JP2007205482A - ドリルねじ - Google Patents

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辰治 今井
Seitaro Tsujikawa
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Abstract

【課題】厚みのある型鋼Bにスムーズに穴開けできるドリルねじ1を提供する。
【解決手段】本願のドリルねじ1は、外周にねじ山7が形成されたねじ部3を有するシャンク2と、シャンク2の先端に位置するドリル部4と、シャンク2の基端に位置する頭部5とを備える。ねじ部3とドリル部4との間にねじ無し部6を形成する。ねじ部3の呼び径は6mm以上とする。ねじ部3のねじ山7は、細かいピッチPとし、ねじ無し部6から頭部5に向けて徐々に高さが高くなるテーパ状部9と、テーパ状部9の終端に連続して高さが一定のストレート状部8とで構成する。胴部17の外径Ddを、ストレート状部8の外径Dsよりは小径で谷径Ds′より大径にする。胴部17とねじ無し部6との軸方向長さの和LhをワークAと型鋼Bとの厚みの和Ta+Tbと同じにする。
【選択図】図2

Description

本願発明は、5.0mm以上の厚みを有する型鋼等の第1部材に対して第2部材(ワーク)を締結するのに使用されるドリルねじに関するものである。
従来から、例えば断面C字型等の型鋼に対して金属製や木質系等のワークを締結するために、シャンク(軸)の先端にドリル部を有するドリルねじが広く使用されている。
特許文献1には、この種のドリルねじの一例が開示されている。このドリルねじは、軟質な木質系のワークを硬質な型鋼に締結するのに使用されるものであり、外周にねじ部が形成されたシャンクと、シャンクの先端に設けられたドリル部と、シャンクの基端に設けられた頭部と備えている。シャンクのうちねじ部とドリル部との間には細巾のねじ無し部が形成されている。特許文献1では、呼び径(ねじ部の外径)が6.0mmのタイプを具体例として挙げている。ねじ無し部の外径はドリル部の外径より小径になっている。
かかるドリルねじを用いて型鋼にワークを締結するには、まず、型鋼の表面にワークを重ね合わせた状態で、電動式や空圧式等の回転工具を用いてドリルねじを回転させながらワークに押し当てることにより、ドリル部をワークから型鋼まで貫通させ、次いで、ねじ部を型鋼に形成された貫通穴の内壁に食い込ませるのである。
特開昭61−189310号公報
ところで、建物の鉄骨を構築する場合のように、比較的厚みのある金属製の構造材同士を締結する場合は、両構造材に予め先穴を開けておき、これら両構造材を重ね合わせた状態で先穴にボルトを挿入し、このボルトの先端にナットをねじ込み締結するという工法が一般に採用されている。かかる工法を採用する理由は、ボルトにおける軸方向の締結強度と、ボルトの軸心と直交する方向のせん断強度とを確保するためである。
しかし、ボルト及びナットによる締結では、両構造材の先穴同士の位置合せや、ボルト及びナットの取り扱い(ねじ込み作業等)に手間がかかって、施工コストが嵩むという問題があった。
この点、金属製の構造材同士を締結する場合に前述のドリルねじを利用できれば、構造材自体をナットとして機能させることが可能になり、締結作業の能率向上を図れると考えられる。この場合は、構造材の厚みが増すに連れて、排除すべき切粉量の増加やねじ込みトルクの増大等が問題になる。
しかし、前記特許文献1のドリルねじは、あくまで軟質材と厚みの薄い構造材との締結用のものであり、比較的厚みのある構造材に穴開けした場合の切粉量やねじ込みトルク等に関して無配慮なものであるから、そのままでは構造材同士の締結に使用できないと解される。
そこで、本願発明は構造材同士の締結にも使用できるドリルねじを提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明は、外周にねじ山が形成されたねじ部を有するシャンクと、シャンクの先端に設けられたドリル部と、シャンクの基端に設けられた頭部とを備えており、前記シャンクのうち前記ねじ部と前記ドリル部との間にはねじ無し部が形成されており、前記ねじ部の呼び径が6.0mm以上に設定されており、5.0mm以上の厚みを有する金属製の第1部材に対して第2部材を締結するのに使用されるドリルねじであって、前記ねじ山は、谷を挟んで隣り合った追い側フランクと進み側フランクとの付け根が一致するか又は近接する程度に細かいピッチに設定されていると共に、前記ねじ無し部から頭部の側に向けて徐々に高さが高くなるテーパ状部と、該テーパ状部の終端に連続して高さが一定のストレート状部とからなっている一方、前記ドリル部は、前記シャンクと同心状に延びる胴部と、軸心に対して傾斜して延びるように前記胴部の先端に形成された複数の切刃と、当該切刃を形成するための複数の縦溝とを有しており、これら縦溝の基端は、前記胴部を超えて前記ねじ無し部にまで延びており、前記ドリル部における胴部の外径は、前記ねじ山におけるストレート状部の外径よりは小径で、谷径とは同径か又は大径に設定されており、前記ドリル部における胴部の軸方向長さが前記第1部材の厚み以上で、且つ、前記ドリル部の胴部と前記シャンクのねじ無し部との軸方向長さの和が前記第1部材と前記第2部材との厚みの和以上に設定されており、更に、前記ねじ山におけるテーパ状部の軸方向長さが前記第1部材の厚み以上に設定されているというものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載したドリルねじにおいて、前記ねじ部のうち少なくともテーパ状部には、前記ねじ山を半径内向きに切り欠いてなるノッチが前記ねじ山を横切って軸方向に並ぶように形成されていると共に、前記ねじ山の谷底より深い深さの切り欠き溝が軸心と略同じ方向に延びるように形成されており、前記ねじ部のストレート状部は、前記ねじ山の高さが0.5mm以上1.0mm以下に設定されており、更に、前記ねじ無し部の外径は、前記胴部における外径の0.8〜0.9倍の大きさに設定されているというものである。
本願発明のドリルねじは、まず、ねじ部の外径が6.0mm以上に設定されていて、ねじ全体として高い強度を有している。そして、前記ドリル部における胴部の軸方向長さが5.0mm以上の厚みを有する金属製の第1部材の厚み以上と長くなっているから、ねじ込みによる摩擦熱を前記ドリル部の胴部から外へ逃がし易い。このため、前記第1部材に穴開けした場合に、シャンクがねじ込みトルクに負けて折損したり前記ドリル部が焼き付いて切刃がだれたりするおそれを著しく低減できる。
また、前記ねじ部におけるねじ山のピッチを、谷を挟んで隣り合った追い側フランクと進み側フランクとの付け根が一致するか又は近接する程度に細かい値に設定していると共に、前記ねじ山における先端部の外径をごく緩い角度のテーパ状に形成しているから、前記第1部材及び第2部材へのねじ込みトルクをできるだけ抑制できる。
特にこの場合は、前記ねじ山におけるテーパ状部の軸方向長さを前記第1部材の厚み以上に設定しているので、前記ねじ山を前記第1部材にタッピングする初期においても、ねじ込みトルクが急激に増大することはない。
更に、ドリル部の胴部とシャンクのねじ無し部との軸方向長さの和が前記第1部材と前記第2部材との厚みの和以上に設定されているから、前記ドリル部が前記第1部材及び前記第2部材を貫通したのち(前記第1部材の切削(穴開け)が終了したのち)、前記第2部材に前記ねじ山が進入することになる。このため、前記第2部材に予め先穴を開けていない場合であっても、前記第1部材へ前記ドリル部をねじ込んでいる間は、常に前記第2部材の貫通穴が上向きに開口した状態に維持され、切粉の逃げ道が確保されるから、切粉の排出性能がよい。
以上のことから分かるように、本願発明のドリルねじによると、5.0mm以上の厚みを有する金属製の第1部材にもスムーズに穴開けでき、穴開けされる部材自体をナットとして機能させることができる。このため、ドリルねじのねじ込みだけで厚肉な金属部材の締結が可能になるから、ドリルねじを建物等の構造材の施工に適用するなど、ドリルねじの用途(適用範囲)が飛躍的に増大する。これにより、施工コストの抑制に寄与できるのである。
以下に、本願発明を具体化した実施形態について、図面(図1及び図2)を参照しながら説明する。図1のうち(a)はドリルねじの正面図、(b)は(a)のIb−Ib視断面図、(c)はドリル部の底面図、(d)は頭部の平面図、図2は施工手順の一例を示す説明図である。
(1).ドリルねじの構成
図1に示すように、本実施形態のドリルねじ1は、鋼やステンレスのような金属製の線材を素材としたものであり、外周面にねじ部3(ねじ山)が形成されたシャンク2と、シャンク2の一端(先端)に設けられたドリル部4と、シャンク2の他端(基端)に設けられた頭部5とを備えている。シャンク2のうちねじ部3とドリル部4との間には、細巾のねじ無し部6が形成されている。
本実施形態では、ドリルねじ1の全長La(ドリル部4の先端からねじ部3の付け根までの長さ)が50.0mm、ねじ部3の軸方向長さLbが32.0mm、ドリル部4の軸方向長さLcが13.0mm、ねじ無し部6の軸方向長さLdが5.0mmに設定されている。
ねじ部3には1条のねじ山7が形成されており、このねじ山7のピッチPは、谷を挟んで隣り合った追い側フランクと進み側フランクとの付け根が一致するか又は近接する程度に細かい値に設定されている。
ねじ部3のねじ山7は、ねじ無し部6から頭部5の側に向けて徐々に高さ(外径)が高くなるテーパ状部9と、該テーパ状部9の終端に連続して高さが一定のストレート状部8とからなっている。換言すると、ねじ山7のうち頭部5側は、軸心に沿って真っ直ぐなストレート状部8になっている一方、ねじ無し部6側は、その外径が軸心に対して数度以下の角度θで先窄まりしたテーパ状部9になっている。本実施形態では、ストレート状部8の軸方向長さLeが21.0mm、テーパ状部9の軸方向長さLfが11.0mmに設定されている。
ねじ山7のうち少なくともテーパ状部9には、ねじ山7を半径内向きに切り欠いた断面略V字状のノッチ10が、ねじ山7を横切って軸方向に並ぶように形成されている。本実施形態では、軸方向に並ぶノッチ10の列が3列あり、これらノッチ10の列は、テーパ状部9の円周方向に沿って等間隔(図1(b)ではほぼ120°間隔)に配置されている。ノッチ10の列は軸心に対して若干の角度をもって傾斜しており、且つ、テーパ状部9のほぼ全長にわたって延びている。
なお、本実施形態の各ノッチ10はねじ山7の谷底に達する深さになっているが、これに限らず、ねじ山7の谷底より深く凹ませたり、逆に浅くしたりしてもよい。ノッチ10の列は、ストレート状部8まで長く延ばしてもよいし、逆にテーパ状部9の長手方向中途部までと短くしてもよい。ノッチ10の列は1条でも複数条でもよく、軸心と平行に延びるようにしてもよい。
図1(a)(c)に示すように、ねじ部3におけるねじ山7のテーパ状部9には、隣り合う2条のノッチ10列の間に、ねじ山7の谷底より深い深さで断面略V字状の切り欠き溝11が1条形成されている。この切り欠き溝11は軸心と略同じ方向(略平行)に延びた形態になっており、互いに略直角に交わる第1縦長面11aと第2縦長面11bとを備えている。ねじ込み方向下流側に位置する第1縦長面11aの垂直状エッジ部11cは、後述する型鋼Bに雌ねじを形成するための切刃としても機能し得るものである。
シャンク2の先端に設けられたドリル部4は、シャンク2と同心状に延びる胴部17と、軸心に対して傾斜して延びるように胴部17の先端に形成された複数の切刃13と、当該切刃13を形成するための複数の縦溝12とを備えている。
本実施形態のドリル部4は、軸心を挟んで相対向する箇所に縦溝12(計2条)を形成することにより2つの切刃13を有する形態になっている。縦溝12は、後述する型鋼Bを切削する際の切粉を逃がすためのものであり、2つともドリル部4の先端から胴部17を超えてねじ無し部6の途中まで延びている。本実施形態における胴部17の軸方向長さLgは10.0mmになっている。両切刃13の先端は、チゼルエッジ13aを介してつながっている。なお、切刃13及び縦溝12は2つに限らず、3つ以上でもよい。
本実施形態では、ストレート状部8の外径Dsがねじ部3の呼び径に相当するものであり、その値は8.0mmになっている。ストレート状部8の谷径Ds′は6.5mmである。ストレート状部8におけるねじ山7の高さHは、0.5mm以上1.0mm以下となっている。具体的な高さH寸法は0.75mmである。
ドリル部4(胴部17)の外径Ddは、ストレート状部8の外径Dsより小径だが谷径Ds′よりは大径の7.2mmに設定されている。もちろん、胴部17の外径Ddがストレート状部8の谷径Ds′と同径でも構わない。ねじ無し部6の外径Dnは、胴部17の外径Ddの0.8〜0.9倍の大きさになっている。具体的なねじ無し部6の外径Dn寸法は6.2mmである。
他方、頭部5は平面視六角形状に形成されており、その頂面には、ドライバビット(図示せず)が係合する六角形のドライバ係合穴14が形成されている。なお、ドライバ係合穴14は十字形やすり割り(マイナス)形、星形、或いは角形等でもよい。
また、頭部5の下端には薄いリング状のフランジ15が形成されており、詳細は図示していないが、頭部5の座面には、シャンク2(ねじ部3)の付け根を囲う下向き開口状の円形凹所が形成されている。
なお、ドリルねじ1は、金属丸棒(又は線材)を素材として、先ず頭部5を形成してからドリル部4を形成し、次いで、ねじ部3、ねじ無し部6及びノッチ10を転造したのち、切り欠き溝11を切削又は圧造加工するという工程で製造される(必要に応じて焼入れやめっき等の処理を行う)。
(2).施工手順
次に、図2を参照しながら、上記のドリルねじ1を用いて、第2部材としての金属板製のワークAを第1部材としての断面C字型や中空角形等の型鋼Bに締結する手順の一例を説明する。この場合、ワークAの厚みTaが9.0mm、型鋼Bの厚みTbが6.0mmになっており、これら厚みの和(15.0mm)は、胴部17とねじ無し部6との軸方向長さの和Lh(=Lg+Ld、図1(a)参照)と同じになっている。いうまでもないが、胴部17の軸方向長さLg(10.0mm)は、型鋼Bの厚みTb(6.0mm)以上になっている。
なお、ワークAと型鋼Bとの厚みの和(Ta+Tb)は、胴部17とねじ無し部6との軸方向長さの和Lh(=Lg+Ld)よりやや短い程度であってもよい。ストレート状部8の軸方向長さLeは、ワークAと型鋼Bとの確実な締結のために、これらの厚みの和(Ta+Tb)以上の寸法になっている。
まず、図2(a)に示すように、ドリル(図示せず)にてワークAに先穴16を穿設しておく。先穴16はドリルねじ1のねじ部3(ストレート状部8)がきっちり嵌る大きさが好ましいものの、多少のガタがあっても差し支えない。
次いで、型鋼Bの表面にワークAを重ね合わせてから、ドリル部4を先にした状態でドリルねじ1を先穴16に挿入し(図2(b)参照)、ドライバビット(図示せず)を用いてドリルねじ1を回転させながら型鋼Bに押し当ててねじ込み貫通させる(図2(c)参照)。そして、頭部5の座面がワークAの表面に当接するまで、ねじ部3(ねじ山7)を型鋼Bに形成された貫通穴の内壁に食い込んだ状態でねじ込んでいくのである(図2(d)参照)。
この場合、ねじ部3の呼び径に相当するストレート状部8の外径Dsが8.0mmに設定されていると共に、ねじ無し部6の外径Dnがドリル部4の外径Ddの0.8〜0.9倍の大きさになっているから、ドリルねじ1全体として高い強度を有している。その上、ドリル部4における胴部17の軸方向長さLgが型鋼Bの厚みTb以上と長くなっているから、ねじ込みによる摩擦熱を胴部17から外へ逃がし易い。
このため、6.0mmの厚みのある型鋼Bに穴開けしても、他の部位より細巾のねじ無し部6がねじ込みトルクに負けて折損したりドリル部4が焼き付いて切刃13がだれたりするおそれはほとんどなく、スムーズに穴開けできる。なお、胴部17の軸方向長さLgが型鋼Bの厚みTb以上と長くなっている点は、ねじ込み時におけるドリルねじ1の直進安定性にも寄与している。
また、ねじ無し部6の外径Dnが胴部17の外径Ddの0.8〜0.9倍と小径であるから、ねじ込みの途次において、ねじ無し部6がワークAにおける先穴16の内壁に接触することはない。その上、型鋼Bへのドリル部4のねじ込みにて生じた切粉は2条の縦溝12にて上方に送られ、先穴16から外部に排出されるか、又は先穴16の内壁とねじ無し部6との間の隙間に溜まることになる。このため、切粉の存在にてねじ込みトルクが増大するおそれを抑制でき、締結作業をスムーズに行える。
更に、ねじ部3におけるねじ山7のピッチPを、谷を挟んで隣り合った追い側フランクと進み側フランクとの付け根が一致するか又は近接する程度に細かい値に設定すると共に、ねじ部3の先端部の外径をごく緩い角度のテーパ状に形成したことにより、ねじ部3にて型鋼Bに雌ねじを形成するに際して1回転当たりの食い込み量がごく僅かとなるため、型鋼Bへのねじ部3の食い込みを低トルクでスムーズに行える。しかも、ねじ部3にノッチ10及び切り欠き溝11を形成したから、切粉の逃げがよくなり、型鋼Bに対してねじ部3の進入がスムーズになる。その結果、ねじ込みをより軽快に行える。
本実施形態では、ワークAと型鋼Bとの厚みの和(Ta+Tb)が胴部17とねじ無し部6との軸方向長さの和Lh(=Lg+Ld)と同じになっているから、切刃13による型鋼Bの切削(穴開け)が終了したのち、ワークAにねじ部3が進入する。このため、仮にワークAに予め先穴16を開けていなかったとしても、型鋼Bへドリル部4をねじ込んでいる間は、常にワークAの貫通穴が上向きに開口した状態に維持され、切粉の逃げ道が確保されるから、厚み6.0mmの型鋼Bに穴開けしても、切粉の排出性能がよくてねじ込みトルク増大のおそれを確実に抑制できる。
一方、ねじ山7のピッチPを細かくして山数を多くすると共に、ストレート状部8におけるねじ山7の高さHを0.5mm以上1.0mm以下にしているから、ねじ込みトルクを低めに維持しながら、型鋼Bへの適度な掛かり代を保持でき、必要十分な固定強度を確保できる。また、山数の多さにより緩みにくいという効果もある。
以上のことから明らかなように、本実施形態のドリルねじ1によると、6.0mmの厚みを有する型鋼Bにもスムーズに穴開けでき、穴開けされる型鋼B自体をナットとして機能させることができる。このため、ドリルねじ1のねじ込みだけで厚肉な金属部材の締結が可能になるから、ドリルねじ1を建物等の構造材の施工に適用するなど、ドリルねじ1の用途(適用範囲)が飛躍的に増大する。これにより、施工コストの抑制に寄与できるのである。
ところで、例えば鉛直状に延びる支柱としての型鋼BにワークAを締結した場合や、地震で揺れたりした場合等は、ワークAと型鋼Bとを貫通したドリルねじに対して、その軸心と直交する方向のせん断力が作用するが、本実施形態では、ドリルねじ1の呼び径に相当するストレート状部8の外径Dsが8.0mmに設定されており、従来品より大径であるから、前述のせん断力に耐え得る高いせん断強度を有している。
また、締結状態ではねじ部3のねじ山7が型鋼Bに食い込んでおり、ドリルねじ1に対してずれ動き可能なのはワークAだけであるから、このずれ動きにてドリルねじに作用するせん断力は小さく抑えられることになる。
従って、ドリルねじ1の締結本数を増やしたりしなくても、少ない本数でワークAを型鋼Bに安定的に固定できる。また、締結本数を少なくできるので、締結作業の能率向上を図れると共に、施工コストの抑制にも寄与できるのである。
(3).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば第1部材としての型鋼Bの厚みTbは5.0mm以上であればよいが、5.0mm以上12.0mm以下であるのが好ましい。第2部材は金属製に限らず、合板等の木質系ボードであってもよい。また、第2部材に対して必ず先穴16を開ける必要はない。
上述の実施形態では、ねじ部3の呼び径(ストレート状部8の外径Ds)が8.0mmに設定されているが、少なくとも6.0mm以上あればよい。そして、該ストレート状部8の外径Ds寸法に応じて、ドリル部4の外径Dd等を設定したらよい。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
本実施形態におけるドリルねじの説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のIb−Ib視断面図、(c)はドリル部の底面図、(d)は頭部の平面図である。 施工手順の一例を示す説明図である。
符号の説明
A 第2部材としてのワーク
B 第1部材としての型鋼
Dd ドリル部の外径
Dn ねじ無し部の外径
Ds ストレート状部の外径
1 ドリルねじ
2 シャンク
3 ねじ部
4 ドリル部
5 頭部
6 ねじ無し部
7 ねじ山
8 ストレート状部
9 テーパ状部
12 縦溝
13 切刃
13a チゼルエッジ
17 胴部

Claims (2)

  1. 外周にねじ山が形成されたねじ部を有するシャンクと、シャンクの先端に設けられたドリル部と、シャンクの基端に設けられた頭部とを備えており、前記シャンクのうち前記ねじ部と前記ドリル部との間にはねじ無し部が形成されており、前記ねじ部の呼び径が6.0mm以上に設定されており、5.0mm以上の厚みを有する金属製の第1部材に対して第2部材を締結するのに使用されるドリルねじであって、
    前記ねじ山は、谷を挟んで隣り合った追い側フランクと進み側フランクとの付け根が一致するか又は近接する程度に細かいピッチに設定されていると共に、前記ねじ無し部から頭部の側に向けて徐々に高さが高くなるテーパ状部と、該テーパ状部の終端に連続して高さが一定のストレート状部とからなっている一方、
    前記ドリル部は、前記シャンクと同心状に延びる胴部と、軸心に対して傾斜して延びるように前記胴部の先端に形成された複数の切刃と、当該切刃を形成するための複数の縦溝とを有しており、これら縦溝の基端は、前記胴部を超えて前記ねじ無し部にまで延びており、
    前記ドリル部における胴部の外径は、前記ねじ山におけるストレート状部の外径よりは小径で、谷径とは同径か又は大径に設定されており、前記ドリル部における胴部の軸方向長さが前記第1部材の厚み以上で、且つ、前記ドリル部の胴部と前記シャンクのねじ無し部との軸方向長さの和が前記第1部材と前記第2部材との厚みの和以上に設定されており、更に、前記ねじ山におけるテーパ状部の軸方向長さが前記第1部材の厚み以上に設定されている、
    ドリルねじ。
  2. 前記ねじ山のうち少なくともテーパ状部には、前記ねじ山を半径内向きに切り欠いてなるノッチが前記ねじ山を横切って軸方向に並ぶように形成されていると共に、前記ねじ山の谷底より深い深さの切り欠き溝が軸心と略同じ方向に延びるように形成されており、
    前記ねじ部のストレート状部は、前記ねじ山の高さが0.5mm以上1.0mm以下に設定されており、
    更に、前記ねじ無し部の外径は、前記胴部における外径の0.8〜0.9倍の大きさに設定されている、
    請求項1に記載したドリルねじ。
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