JP2007196918A - 車両用シート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートバックを前倒方向へ付勢する付勢手段と、シートバックを起こす電動モータと、シートバックを起立保持するナックルと、ナックルによる当該保持が解除される際に電動モータシートバック前倒の抵抗にならないようにする解除レバーとを備えた車両用シート装置において、ナックル操作用コントロールケーブル47と解除レバー操作用コントロールケーブル79との間に相対的な遊びを生じても、操作レバー85の操作によってナックルと解除レバーとが同時に作動するようにする。
【解決手段】操作レバー85に滑車88を支持し、両コントロールケープ47,79のインナケーブル47a,79aの端部同士を繋いで、その繋がった部分を滑車88に巻き掛け、滑車88の回転によって上記相対的な遊びを吸収する。
【選択図】図15

Description

本発明は、車両用シート装置に関する。
自動車等の車両用シートに関し、シートバックのシートクッションへの折り畳みと起立状態への復帰とを共に電動モータによって行なうという提案はある(特許文献1参照)。この提案では、シートバックの折り畳み完了及び展開(起立)完了をそれぞれリミットスイッチで検出して電動モータを停止させるようになっている。また、シートバックをシートクッションに折り重ねた状態でシート全体をシート背部の格納部に格納できるようにするとともに、その格納及び復帰を電動モータによって行なうこと、そのためにオフ側に自動復帰する操作スイッチをシート後方(荷室)に配置するという提案も知られている(特許文献2参照)。
特開2005−41406号公報 特開2004−249962号公報
ところで、シートバックを前倒状態から起立させる場合、上述の如く電動モータを採用すると、利用者の負担軽減になる。しかし、シートバックの起立状態からの前倒を電動モータで行なうようにすると、電動モータが起動しシートバックが前倒状態になって電動モータが停止するまでに比較的長い時間を要するとともに、電力消費量も大きくなる。そこで、シートバックの起立は電動モータによって行ない、その前倒についてはスプリング等の付勢手段を採用し、シートバックのロックを手動で解除すればシートバックが直ちに前倒状態になるようにすることが考えられる。
しかし、起立用の電動モータがギヤ等の伝動手段を介してシートバック又は車体(又はシートクッション)に係合していることから、シートバックを前倒させるときに、その電動モータが抵抗になるという問題がある。つまり、シートバックを前倒させるには、電動モータの出力軸を起立時とは逆方向に回転させる必要があるために該電動モータが抵抗になる。そのため、シートバックが上記付勢手段による前倒の途中で止まってしまい、利用者がシートバックを上から押さなければ、所定の前倒状態にならないという懸念がある。さらに、シートバックを前に倒すときに該シートバックの基端部がシートクッションの後端部に擦れるケースでは、その擦れる際の摩擦抵抗により、シートバックを所定の前倒状態にすることがさらに困難になる。
かかる問題に対して、本発明者は、伝動モータの動力伝達系にクラッチを設け、シートバックのロックを解除した際に、同時にその動力伝達系が遮断されるようにして、シートバック前倒時に、電動モータが抵抗にならないようにした。すなわち、シートバックのロック部にロック解除用コントロールケーブルを連結する一方、上記クラッチにクラッチ解除用コントロールケーブルを連結し、両コントロールケーブルを1つの操作レバー等によって同時に牽引できるようにし、ロックが解除された際にクラッチが同時に解除されるようにした。
しかし、上記ロック及びクラッチの同時解除の作動確認実験を続けたところ、クラッチが解除されないケースが出てきた。これは、クラッチ解除用ケーブルの伸びによる遊びがロック解除用ケーブルの伸びによる遊びよりも大きくなり、操作レバー等による操作力がクラッチに確実に伝わらなくなったためである。
そこで、本発明は、このようなシートバックのロックを解除した際に、同時に又は該ロック解除に先立って作動すべき機構部を有する車両用シートにおいて、2つのコントロールケーブルの伸び量の違いに拘わらず、ロック解除の際に当該機構部を確実に作動させることができるようにすることを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、コントロールケーブルの伸びによる遊びを吸収できるようにした。
請求項1に係る発明は、シートクッションと、該シートクッションの後端部近傍を中心として回動して所定の起立状態とシートクッション側に傾き又は倒れて折り重なった前倒状態とにそれぞれ移行可能なシートバックと、該シートバックを上記前倒状態になる方向へ回動するように付勢する付勢手段と、該シートバックを上記起立状態に保持する保持機構部と、該保持機構部の当該保持が解除される際に作動すべき連動機構部とを備えた車両用シート装置において、
上記保持機構部に連結され、該保持機構部によるシートバックの保持を解除するための第1コントロールケーブルと、
上記連動機構部に連結され、該連動機構部を動作させるための第2コントロールケーブルと、
上記第1及び第2の両コントロールケーブルのインナケーブルを牽引するための可動操作部と、
上記可動操作部の操作力を上記両コントロールケーブルに分配して伝達する伝達部材とを備え、
上記伝達部材は、上記可動操作部が牽引方向に操作されて変位したときに、該牽引操作に対する上記両コントロールケーブル間の相対的な遊びを吸収するように、上記可動操作部に対して変動自在に設けられていることを特徴とする。
従って、両コントロールケーブルのインナケーブル遊び量に差を生じても、可動操作部を牽引操作すると、伝達部材がこの両コントロールケーブル間の相対的な遊びを吸収するように働く。その結果、可動操作部の操作力が両コントロールケーブルに対して同時に及ぶことになる。よって、例えば、保持機構部によるシートバックの起立保持のみが解除されて連動機構部が作動しない、という事態が避けられる。すなわち、保持機構部及び連動機構部を共に確実に作動させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、
上記伝達部材は、上記可動操作部に支持された滑車であり、
上記両コントロールケーブルは、各々のインナケーブルの上記可動操作部側の端部同士が互いに繋がり、この繋がった部分が上記滑車に巻き掛けられていることを特徴とする。
従って、可動操作部の操作に伴って、該可動操作部に支持された滑車がケーブル牽引方向へ移動したとき、両コントロールケーブル間に相対的な遊びがあると、当該滑車が両コントロールケーブルから受ける回転抵抗に差を生ずる。その結果、上記滑車は両コントロールケーブルから受ける回転抵抗が等しくなるように回転し、その後に両コントロールケーブルに可動操作部の操作力を伝達することになる。よって、例えば、保持機構部によるシートバックの起立保持のみが解除されて連動機構部が作動しないという事態を招くことなく、両機構部を共に確実に作動させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1において、
上記伝達部材は、中間部が上記可動操作部に揺動自在に枢支された揺動ロッドであり、
上記両コントロールケーブルは、上記揺動ロッドの上記中間の枢支点を挟んでその両側に各々のインナケーブルが連結され、
上記揺動ロッドに連結された上記両コントロールケーブルの連結点同士を結ぶ方向と、上記可動操作部の操作による上記中間枢支点の移動方向とが交差していることを特徴とする。
従って、可動操作部の操作に伴って、該可動操作部に支持された揺動ロッドがケーブル牽引方向へ移動したとき、両コントロールケーブル間に相対的な遊びがあると、当該揺動ロッドが両コントロールケーブルから受ける抵抗に差を生ずる。その結果、上記揺動ロッドは両コントロールケーブルから受ける抵抗が等しくなるように揺動し、その後に両コントロールケーブルに可動操作部の操作力を伝達することになる。よって、例えば、保持機構部によるシートバックの起立保持のみが解除されて連動機構部が作動しないという事態を招くことなく、両機構部を共に確実に作動させることができる。
請求項4に係る発明は、シートクッションと、該シートクッションの後端部近傍を中心として回動して、所定の起立状態とシートクッション側に傾き又は倒れて折り重なった前倒状態とにそれぞれ移行可能なシートバックと、該シートバックを上記前倒状態になる方向へ回動するように付勢する付勢手段と、該シートバックを上記起立状態に保持する保持機構部と、該保持機構部の当該保持が解除される際に作動すべき連動機構部とを備えた車両用シート装置において、
上記保持機構部に連結され、該保持機構部によるシートバックの保持を解除するための第1コントロールケーブルと、
上記連動機構部に連結され、該連動機構部を動作させるための第2コントロールケーブルと、
上記第1及び第2の両コントロールケーブルのインナケーブルを牽引するための可動操作部とを備え、
上記可動操作部は、上記両コントロールケーブルが連結されたレバーを備え、
上記第1コントロールケーブルと第2コントロールケーブルとは、前者が後者よりも上記レバーの揺動支点に近い位置に連結されていることを特徴とする。
従って、可動操作部を牽引操作によってレバーが回転すると、その揺動支点から遠い第2コントロールケーブルの方が第1コントロールケーブルよりも牽引量が大きくなる。このため、経年変化によって、第2コントロールケーブルの遊び量が第1コントロールケーブルの遊び量より多少大きくなっていても、この第2コントロールケーブルを確実に牽引して上記連動機構部を作動させることができる。
すなわち、操作者が行なう可動操作部の操作は基本的にはシートバックを前を倒すために行なわれるから、操作者はシートバックが前に倒れるまで可動操作部を操作することになる。そして、可動操作部を操作したときは、シートバックを前に倒すための第1コントロールケーブルよりも第2コントロールケーブルの方が大きく牽引されるから、保持機構部が解除されてシートバックを前に倒れるようになるまで可動操作部を操作したときには、第2コントロールケーブルの遊び量が過大になっていない限り、第2コントロールケーブルが牽引されて連動機構部が作動することになる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
上記第1コントロールケーブルを反牽引方向に付勢する第1付勢手段と、上記第2コントロールケーブルを反牽引方向に付勢する第2付勢手段とを備え、
上記第1付勢手段の付勢力よりも上記第2付勢手段の付勢力の方が小さいことを特徴とする。
従って、第2コントロールケーブルによってシートバック保持機構部よりも先に連動機構部を作動させる上で有利になる。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
上記可動操作部は、上記シートバックの前面に設けられ、シートバック前方に牽引されることによって上記両コントロールケーブルのインナケーブルを牽引する牽引部を備えていることを特徴とする。
すなわち、第2コントロールケーブルの遊びが第1コントロールケーブルより大きくなっていても、可動操作部を牽引量が大きくなるように充分に操作すれば、本来は連動機構部も作動させることができる。しかし、可動操作部に上述の牽引部を設け、これをシートバック前方へ牽引することによってシートバックを前に倒す方式では、シートバックが前に倒れ始めると、その後はシートバックの前倒方向と牽引部の牽引方向とが共に前方向であるから、牽引部をさらに牽引することが困難になる。従って、操作者はシートバックが前に倒れ始めると、その時点で牽引部の牽引操作を止めるのが通常である。そのために、連動機構部が作動されないままになり易い。しかし、かかる場合でも、請求項1乃至請求項5の各発明によれば、連動機構部を確実に作動させることができる。よって、請求項1乃至請求項5の各発明は、上述の如き牽引部を設けるケースにおいて、より有効になる。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
上記シートクッション又は車体と上記シートバックとのうちの一方の部材に設けられ、他方の部材にトルクを伝えることにより、該シートクッションの後端部近傍を中心として該シートバックを回動させて起立させる電動モータを備え、
上記連動機構部として、上記シートバックを上記前倒状態にすべく上記保持機構部の保持解除操作が行なわれた際に、上記一方の部材の電動モータと上記他方の部材との間で力が伝達されないように作動する、伝達解除手段が設けられていることを特徴とする。
従って、シートバックの前倒状態から起立状態への移行はシートクッション又は車体とシートバックとのうちの一方の部材に設けられた電動モータによって行うことができ、利用者の負担軽減が図れる。一方、シートバックが保持機構によって起立状態に保持された状態において、可動操作部をケーブル牽引方向に操作すると、第1コントロールケーブルによって保持機構部に当該操作力が伝達され、シートバックは保持機構部による起立保持が解除されて前に倒れる。
このとき、本発明によれば、第2コントロールケーブルによる伝達解除手段(連動機構部)への操作力の伝達が確実に行なわれるから、上記一方の部材の電動モータと他方の部材との間で力が伝達されない状態になり、電動モータがシートバックを前に倒すときの抵抗になることが避けられる。つまり、シートバックを前に倒すときに電動モータ部の出力軸をシートバック起立時とは逆方向に回転させる必要がない。よって、シートバックを付勢手段の付勢力のみによって、あるいは利用者がこの付勢力に軽く力添えするたけで、シートバックを所望の前倒状態にすることができる。
以上のように、本発明によれば、可動操作部の操作力を両コントロールケーブルに分配して伝達する伝達部材が、両コントロールケーブル間の相対的な遊びを吸収するように、上記可動操作部に対して変動自在に設けられているから、或いは可動操作部のレバーの揺動支点に近い位置に第1コントロールケーブルを連結し、該揺動支点から遠い位置に第2コントロールケーブルを連結したから、シートバックが前に倒れるように可動操作部を操作したときに、シートバックの起立保持の解除と同時に、又はその解除に先立って、連動機構部を確実に作動させる上で有利になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は前後方向に配設された3列のシートを有する車両(自動車)の後部を示す。すなわち、同図には中間シート1と後側シート2が図示され、運転席を有する前側シートの図示は省略している。後側シート2のシートバック4を起立させた状態では、該シートバック4の背部が荷室5になっている。すなわち、起立したシートバック4によって車室が前側の乗員室と後側の荷室5とに仕切られた状態である。荷作業は車両背面のバックドア6を開けて車両後方から行なうことができる。また、中間シート1の側方(車幅方向の外側)には、サイドドアが設けられ、該サイドドアを開けて中間シート1及び後側シート2への乗降を可能としている。
中間シート1は、フロアに固定されたシートクッション11の後端にシートバック12がリクライニング可能に設けられたものである。
後側シート2もシートクッション3とシートバック4とを備えてなるが、中間シート1とはその構成が異なる。
すなわち、シートクッション3は、その前部がフロアにリンク13によって昇降自在に支持されている。一方、シートバック4はその下端がフロアに固定のブラケット14に枢支ピン15によって回動自在に支持されている。さらに、シートクッション3の後端とシートバック4の下端とは枢支ピン16によって連結されている。この枢支ピン15,16及びリンク13の両端の枢支ピンはいずれも車幅方向に水平に設けられている。
これにより、シートバック4を前に倒すと、図2に示すように、シートクッション3はシートバック4によって前に押され、リンク13が前に倒れてシートクッション3は低位置になり、その上にシートバック4が折り重なった前倒状態になる。シートバック4を起こすと、シートクッション3は、シートバック4に引かれ、リンク13が立ち上がることにより、高位置になる(図1参照)。
そうして、後側シート2のシートバック4は、後述の保持機構部で保持された所定の起立状態(例えば鉛直線よりも後方へ15度〜25度傾斜した状態)より、後述の前倒付勢手段によって前に倒すことができ、また、後述の電動モータ部によって前倒状態から上記所定の起立状態に起こすことができ、さらに後方へ適宜リクライニングできるようになっている。
また、シートバック4の前面下部には、上記保持機構部による保持の解除等を操作をするための可動操作部を構成する操作紐(牽引部)7Aが設けられている。また、シートバック4の後面上部にも、上記保持機構部による保持の解除等を操作をするための可動操作部を構成する操作紐(牽引部)7Bが設けられている。操作紐7Aは前方に牽引操作されるものであり、操作紐7Bは後方へ牽引操作されるものである。両操作紐7A,7Bは、いずれもシートバック4内に通され、その基端が可動操作部を構成する後述の操作レバーに連結されている。さらに、荷室5の側壁には上記電動モータ部をオン操作する常時オフ側に付勢された自動復帰型の操作スイッチ8が設けられている。
荷室5のフロアには下方へ窪んだタイヤ収容凹部17が形成され、該凹部17にスペアタイヤ18を収容できるようになっている。この収容凹部17の前部は後側シート2の後部によって覆われ、収容凹部17の後部はサブトランク19によって覆われている。サブトランク19内には例えば小物を収容することができる。後側シート2のシートバック4を倒してシートクッション3に折り重ねたとき、図2に示すように、サブトランク19の上面とシートバック4の背面とが略面一になるようにされている。この場合、倒れたシートバック4の背面上にも荷物を載せることができ、荷室5が乗員室側に拡大した状態になる。すなわち、車室は、中間シート1のシートバック12によって前側の乗員室と後側の荷室5とに仕切られた状態になる。
<後側シートの構造>
図3には後側シート2のフレーム構造及び車体フロアへの取付構造が示されている。当該車両は左右2つの独立した後側シート2を備えており、それぞれ、後述する本発明に係る機能を有しているため、以下では、主に、前方から見て右側シートについて詳述する。同図において、21はシートクッション3のフレームであり、スプリング22等が設けられている。このクッションフレーム21の前部と、前後方向に延びフロアに固定される前後フレーム23とがリンク13によって連結されている。クッションフレーム21にはクッション体(図示省略)が取り付けられる。
また、図3において、25はシートバック4のフレームであり、車幅方向に延びフロアに固定される車幅フレーム26に前後回動自在に支持されている。すなわち、車幅フレーム26にブラケット14(図3では図示省略)が固定され、このブラケット14にシートバックフレーム25の下端が枢支ピン15(図3では図示省略)によって連結されている。シートクッションフレーム21の後端の立ち上がった部分と、シートバックフレーム25の上記枢支ピン15よりも上方に位置する部位とが枢支ピン16によって連結されている。
具体的な図示は省略しているが、左右の後側シート2各々のシートバック4の枢支部には、該シートバック4を前に倒すように付勢する前倒付勢手段として巻きバネが設けられている。そうして、シートバック4の両側の枢支部のうち車体中央側の枢支部には、シートバック4を所定の起立状態及び後方へ傾け又は倒した後倒状態に保持する保持機構部としてのナックル31が設けられている。なお、図3では右席側をナックルがカバー32で覆われた状態で描かれ、ナックル自体の図示は省略している。一方、シートバック4の両側の枢支部のうち車体側壁側の枢支部近傍には、シートバック4を前に傾き又は倒れた前倒状態から所定の起立状態に起こすための減速機付き電動モータ(界磁を永久磁石で発生させるタイプで直流を入力とする直流電動機や同期電動機)33が設けられている。
シートバック4のフレーム25の背面には、該シートバック4をシートクッション3に折り重なるように前に倒したときに、平坦な荷物置き面を形成するための平坦な荷物置きプレート35が固定されている。
<電動モータの駆動回路>
図4に示すように、左右の後側シートの電動モータ33はバリスタ及びサーキットブレーカを内蔵するものであり、各々の駆動回路41には上述の自動復帰型操作スイッチ8、強制遮断手段としてのナックル連動スイッチ42及びヒューズ43が設けられている。連動スイッチ42は、ナックル31がシートバック4を保持した状態であるときにオフ(当該駆動回路41を開成した状態)になっていて、その他の状態のときは後述のナックルレバーによりオン状態に、すなわち、操作スイッチ8をオンにすると電動モータ33に通電される状態(電動モータ33への通電を許容する状態)になるものである。
<ナックル及び連動スイッチ>
図5に示すように、ナックル31のカバー45には、シートバック4の回動中心と同心に設けられた機構部材としてのナックルレバー46と、上記連動スイッチ42とが設けられている。ナックルレバー46には上記操作紐7A又は7Bによって牽引操作される第1コントロールケーブル47が連結されている。連動スイッチ42は、ナックルレバー46の動きを直接受けてオン・オフの切換えがなされるように、該ナックルレバー46に近接して配置されている。
以下、具体的に説明すると、図6及び図7にナックル31と連動スイッチ42との関係が示されている。なお、図6及び図7ではナックルレバー46を模式的に表している。ナックル31は、シートバック4にその回動中心と同心にして固定された内歯車(第1係合部材)51と、該内歯車51の内側に配置された一対のロック部材(第2係合部材)52と、ロック部材52を駆動するカム部材53とを備えている。このカム部材53にナックルレバー46が結合されており、このナックルレバー46とカム部材53とによって、係合・解除機構の機構部材が構成されている。
内歯車51は、リング部材の内周面にその軸心(シートバック4の回動中心と同じ)を挟んで相対向するように形成された一対の内歯54を備えている。この内歯車51の両内歯54の間は内歯54の歯先面よりも高くなった(内径が小さくなるように***した)***面55に形成されている。
一対のロック部材52は、上記軸心を挟んで相対する位置に設けられ、外側を向いた面には内歯54に係合する(噛み合う)ロック歯56が形成されている。この両ロック部材52は、内歯車51の径方向に移動自在になるように車体側(又はシートクッション側。以下、「車体側」というシートクッション側であってもよいことを意味する。)に支持されていて、且つ内歯54との係合が解除する方向に、すなわち、軸心側に移動するように付勢手段(図示省略)で付勢されている。このロック部材52が内歯車51の内歯54に係合することにより、シートバック4は車体側に対して所定の起立状態又は後倒状態に保持されたロック状態となる。つまり、シートバック4は前倒付勢手段(巻きバネ)の付勢に抗して起立又は後倒状態に保持される。ロック部材52の係合が解除されると、シートバック4は車体側に対して回動自在になり、その結果、前倒付勢手段の付勢により、前に倒れることになる。
カム部材53は、一対のロック部材52の間に配設されていて、上記軸心周りに回動自在に設けられている。このカム部材53の周面には、上記軸心を挟んで相対する一対の係合面57と、同じく上記軸心挟んで相対する一対の解除面58とが周方向に相隣るように形成されている。図6に示すように、カム部材53が回動して一対の係合面57が両ロック部材52の内側(軸心側)を向いた面に当接するとき(第1形態)、該両ロック部材52は上記付勢に抗して外側へ移動して内歯54と係合したシートバックロック状態になる。一方、一対の解除面58は係合面57よりも上記軸心からの距離が短い。従って、カム部材53が回動して、図7に示すように、両解除面58が両ロック部材52の内側(軸心側)を向いた面に当接するとき(第2形態)、両ロック部材52は上記付勢によって内側へ移動し内歯54との係合を解除したシートバック解除状態になる。
ナックルレバー46及びカム部材53は、係合面57がロック部材52に当接しロック部材52が内歯54に係合してシートバック4を車体側に保持した第1形態(図6参照)になるように、その回動方向が第1付勢手段59によって付勢されている。従って、ナックルレバー46が操作紐7A又は7Bにより第1コントロールケーブル47を介して引かれると、図7に示すように、カム部材53が回動して解除面58がロック部材52の内側を向いた面に当接した第2形態(シートバック解除状態)になる。
本実施形態では、上述の操作紐7、中継部材34、第1コントロールケーブル47、ナックルレバー46、カム部材53及び第1付勢手段59によって係合・解除手段が構成されている。
そうして、連動スイッチ42は、図6に示すように、ナックルレバー46が上記第1形態(シートバックロック状態)にあるときに、ナックルレバー46が接触してオフ状態となるように配置されている。図7に示すように、ナックルレバー46がシートバック解除位置に移動して連動スイッチ42から離れる(第2形態になる)と、該連動スイッチ42はオン状態になる。
図8にはシートバック4が起立した状態を実線で表し、前に倒れた状態を2点鎖線で表している。上述の所定の起立状態では、連動スイッチ42はナックルレバー46の接触によりオフ状態になっている。ナックルレバー46が操作紐7A又は7Bによって引かれると、ロック部材52がシートバック解除状態になるとともに、ナックルレバー46が連動スイッチ42から離れ、該連動スイッチ42はオン状態になる。
この状態で図8に2点鎖線で示すように、シートバック4が前倒付勢手段(巻きバネ)の付勢によって前に倒れていくと、同時に内歯車51が図7に示すようにシートバック4と共に矢符A方向に回動するから、ロック部材52は内歯車51の***面55に乗り上げた状態になる。この状態は、ロック部材52がカム部材53を第1付勢手段59の付勢に抗してシートバックロック状態に戻ることを阻止した状態である。従って、操作紐7A又は7Bによる牽引が解除されても、連動スイッチ42はオン状態を保つことになる。
この実施形態では、シートバック4を所定の起立状態にしたときに、ロック部材52のロック歯56が内歯車51の内歯54に対し、***面55に隣接する位置において相対して噛み合うように、内歯車51とロック部材52との位置関係を設定している。さらに、上記シートバック解除状態において、該シートバック4が前に倒れシートクッション3に折り重なった完全前倒状態になっても、ロック部材52のロック歯56が***面55に相対し、内歯54には噛み合わないように、***面55の範囲を設定している。従って、図8に2点鎖線で示すように、シートバック4が完全前倒状態になっても、連動スイッチ42はオン状態(電動モータ33への通電を許容する状態)を保つ。
よって、操作スイッチ8をオンにすると、電動モータ33が起動してシートバック4が起きあがっていく。そして、シートバック4が所定の起立状態になると、ロック部材52のロック歯56が内歯車51の内歯54に噛み合って、シートバック4がその所定の起立状態に保持されると同時に、連動スイッチ42がオフ状態になり、電動モータ33は通電が途絶えて停止する、つまり、トルクを発生しなくなる。
また、図9に1点鎖線で示すように、シートバック4が所定の起立状態にあるとき、操作紐7A又は7Bが引かれてシートバック解除状態にされると、シートバック4を上述の前倒付勢手段の付勢に抗して後へ押すことにより、実線で示すように後方へ倒すことができる。そして、操作紐7A,7Bの引きを解除すると、カム部材53が第1付勢手段59の付勢により回転して、ロック部材52が内歯車51の内歯54に噛み合うことにより、シートバック4は後方へ適宜の角度倒れた状態に保持される。内歯車51の内歯54は、シートバック4を所定の起立状態から後方へ略水平になるように倒れた状態までの、適宜の角度で保持できるように、内歯車周方向の所定範囲に設けられている。また、シートバック4を後方へ適宜の角度倒してロック部材52により保持した状態は、ナックルレバー46が第1付勢手段59の付勢によって回転し連動スイッチ42に接触した状態である(図9の実線状態)。従って、連動スイッチ42はオフ状態にあるから、操作スイッチ8がオンにされても、電動モータ33は起動されない。
<電動モータによるシートバック起立機構>
図10に示すように、後側シート2のシートバックフレーム25にはモータ支持部材61が固定され、該モータ支持部材61に電動モータ33が支持されている。また、この支持部材61には、電動モータ33の出力軸によって回転される駆動ギヤ62が軸心を車幅方向にして支持されている。図11に示すように、駆動ギヤ62は、電動モータ33の出力軸に結合されたウォーム63を介して回転駆動されるものである。尚、電動モータ33とウォーム63とを合わせて電動モータ部と称すが、本発明では、駆動ギヤ62がウォームを介さずに電動モータ33のみで駆動される場合を含む。一方、車体フロアに固定された支持ブラケット64には、被動ギヤ65が後側シート2のシートバック4の回動中心と同心にして回転自在に支持されている。この被動ギヤ65に駆動ギヤ62が噛み合っている。
被動ギヤ65には、該被動ギヤ65と共に回転する係合ギヤ66が一体に設けられている。一方、支持ブラケット64には係合ギヤ66に係合可能なフック部材67が車幅方向の支軸68により回動自在に支持されている。但し、このフック部材67は、付勢手段(バネ)69によって、係合ギヤ66に係合する方向へ回動するように付勢されている。また、モータ支持部材61には、解除レバー71が車幅方向の支軸72によって回動自在に支持されている。解除レバー71は、フック部材67の係合ギヤ66に対する係合を、上記付勢手段69の付勢に抗して解除するものである。この場合、係合ギヤ66とフック部材67とが、被動ギヤ65がシートバック4と共に回転することを阻止するクラッチを構成している。
係合ギヤ66には、フック部材67の先端フック73が係合する複数の係合歯74が周方向に所定のピッチで形成されている。係合歯74の歯面(係合面)は、被動ギヤ65の軸心と平行であってシートバック前倒時の回転方向前方を向き、且つ被動ギヤ65の略径方向に広がっている。また、この係合歯74の配設ピッチは、シートバック4が上記所定の起立状態から完全前倒状態になるまでに回転する前倒角度(100〜115度)よりも若干大きい120度に設定している。従って、本例では係合歯74は3つ設けられている。なお、係合歯74は1つであっても、2つであってもよい。
従って、フック部材67のフック73が係合ギヤ66の係合歯74に係合すると、被動ギヤ65はシートバック前倒方向へは回転できなくなる。よって、シートバック4が前倒状態にあるとき、フック部材67を上記係合状態にして電動モータ33を起動し、駆動ギヤ62をシートバック起立方向に回転させると、フック部材67によって回転を阻止された被動ギヤ65によって駆動ギヤ62の回転反力が受けられる。これにより、駆動ギヤ62が回転しながら被動ギヤ65の回りをシートバック回転方向に移動していくことで、つまり、駆動ギヤ62と被動ギヤ65との噛み合い位置が変わっていくことで、シートバック4は起きあがっていく。すなわち、電動モータ33のトルクが駆動ギヤ62及び被動ギヤ65を介して車体側に伝わることで、シートバックが起きあがっていく。
本実施形態では、電動モータ33は、シートバック4を完全前倒状態から上記所定の起立状態へ移行させるに要する時間が7秒以下になるように(好ましくは3〜4秒になるように)設定されている。また、上記前倒付勢手段は、シートバック4を上記所定の起立状態から完全前倒状態へ移行させるに要する時間が、シートバック4を完全前倒状態から上記所定の起立状態へ移行させるに要する時間よりも短くなるように設定されている。これにより、安全性を確保しつつ、完全前倒状態と起立状態との間での移行時間を短くして利便性を高めている。
<伝達解除手段>
フック部材67には、解除レバー71からの解除力を受ける受け部としてピン76が設けられている。一方、解除レバー71には、フック部材67のピン76に対して係合ギヤ66が存する側から当接するピン当て部77が設けられている。解除レバー71は、第2付勢手段(バネ)78によってピン当て部77がピン76から離れる方向(係合ギヤ66側)に回動するように付勢されている。そして、この解除レバー71に、先に述べた操作紐7A又は7Bによって牽引操作される第2コントロールケーブル79が結合されている。すなわち、操作紐7A又は7Bの操作力が第2コントロールケーブル79を介して解除レバー71に伝わり、該解除レバー71が第2付勢手段78の付勢に抗してフック部材67を回動させる、すなわち、係合ギヤ66に対する係合が解除する方向に回動させるものである。
この場合、解除レバー71及び第2付勢手段78が、クラッチによる被動ギヤ65の回転阻止を解除してシートバック前倒時に電動モータ33が抵抗にならないようにする伝達解除手段を構成している。
解除レバー71がフック部材67を係合ギヤ66から離れるように回動させた状態において、シートバック4が所定の起立状態から前倒を開始すると、解除レバー71はシートバック4の回動に伴ってフック部材67から遠ざかる方向に移動する。従って、解除レバー71のピン当て部77がフック部材67のピン76から外れ、フック部材67は係合ギヤ66に係合する方向に復帰することになる。
また、係合ギヤ66の周方向に相隣る係合歯74間にはカム面81が形成されている。このカム面81は、シートバック4の前倒中に、係合歯74との係合が解除されたフック部材67のフック73の先端部が上記付勢手段69の付勢によって当接するものである。このカム面81は、フック73を介して上記付勢手段69の付勢力を受け、係合ギヤ66が被動ギヤ65と共にシートバック前倒方向に回転するように促すものである。
そのために、カム面81は、各係合歯74の歯面先端(軸心から最も離れた部位)から、シートバック前倒時の回転方向後側に隣る係合歯74の歯面基端(軸心に最も近い部位)へ向かって、半径が漸次短くなるように変化している(傾斜している。)。そして、フック部材67は、上記付勢手段69の付勢力を上記カム面81に対して、上記回転方向前方側において鋭角をなす方向から与えるように設けられている。
従って、図11に示すようにシートバック4が所定の起立状態にあるときは、フック部材67が係合ギヤ66の係合歯74に係合している。操作紐7A又は7Bを引くと、図12に示すように、解除レバー71が解除方向に回動し、それに伴って、フック部材67が解除方向に回動して係合ギヤ66の係合歯74から外れる。これにより、被動ギヤ65はフック部材67による車体側への拘束が解除されて、前倒付勢手段としての巻きバネによる付勢を受けるシートバック4と共にシートバック前倒方向に回転することができるようになる。
よって、シートバック4が前に倒れるとき、被動ギヤ65がシートバック4と共に前倒方向に回動するようになる。このことは、駆動ギヤ62と被動ギヤ65との噛み合い位置が変化しないこと、つまり、駆動ギヤ62を介して電動モータ33の出力軸をシートバック起立時とは逆方向に回転させる必要がないことを意味する。このため、電動モータ33が外力によって回転されることで発生する逆トルクや、駆動ギヤ62と被動ギヤ65との噛合い、駆動ギヤ62とウォーム63との噛合いなど減速機類の回転抵抗がシートバック前倒に抵抗になることが防止される。
また、シートバック4の前倒開始後は、解除レバー71がシートバック4の回動に伴ってフック部材67から遠ざかる方向に移動する。これにより、図13に示すように、解除レバー71のピン当て部77がフック部材67のピン76から外れ、フック部材67はそのフック73が付勢手段69の付勢によって係合ギヤ66のカム面81に当接するようになる。その結果、被動ギヤ65が、シートバック前倒方向に回転するように付勢手段69によって付勢される。このため、被動ギヤ65がシートバック4と共にシートバック前倒方向に確実に回動するようになる。
図14に示すように、シートバック4が完全前倒状態になると、フック部材67は係合ギヤ66の当該カム面81の隣の若しくはその次の係合歯74に係合可能な状態となる。従って、電動モータ33を起動すると、駆動ギヤ62が被動ギヤ65を転動することになり、シートバック4を起立させていくことができる。尚、係合歯74の配設ピッチを上述のように120度に設定したことにより、シートバック4の前倒中に電動モータ33が全く回転されない場合には、シートバック4が完全前倒状態になったたときに、フック部材67の先端が隣の係合歯74の直前に位置することになる。よって、電動モータ33の起動時点から、該起動によってフック部材67が隣の係合歯74に係合してシートバック4が起立動を開始する時点までの遅れ時間が短くなり、シートバック4を速やかに起立させる上で有利になる。
<ナックル(保持機構部)及び伝達解除手段の操作系>
図15(シートバック下部を背面側から視た図)に示すように、操作紐7A,7Bはシートバック4の下部において操作レバー85に連結されている。この操作紐7A,7Bと操作レバー85とは、ナックル31及び電動モータ部の伝達解除手段を操作するための可動操作部、すなわち、上記第1及び第2の両コントロールケーブル47,79のインナケーブル47a,79aを牽引するための可動操作部を構成している。操作レバー85は、操作紐連結部とケーブル連結部とがL字状に連なった形になっており、その屈曲部がシートバックフレーム25に固定されたブラケット86にピン87で揺動自在に枢支されている。操作紐7A,7Bはシートバック4内を上下方向に延びその下端が操作レバー85の側方へ延びた操作紐連結部の先端に連結されている。
一方、操作レバー85のケーブル連結部には、操作紐7A,7Bによる牽引操作力を第1及び第2の両コントロールケーブル47,79に伝える伝達部材としての滑車88が操作レバー85のピン87と平行なピン89によって回転自在に支持されている。すなわち、上記両コントロールケーブル47,79は、各々のアウタケーシング47b,79bの操作部側の端部がブラケット86のケーシング保持部90に保持され、各々のインナケーブル47a,79aの操作部側の端部同士は互いに繋がっている。そうして、両インナケーブル47a,79aの繋がった部分が上記滑車88に巻き掛けられている。
従って、操作紐7A又は7Bが引かれて操作レバー85がケーブル牽引方向に回動したとき、同時に滑車88も同方向に移動する。このとき、両コントロールケーブル47,79のインナケーブル47a,79a間に相対的な遊びがあると、滑車88が両コントロールケーブル47,79から受ける回転抵抗に差を生ずる。その結果、滑車88は両コントロールケーブル47,79から受ける回転抵抗が等しくなるように回転する。つまり、操作レバー88の回動によって一方のインナケーブルが緊張状態になっても、遊びが大きい他方のインナケーブルは未だ弛んだ状態にあるから、滑車88はケーブル牽引方向へ移動しながら、他方のインナケーブルが緊張状態になるまで、一方のインナーケーブル側へ回転する。このため、先に緊張状態になった一方のインナケーブルのみが先に牽引されることはない。
そうして、滑車88は、上記回転により、両コントロールケーブル47,79のインナケーブル47a,79a間の相対的な遊びを吸収した後、両インナケーブル47a,79aに可動操作部の牽引操作力を実質的に伝達することになる。よって、両コントロールケーブル47,79のインナケーブル47a,79aは同時に牽引が開始される。つまり、ナックルレバー46と解除レバー71とは同時に引かれる。
<後側シートの操作>
以上のような後側シート2を操作するときの各部の働きを説明する。
−シートバックの前倒−
シートバック4が所定の起立状態にあるときは、ナックル31では、図6に示すように、ナックルレバー46が第1付勢手段59の付勢によって下方へ回動した状態にある。そのため、カム部材53の係合面57がロック部材52に当接し、該ロック部材52が内歯車51の内歯54に係合している。これにより、シートバック4は当該起立状態に保持されている。また、ナックルレバー46が連動スイッチ42に接触し(図9の実線状態)、連動スイッチ42はオフ状態にある。よって、操作スイッチ8がオンにされても、電動モータ33は起動されない。一方、電動モータ33による起立機構部では、図11に示すように、フック部材67は係合ギヤ66の係合歯74に係合している。
かかる起立状態において、操作紐7A又は7Bを引くと、ナックル31ではナックルレバー46が第1コントロールケーブル47に引かれてカム部材53と共に上方へ回動し、それにより、ロック部材52によるシートバック4の保持が解除される(図7参照)。つまり、シートバック4は前倒付勢手段の付勢によって前に倒れることができるようになる。一方、起立機構部では伝達解除手段の解除レバー71が第2コントロールケーブル79に引かれ、それにより、フック部材67のフック73が係合ギヤ66の係合歯74から外れ、被動ギヤ65は車体側に対して回転自在になる(図12参照)。
操作紐7A又は7Bを引いたとき、先に説明したように、第1コントロールケーブル47と第2コントロールケーブル79との間に相対的な遊びがあっても、滑車88の回転によってその相対的な遊びが吸収された後に、両コントロールケーブル47,79の牽引が同時に開始される。このため、例えば、ナックル31によるシートバック4の起立保持のみが解除されて、電動モータ部の伝達解除手段が作動しないという事態を招くことがなくなる。すなわち、シートバック4の起立保持の解除と同時に、解除レバー71が作動して被動ギヤ65が車体側に対して回転自在になる。
特に、シートバック4の前面に設けた操作紐7Aを牽引することによってシートバック4を前に倒す場合、シートバック4が前に倒れ始めると、その後は操作紐7Aをさらに牽引することが困難になる。従って、操作者はシートバック4が前に倒れ始めると、その時点で操作紐7Aの牽引操作を止めるのが通常であるが、その場合でも、上記滑車85の働きによって解除レバー71が作動しないという事態を防ぐことができる。
よって、シートバック4が前倒付勢手段の付勢によって前に倒れるときは必ず、被動ギヤ65がシートバック4と共にシートバック前倒方向に回転するようになる。従って、電動モータ33の駆動ギヤ62は実質的に回転される必要がなく、電動モータ33がシートバック4の前倒の抵抗になることが避けられる。また、本実施形態のように電動モータ33の出力軸にウォーム63を結合すると、駆動ギヤ62の逆回転によってウォーム63、つまりは出力軸を回転させることは実質的に不可能になる。このため、シートバック4の前倒に駆動ギヤ62の逆回転を要するとするならば、電動モータ33がシートバック前倒の大きな抵抗になる。しかし、上述の如く、駆動ギヤ62を逆回転させる必要がないから、電動モータ33はシートバック前倒の抵抗になることが避けられる。よって、シートバック4の前倒に際し、大きな力で力添えしなくても、前倒付勢手段の付勢のみによって早く、しかも確実にシートバック4を前に倒すことができ、乗員はシートバック4の前倒に労力をかけなくてもよくなる。
シートバック4が上記所定の起立状態からの前倒を開始すると、図13に示すように、解除レバー71がフック部材67から離れることにより、該フック部材67のフック73が付勢手段69の付勢によって係合ギヤ66のカム面81に押し当てられるようになる。これにより、係合ギヤ66に対してシートバック前倒方向に回転する力が付勢手段69によって与えられ、被動ギヤ65のシートバック前倒方向の回転が促される。よって、駆動ギヤ62に逆転方向の回転力が発生すること、すなわち、電動モータ33がシートバック前倒の抵抗になることが避けられる。シートバック4がシートクッション3に折り重なった完全前倒状態になると、図14に示すように、フック部材67は係合ギヤ66の当該カム面81の隣の係合歯74に係合した状態になる。
なお、解除レバー71がフック部材67から外れる前に操作紐7A,7Bの引きを解除したときでも、フック部材67が係合ギヤ66の係合面74から一旦外れ後は、シートバック4の前倒により、フック部材67はカム面81に当接するようになる。
一方、ナックル31側では、シートバック4の前倒開始により、図7に示すように、内歯車51がシートバック4と共に回転するから、ロック部材52が内歯車51の***面55に乗り上がった状態になる。ロック部材52が***面55に乗った状態のまま、シートバック4は上記完全前倒状態になる。従って、シートバック4の前倒途中で操作紐7A,7Bの引きを解除しても、シートバック4は前倒付勢手段による前倒を継続することになる。また、ロック部材52の***面55への乗り上げにより、ナックルレバー46が連動スイッチ42から離れるから、連動スイッチ42はオン状態(操作スイッチ8がオンされると電動モータ33への通電を許容する状態)になり、操作紐7A,7Bの引きを解除しても、当該オン状態が保たれる。
なお、操作紐7A,7Bの引きを解除したとき、ロック部材52のロック歯56が内歯車51の***面55に乗っているから、ナックルレバー46は完全には戻らず、そのため、第1コントロールケーブル47にはたるみができることになる。
シートバック4の前倒により、シートクッション3がシートバック4によって前方に押され、図2に示すように、リンク13が前に倒れてシートクッション3は下降し、その上にシートバック4が折り重なった状態になる。これにより、荷室5が乗員室側に拡大し、シートバック4の背面上にも荷物を置くことができるようになる。
−シートバックの起立−
シートバック4がシートクッション3の上に折り重なった完全前倒状態においては、上述の如く連動スイッチ42がオン状態になっているから、荷室5の操作スイッチ8を押すと、バッテリからの通電によって電動モータ33が起動する(図4参照)。一方、図14に示すように、完全前倒状態では、フック部材67は係合ギヤ66の係合歯74に係合し、被動ギヤ65はシートバック前倒方向の回転が阻止された状態にある。
従って、電動モータ33の起動により、駆動ギヤ62が回転すると、その回転反力が被動ギヤ65で受けられ、駆動ギヤ62は被動ギヤ65の歯部を転動していく。すなわち、シートバック4が起きあがっていく。このシートバック4の起立中は、図7に示すように、ナックル31のロック部材52は内歯車51の***面55に乗った状態にあるから、連動スイッチ42はオン状態を保つ。従って、操作スイッチ8を押してオンにしている限り、電動モータ33は作動状態を保つ。
シートバック4が図11に示す所定の起立状態になると、図6に示すように、内歯車51の内歯54がロック部材52に対向するようになる。これにより、ロック部材52が内歯54に噛み合って、シートバック4は当該起立状態に保持される。同時に、ナックルレバー46が第1付勢手段59の付勢によって下方へ回動して連動スイッチ42に接触し、該連動スイッチ42がオフ状態になる。このため、操作スイッチ8が押された状態のままであっても、電動モータ33への通電が連動スイッチ42によって遮断され、該電動モータ33はトルクを発生しない状態になる。
このように、操作スイッチ8を押し続けることにより、シートバック4が所定の起立状態まで起こすことができる。そして、シートバック4が所定の起立状態になると、操作スイッチ8を押し続けていても、電動モータ33の作動が停止し、シートバック4は当該起立状態に確実に保持される。よって、乗員がシートバック4を前倒状態から起こすにあたり、シートバック4の起立状態を確認しながら操作スイッチ8を操作する必要がなくなり、後側シート3から離れた荷室5での操作スイッチ8の操作であっても、シートバック4を確実に所定の起立状態にすることができる。すなわち、シートバック4が予定よりも直立に近い状態になっていたり、或いは後方へ倒れ過ぎていたりすることがなくなり、座り心地が悪くなることが避けられ、また、シートバック背部の荷物収容スペースが過度に狭くなってしまうことも避けられる。
また、電動モータ33がトルクを発生しなくなるから、シートバック4に、或いはナックル31等に過負荷が作用することが避けられ、後側シート2の耐久性向上に有利になる。
また、操作スイッチ8は自動復帰型スイッチであるから、シートバック4の起立途中で操作スイッチ8から手を離すと、電動モータ33への通電が途絶えてシートバック4は起立を停止する。従って、電動モータ33によるシートバック4の起立途中で該シートバック4と車体側壁との間に物体が挟まれそうになったり、或いは荷室5の荷物にシートバック4が当たって荷物が壊れそうになったときに、操作スイッチ8から手を離すことにより、シートバック4を起立途中で停止させてトラブルを避けることができる。すなわち、荷室5において、安全を確認しながらシートバック4を前倒状態から起こしていくことができる。
シートバック4の起立途中で電動モータ33を停止させたとき、フック部材67が係合ギヤ66の係合歯74に係合し、被動ギヤ65はシートバック前倒方向の回転が阻止された状態にある。従って、シートバック4は前倒付勢手段の付勢力を受けているものの、電動モータ33が抵抗になって直ちには前に倒れない。また、シートバック4の起立途中で電動モータ33を停止させた後、操作スイッチ8を再度オンにすると、シートバック4を所定の起立状態に起こし、電動モータ33を停止させた状態で該起立状態に保持することができる。
また、操作紐7A,7Bを引いてシートバック4を起立状態から前に倒している途中で操作スイッチ8をオンにした場合は、シートバック4は所定の起立状態に戻る。シートバック4の前倒中は先に述べたように連動スイッチ42はオン状態にあり、操作スイッチ8をオンにすると、電動モータ33に通電されるからである。但し、図13に示すように、前倒中はフック部材67が係合ギヤ66の係合歯74から外れてカム面81に当たっているから、電動モータ33によって駆動ギヤ62が回転してもシートバック4は直ちには起立方向に回動しない。駆動ギヤ62の回転により、被動ギヤ65が係合ギヤ66と共にシートバック前倒方向に回転し、係合ギヤ66の係合歯74がフック部材67に係合して該被動ギヤ65のシートバック前倒方向の回転が阻止された時点から、シートバック4が起きあがっていくことになる。
−シートバックの後倒−
シートバック4が所定の起立状態にあるときは、上述の如く連動スイッチ42がオフ状態にある。この状態から、シートバック4を押圧して後傾させるために、操作紐7A,7Bを引いてナックル31によるシートバック4の保持を解除している最中に、誤って操作スイッチ8がオンにされると、操作紐7A,7Bの引きによって連動スイッチ42はオンになっているから、電動モータ33は通電されて回転する。しかし、操作紐7A,7Bが引かれているということは、フック部材67と係合ギヤ66との係合が解除されているということであるから、電動モータ33が作動してもシートバックにはトルクが伝わらない。すなわち、シートバック4は電動モータ33によっては後に倒れることがなく、安全性が高くなる。
シートバック4を後に倒すには、操作紐7A,7Bを引き、シートバック4が前倒付勢手段の付勢によって前に倒れようとする力に抗して、シートバック4を後方へ押すことになる。例えば乗員が着座状態でその背中によってシートバック4を後に押せばよい。そして、シートバック4が適宜の後倒角度になったときに、操作紐7A,7Bの引きを解除すると、ナックル31のロック部材52が内歯車51の内歯54に係合し、シートバック4は当該後倒角度で保持される。
操作紐7A,Bを引いた状態では、図12に示すように、フック部材67は係合ギヤ66から離れているから、被動ギヤ65はフック部材67による抵抗を受けることなく、シートバック後倒方向へ回転可能である。よって、被動ギヤ65は駆動ギヤ62との同じ噛合い位置を保ったまま、シートバック4と共に後方へ回転し、電動モータ33がシートバックの後倒の抵抗になることはない。
また、解除レバー71は、シートバック4が起立状態にある状態で、ピン76に当接する姿勢になるように、第2コントロールケーブル79によりその姿勢が規制されていて、電動モータ33のトルク伝達抑制手段を構成している。すなわち、シートバック4の後倒により、該シートバック4の後方側への傾斜が大きくなるほど、解除レバー71も全体的に後方へ傾斜するように移動し、これに伴って、フック部材67が後方へ傾いて該フック部材67と係合ギヤ66の係合歯74との係合が解除される。従って、電動モータ33が駆動されても、係合ギヤ66は被動ギヤ65と共に空転(遊転)することになり、シートバック4の後倒が防止される。
このような機能により、例えば、乗員のシート着座時において、不測にも操作スイッチ8が操作された状態で、乗員がシートバック4を後倒させるために操作紐7A,7Bを引いた場合、第2コントロールケーブル等が異常劣化するなどしてフック部材67と係合ギヤ66との係合が解除されなかったとしても、シートバック4の後倒度合が所定度以上になれば(側面視で、シートバック4と水平線とのなす角度が所定角度以下になれば)、シートバック4は後倒しなくなる。或いは、乗員が操作紐7A,7Bを引いた直後に、上述のような要因で異常な後倒が開始されても、その後、シートバック4の後倒が進んで後倒度合が所定度以上になれば、シートバック4は後倒しなくなる。これにより、荷室の荷物の破損や、シート着座乗員に与える違和感を緩和することができる。尚、上記所定角度は、解除レバーの形状や配置によって変更可能であり、シートバック4が起立状態から後方へ少し傾いただけで、それ以上の後倒を規制すること、すなわち、電動モータ33による後倒を実質的に規制することも可能である。
また、シートバック4が後倒状態にあるとき、操作紐7A,7Bを引いてナックル31によるシートバック4の保持を解除すると、シートバック4は前倒付勢手段の付勢により、後倒状態から起きあがろうとする。この場合も解除レバー71の回動によってフック部材67が係合ギヤ66から外れるから、電動モータ33による抵抗を受けることなく、シートバック4を起こすことができる。そうして、シートバック4が所望の角度まで起きたときに、操作紐7A,7Bの引きを解除すると、ナックル31のロック部材52が内歯車51の内歯54に係合し、シートバック4は当該角度で保持される。また、操作紐7A,7Bの引いた状態を継続すると、ナックル31は解除状態のままであるから、シートバック4は上記後倒状態からの前倒を継続する。
<ナックル及び伝達解除手段の操作系に関する他の実施形態>
上記実施形態では、インナケーブル47a,79a端部同士が繋がった部分を回転自在の滑車88に巻き掛けたが、滑車に代えて半円状の摺動面を有する伝達部材を可動操作部に固定し、その半円状摺動面に上記ケーブルの繋がった部分を巻き掛け、該繋がった部分を当該摺動面上で滑らせることにより、両インナーケーブル47a,79aの相対的な遊びを吸収するようにしてもよい。
次に、図16は当該操作系の伝達手段に関する別の実施形態を示す。この実施形態では、先の実施形態の滑車88に代えて揺動ロッド91を採用している。すなわち、揺動ロッド91は、その中間部が操作レバー85のケーブル連結部に、該操作レバー85のピン87と平行なピン92によって回転自在に支持されている。そうして、揺動ロッド91の上記中間の枢支点を挟んでその両側位置に、両コントロールケーブル47,79のインナケーブル47a,79aが連結されている。このインナケーブル47a,79aの連結点同士を結ぶ方向と、操作レバー85の回動による揺動ロッド91の上記枢支点の移動方向とは交差している。
また、ナックルレバー46をシートバック4が起立保持されるように付勢する第1付勢手段59と、解除レバー71を復帰方向に付勢する第2付勢手段78とは、後者の方が前者よりも小さな付勢力になるように設定されている。
従って、操作紐7A又は7Bが引かれて操作レバー85がケーブル牽引方向に回動し揺動ロッド91が同方向に移動したとき、両コントロールケーブル47,79のインナケーブル47a,79a間に相対的な遊びがあると、当該揺動ロッド91が両コントロールケーブルから受ける抵抗に差を生ずる。その結果、上記揺動ロッド91は両コントロールケーブル47,79から受ける抵抗が等しくなるように揺動して上記相対的な遊びを吸収し、その後に両コントロールケーブル47,79に牽引操作力を伝達することになる。よって、ナックルレバー46と解除レバー71とには同時に牽引操作力が及ぶようになる。そうして、本実施例の場合、第2付勢手段78の付勢力が第1付勢手段59の付勢力よりも小さいから、解除レバー71の方が先に解除方向に作動し、しかる後にナックルレバー46が解除方向に作動する。従って、シートバック4の起立保持のみが解除されて電動モータ部の伝達解除手段が作動しないという事態を確実に防ぐ上で有利になる。
なお、先の滑車88を採用した実施形態においても、両付勢手段59,78の付勢力を上述の如く設定して、解除レバー71の方が先に解除方向に作動し、しかる後にナックルレバー46が解除方向に作動するようにしてもよい。
図17は両コントロールケーブル47,79の牽引操作に関する別の実施形態を示す。この実施形態では、操作レバー85のケーブル連結部に上記両コントロールケーブル47,79のインナケーブル47a,79aが直接連結されている。但し、第1コントロールケーブル47と第2コントロールケーブル79とは、前者の方が後者よりも操作レバー85のピン(揺動支点)87に近い位置に連結されている。
従って、操作紐7A又は7Bが引かれて操作レバー85が回動すると、その揺動支点から遠い第2コントロールケーブル79の方が第1コントロールケーブル47よりも牽引量が大きくなる。このため、経年変化によって、第2コントロールケーブル79の遊び量が第1コントロールケーブル47の遊び量より多少大きくなっていても、この第2コントロールケーブル78を確実に牽引して解除レバー71を作動させることができる。よって、シートバック4の起立保持が解除されたのに電動モータ部の伝達解除手段が作動しないという防ぐことができる。
なお、図17の実施形態においても、付勢手段59,78の付勢力を後者の方が前者よりも大きくなるように設定することができる。
<その他>
上述の後側シート2が設置されない車両では、上述の中間シート1に相当するシートに上記各実施形態の構造を適用するようにしてもよい。
本発明に係るシートを備えた車両後部の一部を示す側面図である。 後側シートのシートバックを前に倒した状態の図1と同様の図である。 上記後側シートのフレーム構造を示す斜視図である。 上記後側シートのシートバック起立用電動モータの駆動回路図である。 上記後側シートのナックル部分を示す斜視図である。 上記シートバックを起立状態に保持した状態での上記ナックルと連動スイッチとの関係を示す正面図である。 上記シートバックの保持を解除した状態の図6と同様の図である。 上記シートバックの起立状態及び前倒状態でのナックルレバーと連動スイッチとの関係を示す側面図である。 上記シートバックの起立状態及び後倒状態での、図8と同様の関係を示す図である。 上記シートバックの起立機構部をシートバック起立状態で示す斜視図である。 上記起立機構部をシートバック起立状態で示す側面図である。 上記起立機構部をシートバック起立状態において操作紐が引かれたときの状態を示す側面図である。 シートバック前倒途中の上記起立機構部を示す側面図である。 シートバックが前倒した状態の上記起立機構部を示す側面図である。 ナックル及び伝達解除手段の操作系をシートバック背面側から視た図である。 同操作系の他の実施形態を示す図である。 同操作系のさらに他の実施形態を示す図である。
符号の説明
3 シートクッション
4 シートバック
7A,7B 操作紐(牽引部)
31 ナックル(保持機構部)
33 電動モータ
46 ナックルレバー
47 第1コントロールケーブル
47a インナケーブル
59 第1付勢手段
71 解除レバー(伝達解除手段)
78 第2付勢手段
79 第2コントロールケーブル
79a インナケーブル
85 操作レバー
88 滑車(伝達部材)
91 揺動ロッド(伝達部材)

Claims (7)

  1. シートクッションと、該シートクッションの後端部近傍を中心として回動して所定の起立状態とシートクッション側に傾き又は倒れて折り重なった前倒状態とにそれぞれ移行可能なシートバックと、該シートバックを上記前倒状態になる方向へ回動するように付勢する付勢手段と、該シートバックを上記起立状態に保持する保持機構部と、該保持機構部の当該保持が解除される際に作動すべき連動機構部とを備えた車両用シート装置において、
    上記保持機構部に連結され、該保持機構部によるシートバックの保持を解除するための第1コントロールケーブルと、
    上記連動機構部に連結され、該連動機構部を動作させるための第2コントロールケーブルと、
    上記第1及び第2の両コントロールケーブルのインナケーブルを牽引するための可動操作部と、
    上記可動操作部の操作力を上記両コントロールケーブルに分配して伝達する伝達部材とを備え、
    上記伝達部材は、上記可動操作部が牽引方向に操作されて変位したときに、該牽引操作に対する上記両コントロールケーブル間の相対的な遊びを吸収するように、上記可動操作部に対して変動自在に設けられていることを特徴とする車両用シート装置。
  2. 請求項1において、
    上記伝達部材は、上記可動操作部に支持された滑車であり、
    上記両コントロールケーブルは、各々のインナケーブルの上記可動操作部側の端部同士が互いに繋がり、この繋がった部分が上記滑車に巻き掛けられていることを特徴とする車両用シート装置。
  3. 請求項1において、
    上記伝達部材は、中間部が上記可動操作部に揺動自在に枢支された揺動ロッドであり、
    上記両コントロールケーブルは、上記揺動ロッドの上記中間の枢支点を挟んでその両側に各々のインナケーブルが連結され、
    上記揺動ロッドに連結された上記両コントロールケーブルの連結点同士を結ぶ方向と、上記可動操作部の操作による上記中間枢支点の移動方向とが交差していることを特徴とする車両用シート装置。
  4. シートクッションと、該シートクッションの後端部近傍を中心として回動して、所定の起立状態とシートクッション側に傾き又は倒れて折り重なった前倒状態とにそれぞれ移行可能なシートバックと、該シートバックを上記前倒状態になる方向へ回動するように付勢する付勢手段と、該シートバックを上記起立状態に保持する保持機構部と、該保持機構部の当該保持が解除される際に作動すべき連動機構部とを備えた車両用シート装置において、
    上記保持機構部に連結され、該保持機構部によるシートバックの保持を解除するための第1コントロールケーブルと、
    上記連動機構部に連結され、該連動機構部を動作させるための第2コントロールケーブルと、
    上記第1及び第2の両コントロールケーブルのインナケーブルを牽引するための可動操作部とを備え、
    上記可動操作部は、上記両コントロールケーブルが連結されたレバーを備え、
    上記第1コントロールケーブルと第2コントロールケーブルとは、前者が後者よりも上記レバーの揺動支点に近い位置に連結されていることを特徴とする車両用シート装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記第1コントロールケーブルを反牽引方向に付勢する第1付勢手段と、上記第2コントロールケーブルを反牽引方向に付勢する第2付勢手段とを備え、
    上記第1付勢手段の付勢力よりも上記第2付勢手段の付勢力の方が小さいことを特徴とする車両用シート装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    上記可動操作部は、上記シートバックの前面に設けられ、シートバック前方に牽引されることによって上記両コントロールケーブルのインナケーブルを牽引する牽引部を備えていることを特徴とする車両用シート装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    上記シートクッション又は車体と上記シートバックとのうちの一方の部材に設けられ、他方の部材にトルクを伝えることにより、該シートクッションの後端部近傍を中心として該シートバックを回動させて起立させる電動モータを備え、
    上記連動機構部として、上記シートバックを上記前倒状態にすべく上記保持機構部の保持解除操作が行なわれた際に、上記一方の部材の電動モータと上記他方の部材との間で力が伝達されないように作動する、伝達解除手段が設けられていることを特徴とする車両用シート装置。
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