JP2007210498A - 乗員脚部拘束装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ステアリングコラム（ステアリングコラムカバー）の下方において膨張展開するエアバッグと付属キーとが干渉することを防止するためのカバー布を有する乗員脚部拘束装置において、該カバー布が速やかにエアバッグ上方に突出するようにする。
【解決手段】ステアリングコラムカバー２の右側面部にキー装置４が設けられている。キー装置４に差し込まれたキー５には、吊下状に付属キー６が取り付けられている。エアバッグ１２には、該エアバッグ１２が膨張するときに、該エアバッグ１２の右サイド部の上端部から上方に突出してこのエアバッグ１２とキー装置４との間に介在するカバー布１４が設けられている。カバー布１４の側辺の上下方向の途中部から側方へ張り出す張出部１４ａが設けられており、カバー布１４の該上下方向の途中部がこの張出部１４ａを介してエアバッグ１２の上端部に連結されている。
【選択図】図３

Description

本発明は、自動車の衝突時に乗員の脚部を拘束するための乗員脚部拘束装置に係り、特に運転席乗員の脚部拘束装置に関する。

自動車のステアリングコラムの下方に、衝突時の乗員脚部拘束用ニーエアバッグ装置を設置することがある。自動車の衝突時には、ガス発生器がガス噴出作動し、この噴出ガスがエアバッグに供給されて該エアバッグが該内装パネルと乗員の下脚との間に膨張展開し、該乗員の脚部が拘束されるようになる。

特開２００４−３４５５３０号公報には、ステアリングコラムカバーのキーシリンダに差し込まれたキーや、その付属キーがニーエアバッグに直に干渉することを防止するために、カバー布を該エアバッグに設けることが記載されている。
特開２００４−３４５５３０号公報

本発明は、ステアリングコラム（ステアリングコラムカバー）の下方において膨張展開するエアバッグと付属キーとが干渉することを防止するためのカバー布を有する乗員脚部拘束装置において、該カバー布が速やかにエアバッグ上方に突出するようにすることを目的とする。

本発明（請求項１）の乗員脚部拘束装置は、ステアリングコラムの下方に配置されており、ステアリングコラムカバーの下面付近に沿って上方へ膨張可能なエアバッグを有する乗員脚部拘束装置であって、該エアバッグに、該エアバッグが膨張するときに該エアバッグの上端部から上方向に突出し、エアバッグと自動車のキー装置との間に介在するカバー布が設けられており、該カバー布は、その基端側が前記エアバッグのインパネ側の面に取り付けられている乗員脚部拘束装置において、該カバー布の上下方向の途中部分を該エアバッグの上部に連結したことを特徴とするものである。

請求項２の乗員脚部拘束装置は、請求項１において、該カバー布の側辺の上下方向の途中から側方に張り出す張出部が設けられており、該張出部が前記エアバッグの上部に連結されていることを特徴とするものである。

本発明の乗員脚部拘束装置にあっては、エアバッグが膨張するときに、該エアバッグの上端部から上方向にカバー布が突出し、エアバッグとキー装置との間に介在する。これにより、エアバッグと付属キーとの直接の干渉が防止される。

本発明では、カバー布の上下方向の途中部分がエアバッグ上部に連結されているので、カバー布がエアバッグ上部に引張られるようにして速やかに移動し、上方へ突出する。

請求項２のように、カバー布の側辺の上下方向の途中部分から張り出した張出部をエアバッグ上部に連結した場合には、カバー布は、その基端側からステアリングコラムカバーに沿って延在し易くなる。

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。

第１図（ａ）は本発明の実施の形態に係る乗員脚部拘束装置のエアバッグの正面図、第１図（ｂ），（ｃ）はそれぞれ同（ａ）のＢ−Ｂ線及びＣ−Ｃ線に沿う断面図、第２図はこのエアバッグとカバー布との分解図、第３図は、このエアバッグの膨張時を示す自動車の運転席前方の側面図である。なお、以下の説明において、左右方向とは、車体幅方向をいう。

第３図に示すように、自動車の運転席前方のインパネ（インストルメントパネル）１からステアリングコラム（図示略）が突設され、該ステアリングコラムがステアリングコラムカバー２によって囲まれている。該ステアリングコラムから突出するステアリングシャフト（図示略）にステアリングホイール３が固着されている。

この実施の形態では、該ステアリングコラムカバー２の右側面部（運転席乗員から見た右側面部）にキー装置（キーシリンダ）４が設けられている。このキー装置４に差し込まれたキー５には、吊下状に付属キー（ただし、本発明においては、この付属キーとは、自動車のキーとは別のキーや、キーホルダなどのキー以外の付属物も含まれる。）６が取り付けられている。この付属キー６は、平常状態（後述のカバー布１４によって押し上げられていない状態）においては、ステアリングコラムカバー２の下面よりも下方にまで垂れ下がっている。

このステアリングコラムカバー２の下方に乗員脚部拘束装置１０が設置されている。

この乗員脚部拘束装置１０は、前面（乗員側の面）に開口（符号略）を有した容器状のケース１１と、該開口を覆うリッド（図示略）と、該ケース１１内に連結されたエアバッグ１２と、該エアバッグ１２を膨張させるためのガス発生器１３とを備えている。

該ケース１１は、インパネ１のうち、ステアリングコラムカバー２よりも下側の領域に設けられたエアバッグ膨出用開口（図示略）内に配置されている。平常時には、エアバッグ１２は折り畳まれて該ケース１１内に収容されており、このエアバッグ１２の折り畳み体を覆うように該ケース１１の前面開口にリッド（図示略）が装着されている。該リッドは、エアバッグ１２が膨張するときには該エアバッグ１２によって押圧されて開き出し、該エアバッグ膨出用開口を開放するよう構成されている。

エアバッグ１２は、ガス発生器１３からのガスにより膨張し、第３図に示すように、該エアバッグ膨出用開口を介してインパネ１の前面側に膨らみ出し、次いで、該インパネ１のステアリングコラムカバー２よりも下側の領域からステアリングコラムカバー２の下面に沿うようにして下から上に向って展開しうるものとなっている。

この実施の形態では、該エアバッグ１２は、第１図（ａ）に示すように、下部側から上部側ほど左右幅（車体幅方向における幅員）が大きくなる形状となっており、このエアバッグ１２の上部の左右幅はステアリングコラムカバー２の左右幅よりも大きいものとなっている。このエアバッグ１２がステアリングコラムカバー２の下面に沿って膨張した状態にあっては、該エアバッグ１２の上部の左右方向中間部が該ステアリングコラムカバー２の下面に対峙し、その左サイド部及び右サイド部は該ステアリングコラムカバー２の左側面部及び右側面部よりも側方へ広がり出す。

なお、この左及び右はエアバッグ１２を乗員側から見たときの左及び右に合致し、エアバッグ１２を乗員と反対側から見た第１図及び第２図においてはこの左右が逆になっている。以下、左右方向は乗員側から見た左右方向をいう。

このエアバッグ１２には、該エアバッグ１２が膨張するときに該エアバッグ１２の上端部から上方に向って突出してこのエアバッグ１２と前記キー装置４との間に介在するカバー布１４が取り付けられている。この実施の形態では、該カバー布１４はエアバッグ１２の上部の前記右サイド部に配置されている。

この実施の形態では、エアバッグ１２は、乗員側のフロント面１５とインパネ１側のリヤ面１６とを有している。この実施の形態では、該エアバッグ１２は、一半側がフロント面１５を構成し、他半側がリヤ面１６を構成する一枚のパネルを２つ折りにして、重なり合った該フロント面１５とリヤ面１６との周縁部同士を縫合することにより製作されている。符号１７は、この縫合のシームを示している。

第２図に示すように、カバー布１４は、このエアバッグ１２の外殻（フロント面１５及びリヤ面１６）を構成するパネルとは別体の帯状パネルにより構成されている。このカバー布１４は、延在方向を上下方向としてリヤ面１６側に配置され、その下端側（基端側）が該リヤ面１６の右サイド部の上部に縫着されている。符号１４ｓは、この縫着のシームを示している。

このカバー布１４には、その右側辺の上下方向の途中部から右側へ張り出す張出部１４ａが設けられている。この実施の形態では、該張出部１４ａは帯状のものであり、カバー布１４の右側辺から略直角に右方向へ延出している。第２図に示すように、エアバッグ１２の上辺の右端側からは、張出部連結用の耳片１２ａが突設されており、この耳片１２ａに張出部１４ａの先端側が縫着されることにより、該張出部１４ａ及び耳片１２ａを介してカバー布１４の上下方向の途中部がエアバッグ１２の上端部に連結されている。符号１４ｓ’は、この張出部１４ａと耳片１２ａとを縫合したシームを示している。

第２図の通り、このカバー布１４の下端側は、エアバッグ１２を平たく展延させた状態において、リヤ面１６の上辺（該上辺に沿うシーム１７）から下方へ離隔して該リヤ面１６に縫着されていることが好ましい。リヤ面１６の上辺からこの縫着部までの距離Ｄは、３０〜２００ｍｍ、特に１００〜１５０ｍｍであることが好ましい。

カバー布１４の上端部から、該カバー布１４のエアバッグ上端部への連結位置（張出部１４ａの配置位置）までの間隔Ｓ（第２図）は、５０〜１２０ｍｍ、特に１５０〜２００ｍｍであることが好ましい。

このカバー布１４の左右方向の幅Ｗは３０〜３００ｍｍ、特に１２０〜２００ｍｍであることが好ましい。

カバー布１４の側辺からの張出部１４ａの側方への張り出し長さＬ（第２図）は、１０〜２００ｍｍ、特に３０〜１５０ｍｍであることが好ましい。また、この張出部１４ａの上下幅Ｔ（第２図）は、１０〜１００ｍｍ、特に２０〜５０ｍｍであることが好ましい。

このカバー布１４の材質に特に制限はない。

この実施の形態では、第１図（ｃ）に示すように、エアバッグ１２の内部に、フロント面１５とリヤ面１６とを連結して該エアバッグ１２の膨張厚みを規制するテザー１９が設けられている。符号２０は、該テザー１９のエアバッグ厚み方向両端部をフロント面１５とリヤ面１６とにそれぞれ縫合したシームを示している。この実施の形態では、該テザー１９は左右方向に連続して延在するものであり、上下多段（この実施の形態では２段）に設けられている。各テザー１９の左右方向両端部はエアバッグ１２の左右の側辺からは離隔しており、これらの間に通気空間が形成されている。

ガス発生器１３はこのエアバッグ１２内に配置されている。このガス発生器１３又はこれを保持したホルダ（図示略）からスタッドボルト１３ａが突設されている。このスタッドボルト１３ａが、リヤ面１６の下端部付近に設けられた挿通孔１６ａと、ケース１１の後面に設けられた挿通孔（図示略）とにそれぞれ挿通され、このスタッドボルト１３ａにナット１３ｂが締め込まれることにより、ガス発生器１３とリヤ面１６の下端部付近とがケース１１に固定される。

その後、このエアバッグ１２を折り畳んでケース１１内に収容し、このケース１１にリッドを装着することにより、乗員脚部拘束装置１０が構成される。

このように構成された乗員脚部拘束装置１０を備えた自動車が衝突した場合、ガス発生器１３がガス噴出作動し、エアバッグ１２が膨張を開始する。このエアバッグ１２は、まずリッドを押し開けつつエアバッグ膨出用開口７を介してインパネ１の前面側に膨らみ出し、次いで該インパネ１の前面に沿って上方に向って展開する。

この際、第３図の通り、エアバッグ１２の右サイド部の上端部から上方向にカバー布１４が突出し、エアバッグ１２とキー装置４との間に介在するようになる。これにより、エアバッグ１２とキー５や付属キー６等との直接の干渉が防止される。

この乗員脚部拘束装置１０にあっては、カバー布１４の上下方向の途中部が張出部１４ａを介してエアバッグ１２の上端部に連結されているので、カバー布１４がこのエアバッグ１２の上端部に引張られるようにして速やかに移動し、上方へ突出する。

上記の実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。

例えば、張出部はカバー布と一体に構成されてもよく、別体に構成されて後からカバー布に取り付けられてもよい。張出部は帯状以外の形状であってもよい。張出部はカバー布の左側辺の途中部に設けられてもよい。カバー布は、張出部以外の連結手段によってエアバッグの上端部に連結されてもよい。

ステアリング周辺部材及びエアバッグの構成は、上記実施の形態と左右逆であってもよい。

（ａ）図は実施の形態に係る乗員脚部拘束装置のエアバッグの正面図であり、（ｂ），（ｃ）図はそれぞれ（ａ）図のＢ−Ｂ線及びＣ−Ｃ線に沿う断面図である。 図１のエアバッグとカバー布との分解図である。 図１のエアバッグの膨張時を示す自動車の運転席前方の側面図である。

符号の説明

１ インパネ（インストルメントパネル）
２ ステアリングコラムカバー
３ ステアリングホイール
４ キー装置
５ キー
６ 付属キー
１０ 乗員脚部拘束装置
１２ エアバッグ
１３ ガス発生器
１４ カバー布
１４ａ 張出部
１５ フロント面
１６ リヤ面

Claims (2)

1. ステアリングコラムの下方に配置されており、ステアリングコラムカバーの下面付近に沿って上方へ膨張可能なエアバッグを有する乗員脚部拘束装置であって、
   該エアバッグに、該エアバッグが膨張するときに該エアバッグの上端部から上方向に突出し、エアバッグと自動車のキー装置との間に介在するカバー布が設けられており、
   該カバー布は、その基端側が前記エアバッグのインパネ側の面に取り付けられている乗員脚部拘束装置において、
   該カバー布の上下方向の途中部分を該エアバッグの上部に連結したことを特徴とする乗員脚部拘束装置。
2. 請求項１において、該カバー布の側辺の上下方向の途中から側方に張り出す張出部が設けられており、該張出部が前記エアバッグの上部に連結されていることを特徴とする乗員脚部拘束装置。

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