JP2007200654A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設計自由度の制限や応答性の低下をともなわず、騒音による乗員の違和感を大幅に低減することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムは、当該燃料電池システムが搭載された車両の車速が所定速度よりも遅い場合や、燃料電池1によって使用される空気の圧力を調圧する空気調圧弁4を通過する空気の流量が所定流量よりも多い場合には、コントローラ10の制御のもとに、当該空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限する。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば燃料電池車両に搭載可能な燃料電池システムに関する。
近年、エンジン等の内燃機関を用いた車両に代わり、車載されたバッテリから供給される電力に基づいてモータを回転駆動させることによって走行する電気自動車が開発されている。
このような電気自動車においては、モータ等の駆動にともない騒音が発生する場合があることから、各種静音制御に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2等参照)。
具体的には、特許文献1には、電気自動車に搭載されるものであって、冷媒回路を流通する冷媒と室内熱交換器を通過する車室内空気との間で熱交換を行って空調運転を行うようにした電気自動車用空調装置が開示されている。特に、この電気自動車用空調装置は、空調制御の設定出力に応じて冷媒回路に設けられるコンプレッサのモータの回転数を制御する回転制御手段と、車速を検出する車速センサと、コンプレッサモータの回転数を一定回転数以下に制限する回転数制限手段と、車速センサによって検出された車速が所定速度以下であるときに回転数制限手段を介して回転制御手段を駆動することによってコンプレッサモータの回転数を一定回転数以下に制限する静音制御動作を行わせる静音制御手段とを備えるものである。これにより、この電気自動車用空調装置においては、車速が所定速度以下で走行モータにより発生される騒音が少ない場合に対応して、空調制御のコンプレッサモータによる騒音の発生を抑制しながら空調運転を行うことができるので、車室内の乗員にとって空調制御による空調能力の低下を許容範囲内としながら静かな状態を保持することができるとしている。
また、特許文献2には、全閉時、弁体周面と本体内面に形成した弁座とのシール面が弁棒中心から偏心している偏心形バタフライ弁が開示されている。特に、この偏心形バタフライ弁は、弁体やボアに突起物を設け、空気が通過する際に発生するキャビテーションを抑制することにより、騒音を低減することができるとしている。
特開平7−223428号公報 特開2002−195421号公報
ところで、近年では、燃料電池の燃料極(水素極)に水素を多量に含む燃料ガスを供給するとともに、空気極に酸化剤ガスとしての空気を供給し、所定の電解質膜を介してこれら水素と酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得る燃料電池システムが知られている。このような燃料電池システムは、例えば車両の動力源等としての実用化に大きな期待が寄せられており、現在、実用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
このような燃料電池を用いた燃料電池システムを車両の動力源として用いる燃料電池車両においては、空調装置用のコンプレッサのみならず、各種部品を冷却する冷媒を圧送するポンプ、燃料圧力等をコントロールするバルブ類、強電関係の部品が、騒音の発生体となり、さらには燃料電池に空気を圧送するコンプレッサによっても騒音が生じる場合があることから、特許文献1に記載された技術では騒音の問題を解決することはできない。さらに、燃料電池車両においては、空気の圧力調整弁の制御圧力が高い場合には、当該圧力調整弁の部分で気流音が発生し、問題となることがあった。
また、空気の圧力調整弁の構造として、特許文献2に記載された技術のように、弁体やボアに突起物を設けて流体が通過する際に発生するキャビテーションを抑制する構造を採用した場合には、突起物によって弁体を通過する流体の圧力損失を増大させ、燃料電池システムの設計自由度を制限するという問題があった。さらに、燃料電池車両においては、弁体に突起物を設けることによって当該弁体の質量が増加し、開度応答性の低下を招来し、これにともない、燃料電池システムの応答性も低下することから、運転者の要求に対応することができなくなるという問題があった。さらにまた、燃料電池車両においては、流体が弁体を通過する際の圧力損失を増大させないようにするためには、弁体を大きくする必要があり、レイアウト性の悪化や質量の増加という問題を招来していた。なお、応答性の悪化については、弁駆動用アクチュエータの高トルク化を図ることによって防止することができる場合もあるが、アクチュエータの大型化や消費電力の増加を招来するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、設計自由度の制限や応答性の低下をともなわず、騒音による乗員の違和感を大幅に低減することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明にかかる燃料電池システムは、当該燃料電池システムが搭載された車両の車速が所定速度よりも遅い場合には、燃料電池によって使用される空気の圧力を調圧する空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限することにより、上述の課題を解決する。
また、本発明にかかる燃料電池システムは、燃料電池によって使用される空気の圧力を調圧する空気調圧弁を通過する空気の流量が所定流量よりも多い場合には、当該空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限することにより、上述の課題を解決する。
さらに、本発明にかかる燃料電池システムは、当該燃料電池システムが搭載された車両の車速が所定速度よりも遅く、且つ、燃料電池によって使用される空気の圧力を調圧する空気調圧弁を通過する空気の流量が所定流量よりも多い場合には、当該空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限することにより、上述の課題を解決する。
本発明にかかる燃料電池システムにおいては、当該燃料電池システムが搭載された車両の車速が所定速度よりも遅い場合や、燃料電池によって使用される空気の圧力を調圧する空気調圧弁を通過する空気の流量が所定流量よりも多い場合には、当該空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限することから、設計自由度の制限や応答性の低下をともなわず、騒音による乗員の違和感を大幅に低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
この実施の形態は、例えば燃料電池車両に搭載され、負荷装置として搭載された駆動モータや燃料電池スタックを発電させる補機類等に電力供給することにより、車両走行するための駆動トルクを発生させる燃料電池システムである。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態として示す燃料電池システムについて説明する。
[燃料電池システムの構成]
燃料電池システムは、図1に示すように、燃料ガスと空気を用いて発電する燃料電池1を備える。この燃料電池1は、当該燃料電池システムの主電源であって、発電反応を発生させるための水素を多量に含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとしての空気が供給されることによって発電するものである。具体的には、この燃料電池1は、当該燃料電池1の内部での発熱を冷却する熱媒体1aを挟んで、酸化剤ガスが供給される空気極1bと、燃料ガスが供給される燃料極1cとを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層することによって構成されている。
また、燃料電池システムは、燃料電池1の空気極1bに空気を供給するコンプレッサ2と、燃料電池1に供給される空気の圧力を検出する圧力センサ3と、燃料電池1の空気極1bに供給された空気の圧力を調圧する空気調圧弁4と、当該燃料電池システムが搭載された燃料電池車両の車速を検出する車速センサ5と、当該燃料電池システムを構成する各部の制御を行うコントローラ10とを備える。
コンプレッサ2は、図示しないコンプレッサモータによって駆動されて外気を取り込み、流路L1を介して酸化剤ガスとしての空気を燃料電池1に圧送する。このとき、コンプレッサ2は、コントローラ10の制御のもとに、所定の回転数で駆動され、必要な吐出流量で酸化剤ガスとしての空気を吐出する。
圧力センサ3は、流路L1におけるコンプレッサ2と燃料電池1との間に設けられており、流路L1内を流れる空気の圧力を検出する。この圧力センサ3によって検出された圧力情報は、当該圧力センサ3と電気的に接続されたコントローラ10に供給される。なお、本実施の形態においては、圧力センサ3を流路L1におけるコンプレッサ2と燃料電池1の間に設けることとしているが、コンプレッサ2と空気調圧弁4との間の圧力はどの場所でも同一であることから、圧力センサ3は、コンプレッサ2と空気調圧弁4との間であればどの位置に設けられていてもよい。
空気調圧弁4は、燃料電池1によって使用される空気の圧力を調圧する。具体的には、この空気調圧弁4は、燃料電池1の空気極1bと接続された流路L2における空気極1bの下流に設けられており、コントローラ10の制御のもとに、その開度が設定され、空気極1b内部の空気圧を調圧する。
車速センサ5は、当該燃料電池システムが搭載された燃料電池車両の車速を検出する。この車速センサ5によって検出された車速情報は、コントローラ10に供給される。
このような燃料電池システムにおいては、コントローラ10の制御のもとに、車速センサ5の検出結果に基づいて、コンプレッサ2の回転数や空気調圧弁4の開度を制御することにより、燃料電池1の空気極1bに供給される空気の流量を制御し、燃料電池1の発電量を制御する。そして、燃料電池システムにおいては、燃料電池1によって発電された電力を、当該燃料電池システムを搭載する燃料電池車両を駆動するモータ6に供給する。
ここで、空気調圧弁4の開度と当該空気調圧弁4を通過する空気によって発生する騒音との関係は、例えば図2に示すようになる。すなわち、燃料電池システムにおいては、空気調圧弁4を通過する空気の流量が所定流量よりも少ない場合には、騒音が小さく問題とはならないが、空気調圧弁4の開度が所定開度よりも小さく、且つ、空気調圧弁4を通過する空気の流量が所定流量よりも多い場合には、大きい騒音が発生することになる。
また、発生する騒音が乗員に与える違和感と燃料電池システムが搭載された燃料電池車両の車速との関係は、例えば図3に示すようになる。すなわち、燃料電池車両においては、車速が所定速度よりも速い場合には、走行時のタイヤ音や風切り音等の走行音に紛れて他の音が聞き取りにくい状況となり、乗員の違和感は小さい。一方、燃料電池車両においては、車速が所定速度よりも遅い場合には、走行音以外の音が聞き取りやすい状況となり、乗員の違和感は大きくなる。
そこで、燃料電池システムにおいては、車速センサ5によって検出した車速が所定速度よりも遅い場合には、空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限し、騒音の発生を抑制する一方で、車速センサ5によって検出した車速が所定速度よりも速い場合には、空気調圧弁4の最小開度の制限を禁止するように、コントローラ10による制御を行う。
[燃料電池システムの動作]
具体的には、燃料電池システムにおいては、コントローラ10により、例えば図4に示すような一連の手続きにしたがって空気調圧弁4の開度を制御する。
すなわち、コントローラ10は、同図に示すように、ステップS1において、車速センサ5によって検出された燃料電池車両の車速VSPを読み込むと、ステップS2において、予め車速VSPに対応して決定された最小開度制限値PCVOLを読み込む。なお、最小開度制限値PCVOLとは、空気調圧弁4を通過する空気によって生じる音が乗員に違和感を与えない程度となるような車速VSPに対応した当該空気調圧弁4の最小開度であり、予めコントローラ10によって読み出し可能にメモリ等に格納されている値である。
続いて、コントローラ10は、ステップS3において、空気調圧弁4の制御目標値である空気調圧弁開度目標値PCVOを読み込み、ステップS4において、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOLよりも小さいか否かを判断する。
ここで、コントローラ10は、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOL以上であると判断した場合には、最小開度よりも大きい開度で制御されている状態であり、騒音が発生しにくい状態であることから、制限をかけないようにそのまま一連の処理を終了する。一方、コントローラ10は、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOLよりも小さいと判断した場合には、騒音が発生して乗員に違和感を与える可能性が高いことから、ステップS5において、空気調圧弁4の開度を最小開度制限値PCVOLまで制限するとともに、制限前の空気調圧弁4の開度である空気調圧弁開度目標値PCVOを後述する第4の実施の形態にて使用するために、当該空気調圧弁開度目標値PCVOを制限前開度MMRPCVOとして格納し、一連の処理を終了する。
燃料電池システムにおいては、このような一連の手続きを経ることにより、車速VSPに応じて、空気調圧弁4の開度を最適に制御することができる。
[第1の実施の形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1の実施の形態として示した燃料電池システムにおいては、当該燃料電池システムが搭載された燃料電池車両の車速VSPが所定速度よりも遅い場合には、コントローラ10の制御のもとに、空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁4を制御することができる。
すなわち、この燃料電池システムにおいては、車両の走行音を無視することができないような低速走行している場合には、空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限することにより、当該空気調圧弁4を通過する空気によって生じる騒音を小さくすることができる。このとき、燃料電池システムにおいては、空気調圧弁4の構造を何ら特殊なものとする必要がないことから、空気が弁体を通過する際に当該弁体の形状に起因した圧力損失の増大を招来することはなく、さらに当該燃料電池システムの設計自由度を制限することもない。また、燃料電池システムにおいては、同様の理由から、空気調圧弁4の開度応答性を低下させることもなく、当該燃料電池システムの応答性を低下させることもない。さらに、燃料電池システムにおいては、その応答性を向上させるためにアクチュエータを高トルク化するものではないことから、消費電力を増大させることもない。このように、この燃料電池システムにおいては、設計自由度を制限することがなく、また、弁体の開度応答性を低下させることもなく、騒音による乗員の違和感を大幅に低減することができる。
また、この燃料電池システムにおいては、コントローラ10の制御のもとに、車速VSPが所定速度よりも速い場合には、空気調圧弁4の最小開度の制限を禁止する。このように、燃料電池システムにおいては、騒音が走行音によって掻き消されるような状況の場合には、空気調圧弁4の開度制限を行わずに性能重視の運転モードとすることにより、無駄に車両性能を落としてしまう事態を回避することができる。
[第2の実施の形態]
つぎに、本発明の第2の実施の形態として示す燃料電池システムについて説明する。
この第2の実施の形態として示す燃料電池システムは、空気調圧弁を通過する空気の流量に応じて、当該空気調圧弁の開度を制御するものである。したがって、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態として示した燃料電池システムと共通する構成については、同一符号を付すことによってその説明を省略する。
[燃料電池システムの構成]
燃料電池システムは、図5に示すように、第1の実施の形態として示した燃料電池システムにおける車速センサ5に代えて、コンプレッサ2に供給される空気の流量を検出する流量センサ12を備える。
流量センサ12は、コンプレッサ2の上流に設けられており、コンプレッサ2によって取り込まれる空気の流量を検出する。この流量センサ12によって検出された流量情報は、当該流量センサ12と電気的に接続されたコントローラ10に供給される。なお、本実施の形態においては、流量センサ12をコンプレッサ2の上流に設けることとしているが、コンプレッサ2と空気調圧弁4との間の空気の流量はどの場所でも同一であることから、流量センサ12は、コンプレッサ2と空気調圧弁4との間であればどの位置に設けられていてもよい。
ここで、燃料電池システムにおいては、先に図2に示したように、空気調圧弁4を通過する空気の流量が所定流量よりも少ない場合には、騒音が小さく問題とはならないが、空気調圧弁4の開度が所定開度よりも小さく、且つ、空気調圧弁4を通過する空気の流量が所定流量よりも多い場合には、大きい騒音が発生することになる。
そこで、燃料電池システムにおいては、流量センサ12によって検出した空気の流量が所定流量よりも多い場合には、空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限し、騒音の発生を抑制する一方で、流量センサ12によって検出した空気の流量が所定流量よりも少ない場合には、空気調圧弁4の最小開度の制限を禁止するように、コントローラ10による制御を行う。
[燃料電池システムの動作]
具体的には、燃料電池システムにおいては、コントローラ10により、例えば図6に示すような一連の手続きにしたがって空気調圧弁4の開度を制御する。
すなわち、コントローラ10は、同図に示すように、ステップS11において、流量センサ12によって検出された空気調圧弁通過流量Qavを読み込むと、ステップS12において、予め空気調圧弁通過流量Qavに対応して決定された最小開度制限値PCVOLをメモリ等から読み込む。
続いて、コントローラ10は、ステップS13において、空気調圧弁4の制御目標値である空気調圧弁開度目標値PCVOを読み込み、ステップS14において、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOLよりも小さいか否かを判断する。
ここで、コントローラ10は、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOL以上であると判断した場合には、最小開度よりも大きい開度で制御されている状態であり、騒音が発生しにくい状態であることから、制限をかけないようにそのまま一連の処理を終了する。一方、コントローラ10は、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOLよりも小さいと判断した場合には、騒音が発生して乗員に違和感を与える可能性が高いことから、ステップS15において、空気調圧弁4の開度を最小開度制限値PCVOLまで制限するとともに、制限前の空気調圧弁4の開度である空気調圧弁開度目標値PCVOを後述する第4の実施の形態にて使用するために、当該空気調圧弁開度目標値PCVOを制限前開度MMRPCVOとして格納し、一連の処理を終了する。
燃料電池システムにおいては、このような一連の手続きを経ることにより、空気調圧弁通過流量Qavに応じて、空気調圧弁4の開度を最適に制御することができる。
[第2の実施の形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2の実施の形態として示した燃料電池システムにおいては、空気調圧弁通過流量Qavが所定流量よりも多い場合には、コントローラ10の制御のもとに、空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁4を制御することができる。
すなわち、この燃料電池システムにおいては、空気調圧弁通過流量Qavが多く、騒音が発生しやすい状況の場合には、空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限することにより、当該空気調圧弁4を通過する空気によって生じる騒音を小さくすることができる。このとき、燃料電池システムにおいては、空気調圧弁4の構造を何ら特殊なものとする必要がないことから、空気が弁体を通過する際に当該弁体の形状に起因した圧力損失の増大を招来することはなく、さらに当該燃料電池システムの設計自由度を制限することもない。また、燃料電池システムにおいては、同様の理由から、空気調圧弁4の開度応答性を低下させることもなく、当該燃料電池システムの応答性を低下させることもない。さらに、燃料電池システムにおいては、その応答性を向上させるためにアクチュエータを高トルク化するものではないことから、消費電力を増大させることもない。このように、この燃料電池システムにおいては、設計自由度を制限することがなく、また、弁体の開度応答性を低下させることもなく、騒音による乗員の違和感を大幅に低減することができる。
また、この燃料電池システムにおいては、コントローラ10の制御のもとに、空気調圧弁通過流量Qavが所定流量よりも少ない場合には、空気調圧弁4の最小開度の制限を禁止する。このように、燃料電池システムにおいては、騒音が発生しにくい状況の場合には、空気調圧弁4の開度制限を行わずに性能重視の運転モードとすることにより、無駄に車両性能を落としてしまう事態を回避することができる。
[第3の実施の形態]
つぎに、本発明の第3の実施の形態として示す燃料電池システムについて説明する。
この第3の実施の形態として示す燃料電池システムは、燃料電池車両の車速と空気調圧弁を通過する空気の流量との双方に応じて、当該空気調圧弁の開度を制御するものである。したがって、第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態として示した燃料電池システムと共通する構成については、同一符号を付すことによってその説明を省略する。
[燃料電池システムの構成]
燃料電池システムは、図7に示すように、車速センサ5及び流量センサ12の双方を備える。
[燃料電池システムの動作]
このような燃料電池システムにおいては、コントローラ10により、例えば図8に示すような一連の手続きにしたがって空気調圧弁4の開度を制御する。
まず、コントローラ10は、同図に示すように、ステップS21において、車速センサ5によって検出された車速VSPと、流量センサ12によって検出された空気調圧弁通過流量Qavとをそれぞれ読み込む。
続いて、コントローラ10は、ステップS22において、例えば図9に示すように、予め車速VSP及び空気調圧弁通過流量Qavに対応して決定された最小開度制限値PCVOLをメモリ等から読み込む。具体的には、最小開度制限値PCVOLは、空気調圧弁通過流量Qavが大きく、且つ、車速VSPが低速であるほど、大きな値をとる。なお、本実施の形態においては、説明の便宜上、最小開度制限値PCVOLが所定値以下であるときは、最小開度制限値PCVOL=0とし、空気調圧弁4の開度を制限しないものとする。
続いて、コントローラ10は、ステップS23において、空気調圧弁4の制御目標値である空気調圧弁開度目標値PCVOを読み込み、ステップS24において、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOLよりも小さいか否かを判断する。
ここで、コントローラ10は、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOL以上であると判断した場合には、最小開度よりも大きい開度で制御されている状態であり、騒音が発生しにくい状態であることから、制限をかけないようにそのまま一連の処理を終了する。一方、コントローラ10は、空気調圧弁開度目標値PCVOが最小開度制限値PCVOLよりも小さいと判断した場合には、騒音が発生して乗員に違和感を与える可能性が高いことから、ステップS25において、空気調圧弁4の開度を最小開度制限値PCVOLまで制限するとともに、制限前の空気調圧弁4の開度である空気調圧弁開度目標値PCVOを後述する第4の実施の形態にて使用するために、当該空気調圧弁開度目標値PCVOを制限前開度MMRPCVOとして格納し、一連の処理を終了する。
燃料電池システムにおいては、このような一連の手続きを経ることにより、車速VSP及び空気調圧弁通過流量Qavの双方に応じて、空気調圧弁4の開度を最適に制御することができる。
[第3の実施の形態の効果]
以上詳細に説明したように、第3の実施の形態として示した燃料電池システムにおいては、当該燃料電池システムが搭載された燃料電池車両の車速VSPが所定速度よりも遅く、且つ、空気調圧弁通過流量Qavが所定流量よりも多い場合には、コントローラ10の制御のもとに、空気調圧弁4の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁4を制御することができる。したがって、この燃料電池システムにおいては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、設計自由度を制限することがなく、また、弁体の開度応答性を低下させることもなく、騒音による乗員の違和感を大幅に低減することができる。
[第4の実施の形態]
つぎに、本発明の第4の実施の形態として示す燃料電池システムについて説明する。
この第4の実施の形態として示す燃料電池システムは、空気調圧弁の開度制限の有無に応じて生じる遅延を補正するものである。したがって、第4の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態として示した燃料電池システムと共通する構成については、同一符号を付すことによってその説明を省略する。
まず、空気調圧弁4の開度をコンプレッサ2に供給される空気の流量及び/又は燃料電池車両の車速に応じて制限しない場合における燃料電池1の運転圧力と時間との関係は、図10中、実線C1に示すような関係となる。一方、空気調圧弁4の開度をコンプレッサ2に供給される空気の流量及び/又は燃料電池車両の車速に応じて制限した場合における燃料電池1の運転圧力と時間との関係は、同図中、破線C2に示すような関係となる。さらに、燃料電池車両の車速等を勘案した制御目標とすべき燃料電池1の運転圧力と時間との関係は、同図中、実線C3に示すような関係となる。ここで、実線C1と破線C2との立ち上がりを比較すると、破線C2の立ち上がりが実線C1の立ち上がりに比べて遅延することがわかる。
また、空気調圧弁4の開度をコンプレッサ2に供給される空気の流量及び/又は燃料電池車両の車速に応じて制限しない場合、並びに、空気調圧弁4の開度をコンプレッサ2に供給される空気の流量及び/又は燃料電池車両の車速に応じて制限した場合に、燃料電池1によって発電することができる発電電力は、それぞれ、図11中、実線C4及び破線C5に示すような関係となる。ここで、実線C4と破線C5との立ち上がりを比較すると、破線C5の立ち上がりが実線C4の立ち上がりに比べて遅延することがわかる。
なお、図12には、図10及び図11に対応した空気調圧弁4の開度と時間との関係について、空気調圧弁4の開度を制限しない場合を実線C6とし、空気調圧弁4の開度を制限した場合を破線C7として示している。
このように、燃料電池システムにおいては、空気調圧弁4の開度の制限の有無に応じて、燃料電池1の発電電力の応答に遅延が生じ、流量センサ12によって検出している空気の流量が空気調圧弁4を実際に通過している実空気流量でない場合が生じる。そして、燃料電池システムにおいては、燃料電池1の発電電力の応答が遅延するのにともない、当該燃料電池1から供給される電力によって駆動するモータ6に必要な電力が不足することになり、燃料電池車両の走行に支障をきたすこととなる。
[燃料電池システムの構成]
そこで、第4の実施の形態として示す燃料電池システムは、このような弊害を防止すべく、流量センサ12によって検出している空気の流量を、空気調圧弁4を実際に通過している実空気流量に補正する手段及びモータ6に電力を供給する二次電池を備える。
具体的には、燃料電池システムは、図13に示すように、第3の実施の形態として示した燃料電池システムの構成に加え、二次電池14と、この二次電池14の残容量を検出する残容量センサ16と、電力の供給元及び供給先の制御を行う電力制御部18と、図示しない燃料電池車両のアクセルの開度を検出するアクセルセンサ20とを備える。
二次電池14は、燃料電池1の発電量が不足した場合に、電力制御部18の制御のもとに、後述する方法で燃料電池1において不足している電力をモータ6に供給する。
残容量センサ16は、二次電池14の残容量を検出する。この残容量センサ16によって検出された二次電池14の残容量は、コントローラ10に供給される。
電力制御部18は、コントローラ10の制御のもとに、電力の供給元及び供給先を切り替える。具体的には、電力制御部18は、燃料電池1によって発電された電力を蓄電する場合には、その電力を二次電池14に供給して充電させる一方で、モータ6の駆動電力とする場合には、その電力をモータ6に供給するように、電力の供給元及び供給先を切り替える。また、電力制御部18は、コントローラ10の制御のもとに、二次電池14に充電された電力を放電してモータ6に供給させる。例えば、コントローラ10は、モータ6に供給されている電力が燃料電池1から供給された電力のみである状況で、当該燃料電池1のみの発電量ではモータ6が必要としている電力を供給できないと判断した場合には、その旨を電力制御部18に通知する。そして、電力制御部18は、その通知に基づいて、二次電池14に充電された電力を放電してモータ6に供給し、燃料電池1の不足分の電力を補う。
アクセルセンサ20は、運転者の操作による図示しないアクセルの開度を検出する。このアクセルセンサ20によって検出されたアクセル開度情報は、コントローラ10に供給される。
このような燃料電池システムは、機能的には図14に示すような構成とされる。すなわち、燃料電池システムにおいては、流量センサ12によって検出された流量情報をコントローラ10における遅れ補正部10aに供給する。これに応じて、遅れ補正部10aは、流量情報に基づいて、遅延を補正することにより、流量センサ12によって検出している空気の流量を、空気調圧弁4を実際に通過している実空気流量に補正するための補正値を算出し、算出した補正値を開度制限実施判断部10bに供給する。また、これと同時に、燃料電池システムにおいては、車速センサ5によって検出された車速情報を開度制限実施判断部10bに供給する。
開度制限実施判断部10bは、流量センサ12から供給された流量情報及び遅れ補正部10aから供給された補正値に基づいて、空気調圧弁4の開度を制限すべきか否かを判断する。そして、開度制限実施判断部10bは、空気調圧弁4の開度を制限すべきと判断した場合には、開度制限部10cによって空気調圧弁4の開度を制限させる。このとき、開度制限実施判断部10bは、モータ6に供給される電力が不足するか否かを判断し、モータ6に供給される電力が不足すると判断した場合には、電力アシスト部10dによって二次電池14に充電された電力を放電させてモータ6に供給させる。
[燃料電池システムの動作]
このような燃料電池システムは、以下のような動作を行う。
まず、燃料電池システムにおいては、遅れ補正部10aにより、図15に示すような一連の手続きにしたがって補正された空気調圧弁通過流量である補正空気流量Qavを求める。
すなわち、遅れ補正部10aは、同図に示すように、ステップS31において、補正値を算出するために必要な情報として、メモリ等に予め格納されている目標圧力値Pt、目標流量Qat、圧力センサ3によって検出された現在の圧力値P、及び流量センサ12によって検出された現在の流量Qaを読み込む。ここで、目標圧力値Ptとは、燃料電池車両の車速等を勘案した現在の状況において最も好適な燃料電池1の運転圧力値である。また、目標流量Qatとは、同様の状況において最も好適なコンプレッサ2に取り込まれる空気の流量である。なお、ここで読み出された値のうち、少なくとも現在の流量Qaは、コントローラ10の制御のもとに、メモリ等に逐次格納される。
遅れ補正部10aは、これらの値の読み込みを行うと、ステップS32において、遅れ時間Tdを読み込む。なお、この遅れ時間Tdは、燃料電池車両の車速等を勘案した現在の状況と目標とすべき最も好適とされる状況との差に応じて決定することができる。そして、この遅れ時間Tdは、例えば図16に示すように、目標流量Qatと現在の流量Qaとの差分、及び目標圧力値Ptと現在の圧力値Pとの差分が小さいほど小さい値を示す。一方、遅れ時間Tdは、目標流量Qatと現在の流量Qaとの差分、及び目標圧力値Ptと現在の圧力値Pとの差分が大きいほど大きい値を示す。
続いて、遅れ補正部10aは、ステップS33において、遅れ時間Tdに基づいて、補正値である空気流量Qa(Td)を読み込む。ここで読み込まれた空気流量Qa(Td)は、現時刻から遅れ時間Tdだけ前の時刻における空気流量Qaである。
そして、遅れ補正部10aは、ステップS34において、空気流量Qa(Td)を、補正空気流量Qavとしてメモリ等に格納し、一連の処理を終了する。
燃料電池システムにおいては、このような一連の手続きを経ることにより、補正された空気調圧弁通過流量である補正空気流量Qavを求めることができる。そして、燃料電池システムにおいては、補正空気流量Qavを求めると、開度制限実施判断部10b及び開度制限部10cにより、先に図8に示した一連の処理において、空気調圧弁通過流量の代わりに補正空気流量Qavを用いた処理を行うことにより、車速VSP及び空気調圧弁通過流量Qavの双方に応じて、空気調圧弁4の開度を最適に制御することができる。
つぎに、電力アシスト部10dの動作について、図17を用いて説明する。
電力アシスト部10dは、同図に示すように、ステップS41において、バッテリアシスト電力値Pbを初期値である0にリセットする。なお、バッテリアシスト電力値Pbとは、二次電池14から電力制御部18を介してモータ6に供給される電力を示す値である。
続いて、電力アシスト部10dは、ステップS42において、残容量センサ16を用いて二次電池14の残容量SOCを読み込むと、ステップS43において、残容量SOCと残容量閾値SOCSLとを比較する。なお、残容量閾値SOCSLは、予めメモリ等に格納されている値であり、二次電池14に充電された電力をモータ6に供給することが可能か否かを判断するための目安となる値である。
ここで、電力アシスト部10dは、電池残容量SOCが残容量閾値SOCSLよりも小さいと判断した場合には、空気調圧弁4の開度が制限されている現在の状態ではモータ6が要求している電力を燃料電池1及び二次電池14では補うことができないと判断し、ステップS44へと処理を移行する。そして、電力アシスト部10dは、ステップS44において、空気調圧弁4の最小開度の制限を禁止する処理を行う。具体的には、電力アシスト部10dは、メモリ等に格納されている制限前開度MMRPCVOを、空気調圧弁開度目標値PCVOとすることにより、空気調圧弁4の開度の制限を禁止し、一連の処理を終了する。
一方、電力アシスト部10dは、電池残容量SOCが残容量閾値SOCSLよりも大きいと判断した場合には、空気調圧弁4の開度が制限されている現在の状態であってもモータ6が要求している電力の不足分を二次電池14に充電された電力で補うことが可能であると判断し、ステップS45へと処理を移行する。そして、電力アシスト部10dは、ステップS45において、モータ6が要求している電力の不足分を二次電池14から供給するための処理を行う。具体的には、電力アシスト部10dは、メモリ等に格納されている電力要求値Pr及び燃料電池発電量Pfcを読み込む。ここで、電力要求値Prとは、アクセルセンサ20によって検出されたアクセルの開度に基づいて算出されてメモリ等に格納されている値であり、モータ6が燃料電池車両に支障をきたさないように駆動するために必要な駆動電力を示す値である。また、燃料電池発電量Pfcとは、現在、燃料電池1が発電している電力を示す値である。
続いて、電力アシスト部10dは、ステップS46において、電力要求値Pr及び燃料電池発電量Pfcに基づいて、二次電池14からモータ6に供給すべき電力供給量Pdを算出する。なお、この電力供給量Pdは、電力要求値Prと燃料電池発電量Pfcとの差分を求めることによって算出することができる。
そして、電力アシスト部10dは、ステップS47において、二次電池14に充電された電力をモータ6に供給すべく、バッテリアシスト電力値Pbを電力供給量Pdとし、一連の処理を終了する。これに応じて、電力制御部18は、二次電池14に充電された電力をバッテリアシスト電力値Pb分だけ放電させ、モータ6に供給させる。
燃料電池システムにおいては、このような一連の手続きを経ることにより、補正された空気調圧弁通過流量である補正空気流量Qavを求め、車速VSP及び空気調圧弁通過流量Qavの双方に応じて、空気調圧弁4の開度を最適に制御するとともに、モータ6が要求している電力の不足が生じた場合には、二次電池14から電力を供給することができる。
なお、燃料電池システムにおいては、上述した遅れ時間Tdを、例えば、系の容積やコンプレッサ2の能力等をモデル化して空気調圧弁4を通過する空気の流量を予測するといった高度な制御による予測を行って決定してもよい。
また、燃料電池システムにおいては、流量を検出するために流量センサ12を用いるのではなく、例えば、容積型のコンプレッサ2を使用している場合には、その回転数がほぼ流量と比例することから、当該コンプレッサ2の回転数を検出する回転数センサの出力に基づいて流量を予測するようにしてもよい。さらに、燃料電池システムにおいては、遠心式のコンプレッサ2を使用している場合には、その回転数と流量との関係を、容積型のようにリニアには予測することができないが、回転数と圧力とに基づいて流量を予測することは可能であることから、そのようなマップを使用して流量を予測するようにしてもよい。
[第4の実施の形態の効果]
以上詳細に説明したように、第4の実施の形態として示した燃料電池システムにおいては、遅れ補正部10aにより、流量センサ12によって検出している空気の流量が空気調圧弁4を実際に通過している実空気流量でない場合に、当該実空気流量に補正し、算出された補正値たる実空気流量に基づいて、空気調圧弁4の開度を制御する。
すなわち、燃料電池1への空気流量は、当該燃料電池1の入口で検出したり、コンプレッサ2や図示しないブロアの回転数や制御圧力等に基づいて予測したりする場合があるが、過渡時の空気調圧弁4を通過する空気流量は、これら検出又は予測した値に対して遅延するのが一般的である。そこで、この燃料電池システムにおいては、この遅延を考慮して空気調圧弁4の開度を制御することにより、実際に発生する騒音を効果的に抑制することができ、音性能をより向上させることができる。
また、この燃料電池システムにおいては、電力アシスト部10dにより、燃料電池1の発電量が不足した場合に、その不足分の電力を、二次電池14に充電された電力を放電させることによって補うことにより、遅延による電力の不足分を効果的に補うことができ、電力不足による違和感を乗員に与えるのをなくすことができる。
さらに、この燃料電池システムにおいては、電力アシスト部10dにより、二次電池14の電池残容量SOCが所定の残容量閾値SOCSLよりも小さい場合には、空気調圧弁4の最小開度の制限を禁止する。このように、燃料電池システムにおいては、燃料電池1の発電量の不足分を二次電池14によって補うことができない場合には、電力不足による許容しがたい違和感を乗員に与えてしまうことから、騒音の発生を許容してでも電力不足にならないように、空気調圧弁4の最小開度の制限を禁止することにより、乗員に与える違和感を最小限にすることができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の第1の実施の形態として示す燃料電池システムの構成について説明する図である。 空気調圧弁の開度と当該空気調圧弁を通過する空気によって発生する騒音との関係を説明する図である。 発生する騒音が乗員に与える違和感と燃料電池システムを搭載した燃料電池車両の車速との関係を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態として示す燃料電池システムにおいて、空気調圧弁の開度を制御する際の一連の処理を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態として示す燃料電池システムの構成について説明する図である。 本発明の第2の実施の形態として示す燃料電池システムにおいて、空気調圧弁の開度を制御する際の一連の処理を説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態として示す燃料電池システムの構成について説明する図である。 本発明の第3の実施の形態として示す燃料電池システムにおいて、空気調圧弁の開度を制御する際の一連の処理を説明するフローチャートである。 車速及び空気調圧弁通過流量に対応して決定された最小開度制限値を説明する図である。 燃料電池の運転圧力と時間との関係を説明する図である。 燃料電池によって発電することができる発電電力と時間との関係を説明する図である。 空気調圧弁の開度と時間との関係を説明する図である。 本発明の第4の実施の形態として示す燃料電池システムの構成について説明する図である。 本発明の第4の実施の形態として示す燃料電池システムの機能的な構成について説明するブロック図である。 本発明の第4の実施の形態として示す燃料電池システムにおいて、補正空気流量を求める際の一連の処理を説明するフローチャートである。 目標流量と現在の流量の差分、及び目標圧力値と現在の圧力値との差分に応じた遅れ時間を説明する図である。 本発明の第4の実施の形態として示す燃料電池システムにおいて、電力アシスト部が行う一連の処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
1a 熱媒体
1b 空気極
1c 燃料極
2 コンプレッサ
3 圧力センサ
4 空気調圧弁
5 車速センサ
6 モータ
10 コントローラ
10a 遅れ補正部
10b 開度制限実施判断部
10c 開度制限部
10d 電力アシスト部
12 流量センサ
14 二次電池
16 残容量センサ
18 電力制御部
20 アクセルセンサ
MMRPCVO 制限前開度
P 現在の圧力
Pb バッテリアシスト電力値
PCVO 空気調圧弁開度目標値
PCVOL 最小開度制限値
Pfc 燃料電池発電量
Pr 電力要求値
Pt 目標圧力値
Qa 現在の流量
Qa(Td) 空気流量
Qat 目標流量
Qav 空気調圧弁通過流量
SOC 残容量
SOCSL 残容量閾値
Td 遅れ時間
VSP 車速

Claims (11)

  1. 燃料ガスと空気とを用いて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に対して前記空気を供給する空気供給手段と、
    前記空気供給手段から吐出されて前記燃料電池によって使用される前記空気の圧力を調圧する空気調圧弁と、
    当該燃料電池システムが搭載された車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記車速検出手段によって検出された車速が所定速度よりも遅い場合には、前記空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁を制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料ガスと空気とを用いて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に対して前記空気を供給する空気供給手段と、
    前記空気供給手段から吐出されて前記燃料電池によって使用される前記空気の圧力を調圧する空気調圧弁と、
    前記空気調圧弁を通過する空気の流量を検出又は予測する流量検出・予測手段と、
    前記流量検出・予測手段によって検出又は予測された空気の流量が所定流量よりも多い場合には、前記空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁を制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする燃料電池システム。
  3. 燃料ガスと空気とを用いて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に対して前記空気を供給する空気供給手段と、
    前記空気供給手段から吐出されて前記燃料電池によって使用される前記空気の圧力を調圧する空気調圧弁と、
    当該燃料電池システムが搭載された車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記空気調圧弁を通過する空気の流量を検出又は予測する流量検出・予測手段と、
    前記車速検出手段によって検出された車速が所定速度よりも遅く、且つ、前記流量検出・予測手段によって検出又は予測された空気の流量が所定流量よりも多い場合には、前記空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁を制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記車速検出手段によって検出された前記車両の車速が所定速度よりも速い場合には、前記空気調圧弁の最小開度の制限を禁止すること
    を特徴とする請求項1又は請求項3記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、前記流量検出・予測手段によって検出又は予測された前記空気の流量が所定流量よりも少ない場合には、前記空気調圧弁の最小開度の制限を禁止すること
    を特徴とする請求項2又は請求項3記載の燃料電池システム。
  6. 前記流量検出・予測手段によって検出又は予測している前記空気の流量が前記空気調圧弁を実際に通過している実空気流量でない場合に、当該実空気流量に補正する補正手段を備え、
    前記制御手段は、前記補正手段によって算出された補正値たる前記実空気流量に基づいて、前記空気調圧弁の開度を制御すること
    を特徴とする請求項2又は請求項3記載の燃料電池システム。
  7. 二次電池と、
    前記燃料電池の発電量が不足した場合に、その不足分の電力を、前記二次電池に充電された電力を放電させることによって補う電力アシスト手段とを備えること
    を特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項記載の燃料電池システム。
  8. 前記電力アシスト手段は、前記二次電池の電池残容量が所定の閾値よりも小さい場合には、前記空気調圧弁の最小開度の制限を禁止すること
    を特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 当該燃料電池システムが搭載された車両の車速を検出し、
    検出した車速が所定速度よりも遅い場合には、燃料ガスと空気とを用いて発電する燃料電池に対して前記空気を供給する空気供給手段から吐出されて前記燃料電池によって使用される前記空気の圧力を調圧する空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁を制御すること
    を特徴とする燃料電池システム。
  10. 燃料ガスと空気とを用いて発電する燃料電池に対して前記空気を供給する空気供給手段から吐出されて前記燃料電池によって使用される前記空気の圧力を調圧する空気調圧弁を通過する空気の流量を検出又は予測し、
    検出又は予測した空気の流量が所定流量よりも多い場合には、前記空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁を制御すること
    を特徴とする燃料電池システム。
  11. 当該燃料電池システムが搭載された車両の車速を検出し、
    燃料ガスと空気とを用いて発電する燃料電池に対して前記空気を供給する空気供給手段から吐出されて前記燃料電池によって使用される前記空気の圧力を調圧する空気調圧弁を通過する空気の流量を検出又は予測し、
    検出した車速が所定速度よりも遅く、且つ、検出又は予測した空気の流量が所定流量よりも多い場合には、前記空気調圧弁の最小開度を所定開度以上に制限するように当該空気調圧弁を制御すること
    を特徴とする燃料電池システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009295291A (ja) * 2008-06-02 2009-12-17 Daihen Corp 流体供給装置
JP2012116441A (ja) * 2010-12-03 2012-06-21 Honda Motor Co Ltd 燃料電池車両
CN115071505A (zh) * 2022-06-20 2022-09-20 武汉理工大学 燃料电池汽车分层规划方法、***、装置及存储介质

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