JP2007200498A - ポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品 - Google Patents

ポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品 Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスク挿入時や作動時等にポリアセタール樹脂製駆動部品と光ディスクが直接接触又は摺動する際にディスク表面に傷が発生するのを防止することができるポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品の提供。
【解決手段】ポリアセタール樹脂に、ポリアルキレングリコール化合物、脂肪酸エステル化合物、及び、該ポリアルキレングリコール化合物と該脂肪酸エステル化合物から合成される脂肪酸エステルのアルキレングリコール付加物より成る群から選ばれる少なくとも一種を添加してなり、該ポリアセタール樹脂がオキシメチレン単位[−(CHO)−]と下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位とを含んでおり、オキシメチレン単位とオキシアルキレン単位との合計量を100モル%としたとき、オキシアルキレン単位の含有量が0.1〜1.2モル%であることを特徴とするポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品。
Figure 2007200498

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品に関する。更に詳しくは、光ディスクと直接接触或いは摺動させる際に発生するディスクの傷つきを低減するポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品に関する。
近年、CDやDVDを始めとする光ディスクは、オーディオ、カーナビゲーションシステム、パソコン関連機器など多岐に亘って利用されている。これら光ディスク機器の駆動装置部品は、高強度と高摺動性が必要であり、その多くはポリアセタール樹脂が使用されている。
しかしながらこれら駆動部品に従来のポリアセタール樹脂を使用した場合、光ディスクと直接接触或いは摺動させるとディスク表面に傷がついてしまい、音声や映像が乱れるなどの不具合が発生する。この問題を改善する方法としてディスク表面をハードコートする方法が提案されているが、この方法ではディスク作成コストが高く、またディスク傷つき性低減効果も十分とは言えず、光ディスク表面の傷付き性の改善が切に望まれている。
一方、ポリアセタール樹脂にポリアルキレングリコール化合物及び脂肪酸エステル化合物からなるポリアセタール樹脂組成物が、特許文献1〜3で提案されている。これらは、ポリアセタール樹脂の濡れ性やモールドデポジット性、離型性に効果があるものの光ディスク表面の傷付き性を改善する事はできず、本発明とはその使用される用途及びその効果において全く相違するものである。
特開平06−293857号 特開2000−026704号 特開2005−263928号
即ち本発明は、光ディスクと接触した際のディスク表面の傷付き性を改善したポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品を提供する事を目的とする。
本発明者らはこの様な状況の下、上記目的を達成すべく、ポリアセタール樹脂中のコモノマー挿入量とシークエンス及び特定の化合物に着目して鋭意研究を重ねた結果、特定のポリアセタール樹脂に、ポリアルキレングリコール化合物及び脂肪酸エステル化合物、又はこれら化合物から合成される脂肪酸エステルのアルキレングリコール付加物の少なくとも1種、又は2種以上を添加することによって光ディスク表面に傷が付き難くなることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は下記に記載したとおりのポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品に関する。
(1) ポリアセタール樹脂に、ポリアルキレングリコール化合物、脂肪酸エステル化合物、及び、該ポリアルキレングリコール化合物と該脂肪酸エステル化合物から合成される脂肪酸エステルのアルキレングリコール付加物より成る群から選ばれる少なくとも一種を添加してなり、該ポリアセタール樹脂がオキシメチレン単位[−(CHO)−]と下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位とを含んでおり、オキシメチレン単位とオキシアルキレン単位との合計量を100モル%としたとき、オキシアルキレン単位の含有量が0.1〜1.2モル%であることを特徴とするポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品。
Figure 2007200498
(R、R’が同一か又は異なっていても良く、水素、アルキル基、フェニル基より選ばれる。nは1以上の整数で、n=1の割合がオキシアルキレン単位全体の95モル%以上、n≧2の割合がオキシアルキレン単位の5モル%以下、m=2〜6)
(2)ポリアセタール樹脂のメルトフローレート値が、9〜60g/10minである事を特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品。
本発明のポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品は、ハードコートのないCDやDVD等の光ディスクと直接接触或いは摺動させても光ディスクの表面に傷が付かないという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いるポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン単位[−(CHO)−]と下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位とを含んでおり、該オキシメチレン単位とオキシアルキレン単位との合計量を100モル%としたとき、オキシアルキレン単位の含有量が0.1〜1.2モル%であるポリアセタール樹脂である。
Figure 2007200498
(R、R’は同一か又は異なっていても良く、水素、アルキル基、フェニル基より選ばれる。nは1以上の整数で、n=1の割合がオキシアルキレン単位全体の95モル%以上、n≧2の割合がオキシアルキレン単位の5モル%以下、m=2〜6)
ポリアセタール樹脂のオキシアルキレン単位の挿入量が0.1モル%未満の場合、光ディスク駆動装置部品の表面硬度が硬くなりすぎ光ディスク表面を傷つけやすくなる。一方、オキシアルキレン単位挿入量が1.2モル%を超える場合は、添加する化合物との相溶性が向上する為に光ディスク駆動装置部品の製品内部に化合物が多く介在(光ディスク摺動面の摺動性が不足)し、光ディスク表面を傷つけてしまう。
本発明において、オキシアルキレン単位のシークエンスも重要なファクターであり、出来る限り単独でポリアセタール樹脂中に分散させる事が好ましい。オキシアルキレン単位のシークエンスは、n=1の割合がオキシアルキレン単位全体の95モル%以上、n≧2の割合がオキシアルキレン単位全体の5%以下である。n=1の割合が95モル%に満たない場合は、光ディスク表面に傷が付き易くなる。
これらオキシアルキレン単位の挿入量とシークエンスは、以下の方法により確認する事ができる。まず、ポリアセタール樹脂を3規定の塩酸で120℃の条件下、3時間かけて加水分解させる。加水分解により、オキシメチレン単位はホルムアルデヒドとなり、オキシアルキレン単位は下記一般式(2)で表されるアルキレングリコールになる。このアルキレングリコールには、モノアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールが含まれ、ガスクロマトグラフィーで分析する事ができる。
Figure 2007200498
(R、R’が同一か又は異なっていても良く、水素、アルキル基、フェニル基より選ばれる。nは1以上の整数で、n=1の割合がオキシアルキレン単位全体の95モル%以上、n≧2の割合がオキシアルキレン単位の5モル%以下、m=2〜6)
ポリアセタール樹脂のメルトフローレート値(MFR値)については、9〜60g/10minの流動性を持つポリアセタール樹脂が好ましく、更に好ましくは、20〜50g/10minである。ポリアセタール樹脂のメルトフローレート値(MFR値)が9g/10min未満である場合、ポリアセタール樹脂製摺動部品の表面(光ディスクとの摺動部)の平滑性が不足し、光ディスク表面を傷つけやすくなる。一方、メルトフローレート値(MFR値)が60g/10minを超える場合は、材料自身の靭性が低下する事で磨耗し、ポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品の表面平滑性が失われ、光ディスク表面を傷つけてしまう。
次に、ポリアセタール樹脂の製法について説明する。ポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンを主モノマーと環状エーテル或いは環状ホルマールから選ばれるコモノマーを、カチオン触媒の存在下で反応させる事によって得る事ができる。環状エーテル、環状ホルマールとしては、例えばエチレンオキシド、1・3−ジオキソラン、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エチレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1・3−プロパンジオールホルマール、1・4−ブタンジオールホルマール、1・5−ペンタンジオールホルマール、1・6−へキサンジオールホルマール等を挙げる事ができる。これらの中でも本発明のプラスチックホックを得る為には、コモノマーとしては1・3−ジオキソランが好ましい。
カチオン触媒としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性な触媒が用いられる。ルイス酸として、例えばホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物があり、具体的例としては、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。また、プロトン酸、そのエステルまたは無水物の具体的例としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
重合に用いられる重合装置は、バッチ式、連続式のいずれでも良く、バッチ式重合装置としては、一般式に用いられる攪拌機付きの反応槽が使用できる。連続式重合装置としては、コニーダー、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合機等のセルフクリーニング型混合機が使用可能である。重合温度は60〜200℃、好ましくは80〜170℃の温度範囲である。また、重合時間は特に制限はないが、一般に10秒以上100分以下が選ばれる。
この様にして得られた重合体は、重合体中に含有する触媒により解重合を起こすため、触媒を失活する必要がある。失活方法としてはまず、塩基性中和剤を含む水溶液中又は有機溶媒中で失活する方法が挙げられる。塩基性中和剤としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化カルシウム等が挙げられ、又有機溶媒としては、n−ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。失活温度は20〜90℃、好ましくは30〜60℃である。又失活時間は5分〜200分である。又、触媒をより完全に失活するために、重合体を粉砕する事も可能である。重合触媒が失活された後、重合体を含有する失活液は、濾過、洗浄され、さらに乾燥される。
上記の失活方法により得られた重合体が不安定な末端水酸基を有する場合には、従来公知の方法で、例えばトリエチルアミン水溶液などの塩基性物質と加熱処理をする事によって不安定部分を分解除去する。以上の方法により、ポリアセタール樹脂が得られる。
本発明で用いるポリアルキレングリコールとは、炭素数が2〜6のアルキレングリコールの単独重合体、共重合体及びその誘導体が含まれる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの炭素数が2〜6のポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンのランダム又はブロック共重合体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンのグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンのモノブチルエーテルなどの共重合体類が挙げられる。中でも好ましくは、オキシエチレン単位を有する重合体、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体及びそれらの誘導体である。また、前記ポリアルキレングリコールの数平均分子量は、1000〜1000000、好ましくは2000〜50000である。ポリアルキレングリコールの数平均分子量が1000未満である場合、光ディスク用摺動部品の表層部にポリアルキレングリコールが存在し十分な摺動性が付与されるが、低分子量である為に長期間安定した摺動性を保持する事ができない。一方、ポリアルキレングリコールの数平均分子量が1000000を超える場合は、光ディスク用摺動部品の表層部にポリアルキレングリコールが多く存在しない為に光ディスクとの摺動性が不足し、光ディスク表面を傷つけてしまう。
脂肪酸エステルとしては、直鎖状又は分岐状脂肪酸エステルのいずれも使用でき、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく不飽和脂肪酸であってもよい。また、一部の水素原子がヒドロキシル基などの置換基で置換されたものも使用できる。脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数10以上の1価又は2価の脂肪酸、例えば、1価の飽和脂肪酸、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチレン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸や、炭素数10以上の1価の不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸などの不飽和脂肪酸、また炭素数10以上の二価の脂肪酸、例えば、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸及びデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸である。これらの脂肪酸は一種又は二種以上組み合せて使用できる。前記脂肪酸には、1つ又は複数のヒドロキシル基を分子内に有する脂肪酸も含まれる。
脂肪酸エステルのアルキレングリコール付加物を構成するアルコールは、その種類は特に制限されないが多価アルコールが好ましい。前記多価アルコールとしては、炭素数が2〜8の多価アルコール又はその重合体で、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどの炭素数が2〜8のアルキレングリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン又はこれらの誘導体などのトリオール類、ペンタエリスリトール、ソルビタン又はこれらの誘導体などのテトラオール類、及びポリエチレングリコールやプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールなどの単独又は共重合体、ポリグリセリンである。このようなポリアルキレングリコールは、炭素数12以上の脂肪酸とのエステルとして好適に使用され、これらの多価アルコールは一種又は二種以上を組み合せても良い。また、脂肪酸エステルは、前記脂肪酸と前記アルコールとで構成され、モノエステル、ジエステル、トリエステルなど1又は複数のエステル結合を有していてもよい。
脂肪酸エステルの例としては、エチレングリコールジステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリントリパルミチン酸エステル、ポリグリセリントリステアリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノウンデシル酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコールのモノラウレート、モノパルミテート、モノステアレート、ジラウレート、ジパルミテート、ジステアレート、ジベヘネート、ジモンタネート、ジオレート、ジリノレートなどが挙げられる。
上記のポリアルキレングリコール化合物、脂肪酸エステル化合物及びこれら化合物から合成される脂肪酸エステルのアルキレングリコール付加物の添加量は、特に制限するものではないが、その目的に応じて適宜選択すれば良いが、好ましくは、ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1重量部〜10重量部であり、また、これら化合物は1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明はその目的に応じて、従来公知の添加剤、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、脂肪酸金属塩や含窒素化合物などの熱安定剤及び窒化ホウ素や炭酸カルシウムに代表される核剤、帯電防止剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、耐候(光)安定剤、顔料等の化合物を適宜選択し添加する事も可能である。
本発明で言う光ディスク駆動装置部品とは、特にその名称、部品名を指定するものではないが、光ディスクを挿入する際のガイド部品であるディスクガイド部品や、光ディスクを押さえるクランパー部品、ディスクローダーやレンズプロテクター部品など、光ディスクを挿入時や作動時或いは取出し時に直接接触する、或いは光ディスクと摺動する駆動部品を言う。
上記光ディスク駆動装置部品の成形方法は特に指定するものではなく、一般に用いられている射出成形によって得る事ができ、得られた駆動装置部品は摺動性に優れ、光ディスク表面の傷付き性を改善する事ができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない。尚、実施例中の各種測定方法は、次の通りである。
<測定方法>
(A)ポリアセタール樹脂中のオキシアルキレン単位挿入率とシーケンス分析方法
ポリアセタール樹脂10gを100mlの3規定塩酸水溶液に入れ、密封容器中で120℃×2時間加熱分解させる。冷却後、水溶液中のアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールの量をガスクロマトグラフィー(FID)にて測定し、オキシアルキレンユニットの量をオキシメチレンユニットに対するモル%で表す。ガスクロマトグラフィーの条件は、以下の通りとする。
a) GC−MS
・カラム:TC−WAX(30m)
・INJ温度:230℃ DET温度:250℃
b) GC(FID)
・カラム:TENAX(1.1m) カラム温度:150℃
・INJ温度:230℃
(B)メルトフローレート(MFR)値測定方法
ASTM D1238 E条件(2.16kg、190℃)に準じて測定した。
(C)光ディスク傷つき性評価方法
a) POM製ピン型成形品の成形条件
成形機:80トン射出成形機
金型:先端5φで高さ12mmの円柱型成形品
樹脂温度:195℃(ノズル出の温度)
金型温度:40℃(固定側、移動側とも)
成形サイクル:射出時間/冷却時間=5秒/12秒
b) 傷つき性試験
図1に示したように、上記先端5φの円柱型成形品をCD−Rの記録面上に載せ、その状態で先端5φの円柱成形品の上から200grの荷重を加え、円柱成形品を往復回数100回まで動かした。その後、摺動面を変えて合計10回繰返し、CD−R記録面上に付いている傷の本数を光学顕微鏡(×25倍)で観察した。この時のディスク往復動速度を10mm/sec、往復動距離を10mmとした。
c) 傷つき性評価基準
記号◎:傷発生本数が0本。記録面上に傷は全く発生していない。
記号○:傷発生本数が1〜2本。
記号△:傷発生本数が3〜5本
記号×:傷発生本数が5本以上
(D)使用した化合物
d−1:ポリエチレングリコール(数平均分子量:6000)
d−2:グリセリンモノステアレート
d−3:エチレングリコールジステアリン酸エステル
d−4:ポリエチレングリコールモノステアリン酸エステル(PEG40モル)
[実施例1]
高純度トリオキサン(トリオキサン中の水≦5ppm、蟻酸10ppm)と1,3−ジオキソラン、分子量調節剤としてメチラールを2枚のΣ羽根を有するニーダーに入れ、70℃に昇温した。次に、三弗化ホウ素ジブチルエーテルを加え重合反応を開始させた。重合反応開始30分後にトリエチルアミン5%を含む水をモノマーに対して100重量部加え1時間攪拌し触媒を失活させ、内容物を取出し微粉砕した。微粉砕したポリマーは濾過し、アセトン洗浄後、乾燥した。得られたポリマー100重量部に対して、水5重量部、トリエチルアミン1重量部、ペンタエリスリチルーテトラキス〔3−(3、5―ジーtert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(Irganox1010、チバガイギー社製)0.3重量部添加し、ベント付2軸押出し機を用いて200℃、50Torrで溶融混練し、不安定末端部を除去・安定化した。その後、ポリアセタール樹脂中のオキシアルキレン単位挿入量とシーケンス及びMFR値を測定した。
この安定化したポリアセタール樹脂100重量部に対して、数平均分子量が6000のポリエチレングリコールを1重量部添加し、30φのベント付き短軸押出し機で溶融混練した。得られたポリアセタール樹脂組成物を射出成形機を用いてピン型成形品を成形し、光ディスク傷つき性を評価した。結果を表1に示した。
[実施例2〜7、比較例1]
添加した化合物の種類を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
[実施例8〜12、比較例2]
オキシアルキレン単位挿入量とシーケンス及びMFR値が異なるポリアセタール樹脂を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
Figure 2007200498
本発明のポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品は、光ディスクと直接接触或いは摺動させる際のディスク傷つき性を低減することができるので、CDやDVDを始めとする光ディスクは、オーディオ、カーナビゲーションシステム、パソコン関連機器など多岐に亘って好適に利用することができる。
実施例記載の光ディスク傷つき性評価方法を示す概念図である。

Claims (2)

  1. ポリアセタール樹脂に、ポリアルキレングリコール化合物、脂肪酸エステル化合物、及び、該ポリアルキレングリコール化合物と該脂肪酸エステル化合物から合成される脂肪酸エステルのアルキレングリコール付加物より成る群から選ばれる少なくとも一種を添加してなり、該ポリアセタール樹脂がオキシメチレン単位[−(CHO)−]と下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位とを含んでおり、オキシメチレン単位とオキシアルキレン単位との合計量を100モル%としたとき、オキシアルキレン単位の含有量が0.1〜1.2モル%であることを特徴とするポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品。
    Figure 2007200498
    (R、R’は同一か又は異なっていても良く、水素、アルキル基、フェニル基より選ばれる。nは1以上の整数で、n=1の割合がオキシアルキレン単位全体の95モル%以上、n≧2の割合がオキシアルキレン単位の5モル%以下、m=2〜6)
  2. ポリアセタール樹脂のメルトフローレート値が、9〜60g/10minである事を特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂製光ディスク駆動装置部品。
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