を、必要に応じてさらに成分(C)および/または成分(D)を、攪拌混練機(例えば、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(何れも井上製作所(株)製)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製))等の混合機にて混合する。必要によっては加熱してもよい。尚、混合後、均一仕上げのためさらに高剪断力下で混練操作を行うことが好ましい。混練装置としては3本ロ−ルミル、コロイドミル、サンドグラインダー等を用いることができ、中でも3本ロ−ルミルによる方法が好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、以下の記載において、粘度は特記しない限り25℃におけるB型粘度計による測定値である。
<温度特性試験>
直径4mm、長さ8mm、クリアランス35μmの軸と軸受けにグリースを塗布後、軸を回転数10rpmで回転させた。この際に周囲温度を変化させて、様々な温度におけるトルク値の測定を行った。
<稠度>
JIS K2220に準じて測定を行った。
(合成例1)
−成分(A)のオルガノポリシロキサンA-1の合成−
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を設けた内容積1000mlのフラスコを用意した。このフラスコに、
・両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、主鎖のケイ素に結合した側基の5モル%がフェニル基で残りの95モル%がメチル基である、25℃における粘度が700 mPa・sのビニル基含有オリガノポリシロキサン500g、
・下記の式(a−1)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサン3.0g、及び
・下記の式(a−2)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサン5.0g
を入れた。
Figure 2007211070
Figure 2007211070
さらに、白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のジメチルビニルシリル末端封鎖のジメチルポリシロキサン溶液、白金原子として1質量%含有の白金触媒を0.25gを投入した。その後、120℃で1時間撹拌下で反応させ、オルガノポリシロキサンA-1を得た。
得られたオルガノポリシロキサンA-1の粘度を下記の条件で測定したところ、それぞれ下記測定値:
ロータNo.4/6rpmで測定した場合;測定粘度 26,000mPa・s、
ロータNo.4/12rpmで測定した場合;測定粘度 22,500 mPa・s
が得られ、これから求めたチキソ度αは1.16であった。
(合成例2)
−成分(A)のオルガノポリシロキサンA-2の合成−
(1)ベースオイルXの合成
攪拌機、温度計、冷却管及び滴下装置を備えた内容積5リットルのフラスコに水3,000gを入れ、撹拌しながらこの中にトリメチルクロロシラン490g、ジメチルジクロロシラン560g及びメチルトリクロロシラン650gの混合物を反応物の温度が50℃以下になるように冷却しながら3時間かけて滴下した。これをさらに30℃で2時間撹拌し、水層(塩酸及び水)を分離した後、有機層に3質量%炭酸ナトリウム水溶液1700gを加え、室温で2時間撹拌した後、水層を分離して除き、残った有機層に無水硫酸ナトリウム70gを加えて室温で3時間撹拌した後、これを濾過して粘度が14mPa・sで無色透明なオイルXを得た。
(2)オルガノポリシロキサンA-2の合成
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を設けた内容積500mlのフラスコに、(1)で得られたオイルX10g、粘度が10 mPa・sのトリメチルシリル末端封鎖ポリジメチルシロキサン22g及びオクタメチルシクロテトラシロキサン300gを入れ、窒素ガスを通気しながら120℃まで加熱した。この中に、水酸化カリウム0.3gを加え、さらに150℃まで昇温させて4時間撹拌した後100℃まで冷却し、エチレンクロロヒドリン2gを添加し、未反応の低分子シロキサンを除去して、オルガノポリシロキサンA-2を得た。
得られたオルガノポリシロキサンA-2の粘度を下記の条件で測定したところ、それぞれ下記測定値:
ロータNo.4/6rpmで測定した場合;測定粘度 36,000 mPa・s、
ロータNo.4/12rpmで測定した場合;測定粘度 27,300 mPa・s
が得られ、これから求めたチキソ度αは1.32であった。
−成分(A)のオルガノポリシロキサンA-3の合成−
合成例2(2)において、原料としてオイルXを25g、オクタメチルシクロテトラシロキサン308gと量を変更した以外は合成例2と同様にしてオルガノポリシロキサンA-3を合成した。
得られたオルガノポリシロキサンA-3の粘度を下記の条件で測定したところ、それぞれ下記測定値:
ロータNo.2/6rpmで測定した場合;測定粘度 2,200 mPa・s、
ロータNo.2/12rpmで測定した場合;測定粘度 2,100 mPa・s
が得られ、これから求めたチキソ度αは1.05であった。
(合成例4)
−成分(A)のオルガノポリシロキサンA-4の合成−
合成例1において、ビニル基含有オルガノポリシロキサンを、25℃における粘度が600 mPa・sである以外は同一であるジメチルポリシロキサン500gに変更し、二種のハイドロジェンオルガノポリシロキサンを、下記の式(a−2):
Figure 2007211070
のハイドロジェンオルガノポリシロキサン23g、及び式(a−3):
Figure 2007211070
のオルガノポリシロキサン33gに変更した以外は、全て合成例1と同様に製造を行いオルガノポリシロキサンA-4を得た。
得られたオルガノポリシロキサンA-4の粘度を下記の条件で測定したところ、それぞれ下記測定値:
ロータNo.4/3rpmで測定した場合;測定粘度 72,000 mPa・s、
ロータNo.4/6rpmで測定した場合;測定粘度 46,000 mPa・s
が得られ、これから求めたチキソ度αは1.57であった。
(合成例5)
−成分(A)のオルガノポリシロキサンA-5の合成−
合成例2において、原料を、オイルX100g、オクタメチルシクロテトラシロキサン200gに変更した以外は、合成例2と同じ条件で合成したところ、オルガノポリシロキサンA-5を得た。
得られたオルガノポリシロキサンA-5の粘度を下記の条件で測定したところ、それぞれ下記測定値:
ロータNo.1/6rpmで測定した場合;測定粘度 450 mPa・s、
ロータNo.1/12rpmで測定した場合;測定粘度 440 mPa・s
が得られ、これから求めたチキソ度αは1.02であった。
(実施例1−6、比較例1−6)
−粘着性グリース組成物の製造−
成分(A)として、合成例1〜5で得られたオルガノポリシロキサンA1〜5と、チキソ度αが1.01であって下記の式:
Figure 2007211070
で表されるジメチルポリシロキサンA−6の6種類を用い、表1および表2に示したように、成分(B)および場合によってはさらに成分(C)、成分(D)の少なくとも1つを配合し、プラネタリミキサー(井上製作所(株)製)を用い室温で30分間混合し、それぞれ、実施例1〜6、比較例1〜6の粘着グリース組成物を得た。
尚、上記ジメチリポリシロキサンA−6の粘度は下記の条件で測定され、下記測定値:
ロータNo.3/6rpmで測定した場合;測定粘度 9,800 mPa・s、
ロータNo.3/12rpmで測定した場合;測定粘度 9700 mPa・s
が得られ、これから上記のチキソ度αが求められた。
また、表1、2に示した成分(B)、(C)および(D)は次の通りである。
・B-1)酸化亜鉛粉末 (不定形、平均粒径:2μm)
・B-2)(CHSi(OH)2で表面処理を施したシリカ粉末 (不定形、平均粒径:2μm)
・C-1)MeSiO0.5単位およびSiO単位からなるポリシロキサン(MeSiO0.5単位/SiO単位=0.80)の粉末
・C-2)MeSiO0.5単位およびSiO単位からなるポリシロキサン(MeSiO0.5単位/SiO単位=0.70)の粉末
・D-1)ポリブテン
・D-2)ポリブタジエン



















Figure 2007211070
Figure 2007211070
(注)*印は(A)成分として本発明のチキソ度の条件を満たしていないことを示す。

Claims (4)

  1. (A)下記の通り定義されるチキソ度αが1.03〜1.50であり、25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサンと、
    (B)平均粒径0.1〜100μmの無機充填剤
    を含有し、これら成分(A)及び成分(B)の合計(100質量%)において成分(A)の割合が5〜95質量%であり、成分(B)の割合が5〜95質量%である粘着性グリース組成物。
    チキソ度α=η12
    〔ここで、η1はB型回転粘度計により25℃においてローターの回転数をβrpmとして測定した粘度であり、η2はB型回転粘度計により25℃においてローターの回転数を2×βrpmとして測定した粘度である。〕
  2. 成分(A)が分子内で架橋構造をとっていることを特徴とする請求項1に記載された粘着性グリース組成物。
  3. さらに、成分(C)として、式:R SiO0.5(Rは炭素原子数1〜10の1価炭化水素基。)で表される単位および式:SiOで表される単位を含有し、R SiO0.5単位/SiO単位のモル比が0.6〜1.7であって、25℃で固体であるポリオルガノシロキサンを、前記の成分(A)と成分(B)との合計100質量部に対し、0〜100質量部含む請求項1または2に係る粘着性グリース組成物。
  4. さらに、成分(D)として、ポリブテンおよび/またはポリブタジエンを、成分(A)と成分(B)との合計100質量部に対し0〜100質量部含む請求項1〜3のいずれか1項に係る粘着性グリース組成物。
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