JP2007197668A - マーキング用粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に、粘着剤層を有すると共に、他方の面にアクリル系高分子型紫外線吸収層が設けられた粘着シートであって、前記アクリル系高分子型紫外線吸収層が、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を含むマーキング用粘着シート、及び前記アクリル系高分子重合体が架橋化されたものを含む、自動車用として用いられるマーキング用粘着シートである。
【選択図】なし
Description
一方、最近、前記用途の中で表示・標識用粘着シートや装飾用粘着シートなどのマーキング用粘着シートの分野においては、塗装製品の生産性の向上や製造コストの低減を図るために、塗装代替用としての粘着シートの需要が増加してきている。例えば表示・標識用として、危険表示用テープ、ラインテープ、マーキングテープなどが用いられ、また装飾用として、看板、ショーウインドや建造物の内外装、マーキングシート・ステッカーによる車やオートバイの装飾、自動車ドアサッシュ部の装飾などに粘着シートが用いられている。
このような塗装代替用粘着シートが適用される被着体としては様々なものがあり、例えば金属板、塗装金属板、ガラス、セラミックス、石材、木質材料、プラスチック、紙類などが挙げられる。
塗装代替用粘着シートにおいては、その貼付製品は屋外で使用されることが多く、基材及び粘着剤共に、耐候性に優れることが必要であり、粘着剤としては、通常耐候性が良好なアクリル系粘着剤が用いられる。一方、基材は、耐候性に優れると共に、収縮率が小さく、かつ貼付作業性の面からは、あまり硬質でないものが好ましく、したがって、例えば塩化ビニル系樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリ四フッ化エチレン、熱可塑性ポリウレタンなどからなるフィルム基材が用いられるが、経済性などの点で、これまで塩化ビニル系樹脂からなるフィルム基材が多用されてきた。
しかしながら、現在、環境対応の面より、マーキング用粘着シートにおいては、塩化ビニル系樹脂基材から、非塩化ビニル系樹脂基材への移行傾向が多く見られる。屋外で用いられる外装用のマーキング用粘着シートには、耐候性が求められるが、例えばポリエステル系フィルムやポリオレフィン系フィルムは、耐候性に劣り、基材のクラッキングや白化、着色基材の場合であれば色の劣化などが発生しやすい。
従来多用されていた塩化ビニル系樹脂基材は該基材に低分子量の紫外線吸収剤を含有させることで、耐候性を付与することは可能であるが、特に自動車マーキング用粘着シートに対しては、耐候性以外に、基材の光沢度、耐擦傷性、耐延伸時クラック性、耐薬品浸漬性(耐ガソリン浸漬性)などが要求されるものの、ポリエステル系基材などにおいては、これらを同時に満たすことは困難である。
ところで、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーを必須成分とするアクリル系共重合体、及び該アクリル系共重合体を用いてなるシュリンクフィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術におけるアクリル系共重合体は、収縮特性が適性で、紫外線吸収性が良好なシュリンクフィルムを得るために開発されたもので、ポリエステルやポリ塩化ビニルフィルムの表面に、該アクリル系共重合体やそれを含む樹脂組成物を塗布して被膜を形成しているが、該アクリル系共重合体の架橋化に関しては、全く言及されていない。そして、シュリンクフィルム用であるため、実施例においては、重量平均分子量が2万台のアクリル系共重合体(未架橋)が用いられている。したがって、この共重合体を用いて得られた被膜は、耐候性、耐擦傷性、耐延伸時クラック性、耐薬品浸漬性(耐ガソリン浸漬性)に劣るものと思われる。
すなわち、本発明は、
(1)非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に、粘着剤層を有すると共に、他方の面にアクリル系高分子型紫外線吸収層が設けられた粘着シートであって、前記アクリル系高分子型紫外線吸収層が、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を含むことを特徴とするマーキング用粘着シート(以下、マーキング用粘着シートIと称することがある。)、
(2)アクリル系高分子型紫外線吸収層が、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を架橋化したものを含む上記(1)項に記載のマーキング用粘着シート、
(3)非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に、粘着剤層を有すると共に、他方の面にアクリル系高分子型紫外線吸収層が設けられた粘着シートであって、前記アクリル系高分子型紫外線吸収層が、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を架橋化したものを含み、自動車用として用いられることを特徴とするマーキング用粘着シート(以下、マーキング用粘着シートIIと称することがある。)、
(4)分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体が、一般式(I)
で表される構造を有する上記(1)〜(3)項のいずれかに記載のマーキング用粘着シート、
(5)一般式(I)におけるAで示される紫外線吸収性ユニットが、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤ユニット又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ユニットである上記(4)項に記載のマーキング用粘着シート、及び
(6)アクリル系高分子型紫外線吸収層が、平均粒子径5μm以下のメチルシリコーンパウダー0〜20質量%を含む上記(1)〜(5)項のいずれかに記載のマーキング用粘着シート、
を提供するものである。
本発明のマーキング用粘着シートは、非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に、粘着剤層を有すると共に、他方の面にアクリル系高分子型紫外線吸収層が設けられた粘着シートである。そして、前記アクリル系高分子型紫外線吸収層が、マーキング用粘着シートIでは、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を含むことを特徴とし、一方、マーキング用粘着シートIIでは、前記アクリル系高分子重合体を架橋化したものを含み、自動車用として用いられることを特徴とする。
本発明のマーキング用粘着シートにおいて用いられる非塩化ビニル系樹脂基材(以下、基材ともいう)としては、該粘着シートが塗装代替用として使用されるため、収縮率が小さく、かつ貼付作業性の面から、あまり硬質でないものが好ましい。したがって、ポリエチレンテレフタレートや非晶質ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物などを用いて得られたシート基材を用いることができる。
これらの非塩化ビニル系樹脂基材は、その上に設けられる粘着剤層やアクリル系高分子型紫外線吸収層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、片面又は両面にプライマー処理を施したものも用いることができる。
この基材の厚さは、粘着シートの用途にもよるが、通常10〜300μmの範囲、好ましくは30〜200μmの範囲で選定される。
本発明のマーキング用粘着シートにおいて、前記非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に設けられる粘着剤層を形成する粘着剤としては特に制限はなく、従来マーキング用粘着シートの粘着剤層に慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤及びポリエステル系粘着剤などを用いることができる。これらの粘着剤は、エマルション型、溶剤型、無溶剤型のいずれであってもよい。粘着剤層の厚さは、通常1〜300μm、好ましくは5〜100μm程度である。
前記各種の粘着剤の中では、耐候性などの面から、アクリル系粘着剤が好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
前記アクリル系粘着剤に含まれるアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が用いられる。この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、活性水素をもつ官能基を有する単量体と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、所望により用いられる他の単量体の例としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN,N−ジアルキル置換アクリルアミド類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
該アクリル系粘着剤において、樹脂成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
該アクリル系粘着剤としては、架橋処理されたものが好ましく、この架橋処理に用いられる架橋剤としては特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアネート化合物やエポキシ化合物が好ましく用いられる。
本発明においては、この架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対し、通常0.01〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部の範囲で選定される。
また、このアクリル系粘着剤には、所望により粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤などを添加することができる。
本発明のマーキング用粘着シートにおいて、非塩化ビニル系樹脂基材の前記粘着剤層とは反対側の面に設けられるアクリル系高分子型紫外線吸収層におけるアクリル系高分子重合体は、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有するものである。
前記の分子内に紫外線吸収性ユニットを有する単量体としては、例えば一般式(I)
前記一般式(I)において、R1は置換基及び/又はエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基又はオキシアルキレン基を示し、mは0又は1を示す。ここで、炭素数1〜10のアルキレン基及びオキシアルキレン基は直鎖状であってもよく、分岐を有するものであってもよい。前記アルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種へキシレン基、各種オクチレン基、各種デシレン基などを挙げることができ、オキシアルキレン基としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシトリメチレン基、各種オキシブチレン基、各種オキシペンチレン基、各種オキシヘキシレン基、各種オキシオクチレン基、各種オキシデシレン基などを挙げることができる。
また、前記アルキレン基やオキシアルキレン基は、置換基及び/又はエーテル結合を有していてもよく、置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基又はオキソ基(=O)などが挙げられる。
R2は置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキレン基を示し、nは0又は1を示す。前記アルキレン基は直鎖状であってもよく、分岐を有するものであってもよい。該アルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種へキシレン基、各種オクチレン基などを挙げることができる。また、該アルキレン基は置換基を有していてもよく、この置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基などが挙げられる。
R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられるが、これらの中でメチル基が好ましい。Aは紫外線吸収性ユニットを示す。Dはエステル結合、アミド結合、エーテル結合又はウレタン結合を示し、具体的には、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−O−、−NHCOO−、−COONH−などである。
分子内に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤ユニットをもつ単量体としては、下記一般(II)で表される化合物を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ユニットをもつ単量体としては、下記一般式(III)で表される化合物を挙げることができる。
一方、前記一般式(III)において、R5のうちのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられるが、好ましくは塩素原子である。R5の位置については特に制限はないが、R5としては、水素原子が好ましい。R6のうちの炭素数1〜6の炭化水素基としては、アルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基などが挙げられる。このR6の置換位置については特に制限はないが、3位が好ましい。また、R1の好ましい置換位置は5位である。
前記一般式(II)で表される化合物としては、例えば2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノンなどを挙げることができる。
前記一般式(III)で表される化合物としては、例えば2−[2−ヒドロキシ−5−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−メチル−5−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−メチル−5−(アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(アクリロイルオキシブチル)フェニル]−5−メチルベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
本発明においては、前記の分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該アクリル系高分子重合体における分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位の含有量は、好ましくは5〜65質量%、より好ましくは20〜40質量%、さらに好ましくは25〜35質量%である。この含有量が5〜65質量%の範囲にあれば、被膜物性を損なうことなく、良好な紫外線吸収能を発揮することができる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜4のものが好ましく、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどが挙げられる。被膜物性向上の点で、メタクリル酸メチル及びアクリル酸ブチルが好適である。
前記エチレン性不飽和結合をもつ単量体としては、芳香族ビニル系化合物、アルキルビニルエーテル類、アルキルビニルエステル類などを用いることができる。
ここで、芳香族ビニル系化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、アルキルスチレンなどが挙げられる。アルキルビニルエーテル類としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどが挙げられ、アルキルビニルエステル類としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アシル基の炭素数2〜4のものが好ましく挙げられる。
これらのエチレン性不飽和単量体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
したがって、本発明のマーキング用粘着シートIIにおいては、該アクリル系高分子重合体の架橋化が必須であるので、前記の官能基含有単量体を用いることが肝要である。
この官能基含有単量体としては、官能基としてカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基などを有するものが好ましく、具体的には、前述のアクリル系粘着剤の説明において、活性水素をも官能基を有する単量体として例示した化合物と同じものを挙げることができる。この官能基含有単量体は1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、当該アクリル系高分子重合体における官能基含有単量体単位の含有量は、マーキング用粘着シートIにおいては、0〜20質量%程度、好ましくは0.001〜15質量%、より好ましくは0.01〜10質量%である。一方、マーキング用粘着シートIIにおいては、好ましくは0.001〜20質量%、より好ましくは0.001〜15質量%、さらに好ましくは0.01〜10質量%である。
分子内に酸化防止性ユニットをもつ単量体としては特に制限はないが、フェノール系のものが好ましく、例えば下記の式(IV)、(V)、(VI)で表されるアクリル系化合物などを挙げることができる。
一方、分子内に帯電防止性ユニットをもつ単量体としては特に制限はないが、四級アンモニウム塩型のものが好ましく、例えば一般式(VII)
で表されるアクリル系化合物などを挙げることができる。
当該アクリル系高分子重合体は、例えば前記の各単量体を、有機過酸化物化合物、アゾ系化合物、過硫酸塩などのラジカル重合開始剤を用い、従来公知の重合方法、例えば溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などによって製造することができる。
溶液重合法により、当該アクリル系高分子重合体を製造する場合には、適当な溶媒中において、油溶性の有機過酸化物やアゾ系化合物などのラジカル重合開始剤の存在下に、前記の各単量体を共重合させればよい。
この際、重合溶媒としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル等のエスエル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類など、公知の溶媒を使用することができる。また、これらの溶媒は単独で、又は2種以上混合して用いることができる。重合開始剤の使用量は、特に制限はないが、単量体全量に対し、0.05〜2質量%程度である。
一方、乳化重合法により、当該アクリル系高分子重合体を製造する場合には、必要に応じ乳化剤を用いて単量体成分を乳化させ、水溶性の有機過酸化物、アゾ系化合物、過硫酸塩などの重合開始剤の存在下に、共重合させればよい。
このようにして得られたアクリル系高分子重合体は、重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃の範囲にあることが必要である。重量平均分子量及びガラス転移温度が上記の範囲にあれば、耐候性及び耐擦過性などが良好となる。好ましい重量平均分子量は10万〜25万である。なお、該重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によるポリスチレン換算の値である。
当該アクリル系高分子重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
当該紫外線吸収層形成用塗工液には、前記アクリル系高分子重合体と共に、マーキング用粘着シートIにおいては、所望により架橋剤を含有させることができ、マーキング用粘着シートIIにおいては、必須成分として架橋剤を含有させる。このように架橋剤を含有させることにより、当該塗工液を基材に塗布し、加熱乾燥処理してアクリル系高分子型紫外線吸収層を形成させる際に、当該塗工液に含まれるアクリル系高分子重合体が架橋化され、形成されるアクリル系高分子型紫外線吸収層が、耐ガソリン浸漬性などの耐薬品浸漬性等に優れたものになる。
なお、架橋剤を加え、アクリル系高分子重合体を架橋化するには、前記アクリル系高分子重合体は、前述した官能基含有単量体成分を有することが肝要である。
ここで、ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体、弾性変性ポリイソシアネート、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト変性体などを挙げることができる。
前記弾性変性ポリイソシアネートとは、前記のトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート類をモノマーとして用い、これに弾性を有する活性水素含有化合物をウレタン反応させ、NCO末端のプレポリマーとしたものである。
イソシアネート類を弾性変性するために用いられる弾性を有する活性水素含有化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール又はこれらのコポリオールなどが挙げられる。
本発明においては、これらのポリイソシアネート化合物の中で、延伸時の耐クラック性の観点から、前記ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体が好適である。
本発明においては、この架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、前記アクリル系高分子重合体100質量部に対し、通常0.01〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部の範囲で選定される。
当該紫外線吸収層形成用塗工液には、形成される紫外線吸収層のグロス値を調整する目的で、平均粒子径が5μm以下のメチルシリコーンパウダーを含有させることができる。この平均粒子径が5μmを超えると紫外線吸収層の表面から、メチルシリコーン粒子が頭出しする場合があり、好ましくない。該平均粒子径は、グロス値調整効果などの点から、好ましくは2〜5μmである。粒子形状については特に制限はなく、例えば不定形、球形、コウンペイトウ形など、いずれも用いることができる。
このメチルシリコーンパウダーとしては、シロキサン結合が三次元的に結合した構造(CH3SiO3/2)をもつポリメチルシルセスキオキサンを例示することができる。該メチルシリコーンパウダーとしては、市販品として、例えば日興リカ(株)製、商品名「MSP−S020」などを入手することができる。
該メチルシリコーンパウダーは、所望のグロス値にあわせ、形成されるアクリル系高分子型紫外線吸収層中に、通常0〜20質量%程度、好ましくは1〜15質量%含まれるように配合するのがよい。
当該紫外線吸収層形成用塗工液には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により各種添加剤、例えば添加型(低分子量型)の紫外線吸収剤や酸化防止剤や帯電防止剤、レベリング剤、充填剤、着色剤、加水分解防止剤、消泡剤などを含有させることができる。
塗工に適した濃度としては、固形物濃度で、通常5〜50質量%程度、好ましくは10〜40質量%である。
このようにして得られた紫外線吸収層形成用塗工液を、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用い、非塩化ビニル系樹脂基材の粘着剤層とは反対側の面に塗布し、30〜70℃程度の温度で30秒〜5分間加熱乾燥処理することにより、アクリル系高分子型紫外線吸収層を形成することができる。
このアクリル系高分子型紫外線吸収層の厚さは特に制限はないが、通常1〜8μm程度、好ましくは3〜6μmである。
本発明のマーキング用粘着シートにおいては、粘着剤層に剥離シートを貼付することができる。この剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、上質紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系などを用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。該剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜250μm程度である。
このように粘着剤層に剥離シートを貼付する場合には、該剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布して、所定の厚さの粘着剤層を設けたのち、これを非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に貼付し、該粘着剤層を転写し、剥離シートはそのまま貼り付けた状態にしておいてもよい。
このマーキング用粘着シートIが貼付された製品としては、該粘着シートIが塗装代替用として貼付された製品、例えば表示・標識用粘着シート、装飾用粘着シートが貼付された製品を好ましく挙げることができる。このような製品の具体例としては、危険表示用テープ、ラインテープ、マーキングテープなどとして、粘着シートが貼付されてなる表示・標識用製品、看板、ショーウインドや建造物の内外装、あるいは道路、鉄道、施設などの標識に、反射シートとして再帰反射能が付与された基材を有する粘着シートが貼付された製品などを挙げることができる。
一方、本発明のマーキング用粘着シートIIは、アクリル系高分子型紫外線吸収層に含まれるアクリル系高分子重合体が架橋化されたものであって、前記のマーキング用粘着シートIの性能を有すると共に、さらに耐ガソリン浸漬性を有する環境対応型で、自動車用として用いられる。なお、本発明でいう自動車とは、オートバイなどの二輪車も含まれる。
前記自動車用としては、例えばマーキングシート・ステッカーによる車やオートバイの装飾、自動車ドアサッシュ部の装飾などが挙げられる。
なお、マーキング用粘着シートの性能は、以下に示す方法に従って評価した。
(1)耐候性
下記の方法に従って耐候性試験を行った。
23℃、50%RH下において、65mm×25mmの粘着シートをメラミン塗装板に2kgローラーで1往復して貼付し、24時間放置した。
その後、サンシャインスーパーロングライフウエザオメータ[スガ試験機社製「WEL−SUN−HCH」]を用いて、2000時間の促進耐候試験を行った。
試験後の粘着シートを目視観察し、下記の判定基準に従って耐候性を評価した。
◎:外観全く変化なし
○:外観ほとんど変化なし(実用上問題なし)
△:基材が僅かに白色化
×:白色化又は紫外線吸収層にクラック発生
(2)耐擦過性
綿布[一方社油脂工業社製、商品名「カナキン」]にイソプロピルアルコール(IPA)を浸み込ませたものを用い、荷重4.9Nにてマーキング用粘着シートの紫外線吸収層表面を10往復して耐擦過性試験を行い、試験前後のグロス値の変化率を求めた。グロス値の変化率が20%未満であるものが合格である。
なお、グロス値は、下記(4)の方法に従って測定した。
(3)グロス値
日本電色工業(株)製のグロスメーターを使用し、JIS K 7105に準拠して60°光沢度(グロス値)を測定した。
(4)耐薬品浸漬性
23℃、50%RH下において、粘着シートをメラミン樹脂塗装板に貼付し、同環境下にて24時間放置後、ガソリン中へ30分間浸漬した後の外観を目視観察し、下記の判定基準に従って評価した。
○:外観変化なし
×:紫外線吸収層が溶解又はクラック発生
(5)耐延伸時クラック性
延伸時の外観(クラック発生の有無など)を、下記の評価基準に従って評価した。
なお、延伸は、剥離シートを剥がした25mm×100mmの粘着シートの長手方向をオリエンテック社製、「TENSILON RTA−100」を用いて行った。
評価基準
◎:10%延伸時においてクラックの発生なし
○:5%延伸時においてクラックの発生なし
×:5%延伸時においてクラックの発生
非塩化ビニル系樹脂基材として、厚さ100μmのポリエステル系熱可塑性エラストマーフィルム[倉敷紡績社製、商品名「ES−9470」]を用いた。ポリエチレンラミネート紙をシリコーン系剥離剤で剥離処理した厚さ170μmの剥離シート[王子製紙社製、商品名「SP−12HLカイ」]の剥離処理面に、アクリル系粘着剤[リンテック社製、商品名「SK」、エポキシ化合物架橋剤含有]を塗布乾燥して、厚さ30μmの粘着剤層を形成した。
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーフィルムの一方の面に、前記粘着剤層付き剥離シートを、該粘着剤層が対面するように貼付し、該粘着剤層を転写した。
一方、アクリル系高分子型紫外線吸収層形成用の塗工液として、「ULS−1935LH」[商品名、一方社油脂工業社製、ベンゾトリアゾール系、官能基カルボキシル基、アクリル系重合体の重量平均分子量20万、ガラス転移温度(Tg)60℃、固形分含有量30質量%]に、ポリイソシアネート化合物架橋剤[日本ポリウレタン工業社製、脂肪族ポリイソシアネート、商品名「コロネートHL」]を、前記塗工液中の固形分量100質量部に対し、2.5質量部(固形分)添加して、架橋剤含有塗工液を調製した。
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーフィルムの粘着剤層とは、反対側の面に、前記の架橋剤含有塗工液を、乾燥後の厚さが5μmになるようにマイヤーバーNo.12で塗布し、60℃で1分間加熱処理して、アクリル系高分子型紫外線吸収層を形成することにより、マーキング用粘着シートを作製した。
このマーキング用粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
実施例2
実施例1において、アクリル系高分子型紫外線吸収層形成用の塗工液として、「ULS−1935LH」の代わりに、「ULS−935LH」[商品名、一方社油脂工業社製、ベンゾフェノン系、官能基カルボキシル基、アクリル系重合体の重量平均分子量20万、Tg55℃、固形分含有量30質量%]を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ5μmのアクリル系高分子型紫外線吸収層を形成することにより、マーキング用粘着シートを作製した。
このマーキング用粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、ポリイソシアネート化合物架橋剤「コロネートHL」を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ5μmのアクリル系高分子型紫外線吸収層を形成することにより、マーキング用粘着シートを作製した。
このマーキング用粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
実施例4
実施例1において、ポリイソシアネート化合物架橋剤「コロネートHL」の代わりに、ポリイソシアネート化合物架橋剤[亜細亜工業社製、脂肪族ポリイソシアネートのシアヌレート体、商品名「#8000」]を、塗工液中の固形分量100質量部に対し、16質量部(固形分)添加した以外は、実施例1と同様にして、厚さ5μmのアクリル系高分子型紫外線吸収層を形成することにより、マーキング用粘着シートを作製した。
このマーキング用粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
実施例1において、アクリル系高分子型紫外線吸収層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。このマーキング用粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、アクリル系高分子型紫外線吸収層形成用の塗工液として、「ULS−1935LH」の代わりに、「ULS1933LP」[商品名、一方社油脂工業社製、ベンゾトリアゾール系、官能基カルボキシル基、アクリル系重合体の重量平均分子量2万、Tg60℃、固形分含有量30質量%]を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ5μmのアクリル系高分子型紫外線吸収層を形成することにより、マーキング用粘着シートを作製した。
このマーキング用粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
比較例3
実施例1において、アクリル系高分子型紫外線吸収層形成用の塗工液として、「ULS−1935LH」の代わりに、「LS−516」[商品名、一方社油脂工業社製、ベンゾトリアゾール系、官能基カルボキシル基、アクリル系重合体の重量平均分子量20万、Tg35℃、固形分含有量30質量%]を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ5μmのアクリル系高分子型紫外線吸収層を形成することにより、マーキング用粘着シートを作製した。
このマーキング用粘着シートの性能評価結果を第1表に示す。
また、実施例1、2、4は、耐薬品浸漬性が良好であるので、自動車用に好適に用いられる。また、実施例3は、表示、標識用に好適に用いられる。
比較例1は、紫外線吸収層が形成されておらず、基材の耐候性、耐擦過性が不良である。比較例2は、紫外線吸収層におけるアクリル系重合体の重量平均分子量が2万と低く、耐擦過性及び耐延伸時クラック性が、実施例1〜4のものに比べて劣ると共に、耐候性が、実施例1〜4のものに比べて劣る。比較例3は、紫外線吸収層におけるアクリル系重合体のTgが35℃と低く、耐擦過性が、実施例1〜4のものに比べて劣る。
実施例5〜7
実施例1において、「架橋剤含有塗工液」に、さらにメチルシリコーンパウダー[日興リカ(株)製、商品名「MSP−3000M」、平均粒径3μmの不定形状品]を、架橋剤含有塗工液中の固形分量100質量部に対し、7質量部(実施例5)、10質量部(実施例6)及び13質量部(実施例7)加えた以外は、実施例1と同様にして、各マーキングフィルムを作製し、グロス値を測定した。その結果を第2表に示す。なお、実施例1及び比較例1のグロス値も併記した。
実施例5〜7の耐候性、耐擦過性、耐薬品浸漬性、耐延伸時クラック性については、実施例1と同等の結果が得られた。
紫外線吸収層にメチルシリコーンパウダーを加えたことにより、耐候性などの特性を維持したまま、所望の外観(グロス値)を有する粘着シートが得られた。
マーキング用粘着シートIIは、前記のマーキング用粘着シートIの性能を有すると共に、さらに耐ガソリン浸漬性を有する環境対応型であって、自動車用として、例えばマーキングシート・ステッカーによる車やオートバイの装飾、自動車ドアサッシュ部の装飾などに用いられる。
Claims (6)
- 非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に、粘着剤層を有すると共に、他方の面にアクリル系高分子型紫外線吸収層が設けられた粘着シートであって、前記アクリル系高分子型紫外線吸収層が、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を含むことを特徴とするマーキング用粘着シート。
- アクリル系高分子型紫外線吸収層が、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を架橋化したものを含む請求項1に記載のマーキング用粘着シート。
- 非塩化ビニル系樹脂基材の一方の面に、粘着剤層を有すると共に、他方の面にアクリル系高分子型紫外線吸収層が設けられた粘着シートであって、前記アクリル系高分子型紫外線吸収層が、分子内に紫外線吸収性ユニットをもつ単量体単位を有し、かつ重量平均分子量が5万〜30万で、ガラス転移温度が45〜65℃であるアクリル系高分子重合体を架橋化したものを含み、自動車用として用いられることを特徴とするマーキング用粘着シート。
- 一般式(I)におけるAで示される紫外線吸収性ユニットが、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤ユニット又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ユニットである請求項4に記載のマーキング用粘着シート。
- アクリル系高分子型紫外線吸収層が、平均粒子径5μm以下のメチルシリコーンパウダー0〜20質量%を含む請求項1〜5のいずれかに記載のマーキング用粘着シート。
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