JP2007209361A - メカノケミカル法による重金属の不溶化方法 - Google Patents

メカノケミカル法による重金属の不溶化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼却飛灰等の無機材料中の鉛等の重金属の不溶化を可能とし、無機材料を無害化することができる方法を提供すること。
【解決手段】重金属を含有する無機材料に酸化カルシウムを添加し、混合物と
し、該混合物をメカノケミカル処理することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、重金属の不溶化方法に関する。より詳しくは、焼却飛灰にメカノケミカル処理を施すことにより重金属を不溶化する方法に関する。
いわゆる焼却飛灰(フライアッシュ)は、すす・灰等の燃焼ガスに含まれる固体の微粒子であり、集じん灰およびボイラー、ガス冷却室、再燃焼室で捕集されたばいじんを総称したものである。飛灰は、焼却施設の炉底などから回収される主灰、焼却灰、ボトムアッシュ等に比較し、融点が1300℃程度と高く、ダイオキシン類を多く含むことが知られている。また、生活環境に放出されるダイオキシン類は、実にその90%が焼却飛灰(フライアッシュ)に由来するものであることが明らかになっている。
また、焼却飛灰(フライアッシュ)は、人体に極めて有害な鉛、亜鉛、カドミウムに代表される低沸点重金属を多く含んでいる。特に、鉛、鉄、カドミウム、クロム、水銀等に代表される比重が4〜5の重金属は、毒性が強く、微量であっても繰り返し摂取すると、体内に蓄積されて人体に害を及ぼす。
これらの中でも、鉛は、鉛蓄電池の電極、鉛管、放射線遮断材、活字、ハンダ、鉛ライニング、真鍮、青銅等幅広く使用されており、また無機鉛化合物は、顔料、塗料、ゴムの耐熱増強剤、塩化ビニル安定剤、農薬等に広く用いられている。人体に吸収された鉛化合物は、血液中に移行して、各種臓器に分布するが、最終的に骨に多く沈着することになる。なお、鉛中毒は、血色素合成の異常と貧血、食欲不振等の消化器症状、中枢神経や末梢神経への影響、腎障害を及ぼす。
しかしながら、わが国は、国土が狭小であることから、多くの廃棄物が焼却処理されており、焼却場から排出される焼却灰、焼却飛灰といったダイオキシン類や重金属を大量に含有する飛灰(フライアッシュ)の処理が問題となっている。
ところで、焼却飛灰(フライアッシュ)の処理の現状においては、直接土壌に埋め立て処分することができず、溶融固化、セメント固化、薬剤処理、酸等の溶媒による抽出法による溶出(中間処理)が義務付けられている。また、焼却飛灰(フライアッシュ)をペレット状に成型して、コンクリート用軽量骨材として使用することも検討されている。
メカノケミカル処理方法としては、例えば、ダイオキシン類に汚染された物質を水で洗浄し、粗粒部に酸化カルシウムを混合し、ダイオキシン類汚染物質の無害化を行うことが開示されている(例えば特許文献1)。しかしながら、上記ダイオキシン類の無害化方法においては、有毒物質の水への溶出抑制のみを前提としているにすぎないものであり、焼却飛灰を無害化処理した後の残渣中に含まれる重金属については、何ら考慮されているものではない。すなわち、ダイオキシン無害化処理後の焼却飛灰中には、重金属等の有害な化合物が依然としてそのまま残存しており、環境中への暴露の危険性は、きわめて大きいものと言える。
また、無機材料から重金属を分離回収する方法として、アルカリ金属等の塩酸塩と重金属を含有する無機材料との混合物にメカノケミカル処理を施すことにより、重金属塩化物を合成し、更に、この重金属塩化物を揮発させ、重金属を分離回収することが開示されている(例えば特許文献2)。また、鉛等の重金属を含有する廃棄物の焼却灰と塩酸塩との混合物を加熱して塩化物を生成して飛灰中に濃縮し、この飛灰から酸等抽出により重金属(鉛)を抽出する方法が開示されている。(例えば特許文献3)。
しかしながら、上記これらの鉛等の重金属の分離回収・抽出方法は、無機材料中の重金属の分離・抽出できるにすぎないものであり、処理後の廃棄物中には重金属類が有害な化合物のまま残されており、環境中への暴露の危険性が明らかに問題となる。
特開2001−047027号 特開2004−162141号 特開平7− 214029号
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、焼却飛灰等の無機材料中の鉛等の重金属の不溶化を可能とし、無害化を可能とすることができる方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、鉛等の重金属を含有する無機材料に酸化カルシウムを添加し、メカノケミカル処理をすることにより、重金属の不溶化を可能とすることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の事項に関するものである。すなわち、
(1)重金属を含有する無機材料に酸化カルシウムを添加し、混合物とし、該混合物をメカノケミカル処理することを特徴とする重金属の不溶化方法。
(2)前記重金属は、鉛、クロム、水銀、カドミウムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする(1)に記載の重金属の不溶化方法。
(3)前記無機材料は、焼却飛灰であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の重金属の不溶化方法。
(4)前記メカノケミカル処理は、ステンレス製のボールミル容器を用いることを特徴とする(1)〜(3)に記載の重金属の不溶化方法。
(5)前記ボールミル容器は、回転数500rpm〜1000rpmで運転させることを特徴とする(4)に記載の重金属の不溶化方法。
(6)前記ボールミル容器は、該容器の内容積に対する該容器中のボールの総体積が0.1〜0.5であることを特徴とする(4)又は(5)に記載の重金属の不溶化方法。
(7)(1)〜(6)にいずれかに記載の重金属の不溶化方法により、処理した無機材料を含有するセメントに関する。
本発明によれば、鉛等の重金属を多量に含む焼却飛灰等の無機材料をメカノケミカル処理することにより、鉛等の重金属の不溶化することができ、無機材料を無害化することができる。同時にメカノケミカル処理後産出される無機材料を高性能セメントの材料として活用することができる。さらに、本発明によれば、重金属を多量に含む焼却飛灰等の無機材料にメカノケミカル処理を施しているため、焼却飛灰中のダイオキシンをも無害化することができる。つまり、本発明は、無機材料のメカノケミカル処理による焼却飛灰の無害化と高性能セメント材料の提供によるサイクルを構築することができ、循環型プロセスを構築することができるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の重金属の不溶化方法は、鉛等の重金属を多量に含む無機材料中にメカノケミカル処理を施すことにより、重金属の不溶化を可能とし、無害化することを特徴としている。
本発明の重金属の不溶化方法において、処理対象となる無機材料とは、
重金属を含有する固体材料をいう。具体的には、鉛、クロム、水銀、カドミウム等のその比重が4〜5である金属を含有するものであれば特に限定されるものではなく、産業廃棄物、産業廃棄物を燃焼処理した後の焼却飛灰、焼却残渣、廃液残渣等が例示される。
本発明の重金属の不溶化方法においては、まず上記無機材料に酸化カルシウムを添加して混合物とする。この酸化カルシウムは、重金属の封じ込め効果とともに、アルカリ性を維持し、溶出防止効果を得るために使用される。混合物中の酸化カルシウムの含有量は、混合後の混合物100重量部に対して、30重量部〜70重量部であることが好ましい。特に好ましくは、40重量部〜60重量部である。最も好ましくは、50重量部である。
上記酸化カルシウムとしては、石灰石等の天然物を使用できることは勿論、酸化カルシウムを主成分として他の化合物を含有する物質を使用してもよい。上記酸化カルシウムを含有する物質としては、産業廃棄物を利用して、製鉄所から廃棄物として排出される鉄鋼スラグを使用することができる。
上記鉄鋼スラグとしては、例えば、高炉スラグ、転炉スラグ、取鍋精錬スラグ等を例示することができるが、これらの中でもメカノケミカル反応を促進することのできる酸化カルシウムや二酸化ケイ素を多量に含むスラグが好ましい。
本発明においては、上記鉄鋼スラグの他、ボーキサイト、珪砂、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化クロム、炭化珪素等を含有するものであってもよい。
本発明の重金属の不溶化方法は、上記無機材料に酸化カルシウムを添加し、混合物とし、該混合物にメカノケミカル処理を施すことを特徴とするものである。本発明において、メカノケミカル処理とは、固体物質に磨砕、摩擦、延伸、圧縮等の機械的エネルギーを加えることにより、構造変化、相転移、反応性、吸着性、触媒活性等を与えることをいう。この処理によって、表面積の増加、格子欠陥の増加、結晶粒子の大きさの減少や無定形化が可能となる。つまり、機械的エネルギーにより固体物質は物理的に引きちぎられ、その結果固体物質表面には、活性の高い分子面が形成される。その結果、常温では、起こりえない反応(メカノケミカル反応)を進行させることができるものである。
メカノケミカル処理を行うため手段としては、廃棄物中に存在する鉛等重金属非処理物質にメカノケミカル反応が進行するのに、十分な機械的エネルギーを加えることができる装置であれば特に制限されるものではないが、例えば、遊星型ボールミル、ボールミル、ジェットミル、アトライターミル、ロッドミル、ロールミル、クラッシャーミル等が挙げられる。これらの中でも重力加速度の数倍の衝撃が得られる遊星型ボールミルが好ましい。
上記ボールミルとは、多数の球体により非処理物質を粉砕処理するものである。具体的には、回転力、遊星運動、振動等の機械的エネルギーを利用して球体(ボール)によって非処理物質を粉砕する転動ボールミル、遊星ボールミル、振動ボールミル等がある。なお、ボールの材質は、特に限定されるものではないが、耐久性の観点から、ステンレス鋼、クロム鋼、タングステンカーバイド、メノウ等が好ましい。
以下、図面を参照して、本発明の方法の具体的手順を示す。
図1は、本発明の重金属の不溶化方法に使用するメカノケミカル装置図を示す。メカノケミカル装置は、被処理物質である無機材料を投入するボールミル容器と該ボールミル容器を回転させるための円盤型の台座を装備している。ボールミル容器は、金属製の円筒の形状であり、その上部に無機材料を投入するための金属製の蓋を有している。
該台座は、駆動機能を備えた駆動装置であり、台座に対して垂直な固定軸を中心に上記ボールミル容器を回転させることができる。同時に台座自体もボールミル容器とは独立して、その中心を回転軸として回転させることができる。
メカノケミカル処理に使用するボールミルは、無機材料を投入するボールミル容器とその内部のメカノケミカル反応に関与するボールから構成されるものである。
ボール1個の大きさは、ボールミル容器とのボールの総体積との相対的な関係により決定されるものであり、その体積比は、ボールミル容器の内容積に対してボールの総体積0.1〜0.5であることが好ましい。上記体積比が、0.1未満であると、容器内おけるボールと容器の接触面積が低下し、結果的にメカノケミカル反応が非効率となり、好ましくない。一方、0.5を超えると容器内の空隙が少なすぎ、ボールの運動が制限され、好ましくない。
上記ボールの個数は、ボールミル反応器とボールの総体積との関係により決定されるものであるが5〜9個であることが好ましい。
上記ボールの材質としては、特に限定されるものではないが、ステンレススチール製、クロム鋼製、鉄製等が例示される。例えばステンレススチールであれば、JIS G 4303 〜 4309で規格されるSUS304、SUS316等が用いることができる。
本発明の重金属の不溶化方法は、無機材料に酸化カルシウムを添加し、混合物とし、台座とボールミル容器を各々独立に回転させ、メカノケミカル反応を進行させるものである。すなわち、ボールミル容器内のボールは、ボールミル容器内を自由に運動し、容器壁面と接触し、被処理物質にメカノケミカル処理を施すものである。
本発明において、メカノケミカル処理をする際のボールミル容器の回転数は、メカノケミカル反応を促進することができれば特に制限されるものではないが、処理に伴う反応熱の発生を抑制、振動、騒音の観点から、40rpm〜100rpmであることが好ましい。同様に台座の回転数も40rpm〜100rpmであることが好ましい。ボールミル容器と台座の回転方向は、メカノケミカル反応を促進させる観点から逆方向に回転させるのが好ましい。
ボールミル容器と台座の装置は、台座の駆動制御により、各々独立に回転させることができる。両者の回転数比は、特に制限されるものではないが、好ましくは、1:1である。反応器の回転数比が1.0未満であると十分な遠心力が得られず、粉砕効果も低下する。
本発明において、メカノケミカル処理は、粉砕・停止を交互に繰り返すことによって行う。非処理物質である無機材料と酸化カルシウムを混合・粉砕した後、停止することにより、混合状態を均一にし、さらに摩擦熱による過剰な発熱を防止し、ボールミル内で十分なメカノケミカル反応が進行することになる。
本発明において、メカノケミカル処理を施す時間は、ダイオキシン類や鉛等の重金属を無害化することができれば、特に制限されるものではないが、好ましくは1.0時間〜24時間が好ましい。1.0時間未満であると、メカノケミカル反応が十分に進行しないため好ましくなく、24時間を超えると処理効率の観点から好ましくない。
本発明の重金属の不溶化方法により、副生されるメカノケミカル処理後の無機材料は、重金属の溶出を抑制したものであり、例えば、高性能セメントの原料として利用することができる。同時にダイオキシンの無害化も可能としているものある。したがって、副生される処理後の無機材料を原料とするセメントは、重金属を含有する高性能セメントであり、従来のセメントよりも高強度を示し、pHの上昇を抑制することができることからひび割れ等が発生しない等の性質を有するものと考えられる。
高性能セメントとする場合に、必要な添加剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、無水硫酸アルミニウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、三酸化硫黄、二酸化炭素であり、これらを含有する石灰石、粘土、ケイ石、酸化鉄原料、石膏などでもよい。
上記添加剤を配合後、適宜、水を加え、混合、混練し固化させることにより、高性能セメントとして建設現場等に使用することができる。
以下、本発明につき、実施例を用いて説明するが、本発明は、なんらこれに限定されるものではない。なお、本実施例は、主として焼却飛灰の処理を目的とし、焼却飛灰中に含まれる重金属のうちで最も多く含まれている鉛の処理効果を明確にするため、焼却飛灰に鉛(酸化鉛)を混入させて行った。
(粉砕機)
本実施例において、メカノケミカル処理に供する粉砕機は、遊星回転ボールミルを使用した。粉砕機の反応器は、円筒状のステンレス製、容積は45mlの容器を採用した。容器の材質は、鉄69.8%、クロム18%、ニッケル9.0%、マンガン2.0%、シリコン1.0%、硫黄0.15%、カーボン0.07%であった。容器中のスチールボールは、ステンレス製、直径15mmのボールを使用した。ボールの材質は、上記容器の材質と同様に、鉄69.8%、クロム18%、ニッケル9.0%、マンガン2.0%、シリコン1.0%、硫黄0.15%、カーボン0.07%であった。なお、容器の内容積に対する7個のボール(合計)の割合は、0.27である。
(重金属の溶出試験)
溶出試験は環境庁告示第46号法に従い、検液を作成した。非金属製の2mmの目のふるいを通過させたものを試料とした。すなわち、試料と溶媒とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにする。調製した試料液を常温、常圧で振とう機を用いて、6時間連続して振とうした。得られた試料液を10分から30分程度静置後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、濾液を取り、検液とした。測定はJIS K0102のICP発光分析法により行った。
(実施例1)
遊星回転ボールミルを使用し、その反応器であるステンレススチール容器にステンレススチールボール7個と酸化鉛(和光純薬工業株式会社製、特級)1.8g、酸化カルシウム(和光純薬工業株式会社製1級、800℃、4.0時間加熱)4.0gを封入し、反応容器の回転数を700rpmに設定した。粉砕時間を15分、その後停止時間を15分とし、これらの操作(粉砕・停止)を交互に継続して48時間行った。メカノケミカル処理反応後、反応容器から試料を採取して、酸化鉛の化学的性質を調べ、溶出試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1からも明らかなように、鉛の溶出量は、環境基準値(0.05mg/L)を大幅に下回り、基準値を十分に満たすことができた。
すなわち、酸化カルシウムによる溶出防止効果とメカノケミカル処理による結晶構造変化がもたらす、相乗効果により鉛の溶出防止効果を得ることができた。
(実施例2)
遊星回転ボールミルを使用し、その反応器であるステンレススチール容器にステンレススチールボール7個と酸化鉛1.8g、焼却飛灰(表2参照)1g、及び酸化カルシウム4gを封入し、反応容器の回転数を700rpmに設定した。粉砕時間を15分、その後停止時間を15分とし、これらの操作(粉砕・停止)を交互に継続して48時間行った。処理結果を表1に示す。なお、焼却飛灰は、飛灰中の水分を完全に除去するために、前処理として100℃、2.0時間加熱したものを使用した。焼却飛灰中の構成元素を表2に示す。
処理対象である焼却飛灰及び過剰の酸化鉛を添加した場合である実施例2においても、鉛の溶出量は環境基準値(0.05mg/L)を大幅に下回り、基準値を十分に満たすことができた。すなわち、酸化カルシウムとメカノケミカル処理による相乗効果により鉛の溶出防止効果を得ることができた。
(比較例1)
遊星回転ボールミルを使用し、その反応器であるステンレススチール容器にステンレススチールボール7個と酸化鉛1.8g、焼却飛灰1g、を封入し、反応容器の回転数を700rpmに設定した。粉砕時間を15分、その後停止時間を15分とし、これらの操作(粉砕・停止)を交互に継続して48時間行った。処理結果を表1に示す。
(比較例2)
遊星回転ボールミルを使用し、その反応器であるステンレススチール容器にステンレススチールボール7個と酸化鉛1.8g、焼却飛灰1g、を封入し、反応容器の回転数を700rpmに設定した。粉砕時間を15分、その後停止時間を15分とし、これらの操作(粉砕・停止)を交互に継続して48時間行った。処理結果を表1に示す。
酸化カルシウムを添加しない比較例1及び比較例2においては、鉛の溶出量がきわめて大きく、鉛の溶出を防止することができず、結果的に環境基準値を満たすことができなかった。これは、酸化カルシウムによる溶出効果が得られなかったためと考えられる。
Figure 2007209361
Figure 2007209361
本発明の重金属の不溶化方法は、無機材料、特に鉛等の重金属を多量に含む焼却飛灰の不溶化及び無害化手段としての利用に供することができる。本発明の重金属の不溶化方法により、処理後に発生する焼却飛灰と、製鉄所において排出される高炉スラグを使用することによって、焼却飛灰を高性能セメントとして窯業、建設業等に再利用することができる。したがって、本発明は、廃棄物処理産業、製鉄業、窯業等を含めたいわゆる循環型産業の発展に寄与することができる。
メカノケミカル装置図
符号の説明
D メカノケミカル装置図
1 ボールミル容器
2 ボール
3 台座

Claims (7)

  1. 重金属を含有する無機材料に酸化カルシウムを添加し、混合物とし、該混合物をメカノケミカル処理することを特徴とする重金属の不溶化方法。
  2. 前記重金属は、鉛、クロム、水銀、カドミウムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の重金属の不溶化方法。
  3. 前記無機材料は、焼却飛灰であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重金属の不溶化方法。
  4. 前記メカノケミカル処理は、ステンレス製のボールミル容器を用いることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の重金属の不溶化方法。
  5. 前記ボールミル容器は、回転数500rpm〜1000rpmで運転させることを特徴とする請求項4に記載の重金属の不溶化方法。
  6. 前記ボールミル容器は、該容器の内容積に対する該容器中のボールの総体積の比が、0.1〜0.5であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の重金属の不溶化方法。
  7. 請求項1〜請求項6にいずれかに記載の重金属の不溶化方法により、処理した無機材料を含有するセメント。

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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