JP2007207091A - ペン入力装置用表面材 - Google Patents

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Abstract

【課題】防眩性を含む視認性に優れると共に、ペン入力時の筆記感が良く、かつ耐久性に優れるペン入力装置用表面材を提供する。
【解決手段】ペン入力装置用表面材は、樹脂フィルムよりなる基材16上に自己修復性を有する軟質樹脂層19が設けられ、その上に防眩層25が設けられて構成されている。軟質樹脂層19の厚さは5〜100μmであり、防眩層25の厚さは0.2〜10μmである。更に、ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜とそれと同一条件で形成した防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度の比(軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜の比)が0.1〜10に設定される。かつ、ヘイズ値が0.5〜40%に設定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶ディスプレイ等の前面に設けられ、防眩性を含む視認性に優れると共に、ペン入力時の筆記感が良く、かつ耐久性に優れるペン入力装置用表面材に関するものである。
液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイの前面に設けられ、その表面を入力ペンで接触することによって発生する接触位置信号により入力操作を行うペン入力装置は、入力ペンによる細かな操作、そして曲線や直線等の連続した線の入力が可能である。そのため、比較的小さな画面においても多くの情報の入力が可能であり、更に入力ペンでディスプレイ上に文字を書くという紙感覚で入力操作を行うことができるという利点を生かして、ペン入力装置は携帯情報端末、電子手帳及びマルチメディア機器等その利用範囲が急速に拡大している。
一方、液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイに用いられている表面材としては、ガラス板や、表面にハードコート層を形成した樹脂板が一般的である。しかし、近年は表面材として反射防止性や防眩性などを高めてディスプレイの視認性を向上させたり、摩擦抵抗を制御して筆記感を持たせたりする工夫がなされ、使用感の向上が考慮されつつある。例えば、表面に微細凹凸を有するポリウレタン樹脂層と、その微細凹凸表面に設けられた非結晶性の含フッ素重合体からなる反射防止層とを有する防眩性反射防止フィルムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。また、表面に微細凹凸構造を有し、かつ表面自由エネルギが30mN/m以下の紫外線硬化樹脂被膜からなるノングレア層及びそのノングレア層を支持基材に付設してなるノングレアシートが開示されている(例えば、特許文献2を参照)。更には、基材とその上の表面層とからなり、その表面の静動摩擦係数を規定したペン入力装置用表面材が開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2001−91706号公報(第2頁、第7頁及び第8頁) 特開平11−142619号公報(第2頁及び第4頁) 特開2003−296008号公報(第2頁及び第7頁)
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ポリウレタン樹脂層が具体的には200μmという厚膜で作製されているために、入力ペンにより反射防止フィルム上で入力操作をするとポリウレタン樹脂層と反射防止層とが深くへこむ。そのため、表面に入力ペンによる筆記跡が残り、その筆記跡で視認性が悪くなると共に、筆記抵抗が強く、筆記感が悪いという問題があった。
また、特許文献2に開示された技術では、具体的にはノングレア層がハードコート性であるため硬く、その上表面自由エネルギが20mN/mで小さいため入力ペンの抵抗感が低い。そのため、ペン入力時に硬く、しかも滑る感触があって筆記感が悪いという問題があった。更に、特許文献3に開示された技術では、ペン入力時の抵抗感は適切であるものの、表面凹凸を有する表面層が単層で形成されているため、表面凹凸及び弾力性の調整が困難であり、入力ペンによる筆記感が十分ではなかった。加えて、このようなペン入力装置用表面材においては、その表面に入力ペンが繰返し摺接されることから、耐久性が要求される。
そこで、本発明の目的とするところは、防眩性を含む視認性に優れると共に、ペン入力時の筆記感が良く、かつ耐久性に優れるペン入力装置用表面材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。即ち、第1の発明のペン入力装置用表面材は、樹脂フィルムよりなる基材上に自己修復性を有する軟質樹脂層を設け、その上に防眩層を設けたペン入力装置用表面材であって、前記軟質樹脂層の厚さは5〜100μm及び防眩層の厚さは0.2〜10μmであると共に、ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜とそれと同一条件で形成した防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度の比(軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜の比)が0.1〜10であり、かつヘイズ値が0.5〜40%であることを特徴とするものである。
第2の発明のペン入力装置用表面材は、第1の発明において、ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度が0.5〜50N/mmであり、かつ弾性エネルギーが0.1〜20nJであることを特徴とするものである。
第3の発明のペン入力装置用表面材は、第1又は第2の発明において、前記防眩層の表面における中心線平均粗さが0.01〜1μmであることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明のペン入力装置用表面材では、軟質樹脂層の厚さが5〜100μmに設定されて適度な弾力性が得られ、防眩層の厚さが0.2〜10μmに設定されて前記軟質樹脂層の弾力性が防眩層表面においても発現される。更に、軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜についてマルテンス硬度の比が0.1〜10に設定されているため、入力ペンによって防眩層及び軟質樹脂層が押圧されたときに両層の硬さのバランスにより適度なへこみが得られる。このため、入力ペンでの入力操作に際して良好な筆記感が発揮される。
また、軟質樹脂層上に防眩層が0.2〜10μmの厚さで形成されると共に、ペン入力装置用表面材のヘイズ値が0.5〜40%に設定されている。このため、ペン入力装置用表面材は、良好な防眩性を発揮することができると同時に、良好な透明感を発揮することができる。加えて、前記マルテンス硬度の比は、軟質樹脂層と防眩層の硬度が近くなるような範囲に設定されていることから、入力ペンの押圧時に発生する軟質樹脂層の変形(へこみ)によって起こる軟質樹脂層と防眩層との界面のストレスを低減させることができ、軟質樹脂層と防眩層との密着性を高めることができる。
従って、ペン入力装置用表面材は、防眩性を含む視認性に優れると共に、ペン入力時の筆記感が良く、かつ耐久性に優れている。
第2の発明のペン入力装置用表面材では、前記軟質樹脂層のマルテンス硬度が0.5〜50N/mmに設定されていることから、入力ペンの押圧によって適度なへこみの深さが得られ、良好なへこみ感が発揮される。しかも、弾性エネルギーが0.1〜20nJに設定されているため、前記へこみの復元が適度に行われる。従って、第1の発明の効果に加え、筆記感及び耐久性を一層向上させることができる。
第3の発明のペン入力装置用表面材では、防眩層の表面における中心線平均粗さが0.01〜1μmに設定されていることから、像の写りこみやギラツキが抑えられると共に、入力ペンによる操作が滑らかになる。従って、第1又は第2の発明の効果に加え、視認性及び筆記感を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
ペン入力装置は、パネルの表面に鉛筆やボールペン等に似せたペン形状の器具を用いて描画する動作を行うことにより入力操作を行う装置であり、かつパネル及びペン形状の器具の少なくとも一方に電気や電磁波等による信号出力回路又は信号記録回路を持つ装置である。ペン入力装置として例えば、各種ディスプレイの前面に設けられるペン入力タッチパネル装置、ディスプレイの前面に設けられずにコンピューターに接続されて使用されるタブレット式ペン入力装置、電子ペーパー等が挙げられる。
ペン入力装置は、具体的には液晶(LC)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ等の表示画面上にペン入力タッチパネルが配置され、その表面を入力ペンで接触することにより発生する接触位置信号で入力操作を行う装置である。即ち、図5に示すように、ペン入力装置10は、上記のようなディスプレイ11上にペン入力タッチパネル12が組付けられて構成されている。
そして、ペン入力タッチパネルとしては上記のような各種ディスプレイに組み込まれた一体型のほか、各種ディスプレイ装置の表示画面上に配置されるセパレート型がある。ペン入力タッチパネルの方式としては公知の方式が何れも使用可能であり、特に限定されない。具体的に例示すると超音波方式、抵抗膜方式、静電容量方式、電気歪み方式、磁気歪み方式、赤外線方式及び電磁誘導方式等の方式が挙げられる。これらの中でも、消費電力、価格の観点からは抵抗膜方式のペン入力タッチパネルが好ましく、分解能の観点からは電磁誘導方式のペン入力タッチパネルが好ましい。
抵抗膜方式のペン入力タッチパネル12は、次のように構成されている。即ち、図3(a)に示すように、片面に透明導電性薄膜13、14が設けられた固定側(図中下側)及び可動側(図中上側)の透明樹脂フィルムよりなる基材15、16を透明導電性薄膜13,14同士が対向するように配置し、周囲を接着用補強材17で接着して一定間隔を保持できるようになっている。一方の透明導電性薄膜13上には多数の絶縁スペーサ18が点状に設けられ、対向する透明導電性薄膜13、14間が絶縁されるようになっている。上記基材15、透明導電性薄膜13、14、絶縁スペーサ18等によりタッチパネル本体が構成されている。可動側の基材16上には図1に示すように、軟質樹脂よりなる軟質樹脂層19が形成されると共に、その上には防眩層25が設けられている。或いは、図3(b)及び図2に示すように、可動側の基材16表面に軟質樹脂よりなる軟質樹脂層19が設けられ、その上には防眩層25が設けられると共に、裏面には透明粘着剤層20が設けられ、透明樹脂基材22を介して透明導電性薄膜14に接着されるようになっている。そして、入力ペン21で軟質樹脂層19上の防眩層25を押圧することにより、可動側の透明導電性薄膜14を固定側の透明導電性薄膜13に接触させ電気的に導通させて入力できるように構成されている。
電磁誘導方式のペン入力タッチパネル12は、次のように構成されている。即ち、図4に示すように、透明樹脂基材22の表面にペン入力装置用表面材(以下、単に表面材ともいう)23が積層接着されると共に、透明樹脂基材22の裏面には液晶素子(LCD)に受信回路が張り巡らされたペン位置検出器24が設けられて構成されている。図2に示すように、ペン入力装置用表面材23は、透明樹脂フィルムよりなる基材16の表面に軟質樹脂層19が設けられ、その上に防眩層25が設けられると共に、裏面に透明粘着剤層20が設けられて構成されている。更に、図示しない送信コイルが内蔵された電磁型の入力ペン21が備えられている。そして、入力ペン21で軟質樹脂層19上の防眩層25を押圧することにより、電磁誘導が引き起こされて発生した電磁波がペン位置検出器24で検出されて入力位置が記録されるように構成されている。
このようなペン入力装置10の入力ペン21が直接触れる面にペン入力装置用表面材23が使用される。図1に示すように、抵抗膜方式又は電磁誘導方式のペン入力タッチパネル12におけるペン入力装置用表面材23は、透明樹脂フィルムからなる基材16と、その上の軟質樹脂層19と、更にその上に設けられ、入力ペン21が直接触れる防眩層25とより構成されている。以下、軟質樹脂層19と防眩層25の積層体を機能層と称する。また、図2に示すように、基材16の裏面に透明粘着剤層20が設けられている構成であってもよい。軟質樹脂層19及び防眩層25はそれぞれ単層であってもよいし、複数の層により形成されていてもよい。軟質樹脂層19の厚さは5〜100μmであり、好ましくは10〜80μmであり、特に好ましくは20〜80μmである。この厚さが5μm未満の場合、軟質樹脂層19の弾力性が不足して復元性や筆記感が低下する。一方、100μmを越える場合、軟質樹脂層19が厚くなり過ぎてへこみが大きくなり、入力ペン21の抵抗感も増えるため筆記感が低下する傾向を示す。防眩層25の厚さは0.2〜10μmであり、好ましくは0.2〜5μmであり、特に好ましくは0.2〜3μmである。この厚さが0.2μm未満及び10μmを越える場合、防眩性を含む視認性を向上させる適切な大きさの凹凸の形成が困難になる。入力ペン21は、ペン入力装置10での入力操作に使用できるペンであれば特に制限されない。公知の入力ペン21としては、例えば、ポリアセタール樹脂を主成分とする材質を用い、ペン先の形状は直径が1.6mm程度の半球状のものが挙げられる。
ディスプレイ11の視認性を向上させ、ペン入力時の筆記感を良くし、かつ耐久性を向上させるために、ペン入力装置用表面材23は以下の要件を考慮して設計される。
まず、軟質樹脂層19は、自己修復性を有する層である。ここで、自己修復性とは、軟質であるためにペン入力操作などにより変形(へこみ)が発生するが、そのへこみが復元して元に戻る性質をいう。また、透明樹脂フィルムよりなる基材16上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布後、又は硬化性組成物の粘度が高過ぎる場合等には、希釈溶剤によって希釈された硬化性組成物(液体)を塗布してから溶剤を除去後、いずれも硬化させることにより形成される。この軟質樹脂層19は、ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜のマルテンス硬度が、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときの値として0.5〜50N/mmであることが好ましく、1〜10N/mmであることがより好ましい。この場合、ペン入力装置用表面材23は、適度なへこみの深さが得られる点で好ましい。マルテンス硬度(マルテンス硬さ)は、ビッカース圧子によりフィルム表面を押し込んだときの試験荷重と押し込み表面積から求められる塗膜の硬さを表し、物体表面の硬度の指標となる。マルテンス硬度が0.5N/mm未満のときには、表面材23が柔らかく、へこみ過ぎる傾向を示す。逆に、50N/mmを越えるときには、表面材23が硬く、へこみ難くなる傾向を示す。
更に、ガラス板上に300μmの厚さで塗布、硬化して形成させたときの、この軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜の弾性エネルギーが、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときの値が、0.1〜20nJであることが好ましく、0.5〜10nJであることがより好ましい。この場合、ペン入力装置用表面材23は、筆記感及び耐久性が向上する点から好ましい。弾性エネルギーはビッカース圧子でのフィルム表面の押し込みから荷重除去までの弾性変形仕事量である。弾性エネルギーが0.1nJ未満の場合、へこみが戻りにくいため、傷付き状態となりやすい。一方、20nJを越える場合、へこみは良く復元するが、表面材23が柔らかくなり過ぎるため、耐久性が低下しやすい。ここで、復元性とは、一度生じたへこみが経時的に消失して元の形状に戻ろうとする性質を意味し、一時的に生じるへこみによりへこみ感を得ることができ、また加わった力を吸収するために傷付き防止性能を兼ね備えることができる。
軟質樹脂層形成用硬化性組成物中には、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の不飽和アクリル樹脂組成物、ウレタン変性(メタ)アクリレート等の不飽和ポリウレタン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、熱硬化型のシリコーン系、メラミン系及びエポキシ系の樹脂組成物等が含まれる。
より具体的には、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等のアクリロイル基、メタクリロイル基を2つ以上含む多官能重合性化合物を含有する樹脂組成物や、ウレタン変性(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物、そしてシリコーン系、メラミン系又はエポキシ系の多官能重合性化合物を含む樹脂組成物等が挙げられる。これらの中では、耐久性や取扱いの容易さの点で、紫外線、電子線などの活性エネルギー線又は加熱により硬化することのできる多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物やウレタン変性(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリロイル基含有化合物を主成分として含む樹脂組成物が優れている。更に、取扱い性や連続生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のものがより好ましい。軟質樹脂層形成用の硬化性組成物は、これら(メタ)アクリロイル基含有化合物を通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上含有する。
前記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2'−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の2価のアルコール;トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ウレタン変性(メタ)アクリレートは、1分子中に複数個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体とのウレタン化反応によって得ることができる。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレリンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の1分子中に2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート、それらポリイソシアネートをイソシアヌレート変性、アダクト変性、ビウレット変性した1分子中に3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル等が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルのような長鎖部分を有するものが自己修復性の点で好ましい。
また、ウレタン変性(メタ)アクリレートの構成成分に、ポリカプロラクトンジオール、ポリテトラメチレンジオール等複数の水酸基を有するオリゴマーや、トリデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールステアリルアルコール、ベヘニルアルコールポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、グリセロールモノステアレート等の長鎖アルキルアルコールを使用することで復元性が良好になり、表面滑性を適切にすることができる。これらの成分は単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。また、優れたへこみ感と適切な復元性を得るために、前記多価アルコールやウレタン変性(メタ)アクリレート等の上記各種樹脂のうち長鎖部分を適度に含むものが好ましい。
長鎖部分としては、下記の化学式(1)、(2)又は(3)に示す繰り返し単位を含む連鎖などが挙げられる。
−O−〔(CH−O〕− ・・・(1)
但し、j=2〜4及びk=2〜30である。
Figure 2007207091
但し、n=3〜12、m=1〜15である。
−(CH− ・・・(3)
但し、p=10〜24である。
これら長鎖部分の繰り返し単位が、硬化性組成物(固形分)中に10〜70質量%含まれることが好ましく、20〜60質量%含まれることが更に好ましい。繰り返し単位は、化学式(1)の場合kが、2〜30個の連鎖であることが好ましく、2〜20個の連鎖であることが更に好ましい。化学式(1)における繰り返し数jは、2〜4個であることが好ましい。化学式(2)の場合mが、1〜15個の連鎖であることが好ましく、1〜10個の連鎖であることが更に好ましい。化学式(2)における繰り返し数nは、3〜12個であることが好ましく、3〜8個であることが更に好ましい。化学式(3)の場合、炭素数pは10〜24個であることが好ましく、12〜20個であることが更に好ましい。
また、基材16と軟質樹脂層19との密着性を良好にするために、カルボキシル基と水酸基の少なくとも一方を有する化合物を硬化性組成物に1種又は2種以上を含有させてもよい。カルボキシル基と水酸基の少なくとも一方を有する化合物は特に制限されないが、例えばヒドロキシコハク酸、サリチル酸、ラクチル酸、2−ヒドロキシブチル酸等の水酸基及びカルボキシル基を併せ有する化合物、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等の不飽和結合及びカルボキシル基を併せ有する化合物、及びこれら単量体を含む重合体又は共重合体、アリルアルコール、メタリルアルコール、ビニルアルコール、オレイルアルコール、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の不飽和結合と水酸基を併せ有する化合物、及びこれら単量体を含む重合体又は共重合体等が挙げられる。その含有量は硬化性組成物中に0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜15質量%が特に好ましい。これら化合物の含有量が0.01質量%未満では、樹脂フィルムとの密着性が不十分となり、30質量%よりも多くなると、軟質樹脂層19の自己修復性機能が低下するため好ましくない。
更に、反応性希釈剤として不飽和結合を1つ持つ成分を併用してもよい。これらは硬化性組成物の主成分として用いる樹脂との相溶性が良い単量体であれば特に限定されない。例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
硬化性組成物の粘度を調整するために、希釈溶媒を用いることができる。希釈溶媒は、非重合性のものであれば特に制限されず、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール等が用いられる。これらの希釈溶媒は、単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。その含有量は、硬化性組成物の組成にもよるが、硬化性組成物中に通常0.1〜80質量%である。
軟質樹脂層19表面における塗工性を向上させるために、硬化性組成物中に表面調整剤を添加することが好ましい。表面調整剤としては、ポリシロキサン系化合物やアクリル系重合物からなる表面調整剤などが好ましい。
ポリシロキサン系化合物としては、直鎖状又は分岐状のポリジオルガノシロキサン系化合物が好ましく、ポリオルガノシロキサン基含有共重合体であっても良い。ポリジオルガノシロキサンの代表例はポリジメチルシロキサンである。更に、主鎖や側差の末端にビニル基や(メタ)アクリロイル基等の反応性基を有していても良い。そのメチル基の一部ないし全てが他の有機基に置換された構造のもの(但し、そのメチル基が置換される位置は末端であっても連鎖内であってもよい)であってもよい。
そのような他の有機基としては、例えば、メチル基以外のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、及びポリオキシアルキレン鎖やポリエステル鎖等の繰り返し単位を有する連鎖等が挙げられる。更にこれらの有機基は水酸基、アミノ基、エポキシ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基又はその他の官能基を有することができる。前記繰り返し単位を有する連鎖としては、例えばポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)鎖等のポリオキシアルキレン鎖や、ポリカプロラクトン鎖やポリエチレンセバケート鎖、ポリエチレンアジペート鎖等のポリエステル鎖が挙げられる。これら連鎖の末端は水酸基やカルボキシル基、(メタ)アクリロイル基やビニル基であっても、その末端が有機基で封鎖されていてもよい。例えば、アルキルエーテル化、アルキルエステル化等で封鎖されていてもよい。また、この連鎖は通常ジメチレン基やトリメチレン基等のアルキレン基を介して珪素原子と結合しているが、これに限られるものではない。
表面調整剤としては、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを成分として含む市販品として、「BYK−306」、「BYK−330」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−307」、「BYK−333」(ビックケミー社製)、「VXL4930」(ヴィアノヴァレジンズ社製)等が好ましい。またアクリル系重合物を成分として含む市販品として、「BYK−356」、「BYK−359」、「BYK−361」、「BYK−352」、「BYK−354」、「BYK−355」、「BYK−358」、「BYK−380」、「BYK−381」、「BYK−390」(ビックケミー社製)等が好ましい。
また、ポリオルガノシロキサン基含有共重合体として、ポリオルガノシロキサン基含有化合物と他の重合体とから形成されるポリオルガノシロキサン基含有グラフト共重合体、又はポリオルガノシロキサン基含有化合物と他の重合体とから形成されるポリオルガノシロキサン基含有グラフト共重合体セグメントAと他重合体から形成されるポリオルガノシロキサン基を含有しない重合体セグメントBとからなるA−B型ブロック共重合体、又はポリオルガノシロキサン基含有化合物セグメントAと他の重合体から形成されるポリオルガノシロキサン基を含有しない重合体セグメントBとからなるA−B型ブロック共重合体が好ましい。そのようなブロック共重合体の市販品としてはモディパーFS700、モディパーFS710、モディパーFS720、モディパーFS730(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
表面調整剤の硬化性組成物中における含有量は、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。この含有量が、0.01質量%未満の場合には、軟質樹脂層19表面に十分な平滑性が得られなくなる。一方、10質量%を越える場合には、軟質樹脂層19に対する防眩層25の密着性が低下する。硬化性組成物は、前記の(メタ)アクリロイル基含有化合物、カルボキシル基及び水酸基の少なくとも一方を有する化合物、表面調整剤、更に後述のその他化合物、溶剤等を配合することにより得られる。(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、ポリイソシアネートと前記(メタ)アクリル酸ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルとのウレタン化反応によって得られるウレタン変性(メタ)アクリレートが好ましい。その際、配合するための機械や配合順序等は常法に基づいて決定される。
軟質樹脂層19は単層で構成されていてもよく、複数層で構成されていてもよい。自己修復性を有する軟質樹脂層19の具体例としては、ナトコ(株)製の紫外線(UV)硬化性の特殊変性ウレタンアクリレート塗料「UV自己治癒性クリヤー」等が挙げられる。
次に、防眩層25は前述のように軟質樹脂層19上に防眩層形成用硬化性組成物を塗布後、又は硬化性組成物の粘度が高過ぎる場合等には、希釈溶剤によって希釈された硬化性組成物(液体)を塗布してから溶剤を除去後硬化させることにより形成される。そして、ガラス板上に防眩層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜とそれと同一条件で形成した軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度の比(軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩形成用硬化性組成物の硬化塗膜の比)が0.1〜10であり、0.5〜5であることが好ましく、0.8〜1.2であることが更に好ましい。ここで、上記のマルテンス硬度は、軟質樹脂層19又は防眩層25のもつ本来の物性を示すものであり、硬化塗膜の厚さなどに拘わらず、軟質樹脂層19及び防眩層25の実際の厚さに適用することができる。
この場合、ペン入力時の塗膜のヘコミの発生に対して、軟質樹脂層19と防眩層25の硬度が近いため密着性が良好になり、ひいては耐久性が良好になる。マルテンス硬度の比が0.1未満又は10を越える場合には、防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜の硬度が軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜の硬度に比べて過度に大きく又は過度に小さくなり、硬度のバランスを欠き、筆記感や耐久性が悪化する。しかも、防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜のマルテンス硬度が過度に小さい場合にはその硬化塗膜が柔らかくなり過ぎて防眩層25の表面に傷が付きやすく、耐久性が悪くなり、逆に過度に大きい場合にはペン入力時における防眩層25の変形(へこみ)に軟質樹脂層19が追従できず、両層間の密着性が低下して耐久性が悪くなる。
また、防眩層25の表面における中心線平均粗さ(Ra)、即ちJIS B0601−1982に準拠して測定されるRaは0.01〜1μmであることが好ましく、0.03〜0.5μmであることが更に好ましい。このRaが0.01μm未満の場合、像の写り込みが低減せず視認性が十分に得られず、またペン先が密着する傾向を示して滑らかな筆記感が得られない。一方、Raが1μmを越える場合、液晶画面のギラツキなどが発生し、視認性が十分に得られない。
防眩層形成用硬化性組成物中には、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の不飽和アクリル樹脂組成物、ウレタン変性(メタ)アクリレート等の不飽和ポリウレタン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、熱硬化型のシリコーン系、メラミン系及びエポキシ系の樹脂組成物等が含まれている。具体的には軟質樹脂層形成用硬化性組成物中と同じ組成物を使用しても良いし、異なる組成物を使用しても良いが、同様な組成物の使用が好ましい。
防眩層25の表面に微細な凹凸を形成させるために、防眩層形成用硬化性組成物中に微粒子物質などを添加することが好ましい。微粒子物質としては、例えばシリカ、酸化カルシウム、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウム及び酸化アンチモンなどの無機系微粒子物質や、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン及びポリスチレンなどの架橋又は未架橋ポリマーからなる有機系微粒子物質などが使用できる。用いる微粒子物質の平均粒子径は、通常0.001〜50μm、好ましくは0.01〜10μm、更に好ましくは0.1〜5μmである。1種類の微粒子のみを用いても良いが、複数種類の微粒子を併用して用いても良い。
また、微細な凹凸を形成させる方法として、エンボス加工やサンドブラスト加工、エッチング加工などの適宜な方法で粗面化処理することもできる。この場合、前記の微粒子物質などを添加した硬化性組成物を併用してもよい。
ペン入力装置用表面材23は、透明樹脂フィルムよりなる基材16と軟質樹脂層19との間、又は基材16の軟質樹脂層19とは反対側に必要に応じて透過光制御層、導電性層及び帯電防止層等の機能を有する層を単層又は複数層の形態で形成することができる。樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、再生セルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン3元共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリエチレン、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。これらの中では、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の透明性が良好なものが好ましい。
また、樹脂フィルムの厚さは通常0.01mm〜3mm、好ましくは0.01〜0.5mm、特に好ましくは0.05mm〜0.2mmである。樹脂フィルムはこのような厚さを有し、一般に樹脂シートと呼ばれる範疇のものを含む。樹脂フィルムの厚さが、0.01mmよりも薄い場合や、3mmよりも厚い場合には、いずれも取扱い性が悪くなって好ましくない。
次に、前述の視認性を損なわないという観点から、ヘイズ値は0.5〜40%であり、好ましくは1〜20%、より好ましくは2〜15%である。ヘイズ値が0.5%未満の場合、防眩性の効果がほとんどなくなる。その一方、ヘイズ値が40%を越える場合、不透明感を感じて視認性が悪くなる。更に、全光線透過率は好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。全光線透過率が80%未満である場合には、暗さを感じ、視認性が悪くなる。
すべり感による筆記感は、入力ペン21のペン先と防眩層25の表面との摩擦抵抗を測定することにより評価することができる。この摩擦抵抗は、描画動作中のすべり感に相当する動摩擦抵抗と、書き始めのすべり感に相当する静摩擦抵抗の2つに分けることができる。筆記感を向上させるという観点から、その両方を調整することが重要である。
即ち、入力ペン21に対する摩擦抵抗を表面性試験機(新東科学(株)製、商品名:トライボギア、TYPE:14DR)により測定した値が特定の範囲にあるものである。具体的には、20℃、50%相対湿度雰囲気下で入力ペン21を用いて、防眩層25の表面上を荷重200g、速度10cm/秒で移動させたとき、動摩擦係数が好ましくは0.02〜0.6、より好ましくは0.1〜0.4であり、かつ静摩擦係数が好ましくは0.3〜2、より好ましくは0.5〜1である。動摩擦係数が0.02未満である場合又は静摩擦係数が0.3未満である場合、いずれの場合も上記入力ペン21がすべり(滑り)過ぎるため、筆記感が低下する。逆に、動摩擦係数が0.6を越える場合又は静摩擦係数が2を越える場合、いずれの場合も入力ペン21のすべりが悪く、抵抗感を強く感じるため、筆記感が悪化する傾向を示す。
20℃、50%相対湿度の雰囲気下で入力ペンを用いてペン入力装置用表面材23の表面を荷重200g、速度10cm/秒で移動させたときに発生する機能層のへこみが0.2〜20秒の時間内に復元することが好ましく、0.5〜10秒の時間内に復元することが更に好ましい。このへこみが0.2秒未満で復元すると表面材23の柔らかさを感じにくくなるため筆記感が適正でなくなり、20秒を越えて復元すると、へこみ跡が長時間残り、視認性を低下させるため好ましくない。また、へこみの深さは好ましくは1〜80μmであり、より好ましくは2〜50μmである。
ペン入力装置用表面材23は、優れた視認性と筆記感とを有しているため、タブレットPC、PDA(Personal Digital Assistant)、電子辞書、ゲーム機、携帯電話、電子ペーパー等に代表されるペン入力デバイスの表面に貼り合わせること等によって、背景からくる蛍光灯等の映り込みを少なくすることができ、防眩性に優れている。そのため、視認性が著しく向上して、目の疲れを軽減すること等ができる。
軟質樹脂層形成用硬化性組成物を基材16上に塗布する方法及び防眩層形成用硬化性組成物を軟質樹脂層19上に塗布する方法としては、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、リバースコート法、キスコート法、コンマコート法等公知のいかなる方法でもよい。塗布に際しては、必要に応じて層間密着性を向上させるために、あらかじめコロナ放電等の何らかの前処理を施してもよい。
上記のようにして基材16に塗布され、乾燥された硬化性組成物を硬化する方法、又は軟質樹脂層19上に塗布され、乾燥された防眩層形成用硬化性組成物を硬化する方法は特に限定されず、公知の方法、例えば紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射や加熱による方法で行うことができる。軟質樹脂層形成用硬化性組成物及び防眩層形成用硬化性組成物を紫外線照射により硬化する際に使用する光重合開始剤としては、紫外線照射により重合開始能を有するものであればよい。具体的には、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤;ベンゾイン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤;ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤;2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独又は2種以上の混合物として用いることができる。また、重合開始剤の種類によっては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の第三級アミンを添加する等の反応促進剤を併用する方法でもよい。
軟質樹脂層形成用又は防眩層形成用の硬化性組成物中における重合開始剤の配合割合は、硬化性組成物中の硬化性成分100質量部に対し0.01〜20質量部であることが望ましい。この配合割合が0.01質量部未満の場合には、硬化性組成物が完全には硬化しにくく、未硬化となりやすく、また表面硬度が低下しやすいため好ましくない。一方、20質量部を越える場合には、軟質樹脂層19又は防眩層25の着色や臭気の発生が起こり好ましくない。
上記の硬化に用いられるエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素等の線源が使用される。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算光量として、50〜5000mJ/cm2が好ましい。照射量が、50mJ/cm2未満の場合には、硬化が不十分となるため、軟質樹脂層19又は防眩層25の耐摩耗性や硬度が低下する。一方、5000mJ/cm2を越える場合には、軟質樹脂層19又は防眩層25が着色して透明性が低下する。
また、軟質樹脂層形成用又は防眩層形成用の硬化性組成物を加熱により硬化させる場合、従来公知の熱重合開始剤を硬化性組成物中に添加した後に硬化させる。熱重合開始剤の具体例としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。これら熱重合開始剤は1種類で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。軟質樹脂層形成用又は防眩層形成用の硬化性組成物中には、性能を損なわない範囲で、必要に応じて、顔料、充填剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加することができる。これらは1種類で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
前記のように、基材16の機能層が形成されている面と反対の面には、透明粘着剤層20又は導電性層を形成することができる。透明粘着剤層20を形成した場合、ペン入力タッチパネル及びペン入力装置を作製することが容易になる。このような透明粘着剤層20としては、例えばアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができるが、透明性の点ではアクリル系粘着剤を用いるのが好ましく、また再剥離性の点ではシリコーン系粘着剤を用いるのが好ましい。これら粘着剤中には、粘着性ポリマー成分のほか、可塑剤、粘着付与成分等を含ませることができるが、透明性を損なわないように使用する方がより望ましい。アクリル系粘着剤の主成分である粘着性ポリマーとしては、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル等の炭素数が1〜10のアルキル基のアルコール及び(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等の官能基含有不飽和単量体との共重合体が好ましく用いられる。ゴム系粘着剤の主成分である粘着性ポリマーとしては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレン系ブロツク共重合体、天然ゴム等が好ましく用いられる。これらの成分による透明粘着剤層20を5〜100μmの厚さで形成するのが好ましい。
また、導電性層を形成した場合も同様に、ペン入力タッチパネル12及びペン入力装置10を作製することが容易になる。この導電性層としては、酸化錫(SnO等)、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム、インジウム錫酸化物(ITO)等の金属酸化物や、金、銀、銅、アルミニウム、錫、ニッケル等の金属膜が挙げられる。これらの中では、酸化亜鉛、酸化錫等の単一金属からなる酸化物が化学量論比による制御が容易で高性能な薄膜が得られる点で好ましい。前記導電性層の積層方法は特に制限されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、低圧プラズマ法、塗工法及び常圧プラズマ化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。該導電性層の厚さは、導電性能や、赤外線及び電磁波の低減性能が発現され、かつ透明性が保たれる厚さ、即ち、可視光透過率が60%以上であるためには、膜厚は30〜200nmであることが好ましい。
さて、本実施形態の作用を説明すると、ペン入力装置用表面材23は、基材16上に軟質樹脂層19が形成され、該軟質樹脂層19上に防眩層25が形成されて構成される。軟質樹脂層19の厚さは5〜100μmに設定され、自己修復性を有していることから適度な弾力性が発現され、表面に位置する防眩層25の厚さが0.2〜10μmで軟質樹脂層19よりも薄く設定されることから、軟質樹脂層19のもつ弾力性が防眩層25表面においても発現される。しかも、軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜についてマルテンス硬度の比が0.1〜10に設定されるため、入力ペンによって防眩層25及び軟質樹脂層19が押圧されたときに両層の硬さのバランスにより適度なへこみが得られる。よって、入力ペン21での入力操作を良好な筆記感をもって行うことができる。
また、表面の防眩層25が0.2〜10μmの厚さで形成されるため、表面の微細凹凸が適切に制御され、更に表面材23のヘイズ値が0.5〜40%に設定されている。そのため、防眩層25の表面に入射される光が拡散されて反射されることにより、目に入る反射光が抑えられ、防眩性が発現される。その上、表面材23の曇りが抑えられ、良好な透明感が発現される。加えて、前記マルテンス硬度の比は、軟質樹脂層19と防眩層25の硬度が近くなるような範囲に設定されることから、軟質樹脂層19と防眩層25の硬度が近くなり、入力ペン21の押圧時に発生する軟質樹脂層19の変形(へこみ)によって起こる軟質樹脂層19と防眩層25との界面のストレスを低減させることができる。その結果、軟質樹脂層19と防眩層25との間の接着力を高めることができる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態のペン入力装置用表面材23では、軟質樹脂層19のもつ自己修復性とその厚さの設定によって適度な弾力性が得られ、防眩層25の厚さの設定によって軟質樹脂層19の弾力性が防眩層25表面においても発現される。更に、前記マルテンス硬度の比が0.1〜10に設定されているため、入力ペン21によって防眩層25及び軟質樹脂層19が押圧されたときに両層の硬さのバランスにより適度なへこみが得られ、入力ペン21での入力操作に際して良好な筆記感が発揮される。
また、防眩層25の厚さの設定と表面材23のヘイズ値の設定により、良好な防眩性と視認性を発揮することができる。その上、前記マルテンス硬度の比の設定によって軟質樹脂層19と防眩層25との密着性を高めることができ、表面材23の耐久性を向上させることができる。
・ 前記軟質樹脂層19のマルテンス硬度を0.5〜50N/mmに設定することにより、入力ペン21の押圧によって適度なへこみの深さと良好なへこみ感を得ることができる。更に、弾性エネルギーを0.1〜20nJに設定することにより、前記へこみの復元が適度に行われる。従って、筆記感及び耐久性を一層向上させることができる。
・ 前記防眩層25の表面における中心線平均粗さを0.01〜1μmに設定することにより、像の写りこみやギラツキが抑えられると共に、入力ペン21による操作時にペン先が防眩層25表面に密着せず、入力ペン21を滑らかに動作させることができる。従って、視認性及び筆記感を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。各例における部及び%は特に断りのない限り、質量部及び質量%を表し、またペン入力装置用表面材23の特性について、下記の方法で測定した。
(1)マルテンス硬度、弾性エネルギー及びマルテンス硬度比
ガラス板上に硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜についてのマルテンス硬度及び弾性エネルギーを超微小硬さ試験装置〔(株)フィッシャー・インストルメンツ社製、商品名:フィッシャースコープH−100〕を用いて20℃、50%相対湿度の雰囲気下で、最大荷重2mN、第1クリープ:5秒、第2クリープ:5秒の条件で測定した。
以上のように測定した軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜のマルテンス硬度に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜のマルテンス硬度の比をマルテンス硬度比として評価した。
(2)中心線平均粗さ(Ra)
JIS B0601−1982に従い、カットオフ値0.8mm、縦倍率20000倍として表面粗さ測定機〔(株)小坂研究所社製、商品名:サーフコーダ ET4000AK〕を用い、ペン入力装置用表面材23の防眩層25における中心線平均粗さ(Ra、単位:μm)を測定した。
(3)全光線透過率及びヘイズ値
直読ヘイズメーター〔(株)東洋精機製作所社製、商品名:直読ヘイズメーター(No.206)〕を使用し、光学特性としての全光線透過率(%)及びヘイズ値(%)を測定した。
(4)写り込み性及びギラツキ性
ペン入力装置用表面材23をタッチパネル付液晶ディスプレイの前面部に貼り合わせたペン入力装置10を用いて、目視にて写り込み性及び視認性の評価を行った。写り込みは、ペン入力装置10上3mの高さにある蛍光灯の像の写り込み度合いを評価した。蛍光灯の像がぼやけて見える方が写り込み性の効果が高く、視認性が良好である。そして、蛍光灯の像がぼやけて見える場合を○、蛍光灯の像がはっきりと見える場合を×、その間程度に見える場合を△とした。また、ギラツキ性は、液晶ディスプレイに画像を表示させた状態で、液晶ディスプレイ上50cmの高さにて見る角度を変化させながら目視することにより評価を行った。そして、画像が鮮明に見える場合を○、画像がギラギラとちらついて見える場合を×、その間程度に見える場合を△とした。
(5)総視認性
総視認性には、全光線透過率とヘイズ値だけではなく、写り込み性やギラツキ性及びペン入力時のへこみ残りによる視認性阻害も考慮して、次の3段階の基準で目視にて評価した。
○:視認性が最も良好である、△:視認性が若干低下する、×:視認性が不良である。
(6)耐久性
消しゴム磨耗試験機〔(株)本光製作所製〕の先端にペーパークロス〔東レ(株)製、商品名:トレシー〕を取り付け、300gの荷重をかけて、1000往復摩擦したときの表面状態を、目視により次の基準にて評価した。
◎:全く傷が付かない、○:ほとんど傷がつかない、△:少し傷がつく、×:著しい傷がつく、又は剥がれる。
(7)へこみ復元時間(復元性)
20℃、50%相対湿度の雰囲気下で、入力ペン21を用いて防眩層25の表面を荷重200g、10cm/秒の速度で移動させたときに発生する機能層のへこみが復元する時間を目視で評価した。移動させた入力ペン21のペン先を表面材23の表面から離したときから表面材23の表面に発生したへこみが復元するまでの時間を評価した。
(8)静摩擦係数及び動摩擦係数
20℃、50%相対湿度の雰囲気下に入力ペン21〔パーム(palm)社製、商品名:スタイラス〕を用いてペン入力装置用表面材23の防眩層25上を荷重200g、速度10cm/秒で移動させたときにおける動摩擦係数(μs、単位なし)及び静摩擦係数(μk、単位なし)を表面性試験機器〔新東科学(株)社製、商品名:トライボギア、TYPE:14DR〕により測定した。
(9)へこみ感及びすべり感
入力ペン21を用いて防眩層25上を筆記した際におけるへこみ感とすべり感の2つの観点で10人が評価した。10人中6人が良好と判断した場合を○、10人中3〜5人が良好と判断した場合を△及び10人中2人以下が良好と判断した場合を×として評価した。
(実施例1)
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5部から形成されたウレタンアクリレート90部と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、商品名:HPA〕6.8部と、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」、以下イルガキュアと略す〕3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−381」〕0.2部と、メチルエチルケトン100部とを混合した軟質樹脂層形成用硬化性組成物を調製した。この軟質樹脂層形成用硬化性組成物の固形分中における長鎖部分の繰り返し単位の含有量は、60質量%であった。
その硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が40μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。
次に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5部から形成されたウレタンアクリレート9部と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、商品名:HPA〕0.68部と、イルガキュア0.3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−306」〕0.4部と、平均粒子径1.3μmの架橋ポリスチレン粒子〔綜研化学(株)製、商品名:SX−130H〕0.1部と、メチルエチルケトン115部とを混合した防眩層形成用硬化性組成物を調製した。
その硬化性組成物を軟質樹脂層19上に、ロールコート法にて乾燥膜厚が1μmになるように均一に塗布し、60℃で20秒間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて防眩層25を形成した。更に、PETフィルムの機能層面と反対側の面に、アクリル系粘着剤による透明粘着剤層20を形成し、ペン入力装置用表面材23を作製した。この表面材23をタッチパネル付液晶ディスプレイの前面部に貼り合わせ、ペン入力装置10を作製した。
得られたペン入力装置用表面材23について、全光線透過率、ヘイズ値及び中心線平均粗さの評価を行った。また、ペン入力装置10を用い、へこみ復元時間、静摩擦係数、動摩擦係数、へこみ感、すべり感、写り込み性、ギラツキ性、総視認性及び耐久性についての評価を行った。マルテンス硬度と弾性エネルギーの評価は、ガラス板上に300μmの厚さで塗布、硬化して形成させた軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜のガラス板上サンプル(軟質樹脂層19のサンプル)、及び同条件で形成させた防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜のガラス板上サンプルにて行った。
これらの評価結果を表1に示す。
(実施例2)
ヘキサメチレンジイソシアネート〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネート700〕2.1部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA10L、カプロラクトン単位の繰り返し数=10〕97.9部から形成されたウレタンアクリレート90部と、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名:M−5400〕6.8部と、イルガキュア3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−381」〕0.2部と、メチルエチルケトン100部とを混合した軟質樹脂層形成用硬化性組成物を調製した。この軟質樹脂層形成用硬化性組成物の固形分中における長鎖部分の繰り返し単位の含有量は、24質量%であった。
その硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が80μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。
次に、実施例1と同様に作成した防眩層形成用硬化性組成物を軟質樹脂層19上に、ロールコート法にて乾燥膜厚が3μmになるように均一に塗布し、60℃で20秒間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて防眩層25を形成し、実施例1と同様にペン入力装置用表面材23及びペン入力装置10を作製した。その評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様に作成した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が5μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。
次いで、実施例1と同様にして作製した防眩層形成用硬化性組成物を軟質樹脂層19上に、ロールコート法にて乾燥膜厚が0.5μmになるように均一に塗布し、60℃で20秒間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて防眩層25を形成し、実施例1と同様にペン入力装置用表面材23及びペン入力装置10を作製した。その評価結果を表1に示す。
(実施例4)
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5部から形成されたウレタンアクリレート90部と、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名:M−5400〕6.8部と、イルガキュア3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−381」〕0.2部と、メチルエチルケトン100部とを混合した軟質樹脂層形成用硬化性組成物を調製した。
その硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が30μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)社製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。
続いて、ウレタンアクリレート〔日本合成化学(株)製、商品名「紫光UV3200B」)9.68部と、イルガキュア0.3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−306」〕0.4部と、平均粒子径1.3μmの架橋ポリスチレン粒子〔綜研化学(株)製、商品名:SX−130H〕0.1部と、メチルエチルケトン115部とを混合した防眩層形成用硬化性組成物を調製した。
その硬化性組成物を軟質樹脂層19上に、ロールコート法にて乾燥膜厚が2μmになるように均一に塗布し、60℃で20秒間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて防眩層を形成し、実施例1と同様にペン入力装置用表面材23及びペン入力装置10を作製した。その評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が100μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。次いで、実施例1と同様にして防眩層25を形成し、ペン入力装置用表面材23及びペン入力装置10を作製した。その評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様にして軟質樹脂層19を形成した。続いて、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5部及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5部から形成されたウレタンアクリレート9部と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、商品名:HPA〕0.68部と、イルガキュア0.3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−306」〕0.4部と、平均粒子径6μmの架橋アクリル樹脂粒子〔根上工業(株)製、商品名:アートパールC−800透明〕0.1部と、メチルエチルケトン115部とを混合した防眩層形成用硬化性組成物を調製した。
その硬化性組成物を軟質樹脂層19上に、ロールコート法にて乾燥膜厚が8μmになるように均一に塗布し、60℃で20秒間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて防眩層25を形成し、実施例1と同様にペン入力装置用表面材23及びペン入力装置10を作製した。その評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例2と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が40μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層19を形成した。
次いで、ウレタンアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名「アロニックスM−1200」〕9.68部と、イルガキュア0.3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−306」〕0.02部と、平均粒子径1.3μmの架橋ポリスチレン粒子〔綜研化学(株)製、商品名:SX−130H〕)0.1部と、メチルエチルケトン115部とを混合して防眩層形成用硬化性組成物を調製した。
その硬化性組成物を軟質樹脂層19上に、ロールコート法にて乾燥膜厚が1μmになるように均一に塗布し、60℃で20秒間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて防眩層25を形成し、実施例1と同様にペン入力装置用表面材23及びペン入力装置10を作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が200μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層を形成した。
続いて、実施例1と同様にして作製した防眩層形成用硬化性組成物を軟質樹脂層上に、実施例1と同様に塗布、硬化させて防眩層を形成し、実施例1と同様にペン入力装置用表面材及びペン入力装置を作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が40μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層を形成した。
次いで、実施例1と同様にして作製した防眩層形成用硬化性組成物を軟質樹脂層上に、ロールコート法にて乾燥膜厚が15μmになるように均一に塗布し、60℃で20秒間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて防眩層を形成し、実施例1と同様にペン入力装置用表面材及びペン入力装置を作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1と同様にして作製した軟質樹脂層形成用硬化性組成物をロールコーターにて厚さ100μmのPETフィルム上に、乾燥膜厚が40μmになるように均一に塗布した。そして、80℃で60秒間乾燥後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(積算光量400mJ/cm)し、硬化させて軟質樹脂層を形成した。
次に、ウレタンアクリレート〔日本合成化学(株)製、商品名「紫光UV7000B」〕9.68部と、イルガキュア0.3部と、表面調整剤〔ビックケミー(Byk−Chemie)社製、商品名「BYK−306」〕0.4部と、平均粒子径1.3μmの架橋ポリスチレン粒子〔綜研化学(株)製、商品名:SX−130H〕0.1部と、メチルエチルケトン115部とを混合した防眩層形成用硬化性組成物を調製した。この防眩層形成用硬化性組成物を用いたこと以外は実施例1と同様に操作し、ペン入力装置用表面材及びペン入力装置を作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例4)
厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100部と、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(光重合開始剤)3部と、平均粒子径3μmのアクリル系樹脂粒子3質量%と、シリコーン系撥水撥油剤0.4部とを含有する樹脂液を塗布し、紫外線照射により硬化させ、厚さ6μmの硬質樹脂層を形成した。このポリエチレンテレフタレートフィルムの反対面にアクリル系粘着剤を溶液状で塗工、乾燥することによりペン入力装置用表面材を作製した。この表面材を用い、実施例1と同様にしてペン入力装置を作製した。その評価結果を表1に示す。
(比較例5)
ポリエチレングリコール(#1000)ジアクリレート60質量部と、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート10質量部と、ラウリルアクリレート30質量部と、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート5質量部とからなる混合液に平均粒子径10μmのアクリル系微粒子を3質量部添加後、十分に攪拌して樹脂液を調製した。
この液をロールコーターにて厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に20μmの厚さで均一に塗布し、100℃で10分間乾燥させ、硬化させて軟質樹脂層を形成した。次に、硬化面の反対側の面にアクリル系樹脂の粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することによりペン入力装置用表面材を作製した。この表面材を用い、実施例1と同様にしてペン入力装置を作製した。その評価結果を表1に示す。
Figure 2007207091
表1に示したように、実施例1及び2では視認性、耐久性及び筆記感の全てにおいて良好であった。実施例3では、視認性及び耐久性は良好であったが、軟質樹脂層19の厚さが5μmであるためにへこみ復元時間が短く、へこみ感が若干低下したが、比較的良好な筆記感であった。実施例4では、マルテンス硬度比が0.3であるために若干耐久性が低下したが、視認性及び筆記感共に良好であった。実施例5では、軟質樹脂層19の厚さが100μmであるために入力ペン21により比較的深くへこみ、復元時間が15秒と比較的長く、また静摩擦係数が若干高くなってすべり感が少し低下したが、比較的良好な筆記感であった。実施例6では、防眩層25の厚さが8μmで、表面凹凸のRaが0.8μmと比較的大きいためにギラツキ性が若干あったが、比較的良好な視認性であり、また筆記感は良好であった。実施例7では、マルテンス硬度比が6であるために若干耐久性が低下したが、視認性、筆記感共に良好であった。
これに対し、比較例1では、軟質樹脂層の厚さが200μmと非常に厚いため、入力ペンにより機能層が深くへこみ、へこみ復元時間が長く、筆記跡のため視認性が悪い結果であった。更に、筆記抵抗感が高く、筆記感が悪かった。比較例2では、筆記感は良好であったが、防眩層の厚さが15μmと厚いために表面凹凸がほとんど形成されず、ヘイズ値が小さく、写り込み性が悪いために視認性が悪かった。比較例3では、筆記感は良好であったが、マルテンス硬度比が12.8と適切でなかったため、耐久性が悪かった。比較例4では、ハードコート性があり表面が硬く、また筆記抵抗感が低かった。そのため、ペン入力時に硬く、かつ滑る感触があり、筆記感が悪かった。比較例5では、中心線平均粗さRaが1.2μmと大きいためヘイズ値が高く、また画像のギラツキが見られ、視認性が悪かった。
尚、前記実施形態を、次のように変更して実施することも可能である。
・ 基材16を構成する透明樹脂の原料としてカルボキシル基と水酸基の少なくとも一方を有する単量体を用い、透明樹脂にカルボキシル基又は水酸基をもたせて軟質樹脂層19との密着性を向上させるように構成することもできる。
・ 入力ペン21のペン先の形状を、半楕円状、異形曲面状などの形状にしてもよい。
・ 防眩層25又は軟質樹脂層19を形成する硬化性組成物に、熱可塑性エラストマー等の弾性材料を配合し、防眩層25又は軟質樹脂層19の復元性を向上させるように構成することもできる。
更に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記軟質樹脂層の厚さは、防眩層の厚さより厚く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、ペン入力装置用表面材の弾力性を保持することができ、筆記感を向上させることができる。
(2) 前記軟質樹脂層又は防眩層は、1分子中に複数個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、ポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとから形成されたウレタンアクリレートを主成分として含有する硬化性組成物を塗布、硬化して形成されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。この構成によれば、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、軟質樹脂層又は防眩層の弾力性を高め、筆記感を向上させることができる。
(3) 20℃、50%相対湿度の雰囲気下で、入力ペンを用いて、防眩層の表面を荷重200g、速度10cm/秒で移動させたときの動摩擦係数が0.02〜0.6であり、かつ静摩擦係数が0.3〜2であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。この場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、ペン入力装置用表面材の筆記感を向上させることができる。
(4) 前記防眩層の表面を、入力ペンを用いて、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で荷重200g、速度10cm/秒の速度で移動させたときに発生するへこみが0.2〜20秒の時間内に復元するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。この場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、ペン入力装置用表面材のソフト感を向上させることができる。
(5) 前記軟質樹脂層又は防眩層が下記の化学式(1)、(2)又は(3)に示す繰り返し単位を10〜70質量%含む硬化性組成物を基材上に塗布、硬化して形成されるものである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。この場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、軟質樹脂層又は防眩層の自己修復性を向上させることができる。
−O−〔(CH−O〕− ・・・(1)
但し、j=2〜4及びk=2〜30である。
Figure 2007207091
但し、n=3〜12及びm=1〜15である。
−(CH− ・・・(3)
但し、p=10〜24である。
(6) 前記軟質樹脂層又は防眩層は、カルボキシル基及び水酸基の少なくとも一方を有する化合物を0.01〜30質量%含有する硬化性組成物を塗布、硬化して形成されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。この場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、基材に対する軟質樹脂層の密着性又は軟質樹脂層に対する防眩層の密着性を向上させることができる。
(7) 前記軟質樹脂層又は防眩層は、紫外線硬化性樹脂を主成分として含有する硬化性組成物を塗布、硬化して形成されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。この場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、ペン入力装置用表面材の製造容易性を図ることができる。
(8) タッチパネル本体上に、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材が設けられて構成されていることを特徴とするペン入力タッチパネル。この場合、視認性が維持され、筆記感が良いため、入力操作を繰り返し行なっても疲労感がなく快適である。
(9) 上記技術的思想(8)に記載のペン入力タッチパネルがディスプレイ上に設けられて構成されていることを特徴とするペン入力装置。この場合、視認性が良く、筆記感に優れているため、入力操作を繰り返し行なっても疲労感がなく快適であると共に、耐久性にも優れている。
ペン入力装置用表面材を示す断面図。 裏面に粘着剤層を有するペン入力装置用表面材を示す断面図。 (a)及び(b)は抵抗膜方式のペン入力タッチパネルを模式的に示す概略断面図。 電磁誘導方式のペン入力タッチパネルを示す概略断面図。 ペン入力装置の概念を示す断面図。
符号の説明
16…基材、19…軟質樹脂層、21…入力ペン、23…ペン入力装置用表面材、25…防眩層。

Claims (3)

  1. 樹脂フィルムよりなる基材上に自己修復性を有する軟質樹脂層を設け、その上に防眩層を設けたペン入力装置用表面材であって、
    前記軟質樹脂層の厚さは5〜100μm及び防眩層の厚さは0.2〜10μmであると共に、ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜とそれと同一条件で形成した防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度の比(軟質樹脂層形成用硬化性組成物の硬化塗膜に対する防眩層形成用硬化性組成物の硬化塗膜の比)が0.1〜10であり、かつヘイズ値が0.5〜40%であることを特徴とするペン入力装置用表面材。
  2. ガラス板上に軟質樹脂層形成用硬化性組成物を塗布、硬化して形成した厚さ300μmの硬化塗膜を、超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度が0.5〜50N/mmであり、かつ弾性エネルギーが0.1〜20nJであることを特徴とする請求項1に記載のペン入力装置用表面材。
  3. 前記防眩層の表面における中心線平均粗さが0.01〜1μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペン入力装置用表面材。
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