JP2007193953A - 光源装置および当該光源装置を備えたプロジェクタ - Google Patents

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光一 秋山
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Abstract

【課題】エネルギー効率良く発光し、光の利用効率が良いコンパクトな光源装置を提供すること、および当該光源装置を備えたプロジェクタを提供すること。
【解決手段】光源装置30は、マイクロ波を射出するマイクロ波発生部12と、マイクロ波が照射されると発光する発光体1と、マイクロ波を透過し発光体1が放射する光を集光するリフレクタ3と、マイクロ波を反射して発光体1に集束させる反射器4とを、含んで構成されている。反射器4は、発光体1を介して、マイクロ波発生部12と相対する側のリフレクタ3の内部に設けられていることから、マイクロ波を発光体1に照射するための構成と、発光体1が放射する光を集光するための光学系の構成とが、ランプユニット13として一体に構成されている。また、反射器4は、マイクロ波発生部12が発生したマイクロ波を効率良く発光体1に集束させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、マイクロ波を用いた光源装置および当該光源装置を備えたプロジェクタに関する。
スクリーンに画像を投写するプロジェクタは、会議におけるプレゼンテーションや、家庭におけるホームシアター用などに利用されている。また、近年、プレゼンテーション用途などにおいては、手軽に持ち歩ける軽量でコンパクトな携帯型のプロジェクタが多くなってきている。
このようなプロジェクタには、大きなスクリーンに明るい画像を写し出すためにハロゲンランプ、メタルハライドランプ、および高圧水銀ランプなどの高輝度が得られるランプを光源とする光源装置が用いられていた。しかし、ハロゲンランプにはフィラメントが、またメタルハライドランプや、高圧水銀ランプには放電用の電極が、それぞれ備えられているため、経時変化によるフィラメントの断線や、電極の消耗は避けられず、一定の寿命があるという問題があった。
図8(a)は、従来の光源装置の概略構成を示す図である。図8(b)は、異なる態様の従来の光源装置の概略構成を示す図である。
このような従来の光源装置の問題を解決するために、特許文献1や特許文献2のように電極のない無電極ランプ(以下、「発光体」ともいう)を光源に用いた光源装置が提案されている。
図8(a)に示される特許文献1の光源装置200は、マグネトロン210が発するマイクロ波を導波管211により導き、導波管211の開口部212から発光物質が封入された球状の無電極ランプである発光体201にマイクロ波を照射することにより当該ランプを発光させる。また、発光体201が放射する光のうち、リフレクタ205に向かう光は、集光され当該リフレクタの開口部206から射出される。また、リフレクタ205の内部には、導波管211の開口部から発光体201を囲う形で、マイクロ波が外部に漏れることを防止するRFスクリーン213が設けられていた。
図8(b)に示される特許文献2の光源装置220は、マグネトロン210が発するマイクロ波を共振器214内で共振させ、当該共振器の開口部207近傍に設けられた発光体201に照射することにより当該発光体を発光させる。また、発光体201が発する光のうち、共振器214の開口部207から放射される光Lが活用されていた。
図9は、マグネトロンが発生するマイクロ波の周波数特性を示す図である。
また、マグネトロン210が発生するマイクロ波の周波数分布は、所期のマイクロ波である略2.45GHzを中心とした分布となっているが、約2.25〜2.65GHz帯域幅の多くのノイズ成分を含んでいた。また、この周波数特性は、出力マイクロ波電力を変化させると、特性が変化してしまうことが知られていた。
特開平9−82112号公報 特開2001−155882号公報
しかしながら、従来の光源装置200において、発光体201が放射する光のうち、導波管211の開口部212へ向かう光は、導波管211内部に吸収されてしまい活用されていなかった。また、光源装置220においても、共振器214内部に向かう光は、同様に活用されていなかった。さらに、共振器214の開口部207から発せられる光は、開口部207から三方に放射されるため、有効に活用される光Lは、発光体201が発する光のうち、極わずかなものであった。
このように、従来の光源装置200および光源装置220では、発光体201が発生する光を有効に活用することが困難であるという問題点があった。
また、光源装置200において、発光体201に照射されるマイクロ波は、何ら集束手段が設けられていない導波管211の開口部212からのみの一方向(1回)の照射であるため、放射されるマイクロ波のエネルギー量のうち、光に変換されるエネルギー量は、極僅かであると推測される。同様に、光源装置220においても、マイクロ波は、共振器214の開口部207へ向かう一方向(1回)のみの照射であるため、照射されるマイクロ波のエネルギー量のうち、光に変換されるエネルギー量は、極僅かであると推測される。このように、従来の光源装置200および光源装置220では、マイクロ波のエネルギーを効率良く光に変換することが困難であるという問題点があった。
また、光源装置200および光源装置220ともに、マイクロ波をマグネトロン210により発生させているが、真空管の一種であるマグネトロンは、自体が大型であり、また、作動するために数kV単位の高電圧を必要とするため、電源回路が大きくなってしまうという問題を有していた。すなわち、携帯型のプロジェクタなどに搭載する場合など、小型軽量の要望に対応することが困難であった。
上記課題を解決するために、本発明では、エネルギー効率良く発光し、光の利用効率が良いコンパクトな光源装置を提供すること、および当該光源装置を備えたプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の光源装置は、マイクロ波を射出するマイクロ波発生部と、マイクロ波によって発光する発光物質が封入された発光体と、マイクロ波を透過する材質により構成され、発光体が放射する光を集束し略一定方向に向かう光束として射出するリフレクタと、リフレクタに少なくとも一部の構成が含まれるとともに、マイクロ波発生部が発生したマイクロ波を反射し発光体に集束させる反射器と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、光源装置は、マイクロ波を透過する材質により構成され、発光体が放射する光を集束し略一定方向に向かう光束として射出するリフレクタを備えていることから、マイクロ波を通すための開口部212が必要であった従来の光源装置200と異なり、光の利用効率を下げてしまう開口部を必要としない。また、何ら放射する光の集束手段を持たなかった従来の光源装置220と異なり、リフレクタを備えている。
よって、本発明の光源装置は、光の利用効率が良い。
また、光源装置は、マイクロ波発生部が発生したマイクロ波を反射し発光体に集束させる反射器を備えていることから、マイクロ波を発光体に集束させる手段を有しなかった従来の光源装置と異なり、マイクロ波を効率良く発光体に集束させる。
よって、本発明の光源装置は、マイクロ波をエネルギー効率良く光に変換することができる。
さらに反射器は、一部の構成がリフレクタに含まれていることから、マイクロ波を発光体に照射するための構成と、発光体が放射する光を集光するための光学系の構成とをコンパクトに構成することができる。
従って、エネルギー効率良く発光し、光の利用効率が良いコンパクトな光源装置を提供することができる。
本発明に係わる光源装置によれば、マイクロ波発生部は、マイクロ波を発振する固体高周波発振器と、固体高周波発振器が発生したマイクロ波を増幅する増幅部と、アンテナが放射するマイクロ波を略平面波として射出するホーンアンテナと、を含むことが好ましい。
この構成によれば、マイクロ波発生部は、固体高周波発振器が発振したマイクロ波を、増幅部で増幅し、ホーンアンテナから略平面波として射出する。
よって、大型のマグネトロンを用いていた従来の光源装置と異なり、固体高周波発振器によるコンパクトな構成により、マイクロ波を発生させることができる。さらに指向性の良いホーンアンテナにより、マイクロ波を確実に発光体へ照射することができる。
従って、エネルギー効率良く発光するコンパクトな光源装置を提供することができる。
本発明に係る光源装置によれば、球状をなすとともに棒状の支柱に接続された発光体は、椀状をなしたリフレクタ内面の底部に、他端を固定された支柱により支持され、反射器は、リフレクタの外側に設けられたホーンアンテナと、発光体を介して相対する側に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、反射器は、リフレクタの外側に設けられたホーンアンテナと、発光体を介して相対する側に設けられていることから、ホーンアンテナから射出される略平面波のマイクロ波は、発光体を照射した後、反射器で反射および集束されて、再度発光体に照射される。
よって、発光体へのマイクロ波の照射が一方向(1回)のみであった従来の光源装置と異なり、本発明の光源装置では、1回のマイクロ波の射出により、往復2方向(2回)の照射がなされるため、マイクロ波のエネルギーを効率良く光に変換することができる。
従って、エネルギー効率良く発光する光源装置を提供することができる。
本発明に係わる光源装置によれば、マイクロ波発生部は、増幅部の後段に設けられ、ホーンアンテナから放射されたマイクロ波の一部が反射器によって反射しホーンアンテナに再入力する反射マイクロ波を遮断するための安全器を、さらに備えることが好ましい。
この構成によれば、マイクロ波発生部には、増幅部の後段に設けられ、反射マイクロ波を遮断するための安全器がさらに含まれることから、反射マイクロ波が増幅部に達することを防止することができる。
よって、増幅部およびその前段の固体高周波発振器を反射マイクロ波から守ることができる。
従って、動作が安定した光源装置を提供することができる。
本発明に係わる光源装置によれば、固体高周波発振器は、弾性表面波共振子を含んだ弾性表面波発振器であり、弾性表面波共振子は、ダイヤモンド層またはダイヤモンド状炭素膜層上に積層された薄膜圧電体層と、薄膜圧電体層上に形成されたIDT電極とを、備えることが好ましい。
弾性表面波(以下、SAWともいう:Surface Acoustic Wave)共振子の弾性体としてダイヤモンドを用いた場合、弾性表面波は、10000m/sを超える非常に早い伝播速度となる。
この特性により、ダイヤモンドSAW共振子を備えたダイヤモンドSAW発振器は、PLL(Phase Locked Loop)などを用いた逓倍回路を必要とせず、マイクロ波を直接発振することができる。また、ダイヤモンドSAW共振子の櫛形電極であるIDT(Inter Digital Transducer)電極の電極幅を、例えば、水晶や、セラミックスなどの他の弾性体に比べて、大きくすることが可能なため、優れた耐電力特性、および温度変化に対する周波数変動が少ないという特徴を有している。
さらに、ダイヤモンドSAW発振器は、予熱を必要とせず、電力が印加されると略リアルタイムに所期の周波数を直接発振し、また、その周波数特性は先鋭な特性を示し、周波数特性の変化が少ないという特徴を有している。
よって、多くのノイズ成分を含んでいた従来の光源装置と異なり、本発明の光源装置は、所期のマイクロ波をエネルギー効率良く発生させることができる。
この構成によれば、固体高周波発振器は、ダイヤモンドSAW共振子を含んだダイヤモンドSAW発振器であることから、前述したダイヤモンドSAW共振子、およびダイヤモンドSAW発振器が有する多様な効果を奏することができる。
従って、エネルギー効率良く、素早く発光する光源装置を提供することができる。
本発明に係る光源装置によれば、球状をなした発光体の内径は、φ5mm以下であることが好ましい。
この構成によれば、発光体の内径は、φ5mm以下であることから、発光体は、放射する光を効率的に扱うことが可能な点光源とみなすことができる。
よって、光の利用効率を高めるリフレクタなどの光学系をシンプルかつ小型に構成することができる。
従って、光の利用効率が良い光源装置を提供することができる。
本発明に係る光源装置によれば、発光体の原料は、石英ガラス、または透明サファイア、若しくは透光性セラミックのいずれかであることが好ましい。
この構成によれば、発光体の原料は、光透過性および耐熱性に優れた特性を持つ石英ガラス、または透明サファイア、若しくは透光性セラミックのいずれかであることから、発光物質が発する光を効率良く放射する。
従って、光の利用効率が良い光源装置を提供することができる。
本発明に係る光源装置によれば、発光体の支柱は、可視光線を透過する材質により構成されるか、または当該支柱の側面が反射面となっていることが好ましい。
この構成によれば、発光体から放射された光のうち、支柱に向かった光は、支柱を透過するか、または支柱の反射面により反射された後、リフレクタ内面にて反射され、集光される。
よって、発光体が発する光を無駄なく利用することができる。
従って、光の利用効率が良い光源装置を提供することができる。
本発明に係る光源装置によれば、反射器は、一辺がマイクロ波における波長の1/10以下の長さに設けられた複数の開口部を有する網状をなした金属成分を含む材料により構成され、楕円または放物線からなる曲面形状を含んでいることが好ましい。
この構成によれば、反射器は、一辺がマイクロ波における波長の1/10以下の長さに設けられた複数の網目状の開口部を有し、楕円または放物線からなる曲面形状を含んで構成されていることから、反射器は、マイクロ波の波長よりも十分に短い金属成分のメッシュにより確実にマイクロ波を反射するとともに、曲面形状による集束作用により、マイクロ波を発光体に集束させる。
よって、マイクロ波を効率良く発光体に照射することができる。
従って、エネルギー効率良く発光する光源装置を提供することができる。
本発明に係る光源装置によれば、椀状をなしたリフレクタの内面には、マイクロ波を透過し、可視光線を反射する誘電体多層膜が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、リフレクタの内面には、マイクロ波を透過し、可視光線を反射する誘電体多層膜が設けられていることから、リフレクタは、発光体に照射されるマイクロ波発生部からのマイクロ波、および反射器により反射されたマイクロ波を妨げない。
よって、マイクロ波を効率良く発光体に照射することができる。
従って、エネルギー効率良く発光する光源装置を提供することができる。
本発明に係わる光源装置は、リフレクタの開口面に設けられた一辺がマイクロ波における波長の1/10以下の長さに設けられた複数の開口部を有する金属網と、マイクロ波を反射する材質により構成され、リフレクタにおける反射器の反対側の面を覆うように設けられたリフレクタを支持するランプガイドとを、さらに備えることが好ましい。
この構成によれば、リフレクタの開口面には金属網が設けられ、リフレクタにおける前記反射器の反対側の面にはマイクロ波を反射する材質により構成されたランプガイドが設けられていることから、マイクロ波は、反射器と金属網とランプガイドとにより構成されたエリア内で閉塞される。
よって、光源装置は、マイクロ波を外部に漏らすことなく、エネルギー効率良く発光する。さらにマイクロ波が漏れないことから、ISM帯で使用されているBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Home RF、WLAN等の無線通信機器や医療機器などに対する悪影響を抑制することができる。
従って、外部電子機器に影響を与えず、エネルギー効率の良い光源装置を提供することができる。
上述した目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、前記記載の光源装置と、光源装置が射出する光を画像信号に応じた画像を表す変調光に変調する光変調素子と、変調光を拡大した投写光を射出する投写部とを、備えることを特徴とする。
この構成によれば、プロジェクタは、エネルギー効率良く発光し光の利用効率が良い光源装置と、光変調素子と、投写部とを、備えていることから、明るい画像を投写する。
従って、光の利用効率が良く、明るい画像を投写するプロジェクタを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
《プロジェクタの概要》
図1は、本発明の実施形態におけるプロジェクタの概略構成図である。
プロジェクタ100は、光源装置30が放射した光を、赤色光、緑色光、青色光の光3原色成分に分離し、色光ごとに光変調素子としての各色光用の液晶ライトバルブ88R,88G,88Bにより映像信号に応じて変調し、再度合成したフルカラーの変調光を投写レンズ52によりスクリーンSCに拡大投写する、いわゆる「液晶3板式プロジェクタ」である。なお、液晶ライトバルブ88R,88G,88Bは、それぞれが赤色光、緑色光、青色光用として設けられ、光学ユニット50の構成に含まれている。
光源装置30は、無電極ランプである発光体1を光源としている。発光体1は、内部に発光物質が充填されており、マイクロ波発生部12のホーンアンテナ2から射出されるマイクロ波により発光物質が励起され、プラズマ発光により発光する。ホーンアンテナ2から放射されるマイクロ波は、固体高周波発振器としての高周波発振器10にて生成されている。なお、高周波発振器10は、マイクロ波発生部12の構成に含まれている。
《高周波発振器の概要》
図2は、高周波発振器の概略構成を示すブロック図である。図3(a)はダイヤモンドSAW共振子の概略平面図、図3(b)はダイヤモンドSAW共振子の概略断面図である。
ここでは、本発明の特徴の一つであるマイクロ波発生部12の高周波発振器10について、図2、および図3(a),(b)を用いて詳しく説明する。
高周波発振器10は、弾性表面波(以下、SAWともいう:Surface Acoustic Wave)共振子を含んだ弾性表面波発振器であり、弾性表面波が伝わる弾性体にダイヤモンド単結晶層を用いたSAW共振子を用いている。
高周波発振器10は、弾性表面波共振子7と、増幅器8と、等分配器9などを含んで構成されている。
弾性表面波共振子7は、ダイヤモンドSAW共振子であり、具体的な構成は、図3(a),(b)に示されている。
図3(b)に示されるように、弾性表面波共振子7は、基材である珪素基板72をベースとして構成され、上面にダイヤモンド単結晶層73が積層されている。
さらにダイヤモンド単結晶層73の上には、酸化亜鉛(ZnO)薄膜などの薄膜圧電体層74が積層されている。
さらに薄膜圧電体層74の上には、弾性表面波を励振するIDT(Inter Digital Transducer)電極を含む電極75が設けられている。
さらに電極75の上には、酸化珪素膜76が積層されている。酸化珪素膜76における動作周波数の温度依存性は、ダイヤモンド単結晶層73、薄膜圧電体層74、および電極75と反対の特性を示すことから、最上面に酸化珪素膜76を積層することにより、温度特性を改善することができる。
なお、ダイヤモンド単結晶層73は、気相合成法により形成されることが好ましい。また、多結晶ダイヤモンドに近い弾性定数を持つ硬質炭素膜を用いても良い。また、薄膜圧電体層74は、スパッタ法や気相合成法などにより形成したAIN、Pb(Zr,Ti)O2等の薄膜圧電体層であっても良い。
電極75は、図3(a)に示すように、互いにかみ合うように配置された1組の櫛形電極であるIDT電極75a,75bと、当該IDT電極を挟み込んで両サイドに設けられた弾性表面波を反射する反射器電極75cとから構成されている。
このような弾性表面波共振子7は、IDT電極75aに電気信号が入力されるとダイヤモンド単結晶層73を含む基材上に弾性表面波を励起し、この弾性表面波を反射器電極75c間に閉じ込める。閉じ込められた弾性表面波は反射器電極75c間で多重反射されるため、反射器電極75c間に定在波が生じる。
そして弾性表面波共振子7は、弾性表面波がIDT電極75bに到達すると、弾性表面波の周波数に応じた周波数(マイクロ波)の電気信号を出力する。
図2に戻る。
増幅器8は、弾性表面波共振子7の後段に設けられ、弾性表面波共振子7が発振するマイクロ波を所定の電力を持つマイクロ波に増幅する。
等分配器9は、増幅器8から出力されるマイクロ波電力を、外部と弾性表面波共振子7とに、等配分する。
弾性表面波共振子7と増幅器8と等分配器9とは、一定の特性インピーダンス、例えば、50ohmに全て整合接続されており、1つの帰還発振回路である高周波発振器10を構成している。
弾性表面波共振子7は、弾性体としてダイヤモンドを用いているため、発生する弾性表面波は、10000m/sを超える非常に早い伝播速度となる。
この特性により、高周波発振器10は、PLL(Phase Locked Loop)などを用いた逓倍回路を必要とせず、マイクロ波を直接発振することができる。また、弾性表面波共振子7のIDT電極75a,75bの電極幅を、例えば、水晶や、セラミックスなどの他の弾性体に比べて、大きくすることが可能なため、優れた耐電力特性、および温度変化に対する周波数変動が少ないという特徴を有している。
図4は、高周波発振器の出力周波数特性の一例を示す図である。
図4に示されるように、高周波発振器10の出力周波数特性は、所期の周波数としての2.45GHzを中心とした先鋭な特性を示している。また、出力するマイクロ波電力が変化しても、周波数特性の変化が少ないという特徴を有している。
さらに、高周波発振器10は、予熱を必要とせず、電力が印加されると略リアルタイムに所期の周波数を直接発振し、その周波数特性は、マイクロ波電力を増減しても変化せず、位相ノイズが殆ど発生しないという特徴を有している。
《プロジェクタの概略構成》
図1に戻る。
ここでは、プロジェクタ100の概略構成について説明する。
プロジェクタ100は、光源装置30、光学ユニット50、投写レンズ52、制御部53、画像信号処理部54、液晶パネル駆動部55、記憶部56、操作部57、リモコン58、操作受付け部59、ファン駆動部60、温度検出部61、電源部62などから構成されている。
光源装置30は、マイクロ波発生部12と、ランプユニット13などから構成されている。
マイクロ波発生部12は、前述したホーンアンテナ2、高周波発振器10に加えて、増幅部11、安全器14などを含んで構成されている。
増幅部11は、高周波発振器10の後段に設けられ、当該発振器から出力されるマイクロ波電力を増幅する。
安全器14は、アイソレータであり、増幅部11の後段に設けられている。安全器14は、ホーンアンテナ2から射出されたマイクロ波の一部がランプユニット13内の反射器4などにより反射し、ホーンアンテナ2に再入力する反射マイクロ波を内蔵する抵抗体により熱として消費する。
ランプユニット13は、前述した発光体1に加えて、マイクロ波を反射して発光体1に集束させる反射器4や、発光体1が発する光を集光して光学ユニット50方向に射出するリフレクタ3、当該リフレクタを支持するランプ枠16などを含んで構成されている。なお、ランプユニット13の詳細については、後述する。
光学ユニット50は、発光体1から射出される光を輝度分布の安定した光に変換するインテグレータ照明光学系と、輝度分布の安定した光を光の3原色である赤色、緑色、青色の各色光成分に分離して各色光用の液晶ライトバルブ88R,88G,88Bに供給する分離光学系と、当該液晶ライトバルブにて色光ごとに映像信号に応じて変調された各色光を、再度合成してフルカラーの変調光を生成する合成光学系などを含んで構成されている。なお、光学ユニット50の詳細については、後述する。
投写部としての投写レンズ52は、ズームレンズを含んで構成され、光学ユニット50から射出されるフルカラーの変調光を拡大してスクリーンSCにフルカラー画像を投写する。
制御部53は、CPU(Central Processing Unit)であり、光源装置30を含む各部とバスラインBusを介して信号のやり取りを行い、プロジェクタ100を制御する。
画像信号処理部54には、パーソナルコンピュータなどの外部の画像信号供給装置350から入力される画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する画像コンバータや、スケーラおよびフレームメモリ(いずれも図示せず)などが含まれている。
画像信号処理部54は、入力されるアナログRGB信号や、コンポーネント信号などのアナログ画像信号を画像コンバータによりAD変換した後、スケーリングなどの画像処理を施す。
画像信号処理部54は、画像信号により表される画像を当該映像信号の持つ解像度でRGBの色光ごとにフレームメモリに書き込み、液晶ライトバルブ88R,88G,88Bにて表示可能な解像度に変換して読み出すことにより、当該液晶ライトバルブに適した画像信号を生成する。また、スクリーンSCに投写された有効画像の形状を矩形に近づけるための台形補正処理も、スケーリングと合せて行われる。
液晶パネル駆動部55は、液晶パネルドライバであり、画像処理が施された画像信号と駆動電圧などを液晶ライトバルブ88R,88G,88Bに供給し、当該液晶ライトバルブを駆動する。
記憶部56は、例えば、マスクROMや、フラッシュメモリ、FeRAMなどの不揮発性のメモリにより構成されている。記憶部56には、光源装置30の点灯動作を含むプロジェクタ100を起動させるための順序と内容を規定した起動プログラムなどの当該プロジェクタの動作を制御するための様々なプログラムおよび付随するデータが記憶されている。
当該プログラムには、温度検出部61により検出された温度データに応じて、ファン駆動部60によりファンF1の回転速度を制御するファン制御プログラムなどが含まれている。
また、付属するデータには、温度検出部61により検出された温度データから当該温度データに対応する温度値を引き当てるための温度変換テーブルなどが記憶されている。
操作部57は、プロジェクタ100の本体上面に設けられており、プロジェクタ100を操作するための複数の操作用ボタン(図示せず)を備えている。複数の操作用ボタンには、プロジェクタ100を起動およびシャットダウンするための「電源ボタン」や、各種操作メニューを表示させるための「メニューボタン」、投写画像の明るさを調整するための「調光ボタン」などが含まれている。
リモコン58は、プロジェクタ100を遠隔操作するためのリモコンであり、操作部57と同様のプロジェクタ100を操作するための複数の操作用ボタンを備えている。
操作受付け部59は、操作部57あるいはリモコン58への操作がなされると、当該操作を受付け、制御部53へ各種動作のトリガとなる操作信号を送る。
ファン駆動部60は、制御部53からの制御信号に従い、付属する軸流ファンであるファンF1を回転駆動する駆動回路である。なお、ファンは、軸流ファン1つに限定するものではなく、例えば、液晶ライトバルブ88R,88G,88Bごとに集中的に風を吹き付けるシロッコファンをさらに備えていても良い。
温度検出部61は、液晶ライトバルブ88R,88G,88B近傍に取り付けられた温度センサとしてのサーミスタThを含んで構成され、温度を検出し、温度データとして制御部53へ送信する。なお、温度センサは、測温抵抗体や、水晶温度センサ、熱電変換素子であっても良い。
電源部62は、外部電源351からの交流電力をインレットから導き、内蔵するAC/DC変換部(いずれも図示せず)にて変圧、整流および平滑するなどの処理を施すことにより安定化させた直流電圧をプロジェクタ100の各部に供給する。
《光学装置の構成》
図5は、本発明の光源装置の側断面図である。図6は、光源装置の正面図である。
ここでは、図5および図6を中心に適宜図1を交えながら本発明の特徴の一つである光源装置30の光学系を含む構造体の詳細説明を行う。
図5において、マイクロ波発生部12の高周波発振器10、増幅部11、および安全器14(図1参照)は、回路部21として一つに構成され、ホーンアンテナ2と隣接して設けられている。また、ホーンアンテナ2の内部には、高周波発振器10が発振するマイクロ波の波長λのλ/4となる長さを持つロッドアンテナであるアンテナ22が設けられている。また、アンテナ22は、らせん状のヘリカルアンテナや、誘電率の大きなフィルム状の基材上に構成された平面アンテナであっても良い。これによれば、アンテナ22をより小型に構成することができる。
ホーンアンテナ2は、マイクロ波を射出する開口部をランプ枠16内に向けた状態で当該ランプ枠に固定されている。
ランプユニット13は、発光体1、リフレクタ3、反射器4、ランプ枠16などから構成されている。
発光体1は、石英ガラス、または透明サファイア、若しくは透光性セラミックなどの透明性および耐熱性のある無機ガラスにより中空の球状に形成されており、内部にはマイクロ波により励起されプラズマ発光する発光物質が充填されている。発光体1は、内径がφ5mm以下の電極のない無電極ランプである。なお、より好適にはφ1〜2mmの内径であることが望ましい。これによれば、発光体1をより点光源に近づけることができる。
充填される発光物質は、例えばネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ハロゲン等の希ガスが好ましい。これらのガスと共に水銀やナトリウム等の金属や金属化合物等を封入してもよい。また、発光物質は固体であっても良い。
また、発光体1は、棒状の支柱25と一体に形成されており、当該支柱の他端は、お椀状をなしたリフレクタ3の内面24の底部に挿入され、固定されている。
支柱25は、発光体1と同様な可視光線を透過する無機ガラスにより構成されている。また、支柱25の側面に、例えばアルミニウムなどを蒸着し、反射面とする構成であっても良い。
リフレクタ3は、透明な耐熱性の無機ガラスによりお椀状に構成されている。リフレクタ3の内面24は、発光体1が放射する光を反射して開口方向(x軸マイナス方向)に向かう光束とする放物線を含む曲面となっており、マイクロ波を透過し可視光線を反射する誘電体多層膜が設けられている。なお、内面24は、放物面に限定するものではなく、楕円形状を含んだ曲面であっても良い。
また、リフレクタ3の開口部には、金属網23が取り付けられている。
図6は、光源装置30をx軸マイナス方向から観察した正面図である。
金属網23は、一辺がマイクロ波の波長の1/10以下の長さに設けられた複数の開口部を有している。例えば、マイクロ波の周波数が2.45GHzである場合、波長は約12cmとなり、金属網23の網目の一辺の長さを、1.2cm以下に設定する。
金属網23は、亜鉛引き鉄線や、ステンレス線などを平織り加工、またはフラットトップ加工したものである。また、さらに黒亜鉛や、黒クロムメッキなどの反射防止加工を施すことが望ましい。
また、金属網23は、金属性の網に限定するものではなく、金属成分によるメッシュ構造を含んでいれば良い。例えば、透明な耐熱フィルム上にメッシュ状の金属パターンを設けたフレキシブル基板であっても良い。
反射器4は、金属網23と同様のメッシュ構造を有する金属網であり、リフレクタ3の内部にインサート成型されている。反射器4は、リフレクタ3の外側に設けられたホーンアンテナ2と、発光体1を介して相対する側に設けられている。
また、反射器4は、楕円形状を含む曲面により形成されており、発光体1を座標軸の原点としたときに、y軸マイナス方向に突出するリフレクタ3の形状に略沿うように設けられている。また、図5における曲面の楕円形状における一方の焦点位置が略発光体1となるように設定されている。なお、曲面は、放物線を含んだ曲面形状であっても良い。
ランプ枠16は、アルミニウムなどの金属により構成され、マイクロ波発生部12を固定するとともに、リフレクタ3を支持する部材である。ランプ枠16には、x軸プラス方向にリフレクタ3底部の凸形状27(図5)と勘合するための凹形状が設けられている。また、x軸マイナス方向の端部には、リフレクタ3を固定するための固定ネジ28が設けられている。
これらの構成により、ランプ枠16と反射器4と金属網23とにより構成されるエリアは、外周面が全てマイクロ波を反射する金属網、または金属壁により覆われることとなる。なお、ランプ枠16の外面に、放熱用のフィンを設けても良い。これにより、発光体1が発する熱を効率良く逃がすことができる。
前述したような構成を持つ光源装置30において、ホーンアンテナ2から射出されたマイクロ波の一部であるマイクロ波M1は、直接発光体1に照射される。発光体1の発光物質にマイクロ波が照射されると、発光物質が励起され放電によるプラズマ発光が起こる。
また、発光体1の形状は小さいため、ホーンアンテナ2から放射されたときには、発光体1から外れて進行したマイクロ波M2は、反射器4により反射され、発光体1に照射される。
また、図5において、ホーンアンテナ2から支柱25方向へ射出されたマイクロ波M3は、支柱25を透過し、反射器4により反射され、発光体1に照射される。
このように、ホーンアンテナ2から射出されたマイクロ波は、直接発光体1に照射されるか、または、反射器4により反射してから発光体1に照射され、プラズマ発光による光に変換される。そして発光体1から放射される光は、リフレクタ3の内面24により反射および集光され、金属網23からx軸マイナス方向に進行する光束として射出される。
《光学ユニットの概略構成》
図7は、光学ユニット近傍の概略構成を示す図である。
ここでは、光学ユニット50の概略構成について説明する。
光学ユニット50は、前述した光源装置30と隣接して設けられ、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、液晶ライトバルブ88R,88G,88Bと、合成光学装置44などから構成されている。
また、光学ユニット50の各部は、光学部品用筐体45に一体に収容され、ユニット化されている。
インテグレータ照明光学系41は、光源装置30から射出された光束を照明光軸Ceに直交する面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、第1レンズアレイ111、第2レンズアレイ112、偏光変換素子113、および重畳レンズ114を含んで構成されている。
第1レンズアレイ111は、照明光軸方向から見て略矩形形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置30から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ112は、第1レンズアレイ111と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有する。この第2レンズアレイ112は、重畳レンズ114とともに、第1レンズアレイ111の各小レンズの像を液晶ライトバルブ88R,88G,88Bに結像させる機能を有する。
偏光変換素子113は、発光体1から射出される二種類の偏光成分を主体とした光を、液晶ライトバルブ88R,88G,88Bにて変調可能な、一種類の偏光光に変換する光学素子である。
具体的には、第2レンズアレイ112からの二種類の偏光成分を含んだ光は、偏光変換素子113により略一種類の偏光光に変換され、重畳レンズ114により、最終的には、液晶ライトバルブ88R,88G,88B上にほぼ重畳される。
これにより、偏光変換素子113がなかった場合は熱として消費されてしまう全光束の約半分を占める一方の偏光光を、変調可能な偏光光に変換することにより、光の利用効率を高めている。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー121,122と、反射ミラー123とを備える。インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー121,122により赤(R),緑(G),青(B)の3色の色光に分離される。
ダイクロイックミラー121は、緑色光成分と青色光成分とを透過し、赤色光成分を反射する誘電体多層膜を備えた光学素子である。
ダイクロイックミラー121は、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とを透過し、赤色光成分を反射する。反射された赤色光は、反射ミラー123でさらに反射され、フィールドレンズ119を通って、赤色光用の液晶ライトバルブ88Rに入射する。
ダイクロイックミラー122は、青色光成分を透過し、緑色光成分を反射する誘電体多層膜を備えた光学素子である。
ダイクロイックミラー122は、ダイクロイックミラー121を透過した青色光と緑色光のうち、緑色光を反射する。反射された緑色光は、フィールドレンズ119を通って、緑色光用の液晶ライトバルブ88Gに入射する。
ダイクロイックミラー122を透過した青色光は、リレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ119を通って、青色光用の液晶ライトバルブ88Bに入射する。
リレー光学系43は、入射側レンズ131と、一対のリレーレンズ133と、反射ミラー132,135とを備えている。このリレー光学系43は、色分離光学系42で分離された青色光を青色光用の液晶ライトバルブ88Bまで導く機能を有している。
また、フィールドレンズ119は、第2レンズアレイ112から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。青色光および緑色光用の液晶ライトバルブ88G,88Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ119も同様である。
なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ131に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ119に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、ダイクロイックミラー121,122の機能を変えることにより、赤色光を通す構成としてもよい。
液晶ライトバルブ88R,88G,88Bの入射側には、色分離光学系42で分離された各色光が入射する入射偏光板82が、また、射出側には、射出偏光板83がそれぞれ設けられている。
入射偏光板82、および射出偏光板83は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
液晶ライトバルブ88R,88G,88Bは、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。
透過型液晶パネルである液晶ライトバルブ88R,88G,88Bは、入射偏光板82を介して入射する各色光を、色光ごとの画像情報に応じて変調し、色光ごとの変調光として射出偏光板83からそれぞれ射出する。
合成光学系44は、クロスダイクロイックプリズムであり、射出偏光板83から射出された、色光ごとの変調光を合成してフルカラー画像を表す変調光を射出する。
合成光学系44には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
合成光学系44によって合成された変調光は、投写レンズ52により拡大され、スクリーンSCに画像を写し出す。
なお、液晶ライトバルブ88R,88G,88Bと、3つの射出偏光板83と、合成光学系44とは、一つのユニットとして一体に構成されている。
上述した通り、本実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)リフレクタ3は、マイクロ波を透過する無機ガラスにより構成されていることから、マイクロ波を導入するための専用の開口部を必要としない。また、リフレクタ3の内面24には、マイクロ波を透過し可視光線を反射する誘電体多層膜が設けられていることから、発光体1が放射する光を無駄なく集光し光学ユニット50側に射出する。
よって、光源装置30は、光の利用効率が良い。
また、光源装置30は、マイクロ波発生部12が発生したマイクロ波を反射し発光体1に集束させる反射器4を備えていることから、マイクロ波を効率良く発光体1に集束させる。よって、光源装置30は、マイクロ波をエネルギー効率良く光に変換する。
さらに反射器4は、リフレクタ3の内部に設けられていることから、マイクロ波を発光体1に照射するための構成と、発光体1が放射する光を集光するための光学系の構成とが、ランプユニット13として一体に構成されている。よって、光源装置30は、コンパクトに構成されている。
従って、エネルギー効率良く発光し、光の利用効率が良いコンパクトな光源装置30を提供することができる。
(2)マイクロ波発生部12は、高周波発振器10が発振したマイクロ波を、増幅部11で増幅し、ホーンアンテナ2から略平面波として射出する。
よって、大型の電源回路を必要としない高周波発振器10、増幅部11、ホーンアンテナ2というコンパクトな構成により、マイクロ波を発生させることができる。さらに、指向性の良いホーンアンテナ2により、マイクロ波を確実に発光体1へ照射することができる。
従って、エネルギー効率良く発光するコンパクトな光源装置30を提供することができる。
(3)反射器4は、リフレクタ3の外側に設けられたホーンアンテナ2と、発光体1を介して相対する側に設けられていることから、ホーンアンテナ2から射出される略平面波のマイクロ波は、発光体1を照射した後、反射器4で反射および集束されて、再度発光体1に照射される。
よって、1回のマイクロ波の射出により、往復2方向(2回)の照射がなされることから、マイクロ波のエネルギーを効率良く光に変換することができる。
従って、エネルギー効率良く発光する光源装置30を提供することができる。
(4)高周波発振器10は、ダイヤモンドSAW共振子を備えたダイヤモンドSAW発振器であることから、電力を印加すれば直ぐにマイクロ波を発生し、素早く発光体1を点灯させることができる。さらに小型に構成できるとともに、優れた耐電力特性、および温度変化に対する周波数変動が少ないという特徴を有している。
また、高周波発振器10が出力するマイクロ波は、所期の周波数を中心とした先鋭な特性のマイクロ波であり、マイクロ波電力を増減しても周波数特性は変化しない特性を有している。
よって、光源装置30は、マイクロ波をエネルギー効率良く光に変換することができる。
従って、エネルギー効率良く、素早く発光する光源装置30を提供することができる。
(5)マイクロ波発生部12には、反射マイクロ波を遮断するための増幅部11の後段に設けられた安全器14がさらに含まれることから、反射マイクロ波が増幅部11に達することを防止することができる。
よって、増幅部11およびその前段の高周波発振器10を反射マイクロ波から守ることができる。
従って、動作が安定した光源装置30を提供することができる。
(6)発光体1の内径は、φ5mm以下であることから、放射する光を効率的に扱うことが可能な点光源として、発光体1を見なすことができる。
よって、光の利用効率を高めるリフレクタなどの光学系をシンプルかつ小型に構成することができる。
また、発光体1の原料は、光透過性および耐熱性に優れた特性を持つ石英ガラス、または透明サファイア、若しくは透光性セラミックのいずれかであることから、発光体1は、プラズマ発光により発光物質が発する光を効率良く放射する。
従って、光の利用効率が良い光源装置を提供することができる。
(7)発光体1の支柱25は、可視光線を透過する材質により構成されるか、または当該支柱の側面が反射面となっている。
よって、発光体1から放射された光のうち、支柱25に向かった光は、当該支柱を透過するか、または当該支柱の反射面により反射された後、リフレクタ3の内面24により反射され、集光される。
よって、発光体1が発する光を無駄なく利用することができる。
従って、光の利用効率が良い光源装置30を提供することができる。
(8)反射器4は、一辺がマイクロ波における波長の1/10以下の長さに設けられた複数の網目状の開口部を有し、楕円または放物線からなる曲面形状を含んで構成されていることから、金属により構成された反射器4は、マイクロ波の波長よりも十分に短いメッシュにより確実にマイクロ波を反射するとともに、曲面形状による集束作用により、マイクロ波を発光体1に集束させる。
よって、マイクロ波を効率良く発光体1に照射することができる。
従って、エネルギー効率良く発光する光源装置30を提供することができる。
(9)リフレクタ3の開口部には金属網23が設けられ、当該リフレクタにおける反射器4の反対側の面にはマイクロ波を反射するアルミニウムにより構成されたランプ枠16が設けられていることから、マイクロ波は、ランプ枠16と反射器4と金属網23とにより構成されたエリア内で閉塞される。
よって、光源装置30は、マイクロ波を外部に漏らすことなく、エネルギー効率良く発光する。さらにマイクロ波が漏れないことから、ISM帯で使用されているBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Home RF、WLAN等の無線通信機器や医療機器などに対する悪影響を抑制することができる。
従って、外部電子機器に影響を与えず、エネルギー効率の良い光源装置30を提供することができる。
(10)プロジェクタ100は、エネルギー効率良く発光し光の利用効率が良い光源装置30と、光変調素子としての液晶ライトバルブ88R,88G,88Bを含む光学ユニット50と、投写レンズ52とを備えていることから、光を効率良く利用し、明るい画像を投写する。
また、光学ユニット50は、放電式ランプを用いた従来の携帯用プロジェクタにおけるコンパクトで高効率な光学系の構成を略そのまま用いることができる。よって、新たな光学系のための設備投資が不要になるばかりでなく、量産効果によりコストが抑えられた部品を用いたコストパフォーマンスの高い携帯用のプロジェクタを提供することができる。
従って、光の利用効率が良く、明るい画像を投写するプロジェクタ100を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図1を用いて説明する。前記実施形態において、光源装置30は、プロジェクタに備えられているが、これに限定するものではない。
小型でコンパクトな光源装置30は、素早く確実に点灯するとともに、エネルギー効率良く発光し、光の利用効率が良いことから、航空、船舶、車輌等の照明機器や、屋内照明機器などへ好適に適用することができる。
(変形例2)
図7を用いて説明する。前記実施形態において、プロジェクタ100は、光変調素子として3枚の液晶ライトバルブ88R,88G,88Bを用いた液晶3板式の投写型プロジェクタとして説明したが、これに限定するものではない。
例えば、プロジェクタは、赤、緑、青色のカラーフィルタが規則的に格子状に配置され、1枚でフルカラーの変調光を射出することが可能な単板の液晶ライトバルブを用いる構成であっても良い。また、反射型液晶表示装置や、ティルトミラーデバイスを用いる構成としても良い。なお、例えば、ティルトミラーデバイスを用いる構成の場合、入射偏光板82、射出偏光板83、偏光変換素子113が不要となるなど、光学ユニットの構成は、使用する光変調素子に応じて、図7の構成とはそれぞれ異なったものとなる。
また、このような光変調素子と、スクリーンとを備えたプロジェクタであるリアプロジェクタであっても良い。
これらの構成であっても、前記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
実施形態におけるプロジェクタの概略構成図。 高周波発振器の概略構成図。 (a)ダイヤモンドSAW共振子の概略平面図、(b)ダイヤモンドSAW共振子の概略断面図。 高周波発振器の出力周波数特性の一例を示す図。 光源装置の側断面図。 光源装置の正面図。 光学装置近傍の概略構成図。 (a)従来の光源装置の概略構成図、(b)異なる態様の従来の光源装置の概略構成図。 マグネトロンの出力周波数特性を示す図。
符号の説明
1…発光体、2…ホーンアンテナ、3…リフレクタ、4…反射器、7…弾性表面波共振子としてのダイヤモンドSAW共振子、10…固体高周波発振器としての高周波発振器、11…増幅部、12…マイクロ波発生部、13…ランプユニット、14…安全器、16…ランプ枠、23…金属網、24…リフレクタの内面、25…支柱、30…光源装置、50…光学ユニット、52…投写部としての投写レンズ、53…制御部、88R,88G,88B…光変調素子としての液晶ライトバルブ、100…プロジェクタ、SC…スクリーン。

Claims (12)

  1. マイクロ波を射出するマイクロ波発生部と、
    前記マイクロ波によって発光する発光物質が封入された発光体と、
    前記マイクロ波を透過する材質により構成され、前記発光体が放射する光を集束し略一定方向に向かう光束として射出するリフレクタと、
    前記リフレクタに少なくとも一部の構成が含まれるとともに、前記マイクロ波発生部が発生した前記マイクロ波を反射し前記発光体に集束させる反射器と、を備えることを特徴とする光源装置。
  2. 前記マイクロ波発生部は、
    前記マイクロ波を発振する固体高周波発振器と、
    前記固体高周波発振器が発生した前記マイクロ波を増幅する増幅部と、
    前記アンテナが放射する前記マイクロ波を略平面波として射出するホーンアンテナと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 球状をなすとともに棒状の支柱に接続された前記発光体は、椀状をなした前記リフレクタ内面の底部に、他端を固定された前記支柱により支持され、
    前記反射器は、前記リフレクタの外側に設けられた前記ホーンアンテナと、前記発光体を介して相対する側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  4. 前記マイクロ波発生部は、前記増幅部の後段に設けられ、前記ホーンアンテナから放射されたマイクロ波の一部が前記反射器によって反射し前記ホーンアンテナに再入力する反射マイクロ波を遮断するための安全器を、さらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の光源装置。
  5. 前記固体高周波発振器は、弾性表面波共振子を含んだ弾性表面波発振器であり、前記弾性表面波共振子は、ダイヤモンド層またはダイヤモンド状炭素膜層上に積層された薄膜圧電体層と、前記薄膜圧電体層上に形成されたIDT電極とを、備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の光源装置。
  6. 球状をなした前記発光体の内径は、φ5mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光源装置。
  7. 前記発光体の原料は、石英ガラス、または透明サファイア、若しくは透光性セラミックのいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光源装置。
  8. 前記発光体の支柱は、可視光線を透過する材質により構成されるか、または当該支柱の側面が反射面となっていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の光源装置。
  9. 前記反射器は、一辺が前記マイクロ波における波長の1/10以下の長さに設けられた複数の開口部を有する網状をなした金属成分を含む材料により構成され、楕円または放物線からなる曲面形状を含んでいることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光源装置。
  10. 椀状をなした前記リフレクタの内面には、前記マイクロ波を透過し、可視光線を反射する誘電体多層膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光源装置。
  11. 前記リフレクタの開口面に設けられた一辺が前記マイクロ波における波長の1/10以下の長さに設けられた複数の開口部を有する金属網と、
    前記マイクロ波を反射する材質により構成され、前記リフレクタにおける前記反射器の反対側の面を覆うように設けられた前記リフレクタを支持するランプガイドとを、さらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光源装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置が射出する光を画像信号に応じた画像を表す変調光に変調する光変調素子と、
    前記変調光を拡大した投写光を射出する投写部とを、備えることを特徴とするプロジェクタ。
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