JP2007198324A - 筒内直接噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火内燃機関 Download PDF

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亮和 酒井
Katsuaki Uchiyama
克昭 内山
Taizo Horigome
泰三 堀込
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Abstract

【課題】冷機時に触媒を早期活性化するとともに、HCの一次ピークの悪化を回避する。
【解決手段】触媒コンバータの早期昇温が要求される内燃機関の冷間始動時に、点火時期ADVを大きくリタードし、比較的低い燃圧で、圧縮行程中に1回目の燃料噴射I1を行い、膨張行程中でかつ点火時期ADVから10°〜20°CA先行した時期に2回目の燃料噴射I2を行う。1回目の噴霧で点火プラグ近傍にコンパクトな混合気塊が形成され、2回目の噴霧で、その内側にさらにリッチな混合気塊が局部的に形成され、点火される。サイクル毎の変化に対するロバスト性が高くなり、かつクエンチ領域やクレビスでのHCの発生が低減する。燃料噴射弁は、排気弁側に配置され、吸気弁側へ燃料を噴射するので、排気弁近傍に生じる未燃HCが少なくなり、排気弁が開いた瞬間のHC一次ピークが低減する。
【選択図】図2

Description

この発明は、筒内に燃料を直接に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関に関し、特に、排気系の触媒コンバータの早期昇温(早期活性化)が要求される冷間始動時などにおける噴射時期および点火時期の制御に関する。
特許文献1には、筒内直接噴射式火花点火内燃機関の触媒暖機方法として、排気浄化用の触媒コンバータが活性温度よりも低い未暖機状態のときに、吸気行程から点火時期にかけての期間内で、部分的な空燃比の濃淡を有する混合気を燃焼室内に形成する後期噴射と、この後期噴射より前に燃料を噴射して、後期噴射の燃料と後期噴射の燃焼とで延焼可能な、理論空燃比よりもリーンな空燃比の混合気を燃焼室内に生成する早期噴射と、の少なくとも2回の分割噴射を行い、かつ点火時期をMBT点より所定量リタードさせるとともに、機関の無負荷領域では点火時期を圧縮上死点よりも前に設定し、無負荷領域を除く低速低負荷領域では点火時期を圧縮上死点以降までリタードさせる技術が記載されている。上記後期噴射は、圧縮行程の中期以降、例えば120°BTDC〜45°BTDCに行われる。
また、特許文献2は、本出願人が先に提案したものであって、高圧燃料噴射の噴霧エネルギによる筒内の乱れを利用することで、点火時期を圧縮上死点後までリタードした燃焼を安定的に得るようにした技術が記載されており、その一つの例として、1回目の燃料噴射を圧縮行程後期に行い、2回目の燃料噴射を膨張行程の点火の直前に行うことが開示されている。
特許第3325230号公報 特開2005−214039号公報
しかしながら、特許文献1では、主に、1回目の燃料噴射(早期噴射)を吸気行程中に行い、2回目の燃料噴射(後期噴射)を圧縮行程中の120°BTDC〜45°BTDCに行っているため、燃焼安定性が低く、特に、無負荷領域では、点火時期を圧縮上死点前(BTDC点火)としている。従って、点火時期のリタードによる排温上昇やHCの低減を十分に達成することができない。
しかも、1回目の噴射を吸気行程中に行うと、燃焼室内のクエンチ領域やクレビスに燃料が入り込み、HCの発生源となる。
また上記従来技術では、燃焼が不安定化することから、燃焼室内にHCが多く生成され、排気弁が開いたときに排気ポートへ流出する、いわゆる一次ピークにおけるHC濃度が高くなる、という不具合がある。特に、この一次ピークのHC量は、燃料噴射時期を遅角することに伴い、燃焼室容積が小さくなった状態で燃料が噴射されることから壁面に付着する燃料量が増え、その結果、さらに増加する傾向となる。つまり、点火時期の遅角により排気温度が高くなっても、逆にHC増加が生じる虞がある。
一方、特許文献2においては、1回目の燃料噴射を圧縮行程後期に行い、2回目の燃料噴射を膨張行程の点火の直前に行うが、2回目の燃料噴射による筒内の乱れに依存して燃焼が成立するので、高い燃圧が要求される。その結果、燃焼が相対的(燃圧が低い場合に比べて)に早くなり、排気温度の上昇さらにはこれに関連するHCの低減の点で、なお改善の余地があった。
本発明は、このような実状を踏まえて、触媒の早期活性化およびHC低減などのための超リタード燃焼での燃焼安定性を改善するとともに、HCの一次ピークを抑制することを目的としている。
この発明は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁および点火プラグを備え、所定の運転状態のとき、例えば触媒コンバータの冷機時のような排気ガス温度の昇温が必要な場合などに、点火時期を圧縮上死点後に設定した超リタード燃焼を行う筒内直接噴射式火花点火内燃機関において、
超リタード燃焼時には、圧縮行程中に1回目の燃料噴射を行い、点火プラグ近傍の燃焼室の一部にリッチな混合気を形成するとともに、
局部的にさらにリッチな混合気が点火時期に点火プラグに到達するように点火時期から所定期間先行したタイミングでかつ膨張行程中に2回目の燃料噴射を行い、
点火プラグ近傍の燃焼室の一部に2段階の成層混合気を形成した状態で点火することを特徴としている。
そして、さらに、噴射された燃料による混合気が、燃焼室の中で吸気弁寄りに相対的に多く偏在するように構成されている。
すなわち、この発明では、燃料噴射の噴霧エネルギに依存せずに、比較的低い燃圧での2回の燃料噴射によって、燃焼室内にコンパクトな成層混合気を形成する。そして、特に、点火時期においては、2回目の燃料噴射の噴霧によって局部的にリッチな混合気塊が点火プラグ近傍に存在し、その周囲を囲んで、1回目の燃料噴射による理論空燃比よりはリッチでかつ点火プラグ付近よりは希薄な混合気塊が存在した状態となる。つまり、濃度が2段階に異なるコンパクトな成層混合気を形成し、この状態で点火を行う。なお、1回目の燃料噴射による混合気は、燃焼室全体には拡散しないようにすることが望ましい。
このような燃焼方式によれば、サイクル毎の微小な回転数の変化や微小な負荷の変化などに対し安定した燃焼が可能である。そして、2回の燃料噴射をいずれも筒内圧の高い場に比較的低い燃圧で噴射するので、噴霧がコンパクトとなって、クエンチ領域やクレビスに入りにくく、従って、HCの発生が抑制される。また、比較的低い燃圧の利用が可能となることから、燃焼速度を抑制でき、排気温度の上昇やHCの低減の上で有利となる。
また図17は、一般的な筒内直接噴射式火花点火内燃機関におけるHC排出濃度(排気ポートでの濃度)の特性と、その排出メカニズムを示したものであり、図示するように、排気ポートでのHC濃度は、排気行程の初期(排気弁の開き始め)における一次ピークと、排気行程の末期(排気弁が閉じる直前)における二次ピークと、を有する。一次ピークは、図(a)に示すように、燃焼室内の排気弁近傍に存在していた未燃HCが、排気弁の開弁の瞬間に排気ポート側へ流出するものである。また二次ピークは、図(b)に示すように、ピストン冠面やボア壁面に付着していた燃料やクレビス内の未燃成分が、ピストンにより押し出されることにより、HC濃度が高くなるものである。
本発明では、噴射された燃料による混合気が、燃焼室の中で吸気弁寄りに相対的に多く偏在するため、膨張行程末期における排気弁近傍の未燃HCが少なくなり、排気弁の開き始めに生じるHC濃度の一次ピークが抑制される。
噴射された燃料を燃焼室の中で吸気弁寄りに相対的に多く偏在させることは、燃料噴射弁の位置や燃料噴霧の方向あるいはピストン頂部の構成等の種々の手段によって達成し得る。
この発明によれば、点火時期を圧縮上死点後に設定した超リタード燃焼の燃焼安定性が向上し、例えば冷間始動の際に、排気温度の上昇により触媒の早期活性化およびHC低減を達成することができる。特に、噴射された燃料による混合気が吸気弁寄りに多く偏在するため、排気弁の開き始めにおけるHC濃度の一次ピークを抑制することができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明が適用される筒内直接噴射式火花点火内燃機関のシステム構成を示す構成説明図である。
この内燃機関1のピストン2により形成される燃焼室3には、吸気弁(図示せず)を介して吸気通路4が接続され、かつ排気弁(図示せず)を介して排気通路5が接続されている。上記吸気通路4には、吸入空気量を検出するエアフロメータ6が配設されているとともに、制御信号によりアクチュエータ8を介して開度制御される電子制御スロットル弁7が配設されている。排気通路5には、排気浄化用の触媒コンバータ10が配設されているとともに、その上流側および下流側にそれぞれ空燃比センサ11,12が設けられており、さらに、上流側の空燃比センサ11と並んで、触媒コンバータ10入口側での排気温度を検出する排気温度センサ13が設けられている。
燃焼室3の中央頂上部には、点火プラグ14が配置されている。また、燃焼室3の排気通路5側の側部に、該燃焼室3内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁15が配置されている。この燃料噴射弁15には、高圧燃料ポンプ16およびプレッシャレギュレータ17によって所定圧力に調圧された燃料が、高圧燃料通路18を介して供給されている。従って、各気筒の燃料噴射弁15が制御パルスにより開弁することで、その開弁期間に応じた量の燃料が噴射される。なお、19は、燃圧を検出する燃圧センサ、20は、上記高圧燃料ポンプ16へ燃料を送る低圧燃料ポンプである。
また内燃機関1には、機関冷却水温を検出する水温センサ21が設けられているとともに、クランク角を検出するクランク角センサ22が設けられている。さらに、運転者によるアクセルペダル踏み込み量を検出するアクセル開度センサ23が設けられている。
上記内燃機関1の燃料噴射量や噴射時期、点火時期、等は、コントロールユニット25によって制御される。このコントロールユニット25には、上述した各種のセンサ類の検出信号が入力されている。コントロールユニット25は、これらの入力信号により検出される機関運転条件に応じて、燃焼方式つまり均質燃焼とするか成層燃焼とするかを決定するとともに、これに合わせて、電子制御スロットル弁7の開度、燃料噴射弁15の燃料噴射時期および燃料噴射量、点火プラグ14の点火時期、等を制御する。
暖機完了後においては、通常の成層燃焼運転ないしは均質燃焼運転が行われる。例えば、低速低負荷側の所定の領域では、通常の成層燃焼運転として、圧縮行程の適宜な時期に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前の時期に点火が行われる。燃料噴霧は点火プラグ14近傍に層状に集められ、これにより、例えば空燃比をリーンとした成層燃焼が実現される。また、高速高負荷側の所定の領域では、通常の均質燃焼運転として、吸気行程中に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前のMBT点近傍において点火が行われる。この場合は、燃料は筒内で均質な混合気となる。
本発明は、触媒コンバータ10の早期昇温が要求される内燃機関1の冷間始動時において、排気温度を高温とするように、超リタード燃焼を行うものであり、以下、この超リタード燃焼の燃料噴射時期および点火時期を図2に基づいて説明する。
図2は、超リタード燃焼の際の燃料噴射時期および点火時期の一実施例を示しており、点火時期ADVは、排気温度を十分に高く得るために、10°〜50°ATDCに設定される。つまり、期間Bは、10°〜50°CAである。また、圧縮行程中に1回目の燃料噴射I1を行い、かつ膨張行程中に2回目の燃料噴射I2を行う。1回目の燃料噴射I1は、点火プラグ14近傍の燃焼室3の一部に拡がったリッチな混合気を形成するためのものであり、その燃料噴射時期(詳しくは燃料噴射開始時期)から点火時期ADVまでの期間Cが、例えば50°〜140°CAに設定される。つまり、この1回目の燃料噴射I1による燃料噴霧が、燃焼室3内にある程度拡散するものの、過度に拡散しないように、その燃料噴射時期が設定される。期間Cが過度に長いと、燃料噴霧が拡散し過ぎ、クエンチ領域やクレビス内に燃料成分が入ってしまう。
そして、膨張行程中の2回目の燃料噴射I2は、局部的にさらにリッチな混合気塊が点火時期ADVにおいてちょうど点火プラグ14に到達するように、点火時期ADVから所定期間Aだけ先行したタイミングに行われる。この燃料噴射時期(詳しくは燃料噴射開始時期)から点火時期ADVまでの期間Aは、基本的に燃料噴射弁15から点火プラグ14までの距離に相関するが、例えば、10°〜20°CAである。
なお、このとき、空燃比(2回の噴射による燃焼室全体の平均的空燃比)は、理論空燃比ないしはこれよりも若干リーン(16〜17程度)に設定される。これにより、HCの後燃えに必要な必要十分な量の酸素が確保される。
また、燃料噴霧のエネルギによる乱れに依存せずに燃焼を行うので、燃圧としては、後述するように燃焼が成立する範囲内で、比較的低い燃圧が用いられる。
上記のように燃料噴射を行うことにより、点火時期ADVにおいては、図3に示すように、点火プラグ14を囲む2段階の濃度を有するコンパクトな成層混合気が形成される。つまり、1回目の燃料噴射I1によって、理論空燃比よりもリッチな第1の混合気塊が符号31で示すように点火プラグ14近傍の燃焼室3の一部に形成され、その内側に、2回目の燃料噴射I2による、さらにリッチな第2の混合気塊が符号32に示すように点火プラグ14近傍に局部的に形成される。2回の燃料噴射は、いずれも上死点近傍の筒内圧が高い場に向かって行われ、かつ燃圧も比較的低いので、いずれの噴霧もコンパクトなものとなり、第1の混合気塊31の外側は、基本的に燃料が拡散していない新気の層となる。そして、このように成層化した状態で点火プラグ14により第2の混合気塊32に点火が行われ、比較的に緩慢に燃焼が行われる。
この本発明の方式のリタード燃焼では、1回目の燃料噴射I1の噴射時期は、燃焼安定性つまり失火率やトルク変動に殆ど影響せず、また2回目の燃料噴射I2の噴射時期の変動が失火率やトルク変動に与える影響も小さい。
図4は、膨張行程噴射つまり2回目の燃料噴射I2の噴射時期が最適噴射時期から変化した場合の失火率およびトルク変動の変化を示しており、実施例の特性では、噴射時期が多少変化しても、失火率やトルク変動が急激に悪化しない。これに対し、膨張行程中に1回に全量を噴射する参考例の特性では、その噴射時期が最適噴射時期から僅かでも変化すると、失火率やトルク変動が急激に悪化してしまう。
従って、本発明のものでは、サイクル毎の微小な回転数の変化や微小な負荷の変化などにより2回目の燃料噴射I2の噴射時期の最適値が変化しても、失火率やトルク変動が増大することがなく、安定した燃焼が得られる。つまりサイクル変化に対するロバスト性が高いものとなる。
また、本発明では、混合気がコンパクトとなり、クエンチ領域やクレビスに燃料成分が入り込まないので、これらの箇所から発生するHCが低減する。
さらに、図5の(a)に示すように、本発明の燃焼方式では、燃圧を低くしても燃焼の悪化(例えばトルク変動)が少なく、他方、燃圧を低くすることで、(b)に示すように、排気温度がより高く得られ、かつこれに伴って、(c)に示すように、HC排出量が低減する。これは、燃圧を低くすることで、燃焼が遅くなり、より遅くまで燃焼が行われるためである。従って、本発明では、燃焼が成立する範囲内で、燃圧を低くすることが望ましい。これにより、排気温度がより高く得られ、かつHCがより低減する。
一方、上記の燃焼終了後、排気弁が開いた瞬間に、未燃HCが排気ポートへ流出し、いわゆる一次ピークとなるが、上記実施例の構成では、燃焼室3の排気弁側の側部に設けられた燃料噴射弁15から吸気弁側へ向かって燃料が噴射されるので、図3に示したように、混合気が吸気弁側に相対的に多く偏在し、排気弁側に存在する燃料の割合が相対的に少なくなる。そのため、膨張行程末期に燃焼室3内に生じる未燃のHCは、吸気弁寄りに多く存在し、排気弁側は相対的に少なくなる。従って、排気弁が開いた瞬間に排気ポート側へ流出する未燃HCが減少し、HC濃度の一次ピークが低減する。
次に、上記のように混合気を吸気弁側に多く偏在させるための燃料噴射弁15等の配置の異なる実施例を説明する。
図6の実施例においては、1つの気筒に対し、一対の吸気弁41と一対の排気弁42とが設けられており、これらの4つの弁に囲まれた燃焼室3天井面中央部に、燃料噴射弁15が配置されているとともに、該燃料噴射弁15に隣接して点火プラグ14が配置されている。上記燃料噴射弁15からは、ピストン2頂部へ向かってシリンダ軸線に沿うように燃料が噴射される。より具体的には、燃焼室天井面において、シリンダ軸線cよりも一対の排気弁42寄りに偏って燃料噴射弁15先端が位置し、かつ一対の吸気弁41寄りに偏って点火プラグ14が位置する。上記燃料噴射弁15は、その中心軸線mと同軸状に円錐形の噴霧が形成される一般的な構成であって、先端位置に対し基端側が排気弁42寄りとなるように、中心軸線mがシリンダ軸線cに対し傾斜した姿勢でシリンダヘッド4に取り付けられている。従って、燃料噴射方向は、吸気弁41側へ傾斜しており、上述のように機関冷機時に圧縮上死点付近で噴射された燃料は、燃焼室3の中で、吸気弁41寄りに相対的に多く偏在し、排気弁42側に存在する燃料の割合は相対的に少なくなる。
そのため、前述した実施例と同じく、排気弁42が開いた瞬間に排気ポート43側へ流出する未燃HCが減少し、HC濃度の一次ピークが低減する。
なお、上記構成では、燃料噴射弁15先端が排気弁42寄りに偏って位置しているため、均質燃焼運転として吸気弁41が開いている吸気行程中に燃料を噴射した際に、燃料噴霧が吸気弁41の弁頭部に衝突することがない。従って、この吸気弁41への燃料付着による均質燃焼運転時のHC悪化が回避される。
次に、図7に示す実施例では、燃焼室3に臨む燃料噴射弁15の先端位置が、シリンダ軸線c上に位置している。燃料噴射弁15の中心軸線mは図6の実施例と同様に傾斜しており、従って、圧縮上死点付近で噴射された燃料は、上記実施例と同様に、吸気弁41寄りに多く偏在する。なお、この場合、点火プラグ14の位置としては、図示するように燃料噴射弁15よりも吸気弁41側に配置してもよく、あるいは、燃料噴射弁15よりも排気弁42側に配置してもよい。
次に、図8に示す実施例は、図6、図7の実施例と同様に傾斜した姿勢で取り付けられる燃料噴射弁15の先端位置を、シリンダ軸線cよりもさらに吸気弁41寄りに配置したものである。この場合、点火プラグ14は、燃料噴射弁15よりも排気弁42側に配置される。
また、図9に示す実施例は、燃料噴射弁15の中心軸線mがシリンダ軸線cに一致するように、燃料噴射弁15が燃焼室3の中心に垂直に配置されているとともに、燃料が吸気弁41寄りへ多く偏在するように、噴霧中心軸線fが、燃料噴射弁15の中心軸線mに対し吸気弁41側へ傾斜している。つまり、円錐形の噴霧が燃料噴射弁15自体に対して斜めに噴射される構成となっている。この場合、点火プラグ14は、図示していないが、燃料噴射弁15よりも吸気弁41側に配置してもよく、排気弁42側に配置してもよい。
図10に示す実施例は、図9の実施例と同じく、燃料噴射弁15の中心軸線mがシリンダ軸線cに一致するように、燃料噴射弁15が燃焼室3の中心に垂直に配置されているものであって、特に、噴霧内の燃料分布が不均一となる形式の燃料噴射弁15が用いられ、これを利用して、燃料が吸気弁41寄りへ多く偏在するように構成されている。
一つの例としては、図11(a),(b)に示すように、先端面15aに多数の微細な噴孔15bを配置した公知のマルチホール型燃料噴射弁を用い、その噴孔15bを一方の側に多く配置することによって、細い噴霧Fからなる燃料の分布を偏らせることができる。
また、他の例としては、図12(a),(b)に示すように、噴孔部分の形状を異形とすることで、断面C字形の噴霧Fを形成するようにした公知の燃料噴射弁15を用いることができる。このものでは、燃料噴射弁15の中心軸線mに直交する面b−bでの噴霧の断面における燃料の分布が、C字形の中央部に多く偏ったものとなる。従って、吸気弁41寄りに燃料を多く偏らせることができる。
次に、図13の実施例は、燃料噴射弁15を、その中心軸線mがシリンダ軸線cと平行になるように、かつシリンダ軸線cから排気弁42側に偏って位置するように、配置したものである。そして、図11あるいは図12で説明した構成の燃料噴射弁15を用いることで、燃料が吸気弁41寄りに多く偏在するようになっている。この実施例では、燃料噴射弁15が吸気弁41から離れて位置するので、図6の実施例で説明したように、吸気行程噴射の際に、吸気弁41の弁頭部に噴霧が衝突することがない。
次に、図14の実施例は、燃料噴射弁15を、その中心軸線mがシリンダ軸線cと平行になるように、かつシリンダ軸線cから吸気弁41側に偏って位置するように、配置したものである。噴霧中心軸線は燃料噴射弁15の中心軸線mと一致している。従って、燃料が吸気弁41寄りに多く偏在する。
次に、ピストン2の頂部の形状の工夫によって、圧縮上死点後に噴射された燃料が吸気弁41寄りに相対的に多く偏在するように構成した実施例について説明する。
図15の実施例は、ピストン2の頂部の吸気弁41側にキャビティ45が形成されているとともに、排気弁42側に、該排気弁42に近接する凸部46が形成されているものであって、特に、凸部46頂面と排気弁42側の燃焼室3天井面との間には、スキッシュによる噴霧引き込み効果が生じない程度の比較的大きな間隙47が設けられている。この実施例では、燃焼室3の中心に位置する燃料噴射弁15から垂直に噴射された燃料噴霧は、キャビティ45の底面に衝突して吸気弁41側へ反射する。これにより、吸気弁41側に多く偏在する。
また図16の実施例は、ピストン2の頂部の略中央部にキャビティ45が形成されているとともに、吸気弁41側に位置する凸部46の頂面が、吸気弁41側の燃焼室3天井面との間でスキッシュエリアを構成するように、互いに近接する構成となっている。この実施例では、ピストン2が上死点から下降する際に、吸気弁41側のスキッシュエリアによって引き込み効果が生じ、上死点後にキャビティ45へ向けて噴射された燃料噴霧が吸気弁41側へ引き寄せられる。これにより、吸気弁41側に相対的に多くの燃料が偏在する。
本発明に係る内燃機関全体のシステム構成を示す構成説明図。 本発明の超リタード燃焼の燃料噴射時期および点火時期を示す特性図。 燃焼室内に形成される成層混合気の状態を示す説明図。 膨張行程噴射の噴射時期と(a)トルク変動および(b)失火率との関係を示す特性図。 燃圧と、(a)トルク変動、(b)排気温度、(c)HC排出量、との関係を示す特性図。 燃料噴射弁および点火プラグの配置の異なる実施例を示す断面図。 燃料噴射弁先端位置をシリンダ軸線c上とした実施例の断面図。 燃料噴射弁先端位置を吸気弁寄りとした実施例の断面図。 噴霧中心軸線が燃料噴射弁の中心軸線に対し傾斜した実施例の断面図。 噴霧内の燃料分布を不均一とした実施例の断面図。 燃料分布が不均一となる燃料噴射弁の一例の説明図であり、(a)は噴霧を側方から見た説明図、(b)は正面から見た説明図。 燃料分布が不均一となる燃料噴射弁の他の例の説明図であり、(a)は噴霧を側方から見た説明図、(b)はb−b線に沿った噴霧の断面図。 燃料噴射弁を排気弁寄りに配置した実施例の断面図。 燃料噴射弁を吸気弁寄りに配置した実施例の断面図。 ピストン頂部の形状により燃料を吸気弁寄りに多く偏在させるようにした一実施例を示す断面図。 ピストン頂部の形状により燃料を吸気弁寄りに多く偏在させるようにした他の実施例を示す断面図。 一般的な筒内直接噴射式火花点火内燃機関におけるHC排出濃度の特性を、その排出メカニズムとともに示した特性図。
符号の説明
3…燃焼室
10…触媒コンバータ
14…点火プラグ
15…燃料噴射弁
25…コントロールユニット

Claims (11)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁および点火プラグを備え、所定の運転状態のときに、点火時期を圧縮上死点後に設定した超リタード燃焼を行う筒内直接噴射式火花点火内燃機関において、
    超リタード燃焼時には、圧縮行程中に1回目の燃料噴射を行い、点火プラグ近傍の燃焼室の一部にリッチな混合気を形成するとともに、
    局部的にさらにリッチな混合気が点火時期に点火プラグに到達するように点火時期から所定期間先行したタイミングでかつ膨張行程中に2回目の燃料噴射を行い、
    点火プラグ近傍の燃焼室の一部に2段階の成層混合気を形成した状態で点火するように構成され、
    さらに、噴射された燃料による混合気が、燃焼室の中で吸気弁寄りに相対的に多く偏在するように構成されていることを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  2. 超リタード燃焼における点火時期は、圧縮上死点後10°〜50°CAであることを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  3. 2回目の燃料噴射の噴射開始時期から点火時期までの期間が10°〜20°CAであることを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  4. 1回目の燃料噴射の噴射開始時期から点火時期までの期間が50°〜140°CAであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  5. 超リタード燃焼における空燃比は、理論空燃比もしくは若干リーンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  6. 所定の運転状態として、排気ガス温度の昇温が要求されたときに、上記超リタード燃焼を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  7. 燃焼が成立する範囲内で低い燃圧を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  8. 上記燃料噴射弁が、燃焼室の排気弁側の側部に配置されており、吸気弁側へ向かって燃料を噴射することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  9. 上記燃料噴射弁が、燃焼室天井面中央部に配置され、ピストン頂部へ向かって燃料を噴射するとともに、燃料噴射方向が吸気弁側へ向かうように、上記燃料噴射弁の中心軸線が、シリンダ軸線に対し傾斜していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  10. 上記燃料噴射弁が、燃焼室天井面中央部に配置され、ピストン頂部へ向かって燃料を噴射するとともに、燃料噴射方向が吸気弁側へ向かうように、上記燃料噴射弁の中心軸線に対し、噴霧中心軸線が傾斜していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
  11. 上記燃料噴射弁が、燃焼室天井面中央部に配置され、ピストン頂部へ向かって燃料を噴射するとともに、燃料が吸気弁寄りに多く偏在するように、燃料噴射弁の中心軸線に直交する噴霧の断面における燃料の分布が不均一となっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関。
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