JP2007206570A - 画像表示媒体用粒子及びその製造方法、並びに画像表示媒体及び画像表示装置 - Google Patents

画像表示媒体用粒子及びその製造方法、並びに画像表示媒体及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像表示媒体を長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができる画像表示媒体用粒子及びその製造方法、並びに該画像表示媒体用粒子を用いた画像表示媒体及び画像表示装置の提供。
【解決手段】対向する2つの基板間に、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の粒子を封入してなる画像表示媒体に用いられ、前記粒子は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させて、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて得られる画像表示媒体用粒子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ディスプレイとハードコピーの両方の長所を持った書き換えが可能でペーパーライクな画像表示媒体に用いられる画像表示媒体用粒子及びその製造方法、並びに画像表示媒体及び画像表示装置に関する。
近年、ペーパーレス化という環境意識の高揚に伴って、電気的な力を利用して表示基板に所望の画像を表示でき、書き換えも可能なペーパーライクディスプレイに関する研究が進められている。このようなペーパーライクディスプレイとしては、電気泳動型、サーマルリライタブル型等の液相型の画像表示媒体が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、このような液相型の画像表示媒体では液中を粒子が泳動するので、液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。このため、最近では、対向する2つの基板間に着色粒子が封入された構成の乾式のものや、易移動性の絶縁性着色粒子あるいは粉流体が封入された構成のものが着目されている。また、用いられる着色粒子としては、例えば、粉砕法によって得られたエレクトレット粒子(永久帯電粒子)に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。
このような乾式の画像表示媒体において、表示メカニズムの根本となるものは粒子の表面電荷であり、安定した高精細な表示を得るためには、この粒子の表面電荷を安定的に保つ必要がある。しかし、表面電荷というものは非常に不安定であり、例えば湿度などの粒子周囲の環境によって容易に減衰してしまう。また、他物質との接触あるいは摩擦によっても容易に変化が起こってしまう。更に、粒子中において何らかの物質移動や変形が起これば、それだけでも表面電荷の変化が起こってしまうものである。このような表面電荷の変化は、表示状態の変化に結びつき、画像表示媒体の長期保管、長期使用などによって、表示状態が不安定なものとなるという問題がある。
この点を解決するため、上記特許文献4では、試料の両面に高電圧を印加した状態で加熱溶融させて、その電圧を保持したまま冷却し、固化して作製したエレクトレット材料を用いることが提案されている。しかし、この提案では、粒子一つずつの帯電量や粒径が均一ではなく、形状も粉砕されたままの異形であるため、繰り返して使用した場合に、パネル内での粒子の偏在や、流動特性が変化するため、必ずしも安定な画像表示状態を維持することができないという問題がある。
特許第2551783号公報 特公昭51−46396号公報 特開2001−98206号公報 特開2005−31189号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、画像表示媒体を長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができる画像表示媒体用粒子及びその製造方法、並びに画像表示媒体及び画像表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 対向する2つの基板間に、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の粒子を封入してなる画像表示媒体に用いられ、
前記粒子は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させて、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて得られることを特徴とする画像表示媒体用粒子である。
<2> 粒子が、エレクトレット化されている前記<1>に記載の画像表示媒体用粒子である。
<3> 粒子の表面電荷密度が5〜20μC/mであり、かつ個数基準で全体の75%以上の表面電荷密度が7〜15μC/mである前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子である。
<4> 粒子の平均円形度が0.98以上であり、かつ該粒子の粒径の個数分布の変動係数が20%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子である。
<5> 粒子の平均粒子径が2〜40μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子である。
<6> 少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させた後、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて、エレクトレット化された粒子を作製することを特徴とする画像表示媒体用粒子の製造方法である。
<7> 対向する2つの基板間に、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の粒子を封入してなる画像表示媒体において、
前記粒子が、前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子であることを特徴とする画像表示媒体である。
<8> 前記<7>に記載の画像表示媒体を表示手段として用いたことを特徴とする画像表示装置である。
本発明の画像表示媒体用粒子は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させて、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて得られるエレクトレット化された粒子であるため、この粒子を用いた画像表示媒体は長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができる。
本発明の画像表示装置は、内部空間電荷を有するエレクトレット(永久荷電体)からなる本発明の画像表示媒体粒子を用いた画像表示媒体を有しているので、該粒子の持つ電荷量を安定に保持することができ、画像表示媒体を長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができ、例えばノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の表示部、ポイントカードなどのカード表示部、電子広告、電子POPなどの各種画像表示装置に好適に用いられる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、画像表示媒体を長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができる画像表示媒体用粒子及び該画像表示媒体用粒子の製造方法、並びに該画像表示媒体用粒子を用いた画像表示媒体及び画像表示装置を提供することができる。
(画像表示媒体用粒子及びその製造方法)
本発明の画像表示媒体用粒子は、対向する2つの基板間に、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の粒子を封入してなる画像表示媒体に用いられ、
前記粒子は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させて、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて得られる。
本発明の画像表示媒体用粒子の製造方法は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させて、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させるものである。
本発明の画像表示媒体用粒子は、本発明の画像表示媒体用粒子の製造方法により製造される。
以下、本発明の画像表示媒体用粒子及び画像表示媒体用粒子の製造方法の詳細について説明する。
まず、一般的なエレクトレット(永久荷電体)とは、絶縁性材料、特に高分子材料を溶融状態とし、これに高電圧を印加したまま、温度を下げそのまま凍結することにより、双極子を配向させたまま永久分極させたものを意味する。
従来より、エレクトレットは、工業的にはフィルムコンデンサーやエレクトレットフィルターに応用されているが、樹脂微粒子のエレクトレット化は、高電圧をかける際に微粒子を電極に配列させたり、表面積の大きい絶縁性材料に効果的に高電圧をかけることが容易でないため、実質的に画像表示媒体用粒子のような樹脂微粒子に応用可能なエレクトレット化の手法がなかった。
前記絶縁性材料に高い電荷を与える方法としては、例えばコロナ帯電法、エレクトロンビーム法、軟X線のような放射線を使う方法が一般的に知られているが、このような方法では、いずれも絶縁体表面に電荷が蓄積し始めると、自らが作り出す電界によって遮蔽効果が働き、微粒子のごく表層部分しか帯電できないという共通した課題がある。
微粒子を帯電させる場合は、特にこの現象が生じ易く、例えば平板電極上に微粒子の層を形成しておき、上述したような方法で帯電させても、表面の一層分の粒子しか帯電させることができない。これは、微粒子であるために表面積が大きく増加してしまうことに由来するものである。
そこで、微粒子を効果的に、かつ均一に帯電させる方法として、液滴を吐出させる時点で、誘導現象を利用して帯電させる方法がある。
具体的には、振動オリフィスのような液滴発生装置において、オリフィスのノズルに対向する位置に設けた対向電極に、液滴側に与えたい帯電極性と反対の直流あるいは直流に交流を重畳させた電位をかける。ノズル板をアースに接続させることにより、ノズルから噴出する液滴に誘導現象が起き、液滴は対向電極と反対の電荷を持つことになり、また対向電極の電位に応じた静電荷量を与えることが可能である。
この方法は帯電量の制御に優れ、更には常に一定量の静電荷を液滴に与えることができ、いわゆる帯電量分布は極めてシャープであるという利点を有している。
例えば、浮遊している固体粒子に複数方向からコロナ帯電させる方法として、ボクサーチャージャーのような電場の切り替えによる方法も試行されているが、実際に帯電処理後の粒子の帯電量分布を比較すると、本方式の帯電処理微粒子では帯電量が101±2fC/粒子1個の範囲に全て存在し殆ど変化がないのに対し、ボクサーチャージャーを使用したものでは、非常に幅広い分布を持ち、12±12fC/粒子1個の範囲の画像表示媒体用粒子である。
しかし、微粒子にこれ以上の電荷を与えようとすると、非常に高電位のコロナをかける必要が生じ、樹脂のような可燃性の粒子においては、処理をした途端に粒子が焼失して帯電を与えることは不可能であった。
本発明の製造方法においては、液滴が大気中で保持できる最大電荷量、即ちレイリー***により液滴が***する電荷量まで帯電させることができる。
また、この高荷電な状態の液滴をそのまま乾燥固化させることで得られた固体粒子にも与えた電荷が全て残存することが確認できた。
液滴時にすでに最大電荷量に達している場合、乾燥により表面積が減少した分レイリー***を起こして電荷量を減少させるが、表面積に応じた最大電荷量が固体粒子にも残存することが確認できた。
上述した例で考察すると、液滴時に与えた帯電量の101±2fC/粒子1個は、固体化しても全く同じ101±2fC/粒子1個であった。
この場合、固体粒子化させたときに最大荷電量となるように、液滴時の電荷量を調整した。即ち高荷電な粒子を作る手段として、本発明による液滴時に誘導荷電で粒子を帯電させる方法が帯電量制御性と高帯電化の両面において、もっとも優れた方法であることが判明した。
次に、高荷電粒子をエレクトレット化する方法について説明する。
液滴時に誘導荷電を行い、高荷電な状態とし、更にこれを乾燥固化させる工程においては、例えば軟X線のような放射線を乾燥途中の液滴に与えると、液滴に溶解あるいは析出している画像表示媒体用粒子に電荷(キャリア)分離が生じることになる。
ここで生じた電荷のうち、液滴表面に存在する電荷と逆極性の電荷は直ちに液滴表面に存在する非常に高荷電な静電荷に引き寄せられ液滴表面の電荷と中和し、また同極性の電荷は液滴表面の電荷に静電反発を受け粒子内部に移動する。
乾燥工程中は、放射線照射を続けることにより、完全に乾燥固化した状態では粒子内部に液滴に与えた電荷と同極性の電荷が閉じ込められた状態を作りだせる。
その結果、極めて帯電の安定性のよい、即ちエレクトレット特性に優れた樹脂微粒子が得られた。これは、電荷が粒子表面に不安定の状態で存在しているのに対し、樹脂微粒子内部にまで移動することによるものである。
高いエレクトレット特性は表面電荷では充分に効果が発現せず、位置的に粒子内部に存在することで安定し、熱刺激電流測定で観測されるTSCピークの温度が、より高温側へシフトすることを考え合わせると、電荷トラップエネルギーがより深く安定となるものと判断される。
従来のフィルム状のエレクトレットの場合は、処理表面のホモ電荷に対し、フィルム裏面にはヘテロ電荷が誘起され永久分極することでの電荷安定を利用する。
本発明の画像表示媒体用粒子の製造方法のように真電荷を微粒子に与える場合は、このような分極による安定効果は見込めないことから、粒子内部に電荷を封じ込める以外に完全なエレクトレット化を達成する手段はないものと考えられる。
本発明の製造方法による画像表示媒体用粒子のエレクトレット化が唯一粒子を高度にエレクトレット化できる、優れた処理方法であると考えられる。
また、乾燥工程で軟X線のごとき放射線を照射しないで乾燥させた場合においても、放射線照射時ほどの電荷量までには至らないが、一部粒子内部に電荷が移動しエレクトレット化することも確認された。これは液滴表面に与えた静電荷が極めて高荷電であるため、乾燥固化する際に、粒子の表面積減少により表面電荷密度が急激に上昇し、液滴がレイリー***を始めるよりも先に静電反発により粒子内部に電荷が拡散し、そのまま乾燥することで生じる現象であると予想される。
上述したように液滴から固体粒子を得る過程でエレクトレット化を行う場合は、固体の樹脂微粒子をエレクトレット化する場合とは異なり熱溶融させる必要がない。これは液滴内に存在する電気伝導性の高いイオンにより、電荷は溶解状態あるいは半溶解状態では自由に動き回ることが可能で、完全に乾燥した段階で空間内部に閉じ込められ凍結され、安定した空間電荷とすることが可能なためである。
このように本発明の製造方法は、常温での処理が可能な点と、粒子を構成する材料に適した溶媒を使用できる点において、自由度の高い製造方法と言える。
次に、微小液滴を作製する手段について詳細に説明する。
従来より、いくつかの微小液滴を作製する方法が知られている。例えば(1)ノズルから溶液をジェット噴射させる時に、ノズル自体に機械的振動を与えることによりせん断を与え、非常に均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる一般に振動オリフィスと呼ばれる方法、(2)PZT等の圧電素子による圧力パルスを与えたり、ノズルに加えた熱エネルギーによる気体膨張を利用して微小液滴を噴出させる各種インクジェット法、(3)複数個のノズルを有するプレートを超音波振動させて、液体のキャピラリー効果を利用して霧化液滴を作製するメッシュ振動方式などがある。本発明においては、前述の原理から考えて、これらのいずれの方法による微小液滴作製方法も適用でき、エレクトレット化処理を行うことが可能である。
上述した方法により得られたエレクトレット性を有する樹脂微粒子は、粒子間で静電反発が起きることから、画像表示媒体用粒子のような用途で使用する場合においても流動性を向上させる目的では外添剤を全く必要としない。
また、付着力の低下を目的として外添剤を加える場合でも、極めて少量でその効果が発揮されることが確かめられた。更に、ストレスによる外添剤の劣化を考えると、外添剤を極力使用しないことが望ましいため、本発明の製造方法は、かかる点においても優れている。
本発明の製造方法により得られたエレクトレット性を有する画像表示媒体用粒子は、静電反発効果により、容易に気流に再分散、即ち浮遊させることも可能である。これにより、高い流動性を得ることが可能となり、応答速度の極めて速い表示を行うことが可能となる。
ここで、図面を参照して本発明の画像表示媒体用粒子の製造方法について説明する。
本発明の画像表示媒体用粒子の製造方法は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させて、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて、エレクトレット化された粒子を作製する。
−装置−
本発明の画像表示媒体用粒子の製造方法に使用される装置(以下、「画像表示媒体用粒子の製造装置」と称することもある)としては、本発明の製造方法により、画像表示媒体用粒子を製造可能な装置であれば、特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、少なくとも樹脂と着色剤とを含有する画像表示媒体用粒子用材料の溶解乃至分散液を、一定の周波数で振動させたノズルから吐出させて、液滴を形成する液滴形成手段と、該液滴中に含まれる溶媒を除去することにより前記液滴を誘導帯電により帯電させた後、乾燥し、画像表示媒体用粒子を形成する画像表示媒体用粒子形成手段と、を有する画像表示媒体用粒子製造装置が好適である。
ここで、図4は画像表示媒体用粒子の製造装置の一例を示し、図5は図4のノズル部を拡大した図である。前記画像表示媒体用粒子の製造装置としては、前記液滴形成手段としての、ノズル1と、電極2と、前記画像表示媒体用粒子形成手段としての、溶媒除去設備3と、除電器4と、画像表示媒体用粒子捕集部12とを有してなり、更に、5は粒子補集部、6は乾燥粒子、7は渦流、8は電界カーテン、9は液搬送チューブ、10は乾燥容器、11は液滴、13は乾燥気体供給チューブ、14は定量ポンプ、15はスラリー分散液貯蔵器、16はノズル面、17は基板、18は液供給流路、19は直流高圧電源、20はOリング、21は分散エアー、22は圧電体をそれぞれ表す。
図4に示した画像表示媒体用粒子製造装置では、前記溶解乃至分散液を、ノズル1から液滴11として吐出させ、該液滴11を、電極2により帯電した後、溶媒除去設備3で溶媒を除去することにより画像表示媒体用粒子6とし、該画像表示媒体用粒子6を、除電器4による除電後、渦流7により画像表示媒体用粒子捕集部12に捕集して、画像表示媒体用粒子貯蔵器に搬送するようになっている。
以下、前記画像表示媒体用粒子製造装置について、各部材毎に更に詳述する。
−−ノズル−−
前記ノズル1は、上述したように、画像表示媒体用粒子用材料の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴とする部材である。
前記ノズルの材質及び形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、吐出孔が、厚み5〜50μmの金属板で形成され、かつ、その開口径が3〜35μmであることが、ノズル1から溶液を噴射させるときに、ノズル1自体に振動を与えることにより液柱に液滴化を補助するくびれを生じさせ、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。
前記ノズル1に振動を与える手段としては、確実な振動を一定の周波数で与えることができるものであれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、上述の観点から、例えば、前記ノズル1が、圧電体の伸縮により一定の周波数で振動されるのが好ましい。
前記圧電体は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する機能を有する。具体的には、電圧を印加することにより、伸縮し、この伸縮により、ノズルを振動させることができる。
前記圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さい為、積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子;水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO等の単結晶、などが挙げられる。
前記一定の周波数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50kHz〜50MHzが好ましく、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から、100kHz〜10MHzがより好ましい。
前記ノズル1は、1個のみ設けてもよいが、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から、複数個設け、各ノズルから吐出される液滴11を、一の溶媒除去設備、図示の例では、溶媒除去設備3で乾燥させるのが好ましい。
同様の観点から、前記圧電体としても、一の圧電体により、該吐出孔を振動させるのが好ましい。
前記一の圧電体により振動させるノズルの吐出孔の個数としては、特に制限はないが、極めて均一な粒子径を有する微小液滴をより確実に発生させるためには、1〜300が好ましい。したがって、前記ノズル1の個数としては、1〜15が好ましく、前記ノズル1の吐出孔の個数としては、ノズル1個あたり1〜20が好ましい。
−−電極−−
前記電極2は、ノズルから吐出される液滴11を帯電させて単分散粒子とするための部材である。
前記電極2は、ノズル1に対向して設置された一対の部材であり、その形状としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、例えば、リング状に形成するのが好ましい。
前記電極2による帯電方法としては、特に制限はないが、ノズルから吐出される液滴11に、常に一定の帯電量を液滴11に与えることができることから、例えば、該液滴11に、誘導荷電により、正電荷又は負電荷を与えることが好ましい。より具体的には、該誘電荷電が、前記液滴を、直流電圧が印加されたリング状電極の中を通過させることにより行われるのが好ましい。液滴に誘導される荷電量は、直流電圧に比例して決まることから、電圧は所望する電荷量に応じて設定されるが、液滴をあまり高電荷にしてしまうとレイリー***が生じることがある。レイリー***の発生領域に達すると、それ以上に誘導荷電用の直流電位を加えても液滴に***が生じるだけとなり、帯電量を高くする事は出来なくなる。更に頻繁に液滴の***が発生すると得られる画像表示媒体用粒子の粒度分布が広くなることからも電圧の上限値はレイリー***以下に抑えることが望ましい。レイリー***の発生領域は使用する材料、溶媒により異なることから一義的には決定できないが、概ね20μmの発生液滴において直流電圧を10kV以下が好ましく、8kV以下がより好ましい。更に誘導荷電の方法には、直接ノズルに直流電圧を印加し、乾燥設備の底部に配置したアースとの間で電位差を設け、液滴を荷電させることも可能である。この場合は、画像表示媒体用粒子貯留部にある導電性の画像表示媒体用粒子溶解乃至分散液を介し電位をかけることができる。貯留部への液供給を空気圧などを利用することで絶縁すれば、比較的簡易に誘導荷電が達成される。また、気流中の液滴がとなることは、エレクトロスプレー法や静電噴霧による微粒子製造などでもすでに実証されている。この場合、揮発成分の蒸発による液滴の表面積縮小作用から、固体への帯電よりも高い帯電量を維持させることが原理的には可能であり、更に高荷電な固体粒子を得ることができる。
−−溶媒除去設備−−
前記溶媒除去設備3としては、液滴11の溶媒を除去することができれば特に制限はないが、液滴11の吐出方向と同方向に乾燥気体を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴11を溶媒除去設備3内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴11中の溶媒を除去させることにより、画像表示媒体用粒子6を形成するのが好ましい。なお、ここで、「乾燥気体」とは、大気圧下の露点温度が−10℃以下の状態の気体を意味する。前記乾燥気体としては、液滴11を乾燥可能な気体であれば特に制限はなく、例えば、空気、窒素ガス、などが好適に挙げられる。
乾燥気体の温度は、乾燥効率の面においてはより高温である方が好ましく、また噴霧乾燥の特性上、使用する溶媒の沸点以上の乾燥気体を使用したとしても、乾燥途中の恒率乾燥領域では液滴温度が溶媒沸点以上に上昇することはなく、得られる画像表示媒体用粒子に熱的損傷を与えることはない。しかしながら、画像表示媒体用粒子の主構成材料が樹脂であることから、乾燥後即ち減率乾燥領域において、使用する樹脂の沸点以上の乾燥気体にさらされると、画像表示媒体用粒子同士が熱融着を発生しやすくなり、単分散性が損なわれる危険性がある。従って、乾燥気体の温度は40〜200℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
また、図示の例のように、前記溶媒除去設備3の内壁面には、液滴11が、前記溶媒除去設備3の壁面に付着することを防止する観点から、液滴の電荷とは逆極性に帯電された電界カーテン8を設け、前記電界カーテンで周囲が覆われた搬送路を形成し、該搬送路内に液滴を通過させるのが好ましい。
−−除電器−−
前記除電器4は、液滴11を、搬送路内に通過させることにより形成した画像表示媒体用粒子6の電荷を、一時的に中和させた後、該画像表示媒体用粒子6を画像表示媒体用粒子捕集部5に収容させるための部材である。
前記除電器4による除電の方法としては、特に制限はなく、通常知られている方法を適宜選択して使用することができるが、効率的に除電が可能であることから、例えば、軟X線照射、プラズマ照射などにより行うのが好ましい。
−−画像表示媒体用粒子捕集部−−
前記画像表示媒体用粒子捕集部5は、画像表示媒体用粒子を効率的に捕集し、搬送する観点から、画像表示媒体用粒子製造装置の底部に設けられた部材である。
前記画像表示媒体用粒子捕集部5の構造としては、画像表示媒体用粒子を捕集できれば特に制限はなく、適宜選択することができるが、上述の観点から、図示の例のように、開口径が漸次縮小するテーパー面を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、画像表示媒体用粒子6を、乾燥気体を用い、該乾燥気体の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、画像表示媒体用粒子を画像表示媒体用粒子貯蔵容器に移送させるのが好ましい。
前記移送の方法としては、図示の例のように、圧送チューブ13を介した乾燥気体による粒子7を画像表示媒体用粒子貯蔵容器に圧送してもよいし、画像表示媒体用粒子貯蔵容器側から画像表示媒体用粒子6を吸い込んでもよい。
前記乾燥気体の流れとしては、特に制限はないが、遠心力を発生させて確実に画像表示媒体用粒子6を移送できる観点から、渦流であることが好ましい。
更に、該画像表示媒体用粒子6の搬送をより効率的に行う観点から、画像表示媒体用粒子捕集部5、圧送チューブ13、及び画像表示媒体用粒子捕集容器が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアースに接続されているのがより好ましい。また、前記画像表示媒体用粒子製造装置は、防曝仕様であることが好ましい。
−−液滴−−
前記液滴11は、先に述べたように、特定の物質を含有する画像表示媒体用粒子用材料の溶解乃至分散液を、一定の周波数で振動させたノズル1から吐出させることにより発生させる。なお、前記画像表示媒体用粒子用材料については、別途述べる。
前記画像表示媒体用粒子用材料の溶解乃至分散液としては、画像表示媒体用粒子用材料を、溶解及び分散の少なくともいずれかを行ってさえいれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、高い帯電量を維持させる観点から、電解伝導率が1.0×10−7S/m以上が好ましい。
同様の観点から、前記溶解乃至分散液の、溶媒としての電解伝導率も、1.0×10−7S/m以上が好ましい。
前記画像表示媒体用粒子用材料を、溶解乃至分散する方法としては、特に制限はなく、通常使用される方法を適宜選択することができる。具体的には、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂等の画像表示媒体用粒子バインダーを、着色剤等と共に溶融混練し、微粉砕してもよいし、この製造途中で得られた混練物を、樹脂成分が可溶な有機溶媒に一度溶解させ、これを微小液滴として処理してもよい。
−作用−
以上の詳細に説明した本発明の画像表示媒体用粒子の製造方法によれば、ノズルの1吐出孔から発生する液滴の粒子数は、1秒当たり数万乃至数百万個と、非常に多く、更に吐出孔を多くすることも容易である。また、非常に均一な液滴径が得られ、充分な生産性を有する観点からも、画像表示媒体用粒子を生産するのに最も好適な方法といえる。更に、本製造方法では、最終的に得られる画像表示媒体用粒子の粒径を、下記計算式(1)により正確に決定することができ、使用する材料による粒径の変化が殆どない。
〔計算式〕
Dp=(6QC/πf)(1/3)・・・(1)
ただし、Dp: 固体粒子径、Q:液流量(ポンプ流量とノズル径で決まる)、f:振動周波数、C:固形分の体積濃度である。
前記画像表示媒体用粒子径は、上記計算式(1)のみで正確に計算することが可能であるが、より簡単には下記計算式(2)で求められる。
〔計算式〕
固形分体積濃度(体積%)=(固体粒子径/液滴径)・・・(2)
即ち、本発明により得られる画像表示媒体用粒子の直径は、液滴を噴出する振動周波数に依らずノズルの開口径の2倍となる。そこで、上記計算式(2)の関係から、固形分の濃度を予め求め調整することにより、目的とする固体粒子径を得ることが可能である。例えば、ノズル径が7.5μmの場合、液滴径は15μmである。そこで、固形分体積濃度を6.40体積%にすれば6.0μmの固体粒子が得られることになる。この場合、振動周波数は生産性の点からより高いほど望ましいが、ここで決定した振動周波数に併せて計算式(1)からQ(液流量)を決定することになる。
これまでの製造方法では、使用する材料によって粒度が大きく変化することが多いが、本製造方法では、吐出する際の液滴径と、固形分濃度とを管理することにより、設定した通りの粒径を有する粒子を連続して得ることが可能になる。
−樹脂−
前記樹脂としては、特に制限はなく、結着樹脂として公知のものであればいずれも使用できるが、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、又はこれらの単量体の2種以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ビニル重合体、ポリエステル系重合体が特に好ましい。
前記ビニル重合体又は共重合体を形成するスチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体について以下に例示するが、これらに限定されるものではない。
前記スチレン系単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フエニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン、又はその誘導体などが挙げられる。
前記アクリル系単量体としては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸、又はそのエステル類などが挙げられる。
前記メタクリル系単量体としては、例えばメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸又はそのエステル類などが挙げられる。
前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマーとしては、以下の(1)〜(18)が挙げられる。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類、(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類、(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類、(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、(8)ビニルナフタリン類、(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体、(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル、(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル、(14)クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β−不飽和酸、(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα,β−不飽和酸無水物、(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマー、(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマー、などが挙げられる。
本発明の画像表示媒体用粒子において、前記結着樹脂におけるビニル重合体又は共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。前記架橋剤としては、例えば芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物、その他の化合物などが挙げられる。
前記芳香族ジビニル化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられる。
前記アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、又は上記の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
前記エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、又は上記の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられる。
前記その他の化合物としては、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、又はジメタクリレート化合物などが挙げられる。
また、ポリエステル型ジアクリレート類としては、例えば商品名:MANDA(日本化薬社製)などが挙げられる。
また、多官能の架橋剤としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、又はこれらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋性モノマーのうち、画像表示媒体用粒子用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
これらの架橋剤の添加量は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.03〜5質量部がより好ましい。
前記ビニル重合体又は共重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビス(1−シクロへキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2',4'−ジメチル−4'−メトキシバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパ−オキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジークミルパーオキサイド、α−(tert−ブチルパーオキシ)イソプロピルべンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルへキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−エトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロへキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチル−オキシベンゾエ−ト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキアリルカーボネート、イソアミルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシへキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアゼレート等が挙げられる。
前記ポリエステル系重合体を構成するモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂を架橋させるために3価以上のアルコールを併用することが好ましい。3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
上記ポリエステル系重合体を形成する酸成分としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸;アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物などが挙げられる。
また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメツト酸、ピロメツト酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物或いはこれらの部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
本発明の画像表示媒体用粒子に使用できる結着樹脂として、前記ビニル重合体及び/又はポリエステル系樹脂中に、これらの両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含む樹脂も使用することができる。ポリエステル系樹脂を構成するモノマーのうちビニル重合体と反応し得るものとしては、例えばフタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。前記ビニル重合体を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸類又はメタクリル酸エステル類などが挙げられる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、又はそれらの混合物が使用できる。これらの中でも、黒色着色剤としてはカーボンブラックが、白色着色剤としては酸化チタンが好ましい。
前記着色剤の含有量は、前記画像表示媒体用粒子に対し、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記画像表示媒体用粒子の表面電荷密度(帯電量)は5〜20μC/mが好ましく、かつ個数基準で全体の75%以上の表面電荷密度が7〜15μC/mであることが好ましい。
ここで、前記粒子の表面電荷密度(帯電量)は、例えば、得られた粒子を25℃、50%RHの環境下に1週間放置し、そのまま摩擦を加えないように注意しながらファラデーケージに投入して、帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製、型式イースパートアナライザーEST−3)を用いて測定する。フィールドボルテージ100Vで、1秒当たり約30粒子が測定できる量をフィードし、粒子2800〜3000個を測定し、算術計算を行って求めることができる。
前記粒子の平均円形度が0.98以上であり、かつ該粒子の粒径の個数分布の変動係数が20%以下である。
前記画像表示媒体用粒子は、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の着色粒子であり、クーロン力により移動可能であって、平均円形度が0.98以上であり、かつ該粒子の個数分布の変動係数が20%以下であるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、比重の小さい粒子が好適である。
前記色としては、単一色が好ましく、白色又は黒色の粒子が好適に用いられ、特に白色の粒子が好適である。
前記画像表示媒体用粒子の平均円形度は0.98以上であることが好ましい。前記平均円形度が1に近い程より真球に近いことを意味し、1より低下するほど形状がいびつになることを意味している。一般的な粒子の性質として、粒子の円形度が1に近く、真球に近いほど流動性がよい。本発明においては、粒子の平均円形度が粒子の流動性に与える影響は極めて大きいことが判ったが、特に平均円形度0.98を閾値として流動性に起因して発生すると考えられる画像コントラストが大きく変化する。即ち、粒子の平均円形度が0.98以上であれば、優れたコントラスト特性を得ることができること、また同様の理由により同じコントラスト値を得るために必要な電界閾値を低下させることが可能となった。電界閾値を低下させることにより、駆動に必要な消費電力を低下させることが可能となるため有利である。
ここで、前記粒子の平均円形度の計測方法としては、例えば、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で、投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である円形度が求められる。得られた粒子一つずつの円形度から、平均円形度や円形度分布を算出することができる。これらの値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により計測した。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして画像表示媒体用粒子の形状及び分布を測定することによって得られる。
前記画像表示媒体用粒子の粒径の個数分布の変動係数は20%以下であることが必要である。前記個数分布における変動係数が20%を超えると、粒度分布が広いことを意味し、粒度分布が広く不揃いであるほど、粒子としての流動性が悪く、かつ粒子1個の帯電量もまた不揃いとなるため、電界による粒子の移動速度が不揃いとなり、コントラストが低くなることがある。
ここで、前記個数分布の変動係数は、下記数式1により求められる値である。
<数式1>
変動係数={(個数分布の標準偏差)/(画像表示媒体用粒子の数平均粒径)}×100
前記画像表示媒体用粒子の平均粒子径は2〜40μmが好ましく、4〜20μmがより好ましい。前記平均粒子径がこの範囲より小さいと粒子の電荷密度が大きすぎて電極や基板への鏡像力が強すぎ、メモリ性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなることがある。反対に平均粒子径がこの範囲より大きいと、追随性はよいが、メモリ性が悪くなることがある。
画像表示媒体用粒子の平均粒径及び粒度分布は、例えばコールターカウンターTA−II型又はコールターマルチサイザー(コールター社製)等の種々の方法で測定可能である。例えばコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液(例えば、ISOTON R−II、コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
具体的には、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5mlを加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上の画像表示媒体用粒子の個数を測定して個数分布とを算出する。次いで個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径、即ち数平均粒径及び個数分布の標準偏差を求める。
(画像表示媒体)
本発明の画像表示媒体は、対向する2つの基板間に、色及び帯電特性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の粒子を封入してなり、前記粒子が、本発明の前記画像表示媒体用粒子であり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
−基板−
前記基板としては、画像表示媒体の外側から粒子の色が確認できる透明基板が好ましく、可視光の透過率が高くかつ耐熱性のよい材料が好適である。可撓性の有無は用途により適宜選択され、例えば、電子ペーパー等の用途には可とう性のある材料、携帯電話、PDA、ノートパソコン類の携帯機器表示等の用途には可とう性のない材料が用いられる。
前記基板材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート等のポリマーシート;ガラス、石英等の無機シートなどが挙げられる。
前記基板厚みは2〜5,000μmが好ましく、5〜1,000μmがより好ましい。前記厚みが薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、厚すぎると、表示機能としての鮮明さ、コントラストの低下が発生し、特に、電子ペーパー用途の場合には可とう性に欠ける。なお、基板には、必要に応じて電極を設けてもよい。
前記基板に電極を設けない場合には、基板外部表面に静電潜像を与え、その静電潜像に応じて発生する電界にて、所定の特性に帯電した色のついた粒子を基板に引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒子を透明な基板を通して表示装置外側から視認する。なお、この静電潜像の形成は、電子写真感光体を用い通常の電子写真システムで行われる静電潜像を本発明の画像表示装置の基板上に転写形成する、あるいは、イオンフローにより静電潜像を基板上に直接形成する等の方法で行うことができる。
一方、前記基板に電極を設ける場合は、電極部位への外部電圧入力により、基板上の各電極位置に生じた電界により、所定の特性に帯電した色の粒子が引き寄せあるいは反発させることにより、電極電位に対応して配列した粒子を透明な基板を通して表示装置外側から視認する方法である。
透明基板側に設ける電極は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、該材料としては、例えば酸化インジウム、アルミニウム等の金属類;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子類などが挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、前記電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければよく、3〜1,000nmが好ましく、5〜400nmがより好ましい。
背面基板側に設ける電極は、透明である必要はなくパターン形成可能である導電性材料で形成され、該材料としては、例えば酸化インジウム、アルミニウム、金、銀、銅等の金属類;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子類などが挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、前記電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜1,000nmが好ましく、5〜400nmがより好ましい。この場合、外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳してもよい。
前記隔壁の形状は、表示にかかわる粒子のサイズにより適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。また、隔壁の高さは10〜5000μmが好ましく、10〜500μmがより好ましい。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブ(隔壁)を形成した後に接合する両リブ法による隔壁形成を用いても、対向する両基板の一方にリブを形成した後に接合する片リブ法による隔壁形成を用いてもよい。
これらリブからなる隔壁により形成される表示セルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状(ハニカム構造)が例示される。表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、画像表示の鮮明さが増す。
本発明の画像表示媒体における透明基板と対向基板の間隔は、粒子が移動でき、コントラストを維持できればよいが、10〜5,000μmが好ましく、30〜500μmがより好ましい。
また、前記粒子充填量(体積占有率)は、基板間の空間体積に対して、10〜80%が好ましく、10〜70%がより好ましい。
−その他の部材−
前記その他の部材としては、例えば金属反射板、光拡散板、反射防止層などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電極基板(下基板)には、更に、TFT等が取り付けられてもよい。
本発明の画像表示媒体は、各帯電粒子は気体中を移動するため、画像表示の応答速度が速く、応答速度を1msec以下にすることができる。また、液晶表示素子のように配向膜や偏光板等が不要で、構造が単純で、低コストかつ大面積が可能である。温度変化に対しても安定で、低温から高温まで使用可能である。更に、視野角がなく、高反射率、反射型で明るいところでも見易く、低消費電力である。メモリ性もあり、画像保持する場合に電力を消費しない。なお、前記粒子にかかる力は、上述した粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他、電極間にかかる電気影像力、分子間力、更に液架橋力、重力などが考えられる。
ここで、図1A〜図1Cは、それぞれ本発明の画像表示媒体の構成とその表示駆動原理を示す図である。
図1A〜図1Cに示す例において、101は透明基板、102は対向基板、103は表示電極、104は対向電極、105は負帯電性粒子、106は正帯電性粒子、107は隔壁である。これらの例では、画像表示媒体用粒子は負帯電性粒子105と正帯電性粒子106とから構成されている。
図1Aでは、対向する基板(透明基板101と対向基板102)の間に、負帯電性粒子105及び正帯電性粒子106を配置した状態を示す。この状態のものに、表示電極103側が低電位、対向電極104側が高電位となるように電圧を印加すると、図1Bに示すように、クーロン力によって、正帯電性粒子106は表示電極103側に移動し、負帯電性粒子105は対向電極104側に移動する。この場合、透明基板101側から見る表示面は正帯電性粒子106の色に見える。次に、電位を切り換えて、表示電極103側が高電位、対向電極104側が低電位画像表示媒体用粒子に電圧を印加すると、図1Cに示すように、クーロン力によって、負帯電性粒子105は表示電極103側に移動し、正帯電性粒子106は対向電極104側に移動する。この場合、透明基板101側から見る表示面は負帯電性粒子106の色に見える。
図1Bと図1Cとの間は電源の電位を反転するだけで繰り返し表示することができ、このように電源の電位を反転することで可逆的に色を変化させることができる。粒子の色は、随意に選定できる。例えば、負帯電粒子105を白色とし、正帯電性粒子106を黒色とするか、負帯電性粒子105を黒色とし、正帯電性粒子106を白色とすると、表示は白色と黒色間の可逆表示となる。この方式では各粒子は一度電極に鏡像力により貼り付いた状態にあるので、電源を切った後も表示画像は長期に保持され、メモリ保持性がよい。
次に、図2A〜図2Cは、それぞれ本発明の画像表示媒体の他の構成とその表示駆動原理を示す図である。図2A〜図2Cに示す例において、101は透明基板、102は対向基板、103は表示電極、104は対向電極、105は負帯電性粒子、107は隔壁、108はカラー板である。これらの例では、画像表示媒体用粒子を負帯電性粒子105から構成されている。
図2Aは対向する基板の間に負帯電性粒子105が配置されている状態を示す。この状態のものに、電源により表示電極103側が高電位、対向電極104側が低電位画像表示媒体用粒子に電圧を印加すると、図2Bに示すようにクーロン力などによって、負帯電性粒子105は透明基板101側に移動する。この場合、透明基板101側から見る表示面は負帯電性粒子105の色に見える。次に電源の電位を切り替えて、表示電極側103が低電位、対向電極104側が高電位となるように電圧を印加すると、図2Cに示すようにクーロン力などによって、負帯電性粒子105は対向基板102側に移動する。この場合、透明基板101側から見る表示面はカラー板108の色に見える。
上述した例のうち、図1A〜図1Cに示す例では、色及び帯電特性の異なる2種の粒子を用い、図2A〜図2Cに示す例では、単一の色及び帯電特性の1種類の粒子を用い、いずれの場合も、各粒子は、単一の特性に帯電した単一の色の粒子であった。本発明の画像表示媒体用粒子では、これらの単一の特性に帯電した単一の色の粒子の他に、各々が色及び帯電特性の異なる部分を有する粒子を用いることもできる。即ち、例えば1粒子の半分ずつを、色及び帯電特性の異なる材料から構成し、電界の反転によって粒子が回転することにより表示体とする例にも本発明を適用することができる。
本発明の画像表示媒体は、ノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の表示部、ポイントカードなどのカード表示部、電子広告、電子POPなどに用いられ、具体的には、下記の画像表示装置に好適である。
(画像表示装置)
本発明の画像表示装置は、本発明の前記画像表示媒体を表示手段として用いてなり、駆動回路、演算回路、内部メモリ、電源、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の画像表示装置は、画像表示媒体を長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができる画像表示媒体用粒子を用いているので長期安定性と表示応答性に優れた画像表示装置を提供することができる。
ここで、図3は、本発明の画像表示装置の一例を示す概略図である。図3に示すように、画像表示装置110は、画像表示媒体111、筺体112、情報入力手段113、図示を省略している駆動回路、演算回路、内部メモリ、及び電源等を備えている。図3の画像表示媒体111における電極は、ドットマトリックスを形成し、指定のドットをON表示することにより、全体として画像を表示することができる。
次に、具体的な実施例を挙げて本発明について説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
(実施例1及び実施例2)
−着色剤分散液の調製−
まず、着色剤としてのカーボンブラックの分散液を下記のようにして調製した。
カーボンブラック15質量部、顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素ファインテクノ社製)3質量部、及び酢酸エチル82質量部を、攪拌羽を有するミキサーを使用して、一次分散させた。
次に、得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、凝集体を完全に除去して、分散液を調製した。その後、0.45μmの細孔を有するPTFE製フィルターを通過させて、サブミクロン領域まで分散させたカーボンブラック分散液を調製した。
一方、着色剤としてカーボンブラックの代わりに酸化チタン30質量部を使用し、同様にして酸化チタン分散液を調製した。
−樹脂分散液の調製−
結着樹脂としてのスチレン樹脂100質量部、前記カーボンブラック分散液30質量部、酢酸エチル700質量部、及びメチルアルコール300質量部を攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い分散させて、カーボンブラック含有樹脂分散液を調製した。なお、溶媒希釈により顔料等が凝集することを完全に防止できたことを確認した。
この段階の分散液を、着色剤分散液の調製時と同様に、0.45μmのPTFE製フィルターで濾過したところ、目詰まりの発生はなく、全て通過することを確認した。
なお、この分散液の電解伝導率は2.0×10−4S/mであった。
一方、カーボンブラック分散液の代わりに酸化チタン分散液30質量部を使用して、同様に酸化チタン含有樹脂分散液を調製した。
−画像表示媒体用粒子の作製−
図4及び図4のノズル部を拡大した図5に示す画像表示媒体用粒子の製造装置を用いて、画像表示媒体用粒子を作製した。
まず、得られた各樹脂分散液を貯蔵器15内に入れ、ポンプ14を作動させて液搬送チューブ9を通じてノズル1に供給した。
使用したノズル1は、図5に示すように、厚さ20μmのニッケルプレート17に、真円形状の直径15μmの吐出孔を、フェムト秒レーザーによる加工で作製したものである。貫通孔は表裏で孔の直径が変化しないストレート構造であって、誘導荷電を発生させるリング電極2は、ノズル面16に対向位置にノズルから2mm離して設置されているものとし、高圧直流電源19により電圧引加した。ここでの電圧極性は、正帯電粒子を得たい場合には負電圧を、負帯電粒子を得たい場合には、正電圧をかける。
更にノズル吐出位置の20〜40cm下部の位置に軟X線が照射できるように除電器4としてフォトイオナイザー(浜松ホトニクス社製)の照射ヘッド部を設置し、荷電液滴に軟X線を広範囲に照射した。なお、粒子は1μmの細孔を有するフィルターで吸引捕集した。
以下に詳細な画像表示媒体用粒子の作製における数値条件を記述する。
・分散液密度 :ρ=1.1888g/cm
・乾燥空気流量 :シースエアー 7L/分、装置内エアー 30L/分
・乾燥空気(露点温度):−20℃
・装置内温度 :60〜62℃に調整
・オリフィス振動数:480kHz
・対向電極電圧 :直流±5kV
・放射線照射 :フォトイオナイザー(軟X線照射器)
以上の方法により、カーボンブラックを含有した正及び負それぞれのエレクトレット性を有する黒色粒子2種類と、酸化チタンを含有した正及び負それぞれのエレクトレット性を有する白色粒子2種類との計4種類を作製した。
得られた各画像表示媒体用粒子について、以下のようにして、諸物性を測定した。結果を表1に示す。
<粒度分布>
得られた粒子の粒度分布をコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液(ISOTON R−II、コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
具体的には、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mlを加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上の画像表示媒体用粒子の個数を測定して個数分布を算出する。それから、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径、即ち数平均粒径及び、個数分布の標準偏差を求めたところ、4種類とも全て、質量平均粒径は10.0μm、個数平均粒径も10.0μmであり、完全に単分散な画像表示媒体用粒子が得られた。
<平均円形度>
また、粒子の平均円形度は、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法で、投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である円形度が求められる。得られた粒子一つずつの円形度から、平均円形度や円形度分布を算出することができる。これらの値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により計測した。
具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして画像表示媒体用粒子の形状及び分布を測定して得られる。
<平均帯電量>
得られた負帯電性粒子と正帯電性粒子のそれぞれについて、粒子作製時の平均帯電量q0、100回作動後の平均帯電量q1、100万回作動後の平均帯電量q2を求めた。
ここで、粒子作製時の帯電量(表面電荷密度)測定は、分級後得られた粒子を25℃、50%RHの環境下に1週間放置し、そのまま摩擦を加えないように注意しながらファラデーケージに投入して、帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製、型式イースパートアナライザーEST−3)を用いて測定した。フィールドボルテージ100Vで、1秒当たり約30粒子が測定できる量をフィードし、粒子2800〜3000個を測定し、算術計算を行った。
また、100回又は100万回作動後の帯電量の測定は、全く同様の画像表示媒体を2つ作製し、同時に100回又は100万回表示を繰り返し、2つのうち1つのパネルを分解し、白粒子及び黒粒子を吸引式ファラデーケージで帯電量を測定した。
<エレクトレット特性評価>
作製された画像表示媒体用粒子は非常に電荷保持能力が高く、通常の状態(常温、常湿環境に静置)では数ヶ月間は帯電量に変化が見られないことから測定に非常に時間がかかる。
そこで、加速的な評価方法として、熱刺激表面電位減衰法によりエレクトレット性の評価を実施した。
これは一定温度で昇温するホットプレート上にエレクトレットトナーを置き、試料温度と表面電位を測定することで、エレクトレット性を判断する方法である。
昇温速度は4℃/分、試料質量1gを厚さ2mmとなるように平滑なアルミニウム板の上に円形に広げ、振動型の表面電位測定機により測定を行った。アルミニウム板はアースに接続している。
エレクトレット性能の高いものほど、より高温まで表面電荷の減衰がみられないことから、エレクトレット化の程度を示す指標として、温度上昇に伴う電位減衰の発生開始温度及び100℃における減衰率で評価を行った。十分なエレクトレット性を有するものは100℃における電荷減衰率が75%以上である。
なお、本発明のエレクトレット処理直後では過剰なイオンがトナー表面に多数存在することから、処理直後には、この過剰なイオンの脱理による表面電位減衰が見られる。従って、真のエレクトレット性を判断するため、1日放置後に本測定を実施した。
−画像表示媒体の作製−
4種類の粒子において、色及び帯電極性のいずれかが異なる粒子を以下の表1に示すように組み合わせて、実施例1及び実施例2の画像表示媒体を作製した。
具体的には、第1の黒色粒子と第2の白色粒子を質量比で2対1の割合で混合して、混合粒子を得た。
透明基板としてガラス基板(厚み1.1mm)を用い、対向基板にはガラス基板(厚み1.1mm)を用い、表示電極はITO電極、対向電極は蒸着により銅電極を形成した。それぞれの電極の表面には、粒子付着防止のためにシリコーン樹脂を約3μmの厚みでコートした。各セルに高さ(基板間距離)を50μm、幅を20μmとして隔壁を設けた。前記混合粒子の合計の充填量は、空間容積の30%となるよう封入した。隔壁により囲まれた空間は350μm×350μm×50μm(基板間距離)とした。
作製した画像表示媒体を用いて画像表示装置を組み立て、100回作動後と100万回作動後の全面白表示時画像反射率と全面黒表示時画像反射率とをそれぞれ求めるとともに、それらからコントラストを求めた。結果を表1に示す。
(比較例1及び比較例2)
−画像表示媒体用粒子の作製及び評価−
一般フィルム用ポリプロピレンに有極性核剤パラジトリリデンソルビトールを0.3質量%、及び酸化チタンを50質量%添加し、成型温度240℃で厚さ50μmのフィルムに成型した。フィルムの両面に電極を配設し、10kVの電圧を印加したまま200℃に昇温して30分間保持した。その後、電圧を印加したまま室温まで冷却し、十分に固化したところで電圧を解除した。得られたフィルムを粉砕し、分級して、平均粒子径10μmの粒子を作製した。
得られた粒子をGND電極に接続した電極面に均一に散布した。その電極から200μm離れた位置に金属電極を配置し、この電極に+1kVを印加して粒子をGND電極から飛翔させて、付着した粒子を捕集した。これらの白色粒子は負帯電性を示し、ファラデーケージを用いた方法で測定した表面電荷密度は−15μC/mであった。
同様に金属電極を配置し、−1kVを印加して飛翔した粒子を捕集した。この粒子の表面電荷密度は+12μC/mを示し、白色の正帯電性粒子が得られた。上記樹脂において酸化チタンの代わりにカーボン5質量%を混入し、同様の操作で正・負帯電性の黒色粒子を得た。表面電荷密度はそれぞれ+10μC/m、−12μC/mであった。
これら4種類の粒子において、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる粒子を以下の表1に示すように組み合わせて、比較例1及び比較例2の画像表示媒体を作製した。
<評価>
そして、負帯電性粒子と正帯電性粒子のそれぞれについて、粒子径を求めるとともに、粒子作製時の平均帯電量q0、100回作動後の平均帯電量q1、100万回作動後の平均帯電量q2を求めた。
ここで、粒子作製時の帯電量測定は、分級後得られた粒子を25℃、50%RHの環境下に1週間放置し、そのまま摩擦を加えないように注意しながらファラデーケージに投入して測定した。また、100回又は100万回作動後の帯電量の測定は、全く同様の表示体を2つ作製し、同時に100回又は100万回表示を繰り返す。2つのうち1つの画像表媒体を分解し、白粒子、及び黒粒子を吸引式ファラデーケージで帯電量を測定した。
また、得られた画像表示媒体用粒子について、実施例1と同様にして、エレクトレット特性評価を行った。
また、画像表示媒体に対し、100回作動後と100万回作動後の全面白表示時画像反射率と全面黒表示時画像反射率とをそれぞれ求めるとともに、それらからコントラストを求めた。これらの結果を表1に示す。
(比較例3及び比較例4)
−画像表示媒体用粒子の作製及び評価−
通常の押し出しグレードのポリプロピレンに、有極性核剤(パラジトリリデンソルビトール)0.3質量%、及び酸化チタンを50質量%添加し、2軸混練機で混練して、押出しを行い、得られた混合体を粉砕し、分級して粒子径10μmの粒子を作製した。
得られた粒子を厚さ5mmのポリプロピレン板上に均一に付着させた。鋸歯電極にパルス放電電圧(放電立ち上がり50nS、パルス最高電圧約50kV、200パルス/秒)の条件で粒子上に放電を行い、表面電荷密度が30μC/mになるまで継続した。得られた粒子は正帯電性を示し、ファラデーケージ法にて帯電量を測定したところ表面電荷密度が+20μC/mであった。パルス放電電圧の極性を反転させて、同様の操作を行い、表面電荷密度約−22μC/mの負帯電性粒子を得た。
金属電極を配置し、−1kVを印加して飛翔した粒子を捕集した。この粒子の表面電荷密度は+12μC/mを示し、白色の正帯電性粒子が得られた。上記樹脂において酸化チタンの代わりにカーボン5質量%を混入し、同様の操作で正及び負帯電性の黒色粒子を作製した。
得られた粒子の表面電荷密度はそれぞれ+10μC/m、−12μC/mであった。これら4種類の粒子において、色及び帯電極性の少なくとも異なる粒子を表1に示すように組み合わせて、実施例1と同様にして、比較例3及び比較例4の画像表示媒体を作製した。
そして、実施例1と同様にして、負帯電性粒子、正帯電性粒子、画像表示媒体に対し種々の特性を求めた。結果を表1に示す。
表1の記載の中で表面電荷密度分布(*)とは、表面電荷密度が個数基準で7μC/m乃至15μC/mの範囲にある割合(%)を示している。
表1の結果から、実施例1及び実施例2は、比較例1〜4と比べて、100万回作動後でも高いコントラストを維持できることがわかり、画像表示媒体を長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができることが認められた。
本発明の画像表示媒体は、内部空間電荷を有するエレクトレット(永久荷電体)からなる本発明の画像表示媒体粒子を含む画像表示媒体を用いており、該粒子の持つ電荷量を安定に保持することができ、画像表示媒体を長期間にわたって保管や使用しても、安定した画像表示状態を維持することができるので、例えばノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の表示部、ポイントカードなどのカード表示部、電子広告、電子POPなどの各種画像表示装置に好適に用いられる。
図1Aは、本発明の画像表示媒体の構成とその表示駆動原理を示す図である。 図1Bは、本発明の画像表示媒体の構成とその表示駆動原理を示す図である。 図1Cは、本発明の画像表示媒体の構成とその表示駆動原理を示す図である。 図2Aは、本発明の画像表示媒体の他の構成とその表示駆動原理を示す図である。 図2Bは、本発明の画像表示媒体の他の構成とその表示駆動原理を示す図である。 図2Cは、本発明の画像表示媒体の他の構成とその表示駆動原理を示す図である。 図3は、本発明の画像表示媒体を表示手段として用いた画像表示装置の一例を示す図である。 図4は、実施例で用いた画像表示媒体用粒子の製造装置の一例を示す図である。 図5は、図4のノズル部分の拡大図である。
符号の説明
1 ノズル
2 電極
3 溶媒除去(乾燥)設備
4 除電器
5 粒子捕集部
6 乾燥粒子
7 渦流
8 電界カーテン
9 液搬送チューブ
10 乾燥容器
11 液滴
12 粒子捕集容器
13 乾燥気体供給チューブ
14 定量ポンプ
15 スラリー分散液貯器
16 ノズル面
17 絶縁性基板
18 液供給流路
19 直流高圧電源
20 Oリング
21 分散エアー
22 圧電体
101 透明基板
102 対向基板
103 表示電極
104 対向電極
105 負帯電性粒子
106 正帯電性粒子
107 隔壁
108 カラー板
110 画像表示装置
111 画像表示媒体
112 筺体
113 情報入力手段

Claims (8)

  1. 対向する2つの基板間に、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の粒子を封入してなる画像表示媒体に用いられ、
    前記粒子は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させて、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて得られることを特徴とする画像表示媒体用粒子。
  2. 粒子が、エレクトレット化されている請求項1に記載の画像表示媒体用粒子。
  3. 粒子の表面電荷密度が5〜20μC/mであり、かつ個数基準で全体の75%以上の表面電荷密度が7〜15μC/mである請求項1から2のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子。
  4. 粒子の平均円形度が0.98以上であり、かつ該粒子の粒径の個数分布の変動係数が20%以下である請求項1から3のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子。
  5. 粒子の平均粒子径が2〜40μmである請求項1から4のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子。
  6. 少なくとも樹脂及び着色剤を含有する液を振動させたノズルから吐出させて、該ノズルと対向させた電極に直流電位をかけ、該ノズルから噴出させた液滴を誘導現象により正及び負のいずれかの極性に帯電させた後、少なくとも電荷を残留させたままの液滴を乾燥し、固化させて、エレクトレット化された粒子を作製することを特徴とする画像表示媒体用粒子の製造方法。
  7. 対向する2つの基板間に、色及び帯電極性の少なくともいずれかが異なる少なくとも1種の粒子を封入してなる画像表示媒体において、
    前記粒子が、請求項1から5のいずれかに記載の画像表示媒体用粒子であることを特徴とする画像表示媒体。
  8. 請求項7に記載の画像表示媒体を表示手段として用いたことを特徴とする画像表示装置。
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