JP2007201442A - チップオンフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高寸法安定性と共に適度な弾性率を有するポリイミドフィルムを使用してなる折り曲げ性に優れたチップオンフィルムの提供。
【解決手段】ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、ICチップが搭載可能なように配線を形成してなるチップオンフィルムであって、前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであり、このポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介してまたは介することなく前記配線が形成されていることを特徴とするチップオンフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、チップオンフィルム(COF)に関するものであり、更に詳しくは、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有するポリイミドフィルムを使用してなる折り曲げ性に優れたチップオンフィルムに関するものである。
フレキシブル配線基板上に半導体素子が接合・搭載されて形成された基板としてTAB(Tape Automated Bonding)テープがある。このTABテープにおいては、絶縁テープにおける半導体素子が搭載される部分に予め貫通した開口部が開けられて、配線パターンが片持ち梁状に突き出した状態で配線パターンの先端部分と半導体素子が接合されるようになっている。
このTABテープに使用される絶縁テープとしては、ポリイミドフィルムが使用されており、とりわけ高い寸法精度を必要とすることから、低熱膨張性を有するポリイミドフィルムが使用されたTABテープ(例えば、特許文献1および2参照)が知られていた。
これに対して、TABテープと同様に、フレキシブル配線基板上に半導体素子が接合・搭載されて形成された基板として、絶縁テープにおける半導体素子が搭載される部分へは貫通した開口部を設けず、絶縁テープ表面上に設けられた配線パターンの先端部分と半導体素子が接合されたチップオンフィルムが知られるようになった。このチップオンフィルムには、その使用目的から自由に折り曲げることが可能な絶縁テープが必要であるが、上記した低熱膨張性を有するポリイミドフィルムは高寸法安定ではあるものの、弾性率が高すぎるために、折り曲げる使用目的には適することができなかった。
特開平5−148458号公報 特開平10−70157号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有するポリイミドフィルムを使用してなる折り曲げ性に優れたチップオンフィルムを提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、ICチップが搭載可能なように配線を形成してなるチップオンフィルムであって、前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであり、このポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介することなく前記配線が形成されていることを特徴とするチップオンフィルム、および同じくポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介して前記配線が形成されていることを特徴とするチップオンフィルムが提供される。
なお、本発明のチップオンフィルムにおいては、
前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分として10〜50モル%のパラフェニレンジアミン及び50〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであること、
前記ポリイミドフィルムの弾性率3〜6GPa、50〜200℃での線膨張係数が5〜20ppm/℃、湿度膨張係数が30ppm/%RH以下、吸水率が3.5%以下、200℃1時間での加熱収縮率が0.10%以下であること、
前記ポリイミドフィルムの表面に存在する大きさ20μm以上の凸の数が10個/5cm×5cm以下であること、
前記ポリイミドフィルムの表面に存在する高さ2μm以上の凸の数が10個/5cm×5cm以下であること、
前記配線が主として銅からなること、
前記配線が金属層をエッチングすることにより形成されたものであること
前記配線が鍍金により形成されたものであること、および
前記接着剤がエポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種から主としてなること
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有するポリイミドフィルムを使用してなる折り曲げ性に優れたチップオンフィルムを得ることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
図1(A)は本発明のチップオンフィルムの一例を示すICチップ搭載部分の平面図、図1(B)は図1(A)に示す(a)−(b)線に沿った断面図である。
図1に示したように、本発明のチップオンフィルムは、基材としてポリイミドフィルム1を用い、このポリイミドフィルム1にICチップが搭載可能なようにチップ搭載部3を設けるとともに、ポリイミドフィルム1の片面または両面に配線(例えばインナーリード)2を形成したものである。
ここで、インナーリード2の表面にAu、Sn等のメッキをした後、複数のAu、Sn等の金属バンプが設けられたICチップとを接合する。この時インナーリード2とAu、Sn等のバンプを300〜500℃程度の固相接合及び共晶接合温度に加熱し、ボンディングツールを用い適性総荷重を一括で加えてインナーリード2とAu、Sn等のバンプを加熱加圧接合する。これにより固相接合及び共晶接合を行い、インナーリード2とAu、Sn等のバンプを電気的に接続でき、チップオンフィルムを得ることができるのである。
本発明のチップオンフィルムにおいて、基材として用いるポリイミドフィルムは、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムである。好ましくはジアミン成分として10〜50モル%のパラフェニレンジアミン及び50〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用い、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を用いてなるポリイミドフィルムである。更に好ましくは、弾性率が3〜6GPa、50〜200℃での線膨張係数が5〜20ppm/℃、湿度膨張係数が30ppm/%RH以下、吸水率が3.5%以下、200℃1時間での加熱収縮率が0.10%以下であるポリイミドフィルムである。
ポリイミドフィルムのジアミン成分において、パラフェニレンジアミンが多すぎると硬くなり、少なすぎると柔らかすぎるので、10〜50モル%が好ましい。また、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが多すぎると柔らかくなり、少なすぎると硬くなるので、50〜90モル%が好ましい。
ポリイミドフィルムの硬さの指標である弾性率は3〜6GPaの範囲が好ましく、6GPaを超えると硬すぎ、3GPaより小さいと柔らかすぎる。線膨張係数は5〜20ppm/℃が好ましく、20ppm/℃を超えると熱による寸法変化が大き過ぎ、5ppm/℃より小さくなると、配線に使用される金属との線膨張係数との差が大きくなるため反りが生じてしまう。湿度膨張係数が30ppm/%RHを超えると湿度による寸法変化が大き過ぎるので、湿度膨張係数は30ppm/%RH以下が好ましい。吸水率が3.5%を超えると、吸い込んだ水の影響でフィルムの寸法変化が大きくなるので、3.5%以下が好ましい。200℃1時間の加熱収縮率が0.10%を超えると、やはり熱による寸法変化が大きくなるので、加熱収縮率は0.10%以下が好ましい。
本発明におけるポリイミドフィルムには、パラフェニレンジアミンや4,4’―ジアミノジフェニルエーテル以外に少量のジアミンを添加してもよい。また、ピロメリット酸二無水物以外に少量の酸二無水物を添加してもよい。上記3成分以外に用いることができる具体的なジアミン及び酸二無水物としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(1)酸二無水物
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,5,6−ヘキサヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等。
(2)ジアミン
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、ベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3’−ジアミノジフェニルサルファイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3’−ジクロロベンチジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジメチル−3’,4−ジアミノビフェニル3,3’−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノ−1,1’−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノメチル1,1’−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート等。
また、本発明において、ポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
ポリイミドの重合方法は公知のいずれの方法で行ってもよく、例えば
(1)先に芳香族ジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族テトラカルボン酸類成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるよう加えて重合する方法。
(2)先に芳香族テトラカルボン酸類成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を芳香族テトラカルボン酸類成分と等量になるよう加えて重合する方法。
(3)一方の芳香族ジアミン化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して芳香族テトラカルボン酸類化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン化合物を添加し、続いて芳香族テトラカルボン酸類化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(4)芳香族テトラカルボン酸類化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、芳香族テトラカルボン酸類化合物を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(5)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミド酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミド酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミド酸溶液(A)を調整するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族テトラカルボン酸成分を過剰に、またポリアミド酸溶液(A)で芳香族テトラカルボン酸成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう調整する。
なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。
こうして得られるポリアミック酸溶液は、固形分を5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%を含有しており、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定値で10〜2000Pa・s、好ましくは、100〜1000Pa・sのものが、安定した送液のために好ましく使用される。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
次に、ポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
ポリイミドフィルムを製膜する方法としては、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作成しこれを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が得られるポリイミドフィルムの線膨張係数を低く抑えることができるので好ましい。
更に、フィルムの滑り性を向上させる目的でシリカやアルミナ等の各種フィラーを添加してもよい。これら使用するフィラーの粒径としては、平均粒径が0.1〜1μmのものを使用するのが好ましい。平均粒径0.1μm未満であるとフィルムの滑り性が悪く、また平均粒径1μmを越えると、フィルム作製時には凝集体が多く存在させてしまうので好ましくない。さらには、平均粒径1μmを越えるフィラーを使用すると、フィルム表面上に存在する大きさ20μm以上の凸の数が10個/5cm×5cmより多くなり、また高さ2μm以上の凸の数が10個/5cm×5cmより多くなってしまう。このサイズの凸の存在量により、配線間にフィラーが跨って導電不通を引き起こすこと、またフォトレジストマスクの膜厚を突き破っての不具合を引き起こしやすくなること等の不具合を生じることになるため、フィルム表面上に存在する大きさ20μm以上の凸の数が10個/5cm×5cm以下、また高さ2μm以上の凸の数が10個/5cm×5cm以下となるように制御することが望ましい。
ポリイミドフィルムの厚みについては特に限定されないが、好ましくは1〜225μm、より好ましくは5〜175μmである。厚すぎるとロール状にした際に巻きずれが発生しやすくなり、薄すぎるとしわなどが入りやすくなる。
上記のようなポリイミドフィルムの片面あるいは両面に、接着剤を介して、あるいは接着剤無しでICチップが搭載可能なように配線を形成して、本発明のチップオンフィルムを形成する。
接着剤を用いる場合の接着剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの中で、特にエポキシ樹脂やポリイミド樹脂が好ましい。これらの接着剤には、柔軟性を持たせる目的で、各種ゴム、可塑剤、硬化剤、リン系等の難燃剤、その他の各種添加物が付与されていてもよい。また、ポリイミド樹脂は主として熱可塑性ポリイミドが用いられることが多いが、熱硬化性ポリイミドでもよい。ポリイミド樹脂の場合、通常は溶媒不要な場合が多いが、適当な有機溶媒に可溶なポリイミドを用いてもよい。
配線形成の方法としては、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法等が挙げられる。サブトラクティブ法とは、接着剤を介してポリイミドフィルム上に銅箔を貼り、あるいは接着剤を介さず銅層をめっき法などで形成させた後、銅を配線パターン状にエッチング処理することで配線を形成する方法を意味する。この場合、銅箔としては圧延銅箔又は電解銅箔が用いられる。また、配線を形成する際には、通常フォトレジスト層を銅箔上に形成し、このフォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層をエッチングマスクとして銅をエッチング処理し、その後にフォトレジスト層を完全に除去する。ここでフォトレジストとしては液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、エッチング液としては、塩化鉄系、塩化銅系、過酸系等の溶液が用いられる。
セミアディティブ法とは、まずポリイミドフィルム上に直接、或いは接着剤を介してシード層となる金属層を形成し、このシード層の上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層を鍍金マスクとしてシード層上に無電解鍍金或いは電解鍍金にて配線を形成し、その後にフォトレジストを完全に除去し、最後に配線以外の部分のシード層をエッチング除去する方法を意味する。ここで、シード層金属としては、ニッケル、クロム、アルミニウム、鉛、銅、錫、亜鉛、鉄、銀、金等が単独或いは合金として使用される。また、フォトレジストとしては液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、無電解鍍金或いは電解鍍金の金属としては鉛、銅、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、銀、金等が用いられ、エッチング液としては、シード層の金属に合わせたエッチング液が用いられる。
フルアディティブ法とは、ポリイミドフィルム上に直接、或いは接着剤の上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層を鍍金マスクとして無電解鍍金にて配線を形成し、その後にフォトレジストを完全に除去する方法を意味する。ここでフォトレジストとしては液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、無電解鍍金の金属としては銅、ニッケル、鉛、クロム、錫、亜鉛、銀、金等が用いられる。
上記のような各種配線形成の方法に用いられる金属としては、主として銅が好ましい。
形成された配線は、電気・電子回路として用いられるが、銅よりも抵抗の高い金属では、電気伝導性が悪なるので好ましくない。また、銅に比べて密度が疎になる金属では、やはり電気伝導性が悪くなるので好ましくない。但し、銅は錆びやすく腐食されやすい欠点も有しているので、銅を保護する目的で、錫や鉛、アルミニウム、ニッケル、銀、金等の金属を銅の上に形成することは任意である。また、銅はポリイミドフィルム中に拡散しやすいため、銅の拡散を防ぐ目的で、ニッケルやクロム、銀、金、錫等をポリイミドフィルムと銅との間にバリア層としてかませることも任意である。
かくして構成される本発明のチップオンフィルムは、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有するポリイミドフィルムを使用していることから折り曲げ性に極めて優れており、微細な配線を必要とする各種ICチップ搭載用途に好ましく適用することができる。
以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例で用いるポリイミドフィルムは合成例1〜6の方法により製膜したものを用いるが、これらに限定されない。また、比較例1〜2で用いるポリイミドフィルムは合成例7〜8により製膜したものを用いる。更に、実施例で用いる接着剤としては合成例9〜10により調合したものを用いるが、これらに限定されない。
また、合成例で得られたポリイミドフィルムの各特性は次の方法で評価した。
(1)フィルム厚
Mitutoyo製ライトマチック(Series318 )厚み計を使用して次のようにして測定した。すなわち、フィルム全面から任意に15箇所を選び、この15箇所にについて厚みを測定し、その平均を算出し、厚みとした。
(2)線膨張係数
島津製作所製TMA−50熱機械分析装置を使用し、測定温度範囲:50〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した。荷重を0.25Nとし、まず35℃から10℃/分で昇温して300℃まで温度を上げた。300℃にて5分間保持し、その後10℃/分で降温して35℃まで温度を下げ、35℃で30分間保持し、しかる後に10℃/分で昇温して300℃まで温度を上げた。2度目の35℃から300℃までの昇温の時のデータを読み、50〜200℃の部分の平均から線膨張係数を算出した。
(3)弾性率
エー・アンド・デイ製RTM−250テンシロン万能試験機を使用し、引張速度:100mm/分の条件で測定した。ロードセル10Kgf、測定精度±0.5%フルスケールとし、応力−歪み曲線を測定し、応力−歪み曲線の立ち上がり部分の直線の傾き(2Nから15Nの2点間の最小2乗法により算出)、初期試料長さ、試料幅、試料厚さから以下のように算出した。
弾性率=(直線部分の傾き×初期試料長さ)/(試料幅×試料厚さ)
(4)湿度膨張係数
25℃にてULVAC製TM7000炉内にフィルムを取り付け、炉内にドライ空気を送り込んで2時間乾燥させた後、HC−1型水蒸気発生装置からの給気によりTM7000炉内を90%RHに加湿させ、その間の寸法変化から湿度膨張係数を求めた。加湿時間は7時間とした。3RH%から90RH%までのデータを読み、3〜90RH%の部分の平均から湿度膨張係数を算出した。
(5)吸水率
98%RH雰囲気下のデシケーター内に2日間静置し、乾燥時重量に対しての増加重量%で評価した。
(6)加熱収縮率
20cm×20cmのフィルムを用意し、25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分間加熱した後再び25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後フィルム寸法(L2)を測定し、下記式計算により評価した。
加熱収縮率 = −(L2−L1)/L1×100
(合成例1)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/75/25の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例2)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/75/25の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.07mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ9μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例3)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/70/30の割合で用意し、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例4)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/80/20の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイよりエンドレスベルト上にキャストし、70℃の熱風にて加熱し、残揮発成分が55重量%、厚み約0.05mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをエンドレスベルトから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×60秒、350℃×60秒、550℃×45秒処理し、厚さ6μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例5)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/50/50の割合で用意し、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.40mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ50μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例6)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/60/40の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例7)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で50/50の割合で混合し、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例8)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で50/50の割合で混合し、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.10mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ12.5μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例9)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/15/85の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。得られた混合物を、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例10)
油化シェル(株)製エポキシ樹脂「エピコート」834を50重量部、東都化成(株)リン含有エポキシ樹脂FX279BEK75を100重量部、住友化学(株)製硬化剤4,4’−DDSを6重量部、JSR(株)NBR(PNR−1H)100重量部、昭和電工(株)製水酸化アルミニウム30重量部をメチルイソブチルケトン600重量部に30℃で攪拌、混合し、接着剤溶液を得た。
(実施例1)
合成例1で製膜したポリイミドフィルムを用い、真空槽を到達圧力1×10−3Paにした後、アルゴンガス圧1×10−1PaにてDCマグネトロンスパッタによりニッケル/クロム=95/5(重量比)のニクロム合金を厚さ5nmになるように片面にスパッタリングし、更に銅を厚さ50nmになるようにスパッタリングした。次に、硫酸銅浴による電解鍍金で6μmの厚さの銅層を、2A/dmの電流密度の条件により積層し、片面フレキシブル銅張板を作製した。なお、硫酸銅浴の組成は、硫酸銅五水和物80g/リットル、硫酸200g/リットル、塩酸50mg/リットルに適宜量の添加剤を加えた溶液を用いた。
得られた銅張板を用い、片面の銅箔の上にクラリアントジャパン(株)製フォトレジストAZP4620を105℃10分間の乾燥後膜厚5μmで形成し、ライン幅/スペース幅=15μm/15μmのパターンが配置され、なおかつ図1に示すようなICチップを接合するためのインナーリードが配置されているガラスフォトマスクを用いて、400mJ/cm(全波長)で露光、AZ400K/水=25/75(重量比)の現像液で現像し、フォトレジストをパターニングした。その後、塩化鉄30重量%水溶液を用い、40℃90秒間で銅エッチングを行い、フォトレジストが形成されていない部分の銅を除去した。銅エッチング終了後、水酸化ナトリウム2.5重量%水溶液を用い、40℃1分間でフォトレジストを剥離した。このようにして、片面にライン/スペース=15/15μmのチップオンフィルム用の回路パターンを形成した。
このようにして得られたチップオンフィルム用にパターニングされた配線板を用いて折り曲げ試験を行った。まず配線板を48mm幅×10cm長にサンプリングした後、MIT試験機(JIS−P−8115に記載の試験機)に試料をセットし、荷重9.8N、曲率半径0.38mm、折り曲げ繰り返し数10で行った。この際折り曲がり部分にインナーリードがくるようにサンプルの取り付けを調整した。折り曲げ試験後のインナーリードの先端部の捲れの有無を観察した。結果を表2に示す。
また、配線板のTD方向の寸法を測定(L3)、次に300℃の半田浴に20秒浸漬し、浸漬後に再びTD方向の寸法を測定(L4)した。半田浴による処理前後の寸法変化率を下記式により求めた。
寸法変化率(%)=(L4−L3)/L3×100
寸法結果を表2に示す。
(実施例2)
合成例2で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
(実施例3)
合成例3で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
(実施例4)
合成例4で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
(実施例5)
合成例5で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
(実施例6)
合成例6で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
(実施例7)
合成例1で製膜したポリイミドフィルムを用い、この片面に合成例10の接着剤を塗布し、150℃×5分間加熱乾燥し、乾燥膜厚10μmの接着剤層を形成した。この片面接着剤付きポリイミドフィルムと1/2オンス銅箔(日鉱グールド・フォイル(株)製、JTC箔)とを、熱ロールラミネート機を用いてラミネート温度160℃、ラミネート圧力196N/cm(20kgf/cm)、ラミネート速度1.5m/分の条件で熱ラミネートを行い、片面銅張板を作製した。
得られた銅張板を用い、片面の銅箔の上にクラリアントジャパン(株)製フォトレジストAZP4620を105℃10分間の乾燥後膜厚10μmで形成し、ライン幅/スペース幅=15μm/15μmのパターンが配置され、なおかつ図1に示すようなICチップを接合するためのインナーリードが配置されているガラスフォトマスクを用いて400mJ/cm(全波長)で露光、AZ400K/水=25/75(重量比)の現像液で現像し、フォトレジストをパターニングした。その後、塩化鉄30重量%水溶液を用い、40℃90秒間で銅エッチングを行い、フォトレジストが形成されていない部分の銅を除去した。銅エッチング終了後、水酸化ナトリウム2.5重量%水溶液を用い、40℃1分間でフォトレジストを剥離した。このようにして、片面にライン/スペース=15/15μmのチップオンフィルム用の回路パターンを形成した。
このようにして得られたチップオンフィルム用にパターニングされた配線板を用い折り曲げ試験を行った。まず配線板を48mm幅×10cm長にサンプリングした後、MIT試験機(JIS−P−8115に記載の試験機)に試料をセットし、荷重9.8N、曲率半径0.38mm、折り曲げ繰り返し数10で行った。この際折り曲がり部分にインナーリードがくるようにサンプルの取り付けを調整した。折り曲げ試験後のインナーリードの先端部の捲れの有無を観察した。結果を表2に示す。
また、配線板のTD方向の寸法を測定(L3)、次に300℃の半田浴に20秒浸漬し、浸漬後に再びTD方向の寸法を測定(L4)した。半田浴による処理前後の寸法変化率を下記式により求めた。
寸法変化率(%)=(L4−L3)/L3×100
寸法結果を表2に示す。
(比較例1)
合成例7で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
(比較例2)
合成例8で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
(比較例3)
合成例9で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様に折り曲げテスト後の配線欠落の有無及び半田浴による処理前後の寸法変化率結果を表2に示す。
Figure 2007201442
Figure 2007201442
本発明のチップオンフィルムは、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有するポリイミドフィルムを使用していることから折り曲げ性に極めて優れており、微細な配線を必要とする各種ICチップ搭載用途に好ましく適用することができる。
(A)は本発明のチップオンフィルムの一例を示すICチップ搭載部分の平面図であり、(B)は(A)に示す(a)−(b)線に沿った断面図である。
符号の説明
1・・・ポリイミドフィルム
2・・・配線(インナーリード)
3・・・ICチップ搭載部

Claims (10)

  1. ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、ICチップが搭載可能なように配線を形成してなるチップオンフィルムであって、前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであり、このポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介することなく前記配線が形成されていることを特徴とするチップオンフィルム。
  2. ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、ICチップが搭載可能なように配線を形成してなるチップオンフィルムであって、前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであり、このポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介して前記配線が形成されていることを特徴とするチップオンフィルム。
  3. 前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分として10〜50モル%のパラフェニレンジアミン及び50〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のチップオンフィルム。
  4. 前記ポリイミドフィルムの弾性率3〜6GPa、50〜200℃での線膨張係数が5〜20ppm/℃、湿度膨張係数が30ppm/%RH以下、吸水率が3.5%以下、200℃1時間での加熱収縮率が0.10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のチップオンフィルム。
  5. 前記ポリイミドフィルムの表面に存在する大きさ20μm以上の凸の数が10個/5cm×5cm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のチップオンフィルム。
  6. 前記ポリイミドフィルムの表面に存在する高さ2μm以上の凸の数が10個/5cm×5cm以下であることを特徴とする請求項1〜5記載のチップオンフィルム。
  7. 前記配線が主として銅からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のチップオンフィルム。
  8. 前記配線が金属層をエッチングすることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のチップオンフィルム。
  9. 前記配線が鍍金により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のチップオンフィルム。
  10. 前記接着剤がエポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種から主としてなることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項記載のチップオンフィルム。
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