JP2007194405A - 熱伝導用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化物の熱伝導率を向上させ得る熱伝導用エポキシ樹脂組成物の提供を課題としている。
【解決手段】エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとが含有されてなり、加熱されて前記エポキシ樹脂が硬化される熱伝導用エポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂にアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂が用いられていることを特徴とする熱伝導用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとが含有されてなり、加熱されて前記エポキシ樹脂が硬化される熱伝導用エポキシ樹脂組成物に関する。
従来、ガラスクロスにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が含浸され、銅箔が貼り合わされて前記熱硬化性樹脂が熱硬化されて形成された銅張り積層板が広く用いられている。この銅張り積層板は、回路材である表面の銅箔がエッチング加工されて回路が形成され、該回路上に抵抗、コンデンサといった電子素子が搭載されたプリント回路基板に用いられている。
このプリント回路基板に、例えば、パワートランジスタなどの発熱量の大きな電子素子を搭載する場合には、パワートランジスタに用いられている半導体がジャンクション温度以上に昇温して損傷することを抑制すべくパワートランジスタの表面に放熱フィンなどの放熱部材が取付けられて放熱が促進されている。
しかし、通常、上記のような放熱フィンは、嵩高い形状をしていることから、プリント回路基板上にこのような嵩高い部品が搭載されると多大なスペースを必要とすることとなる。そのため、従来このような場合には、特許文献1に示すような金属ベース回路基板が用いられたりしている。
この金属ベース回路基板は、例えば、アルミニウム、銅、鉄などが用いられた厚さ数mmの金属板の上に、エポキシ樹脂が用いられた数百μm厚さの絶縁層を介して、銅箔やアルミニウム箔あるいはこれらの複合箔などの回路材が積層されたものが用いられたりしている。そして、通常、この絶縁層の前記エポキシ樹脂には、エポキシ樹脂よりも熱伝導率の高いシリカ、酸化アルミニウム、窒化ホウ素などといった無機フィラーが大量に含有されている。
エポキシ樹脂に無機フィラーが含有された熱硬化性の熱伝導用エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁層を形成することで、このような金属ベース回路基板上に搭載された発熱量の大きな電子素子から発生する熱は、絶縁層を通じてすばやく金属板側に伝達されることとなる。
そのため、この金属ベース回路基板に用いられる絶縁層には、通常のプリント回路基板の銅箔の貼り合わせに用いられる熱硬化性樹脂に求められる絶縁性や接着性(回路材などに対する接着力)にも加えて熱抵抗値を低く形成させることが求められている。すなわち、この金属ベース回路基板の絶縁層に用いられる熱伝導用エポキシ樹脂組成物は、その硬化物の熱伝導率を向上させることが求められている。
上記のように、熱伝導用エポキシ樹脂組成物に含有される無機フィラーは、樹脂に比べて高い熱伝導率を示すことから、その含有量を増大させることで絶縁層の熱伝導率を増大させることができ特許文献2の段落〔0012〕には、熱伝導用エポキシ樹脂組成物に65体積%以上に無機フィラーを含有させることで金属ベース回路基板の絶縁層を3W/m・K以上の熱伝導率とさせ得ることが記載されている
ところで一般的に、樹脂に対する無機フィラーの混合は、通常、樹脂材料が融点以上に加熱されたり、溶剤により希釈されたりして流動性を呈する状態で実施されている。このときの樹脂と無機フィラーとの混合物の流動状況を微視的に見ると、一部の樹脂は無機フィラーの表面に拘束され、残りの樹脂は無機ファイラーには拘束されず自由に流動する。そのため、無機フィラーの移動においては、無機フィラーは表面に樹脂を同伴させつつ無機ファイラーに拘束されていない樹脂の間を移動する。したがって、通常、流動性を呈する樹脂材料に同じ量の無機フィラーを混合させた場合であっても、比表面積の大きな(粒子の細かな)無機ファイラーを用いた場合、あるいは、同じ比表面積の無機フィラーを用いた場合であっても、量を多く配合した方が無機フィラーに拘束される樹脂量が多くなることから高い粘度を示すこととなる。
そのため、熱伝導用エポキシ樹脂組成物の硬化後の熱伝導率を向上させるべく、例えば、エポキシ樹脂に大量の無機フィラーを含有させようとすると、混合時に混合物の粘度が高くなって作業性を低下させるばかりでなく無機フィラーに拘束されないエポキシ樹脂の量が不足して無機フィラー同士が凝集したり、エポキシ樹脂中に空気が巻き込まれたりするおそれを有する。また、特許文献2にも記載されているように、樹脂に無機フィラーを大量に含有させると、弾性率が大きくなりすぎ硬化物にクラックを発生させるおそれがある。
通常、金属ベース回路基板の絶縁層は、常温で液体のエポキシ樹脂、あるいは、溶剤にて液状化された常温固体のエポキシ樹脂に、無機フィラーが混合された熱伝導用エポキシ樹脂組成物が、金属板もしくは回路材のいずれかに塗布、乾燥された後に、金属板、絶縁層、回路材の順番となるように積層されて、熱プレスにて、熱硬化されて形成される。このようなことから、金属ベース回路基板の絶縁層に用いる熱伝導用エポキシ樹脂組成物の無機フィラーの含有量を増大させようとすると、粘度が上昇して製造時の作業性が低下し、しかも、絶縁層中に空気が巻き込まれてボイドが形成されたり、絶縁層の弾性率が高くなりすぎてクラックが生じたりするおそれがある。しかも、絶縁層と回路材あるいは絶縁層と金属板との接着が十分なものとならないという問題が生じることとなる。
すなわち、この金属ベース回路基板の絶縁層のように、硬化物の熱伝導性の向上が求められている熱伝導用エポキシ樹脂組成物においては、無機フィラーの含有量を従来よりも増大させることが困難で硬化後の熱伝導率を向上させることが困難であるという問題を有している。
特開平 5−259628号公報 特開2000−229508号公報
本発明は、硬化物の熱伝導率を向上させ得る熱伝導用エポキシ樹脂組成物の提供を課題としている。
本発明者は、熱伝導用エポキシ樹脂組成物にアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂を用いることで、金属ベース回路基板の絶縁層の形成時などにおいて、アルコキシシラングラフトエポキシ樹脂を熱硬化させるとともにアルコキシシランを加水分解し、さらに重縮合させてエポキシ樹脂中にナノサイズのシリカを形成させることができ、熱硬化前に含有されている無機フィラーよりも熱硬化後の無機フィラーの含有量を増大させ得ることを見出した。また、本発明者は、アルコキシシラングラフトエポキシ樹脂に無機フィラーを混合して熱硬化させた硬化物は、無機フィラーの含有量が増大しているにもかかわらずアルコキシシランがグラフトされていないエポキシ樹脂を用いた場合よりも低弾性率となりしかも金属板や金属箔などに対する接着力が優れていることを見出し、本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべくエポキシ樹脂と該エポキシ樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとが含有されてなり、加熱されて前記エポキシ樹脂が硬化される熱伝導用エポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂にアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂が用いられていることを特徴とする熱伝導用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明によれば、エポキシ樹脂に該エポキシ樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーが含有されてなり、加熱されて前記エポキシ樹脂が硬化される熱伝導用エポキシ樹脂組成物の前記エポキシ樹脂にアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂が用いられていることから、熱伝導用エポキシ樹脂組成物の熱硬化時にエポキシ樹脂中にナノサイズのシリカを形成させることができ、熱硬化前に含有されている無機フィラーよりも熱硬化後の無機フィラーの含有量を増大させ得る。したがって、製造時の作業性が低下することを抑制しつつ金属ベース回路基板の絶縁層などに、より多くの無機フィラーを含有させることができ、熱伝導率を向上させ得る。しかも、無機フィラーを含有するアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂を熱硬化させた硬化物は、アルコキシシランがグラフトされていないエポキシ樹脂を用いた場合よりも低弾性率となりしかも金属板や金属箔などに対する接着力が優れていることから金属ベース回路基板の絶縁層にクラックが生じたり、回路材あるいは金属板との接着力が不足したりすることを抑制しつつ熱伝導率を向上させ得る。
すなわち、熱伝導用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導率を向上させ得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について金属ベース回路基板を例に図1を参照しつつ説明する。まずは、金属ベース回路基板1の各構成材料について説明する。
本実施形態における金属ベース回路基板1は、放熱用の金属板4を備えている。そして該金属板4上に絶縁層3を介して回路材2が積層された積層構造を有している。
前記金属板4は、アルミニウム、銅、鉄などにより形成された、例えば、0.1〜5mm厚さのものを用いることができる。この金属板4としては、軽量で良好なる熱伝導性を示すことからアルミニウムを用いることが好ましく、この金属板4としてアルミニウム板を用いる場合には、前記絶縁層側の表面を、ショットブラストなどの物理的粗化処理や、リン酸アルマイト処理、硫酸アルマイト処理などの化学的粗化処理といった表面粗化が施されたものを用いることが好ましい。
また、アルミニウム板を用いる場合よりもさらに高い放熱性が求められる場合にはアルミニウム板に代えて銅板を用いることが好ましく、金属板4として銅板を用いる場合にも、前記絶縁層側の表面を、ショットブラストなどの物理的粗化処理や、酸化銅処理などの化学的粗化処理により表面粗化されたものを用いることが好ましい。
前記絶縁層3は、アルコキシシラングラフトエポキシ樹脂に無機フィラーが含有された熱伝導用エポキシ樹脂組成物が熱硬化されて形成されている。
この絶縁層3の厚さとしては、所望の放熱特性(熱抵抗)を満足するものであれば特に限定されるものではないが、一般的には、生産性や放熱特性等を考慮して、10〜500μmとされることが好ましく、10〜250μmであることがより好ましい。
このアルコキシシランがグラフトされるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂や、それらを水素添加した水添エポキシ樹脂類を例示することができる。なお、金属ベース回路基板1の絶縁層3を適度な弾性率と接着性とを有するものとし得る点において、エポキシ当量が450〜5000g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、このエポキシ当量とはJIS K 7236により求められる値を意図している。
このエポキシ樹脂にグラフト化されるアルキシシランとしては、メトキシシラン、エトキシシランなど特に限定されるものではないが、メトキシシランが好ましい。
このビスフェノールA型エポキシ樹脂にメトキシシランがグラフトされたアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂としては、例えば、下記の〔化1〕に示すエポキシ樹脂の繰り返し単位中の水酸基(−OH)の内のいくつかにおいて、水素が下記〔化2〕構造のアルキシシラン基に置き換えられてグラフトされたものを挙げることができる。
Figure 2007194405
Figure 2007194405
なお、〔化1〕のエポキシ樹脂への〔化2〕のアルコキシシランのグラフトは、グラフト後のエポキシ樹脂(アルコキシシラングラフトエポキシ樹脂)中の水酸基がアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂1分子あたりに平均で0.3〜5個残存させるように実施されることが好ましい。また、アルコキシシランの繰り返し数(m)は、このアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂に残存する水酸基に対してメトキシ基などのアルコキシ基が2〜20倍の量となるよう選定されることが好ましい。
このような、アルコキシシラングラフトエポキシ樹脂とともに前記絶縁層3を形成させるのに用いられる前記無機フィラーとしては、絶縁層3の電気絶縁性を損なうおそれのないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、金属の酸化物、炭化物、窒化物又は炭酸塩等から選ばれた少なくとも1種以上を適宜選択して用いることができる。なお、前記金属としては、特に制限されるものではないが、具体的には、例えば元素記号でいえば、B、Al、Be、V、Fe、Y、Co、Cu、Ni、Si、Sn、Ti、Cr、Ce、Zr、Ca、Ta及びNb等から選ばれた金属を挙げることができる。また、無機フィラーの形状は充填性の面から球状(粒状)のものを単独もしくは併用して用いることが好ましい。中でもアルミニウムの酸化物であるアルミナ(酸化アルミニウム)は球状の粒子で高充填可能(最密充填)なものが、安価に入手できるなどの観点から特に好ましい。また、ホウ素の窒化物である窒化ホウ素は誘電率が低い点において、高周波で駆動する素子を搭載する場合などに特に好ましい。
また、熱硬化前の熱伝導用エポキシ樹脂組成物に対する無機フィラーの含有量は、絶縁層の厚さや用いる無機フィラーの種類から適宜選択されるべきものであるが、40体積%以上とされることが好ましく、さらに、65体積%以上とされることがより好ましい。
なお、この無機フィラーの体積%とは、熱硬化前に含有された無機フィラーの体積が熱硬化後の熱伝導用エポキシ樹脂組成物の体積に締める割合を意図しており、この無機フィラーの体積は、含有される無機フィラーの重量を無機フィラーの真比重で除して求めることができる。
また、熱伝導用エポキシ樹脂組成物には、通常、アルコキシシラングラフトエポキシ樹脂を熱硬化させるための硬化剤が含有される。この硬化剤としては、一般的なエポキシ樹脂に使用されているものが使用できる。例えば、アミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン等の脂肪族及び脂環式アミン類、ポリアミド類、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン類、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−7等の3級アミン類及びその塩類。
酸無水物類;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の脂環式カルボン酸無水物類。
多価フェノール類;カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビフェノール、フェノールノボラック類、クレゾールノボラック類、ビスフェノールAノボラック類等の2価フェノールのノボラック化物類、トリスヒドロキシフェニルメタン類、アラルキルポリフェノール類、ジシクロペンタジエンポリフェノール類等。
その他;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−イミダゾール及び2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物及びその塩類、アミンのBF3錯体化合物、脂肪族スルホニウム塩及び芳香族スルホニウム塩等のブレンステッド酸塩類、ジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジッド及びフタル酸ジヒドラジッド等の有機酸ヒドラジッド類、ポリメルカプタン類、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物類等。これらのエポキシ 樹脂用硬化剤は、単独で使用してもよいが、2種以上を併用して使用することも可能である。
また、その他に熱伝導用エポキシ樹脂組成物に含有されるものとしては、酸化防止剤、紫外線吸収材、有機溶剤、難燃剤、粘度調節剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、カップリング剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。
前記回路材2としては、例えば、数μm〜数百μm程度の厚さを有する銅箔やアルミニウム箔、あるいは、銅とアルミニウムとのクラッド箔などの金属箔を用いることができ、さらには、これらの金属箔にニッケル、金、半田などのメッキを施したものを用いることができる。
次いで、電解銅箔に、前記熱伝導用エポキシ樹脂組成物を塗布乾燥させて、リン酸アルマイト処理されたアルミニウム板に熱プレスを用いて積層一体化させる場合を例に、金属ベース回路基板を製造する製造方法について説明する。
まず、前記熱伝導用エポキシ樹脂組成物を一般的なミキサーなどを用いて攪拌し均一に分散させる。このとき、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤を適宜用いて前記熱伝導用エポキシ樹脂組成物を前記電解銅箔に塗布し易い粘度に調整することが好ましい。
この粘度調整された熱伝導用エポキシ樹脂組成物を電解銅箔に塗布乾燥させるためには、一般的な塗工機を用いることができる。
例えば、ロール状の被塗工物を順次送り出すことのできる送り出し部と、被塗工物に液状物を塗工する塗工部と、液状物が塗工された被塗工物を加熱乾燥させる乾燥炉と、該乾燥炉を通過後の被塗工物を巻き取るための巻き取り部とを有した塗工機を用いることができる。このような、塗工機を用いて熱伝導用エポキシ樹脂組成物を電解銅箔に塗布乾燥させるためには、まず前記電解銅箔を塗工機の送り出し部にセットして送り出しを行い、塗工部においてコンマダイレクト方式やキスコート方式などにより電解銅箔のマット面に熱伝導用エポキシ樹脂組成物を塗布し、この熱伝導用エポキシ樹脂組成物が塗布された電解銅箔を、前記乾燥炉を通過させて熱伝導用エポキシ樹脂組成物を乾燥させて、前記巻き取り部にて巻取る方法など用いることができる。この乾燥炉での乾燥においては、熱伝導用エポキシ樹脂組成物の粘度調整に用いた有機溶剤などを乾燥除去させ、前記巻き取りされた熱伝導用エポキシ樹脂組成物塗布銅箔を室温中で数日間保管させてもブロッキングなどの問題が生じないようにし、しかも、熱伝導用エポキシ樹脂組成物中のアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂のアルコキシシランを加水分解させ、さらに重縮合させて熱伝導用エポキシ樹脂組成物中にナノサイズのシリカを形成させる。
なお、後段の熱プレスによるエポキシ基の硬化反応時においてさらにアルコキシシランを加水分解ならびに重縮合させてシリカを形成させ得ることから、必ずしもこの時点でアルコキシシランの加水分解、重縮合を完全に実施させる必要はないが、アルコキシシランの加水分解により発生したガスが絶縁層に残留するおそれを低減させ得る点において、この乾燥時により多くのアルコキシシランを加水分解、重縮合させておくことが好ましい。ただし、あまり加熱温度が高く、加熱時間が長くなるとエポキシ基が硬化反応を起こしてしまい、金属板との良好なる接着を実施できなくなる可能性がある。したがってこの乾燥条件としては、エポキシ基の70%以上が未反応となる条件範囲において、より多くのアルコキシシランの加水分解、重縮合を実施可能な条件から選定されることが好ましく、具体的には、50〜120℃程度の温度で数十秒〜数十分かけて乾燥を行うことが好ましい。
この熱伝導用エポキシ樹脂組成物が塗布乾燥された電解銅箔をアルミニウム板の大きさと略同サイズに切断し、熱伝導用エポキシ樹脂組成物塗布面とアルミニウム板のリン酸アルマイト処理面とを貼り合わすべく、熱プレスを実施する。
このときの熱プレスは、アルコキシシラングラフトエポキシ樹脂の種類や硬化剤の種類や量などにもよるが、通常、130〜200℃の温度で数十分〜数時間程度の条件の中から適宜選択できる。
このようにして、プレス成形したものは、銅箔表面の汚れや付着物を、バフロールなどを用いて表面研磨して除去させた後、ドライフィルムなどを用いて銅箔のエッチングを実施して所望の回路を形成させて、打ち抜き加工などにより所定形状に加工して金属ベース回路基板を製造することができる。
なお、本実施形態においては、製造時の作業性が低下することを抑制しつつ熱伝導率を向上させ、しかも、金属板や金属箔などに対する接着力が優れ、絶縁層にクラックが生じたりすることを抑制させ得るという効果をより顕著に発揮させ得る点から熱伝導用エポキシ樹脂組成物を金属ベース回路基板の絶縁層形成用に用いる場合を例に説明したが、本発明においては、熱伝導用エポキシ樹脂組成物の用途を金属ベース回路基板の絶縁層の形成に限定するものではなく、例えば、金属ベース基板から、さらに筐体や放熱フィンなどに熱伝導させる場合に、金属ベース基板の金属板と筐体あるいは放熱フィンとに挟持させて用いる放熱シートなどに用いる場合も本発明の意図する範囲である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(熱伝導用エポキシ樹脂組成物の調整)
実施例、比較例の熱伝導用エポキシ樹脂組成物を表1の配合に基づき調整した。
より具体的には、プラネタリーミキサーを用いてエポキシ樹脂を溶剤に充分溶解させた後に、無機フィラーを加えて混合攪拌し、さらに硬化剤を添加して混合攪拌し熱伝導用エポキシ樹脂組成物を作製した。
Figure 2007194405
(評価試料の作成)
(銅箔への塗布乾燥)
厚さ70μmの電解銅箔に乾燥後の厚さで100μm となるように熱伝導用エポキシ樹脂組成物を塗布し、120℃×10分の乾燥を行った。
(熱プレス)
熱伝導用エポキシ樹脂組成物が塗布、乾燥された電解銅箔と、厚さ2mmのアルミニウム板とを熱プレスを用いて5.9MPaの圧力で180℃×120分の熱プレスを行った。
(接着力の測定)
JIS C 6481に準拠して銅箔の引き剥がし強さを測定した。
(弾性率の測定)
動的粘弾性での25℃の貯蔵弾性率を粘弾性測定器により測定した。なおこのこの25℃の貯蔵弾性率は、測定周波数1Hzで、昇温速度2℃/分にて−40〜150℃の範囲で振幅10μmの引張りモードでの測定を行った場合に25℃において観測された貯蔵弾性率の値である。
(熱伝導率の測定)
ASTM E 1530に準拠して熱伝導率の測定を実施した。
(結果)
各測定結果を表2に示す。
Figure 2007194405
この表からも明らかなように、エポキシ樹脂に該エポキシ樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーが含有されてなり、加熱されて前記エポキシ樹脂が硬化される熱伝導用エポキシ樹脂組成物の前記エポキシ樹脂にアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂が用いられていることで、熱伝導用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導率を向上させ得ることがわかる。しかも、この硬化後は、アルコキシシランがグラフトされていないエポキシ樹脂を用いた場合よりも低弾性率となりしかも金属板や金属箔などに対する接着力が優れていることもわかる。
一実施形態の金属ベース回路基板を示す断面図。
符号の説明
1:金属ベース回路基板、2:回路材、3:絶縁層、4:金属板

Claims (2)

  1. エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂よりも熱伝導率の高い無機フィラーとが含有されてなり、加熱されて前記エポキシ樹脂が硬化される熱伝導用エポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂にアルコキシシラングラフトエポキシ樹脂が用いられていることを特徴とする熱伝導用エポキシ樹脂組成物。
  2. 金属板上に絶縁層を介して回路材が積層された金属ベース回路基板であって、前記絶縁層が請求項1に記載の熱伝導用エポキシ樹脂組成物が熱硬化されて形成されていることを特徴とする金属ベース回路基板。
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