JP2007194412A - 能動素子およびスイッチ回路装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 HBTでは、ベース電流を増加させて電流密度の向上を図ると、二次降伏を起し、破壊に至りやすくなる。
【解決手段】 単位HBTと単位FETを分離領域を介して隣接して配置し、単位HBTのベース電極に単位FETのソース電極を接続した単位素子を複数接続して能動素子を構成する。これにより、単位素子に電流が集中した場合であっても二次降伏による破壊が発生しない能動素子を実現できる。また単位FETでは耐圧を確保するため埋め込みゲート電極構造を採用するが、埋め込み部をInGaP層に拡散させない構造とすることによりPtの異常拡散を防止できる。更に、単位HBTのエミッタメサ、ベースメサ形成、レッジ形成および単位FETのゲートリセスエッチングに選択エッチングを採用でき、再現性が良好となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタを有する能動素子およびスイッチ回路装置に係り、特に温度補償型の能動素子及びスイッチ回路装置に関する。
ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(Heterojunction Bipolar Transistor:以下HBT)は、通常のホモ接合型バイポーラトランジスタに比べエミッタ効率が高く電流増幅率hFEが高いためベース濃度を大幅に上げることができ、ベース全体に渡ってトランジスタ動作を均一にできる。その結果、GaAs MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)、GaAs JFET(Junction FET)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)と比較して電流密度が高く低オン抵抗のため、効率性、利得性、歪特性が優れている。
携帯電話等の移動体用通信機器では、高効率、小型の高周波スイッチング素子が不可欠となる。そこで、図20のごとく、双方向のHBTをスイッチング素子としてスイッチ回路を構成したものが知られている。
図20は、HBTをスイッチング素子として使用した、スイッチ回路の一例を示している。図20(A)が回路図であり図20(B)がHBTの構造を示す断面図である。
図20(A)の如く、この回路はエミッタがアンテナANTに接続される第1のHBT320と、コレクタがアンテナANTに接続される第2のHBT321とを具備し、第1のHBT320のコレクタが発信用側回路Txに接続される。また第2のHBT321のエミッタが受信側回路Rxに接続され、HBT320、321の各ベースが抵抗322を介して発信用制御端子CtrlTxと受信用制御端子CtrlRxに各々接続される。
図20(B)の如く、半絶縁性のGaAs基板310上にn型GaAsサブコレクタ層311が形成され、サブコレクタ層311上にn型AlGaAsコレクタ層312、p型GaAsベース層313、n型AlGaAsエミッタ層314、n型GaAsエミッタコンタクト層315等がメサ型に積層されて構成されている。
サブコレクタ層311の表面には、コレクタ層312を挟む位置に、コレクタ電極316が配置される。ベース層313の表面には、エミッタ層314を挟む位置に、ベース電極317が配置される。エミッタコンタクト層315の上部にはエミッタ電極318が配置される。図に示す最小単位のHBTを単位素子320’(321’)とし、これらを並列に接続することにより、能動素子である第1のHBT320(第2のHBT321)が構成される(例えば特許文献1参照。)。
特開2000−260782号公報
HBTのエミッタ電極318、ベース電極317、コレクタ電極316は櫛歯状に形成される。そして図20(B)に示した構造を1つの単位素子とし、複数の単位素子を並列に接続してスイッチング素子などの能動素子が構成される。
HBTは、ベース−エミッタ間電流が正の温度係数を持つため、コレクタ電流も正の温度係数を持つ。従って、ベース電流を増加させて電流密度の向上を図ると、複数並列接続されたHBTの単位素子のうち、1つの単位素子に電流が集中して二次降伏を起こし、破壊に至りやすくなる。
従来ではこのような信頼性上の問題を回避するため、電流密度を十分向上させることができない問題があった。
またこの問題を解決するために一般にはHBT320の櫛歯状の単位素子320’にエミッタバラスト抵抗やベースバラスト抵抗を挿入するという対策が必ず取られている。しかしエミッタバラスト抵抗やベースバラスト抵抗を挿入すると、高周波特性がその分劣化してしまうという問題が新たに発生する。
本発明はかかる課題に鑑みてなされ、第1に、少なくとも1つのヘテロ接合を形成する複数の半導体層を積層した化合物半導体基板と、前記基板に設けられ、前記半導体層の第1、第2、第3半導体層をそれぞれコレクタ層、ベース層、エミッタ層とし、コレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を有する第1トランジスタと、前記基板に設けられ、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を有する第2トランジスタと、前記3半導体層上に設けられた第4半導体層と、該第4半導体層上に設けられ、該第4半導体層とのエッチングの選択比が大きい第5半導体層と、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを分離領域を介して隣接して配置し、前記第1トランジスタの前記ベース電極と前記第2トランジスタの前記ソース電極を接続した単位素子と、を具備し、複数の前記単位素子を並列に接続し、前記各単位素子の前記第2トランジスタのドレイン電極を電源端子に接続し、前記第2トランジスタの前記ゲート電極に入力される電圧信号により前記各単位素子の前記第1トランジスタのコレクタ−エミッタ間の電流を変化させることにより解決するものである。
第2に、少なくとも1つのヘテロ接合を形成する複数の半導体層を積層した化合物半導体基板と、前記基板に設けられ、前記半導体層の第1、第2、第3半導体層をそれぞれコレクタ層、ベース層、エミッタ層としコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を有する第1トランジスタと、前記基板に設けられ、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を有する第2トランジスタと、前記3半導体層上に設けられた第4半導体層と、該第4半導体層上に設けられ、該第4半導体層とのエッチングの選択比が大きい第5半導体層と、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを分離領域を介して隣接して配置し、前記第1トランジスタの前記ベース電極と前記第2トランジスタの前記ソース電極を接続した単位素子と、前記単位素子を並列に接続した複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子のコレクタ電極またはエミッタ電極に共通で接続する第1RFポートと、前記複数のスイッチング素子のエミッタ電極またはコレクタ電極にそれぞれ接続する複数の第2RFポートと、前記複数のスイッチング素子のドレイン電極にそれぞれ接続する電源端子と、を具備し、前記第2トランジスタのゲート電極にそれぞれ制御信号を印加し前記第2トランジスタの導通により供給される電流によって前記第1トランジスタを駆動し、前記第1および第2RFポート間に信号経路を形成することにより解決するものである。
本実施形態によれば、HBTとFETを分離領域を介して隣接して配置し、HBTのベース電極にMESFETのソース電極を接続した単位素子を複数接続してスイッチング素子を構成し、スイッチ回路装置を実現する。つまり、単位素子は櫛歯状のHBTのベース電極毎にMESFETが接続し、且つHBTとMESFETが分離領域を介して隣り合って配置されている。そして、スイッチング素子は、MESFETのドレイン電極を電源端子VDDに接続し、MESFETのゲート電極に入力された電圧信号により、HBTのコレクタ−エミッタ間電流を変化させる。HBTとMESFETの距離が近接しているため、HBTの動作による発熱はMESFETに伝達する。しかし、MESFETのドレイン電流は負の温度係数を持つため、本実施形態のHBTのベース電流も負の温度係数を持つ。つまり、本実施形態ではHBTの発熱は、HBTのコレクタ電流を減少させる。
従って、このような単位素子を並列に複数接続したスイッチング素子において、単位素子毎に動作電流が不均一となっても、1つの単位素子に電流が集中することはなく二次降伏による破壊は発生しない。つまり、従来のHBTに比べて大幅に電流密度を向上させて動作させることができる。
また単位FETでは耐圧を確保するため埋め込みゲート電極構造を採用するが、埋め込み部をInGaP層に拡散させない構造とすることによりPtの異常拡散を防止できる。更に、単位HBTのエミッタメサ、ベースメサ形成、レッジ形成および単位FETのゲートリセスエッチングに選択エッチングを採用でき、再現性が良好となる。
以下に図1から図19を用いて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、図1から図7を参照し、本発明の第1の実施形態として能動素子の回路図を示す。図1(A)は能動素子の回路図であり、図1(B)は能動素子を構成する単位素子の回路図である。
図1(A)の如く、能動素子200は、複数の単位素子100(破線)を並列に接続したものである。単位素子100は、第1トランジスタ101と、第2トランジスタ102を有する。
第1トランジスタ101は、化合物半導体基板にコレクタ層、ベース層、エミッタ層となる半導体層を積層して少なくとも1つのヘテロ接合を形成し、各半導体層にそれぞれ接続するコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を有するHBTである。HBTはメサ構造を有しており、本実施形態では最小単位のメサ構造で構成される第1トランジスタを以下単位HBT101と称する。
第2トランジスタ102は、単位HBT101と同じ基板に設けられ、2つの半導体層をチャネル層とし、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を有するMESFET(Metal Semiconductor Field Effect TransistorFET)である。本実施形態では各電極の最小単位で構成される第2トランジスタ102を以下単位FET102と称する。単位FET102は単位HBT101にベース電流を供給するための駆動トランジスタである。
1組の単位HBT101と単位FET102は、後述の分離領域を介して隣接して配置されており、単位HBT101のベースと単位FET102のソースが接続して1つの単位素子100(破線)を構成している。
複数の単位素子100は、並列に接続され、能動素子200を構成する。具体的には、1つの単位素子100は、単位HBT101のエミッタ、コレクタ、および単位FET102のドレイン、ゲートを、他の単位素子100の、エミッタ、コレクタ、ドレイン、ゲートとそれぞれ共通接続する。
各単位素子100は、単位FET102のドレインが電源端子VDDに接続する。そして単位FET102のゲートに印加された電圧信号により、単位HBT101のコレクタ−エミッタ間の電流を変化させる。
図1(B)を参照して、単位素子100の単位HBT101と単位FET102は分離領域を介して隣接して配置されており(後述)、単位HBT101のベースと単位FET102のソースが接続している。単位素子100は並列接続されているが、1つの単位素子100のベースおよびソースは、他の単位素子100のベースおよびソースとは共通接続しない。
図2は、能動素子200の平面図を示す。
このように、単位HBT101は平面図において例えば櫛歯状にパターンニングされる。そして、各単位HBT101に単位FET102が接続する。すなわち、本実施形態の単位素子100は櫛歯状に形成され、各櫛歯をそれぞれ並列に接続して能動素子200が構成される。
化合物半導体基板上に複数の半導体層を積層し、単位HBT101および単位FET102を形成する。
単位HBT101は、後述するが、所望のパターンで各半導体層をメサエッチングし、エミッタ層、ベース層となる各半導体層をメサ状に形成する。
オーミック金属層(AuGe/Ni/Au)により、エミッタ層、サブコレクタ層とそれぞれ接続する1層目のエミッタ電極9、コレクタ電極7が設けられ、オーミック金属層(Pt/Ti/Pt/Au)によりベース層と接続するベース電極8が形成される。エミッタ電極9、およびコレクタ電極7は櫛歯状に設けられる。ベース電極8は、エミッタ電極9を中央としてその周囲にハッチングの如く配置される。そして、ベース電極8の外側のサブコレクタ層上にベース電極8を挟む2本のコレクタ電極7が配置される。
1層目のエミッタ電極9、コレクタ電極7の上にはそれらと重畳する配線金属層(Ti/Pt/Au)により2層目のエミッタ電極15、コレクタ電極13が設けられる。2層目のエミッタ電極15は1層目と同様の櫛歯状である。2層目のコレクタ電極13はコレクタ配線130と連続する。ベース電極8は、オーミック金属層のみで1層構造である。また2層目のエミッタ電極15上には、金メッキ層によりエミッタ配線150が設けられる。
単位FET102は、後述するが、単位HBT101と同じ基板および半導体層上に設けられる。所望のパターンで半導体層をメサエッチングし、コンタクト層およびチャネル層となる各半導体層をメサ状に形成する。
オーミック金属層(AuGe/Ni/Au)により、各コンタクト層とそれぞれコンタクトする1層目のドレイン電極10、ソース電極11が設けられる。ドレイン電極10およびソース電極11間のチャネル層表面には、ゲート金属層(Pt/Mo)によりゲート電極12が設けられる。ゲート電極12は、島状のソース電極11、ドレイン電極10の間で、櫛歯状の単位HBT101の各電極の延在方向と直交する方向に延在する。
ドレイン電極10、ソース電極11、ゲート電極12が配置される単位FET102の動作領域は、半導体層を分離領域20で分離した伝導領域23上に形成する。分離領域20はB+等のイオン注入による絶縁化領域であるので、本実施形態では分離領域20以外の領域、すなわち二点鎖線で囲んだ領域は伝導領域23となる。伝導領域23は、例えばn型不純物を含んだ領域である。
1層目のドレイン電極10の上には、配線金属層(Ti/Pt/Au)により2層目のドレイン電極16が設けられる。また2層目のドレイン電極16上には、金メッキ層によりドレイン配線160が設けられる。
ゲート電極12は動作領域外に延在し、配線金属層によるゲート配線120と接続する。ゲート配線120はゲート電極12同士を配線し、電圧信号が入力される端子に接続する。ゲート配線120の周囲にも分離領域20を配置する。
1層目のソース電極11上には配線金属層による接続配線17が設けられる。接続配線17は、単位FET102のソース電極11と単位HBT101のベース電極8を接続する。
単位FET102と単位HBT101は、同一基板および同一半導体層上に設けられるが、一部の半導体層はメサ状に形成されて空間により分離されている。メサエッチングされない領域においては、イオン注入による分離領域20により分離されている。つまり、単位HBT101と単位FET102は同一の基板および半導体層に設けた分離領域20を介して隣接して配置され、単位HBT101のベース電極8および単位FET102のソース電極11が接続配線17により接続する。また本実施形態では、単位HBT101のベース層およびコレクタ層は、それぞれ単位FET102の相当する半導体層と連続する。
本実施形態では、破線の如く、エミッタ電極9、15、ベース電極8、コレクタ電極7、13よりなる最小単位のメサ構造の単位HBT101と、1組のソース電極11、ゲート電極12、ドレイン電極10、16よりなる単位FET102とを接続し、1つの単位素子100を構成する。
能動素子200は、単位素子100をそれぞれ並列に複数接続して構成する。つまりコレクタ配線130によって各単位HBT101のコレクタ電極13、7が互いに接続され、またエミッタ配線150によって各単位HBT101のエミッタ電極15、9が互いに接続される。尚、コレクタ電極7、13は隣り合う単位素子100で共用している。更に、単位FET102のゲート配線120によって、各単位FET102のゲート電極12が互いに接続される。
ここで、単位HBT101のベース電極8と単位FET102のソース電極11は、1つの単位素子100において接続配線17で接続されるが、複数の単位素子100が櫛歯状に配置されるレイアウトにおいて、単位HBT101のベース電極8同士および単位FET102のソース電極11同士が直接接続することはない。
単位FET102のドレイン電極16は金メッキ層によるドレイン配線160により配線され、ドレイン配線160は電源端子VDDに接続する。そして単位FET102のゲート配線120は電圧信号が入力される端子に接続する。
図3は、単位素子100を説明する図であり、図3(A)が図2のa−a線断面図、図3(B)が図2のb−b線における単位HBT101の断面図である。また、図3(C)は、図3(A)のc−c線で示した断面で単位素子を上記2つの領域に切り離したときの単位HBT101の斜視図であり、図3(D)が単位FET102の斜視図である。尚、図3(B)(C)では接続電極17は省略している。また、図3(C)(D)では2層目以上の電極を省略している。
尚、本実施形態において、単位素子100および能動素子200の回路図(図1(A))および平面図(図2)は同様であるが、図3の如く単位素子100(能動素子200)を構成する各半導体層は、能動素子200の用途により適宜選択する。従って、第1の実施形態(図3)では、一例として増幅器(アンプ)用途の能動素子200を構成する単位素子100を示し、説明する。
図3(A)の如く、半絶縁性のGaAs基板1上に、複数の半導体層、すなわちn+型GaAs層2、n−型GaAs層3、p+型GaAs層4、n型InGaP層5、n型AlGaAs層18、n型InGaP層19およびn+型GaAs層6が積層される。尚、n型AlGaAs層18は、n型GaAs層でもよいが、本実施形態ではn型AlGaAs層18として説明する。
半導体層の一部はエッチングにより除去され、メサ状に形成される。また基板1に達する分離領域20が設けられる。分離領域は、B+等のイオン注入による絶縁化領域20である。
単位素子100は、メサ状の半導体層および絶縁化領域20によって、2つの領域に分離され、一方の領域には単位HBT101が形成され、他方の領域には単位FET102が形成される。
図3(B)(C)の如く、単位HBT101のサブコレクタ層2は、基板1上にエピタキシャル成長法によって形成され、3E18cm−3〜6E18cm−3の比較的高不純物濃度にシリコン(Si)ドープされたn+型GaAs層である。その厚みは数千Åである。コレクタ層3は、サブコレクタ層2の一部領域上に形成され、シリコンドープによって1E16cm−3〜10E16cm−3程度の不純物濃度にドープされたn−型GaAs層である。その厚みは数千Åである。ベース層4aは、コレクタ層3の上に形成され、カーボン(C)ドープによって1E18cm−3〜50E18cm−3程度の不純物濃度にドープされたp+型GaAs層である。厚みは数百〜2000Åである。エミッタ層5aは、ベース層4aの一部領域上にメサ状(エミッタメサEM)に形成され、シリコンドープによって1E17cm−3〜5E17cm−3程度の不純物濃度にドープされたn型のInGaP層である。厚みは数百〜千数百Åである。エミッタ層5a上には1E17cm−3〜5E17cm−3程度の不純物濃度になるようシリコンがドープされ、数百〜数千Åの厚みを持つn型AlGaAs層18aを積層する。エミッタ層5aは、上層および下層のAlGaAs層およびGaAs層と格子整合する。更にn型AlGaAs層18a上に1E17cm−3〜60E17cm−3程度の不純物濃度になるようシリコンがドープされ、数百〜数千Åの厚みを持つn型InGaP層19aを積層する。
ここでn型InGaP層5は単位HBT101のエミッタ層5aおよび単位FET102のチャネル層の一部を形成する共に、エミッタ層5a側面付近においてレッジLを形成する。後に詳述するが、n型InGaP層5の厚みを数百〜千数百Åと薄くすることによりレッジL部分では表面空乏層により完全空乏化され、ベース層4a表面におけるエミッタ−ベース間再結合電流が流れることを防止する。n型AlGaAs層18は、n型InGaP層5と共に単位FET102のチャネル層の一部を形成する。すなわちn型AlGaAs層18表面に単位FET102のゲート電極を形成し、n型AlGaAs層18の厚みは、単位FET102が所定のピンチオフ電圧Vpが得られるような厚みに設定する。n型InGaP層19は、単位FET102のゲート電極を形成するためにn型AlGaAs層18表面を露出する工程において、n+型GaAs層6をエッチングする際のエッチングストップ層である。
n型InGaP層19の不純物濃度は2種類のケースがある。第1のケースは1E17cm−3〜5E17cm−3程度の不純物濃度になるようシリコンがドープする場合である。エミッタ−ベース間に逆バイアスが印加されると、エミッタ−ベース間のヘテロ接合から空乏層がエミッタ層5aおよびn型AlGaAs層18に広がる。エミッタ−ベース間接合が所定の耐圧を得るにはこの空乏層が伸びる距離を十分確保する必要がある。ところが、エミッタ層5aおよびn型AlGaAs層18のトータル厚みによっては、この空乏層を伸ばせる距離として不十分な場合がある。
このような場合には、n型InGaP層19も、エミッタ−ベース間の所定の耐圧を得るための、空乏層が伸びる領域の一部とする。すなわち、第1のケースでは、n型InGaP層19の不純物濃度を1E17cm−3〜5E17cm−3程度とし、エミッタ層5a、n型AlGaAs層18およびn型InGaP層19の3層に空乏層を広げることにより、エミッタ−ベース間の所定の耐圧を確保する。
第2のケースはn型InGaP層19に、20E17cm−3〜60E17cm−3程度の不純物濃度になるようシリコンをドープする場合である。既述の如くエミッタ−ベース間に逆バイアスが印加されたとき、エミッタ層5aおよびn型AlGaAs層18に空乏層を広げ、エミッタ−ベース間の所定の耐圧を確保する。第2のケースは、空乏層を広げ伸ばせる距離としてエミッタ層5aおよびn型AlGaAs層18のトータル厚みだけで、十分な場合である。この場合は、n型InGaP層19の不純物濃度を20E17cm−3〜60E17cm−3程度と高濃度とすることにより、単位HBT101のエミッタ寄生抵抗分および単位FET102のソース(ドレイン)寄生抵抗分を低減する。
一方第1のケースにおいてn型InGaP層19の不純物濃度を20E17cm−3〜60E17cm−3程度と高濃度にしてしまうと、エミッタ−ベース間に逆バイアスを印加するとき、エミッタ−ベース間の所定の耐圧以下の逆バイアス電圧で空乏層がn型InGaP層19に達してしまう。そして、それ以上高い逆バイアス電圧を印加しても、n型InGaP層19中にはほとんど空乏層が伸びないため、所定の耐圧以下の逆バイアス電圧で、エミッタ−ベース間がブレークダウンしてしまう。
尚、第2のケースにおいてn型InGaP層19の不純物濃度は20E17cm−3〜60E17cm−3程度と高濃度(n+)ではあるが、ここでは第1のケースおよび第2のケースを総称してn型InGaP層19と表記する。
n型AlGaAs層18およびn型InGaP層19は、メサエッチングによって、それぞれn型AlGaAs層18a、18bと、n型InGaP層19a、19bに空間的に分離される。
エミッタコンタクト層6aは、n型InGaP層19aの上に形成され、シリコンドープによって3E18cm−3〜6E18cm−3程度の不純物濃度にドープされたn+型GaAs層で、厚みは数千Åである。
ベース層4aおよびコレクタ層3もメサ状(ベースメサBM)に形成される。またベース層4aより下層は面S1’付近において分離のための絶縁化領域20が設けられている。
サブコレクタ層2の表面には、コレクタ層3を挟む位置にオーミック金属層(AuGe/Ni/Au)からなる1層目のコレクタ電極7が配置される。ベース層4aの表面には、エミッタ層5aを囲むパターンで、オーミック金属層(Pt/Ti/Pt/Au)からなるベース電極8が配置される。エミッタコンタクト層6aの上部にはオーミック金属層(AuGe/Ni/Au)からなる1層目のエミッタ電極9が配置される。
ここで、図3(A)(B)の如く、エミッタ層5aは両側にあるベース電極8側に張り出す形状のレッジ(棚)Lとなっている。レッジLの上方には何れの半導体層も設けられず、レッジL表面から表面空乏層が延びる。またレッジLの厚み、すなわちエミッタ層5aの厚みは、表面空乏層が伸びる厚み以下に薄く設計されている。従って、レッジLは表面空乏層により完全に空乏化される。これにより、レッジL下方のベース層4a表面においてエミッタ−ベース間の再結合電流が流れることを防止している。
例えば、HBTの構造としてはレッジLの厚みより厚いエミッタ層5aとn+型GaAs層6が直接コンタクトするように積層される場合がある。その場合においても、レッジLは上述の如く完全空乏化する必要があり、レッジLはエミッタ層5aのフォトエッチングにより形成される。つまり、エミッタ層5a側面付近において、レッジLが完全空乏化する所定の厚みになるまでフォトエッチングする。これにより、レッジLはエミッタ層5aの一部を使用し、その下方部分に形成される。すなわち、フォトエッチングプロセスによりn+型GaAs層6をメサエッチングし、引き続きn型InGaP層5の途中までをメサエッチングする。レジスト除去後新たなフォトエッチングプロセスにより残りのn型InGaP層5をメサエッチングし、レジストを除去する。これにより、エミッタコンタクト層6aとエミッタ層5aがメサ状に形成される(エミッタメサEM)とともに、エミッタ層5aの一部を使用しその下方にレッジ(棚)Lが形成される。
しかし、この方法では、ウェットエッチングの制御が困難であるため、所定の厚みのレッジLを再現性良く形成することができない問題がある。すなわちレッジLの厚みが厚過ぎると、レッジL表面からレッジL内部に伸びる表面空乏層がベース層4aに達しない。その場合レッジLが完全に空乏化しないため、ベース層4a表面において、エミッタ−ベース間の再結合電流が流れ、HBTの電流増幅率が低下してしまう。また、レッジLを形成するためのn型InGaP層5のエッチングが過剰になってしまうとレッジLそのものが無くなってしまう。
そこで、本実施形態では、単位FET102が、所定のピンチオフ電圧Vpが得られるチャネル層の厚みが得られるよう、エミッタ層(n型InGaP層)5a上にn型AlGaAs層18aを追加する。すなわち後述するが、単位FET102のチャネル層厚みはn型InGaP層5およびn型AlGaAs層18のトータル厚みである。AlGaAs層とInGaP層は、ウェットエッチングの選択比が大きい。従って、エミッタ層5aをレッジLに最適な所定の厚みに設け、n型AlGaAs層18aと、n型InGaP層5aを選択エッチングすることによりレッジLを形成する。これにより、レッジLを所定の厚みで再現性良く形成できる。
さらに上記の如く、エミッタ−ベース間に逆バイアスが印加されるとき、n型InGaP層19a中にも空乏層を広げ、単位HBT101のエミッタ−ベース接合が所定の耐圧を確保できるよう設計する場合がある。エミッタ側における空乏層を伸ばせる距離として、エミッタ層5aおよびn型AlGaAs層18aのトータル厚みで十分でない場合は、n型AlGaAs層18a上に形成されるn型InGaP層19aの不純物濃度を1E17cm−3〜5E17cm−3程度とする。これにより、n型InGaP層19aにも空乏層が伸ばせるようにする。
図3(D)は、図3(A)のc−c線で示した断面で単位素子を切り離したときの単位FET102の斜視図である。単位FET102はn型InGaP層5およびn型AlGaAs層18がチャネル層として機能する。そこでInGaP層5をチャネル下部層5b、n型AlGaAs層18をチャネル上部層18bとする。また、最上層のn+型GaAs層6をコンタクト層6bs、6bdとする。コンタクト層6bd、6bsはそれぞれFETのドレイン領域およびソース領域となり、コンタクト層6bd、6bs上には、オーミック金属層によって1層目のドレイン電極10、ソース電極11がそれぞれ形成される。
コンタクト層6bd、6bsとその下層のn型InGaP層19bも、メサ状に形成され、それらの間にn型InGaP層19bの下層のn型AlGaAs層18bが露出する。露出したn型AlGaAs層18bにはゲート電極12が設けられる。
単位FET102は所定のピンチオフ電圧Vpが得られるように、ゲート電極12の底部からチャネル層の一部となるチャネル下部(n型InGaP)層5b底部までの深さを決定する。つまりこれに応じて、ゲート電極12を形成する位置(深さ)が決定する。このため、ピンチオフ電圧Vpに応じて所望の半導体層を所定の深さまでリセスエッチングし、露出した表面にゲート電極12を形成する。このとき、リセスエッチングにばらつきがあると、ピンチオフ電圧Vpのばらつきを引き起こし、単位FET102の特性が劣化する。
そこで本実施形態では、チャネル下部(n型InGaP)層5a、チャネル上部(n型AlGaAs)層18b、n型InGaP層19bおよびn+型GaAs層6を積層する。そしてゲート電極形成のためのリセスエッチング工程において、まずn+型GaAs層6とn型InGaP層19bの選択エッチングにより、n+型GaAs層6をエッチングし、コンタクト層の6bdと6bsに分離する。次にn型InGaP層19bとn型AlGaAs層18bの選択エッチングによりn型InGaP層19bをエッチングし、ゲート電極を形成するn型AlGaAs層18bの表面を露出する。n型AlGaAs層18bを所定のピンチオフ電圧Vpに応じた厚みに設定することにより、再現性のよいゲート電極12形成のためのリセスエッチングが可能となる。
このように、単位FET102において、n型AlGaAs層18bおよびn型InGaP層19bは、ゲート電極12を形成する表面を露出するリセスエッチングにおいて選択エッチングを可能にするために設けられるが、更にゲート電極の耐圧確保においても有利となる。
本実施形態では、単位FET102のゲート電極12はn型AlGaAs層18b上に設ける。そして、ゲート電極12を構成するゲート金属層(金属多層膜)の最下層金属の一部をn型AlGaAs層18bに埋め込んだ、埋め込みゲート電極構造を採用する。
ここで図4に、埋め込みゲート電極構造の拡大断面図を示す。埋め込みゲート電極構造を採用する場合、ゲート電極12は最下層金属にPtを採用した複数の金属多層膜(例えばPt/Mo)からなる。そして金属多層膜を半導体層に蒸着後、最下層金属であるPtの一部を半導体層に拡散し、埋め込み部12bを形成する。埋め込み部12bは拡散領域であるため本来であれば半導体層表面から所定の曲率で外側に向かって湾曲した形状に形成され、耐圧の向上に寄与できる。
図4(A)および図4(B)は、PtをInGaP層に拡散した場合を示す。例えば図4(A)では、ノンドープAlGaAs層401上にノンドープInGaP層402を積層し、ゲート電極12をInGaP層402表面に形成する。このようにすることにより、ゲート電極12の両脇に露出する層がInGaP層402となる。InGaP層402は酸化されにくく化学的に安定であり、ゲート電極12の両側の動作領域のパッシベーション層として利用できる利点がある。埋め込み部12b’は、ゲート電極12の一部として機能するため、ピンチオフ電圧Vpに応じて埋め込み部12b’の底部の位置(拡散深さ)を決定する。
しかし、InGaP層402表面にゲート電極12のPtを拡散させたものを実際に観察すると、図4(A)の如くPtがInGaP層402表面で横方向に異常拡散し、端部(X点)が尖った形状となっていることが判明した。すなわち、耐圧を向上させるための埋め込み部12b’の形状は、実際には、外側に向かって所定の曲率で湾曲した形状にはならず、耐圧向上に有利な形状が得られていない。
また、図4(B)には、ノンドープAlGaAs層401、403とノンドープInGaP層402を交互に積層し、AlGaAs層403表面にゲート電極12を形成する構造を示す。このように、InGaP層402表面にゲート電極12を形成しない場合であっても、AlGaAs層403を貫通して拡散したPtがInGaP層402に到達すると、その表面で横方向に異常拡散を起こす。
尚図4(A)(B)において半導体層は全てノンドープ層で示したが、Ptの異常拡散は、InGaP層(またはAlGaAs層)が不純物を含む層(ドープドInGaP層、ドープドAlGaAs層)であっても同様である。
このようにInGaP層402の表面ではPtが異常拡散するため、何れの場合もX点で電界集中が発生し、埋め込みゲート電極本来の高い耐圧を確保することができない。すなわちこのときの耐圧はゲート電極を埋め込まない場合と同じレベルに留まってしまう。
図4(C)は、本実施形態のゲート電極12および埋め込み部12bである。このように、本実施形態では、チャネル下部層(n型InGaP層)5b上にチャネル上部層(n型AlGaAs層)18bを設け、この表面にゲート電極12を形成する。そして、埋め込み部12bの底部はn型AlGaAs層18b内に位置させる。これにより、InGaP層5b表面でのPtの異常拡散を防止でき、埋め込み部12bの形状が外側に向かって所定の曲率で湾曲した形状となり、耐圧向上を図ることができる。
また、目的とするピンチオフ電圧Vpはゲート電極12の底部(埋め込み部12bの底部)からチャネル下部層5b底部までの距離、およびチャネル層下部層5bとチャネル上部層18bの不純物濃度で決定する。ここで、埋め込み部12bの深さは、ゲート金属層最下層のPtの蒸着膜厚が110Å以下であれば、蒸着膜厚に比例(埋め込み部12bの深さ=Pt蒸着膜厚×2.4)する。つまり、埋め込み部12bの深さはPt蒸着膜厚によって再現性の良い制御が可能である。また、不純物濃度はMOCVD装置によりエピタキシャル層を形成する際の不純物濃度であるので、極めて精密な制御が可能である。
一方、埋め込み部12bの底部からチャネル下部層5b表面までのチャネル層は、チャネル上部(n型AlGaAs)層18bにより構成される。本実施形態では、まずチャネル下部(n型InGaP)層5bおよびチャネル上部(n型AlGaAs)層18bの不純物濃度を、単位FET102が所定の耐圧およびオン抵抗が得られるよう設定する。次にチャネル下部(n型InGaP)層5bの厚みは、単位HBT101のレッジLの厚みと同じになるため、単位HBT101のレッジLが正常に機能するような厚みに設定する。最後にチャネル上部(n型AlGaAs)層18bの厚みを、単位FET102が所定のピンチオフ電圧Vpが得られるような厚みに設定する。チャネル上部(n型AlGaAs)層18bの上層にはn型InGaP層19bを積層する。そして、n型InGaP層19bとn型AlGaAs層18bの選択エッチングにより、n型AlGaAs層18bを露出する。十分に厚いn型AlGaAs層18bを準備し、ウェットエッチングにより所定の深さまでエッチングし、ゲート電極を形成する表面を露出する従来の方法では、エッチングの再現性が悪く、ピンチオフ電圧Vpが大きくばらついていた。しかし、本実施形態によれば再現性良く、ゲート電極を形成するn型AlGaAs層18b表面を露出することができる。
チャネル上部(n型AlGaAs)層18bの下層にはチャネル下部層5bが配置され、チャネル下部層5bの下層にはp型バッファ層4bが配置される。p型バッファ層4bはp+型GaAs層であり、この層により、チャネルから基板側にリークするキャリアを防止できる。
尚、p+型GaAs層4より下層はFETとして特に動作に影響しない層であるので、単位HBT101の特性が最適になるように設計すればよい。
再び図3を参照する。図3(A)の如く単位素子100は、図3(B)(C)に示す単位HBT101の面S1’と図3(D)に示す単位FET102の面S1とを当接させた構造である。当接面は図3(A)のc−c線の面である。そして、単位FET102のソース電極11上に配線金属層(Ti/Pt/Au)により接続配線17が設けられる。接続配線17は、単位FET102のメサに沿って、また絶縁化領域20上を通過して単位HBT101のベース電極8上まで延在する。
ここで、メサ形状と配線の方向について説明する。
GaAsのメサエッチングにウエットエッチングを採用した場合、メサ形状に結晶面が影響する。結晶方向とメサ形状の関係として、[01バー1バー](以下[01−1−]と記載する)の方向と平行方向にエッチング段差表面をトレースする場合のメサ形状は順メサ形状(台形の形状)となる。また、[01−1−]の方向と垂直方向にエッチング段差表面をトレースする場合のメサ形状は逆メサ形状(オーバーハング形状)になる。
つまり、例えば配線金属層がメサ段差を昇降する場合、メサ形状あるいは配線金属層の延在方向によってはステップカバレッジの問題が発生する。
金属層が[01−1−]の方向と平行方向に延在してメサ段差を昇降する場合、順メサ形状であるのでステップカバレッジの問題は発生しない。ところが、配線が[01−1−]の方向と垂直方向に延在してメサ段差を昇り降りするときは、逆メサ形状となるため、ステップカバレッジの問題が発生する。
本実施形態では、単位HBT101のエミッタコンタクト層6a、n型InGaP層19a、n型AlGaAs層18aおよびエミッタ層5aを形成するメサエッチングにより、同時に単位FET102の領域にもメサが形成される。つまり、図2においてエミッタメサEMが同時に形成されるメサである。
また、単位HBT101のベース層4aおよびコレクタ層3を形成するメサエッチングにより、同時に単位FET102の領域にもメサが形成される。つまり、図2においてベースメサBMが同時に形成されるメサである。
従って、単位FET102のソース電極11と単位HBT101のベース電極8を接続する接続配線17がエミッタメサEMを昇降し、さらにゲート配線120がベースメサBMを昇降する。
そこで、本実施形態では接続配線17、ゲート配線120がメサを昇降する方向を揃えて、共に[01−1−]の方向と平行方向(図の矢印の方向)に延在させている。
このように、n+型GaAs層6、n型InGaP層19、n型AlGaAs層18およびn型InGaP層5はメサ状であり、空間により分離される。一方、p+型GaAs層4より下層は、分離領域(絶縁化領域)20により分離される。つまり、単位HBT101のベース層4a、コレクタ層3、サブコレクタ層2は、単位FET102のバッファ層4b、n−型GaAs層3、n+型GaAs層2と、電気的には分離されているが構造上は連続する。単位HBT101と単位FET102は、分離領域20を介して隣接して配置される。
本実施形態では、単位素子100毎に単位FET102と単位HBT101が近接して接続される。そして単位HBT101と単位FET102の半導体層の積層構造は同一であり、単位HBT101のベース層4a、コレクタ層3、サブコレクタ層2は、それぞれ単位FET102のp+型GaAs層4b、n−型GaAs層3、n+型GaAs層2と連続している。従って、単位HBT101の動作による発熱を単位FET102に伝えることが可能となる。単位FET102のドレイン電流は負の温度係数を有するため、単位HBT101のベース電流も負の温度係数を持つ。従って、単位HBT101の発熱は単位HBT101のコレクタ電流を低減させることになる。
複数の単位素子100を並列接続して構成された能動素子200においては、単位素子100間で動作電流が不均一になる場合がある。従来のHBT320(または321)は、図20に示す最小単位のHBTを単位素子320’としてこれを複数並列接続して構成された能動素子である。この場合一般にHEMTに比べ潜在的に非常に高い電流密度を得られ、非常に低いオン抵抗Ronを得ることができる。しかしHBT320は温度による正帰還作用により電流が1つの単位素子に集中して二次降伏により破壊するという問題をはらんでいる。このため、実際のところ十分に電流密度を上げることができない。またこの問題を解決するために一般にはHBT320の櫛歯状の単位素子320’にエミッタバラスト抵抗やベースバラスト抵抗を挿入するという対策が必ず取られている。しかしエミッタバラスト抵抗やベースバラスト抵抗を挿入すると、高周波特性がその分劣化してしまうという問題が新たに発生する。
HBT320のベース−エミッタ間電圧VBE−ベース電流の特性は温度に対して正の係数を有するため、何らかの設計上の不均一要因により、単位素子320’が他の単位素子320’に対してベース−エミッタ間電圧VBEバイアスが少し大きく印加される場合がある。その結果ベース電流、コレクタ電流が多く流れ、温度が上がってさらに多くのベース電流、コレクタ電流を流そうするのが通常の二次降伏のプロセスである。
しかし、本実施形態の単位素子100は二次降伏のプロセスが実際に開始されることはない。単位素子100の単位HBT101のベース電流を供給するのは単位FET102であるが、単位FET102は単位HBT101と異なり、温度に対して負の温度係数を有する。また、単位HBT101と単位FET102が近接しているため発熱した単位HBT101の熱が隣接した単位FET102に伝わり単位FET102のソース電流が減少する。ソースとベースが接続しているため単位FET102のソース電流は単位HBT101のベース電流となる。つまり、単位HBT101の発熱により単位FET102のソース電流が減少し、単位HBT101のベース電流が減少する。これにより単位HBT101のコレクタ電流が減少し、逆に単位HBT101が冷却する方向となる。つまり、結果として二次降伏の発生を防ぐことができる。
つまり、本実施形態では、単位HBT101に隣接して単位FET102を接続することにより温度補償型の能動素子200を実現し、従来の能動素子と比較して大幅に電流密度を向上させて動作させることができる。つまり、エミッタバラスト抵抗やベースバラスト抵抗など一切の高周波特性を劣化させる要因を付加することなく二次降伏の発生を防ぐことができるため、従来の能動素子と比較して電流密度を大幅に上げることができる。
図5は、図3の上記の増幅器用途の能動素子200を用いたパワーアンプ回路装置210を示す。図5(A)が回路図であり、図5(B)は回路ブロック図である。
現在の市場でのHBTの主な用途は携帯電話のパワーアンプ(高出力増幅器)である。携帯電話のパワーアンプにおいては特に第3世代以降、限られた周波数帯域の中でいかに多くの通信回線を確保するかが技術的に最も大きな鍵となっており、CDMAなどの高密度な通信方式が採用されてきている。通信方式の高密度化に伴い、より線形性の高いパワーアンプ用デバイスが求められる。携帯電話のパワーアンプにはHEMTも使用されているが、第3世代以降はHEMTより電流密度が高く線形性の高いHBTの使用比率が高まってきている。HEMTはユニポーラデバイスであるのに比べHBTはバイポーラデバイスであるため圧倒的に電流密度を上げることができる。
本実施形態によれば、増幅素子となる能動素子200の各単位素子にエミッタバラスト抵抗やベースバラスト抵抗を挿入することなく、二次降伏を回避したパワーアンプ回路装置210を提供できる。
図5(A)の如く、単位素子100を並列に接続した能動素子200によりパワーアンプ回路装置210を構成する。パワーアンプ回路装置210は増幅素子である能動素子200とバイアス用や整合用などの受動素子を集積化したものである。
パワーアンプ回路装置210を構成する増幅素子200では各単位素子100を構成する単位FET102のゲートから入力信号が入り、単位HBT101のコレクタから出力信号が出る。単位FET102のドレインは高周波信号の漏れを防止する分離素子(インダクタ)30を介して電源端子VDDに接続する。電源端子VDDは単位FET102に電流を供給する。またエミッタはGNDに接続する。本実施形態の単位素子100は、単位HBT101に単位FET102が接続した構成である。つまり増幅素子としての単位HBT101の前段に、増幅素子としての単位FET102が接続している。
すなわち図5(B)の如く、本実施形態の単位素子100を並列に接続した増幅素子200によりパワーアンプ回路210を構成すると、1段目の増幅素子としてのFETの後段に、2段目の増幅素子としてのHBTが接続した2段増幅素子として機能する。
つまり、HBTの電流増幅率hFEにFETの相互コンダクタンスgmが加わることで、1つの増幅素子200の増幅性能が相互コンダクタンスgmと電流増幅率hFEの積算値となる。すなわち1つの増幅素子200のgmがFETのgmとHBTのhFEの積算値となる。HBTのみで構成した増幅素子の増幅性能が電流増幅率hFEのみであることと比較すると、増幅素子として大幅に利得が向上する。
図6および図7は、増幅素子200を構成する単位素子100の他の形態を示す。増幅素子200の場合、各単位素子100のエピタキシャル層の構造は、基本的には図3(B)(C)に示す構造であるが、以下に示す構造であってもよい。尚 図6は、単位素子100にバラスト抵抗層を入れる場合である。図6(A)は図2のa−a線に相当する単位素子100の断面図であり、図6(B)が図2のb−b線に相当する単位HBT101の断面図である。
既述の如く本実施形態によれば、バラスト抵抗層を設けなくても二次降伏の発生を防ぐことができる。しかし、単位素子100を構成する単位FET102や単位HBT101の設計によっては二次降伏が十分防止できない場合がある。また単位HBT101に非常に大きな電流を流す場合も二次降伏の発生を完全に回避することは困難である。そのような場合には単位HBT101のエピタキシャル構造にバラスト抵抗層を入れることにより重ねて二次降伏対策を取ると良い。
すなわちエミッタ層5a側にバラスト抵抗層としてn−型GaAs層33を配置する。所定の抵抗値を有するn−型GaAs層33がバラスト抵抗層となるため、1つの単位素子100に電流が集中することによる二次降伏の発生を防止できる。
バラスト抵抗層33はノンドープのGaAs層で形成しても良いし、n−型InGaP層やノンドープInGaP層でもよい。他の半導体層は図3(B)と同様である。前述のようにHBTにおけるバラスト抵抗は通常、温度補償のために設けられる。すなわち、例えば図20(B)に示したHBT320の単位素子320’のエミッタに直列にバラスト抵抗を接続すると、温度による正帰還作用により電流が1つの単位素子320’に集中した場合、その単位素子320’のバラスト抵抗の両端の電位差が大きくなる。その結果、その単位素子320’のエミッタ−ベース接合に印加されるバイアス電圧が低くなるため、その単位素子320’のコレクタ電流が少なくなる。結果としてその単位素子320’が二次降伏による破壊することを防止できる。しかし、従来のHBT320では、バラスト抵抗により高周波特性が劣化する問題がある。
本実施形態は温度補償型の単位素子100で能動素子200を構成するため、バラスト抵抗を設ける場合であっても、従来のHBT320より低い抵抗値のバラスト抵抗で同じ効果を得ることができる。従ってバラスト抵抗を設けることによる高周波特性の劣化の程度を、従来より少なくすることができる。
この場合、図6(A)の如く、単位FET102にもn−型GaAs層33が配置されるが単位FET102に流れる電流はわずかであり、n−型GaAs層33を設けることによる影響は少ない。
図7は、エミッタ電極をノンアロイオーミック層にコンタクトさせる場合である。図7(A)が図3の単位HBT101においてノンアロイオーミック層31を設ける場合であり、図7(B)は図7のバラスト抵抗層を設ける構造において、更にノンアロイオーミック層31を設ける場合である。尚、図7は図2のb−b線に相当する単位HBT101の断面図である。
ノンアロイオーミック層31はエミッタコンタクト層6aのコンタクト抵抗を低減するために、エミッタコンタクト層6a上に設けられる。ノンアロイオーミック層31はn+型InGaAs層である。この場合、エミッタコンタクト層6aはn+型GaAs層であり、他の半導体層も図3(B)と同様である。図示はしないが、このとき同時に単位FET102においてもコンタクト層6bs、6bd上にノンアロイオーミック層31が設けられる。
次に、図8から図14を参照し、本発明の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の能動素子200をスイッチング素子として、スイッチ回路装置220を構成した場合である。
まず、図8を参照し、第2の実施形態のスイッチ回路装置の回路図を示す。図8(A)は回路概要図であり、図8(B)は実際の回路図である。
スイッチ回路装置は、例えば、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチMMICである。
SPDTスイッチMMICは、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2を有する。第1スイッチング素子SW1は単位素子を並列接続した能動素子200であり、第2スイッチング素子SW2も単位素子を並列接続した能動素子である。
単位素子は、第1の実施形態と同様であり、単位HBTおよび単位FETにより構成される。ここで図8(A)においてはスイッチ回路装置220の概略を示すために、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2となる各能動素子の単位HBTを統括してHBT1、HBT2と示し、各能動素子の単位FETを統括してFET1、FET2と示した。
尚、FET1、FET2はMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)であり、HBT1、HBT2にそれぞれベース電流を供給するための駆動トランジスタである。
第1および第2スイッチング素子SW1、SW2は、HBT1およびHBT2のコレクタが共通で第1RFポートに接続する。第1RFポートは、例えばアンテナなどに接続する共通入力端子INである。
また、第1および第2スイッチング素子SW1、SW2は、HBT1、HBT2のエミッタがそれぞれ第2RFポートに接続する。第2RFポートは、例えば発信用側回路などに接続する第1出力端子OUT1と、受信側回路等に接続する第2出力端子OUT2である。
HBT1およびHBT2のベースはそれぞれFET1およびFET2を介して、例えば発信用制御端子および受信用制御端子である第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2に接続される。
FET1およびFET2は、それぞれドレインが電源端子VDDに接続し、ソースがそれぞれHBT1、HBT2のベースに接続する。ゲートは、それぞれコントロール抵抗R1およびR2を介して第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2に接続する。コントロール抵抗R1、R2は、交流接地となる制御端子Ctl1、Ctl2の直流電位に対して、ゲートを介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。コントロール抵抗R1、R2の抵抗値は5KΩ〜10KΩ程度である。
第1制御端子Ctl1および第2制御端子Ctl2に印加される制御信号が相補信号の場合を説明する。その場合、第1制御端子Ctl1の信号がHレベル(例えば3V)の時は第2制御端子Ctl2の信号がLレベル(例えば、0V)になる。そして、Hレベルが印加された側のFETが導通し、FETにより供給される電流によって、HBT1またはHBT2のいずれかを駆動する。そして第1RFポートおよび第2RFポート間に1つの信号経路を形成する。
例えば、第1制御端子Ctl1にHレベルが印加されるとFET1のソース−ドレイン間が導通する。これにより、電源端子VDDから供給されるベース電流Iをベースバイアスとして、HBT1が動作する。このとき、第2制御端子Ctl2はLレベルの信号が印可されるので、FET2は導通せず、HBT2は動作しない。これにより、共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間に1つの信号経路が形成され、例えば共通入力端子INに入力された高周波アナログ信号が第1出力端子OUT1より出力される。一方第2制御端子Ctl2にHレベルの信号が印可されると、共通入力端子IN−第2出力端子OUT2間に1つの信号経路が形成される。
HBT1およびHBT2のエミッタおよびコレクタにはバイアスポイントBPをそれぞれ接続する。バイアスポイントBPは、HBT1およびHBT2のエミッタおよびコレクタに等しいバイアス電位(例えばGND電位)を印加する。
そして、HBT1およびHBT2のエミッタとバイアスポイントBP間、およびHBT1およびHBT2のコレクタとバイアスポイントBP間にそれぞれ高周波信号の分離素子30を接続する。分離素子30は、例えば抵抗値5KΩから10KΩの抵抗であり、バイアス電位(GND電位)に対して高周波信号が漏れることを防止する。
更に、同様の理由により、ドレインバイアスを印加する電源端子VDDとFET1間、および電源端子VDDとFET2間にも、高周波信号の分離素子30を接続する。
以下この回路動作について説明する。
HBT1、HBT2のオン電圧(ベース−エミッタ間電圧VBE)は例えば2.0Vである。そしてFET1、FET2はディプレッション型でありピンチオフ電圧Vpは−0.4Vである。
つまり、オン側の制御端子(例えば第1制御端子Ctl1)の電位がHBT1のエミッタおよびコレクタの電位より、1.6V(=2.0V−0.4V)以上高くなった時点で、初めてFET1とHBT1がオンする。
ここではHBT1、HBT2のエミッタおよびコレクタの電位はGND電位(0V)としている。オン側の第1制御端子Ctl1には3Vが印加されるため、第1制御端子Ctl1と、HBT1のエミッタおよびコレクタの電位との電位差は3V(=3V−0V)となる。これは、FET1およびHBT1が共にオンする電位(1.6V)より十分高い。つまり、バイアスポイントBPに接続する分離素子30(抵抗)による電圧ドロップを考慮しても第1制御端子Ctl1より印加される電位によってFET1とHBT1は十分オンし、HBT1のエミッタ−コレクタ間が導通する。
一方オフ側は、HBT2のエミッタおよびコレクタの電位0V(GND)に対して、第2制御端子Ctl2は0Vである。第2制御端子Ctl2の電位がHBT2のエミッタおよびコレクタの電位より1.6V以上高くなった時点でFET2とHBT2がオンするためOFF側は1.6Vの振幅のパワーに耐えることができる。
1.6Vの振幅は20.1dBmのパワーに対応し、無線LANやBluetoothに用途に十分使用できる。
このように、例えば第1スイッチング素子SW1は、HBT1のエミッタおよびコレクタの電位を基準とした第1制御端子Ctl1の電位が、HBT1のオン電圧とFET1のピンチオフ電圧を加算した値を超えたとき、オンし始める(第2スイッチング素子SW2側も同様)。第2の実施の形態では、HBT1、HBT2のエミッタおよびコレクタの電位をGNDとした。また、図示は省くが抵抗分割などのバイアス回路を設けることによりHBT1、HBT2のエミッタおよびコレクタの電位は自由に設定できる。従ってHBT1、HBT2のオン電圧とFET1、FET2のピンチオフ電圧を加算した値は、上記の例に限らずどのような値であっても、バイアス回路を調整することにより第2の実施の形態と同じ特性を得ることができる。すなわちFET1およびFET2は、エンハンスメント型およびディプレッション型の何れでも良い。
図8(B)は、図8(A)に示したHBT1とFET1の実際の接続、およびHBT2とFET2の実際の接続を示す回路図である。
第1および第2スイッチング素子SW1、SW2を構成するHBT1およびHBT2の実際のパターンはコレクタ、ベース、エミッタを櫛歯状に配置し、FET1、FET2もソース、ドレイン、ゲートを櫛歯状に配置している。そして、HBT1のベースとFET1のソースの接続、およびHBT2のベースとFET2のソースの接続は、実際はすべて各櫛歯ごとに対応している。
図8(B)では、HBT1およびFET1、HBT2およびFET2を各櫛歯すなわち単位素子100毎に示した。このように、第2の実施形態のスイッチ回路装置220は、第1トランジスタ(単位HBT)101および第2トランジスタ(単位FET)102を接続して単位素子100とし、単位素子100を複数並列接続した第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2により構成される。単位FET102は単位HBT101にベース電流を供給するための駆動トランジスタである。
単位素子100、単位HBT101および単位FET102の回路図については、第1の実施形態と同様であるので、重複部分についての詳細な説明は省略する。
1組の単位HBT101と単位FET102は、分離領域を介して隣接して配置されており、単位HBT101のベースと単位FET102のソースが接続して1つの単位素子100(破線)を構成している。
そして単位素子100を並列接続して、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2が構成される。単位素子100は並列接続されているが、1つの単位素子100のベースおよびソースは、他の単位素子100のベースおよびソースとはそれぞれ共通接続しない。
具体的には、1つの単位素子100は、単位HBT101のエミッタ、コレクタ、および単位FET102のドレイン、ゲートを、他の単位HBT101の、エミッタ、コレクタ、および単位FET102のドレイン、ゲートとそれぞれ共通接続する。
各単位素子100は、単位FET102のドレインが電源端子VDDに接続する。そして、単位HBT101のコレクタ−エミッタ電圧VCEを0Vにバイアスし、第1および第2制御端子Ctl1、Ctl2に相補信号を印加する。これにより、第1スイッチング素子SW1または第2スイッチング素子SW2のいずれかの単位HBT101に所定のベース電流を印加してコレクタ−エミッタ間を導通させる。あるいはベース電流を0としてコレクタ−エミッタ間を遮断する。これにより共通入力端子IN−第1出力端子OUT1間または、共通入力端子IN−第2出力端子OUT2間のいずれかに信号経路を形成する。
図8(A)はこれらを概略的に示したものであり、第1スイッチング素子SW1の単位HBT101によってHBT1が構成され、第1スイッチング素子SW1の単位FET102によってFET1が構成される様子を示す。同様に、第2スイッチング素子SW2の単位HBT101によって図8(A)に示すHBT2が構成され、第2スイッチング素子SW2の単位FET102によってFET2が構成される様子を示している。
以上、第2の実施形態のスイッチ回路装置の動作として、第1制御端子Ctl1および第2制御端子Ctl2に印加される制御信号が相補信号であって、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2のどちらかが導通する場合を示した。
しかし第1制御端子Ctl1および第2制御端子Ctl2に印加される制御信号が両方Lレベルの場合もあり、両方LレベルのときはSW1およびSW2が両方遮断する。
図9は、図8(B)の回路を化合物半導体基板に集積化したスイッチMMICのパターン例を示す。
半絶縁性GaAs基板に複数の半導体層を積層した基板にスイッチを行う第1および第2スイッチング素子SW1、SW2を配置する。また共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2、電源端子VDD、接地端子GNDとなる各パッドI、O1、O2、C1、C2、V、Gが基板の周辺に設けられている。
第1スイッチング素子SW1側と第2スイッチング素子SW2および各パッドは、チップの中心に対して対称に配置されている。従って、以下第1スイッチング素子SW1側について説明するが第2スイッチング素子SW2側も同様である。
第1スイッチング素子SW1は、単位素子100を複数並列接続して構成され、各単位素子100は単位HBT101および単位FET102からなる。単位HBT101および単位FET102は、半絶縁性GaAs基板上の複数の半導体層を所定のメサ形状にエッチングして形成される。また、半導体層よりなる伝導領域によって抵抗などのスイッチMMICを構成する素子が形成される。尚、後述するが本実施形態の伝導領域は不純物領域であり、基板に達する分離領域20により他の領域から分離される。
単位HBT101の1層目のエミッタ電極9、ベース電極8、コレクタ電極7は、オーミック金属層により櫛歯状に形成される。2層目のエミッタ電極15およびコレクタ電極13は配線金属層により形成され、エミッタ電極15は1層目のエミッタ電極9と同様の櫛歯状に形成される。2層目のコレクタ電極13は、コレクタ配線130により他の単位HBT101のコレクタ電極13と接続し、共通入力端子パッドIに接続する。2層目のエミッタ電極15上には金メッキ層によるエミッタ配線150が形成され、他の単位HBT101のエミッタ電極15と接続し、第1出力端子パッドO1に接続する。またコレクタ配線130上にも金メッキ層が重畳されている。
単位HBT101はベース電流を引き込むため、エミッタ電極9、15およびコレクタ電極7、13をバイアスポイントBPとなるGNDパッドGに接続する。エミッタ電極15はエミッタ配線150により第1出力端子パッドO1に共通接続されている。従って出力端子パッドO1とGNDパッドGを接続することによりエミッタ電極9、15をバイアスポイントBPに接続できる。またコレクタ電極13はコレクタ配線130により共通接続されている。従ってコレクタ配線130とGNDパッドGを分離素子30の抵抗を介して接続することによりコレクタ電極7、13をバイアスポイントBPに接続できる。バイアスポイントBP(GNDパッドG)は、図9の如く第1出力端子パッドO1と第2出力端子パッドO2の間で、共通入力端子パッドIと反対側に配置する。この配置により、特に新たなスペースを確保することなく単位HBT101のエミッタ電極およびコレクタ電極にバイアス電位を与えることができる。
単位FET102の1層目のドレイン電極10、ソース電極11はオーミック金属層により島状に形成される。2層目のドレイン電極16は配線金属層により島状に形成される。2層目のドレイン電極16上には金メッキ層によるドレイン配線160が形成され、他の単位FET102のドレイン電極と接続し、電源端子パッドVに接続する。
単位HBT101と単位FET102は、分離領域20を介して隣接して配置され、単位HBT101のベース電極8と、単位FET102のソース電極11が配線金属層により形成される接続配線17によって接続され、1つの単位素子100を構成する。
ソース電極11およびドレイン電極10間の伝導領域(不純物領域)23にはゲート金属層からなるゲート電極12が設けられる。ゲート電極12は、配線金属層からなるゲート配線120によって他の単位FET102のゲート電極12と接続し、コントロール抵抗R1を介して第1制御端子パッドC1に接続する。
第1出力端子パッドO1と、接地端子パッドG間には分離素子30となる抵抗が接続される。また、電源端子パッドV−ドレイン配線160間、および共通入力端子パッドI−接地端子パッドG間にも分離素子30となる抵抗が接続される。分離素子は高周波信号の漏出を防止する。
コントロール抵抗R1および分離素子30の抵抗は、分離領域20により分離された伝導領域23である。
また、各パッドの周辺およびゲート配線120の周辺にはそれぞれ、アイソレーション向上のため、周辺伝導領域(不純物領域)170が設けられる。
単位素子100の拡大平面図は、図2と同様である。図2を参照し、櫛歯状パターンの単位HBT101にそれぞれ単位FET102が接続し、櫛歯状の単位素子100が並列接続されて能動素子200である第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2が構成される。
第1スイッチング素子SW1は、単位素子100が並列接続したものである。つまりコレクタ配線130によって各単位HBT101のコレクタ電極13、7が互いに接続され、またエミッタ配線150によって各単位HBT101のエミッタ電極15、9が互いに接続される。尚、コレクタ電極7、13は隣り合う単位素子100で共用している。更に、単位FET102のゲート配線120によって、各単位FET102のゲート電極12が互いに接続され、単位FET102のゲート配線120は第1制御端子Ctl1に接続する。ドレイン配線160によって各単位FET102のドレイン電極10、16が互いに接続され、電源端子VDDに接続する。
また、単位FET102の各ゲート電極12は動作領域外に延在し、配線金属層によるゲート配線120と接続する。ゲート配線120はゲート電極12同士を配線し、制御端子に接続する。ゲート配線の周囲にも分離領域20を配置する。尚、第2スイッチング素子SW2も同様である。
これ以外の構成は、図2の単位素子と同様であるので説明は省略する。
図10は、第2の実施形態の単位素子100を説明する図であり、図10(A)が図2のa−a線断面図、図10(B)が図2のb−b線断面図、図10(C)が単位HBT101の斜視図、図10(D)が単位FET102の斜視図である。尚、図10(C)(D)では2層目以上の電極を省略している。
既述の如く単位素子100(能動素子200)を構成する各半導体層は、能動素子200の用途により適宜選択する。スイッチ回路装置に用いる能動素子200の場合、単位HBT101のコレクタ層3がn型InGaP層となる。これ以外の構成は、第1の実施形態の単位素子100と同様であるので説明は省略する。
第2の実施形態においても、n型AlGaAs層(またはn型GaAs層)18はエミッタ層5aのInGaP層と選択的にエッチングされ、再現性の良い厚みを持つレッジLを形成できる。またエミッタ層5aのInGaP層はベース層4aのp+型GaAs層と選択的にエッチングすることが可能となる。
また、n型InGaP層19を設けることにより、単位FET102のゲート電極を形成するn型AlGaAs層18表面を選択エッチングで露出することができる。更に、単位FET102のゲート電極12は、n型AlGaAs層18b上に形成され、埋め込み部12bはn型AlGaAs層18b内に位置する。これにより、InGaP層表面でのPtの異常拡散を防止し、所定の耐圧を確保することができる。
第2の実施形態においても、単位素子100毎に単位FET102と単位HBT101が近接して接続される。そして単位HBT101と単位FET102の半導体層の積層構造は同一であり、単位HBT101のベース層4a、コレクタ層3、サブコレクタ層2は、それぞれ単位FET102の相当する半導体層と連続している。従って、単位HBT101の動作による発熱を単位FET102に伝えることが可能となる。単位FET102のドレイン電流は負の温度係数を有するため、単位HBT101のベース電流も負の温度係数を持つ。従って、単位HBT101の発熱は単位HBT101のコレクタ電流を低減させることになる。
このようなメカニズムを採用することにより、エミッタバラスト抵抗やベースバラスト抵抗など一切の高周波特性を劣化させる要因を付加することなく二次降伏の発生を防ぐことができるため、従来よりHBTの電流密度を大幅に上げることができる。その結果、第1および第2スイッチング素子SW1、SW2のオン抵抗Ronを非常に小さくすることができ、スイッチMMICのインサーションロスを非常に小さくできる。
図10の如く、スイッチ回路装置220に用いる単位素子100の場合、単位HBT101は、エミッタ層5aとベース層4aとで、InGaP/GaAsへテロ接合を形成している。更にこれに加え、コレクタ層3とベース層4aとでもInGaP/GaAsへテロ接合を形成している。そして、エミッタ層5aをエミッタとして動作する順方向のトランジスタ動作時(以下順トランジスタ動作時)と、エミッタ層5aをコレクタとして動作する逆方向のトランジスタ動作時(以下逆トランジスタ動作時)とで、トランジスタ特性がほぼ同じ特性となるように構造上の各パラメータを設計し、コレクタ−エミッタ間電圧を0V、コレクタ−エミッタ間電流を0A付近のバイアスで動作させる。本実施形態では、このようにベースを基準としてエミッタとコレクタが対称なHBT(以下対称型HBT)を採用する。
スイッチMMICに一般的に使用されているHEMTはユニポーラデバイスであるのに比べHBTはバイポーラデバイスであるため、圧倒的に高く電流密度を上げることができ、オン抵抗Ronを非常に小さくできる。また単位HBT101として、対称型HBTを使用することによりコレクタ−エミッタ間消費電流を0Aとするため省エネルギー動作が可能となる。理由はHEMTでドレイン−ソース間電圧を0Vにバイアスするのと同様に対称型HBTでコレクタ−エミッタ間電圧を0Vにバイアスできるからである。
図11の特性図を参照して、対称型HBTについて説明する。図は、対称型HBTの、所定のベース電流Iにおけるコレクタ−エミッタ電圧VCEとコレクタ電流IcのV−Iカーブを示す。
ある所定のベース電流Iにおいてコレクタ−エミッタ電圧VCEおよびコレクタ電流Icが正(+)値を示すトランジスタを順トランジスタといい、負(−)の値を示すトランジスタを逆トランジスタという。
図11(A)のごとく、対称型HBTは、太線の如く順トランジスタ動作時のオン抵抗Ron(=ΔVCE/ΔI)と逆トランジスタ動作時のオン抵抗Ron’(=ΔVCE’/ΔI’)がほぼ等しくなるように構成したHBTである。これを実現するために、エミッタ層5aとコレクタ層3は基本的に同じ構造とする。例えば、エミッタ層5aにInGaP層を使用する場合はコレクタ層3にもInGaP層を使用する。そして、エミッタ層5aとコレクタ層3にInGaP層を使用する場合はGaAs層またはAlGaAs層(ベース層4a、サブコレクタ層2およびn型AlGaAs層18a)とそれぞれ格子整合させる。また、エミッタ層5aとコレクタ層3にAlGaAs層を使用する場合はAlのモル比率を同じにする。
そして、エミッタ層5aの不純物濃度とコレクタ層3の不純物濃度をほぼ同等の値に設定する。これにより、通常のHBTに比べベース−コレクタ耐圧が低下するが、スイッチ回路装置ではベース−コレクタ耐圧は7〜8Vあれば十分である。
対称型HBTはコレクタ−エミッタ間電圧を0Vのバイアスで動作させることにより、基本的にコレクタ−エミッタ間の消費電流を0Aにすることができる。
図11(B)は、対称型ではないHBTの特性を示す。対称型でないHBTでは、順トランジスタの立ち上がり電圧が0Vでなく、百〜数百mV程度のオフセット電圧VOFFを持つ。この場合、コレクタ−エミッタ間電圧VCEを0Vにバイアスしたとき、コレクタ−エミッタ間において若干の消費電流が発生してしまう。さらにエミッタとコレクタの構造が異なるため、太線の如く順トランジスタ動作時のオン抵抗Ronと逆トランジスタ動作時のオン抵抗Ron’が大きく異なる。
ここで太線は動作の負荷線を表し、動作の半分は逆トランジスタの動作である。すなわち、コレクタ−エミッタ間電圧VCEを0Vにバイアスしたとき、動作の負荷線はバイアスポイント付近で折れ曲がり、歪レベルが非常に悪くなってしまう。また逆トランジスタの電流は順トランジスタの電流に比べ非常に少ないため、通過させることのできるパワーは非常に小さい。さらに逆トランジスタ動作時のオン抵抗Ron’が非常に大きいためインサーションロスが非常に大きくなる。
一方、対称型HBTは、エミッタとコレクタを基本的にほぼ同じ構造(同じ化合物半導体およびほぼ同じ不純物濃度)とする。従って図11(A)のごとく対称型HBTはオフセット電圧がほぼ0Vである。従って、コレクタ−エミッタ間電圧VCEを0Vにバイアスしたとき、コレクタ−エミッタ間の消費電流を0Aにできる。また動作の負荷線はバイアスポイントで折れ曲がることが無いため歪レベルを良好にできる。さらに逆トランジスタの電流と順トランジスタの電流は同じであるため、通過させることのできるパワーを大きくできる。また逆トランジスタ動作時のオン抵抗Ron’は順トランジスタ動作時のオン抵抗Ronと同様に小さいためインサーションロスを小さくすることができる。
図12および図13は、スイッチング素子200となる単位素子100の他の形態を示す。スイッチング素子200の場合、各単位素子100のエピタキシャル層の構造は、基本的には図10に示す構造であるが、以下に示す構造であってもよい。
図12(A)は、図2のa−a線断面に相当する単位素子100の断面図であり、図12(B)は図2のb−b線断面に相当する単位HBT101断面図である。
既述の如く本実施形態によれば、バラスト抵抗層を設けなくても二次降伏の発生を防ぐことができる。しかし、単位素子100を構成する単位FET102や単位HBT101の設計によっては二次降伏が十分防止できない場合がある。また単位HBT101に非常に大きな電流を流す場合も二次降伏の発生を完全に回避することは困難である。そのような場合には単位HBT101のエピタキシャル構造にバラスト抵抗層を入れることにより重ねて二次降伏対策を取ると良い。
すなわちエミッタ層5a側にバラスト抵抗層としてn−型GaAs層33bを配置する。またスイッチ回路装置220の場合は、単位HBT101はエミッタおよびコレクタがベースに対して対称的に動作するため、コレクタ層3側にもバラスト抵抗層としてn−型GaAs層33aを配置する。所定の抵抗値を有するn−型GaAs層33a、33bがバラスト抵抗層となるため、1つの単位素子100に電流が集中することによる二次降伏の発生を防止できる。
バラスト抵抗層33a、33bはノンドープのGaAs層で形成しても良いし、n−型InGaP層やノンドープInGaP層でもよい。他の半導体層は図10(B)と同様である。従来のHBT320’ではバラスト抵抗を設けることにより高周波特性が劣化するが、本実施形態は温度補償型の単位素子100により能動素子200を構成するため、バラスト抵抗を設ける場合であっても、従来のHBTよりは低い抵抗値のバラスト抵抗で同じ効果を得ることができる。従ってバラスト抵抗を設けることによる高周波特性の劣化の程度を、従来より少なくすることができる。
この場合、図12(A)の如く、単位FET102にもn−型GaAs層33が配置されるが単位FET102に流れる電流はわずかであり、n−型GaAs層33を設けることによる影響は少ない。
図13は、エミッタ電極9のコンタクト層をノンアロイオーミック層とする場合である。図13(A)が図10の単位HBT101においてノンアロイオーミック層を設ける場合であり、図13(B)は図12のバラスト抵抗層を設ける構造において、更にノンアロイオーミック層を設ける場合である。尚、図13は単位HBT101の断面図のみ示す。
ノンアロイオーミック層31はエミッタコンタクト層6aのコンタクト抵抗を低減するために、エミッタコンタクト層6a上に設けられる。ノンアロイオーミック層31はn+型InGaAs層である。この場合、エミッタコンタクト層6aはn+型GaAs層であり、他の半導体層も図10(B)と同様である。図示はしないが、このとき同時に単位FET102においてもコンタクト層6bs、6bd上にノンアロイオーミック層31が設けられる。
本実施形態では上記の対称型HBTを単位HBT101に用い、スイッチ回路装置を構成する。これによりコレクタ−エミッタ間の消費電流が0Aのスイッチ回路が実現する。さらに対称型HBTは順トランジスタ動作時のオン抵抗Ronと逆トランジスタ動作時のオン抵抗Ron’がほぼ等しいため、高周波信号の振幅においてコレクタ−エミッタ電圧VCEが正の部分と、コレクタ−エミッタ電圧VCEが負の部分の切り替え部分において線形性が良いスイッチ回路を得られる。
GaAsMESFETやHEMTによるスイッチ回路は、ドレイン−ソース間のバイアスが0Vのためドレイン−ソース間の消費電流が0Aで、高周波信号の振幅においてドレイン−ソース電圧VDSが正の部分と、ドレイン−ソース電圧VDSが負の部分の切り替え部分において線形性が良い。つまり本実施形態のスイッチ回路装置220は、GaAsMESFETやHEMTのスイッチ回路装置と同様の長所を有している。さらに、ユニポーラデバイスのFETよりもバイポーラデバイスのHBTの方が圧倒的にオン抵抗が低い。本実施形態のスイッチング素子は、単位HBT101に単位FET102を接続した単位素子100により構成されるため、オン抵抗においてHBTの特性を得ることができる。つまりスイッチ回路装置220は高周波特性が大幅に向上し、チップサイズを大幅に小型化できる。
図14には、パッドおよび配線の断面図を示す。図14(A)および図14(B)が図9のd−d線断面図であり、図14(C)が図9のe−e線断面図である。
共通入力端子パッドI、第1出力端子パッドO1、第1制御端子パッドC1(第2スイッチング素子SW2側も同様)、電源端子パッドV、接地端子パッドGとなるパッドPおよびゲート配線120は、図の如くサブコレクタ層(n+型GaAs)層上に設けられている。パッドPおよびゲート配線120は窒化膜51を介してサブコレクタ層2上に設けられる(図14(B))か、サブコレクタ層2上に直接設けられ、サブコレクタ層2表面とショットキー接合を形成する(図14(A)、(C))。
そこで、パッドPおよびゲート配線120周辺のアイソレーション対策として、パッドPおよびゲート配線120の周囲に周辺伝導領域170を配置する。周辺伝導領域170は既述の如く伝導領域23であり、絶縁化領域20によって他の領域と分離される。
次に、図15から図17を参照して、本発明の第3の実施形態を示す。
第3の実施形態は、第2の実施形態のスイッチ回路装置220においてロジック回路を設けることにより、1つの制御端子で動作を可能とするスイッチ回路装置である。
図15は回路図である。尚、図15においては図8(A)と同様の回路概要図を示すが、第1および第2スイッチング素子SW1、SW2は実際には図8(B)に示す構成である。
図15(A)は、ロジック回路として抵抗負荷のインバータ回路41を接続した場合である。すなわち、抵抗負荷411と、GaAs MESFET412(ピンチオフ電圧Vp=0.25V:エンハンスメント型)を接続点CPにて直列接続し、接続点CPと、例えば第2スイッチング素子SW2のFET2のゲートとを、コントロール抵抗R2を介して接続する。また、MESFET412のゲートは、1つの制御端子Ctlに接続する。
図15(B)は、ロジック回路としてエンハンスメント型/ディプレッション型DCFL(Direct Coupled FET Logic)のインバータ回路41を接続した場合である。すなわち、ディプレッション型MESFET413(ピンチオフ電圧Vp=−0.4V)のソースおよびゲートと、エンハンスメント型MESFET414(ピンチオフ電圧Vp=0.25V)のドレインを接続点CPにより直列接続し、接続点CPと、例えばFET2のゲートをコントロール抵抗R2を介して接続する。また、エンハンスメント型MESFET414のゲートを、1つの制御端子Ctlに接続する。図15の何れも、他の構成要素は第2実施形態と同様であるので、説明は省略する。
このようにインバータ回路41を接続することにより、制御端子Ctlに印加された制御信号が第1スイッチング素子SW1のFET1のゲートに印加され、制御信号の相補信号が第2スイッチング素子SW2のFET2のゲートに印加される。すなわちSPDTスイッチMMICで制御端子を1つにできる。
ロジック回路41も、抵抗及び/又はMESFETで形成できる。つまりロジック回路を内蔵したスイッチMMICを、GaAs基板の1チップに全て集積化することができる。
図16は、図15(B)に示したエンハンスメント型/ディプレッション型DCFLのインバータ回路41を示す。図16(A)は平面パターン図であり、図16(B)は図16(A)のf−f線断面図である。
D型FET413は図10(A)(D)に示した単位FET102と同様である。すなわち、配線金属層よりなる2層目のソース電極135dとドレイン電極136d間に第1ゲート電極127が配置される。ソース電極135dおよびドレイン電極136dの下方にはオーミック金属層よりなる1層目のソース電極115d及びドレイン電極116dが配置され、二点鎖線で示す分離領域20により動作領域が分離される。ソース電極115dおよびドレイン電極116dは、コンタクト層6bsd、6bddとそれぞれ接続する。
第1ゲート電極127はソース電極およびドレイン電極間に配置され、動作領域外で2層目のソース電極135dに接続する。また、第1ゲート電極127は、n型AlGaAs層18b表面に形成され、埋め込み部127bはn型AlGaAs層18b内に位置する。そしてD型FET413のチャネル層は単位FET102のチャネル層と同様、チャネル下部層(n型InGaP層)5bおよびチャネル上部層(n型AlGaAs層)18bから構成される。
一方、E型FET414のチャネル層はチャネル下部層(n型InGaP層)5bのみから構成される。そしてE型FET414において、配線金属層よりなる2層目のソース電極135eとドレイン電極136eが交互に配置され、その間のチャネル下部層(n型InGaP層)5b表面に第2ゲート電極128が配置される。第2ゲート電極128のゲート金属層は、たとえばTi/Pt/Auであり、第1ゲート電極127と異なり埋め込みゲート電極構造は採用しない。
ソース電極135eおよびドレイン電極136eの下方にはオーミック金属層よりなる1層目のソース電極115e及びドレイン電極116eが配置される。ソース電極115eおよびドレイン電極116eは、コンタクト層6bse、6bdeとそれぞれ接続する。
E型FET414の端部の2層目のドレイン電極136e(1層目のドレイン電極116eも同様)はD型FET413の2層目のソース電極135d(1層目のソース電極115dも同様)と共用している。同様にE型FET414の端部のドレインコンタクト層6bdeはD型FET413のソースコンタクト層6bsdと共用している。
このように、D型FET413とE型FET414は、第1および第2ゲート電極127、128を形成する半導体層を異ならせる。これにより、第1ゲート電極127の底部(埋め込み部127b底部)からチャネル下部層5bの底部までの距離の設定および、第2ゲート電極の底部からチャネル下部層5bの底部までの距離の設定によってそれぞれ所定のピンチオフ電圧Vpを実現している。
ロジック回路を構成する場合、E型FET414の第2ゲート電極128は埋め込みゲート電極構造とせず、第1ゲート電極127のみ埋め込みゲート電極構造とする。既述の如く、第1ゲート電極127の埋め込み部127bは、n型AlGaAs層18b内に位置するため、InGaP層表面におけるPtの異常拡散は防止できる。一方E型FET414においては大きな耐圧が必要ないため、埋め込みゲート電極構造としなくても十分所定の耐圧を確保できる。
更に、第1ゲート電極127と、第2ゲート電極128は、それぞれチャネル上部層(n型AlGaAs層)18b表面およびチャネル下部層(n型InGaP層)5b表面に形成する。この場合、第1ゲート電極127を形成する表面を露出するリセスエッチングは、n型InGaP層19bとチャネル上部層(n型AlGaAs層)18bの選択エッチングにより再現性良く実施できる。また、第2ゲート電極128を形成する表面を露出するリセスエッチングは、チャネル上部層(n型AlGaAs層)18bとチャネル下部層(n型InGaP層)5bの選択エッチングにより再現性良く実施できる。
このように、チャネル下部層(n型InGaP層)5bとn+型GaAs層6間に、n型InGaP層19bとチャネル上部層(n型AlGaAs層)18bを配置することにより、D型FET413およびE型FET414共に、第1ゲート電極127および第2ゲート電極128を形成する表面を露出するリセスエッチングが、それぞれ選択エッチングで実施できる。
尚、図15(A)に示すロジック回路の場合にもE型FET412が必要となる。一方、第1スイッチング素子SW1(第2スイッチング素子SW2も同様)を構成する単位FET102は、D型FETである。つまり、図15(A)の場合も、同一基板および同一半導体層上にロジック回路のE型FET412および単位FET102のD型FETを形成する必要がある。この場合単位FET102(D型FET)とロジック回路のE型FET412の断面図は、パターン上D型FETとE型FETが隣接することはないが、それぞれ図16(B)と同様となる。つまり単位FET102(D型FET)の第1ゲート電極127とロジック回路のE型FET412の第2ゲート電極128を形成する表面を露出するリセスエッチングがそれぞれ選択エッチングで実施できる。
図17は、ロジック回路を含むスイッチ回路装置において、図12(B)の如く、バラスト抵抗層を配置した場合の、図16(B)に対応するD型FET413およびE型FET414の断面図である。
単位HBT101は同様に対称型HBTであり、同一基板および同一半導体層に集積化されるD型FET413およびE型FET414にも同様にバラスト抵抗層33a、33bが配置される。
ロジック回路の動作電流はわずかであるため、この場合のバラスト抵抗層33a、33bはロジック回路の動作に影響を与えることはない。またこれらのバラスト抵抗層33a、33bが配置された場合であっても、第1ゲート電極127、第2ゲート電極128を形成する表面を露出するリセスエッチングは選択エッチングで実施することが可能である。また、図15(A)のロジック回路のE型FET412と単位FET102(D型FET)も隣接してはいないが図17と同様である。すなわち第1ゲート電極127および第2ゲート電極128のリセスエッチングを選択エッチングで行うことが可能となる。
図18は、第4の実施形態を示す回路概要図である。
第4の実施形態は、SP3T(Single Pole Three Throw)スイッチMMICである。第2の実施形態と同様、図18は図8(A)に対応する回路概要図を示すが、各スイッチング素子SWは実際には図8(B)に示す構成である。
SP3Tは、それぞれスイッチング素子SWを直列に多段接続した第1スイッチング素子群S1、第2スイッチング素子群S2、第3スイッチング素子群S3からなる。第1スイッチング素子群S1の一端のコレクタ、第2スイッチング素子群S2の一端のコレクタ、および第3スイッチング素子群S3の一端のコレクタが共通で、第1RFポートに接続する。第1RFポートは、例えば共通入力端子INである。
第1スイッチング素子群S1はスイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3を直列に接続したものである。スイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3はそれぞれ、図8(B)と同様、単位HBT101のベースに単位FET102のソースを接続した単位素子100を複数並列接続して構成される。単位素子100の断面図および斜視図は図10と同じである。スイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3となる各能動素子200の単位HBT101を統括してそれぞれHBT1−1、HBT1−2、HBT1−3と示し、各能動素子200の単位FETを統括してFET1−1、FET1−2、FET1−3と示した。
FET1−1、FET1−2、FET1−3はMESFETであり、ソースがそれぞれHBT1−1、HBT1−2、HBT1−3のベースに接続している。そして、FET1−1、FET1−2、FET1−3の各ゲートがそれぞれコントロール抵抗R11、R12、R13を介して第1制御端子Ctl1に接続する。
また第2スイッチング素子群S2はスイッチング素子SW2−1、SW2−2、SW2−3を直列に接続したものである。スイッチング素子SW2−1、SW2−2、SW2−3を構成するHBT2−1、HBT2−2、HBT2−3のベースは、FET2−1、FET2−2、FET2−3のソースとそれぞれ接続し、各ゲートがコントロール抵抗R21、R22、R23を介して第2制御端子Ctl2に接続する。他の構成は、第1スイッチング素子SW1と同様である。
第3スイッチング素子群S3はスイッチング素子SW3−1、SW3−2、SW3−3を直列に接続したものである。スイッチング素子SW3−1、SW3−2、SW3−3を構成するHBT3−1、HBT3−2、HBT3−3のベースもFET3−1、FET3−2、FET3−3のソースとそれぞれ接続し、各ゲートがコントロール抵抗R31、R32、R33を介して第3制御端子Ctl3に接続する。
更に、第1スイッチング素子群S1、第2スイッチング素子群S2、第3スイッチング素子群S3の他端の各エミッタが、それぞれ第2RFポートである第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第3出力端子OUT3に接続する。
第1、第2および第3制御端子Ctl1、Ctl2、Ctl3に印加される制御信号はHレベルまたはLレベルであり、Hレベルの信号が印加されたFETがオンして対応するHBTのベースに電流を供給する。これにより、HBTにベース電流が供給されたスイッチング素子がオンして信号経路を形成し、共通入力端子INに入力された高周波アナログ信号をオンとなったスイッチング素子に対応する出力端子に伝達するようになっている。抵抗は、交流接地となる制御端子Ctl1、Ctl2、Ctl3の直流電位に対してゲート電極を介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。また各HBTのコレクタおよびエミッタとGND間の分離素子30、および各FETのドレインとVDD間の分離素子30はすべてインダクタを使用している。他の構成要素は、第2の実施形態と同様であるので説明は省略する。
図18のスイッチ回路装置は、HBTのオン電圧(ベース−エミッタ間電圧)VBEが例えば2.0Vであり、FETのピンチオフ電圧Vpが−0.4Vであるため、HBTのエミッタおよびコレクタの電位より制御端子の電位が1.6V以上高くなった時点でFETとHBTが共にオンし始める。従って、制御端子に3Vが印加されてオン状態となったスイッチング素子において、分離素子30はインダクタであるためインダクタを流れるベース電流による電圧ドロップは0Vであり、HBTとFETは十分オンし、オン側のスイッチング素子のエミッタ−コレクタ間が導通する。一方オフ側は制御端子に0Vが印加されているため、1.6Vの振幅のパワーに耐えることができる。このとき、SP3Tは3段構成のため、1.6Vの振幅は29.6dBmのパワーに対応し、CDMA携帯電話用途に十分使用できる。また各HBTのエミッタ、コレクタ両方をGND電位に接続しており、各HBTのベース電流の引き込みに使用している。尚CDMA携帯電話用スイッチ回路装置などハイパワー用途においてはHBTを駆動するベース電流が大きいため分離素子30としては、ベース電流が流れることによる電圧ドロップが無いインダクタを使用する。
図19は、第5の実施形態を示す回路図である。第5の実施形態は、SP3T(Single Pole Three Throw)スイッチMMICである。
SP3Tは、それぞれスイッチング素子SWを直列に多段接続した第1スイッチング素子群S1、第2スイッチング素子群S2、第3スイッチング素子群S3からなる。第1スイッチング素子群S1の一端のコレクタ、第2スイッチング素子群S2の一端のコレクタ、および第3スイッチング素子群S3の一端のコレクタが共通入力端子INに接続する。
第1スイッチング素子群S1はスイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3を直列に接続したものである。スイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3はそれぞれ、単位HBT101に単位FET102を接続した単位素子100を複数接続して一点鎖線の如く集合素子200aを構成し、さらに集合素子200aを複数並列接続して破線の如く能動素子200を構成する。
単位FET102は単位HBT101にベース電流を供給するための駆動トランジスタである。また単位素子100の断面図および斜視図は図10と同じである。
単位FET102はソースが単位HBT101のベースに接続し、ドレインが電源端子VDDに接続する。そして、1つの単位素子100は、単位HBT101のエミッタ、コレクタ、および単位FET102のドレイン、ゲートを、他の単位HBT101の、エミッタ、コレクタ、および単位FET102のドレイン、ゲートとそれぞれ共通接続する。
このように本実施形態では、複数の単位素子100を並列接続して集合素子200aを構成し、複数の集合素子200aの並列接続により能動素子200である各スイッチング素子を構成する。
1つの集合素子200aは、図19では3つの単位素子100を接続する。すなわち3つの単位HBT101のエミッタを共通接続して集合素子200aの共通エミッタEとし、単位HBT101のコレクタを共通接続して集合素子200aの共通コレクタCとする。さらに、3つの単位FET102のドレインを共通接続して集合素子200aの共通ドレインDとする。単位FET102のゲートも同様に共通接続する。
そして、各集合素子200aの共通エミッタE同士、共通コレクタC同士、単位FET102のゲート同士をそれぞれ共通接続し、能動素子200である1段目のスイッチング素子SW1−1を構成する。2段目のスイッチング素子SW1−2、3段目のSW1−3も同様である。
また、第2スイッチング素子群S2は第1スイッチング素子群S1と同様であり、スイッチング素子SW2−1、SW2−2、SW2−3を直列に接続したものである。第3スイッチング素子群S3も第1スイッチング素子群S1と同様であり、スイッチング素子SW3−1、SW3−2、SW3−3を直列に接続したものである。
第1スイッチング素子群S1、第2スイッチング素子群S2、第3スイッチング素子群S3の一端のコレクタ、すなわち1段目のスイッチング素子を構成する単位HBT101のコレクタは共通で、第1RFポートに接続する。第1RFポートは、例えば共通入力端子INである。
また、第1スイッチング素子群S1、第2スイッチング素子群S2、第3スイッチング素子群S3の他端の各エミッタ、すなわち3段目のスイッチング素子を構成する単位HBT101のエミッタが、それぞれ第2RFポートである第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第3出力端子OUT3に接続する。
単位HBT101のベースは、単位FET102のソースに接続し、各段の単位FET102のゲートは、高周波信号の分離素子30を介して第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2および第3制御端子Ctl3に接続する。
分離素子30は抵抗であり、交流接地となる第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2、第3制御端子Ctl3の直流電位に対して、ゲートを介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。分離素子30の抵抗値は5KΩ〜10KΩ程度である。
第1、第2および第3制御端子Ctl1、Ctl2、Ctl3に印加される制御信号はいずれか1つがHレベルでその他がLレベル、またはすべてLレベルのケースがあり、Hレベルの信号が印加された単位FET102がオンして対応する単位HBT101のベースに電流を供給する。これにより、単位HBT101にベース電流が供給されたスイッチング素子群がオンして1つの信号経路を形成し、共通入力端子INに入力された高周波アナログ信号をいずれかの出力端子に伝達するようになっている。
また第1、第2および第3制御端子Ctl1、Ctl2、Ctl3すべてがLレベルの場合は第1スイッチング素子群S1、第2スイッチング素子群S2、第3スイッチング素子群S3のすべてが遮断される。
以下、第1スイッチング素子群S1、第2スイッチング素子群S2、第3スイッチング素子群S3の構成は同様であるので、以下第1スイッチング素子群S1について説明する。
第1スイッチング素子群S1の各段のスイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3のエミッタおよびコレクタにはバイアスポイントBPをそれぞれ接続する。バイアスポイントBPは、例えば各集合素子200a毎に接続される。すなわち、1つの集合素子200aの共通エミッタEに1つのバイアスポイントBPが接続し、1つの共通コレクタCに1つのバイアスポイントBPが接続する。そして各バイアスポイントBPには、それぞれ等しいDCバイアス電位(例えばGND電位)が印加される。
そして、1つの集合素子200aの共通エミッタEとバイアスポイントBP間、および1つの集合素子200aの共通コレクタCとバイアスポイントBP間に、それぞれ1つの高周波信号の分離素子30を接続する。
スイッチング素子が単位HBT101により構成される場合、一般的には電流増幅率hFEは1000に満たないため、非常に大きなベース電流を必要とする。従って、単位HBT101のエミッタおよびコレクタを例えば各スイッチング素子毎にそれぞれすべて共通接続し、各スイッチング素子毎にまとめて分離素子30を介してバイアスポイントBPに接続する構成では、分離素子(抵抗)30を流れるベース電流による電圧ドロップが大きくなる。その結果、単位HBT101に十分なバイアスを印加することができず、単位HBT101を十分動作させることができない。
仮に、電流増幅率hFEが非常に大きく、例えば1000以上の場合であっても、本実施形態の如く多段接続のスイッチ回路装置の場合は、トータルで必要なベース電流が大きくなる。これはオンするポートの各段の単位HBT101すべてにベース電流を供給するためである。そして必要なベース電流は、1段の場合の段数倍ではなく、段数の2乗倍大きくなる。
その理由は、例えば3段の場合にはスイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3が3つ直列に接続されるため、各単位HBT101のサイズを3倍にしないとシリーズ接続された第1スイッチング素子群S1のトータルのオン抵抗が、1段の場合と等しくならないためである。
すなわち3段の場合、各単位HBTサイズが1段の場合の3倍でありスイッチング素子SWが3段であるので、トータルのベース電流は1段のときの9倍(3×3=9)となる。
従ってスイッチング素子SW1−1、SW1−2、SW1−3が3段接続されたスイッチ回路装置を駆動するために必要なトータルベース電流は、1段の場合の約1桁大きくなる。このようにベース電流が非常に大きくなると、2つの問題が発生する。
第1の問題は前述の如く、分離素子30を流れるベース電流による電圧ドロップが大きくなり、単位HBT101を十分動作させることができない問題である。第2の問題は、携帯電話のベースバンドLSIでは単位HBT101を駆動できないという問題である。
そこで本実施形態では、第1の問題の対策として櫛歯状に並列接続された複数の単位素子100で集合素子200aを構成し、集合素子200aの共通エミッタEおよび共通コレクタCを、集合素子200a毎に分離素子30を介してバイアスポイントBPに接続する。バイアスポイントBPにはDCバイアス(例えばGND電位)を印加する。
分離素子30の抵抗値は通常5〜10KΩである。ベース電流が分離素子30を流れる際には、抵抗の両端において、ベース電流の大きさに比例した電圧ドロップが発生する。複数並列接続された単位HBT101をグループ分けし、集合素子200aとしてグループ毎にそれぞれ1つの分離素子30を介してバイアスポイントBPに接続することにより、その電圧ドロップを単位HBT101の動作に影響しない程度に小さくすることができる。
すなわちグループ分けすることによりベース電流を分散できるため、5〜10KΩの各集合素子200aに接続する分離素子30に流れるベース電流が小さくなり、電圧ドロップが小さくなる。また、分離素子30はインダクタではなく抵抗のため1チップに集積化できる。
単位FET102は単位HBT101にベース電流を供給するため、電源端子VDDより供給される単位FET102のドレイン電流は単位HBT101のベース電流となる。そして単位FET102と電源端子VDD間に流れるそのベース電流についても同様である。
すなわち単位FET102においても、集合素子200a毎にドレインを共通接続して共通ドレインDとし、共通ドレインD毎に分離素子30を介して電源端子VDDに接続する。これらの分離素子30は各集合素子200a毎に1つ接続される。
単位FET102が接続する抵抗30を流れるベース電流による電圧ドロップが大きくなると、単位FET102のドレイン電位が下がり、単位FET102のソース−ドレイン間電圧を十分確保できない。これにより単位FET102のソース−ドレイン間電圧を流れる電流が小さくなり、結果として単位HBT101のベース電流が不十分となる。
そこで、単位FET102もグループ分けすることで、抵抗30によるソース−ドレイン間の電圧ドロップが小さくなるので、単位HBT101を十分動作させることができる。
分離素子30はインダクタではなく抵抗のため、スイッチ回路装置の全ての構成要素を1チップに集積化できる。また各単位HBT101のエミッタ、コレクタ両方をGND電位に接続しており、エミッタ、コレクタにDCバイアス電位を印加すると共に、各単位HBTのベース電流の引き込みに使用している。
第2の問題についての対策は、各単位HBT101にそれぞれ単位FET102を対応させ、単位HBT101と単位FET102を隣接して配置した温度補償型の単位素子100を採用することである。すなわち、単位素子100は、単位HBT101のベース電流を単位FET102により供給し、単位FET102には電源端子VDDから電流を供給する。これにより、単位HBT101に十分なベース電流を供給でき、単位HBT101を動作させることができる。
図19の回路動作の一例について説明する。
[第1制御端子Ctl1にHレベル、第2制御端子Ctl2および第3制御端子Ctl3にLレベルの信号が印加される場合]
単位HBT101のオン電圧VBEを2.0Vとし、単位FET102のピンチオフ電圧Vpを−0.4Vとする。この場合、第1制御端子Ctl1の電位が単位HBT101のエミッタおよびコレクタの電位より、1.6V(2.0V−0.4V)以上高くなった時点で初めて単位FET102と単位HBT101がオンする。ここでは単位HBT101のエミッタおよびコレクタの電位はGND電位(0V)としている。
オン側の、第1制御端子Ctl1には3Vが印加されるため、第1制御端子Ctl1の電位は3V(3V−0V)となり1.6Vより十分高い。また、分離素子30である抵抗を流れるベース電流による電圧ドロップは、上記の如く十分小さいため、単位FET102と単位HBT101は十分オンし、オン側の単位HBT101のエミッタ−コレクタ間が導通する。
一方オフ側は、単位HBT101のエミッタおよびコレクタの電位0V(GND)に対して、第2制御端子Ctl2および第3制御端子Ctl3の電位は0Vである。第2制御端子Ctl2および第3制御端子Ctl3の電位が単位HBT101のエミッタおよびコレクタの電位より1.6V以上高くなった時点で単位FET102と単位HBT101がオンするため、オフ側は1.6Vの振幅のパワーに耐えることができる。このとき、SP3Tは3段構成のため、1.6Vの振幅は29.6dBmのパワーに対応し、CDMA携帯電話用途に十分使用できる。
[第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2および第3制御端子Ctl3すべてにLレベルの信号が印加される場合]
第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2および第3制御端子Ctl3すべてにLレベルの信号が印加される場合は第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2および第3制御端子Ctl3すべてに0Vが印加され、上記と同様すべてのスイッチング素子SWは1.6Vの振幅に耐えられる。またここではRFポートの共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2および第3出力端子OUT3をGND電位としている。
MESFETをスイッチング素子とするスイッチ回路装置は、RFポートを仮にGND電位にすると考えるとMESFETがディプレッション型のため制御端子に接続するゲートに0Vを印加してもMESFETのチャネルを遮断できず、0V印加ではオフすることができない。従ってMESFETをスイッチング素子とするスイッチ回路装置はRFポートをGND電位に設定できずプラス電位に設定する必要がある。そして外部の高周波信号ラインはGND電位でありRFポートと電位が異なるため、外部の高周波信号ラインとRFポートを直結することができない。すなわち外部の高周波信号ラインとRFポート間をDC的に分離するため、その間に外付けで容量を接続する必要がある。
しかし、本実施形態は単位HBTおよび単位FETによりスイッチング素子を構成し、RFポートをGND電位に設定して制御端子に0Vを印加することによりオフすることができる。従って外付けで容量を接続する必要がなく、FETをスイッチング素子とするスイッチ回路装置に比べ実装面積を減らすことができる。
尚、オフ側では1.6Vの振幅のパワーに耐えることができるが、3段接続のため1.6Vの振幅は29.6dBmのパワーに相当する。つまり、CDMA携帯電話用途に十分適用できる。
第4および第5の実施形態は、何れも3段のSP3Tであるが、段数は3段に限らず何段でも良い。また回路はSP3Tに限らず、SP4T、SP5T・・・SPnTと出力端子の数がいくつあっても良い。またDPDT(Double Pole Double Throw)など、入力端子の数もいくつあっても良く、さらに第3の実施形態の如くロジック回路を設けても良い。
尚、本発明の実施形態の単位HBT101はすべて対称型のため、第2、第3、第4、第5の実施の形態において、単位HBT101のエミッタとコレクタを入れ替えても良い。
また、図示は省くが、第2、第3、第4、第5の実施の形態において、抵抗分割などのバイアス回路を設けることにより、単位HBT101のエミッタおよびコレクタの電位はGND電位に限らず自由に設定できる。
本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための(A)断面図、(B)断面図、(C)斜視図、(D)斜視図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための(A)回路図、(B)回路概要図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための(A)回路概要図、(B)回路図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための(A)断面図、(B)断面図、(C)斜視図、(D)斜視図である。 本発明を説明するための特性図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための回路概要図である。 本発明を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための回路概要図である。 本発明を説明するための回路図である。 従来の技術を説明するための(A)回路図、(B)断面図である。
符号の説明
1 GaAs基板
2 サブコレクタ層
3 第1半導体層(コレクタ層)
4 第2半導体層(p+GaAs層)
4a ベース層
5 第3半導体層(n型InGaP層)
5a エミッタ層
6 n+GaAs層
6a エミッタコンタクト層
7、13 コレクタ電極
8 ベース電極
9、15 エミッタ電極
4b p型バッファ層
5b チャネル下部層
6bs、6bd,6bse、6bde、6bsd、6bdd コンタクト層
10、16 ドレイン電極
11 ソース電極
12 ゲート電極
12b 埋め込み部
17 接続配線
18、18a 第4半導体層(n型AlGaAs層またはn型GaAs層)
18b チャネル上部層
19、19a 第5半導体層(n型InGaP層)
20 分離領域
23 伝導領域
30 分離素子
31 ノンアロイオーミック層
33、33a、33b バラスト抵抗層
41 インバータ回路
51 窒化膜
100 単位素子
101 単位HBT
102 単位FET
115、135、115e、115d、135e、135d ソース電極
116、136、116e、116d、136e、136d ドレイン電極
120 ゲート配線
127 第1ゲート電極
127b 埋め込み部
128 第2ゲート電極
130 コレクタ配線
150 エミッタ配線
160 ドレイン配線
170 周辺伝導領域
200 能動素子
200a 集合素子
210 パワーアンプ回路装置
R1、R2 抵抗
R11、R12、R13 抵抗
R21、R22、R23 抵抗
R31、R32、R33 抵抗
411 抵抗
412 E型FET
413 D型FET
414 E型FET
L レッジ
EM エミッタメサ
BM ベースメサ
CP 接続点
SW、SW1、SW2 スイッチング素子
SW1−1、SW1−2、SW1−3 スイッチング素子
SW2−1、SW2−2、SW2−3 スイッチング素子
SW3−1、SW3−2、SW3−3 スイッチング素子
S1、S2、S3 スイッチング素子群
IN 共通入力端子
OUT1 第1出力端子
OUT2 第2出力端子
OUT3 第3出力端子
Ctl 制御端子
Ctl1 第1制御端子
Ctl2 第2制御端子
Ctl3 第3制御端子
BP バイアスポイント

Claims (27)

  1. 少なくとも1つのヘテロ接合を形成する複数の半導体層を積層した化合物半導体基板と、
    前記基板に設けられ、前記半導体層の第1、第2、第3半導体層をそれぞれコレクタ層、ベース層、エミッタ層とし、コレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を有する第1トランジスタと、
    前記基板に設けられ、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を有する第2トランジスタと、
    前記3半導体層上に設けられた第4半導体層と、
    該第4半導体層上に設けられ、該第4半導体層とのエッチングの選択比が大きい第5半導体層と、
    前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを分離領域を介して隣接して配置し、前記第1トランジスタの前記ベース電極と前記第2トランジスタの前記ソース電極を接続した単位素子と、を具備し、
    複数の前記単位素子を並列に接続し、前記各単位素子の前記第2トランジスタのドレイン電極を電源端子に接続し、前記第2トランジスタの前記ゲート電極に入力される電圧信号により前記各単位素子の前記第1トランジスタのコレクタ−エミッタ間の電流を変化させることを特徴とする能動素子。
  2. 1つの前記単位素子は、前記第2トランジスタの前記ドレイン電極、前記ゲート電極、および前記第1トランジスタの前記エミッタ電極、前記コレクタ電極を、他の前記単位素子の対応する前記各電極とそれぞれ並列に共通接続することを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  3. 前記第2トランジスタのチャネル層の一部は、前記エミッタ層と同一の半導体層に設けることを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  4. 前記ベース層および前記コレクタ層となる前記半導体層は、前記第2トランジスタに連続することを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  5. 前記第1トランジスタの前記各電極は櫛歯状に設けられて第1の方向に延在し、前記第2トランジスタの前記ゲート電極は第2の方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  6. 前記ベース層はp+型GaAs層であることを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  7. 前記エミッタ層はInGaP層であることを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  8. 前記第1トランジスタのコレクタ電流が負の温度係数を有することを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  9. 前記第2トランジスタの各ゲート電極は、前記第4半導体層上に設けることを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  10. 前記第2トランジスタの各ゲート電極は、最下層金属の一部を前記第4半導体層内に埋め込むことを特徴とする請求項1に記載の能動素子。
  11. 少なくとも1つのヘテロ接合を形成する複数の半導体層を積層した化合物半導体基板と、
    前記基板に設けられ、前記半導体層の第1、第2、第3半導体層をそれぞれコレクタ層、ベース層、エミッタ層としコレクタ電極、ベース電極、エミッタ電極を有する第1トランジスタと、
    前記基板に設けられ、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を有する第2トランジスタと、
    前記3半導体層上に設けられた第4半導体層と、
    該第4半導体層上に設けられ、該第4半導体層とのエッチングの選択比が大きい第5半導体層と、
    前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとを分離領域を介して隣接して配置し、前記第1トランジスタの前記ベース電極と前記第2トランジスタの前記ソース電極を接続した単位素子と、
    前記単位素子を並列に接続した複数のスイッチング素子と、
    前記複数のスイッチング素子のコレクタ電極またはエミッタ電極に共通で接続する第1RFポートと、
    前記複数のスイッチング素子のエミッタ電極またはコレクタ電極にそれぞれ接続する複数の第2RFポートと、
    前記複数のスイッチング素子のドレイン電極にそれぞれ接続する電源端子と、を具備し、
    前記第2トランジスタのゲート電極にそれぞれ制御信号を印加し前記第2トランジスタの導通により供給される電流によって前記第1トランジスタを駆動し、前記第1および第2RFポート間に信号経路を形成することを特徴とするスイッチ回路装置。
  12. 1つの前記単位素子は、前記第2トランジスタの前記ドレイン電極、前記ゲート電極、および前記第1トランジスタの前記エミッタ電極、前記コレクタ電極を、他の前記単位素子の対応する前記各電極とそれぞれ並列に共通接続することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  13. 前記エミッタ層と前記第2トランジスタのチャネル層の一部は同一半導体層に設けることを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  14. 前記第1トランジスタの前記各電極は櫛歯状に設けられて第1の方向に延在し、前記第2トランジスタの前記ゲート電極は第2の方向に延在することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  15. 前記第1トランジスタは、前記エミッタ層および前記ベース層間と前記ベース層および前記コレクタ層間にヘテロ接合を有し、順トランジスタ動作時のオン抵抗値と逆トランジスタ動作時のオン抵抗値が、一つのベース電流値においてほぼ等しいことを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  16. 複数の前記第2トランジスタの各ゲート電極と、少なくとも1つの制御端子に接続するロジック回路を有し、該1つの制御端子から各ゲート電極にそれぞれ制御信号を印加することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  17. 前記スイッチング素子に他の前記スイッチング素子を直列に多段接続することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  18. 前記ベース層はp+型GaAs層であることを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  19. 前記エミッタ層はInGaP層であることを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  20. 前記第1トランジスタのコレクタ電流が負の温度係数を有することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  21. 前記スイッチング素子のエミッタ電極およびコレクタ電極に等しいバイアス電位を与えるバイアスポイントをそれぞれ接続することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  22. 前記スイッチング素子のエミッタ電極と前記バイアスポイント間、および前記スイッチング素子のコレクタ電極と前記バイアスポイント間にそれぞれ高周波信号の分離素子を接続することを特徴とする請求項21に記載のスイッチ回路装置。
  23. 前記電源端子と前記第2トランジスタ間に高周波信号の分離素子を接続することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  24. 前記ベース層および前記コレクタ層となる前記半導体層は、前記第2トランジスタに連続することを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  25. 前記第2トランジスタの各ゲート電極は、前記第4半導体層上に設けることを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  26. 前記第2トランジスタの各ゲート電極は、最下層金属の一部を前記第4半導体層内に埋め込むことを特徴とする請求項11に記載のスイッチ回路装置。
  27. 前記ロジック回路は第3トランジスタを含み、該第3トランジスタのゲート電極は前記第3半導体層に設けられることを特徴とする請求項16に記載のスイッチ回路装置。
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