JP2007192441A - 放熱器、放熱器の製造方法及びそれを備えた冷却装置 - Google Patents

放熱器、放熱器の製造方法及びそれを備えた冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ポンプ等により強制循環された液体冷媒を利用した冷却装置などに用いられる放熱器であって、冷媒の流通方向を変えるためのタンクを必要としない簡素な構成にする。
【解決手段】複数の扁平コアチューブ2を、液体冷媒を各扁平コアチューブに供給する供給側ヘッダタンク3と各扁平コアチューブ2からの液体冷媒を回収する回収側ヘッダタンク4に接続し、前記扁平コアチューブに複数のプレートフィン7を取り付けて構成した放熱器において、扁平コアチューブ2の一部を曲折して少なくとも冷媒供給路2hと曲折部2iと冷媒回収路2jを構成し、この冷媒供給路2hの端部2aを供給側ヘッダタンク3に、冷媒回収路2jの端部2bを回収側ヘッダタンク4に接続し、この扁平コアチューブ2の冷媒供給路2hと冷媒回収路2jとが通風方向と平行になるように並列配置となるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器の筐体内部に配設された超小型演算処理装置(以下、MPUと称する)などの発熱電子部品を、ポンプ等により強制循環させた液体冷媒を利用して冷却するときに用いられる放熱器、放熱器の製造方法及びそれを備えた冷却装置に関するものである。
最近のコンピューターにおけるデータ処理の高速化の動きはきわめて急速であり、MPUのクロック周波数は、以前と比較して格段に高いものになってきている。
その結果、MPUの発熱量が増大し、従来のように放熱フィンを有するヒートシンクを発熱体に接触させて放熱する方法だけなく、そのヒートシンクをファンで直接冷却する方法、あるいは受熱体と放熱体とをヒートパイプを用いて熱接続したヒートシンクモジュールを構成して、その放熱体をファンの送風で強制冷却する方法などが採用されている。
さらに、近年の半導体集積回路における演算処理の高速化、処理容量の大容量化及び画像処理の高速化などに伴い、従来では大型電子計算機の分野で用いられていたような液体冷媒の循環による効率的な冷却装置が、比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器にも搭載されはじめている。
今後は、受熱体と放熱体のそれぞれにおいて、熱伝導性の高い液体冷媒との効率的な熱交換を行わせ、同時にポンプ等の強制循環装置を用いてその液体冷媒を循環駆動させることで、受熱体から放熱体の方向へ熱輸送を行い、発熱体の熱を効率的に放熱体に伝え、さらに外部へ放熱する冷却装置なども必要不可欠となってきている。
そして、そのような冷却装置の冷却性能向上と小型・軽量化がより一層必要とされている。
そこで、MPUなどの発熱電子部品と熱交換した液体冷媒の熱を外部へ効率的に放熱する冷却装置に用いられる放熱体としての熱交換器の構成として、例えば(特許文献1)に開示されているように、複数の扁平コアチューブを所定の均等間隔で並列に配置しその両端側にコンプレッサにより強制循環されたガス冷媒を分配供給する供給側ヘッダタンク、扁平コアチューブを流通したガス冷媒を集合回収する回収側ヘッダタンク、及びガス冷媒をUターンさせる移送用ヘッダタンクをそれぞれ所定の位置に配設したものが知られている。
図16は、その(特許文献1)に記載された熱交換器の斜視図で、車両用空調装置のガスクーラに適用した熱交換器100であって、複数の扁平コアチューブ101の内部をガス冷媒が流通し、その扁平コアチューブ101の間には、波形状に成形されてろう材が被覆されたコルゲートフィン102が配設されている。
そして、扁平コアチューブ101とコルゲートフィン102とにより、内部を流通するガス冷媒と送風空気との熱交換を行うコア部103が構成されている。
ここで、扁平コアチューブ101は、工業用アルミニウム材、例えばA1050を用いて内部に複数の流通路を形成するように、押し出し成形加工により一体成形されたものである。
そして、その扁平コアチューブ101とコルゲートフィン102とは、コルゲートフィン102の表裏両面に被覆されたろう材により一体となるようにろう付けされている。
ちなみに、ろう材は、扁平コアチューブ101及びコルゲートフィン102より低い融点を有する金属材料であり、ろう材A4343が用いられている。
また、上半分の扁平コアチューブ101の一方端には、その扁平コアチューブ101にガス冷媒を分配供給する供給側ヘッダタンク104が配設され、下半分の扁平コアチューブ101の一方端には、その扁平コアチューブ101から流出するガス冷媒を集合回収する回収側ヘッダタンク105が配設されている。
一方、それぞれの扁平コアチューブ101の他方端には、移送用ヘッダタンク106が配設されて、上半分のコアチューブ101から流出したガス冷媒を一旦合流させ、下半分のコアチューブ101へ分配しながらUターンさせている。
これらの供給側ヘッダタンク104と回収側ヘッダタンク105は、アルミニウム製の圧延材にろう材を被覆したものに複数の扁平コアチューブ101を差し込んで接合するための長孔(図示せず)が複数設けられており、長円形の筒状に丸めたタンクプレート107と、そのタンクプレート107の両端に嵌めるキャップ108とで構成されており、ガス冷媒の通路を形成するように、扁平コアチューブ101の長手方向と直交する方向に延びている。
また、ガス冷媒流入口109を設けて左側の上部に配置した供給側ヘッダタンク104とガス冷媒流出口110を設けて左側の下部に配置した回収側ヘッダタンク105とは仕切りキャップ111で上下に分けられている。
そして、ガス冷媒流入口109から供給側ヘッダタンク104に流入したガス冷媒は、コア部103の上半分の扁平コアチューブ101に分配供給されて図の右側へ流れ、右側の移送用ヘッダタンク106内に流出して一旦合流し、そのまま下側へ流れ、今度はコア部103の下半分の扁平コアチューブ101に分配供給されて図の左側へ流れ、回収側ヘッダタンク105内に流出して再度合流し、ガス冷媒流出口110から流出するように流れている。つまり、熱交換器100の構成を、ガス冷媒を左側から右側へ流し、そこでUターンさせて右側から左側へ流れるようにしている。
以上の構成において、コア部103に肉厚の薄い扁平コアチューブ101が用いられ、その熱交換器100に外気を送風する際の送風抵抗がより小さく、しかも通風面積を大きくできるので、より小型・軽量化が容易となっている。
一方、放熱性能の向上と薄型化を図り得る熱交換器の構成として、例えば(特許文献2)に開示されているように、複数の扁平コアチューブを所定の均等間隔で並列に配設した上流側扁平コアチューブ群と下流側扁平コアチューブ群とが、熱交換器の通風方向で前後となるように並んで配置したものが知られている。
図17は、その(特許文献2)に記載された実施の形態の正面図(a)と側面図(b)で、車両用空調装置のガスクーラに適用した熱交換器200であって、放熱部を構成するコア部201と、コア部201の上端に沿って配置されるガス冷媒流出入側ヘッダタンクとしての上側ヘッダタンク202と、コア部201の下端に沿って配置されるガス冷媒Uターン側ヘッダタンクとしての下側ヘッダタンク203とを基本的な構成としている。
また、コア部201は、複数の扁平コアチューブ204と複数のコルゲートフィン205とを備えている。
そして、扁平コアチューブ204とコルゲートフィン205とがコア幅方向に交互に積層配置されるとともに、両側端部のコルゲートフィン205の外側にサイドプレート206が積層配置されて、コア部201が形成されている。
これにより、複数の扁平コアチューブ204において、上流側に位置する扁平コアチューブ207によって構成される第1パスとしての上流側扁平コアチューブ群(P1)が形成されるとともに、下流側に位置する扁平コアチューブ208によって構成される第2パスとしての下流側扁平コアチューブ群(P2)が形成されている。
ここで、上流側に位置する扁平コアチューブ207と下流側に位置する扁平コアチューブ208は、内部に複数の流通路を形成するように押し出し成形加工により一体成形されたものである。
そして、上側ヘッダタンク202の両側開口部には、ヘッダーキャップ209が取り付けられ、下側ヘッダタンク203の両側開口部には、ヘッダーキャップ210が取り付けられて、両端開口部がそれぞれ気密状に閉塞されている。
以上のように構成された熱交換器200は、その各構成部材が、アルミニウムまたはその合金、更には少なくとも片面にろう材が積層されたアルミニウムブレージングシート等からなり、これらの構成部品を必要に応じてろう材を介して所定の熱交換器の形状に組み付けて仮固定する。
こうして仮固定した仮組製品を炉中にて一括でろう付けすることにより、全体を連結一体化するものである。
以上のように、ガス冷媒が上流側及び下流側扁平コアチューブ群(P1)(P2)の各扁平コアチューブ207、208に均等に分配されて通過するものであるため、ガス冷媒を上流側及び下流側扁平コアチューブ群(P1)(P2)の全域、つまりコア部201の全域に亘って効率良く放熱することができ、放熱性能を向上させることができる。
さらに、この熱交換器200は、ガス冷媒を2つの上流側及び下流側扁平コアチューブ群(P1)(P2)に通過させるだけのシンプルなU字状のガス冷媒経路を形成するものであるため、ガス冷媒の流路抵抗を減少させることができる。
したがって、ガス冷媒の通路断面積を小さくすることが可能となり、各扁平コアチューブ207、208のチューブの断面積を小さくすることができる。したがって、より一層放熱器の小型・軽量化及び薄型化を図ることができる。
しかも、各扁平コアチューブ207、208のチューブの断面積を小さくすることにより、熱交換器200の全体サイズを変化させずに、各扁平コアチューブ207、208の設置本数を増加させることができ、ガス冷媒の分配性をより一層向上させることができ、一段と熱交換性能を向上させることができる。
特開2003−279194号公報(第5頁、図2) 特開2003−75024号公報(第21頁、図1)
しかしながら、(特許文献1)に記載されたような熱交換器100では、ヘッダタンク104から扁平コアチューブ101を流れてきたガス冷媒を回収側ヘッダタンク105の方向へUターンさせるためには、移送用ヘッダタンク106を設け、全ての扁平コアチューブ101と連通するように接合する必要がある。
したがって、熱交換器100の熱交換性能を高めるために、扁平コアチューブ101の本数を増やしてガス冷媒の流量を増大させる場合には、移送用ヘッダタンク106に扁平コアチューブ101を差し込んでろう材で接合する個所が、その本数に比例して増えるので、構造が複雑となり生産性が低くなるという課題があった。
また、移送用ヘッダタンク106は、全ての扁平コアチューブ101と連通しているため、扁平コアチューブ101の本数を増やすと流量が増大するので、そのタンク容量を大きくして流路抵抗を小さくする必要があり、小型・軽量化を行うのが困難となっていた。
さらに、上半分の複数の扁平コアチューブ101から流れてきたガス冷媒は、移送用ヘッダタンク106の中で一旦合流して乱流化されるので、そのガス冷媒を滞留なく下半分の扁平コアチューブ101へ均一的に分配してUターンさせることが困難となり、扁平コアチューブ101の全域に亘って外気との熱交換を効率的に行うことができないという課題もあった。
加えて、熱交換器100を流通させるガス冷媒の単位時間当たりの流量が一定という条件のもとでその熱交換性能を高めるためには、通風断面積を大きくする必要がある。
つまり、ガス冷媒の流通路を構成する扁平コアチューブ101を長くすれば、通風断面積が大きくなり、通風路へ導入する外気と扁平コアチューブ101やコルゲートフィン102との接触面積が大きくなり、熱交換器100の通風方向に対して直交する方向の全域に亘って、より大きな熱交換が可能となる。
しかしながら、その通風断面積を大きくすることにより、通風方向と直交する方向の外形が大きくなるので、その熱交換器100を搭載した電子機器においても、通風路へ導入する外気の風路を確保するための空間が必要となり、電子機器の小型化にも適さないという課題があった。
また、通風路へ導入する外気と扁平コアチューブ101やコルゲートフィン102との接触面積を大きくするために、扁平コアチューブ101の幅を大きくすることも可能だが、扁平コアチューブ101が押し出し成形加工により一体成形されたものなので、成形用金型を新規に導入する必要があるという課題もあった。
一方、(特許文献2)においても、第1パスとしての上流側扁平コアチューブ群(P1)から流れてきたガス冷媒を、第2パスとしての下流側扁平コアチューブ群(P2)の方向へUターンさせるためには下側ヘッダタンク203を設け、両扁平コアチューブ207、208と連通するように接合する必要がある。
したがって、熱交換器200の熱交換性能を高めるために、両扁平コアチューブ207、208の本数を増やしてガス冷媒の流量を増大させる場合には、下側ヘッダタンク203に両扁平コアチューブ207、208を差し込んでろう材で接合する個所が、その本数に比例して増えるので、構造が複雑となり生産性が低くなるという課題があった。
また、下側ヘッダタンク203は、両扁平コアチューブ207、208と連通しているため、その両扁平コアチューブ207、208の本数を増やすと流量が増大するので、そのタンク容量を大きくして流路抵抗を小さくする必要があり、小型・軽量化を行うのが困難となっていた。
さらに、熱交換器200を流通させるガス冷媒の単位時間当たりの流量が一定という条件のもとでその熱交換性能を高めるためには、通風断面積は変えられないので、各ヘッダタンク202、203を熱交換器200の通風方向に延ばし、新たな扁平コアチューブを付加して、ガス冷媒の流通路を延長する必要がある。
つまり、ガス冷媒の流通路を延長することで、通風路へ導入する外気とそれら扁平コアチューブやコルゲートフィン205との接触面積が大きくなり、より大きな熱交換が可能となる。
しかしながら、熱交換器200の通風方向において、ガス冷媒の流通路を延長するためには、各ヘッダタンク202、203をその方向に外形を大きくして、ガス冷媒を再度Uターンさせるための仕切り壁を内部に設ける必要があるので、さらにその内部構造が複雑となり生産性が低くなるという課題があった。
また、通風路へ導入する外気と両扁平コアチューブ207、208やコルゲートフィン205との接触面積を大きくするために、両扁平コアチューブ207、208の幅を大きくすることも可能だが、両扁平コアチューブ207、208が押し出し成形加工により一体成形されたものなので、成形用金型を新規に導入する必要があるという課題もあった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、放熱器の構成として液体冷媒の流通路を備え放熱体として働く複数の曲折した扁平コアチューブを採用することにより、構造が簡易で、生産性の高い小型な放熱器の提供を目的とする。
本発明は上記の目的に鑑みてなされたもので、液体冷媒の流通路を備え放熱体として働く複数の扁平コアチューブを液体冷媒を各扁平コアチューブに供給する供給側ヘッダタンクと各扁平コアチューブからの液体冷媒を回収する回収側ヘッダタンクに接続し、前記扁平コアチューブに複数の放熱フィンを取り付けて構成した放熱器において、1つの液体冷媒の流通路を持つ扁平コアチューブの一部を曲折して少なくとも冷媒供給路と曲折部と冷媒回収路を構成し、この冷媒供給路の端部を供給側ヘッダタンクに、冷媒回収路の端部を回収側ヘッダタンクに接続し、この扁平コアチューブの冷媒供給路と冷媒回収路とが通風方向と平行になるように並列配置されたことを特徴とする放熱器である。この構成により、生産性及び放熱性能の向上を実現化した小型な放熱器を提供することができる。
本発明の放熱器によれば、扁平コアチューブを曲折させているので、その扁平コアチューブの内部を流れる液体冷媒の流通方向を変えるためのタンクを設ける必要がない。したがって部品点数が減り、放熱器の構造が簡素化するため生産性は向上し、且つ放熱器の小型化が行える。また、従来例のように冷媒がタンク内で乱流を起こし、冷媒の分配供給を妨げることがないため、外気との熱交換を効率的に行うことができる。
本発明の請求項1記載の放熱器は、液体冷媒の流通路を備え放熱体として働く複数の扁平コアチューブを液体冷媒を各扁平コアチューブに供給する供給側ヘッダタンクと各扁平コアチューブからの液体冷媒を回収する回収側ヘッダタンクに接続し、前記扁平コアチューブに複数の放熱フィンを取り付けて構成した放熱器において、1つの液体冷媒の流通路を持つ扁平コアチューブの一部を曲折して少なくとも冷媒供給路と曲折部と冷媒回収路を構成し、この冷媒供給路の端部を供給側ヘッダタンクに、冷媒回収路の端部を回収側ヘッダタンクに接続し、この扁平コアチューブの冷媒供給路と冷媒回収路とが通風方向と平行になるように並列配置された構成としたので、従来例のような液体冷媒の流れの向きを変えるためのタンクを必要としない簡素な構成にできる。したがって、部品点数が少なく、小型・軽量化と併せて生産性を向上できる放熱器を提供できる。
また流通方向の流れを変えるためのタンクを必要としないため、冷媒がタンク内で乱流を起こし、冷媒の分配供給を妨げるといった不都合が起こり得ない。したがって、冷媒は滞留なく流路を循環することになるので、外気との熱交換を効率的に行えるようになる。
また扁平コアチューブの冷媒供給路と冷媒回収路とが通風方向に平行になるように配置されているため、特許文献1に記載の熱交換器のように通風断面積を大きくすることなく、冷媒の循環を行うことが可能である。
本発明の請求項2記載の放熱器は、前記扁平コアチューブを略中央部を曲折させた構成とし、その扁平コアチューブの両端部に接合される供給側ヘッダタンクと回収側ヘッダタンクとを相互に隣接させたので、その放熱器に接続する2本以上の液輸送路を相互に近づけて配設するのが容易となる。
つまり、その放熱器と接続する液輸送路を大きく分岐させる必要がなく、その分液輸送路が短くなり、その放熱器を搭載する電子機器の筐体内での空間的な制約が少なくなるので、その電子機器の筐体内のレイアウトの自由度を増やすことができる。
本発明の請求項3記載の放熱器は、複数の放熱フィンとしてのプレートフィンのそれぞれに複数の開口部を所定の間隔を空けて形成し、その開口部に前記扁平コアチューブを嵌挿させ、前記扁平コアチューブの冷媒供給路及び冷媒回収路に前記プレートフィンを積層配置させたので、扁平コアチューブの冷媒供給路及び冷媒回収路とプレートフィンとが熱接続され、導入される外気との接触面積が大きくなるため放熱性能を容易に向上できる。
また、扁平コアチューブの曲折した部分を、プレートフィンの開口部に圧入しながら嵌挿すれば、その扁平コアチューブとプレートフィンとを容易に熱接続できるので、製造も容易となり生産性を向上できる。
本発明の請求項4記載の放熱器は、プレートフィンの端部に立設部を形成したので、例えば、プレートフィンの短手方向の両側を折り曲げて端部に立設部を形成すると、隣接するプレートフィン間の空間の側面側が閉塞されるので、そのプレートフィン間に導入された外気が側面方向へ逃げるのを阻止して、放熱性能が低下するのを防止できる。
本発明の請求項5記載の放熱器は、複数の放熱フィンとしてのコルゲートフィンを、前記扁平コアチューブの冷媒供給路または冷媒回収路の表面に配置したので、扁平コアチューブとコルゲートフィンとが熱接続されて外気との接触面積が大きくなり放熱性能を容易に向上できる。
本発明の請求項6記載の放熱器は、前記扁平コアチューブの冷媒供給路及び冷媒回収路の端部を供給側ヘッダタンクまたは回収側ヘッダタンクにインサート成形により接合したので、扁平コアチューブまたは供給側ヘッダタンクまたは扁平コアチューブと回収側ヘッダタンクとの間において、従来の放熱器の製造に必要であったろう付けや溶接などの方法を用いた金属接合が不要となり、製造も容易となり生産性を向上できる。
特に、その融点が600℃前後から900℃近くの範囲にある銀ろう付けの場合には、その温度での接合処理の可能な連続フロー炉や真空バッチ炉を必要とするが、そのような設備費用を軽減できる。
本発明の請求項7記載の放熱器は、扁平コアチューブの冷媒流入口を供給側ヘッダタンクの重心近傍に配置したので、液体冷媒が液体の場合であって、その放熱器が比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器に搭載され、その電子機器またはその筐体の一部が、事務所内の配置換え、メンテナンスまたは修理等で一時的に傾けられ供給側ヘッダタンクの液体冷媒の液面が傾いた場合でも扁平コアチューブの冷媒流入口がその液面以下となり、液面上の空気がその冷媒流入口から放熱器の流通路に混入して放熱性能が低下するのを防止できる。
本発明の請求項8記載の放熱器は、回収側ヘッダタンクに設けられる冷媒流出管の冷媒流出口を回収側ヘッダタンクの重心近傍に配置したので、液体冷媒が液体の場合であって、その放熱器が比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器に搭載され、その電子機器またはその筐体の一部が、事務所内の配置換え、メンテナンスまたは修理等で一時的に傾けられ回収側ヘッダタンクの液体冷媒の液面が傾いた場合でも冷媒流出管の冷媒流出口がその液面以下となり、液面上の空気がその冷媒流出口からその放熱器を備えた冷却装置の冷媒循環路に混入して放熱性能が低下するのを防止できる。
本発明の請求項9記載の放熱器は、扁平コアチューブと供給側ヘッダタンクとの間および扁平コアチューブと回収側ヘッダタンクとの間のそれぞれの接合部において、その扁平コアチューブを略円筒形状にし、その扁平コアチューブの端部を囲繞するように取り付けられたOリングによって接合部を閉塞したものである。扁平コアチューブと供給側ヘッダタンクとの間及び扁平コアチューブと回収側ヘッダタンクとの間のそれぞれの接合部に対してOリングを用いた閉塞を行えば、その接合部において、インサート成形による一体成形あるいは溶接やろう付けなどの方法を用いた接合ではなく、規格品を用いた機械的な接合となり、製造も容易となり生産性を向上できる。
本発明の請求項10記載の放熱器は、冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路からなる2個以上の扁平コアチューブをU字状の接続部を介して一体に構成し、各々の冷媒供給路および冷媒回収路を通風方向と平行になるように並列配置したので、放熱器の外気との接触面が通風方向に沿って大きくなるので放熱性能を向上できる。また、このような配置を行うことで通風断面積が小さな場合でも容易に放熱性能を向上できる。
本発明の請求項11記載の放熱器は、冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路からなる2つの扁平コアチューブをL字状の接続部を介して一体に構成し、各々の扁平コアチューブの冷媒供給路および冷媒回収路を異なる2つの通風方向についてそれぞれ平行となるように並列配置したので、向きの異なる2つの通風方向に対応した効率的な放熱が可能になる。
本発明の請求項12記載の発明によれば、金属製のパイプを所定の長さに切断する第1工程と、所定の長さに切断された前記パイプを所定の箇所において所定の形状に曲折させる第2工程と、その曲折した金属パイプの所定の領域をプレス加工して所定の幅と高さの扁平形状にする第3工程により製造された扁平コアチューブを複数搭載し、液体冷媒の流通路および放熱体として機能する扁平コアチューブの各々を液体冷媒を各扁平コアチューブに供給する供給側ヘッダタンクと各扁平コアチューブからの液体冷媒を回収する回収側ヘッダタンクに接続し、前記扁平コアチューブに複数の放熱フィンを取り付ける放熱器の製造方法であるので、他用途にも十分転用可能で且つ入手も容易な金属製のパイプを用いて、単純な切断加工、曲げ加工、そしてプレス加工により扁平コアチューブを製造できるので、放熱器の生産性を向上できる。
さらに、扁平コアチューブを押し出し成形加工するための専用の成形用金型も不要なので、そのような設備費用を軽減できる。
本発明の請求項13記載の液冷装置は、発熱電子部品と接触して液体冷媒と熱交換させるための受熱器と、液体冷媒と外気との熱交換を行う放熱器と、前記受熱器に接続され前記受熱器から前記放熱器までの間を接続する液輸送路と、液体冷媒を前記受熱器から前記液輸送路を通して前記放熱器の方向へ循環駆動するポンプを備え、前記放熱器を請求項1〜11記載の放熱器で構成することを特徴とする冷却装置である。その冷却装置に搭載される放熱器は液体冷媒の流通路である扁平コアチューブを曲折しているので、その扁平コアチューブの内部を流れる液体冷媒の流通方向を変えるためのタンクを必要としない簡素な構成にできる。
さらに、流通方向の流れを変えるためのタンクを必要としないため、従来例のように冷媒がタンク内で乱流を起こし、冷媒の分配供給を妨げることがない。したがって、冷媒は滞留なく流路を循環することになるので、外気との熱交換を効率的に行える液冷装置を提供できる。
また扁平コアチューブの冷媒供給路と冷媒回収路とが通風方向に平行になるように配置されているため、特許文献1に記載の熱交換器のように通風断面積を大きくすることなく、冷媒の循環を行うことが可能な液例装置を提供できる。
本発明の請求項14記載の冷却装置は、受熱器をポンプ内蔵式の受熱一体ポンプとしたので、液循環路内にポンプを別体で単独に設ける必要がない。したがって、電子機器筐体内への搭載作業が容易となるばかりでなく、液輸送路長が短くなることで、ポンプに対する液循環路の流路抵抗が減少し、流量が増大することによって放熱性能を向上することができる。
次に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図面においてU字状に曲折した扁平コアチューブ側を上方、供給側ヘッダタンク及び回収側ヘッダタンク側を下方として、以下に説明する。
(実施の形態1)
図1〜図8において、図1(a)、(b)は本発明の実施の形態1に係わる放熱器の斜視図および扁平コアチューブの正面図で、図2(a)、(b)は本発明の実施の形態1に係わる放熱器の正面図と側面図で、図3(a)は本発明の実施の形態1に係わるプレートフィン単体の斜視図で、(b)は本発明の実施の形態1に係わる固定用プレート単体の斜視図で、(c)は本発明の実施の形態1に係わる扁平コアチューブ、供給側ヘッダタンク,及び回収側ヘッダタンクの組み立て後の斜視図で、図4は図2(a)のA−A矢視断面図で、図5(a)は図4のB−B矢視断面図で、図5(b)は図4のC−C矢視断面図で、図6(a)は供給側ヘッダタンクの扁平コアチューブの端部に沿った方向の拡大断面図で、図6(b)は実施の形態1の変形例における供給側ヘッダタンクの扁平コアチューブの端部に沿った方向の拡大断面図で、図7(a)〜(c)は放熱器が傾いた場合の供給側ヘッダタンク内の液体冷媒の状態図で、図8(a)〜(c)は扁平コアチューブの加工過程を段階的に示した図である。
まず、図1(a)の本発明の実施の形態1に係わる放熱器1の斜視図で示したように、熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)の単孔パイプをプレス加工して、端部2a、2bを除いた領域(冷媒供給路2h、曲折部2i、冷媒回収路2j)を所定の幅と高さの扁平形状にした図1(b)に示す複数の扁平コアチューブ2が、所定の間隔で並列に並べられている。
また、その複数の扁平コアチューブ2の冷媒供給路2h側の端部2aには、インサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ2と連通するように樹脂製の供給側ヘッダタンク3が接合され、扁平コアチューブ2の冷媒回収路2j側の端部2bには、同じくインサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ2と連通するように樹脂製の回収側ヘッダタンク4が接合されている。
そして、それぞれの扁平コアチューブ2の略中央部をU字状に曲折させて、供給側ヘッダタンク3を回収側ヘッダタンク4に近設させている。
このように、その放熱器1の下方の端部に供給側ヘッダタンク3と回収側ヘッダタンク4が近くなるように寄せられて配置された態様となるので、その放熱器1に接続する2本以上の液輸送路(図示せず)を相互に近づけて配設するのが容易となっている。
つまり、その放熱器1と接続する液輸送路を大きく分岐させる必要がなく、その分液輸送路が短くなり、その放熱器1を搭載する電子機器の筐体内での空間的な制約が少なくなるので、その電子機器の筐体内のレイアウトの自由度が増える。
また、その扁平コアチューブ2と供給側ヘッダタンク3との間、及び扁平コアチューブ2と回収側ヘッダタンク4との間のそれぞれがインサート成形により接合されているので、従来の放熱器の製造に必要であったろう付けや溶接などの方法を用いた金属接合が不要となり、製造も容易となり生産性を向上できる。
さらに、供給側ヘッダタンク3と回収側ヘッダタンク4とが樹脂製の成形品なので、金属製の場合と比較して軽量化も容易となる。
ここで、扁平コアチューブ2は、後に詳述するように、端部2a、2bを除いた領域(冷媒供給路2h、曲折部2i、冷媒回収路2j)が所定の幅と高さの扁平形状に加工されているので、矢印の方向で導入される外気に対して通風抵抗を大きくすることなく、その外気との接触が良好となるので効率的な熱交換を可能としている。
また扁平コアチューブ2を曲折させることにより、冷媒供給路2hと冷媒回収路2jが通風方向に平行になるように配置されているため、特許文献1に記載の熱交換器のように通風断面積を大きくすることなく、冷媒の循環を行うことが可能である。
また、その供給側ヘッダタンク3の扁平コアチューブ2が接合されている面とは反対側の面には、円筒形状の冷媒流入管5(図2(b)参照)がインサート成形により接合されており、回収側ヘッダタンク4の扁平コアチューブ2が接合されている上面に対して反対側の下面には、円筒形状の冷媒流出管6がインサート成形により接合されている。
以上のような構成により、この冷媒流入管5より流入した液体冷媒は、供給側ヘッダタンク3を経由して、前述した複数の扁平コアチューブ2のそれぞれの冷媒流入口(図示せず)へ分配供給されている。
次に、その分配供給された液体冷媒は、放熱器1の全ての扁平コアチューブ2の直線部分の流通路(図示せず)を流れる間に外気との熱交換が行われ、U字状に曲折した扁平コアチューブ2の流通路で破線の矢印で示したようにUターンして、回収側ヘッダタンク4の方向へ向かう直線部分の流通路を流れる間に再度外気との熱交換が行われて、複数の扁平コアチューブ2のそれぞれの冷媒流出口(図示せず)より回収側ヘッダタンク4の内部に流出して、他の扁平コアチューブ2を流れた液体冷媒と一旦合流し、最終的に、回収側ヘッダタンク4の内部で集合回収され円筒形状の冷媒流出管6から外部へ流出するようになっている。
さらに、複数のプレートフィン7のそれぞれに、所定の間隔で複数の長円状の開口部7aが形成され、その開口部7aに扁平コアチューブ2を嵌挿して扁平コアチューブ2の長手方向にそのプレートフィン7を積層配置している。
また、そのプレートフィン7の左右方向の端部をそれぞれ上側に折り曲げて立設部7bを形成しているので、特に別体で側面板を設ける必要もなく、上下方向に並ぶプレートフィン7の間の空間の側面が閉塞されるので、そのプレートフィン7の間に導入された外気が側面方向へ逃げるのを阻止して放熱性能が低下するのを防止できる。
さらに、それらのプレートフィン7の最上段の上側と最下段の下側には、そのプレートフィン7よりも板厚の大きな金属製の固定用プレート8がそれぞれ配置されて、その間に挟まれた複数のプレートフィン7を固定してそれらが所定の位置からずれるのを防止している。
この固定用プレート8も、所定の間隔で複数の長円状の開口部8aが形成され、その開口部8aに扁平コアチューブ2を嵌挿することにより固定されている。
また、扁平コアチューブ2のU字状に曲折した部分を、本実施の形態1のようにプレートフィン7の開口部7aに圧入しながら嵌挿しているので、その扁平コアチューブ2とプレートフィン7とが容易に熱接続され、製造も容易なので生産性を向上できる。
そして、それぞれの扁平コアチューブ2と積層配置された複数のプレートフィン7とを熱接続すると、導入される外気との接触面積が大きくなり放熱性能を容易に向上できる。
以上の説明のように、この放熱器1は、その扁平コアチューブ2の内部を流れる液体冷媒の流通方向を変えるためのタンクを必要としない簡素な構成となっている。したがって、部品点数が少なくて生産性の良い小型・軽量な放熱器となる。
また流通方向の流れを変えるためのタンクを必要としないため、従来例のように冷媒がタンク内で乱流を起こし、液体冷媒の分配供給を妨げることがない。したがって、液体冷媒は滞留なく流路を循環することになるので、外気との熱交換を効率的に行えるようになる。
また扁平コアチューブ2の冷媒供給路2hと冷媒回収路2jとが通風方向に平行になるように配置されているため、特許文献1に記載の熱交換器のように通風断面積を大きくすることなく、冷媒の循環を行うことが可能である。
なお、この場合において、プレートフィン7と扁平コアチューブ2との熱接続をより強固にするために、プレートフィン7を扁平コアチューブ2に圧入しながら嵌挿した後に、ろう付けを行ってもよい。
また、図1における白抜きの矢印は通風方向を表している。したがって実施の形態1の放熱器の熱交換は、冷媒回収路2jを流れる冷媒を外気の上流と、冷媒供給路2hを流れる冷媒を外気の下流と熱交換させている。通風方向と冷媒の流れを上記のように設定することで冷媒を効率的に冷却することができる。
次に、図2(a)、(b)の本発明の実施の形態1に係わる放熱器1の正面図と側面図を用いて、前述した内容を補足して説明する。
前述したように、複数のプレートフィン7のそれぞれに所定の間隔で複数の長円状の開口部7a(図1参照)が形成され、その開口部7aに扁平コアチューブ2を嵌挿して、扁平コアチューブ2の長手方向にそのプレートフィン7を積層配置している。
また、それらのプレートフィン7の最上段の上側と最下段の下側には、そのプレートフィン7よりも板厚の大きな固定用プレート8が配置されて、それらのプレートフィン7が所定の位置からずれるのを防止している。
そして、扁平コアチューブ2は、後に詳述するように端部2a、2bを除いた所定の領域(冷媒供給路2h、曲折部2i、冷媒回収路2j)が扁平形状に加工されているので、相互に隣接する扁平コアチューブ2と、相互に隣接するプレートフィン7とによって挟まれた複数の通風路9の通風断面積を十分確保でき、導入される外気に対して風路抵抗を大きくすることなくその外気との接触が良好となるので、効率的な熱交換を可能としている。
また、そのプレートフィン7の短手方向の両側を上側に折り曲げてその端部に立設部7bを形成しているので、特に別体で側面板を設ける必要もなく、上下方向に並ぶプレートフィン7の間の空間の側面が閉塞されるので、そのプレートフィン7の間に導入された外気が側面方向へ逃げるのを阻止して放熱性能が低下するのを防止できる。
さらに、扁平コアチューブ2と供給側ヘッダタンク3との間、及び扁平コアチューブ2と回収側ヘッダタンク4との間のそれぞれの接合部において、その扁平コアチューブ2を略円筒形状にしている。
このように、その扁平コアチューブ2の両端部2a、2bを略円筒形状にすることにより、後に詳述するように扁平コアチューブの端部2aと供給側ヘッダタンク3の接合部および扁平コアチューブの端部2bと回収側ヘッダタンク4の接合部を各々の端部2a、2bを囲繞するように取り付けられたOリングによって閉塞することも可能なので、その接合部をインサート成形による一体成形、あるいは溶接やろう付けなどの方法を用いた接合ではなく機械的な接合とすることも可能となり、製造も容易となり生産性を向上できる。
次に、図3(a)の本発明の実施の形態1に係わるプレートフィン7単体の斜視図と、図3(b)の本発明の実施の形態1に係わる固定用プレート8単体の斜視図と、図3(c)の本発明の実施の形態1に係わる扁平コアチューブ2、供給側ヘッダタンク3,及び回収側ヘッダタンク4の組み立て後の斜視図を用いて、前述した内容を補足して説明する。
まず、図3(a)で示したプレートフィン7は、熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)を0.1〜1.0mmの肉厚の薄板状に成形した金属板に、所定の間隔で複数の長円状の開口部7aが打ち抜き加工により形成されていて、そのプレートフィン7の短手方向の両側は、それぞれ上側に折り曲げられてその端部に立設部7bが形成されている。
次に、図3(b)で示した固定用プレート8も、熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)を0.5〜2.0mmの肉厚でプレートフィン7よりも大きな肉厚で薄板状に成形した金属板に、所定の間隔で複数の長円状の開口部7aが打ち抜き加工により形成されている。
そして、図3(c)で示した扁平コアチューブ2、供給側ヘッダタンク3及び回収側ヘッダタンク4との組み立てが終了した後、前述したように複数の扁平コアチューブ2の冷媒供給路2h側の端部2aには、インサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ2と連通するように樹脂製の供給側ヘッダタンク3が接合され、扁平コアチューブ2の冷媒回収路2j側の端部2bには、同じくインサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ2と連通するように樹脂製の回収側ヘッダタンク4が接合されている。
そして、それぞれの扁平コアチューブ2の略中央部をU字状に曲折させて、供給側ヘッダタンク3を回収側ヘッダタンク4に近設させている。
そして、所定の間隔で並列に並べられた複数の扁平コアチューブ2の各々の曲折部2i、冷媒供給路2h及び冷媒回収路2jを図3(b)で示した固定用プレート8に打ち抜き加工で形成された長円状の開口部8aのそれぞれに対応させて嵌挿し、略円筒形状のそれぞれの端部2a、2bを除いた領域の最下位置まで圧入しながら嵌挿して固定している。
次に、図3(a)で示したプレートフィン7の端部の立設部7bが上側に向くようにして、複数個を同じ方向で長円状の開口部7aを利用して圧入しながら嵌挿して積層配置させる。
ここで、プレートフィン7の端部の立設部7bは、その上部に隣接する他のプレートフィン7bとのスペーサの役目も果たすので、その立設部7bの高さに応じた均等な間隔で複数のプレートフィン7が積層配置されることとなる。
そして、所定の枚数のプレートフィン7を嵌挿した後に、図3(b)で示した固定用プレート8を圧入しながら嵌挿するので、複数並んで積層配置されたプレートフィン7の最上段の上側と最下段の下側には、そのプレートフィン7よりも板厚の大きな固定用プレート8が配置される形態となり、それら複数のプレートフィン7が所定の位置からずれるのを防止している。
以上のように、扁平コアチューブ2の長手方向に複数のプレートフィン7が並べて積層配置され、その扁平コアチューブ2とプレートフィン7とが容易に熱接続されているため、導入される外気との接触面積が大きくなり放熱性能を容易に向上できる。
次に、図4で示した図2(a)のA−A矢視断面図を用いて、一部重複するが前述した内容を補足して説明する。図4における白抜きの矢印は通風方向を表しており、図1のものと同様である。
扁平コアチューブ2は、扁平コアチューブ2の冷媒供給路2h及び冷媒回収路2jが通風方向に対して平行となるように配置されており、通風断面積を大きくすることなく、冷媒の循環を行うことが可能である。
その扁平コアチューブ2の略中央部をU字状に曲折させて、プレートフィン7によって囲まれた通風路9(図2(a)参照)へ導入する外気との接触面積を大きくして放熱性能を向上している。
そして、扁平コアチューブ2の冷媒供給路2h側の端部2aには、インサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ2と連通するように樹脂製の供給側ヘッダタンク3が接合され、冷媒回収路2j側の端部2bには、同じくインサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ2と連通するように樹脂製の回収側ヘッダタンク4が接合されている。
また、それぞれの扁平コアチューブ2の略中央部をU字状に曲折させて、供給側ヘッダタンク3を回収側ヘッダタンク4に近設させている。
また、扁平コアチューブ2は、熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)の単孔パイプをプレス加工して、供給側ヘッダタンク3と回収側ヘッダタンク4と接合されるそれぞれの端部2a、2bを除いた領域(冷媒供給路2h、曲折部2i、冷媒回収路2j)が扁平形状に形成されている。
そして、その扁平コアチューブ2の扁平形状にされた領域に、複数のプレートフィン7がほぼ均等な間隔で積層配置されている。
一方、その供給側ヘッダタンク3の上面には扁平コアチューブ2の端部2aが接合され、その反対側の下面には円筒形状の冷媒流入管5がインサート成形により接合されていて、扁平コアチューブ2の冷媒流入口2cが供給側ヘッダタンク3の重心近傍に配置されている。
したがって、詳細には後述するが、この放熱器1が比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器に搭載され、その電子機器またはその筐体の一部が、事務所内の配置換え、メンテナンスまたは修理等で一時的に傾けられ供給側ヘッダタンク3の液体冷媒の液面が傾いた場合でも、扁平コアチューブ2の冷媒流入口2cがその液面の下側となり、液面の上部の空気がその冷媒流入口2cから放熱器1の流通路(図示せず)に混入して放熱性能が低下するのを防止できる。
同様に、回収側ヘッダタンク4の上面には扁平コアチューブ2の端部2bが接合され、その反対側の下面には円筒形状の冷媒流出管6がインサート成形により接合されていて、その冷媒流出管6の冷媒流出口6aが回収側ヘッダタンク4の重心近傍に配置されている。
したがって、その放熱器1が比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器に搭載され、その電子機器またはその筐体の一部が、事務所内の配置換え、メンテナンスまたは修理等で一時的に傾けられ回収側ヘッダタンク4の液体冷媒の液面が傾いた場合でも、冷媒流出管6の冷媒流出口6aがその液面の下側となり、液面の上部の空気がその冷媒流出口6aからその放熱器1を備えた冷却装置の液体冷媒の循環路に混入して放熱性能が低下するのを防止できる。
ここで、円筒形状の冷媒流入管5と冷媒流出管6のそれぞれの内径は、少なくとも扁平コアチューブ2の端部2a、2bの内径よりも大きく設定して、冷媒流入管5と冷媒流出管6の流通路断面積を扁平コアチューブ2の流通路断面積よりも大きくして複数の扁平コアチューブ2の全てに十分な液体冷媒が供給できるようにしている。
次に、図5(a)と図5(b)を用いて、扁平コアチューブ2の液体冷媒の流通路2eについて説明する。
図5(a)は、図4のB−B矢視断面図で、扁平コアチューブ2の扁平形状の部分の断面を示している。
この扁平形状の部分は、熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)で外径が5mmで内径が4mmの単孔パイプをプレス加工して、幅Wが7mmで、高さHが2mmの所定の扁平形状に加工されているので、流通路2eは単孔で形成されている。
そして、その流通路2eを液体冷媒が流れることで、その扁平コアチューブ2の外表面2fと矢印のように通風する外気とが接触して熱交換が行われる。
また、図5(b)は、図4のC−C矢視断面図で、扁平コアチューブ2の端部2aの円筒形状の部分の断面を示している。
この円筒形状の部分は、前述した単孔パイプがプレス加工されていない領域で、扁平形状に加工前の形態を保っているので、流通路2gは単孔で形成され、しかもその円筒形状の部分の外形は外径Dが5mmの真円に近いものになっている。
次に、図6(a)は、供給側ヘッダタンク3の扁平コアチューブ2の端部2aに沿った方向の拡大断面図で、断面形状が箱状の供給側ヘッダタンク3の上部壁3aには、金属製の扁平コアチューブ2の端部2aがインサート成形により接合され、その反対側の下部壁3bには、金属製の冷媒流入管5がインサート成形により接合されている。
さらに詳細に説明すると、供給側ヘッダタンク3に用いられる成型用樹脂材料としては、液体やガスの透過性、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐久性、成型加工性などを考慮して、例えば、吸水率の小さなものとしてPC(ポリカーボネイト)、PE(ポリエチレン)や機械的強度や耐熱性の点で有利なPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの熱可塑性樹脂材料が好ましいが、所望の特性が得られれば他の熱可塑性樹脂材料や熱硬化性樹脂材料であってもよい。
そして、上部壁3aと下部壁3bとは、その境界部3cを局部的に加熱して溶融させてその後冷却して固化させる熱溶着で接合するのが好ましく、例えば熱板溶着法、振動溶着法、超音波溶着法またはレーザー透過溶着法などによって接合されている。
なお、熱溶着以外にも、ファスナ、ボルト・ナット、リベットによる機械的接合や接着剤による接着法などの方法も、液体やガスの透過性、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐久性、生産性などを考慮して適宜選択すればよい。
また、図示による説明は省略するが、回収側ヘッダタンク4も同様の熱可塑性樹脂材料を用いた成形加工品で、その上部壁は扁平コアチューブ2の端部2bと、その下部壁は冷媒流出管6と、それぞれインサート成形によって接合されていて、その上部壁と下部壁の境界部も前述したような熱溶着によって接合されている。
一方、図6(b)は、実施の形態1の変形例における供給側ヘッダタンク3の扁平コアチューブ2の端部2aに沿った方向の拡大断面図で、扁平コアチューブ2と供給側ヘッダタンク3の接合部において、Oリング10を用いて機械的に閉塞した状態を示したものである。
さらに詳細に説明すると、扁平コアチーブ2の冷媒流入口2cを有する側の端部2aは円筒形状になっていて、その端部2aが挿通される供給側ヘッダタンク3の上壁部3aの中央に位置する円形開口部3dの内壁溝部3eにあらかじめOリング10を装着しておいて、その後、扁平コアチューブ2の端部2aを挿通する。
次に、その状態で冷媒流入口2cをその内径よりやや大きめの外径を有する金型を圧入して内側より外側へ押圧し、塑性変形させて真円状に拡径する。
さらに、円形開口部3dの真上の端部2aも押圧し塑性変形させて扁平形状にし、扁平コアチューブ2の端部2aが供給側ヘッダタンク3の上壁部3aより抜けるのを防止している。
そして、Oリング10は、供給側ヘッダタンク3の上壁部3aの円形開口部3dの内壁溝部3eと扁平コアチューブ2の端部2aに挟装されて取り付けられているので、その扁平コアチューブ2の端部2aと供給側ヘッダタンク3との接合部が十分に閉塞される。
したがって、前述したようなインサート成形による接合でなくても、機械的な接合が可能となるので、製造も容易となり生産性を向上できる。
次に、図7(a)〜(c)は、放熱器1を傾けた場合の供給側ヘッダタンク3内の液体冷媒の状態図で、図7(a)は、放熱器1を供給側ヘッダタンク3の方向へ約20°の角度で傾けた場合の液面Aの状態を示した図で、図7(b)は、放熱器1が傾いていない場合の液面Aの状態を示した図で、図7(c)は、放熱器1を回収側ヘッダタンク4の方向へ約20°の角度で傾けた場合の液面Aの状態を示した図である。
これらの図で示したように、扁平コアチューブ2の冷媒流入口2cが、供給側ヘッダタンク3の重心近傍に配置されているので、図7(a)〜(c)の角度範囲においては、この放熱器1が傾いた場合でも、いずれの状態においても冷媒流出口2cが液面Aの下側に位置している。
つまり、この放熱器1が比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器に搭載され、その電子機器またはその筐体の一部が、事務所内の配置換え、メンテナンスまたは修理等で一時的に傾けられ供給側ヘッダタンク3の液体冷媒の液面が傾いた場合でも、扁平コアチューブ2の冷媒流入口2cがその液面Aの下側となり、液面Aの上部の空気がその冷媒流入口2cから放熱器1の流通路2eに混入して放熱性能が低下するのを防止できる。
図8(a)〜(c)は、実施の形態1の放熱器の加工過程の一つである扁平コアチューブ2の加工過程を段階的に示した図で、図8(a)は、金属製の単孔パイプ11を所定の長さLに切断する第1工程を示した図で、熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)を押し出し成形加工により一体成形された金属製の単孔パイプ11が所定の長さLに切断されて、複数の単孔パイプ12に加工される様子を示している。
また、図8(b)は、所定の長さLに切断された単孔パイプ12を所定の箇所において、所定の形状に曲折させる第2工程を示した図で、単孔パイプ12の略中央部がU字状に曲折されてU字状パイプ13に加工される様子を示している。
金型を用いてU字状に曲折加工する方法としては、突曲げ様式、押え巻き様式、送り曲げ様式などがあるが、その形状、材料、加工性に応じて適宜選択すればよい。
そして、図8(c)は、そのU字状パイプ13の両方の端部を除いた所定の領域をプレス加工して所定の幅と高さの扁平形状に加工する第3工程を示した図で、U字状パイプ13の両方の端部を除いた領域が所定の幅Wと高さHの扁平形状となるようにプレス加工される。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて説明する。
図9〜図12において、図9は本発明の実施の形態2に係わる放熱器の斜視図で、図10(a)は本発明の実施の形態2に係わる放熱器の正面図で、(b)は同図(a)のD−D矢視断面図で、図11は本発明の実施の形態2に係わる放熱器の平面図で、図12は相互に隣接した供給側ヘッダタンク23と回収ヘッダタンク24の一部を切り欠いた図である。
まず、図9の本発明の実施の形態2に係わる放熱器21の斜視図で示したように、熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)の単孔パイプをプレス加工して、端部22a、22bを含めた全体の領域を所定の幅と高さの扁平形状にした複数の扁平コアチューブ22が所定の間隔で並列に並べられている。
また、その複数の扁平コアチューブ22の冷媒供給路22g側の端部22aには、インサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ22と連通するように樹脂製の供給側ヘッダタンク23が接合され、扁平コアチューブ22の冷媒回収路22i側の端部22bには同じくインサート成形によりそれぞれの扁平コアチューブ22と連通するように樹脂製の回収側ヘッダタンク24が接合されている。
そして、それぞれの扁平コアチューブ22の略中央部をU字状に曲折させて、供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24とを一体成形して隣接させている。
このように、その放熱器21の下方の端部に供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24が隣接して配置された態様となるので、その放熱器21に接続する2本以上の液輸送路(図示せず)を相互に近づけて配設するのが容易となっている。
つまり、その放熱器21と接続する液輸送路を大きく分岐させる必要がなく、その分液輸送路が短くなり、その放熱器21を搭載する電子機器の筐体内での空間的な制約が少なくなるので、その電子機器の筐体内のレイアウトの自由度が増える。
また、扁平コアチューブ22は、全体の領域が扁平形状に加工されているので、並列に並べる際に寸法的な余裕ができ、相互に隣接する扁平コアチューブ22の間隔を狭めて並べることできるので、その分、扁平コアチューブ22の本数を増やすことも容易となり、流通させる液体冷媒の総流量を容易に増やせる。
また、その扁平コアチューブ22と供給側ヘッダタンク23の接合部22aおよび扁平コアチューブ22と回収側ヘッダタンク24の接合部22bはインサート成形により接合されているので、従来の放熱器の製造に必要であったろう付けや溶接などの方法を用いた金属接合が不要となり製造も容易となり生産性を向上できる。
さらに、供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24は樹脂製の一体成形品であるため、供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24の間を仕切り板で仕切れば部品点数が少なくなり製造も容易となる。
ここで、扁平コアチューブ22は、両端部22a、22bを含めた全体の領域が所定の幅と高さの扁平形状に加工されているので、矢印の方向で導入される外気に対して風路抵抗を大きくすることなく、その外気との接触が良好となるので、効率的な熱交換を可能としている。
また図11に示すように、実施の形態2の放熱器は冷媒供給路22gと冷媒回収路22iを通風方向と平行になるように配置しているが、搭載される扁平コアチューブ22をその冷媒供給路22gと冷媒回収路22iとが通風方向に沿って一直線上に並ばないように曲折しているので、冷媒供給路22gの領域が冷媒回収路22iに妨げられることなく外気と良好に接触することになるので放熱性能が向上する。
また、その供給側ヘッダタンク23の扁平コアチューブ22が接合されている面とは反対側の面には円筒形状の冷媒流入管25がインサート成形により接合されており、回収側ヘッダタンク24の扁平コアチューブ22が接合されている上面とは反対側の下面には円筒形状の冷媒流出管26(図12参照)がインサート成形により接合されている。
以上のような構成により、この冷媒流入管25より流入した液体冷媒は、供給側ヘッダタンク23を経由して、前述した複数の扁平コアチューブ22のそれぞれの冷媒流入口22c(図10(b)参照)へ分配供給されている。
分配供給された液体冷媒は放熱器21の全ての扁平コアチューブ22の冷媒供給路22gを流れる間に外気との熱交換を行い、U字状に曲折した扁平コアチューブ22の曲折部22hで破線の矢印で示したようにUターンする。次に、液体冷媒は回収側ヘッダタンク24へ向かう冷媒回収路22iを流れる間に再度外気との熱交換を行い、複数の扁平コアチューブ22の各々の冷媒流出口22d(図10(b)参照)より回収側ヘッダタンク24の内部に流出して他の扁平コアチューブ22を流れた液体冷媒と一旦合流し回収側ヘッダタンク24の内部で集合回収され、円筒形状の冷媒流出管26から外部へ流出するようになっている。
また、扁平コアチューブ22の冷媒供給路22gおよび冷媒回収路22iの表面に、例えば工業用アルミニウム材(A3003)から成る肉厚が0.1mm以下の極薄板材を所定の波形形状に成形加工して製作された複数のコルゲートフィン27を複数配置しているので、扁平コアチューブ22とコルゲートフィン27とが熱接続されて外気との接触面積が大きくなり放熱性能を容易に向上できている。
さらに、各コルゲートフィン27の上端と下端には、そのコルゲートフィン27よりも板厚の大きな金属製の固定用プレート28が配置されており、その間に挟まれた各コルゲートフィン27を固定して、それらが所定の位置からずれるのを防止している。
この固定用プレート28も、所定の間隔で複数の長円状の開口部28aが形成され、その開口部28aに扁平コアチューブ22のU字状に曲折した部分を圧入しながら嵌挿することにより固定されている。
なお、本実施の形態2に記載の扁平コアチューブ22と各コルゲートフィン27の接合は、各コルゲートフィン27を扁平コアチューブ22で挟み込んだ状態で、ろう付けによる金属接合を用いて熱接続することが好ましい。
また、供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24についてのインサート成形は、コルゲートフィン27のろう付けが終了した後に行われる。
以上の説明のように、実施の形態2に記載の放熱器21は、その扁平コアチューブ22の内部を流れる液体冷媒の流通方向を変えるためのタンクを必要としない簡素な構成となっている。したがって、部品点数が少なく生産性の高い小型・軽量な放熱器となる。
また流通方向の流れを変えるためのタンクを必要としないため、従来例のように冷媒がタンク内で乱流を起こし冷媒の分配供給を妨げることがない。したがって、冷媒は滞留なく流路を循環することになるので、外気との熱交換を効率的に行えるようになる。
また扁平コアチューブ22の冷媒供給路22gと冷媒回収路22iとが通風方向に平行になるように配置されているため、特許文献1に記載の熱交換器のように通風断面積を大きくすることなく、冷媒の循環を行うことが可能である。
なお、図9における白抜きの矢印は通風方向を表している。したがって実施の形態2の放熱器の熱交換も、冷媒回収路22iを流れる冷媒を外気の上流と、冷媒供給路22gを流れる冷媒を外気の下流と熱交換させており、通風方向と冷媒の流れの関係は実施の形態1と同様である。
図10(a)は本発明の実施の形態2に係わる放熱器の正面図であって、扁平コアチューブ22の冷媒供給路22gと冷媒回収路22iに複数のコルゲートフィン27が接続されていることがわかる。したがって、扁平コアチューブ22とコルゲートフィン27とが熱接続され外気との接触面積が大きくなり放熱性能を向上できている。
また、それらのコルゲートフィン27の上端と下端には、そのコルゲートフィン27よりも板厚の大きな金属製の固定用プレート28が配置されており、その間に挟まれた複数のコルゲートフィン27を固定し、それらが所定の位置からずれるのを防止している。
そして、扁平コアチューブ22は、両方の端部22a、22bを含めた全体の領域が扁平形状に加工されているので、相互に隣接する扁平コアチューブ22とコルゲートフィン27とによって挟まれた複数の通風路29の通風断面積を十分確保でき、導入される外気に対して風路抵抗を大きくすることなく、その外気との接触面積を大きくすることができるので、効率的な熱交換を可能としている。
次に、図10(b)で示した同図(a)のD−D矢視断面図を用いて、前述した内容を補足して説明する。図10(b)における白抜きの矢印は通風方向を表しており、図9と同様である。
扁平コアチューブ22は、並列に並べる方向に対して直交する方向、すなわちその放熱器21の矢印で示した通風方向で、前後に位置するようにその扁平コアチューブ22の略中央部をU字状に曲折させて曲折部22hを設けているため、従来例のように液体冷媒の流通方向を変更させるための移送用タンクを必要とせずに液体冷媒の循環を行っていることがわかる。
そして、扁平コアチューブ22の冷媒供給路22g側の端部22aには、インサート成形により樹脂製の供給側ヘッダタンク23が接合され、他方の冷媒回収路22i側の端部22bも、同じくインサート成形により樹脂製の回収側ヘッダタンク24が接合されているので、従来の放熱器の製造に必要であったろう付けや溶接などの方法を用いた金属接合が不要となり、製造も容易となり生産性を向上できる。
また、それぞれの扁平コアチューブ22の略中央部をU字状に曲折させて、供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24とを一体成形して隣接させている。したがって、供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24とが樹脂製の一体成形品なので、軽量化も容易なのに加え、部品点数も少なくなり製造も容易となる。
また、扁平コアチューブ22は熱伝導性の良好な金属、例えば工業用アルミニウム材(A1050)の単孔パイプをプレス加工して、供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24と接合される両端部22a、22bを含めた全体の領域が扁平形状にされている。
供給側ヘッダタンク23の上面には扁平コアチューブ22の端部22aが接合され、その反対側の下面には円筒形状の冷媒流入管25がインサート成形により接合されていて、扁平コアチューブ22の冷媒流入口22cが供給側ヘッダタンク23の重心近傍に配置されている。したがって、前述した実施の形態1の場合と同様に、この放熱器21が比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器に搭載され、その電子機器またはその筐体の一部が、事務所内の配置換え、メンテナンスまたは修理等で一時的に傾けられ供給側ヘッダタンク23の液体冷媒の液面が傾いた場合でも、扁平コアチューブ22の冷媒流入口22cがその液面の下側となり、液面の上部の空気がその冷媒流入口22cから放熱器21の流通路(図示せず)に混入して放熱性能が低下するのを防止できる。
同様に、回収側ヘッダタンク24の上面には扁平コアチューブ22の端部22bが接合され、その反対側の下面には円筒形状の冷媒流出管26がインサート成形により接合されていて、冷媒流出管26の冷媒流出口26aが回収側ヘッダタンク24の重心近傍に配置されている。したがって、前述した実施の形態1の場合と同様に、その放熱器21が比較的可搬性の高いデスクトップパソコンやPCサーバーなどの電子機器に搭載され、その電子機器またはその筐体の一部が、事務所内の配置換え、メンテナンスまたは修理等で一時的に傾けられ回収側ヘッダタンク24の液体冷媒の液面が傾いた場合でも、冷媒流出管26の冷媒流出口26aがその液面の下側となり、液面の上部の空気がその冷媒流出口26aからその放熱器21を備えた冷却装置の液体冷媒の循環路に混入して放熱性能が低下するのを防止できる。
ここで、円筒形状の冷媒流入管25と冷媒流出管26の流通路断面積は、少なくとも扁平コアチューブ22の端部22a、22bの流通路断面積よりも大きく設定して、複数の扁平コアチューブ22の全てに十分な液体冷媒が流通するようにしている。
次に、図11は本発明の実施の形態2に係わる放熱器21の平面図で、扁平コアチューブの冷媒供給路22gと冷媒回収路22iとが、通風方向に対して斜めに配置されていることがわかる。このような配置を行うことにより、冷媒回収路22iの領域が冷媒供給路22gに妨げられることなく外気と良好に接触することになるので放熱性能が向上する。
なお、図11における白抜きの矢印は通風方向を表しており、図9および図10(b)と同様である。
図12は相互に隣接している供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24の一部を切り欠いた図で、前述したように供給側ヘッダタンク23と回収側ヘッダタンク24との間には仕切り板30を設けている。
扁平コアチューブ22の冷媒供給路22g側の端部22aは、インサート成形により樹脂製の供給側ヘッダタンク23の上壁部となる樹脂成形体に接合され、他方の冷媒回収路22i側の端部22bも、インサート成形により樹脂製の回収側ヘッダタンク24の上壁部となる樹脂成形体に接合されている。このインサート成形の際には、仕切り板30も同時に成形される。
一方、供給側ヘッダタンク23の下壁部および回収側ヘッダタンク24の下壁部となる樹脂成形体も、インサート成形によりそれぞれ冷媒流入管25と冷媒流出管26と接合されている。
上壁部と下壁部となる各樹脂成形体のインサート成形が完了した後、両者が接合されることによって、供給側ヘッダタンク23および回収側ヘッダタンク24が構成されることになる。上壁部と下壁部となる各樹脂成形体の接合は、供給側ヘッダタンク23及び回収側ヘッダタンク24の下壁部に、それぞれ境界部23a、24a、30aを局部的に加熱して溶融させてその後冷却して固化させる熱溶着で接合するのが好ましく、例えば熱板溶着法、振動溶着法、超音波溶着法、またはレーザー透過溶着法などによって接合される。
(実施の形態3)
図13(a)は本発明の実施の形態3に係わる放熱器31の斜視図で、(b)は同図(a)のE−E矢視断面図で、前述した内容と重複する部分を省略して説明する。なお、図13(a),(b)における白抜きの矢印は通風方向を表している。
この放熱器31は、冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路からなる扁平コアチューブを2個、U字状の接続部を介して一体に構成し、各々の冷媒供給路および冷媒回収路を通風方向と平行になるように並列配置した放熱器であり、扁平コアチューブ32の3箇所をU字形状に曲折させて、最初の冷媒回収路32cに続けて接続部32dを形成し、前記接続部32dに続いて2つめの冷媒供給路32a、曲折部32b、冷媒回収路32cを形成している。2つの冷媒供給路および2つの冷媒回収路は通風方向に平行な方向に沿って並ぶように配置されているので、通風路へ導入する外気との接触面積が大きくなり、通風断面積が小さな場合でも容易に放熱性能を向上できる。
したがって、この放熱器31が搭載される電子機器の筐体内で十分な通風断面積が確保できない場合などは、このような変形や拡張により、容易に放熱性能を向上できる。
なお実施の形態3では、一本の扁平コアチューブから複数の冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路を構成しているが、複数の扁平コアチューブを組み合わせることで本実施の形態と同様な複数の冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路を構成することも可能である。
なお、実施の形態3の放熱器の熱交換も、通風方向と冷媒の流れの関係は実施の形態1および2と同様である。
(実施の形態4)
図14(a)は本発明の実施の形態4に係わる放熱器41の斜視図で、(b)は同図(a)のF−F矢視断面図で、前述した内容と重複する部分を省略して説明する。なお、図14(a),(b)における白抜きの矢印は通風方向を表している。
この放熱器41は、冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路からなる扁平コアチューブを2個以上L字状の接続部を介して一体に構成し、各々の扁平コアチューブの冷媒供給路および冷媒回収路を異なる2つの通風方向についてそれぞれ平行となるように並列配置した放熱器であって、扁平コアチューブ42の2箇所をU字形状に曲折させて曲折部42bを2つ設け、さらにその扁平コアチューブ42の略中央の1箇所をL字状に曲折させて接続部42dを設け、前記接続部42dに続いて冷媒供給路42a、曲折部42b、冷媒回収路42cを形成している。実施の形態4の放熱器は、2つの冷媒供給路42a、曲折部42b、冷媒回収路42cの組を互いに異なる向きに配置し、2方向の通風方向に対応した放熱が行える形態となるので、効率的な放熱が行える。
本実施の形態4は、例えば軸流ファンを2個用いたり、1個の軸流ファンに別体の送風路を設けて2方向へ分岐させたりする送風方法でもよいが、狭スペースに適用する場合には、異なる2方向への同時送風の可能な遠心型送風ファンを併設して送風することも可能となる。
なお実施の形態4では、一本の扁平コアチューブから複数の冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路を構成しているが、複数の扁平コアチューブを組み合わせることで本実施の形態と同様な複数の冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路を構成することも可能である。
(実施の形態5)
図15は本発明の実施の形態5に係わる冷却装置51の斜視図である。なお、図15ににおける白抜きの矢印は通風方向を表している。
この冷却装置51は、液体冷媒を循環し、液体冷媒との熱交換で基板に実装したMPUなどの発熱電子部品(図示せず)から熱を奪い、その奪った熱を実施の形態1に記載の放熱器1で放熱する冷却装置であって、発熱電子部品と接触し内部を流れる液体冷媒と熱交換をさせるための受熱器52と、その受熱器52から放熱器1までの間を接続する液輸送路53、54と、液体冷媒を受熱器52から液輸送路53,54を通して放熱器1の方向へ循環駆動するポンプ(図示せず)から構成されている。
ここで、受熱器52は、液循環用のポンプを内蔵し発熱電子部品に受熱面52aを接触させて熱接続させる受熱器で、その液吐出側と液吸込側のそれぞれに2本の液輸送路53、54が接続されている。
また、受熱器52から放熱器1の下方端に接合された供給側ヘッダタンク3の方向へ破線の矢印で示したように液体冷媒を流す液輸送路53は、フレキシブルでガス透過性の少ない高分子材料、例えばブチルゴムやフッ素ゴムなどを用いたフレキシブルチューブとさらにその屈曲部分には銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの扁平コアチューブが接続された構成となっている。
同様に、放熱器1の下方端に接合された回収側ヘッダタンク4から受熱器52の方向へ破線の矢印で示したように液体冷媒を流す液輸送路54は、フレキシブルチューブと扁平コアチューブが接続された構成となっていて、いずれの液輸送路も液循環路の一部を構成している。
そして、受熱器52から液輸送路53を通って輸送された液体冷媒が、供給側ヘッダタンク3に供給された後、その供給側ヘッダタンク3を経由して、複数の扁平コアチューブ2のそれぞれの冷媒流入口2c(図4参照)へ分配供給されている。
次に、その分配供給された液体冷媒は、扁平コアチューブ2の冷媒供給路2h(図1参照)を流れる間に外気との熱交換が行われ、U字状の曲折部2iを経てUターンして冷媒回収路2j(図1参照)流れる間に再度外気との熱交換が行われる。熱交換を終えた液体冷媒は、複数の扁平コアチューブ2のそれぞれの冷媒流出口2d(図4参照)から回収側ヘッダタンク4の内部に流出して、他の扁平コアチューブ2を流れた液体冷媒と一旦合流し回収側ヘッダタンク4の内部で集合回収され、円筒形状の冷媒流出管6に接続された液輸送路54を通って受熱器52に戻るようになっている。
このような液循環動作を繰り返し行うことで、発熱電子部品から熱を奪い有効な冷却効果が得られるようになっている。
冷却装置51の放熱器1は、金属製の単孔パイプからなる扁平コアチューブ2を曲折しているので、その扁平コアチューブ2の内部を流れる液体冷媒の流通方向を変えるためのタンクを必要としない簡素な構成にできる。
したがって、部品点数が少なくて生産性の高い、小型・軽量な放熱器を備えた冷却装置を提供することができる。
加えて、受熱器52はポンプを内蔵した受熱一体ポンプとしたので、冷却装置51の液循環路内にポンプを別体で単独に設ける必要がないので、電子機器筐体内への搭載作業が容易となるばかりでなく、液輸送路長が短くなることで、ポンプに対する液循環路の流路抵抗が減少し、流量が増大することによって放熱性能を向上することができる。
なお、以上の実施の形態1〜5の説明において、生産性の向上や軽量化への対応には、供給側ヘッダタンクと回収側ヘッダタンクは、熱可塑性樹脂材料を用いてインサート成形による扁平コアチューブとの一体成形品とするのが好ましいが、例えば、液体やガスの透過性、またはその使用環境によっては機械的強度、耐熱性などの点で、樹脂成形品が好ましくない場合には、金属材料を用いて供給側ヘッダタンクと回収側ヘッダタンクを製作して、扁平コアチューブとの接合を従来の熱交換器と同様に銀、銅、亜鉛などのろう材を用いたろう付けや溶接などによって行っても構わない。
また、扁平コアチューブ、プレートフィンなどの各構成部材の材質、サイズ、数量、位置関係、製造方法なども要求される放熱性能やその放熱器の搭載される電子機器内の空間などを考慮して適宜設定すればよい。特に、供給側ヘッダタンクに接合される冷媒流入管や回収側ヘッダタンクに接合される冷媒流出管のサイズ、数量、取り付け位置については、本実施の形態に限定されず、例えば、複数を均等間隔で接合しても構わない。
また、冷却装置に組み合わされた際に、その液循環路内に空気の混入が予測される場合には、その混入量応じて供給側ヘッダタンクまたは回収側ヘッダタンクを大きくして気液分離機能を持たせても構わない。
加えて、扁平コアチューブを扁平形状にする所定の領域についても、適宜設定すればよく、当然その全体を扁平形状にしてもよい。
本発明の放熱器は、発熱体を冷却するために、液体冷媒の循環によって熱輸送された熱を放熱する放熱器及びそれを備えた冷却装置に適用できる。
(a)は本発明の実施の形態1に係わる放熱器の斜視図、(b)は実施の形態1の放熱器に搭載される扁平コアチューブの正面図 (a)は本発明の実施の形態1に係わる放熱器の正面図、(b)は本発明の実施の形態1に係わる放熱器の側面図 (a)は本発明の実施の形態1に係わる固定用プレートフィン単体の斜視図、(b)は本発明の実施の形態1に係わる固定用プレート単体の斜視図、(c)は本発明の実施の形態1に係わる扁平コアチューブ、供給側ヘッダタンク,及び回収側ヘッダタンクの組み立て後の斜視図 図2(a)のA−A矢視断面図 (a)は図4のB−B矢視断面図、(b)は図4のC−C矢視断面図 (a)は供給側ヘッダタンクの扁平コアチューブの端部に沿った方向の拡大断面図、(b)は実施の形態1の変形例における供給側ヘッダタンクの扁平コアチューブの端部に沿った方向の拡大断面図 (a)〜(c)は放熱器を傾けた場合の供給側ヘッダタンク内の液体冷媒の状態図 (a)〜(c)は扁平コアチューブの加工過程を段階的に示した図 本発明の実施の形態2に係わる放熱器の斜視図 (a)は本発明の実施の形態2に係わる放熱器の正面図、(b)は同図(a)のD−D矢視断面図 本発明の実施の形態2に係わる放熱器の平面図 相互に隣接した供給側ヘッダタンクと回収側ヘッダタンクの一部を切り欠いた図 (a)は本発明の実施の形態3に係わる放熱器の斜視図、(b)は同図(a)のE−E矢視断面図 (a)は本発明の実施の形態4に係わる放熱器の斜視図、(b)は同図(a)のF−F矢視断面図 本発明の実施の形態5に係わる冷却装置の斜視図 (特許文献1)に記載の放熱器の斜視図 (a)は(特許文献2)に記載の放熱器の正面図、(b)は(特許文献2)に記載の放熱器の側面図
符号の説明
1 放熱器
2 扁平コアチューブ
2a 端部
2b 端部
2c 冷媒流入口
2d 冷媒流出口
2e 流通路
2f 外表面
2g 流通路
2h 冷媒供給路
2i 曲折部
2j 冷媒回収路
3 供給側ヘッダタンク
3a 上壁部
3b 下壁部
3c 境界部
3d 円形開口部
3e 内壁溝部
4 回収側ヘッダタンク
5 冷媒流入管
6 冷媒流出管
6a 冷媒流出口
7 プレートフィン
7a 開口部
7b 立設部
8 固定用プレート
8a 開口部
9 通風路
10 Oリング
11 単孔パイプ
12 単孔パイプ
13 U字状パイプ
21 放熱器
22 扁平コアチューブ
22a 端部
22b 端部
22c 冷媒流入口
22d 冷媒流出口
22e 流通路
22f 流通路
22g 冷媒供給路
22h 曲折部
22i 冷媒回収路
23 供給側ヘッダタンク
23a 境界部
24 回収側ヘッダタンク
24a 境界部
25 冷媒流入管
26 冷媒流出管
26a 冷媒流出口
27 コルゲートフィン
28 固定用プレート
28a 開口部
29 通風路
30 仕切り板
30a 境界部
31 放熱器
32 扁平コアチューブ
32a 冷媒供給路
32b 曲折部
32c 冷媒回収路
32d 接続部
33 供給側ヘッダタンク
34 回収側ヘッダタンク
35 冷媒流入管
36 冷媒流出管
37 プレートフィン
41 放熱器
42 扁平コアチューブ
42a 冷媒供給路
42b 曲折部
42c 冷媒回収路
42d 接続部
43 供給側ヘッダタンク
44 回収側ヘッダタンク
45 冷媒流入管
46 冷媒流出管
47 プレートフィン
51 冷却装置
52 受熱器
52a 受熱面
53 液輸送路
54 液輸送路
W 扁平形状の幅
H 扁平形状の高さ
D 円筒形状の直径
L 所定の長さ

Claims (14)

  1. 液体冷媒の流通路を備え放熱体として働く複数の扁平コアチューブを液体冷媒を各扁平コアチューブに供給する供給側ヘッダタンクと各扁平コアチューブからの液体冷媒を回収する回収側ヘッダタンクに接続し、前記扁平コアチューブに複数の放熱フィンを取り付けて構成した放熱器において、強制循環される液体冷媒の1つの流通路を持つ扁平コアチューブの一部を曲折して少なくとも冷媒供給路と曲折部と冷媒回収路を構成し、この冷媒供給路の端部を供給側ヘッダタンクに、冷媒回収路の端部を回収側ヘッダタンクに接続し、この扁平コアチューブの冷媒供給路と冷媒回収路とが通風方向と平行になるように並列配置されたことを特徴とする放熱器。
  2. 前記扁平コアチューブを略中央部を曲折させた構成とし、その扁平コアチューブの両端部に接合される供給側ヘッダタンクと回収側ヘッダタンクとを相互に隣接させたことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  3. 複数の放熱フィンとしてのプレートフィンのそれぞれに複数の開口部を所定の間隔を空けて形成し、その開口部に前記扁平コアチューブを嵌挿させ、前記扁平コアチューブの冷媒供給路及び冷媒回収路に前記プレートフィンを積層配置させたことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  4. 前記プレートフィンの端部に立設部を形成したことを特徴とする請求項3記載の放熱器。
  5. 複数の放熱フィンとしてのコルゲートフィンを、前記扁平コアチューブの冷媒供給路または冷媒回収路の表面に配置したことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  6. 前記扁平コアチューブの冷媒供給路及び冷媒回収路の端部を供給側ヘッダタンク又は回収側ヘッダタンクにインサート成形により接合したことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  7. 前記扁平コアチューブの冷媒流入口を前記供給側ヘッダタンクの重心近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  8. 回収側ヘッダタンクに設けられる冷媒流出管の冷媒流出口を前記回収側ヘッダタンクの重心近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  9. 前記扁平コアチューブと前記供給側ヘッダタンク及び回収側ヘッダタンクの接合部において、前記扁平コアチューブの端部を略円筒形状にし、その端部を囲繞するように取り付けられたOリングにより前記接合部を閉塞したことを特徴とする請求項1記載の放熱器。
  10. 冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路からなる2個以上の扁平コアチューブをU字状の接続部を介して一体に構成し、各々の冷媒供給路および冷媒回収路を通風方向と平行になるように並列配置した請求項1記載の放熱器。
  11. 冷媒供給路、曲折部および冷媒回収路からなる2つの扁平コアチューブをL字状の接続部を介して一体に構成し、各々の扁平コアチューブの冷媒供給路および冷媒回収路を異なる2つの通風方向についてそれぞれ平行となるように並列配置した請求項1記載の放熱器。
  12. 金属製のパイプを所定の長さに切断する第1工程と、所定の長さに切断された前記パイプを所定の箇所において所定の形状に曲折させる第2工程と、その曲折した金属パイプの所定の領域をプレス加工して所定の幅と高さの扁平形状にする第3工程により製造された扁平コアチューブを複数搭載し、液体冷媒の流通路および放熱体として機能する扁平コアチューブの各々を液体冷媒を各扁平コアチューブに供給する供給側ヘッダタンクと各扁平コアチューブからの液体冷媒を回収する回収側ヘッダタンクに接続し、前記扁平コアチューブに複数の放熱フィンを取り付ける放熱器の製造方法。
  13. 発熱電子部品と接触して液体冷媒と熱交換させるための受熱器と、液体冷媒と外気との熱交換を行う放熱器と、前記受熱器に接続され前記受熱器から前記放熱器までの間を接続する液輸送路と、液体冷媒を前記受熱器から前記液輸送路を通して前記放熱器の方向へ循環駆動するポンプを備え、前記放熱器を請求項1〜11のいずれか1項に記載の放熱器で構成することを特徴とする冷却装置。
  14. 前記受熱器を、前記ポンプを内蔵した受熱一体ポンプとしたことを特徴とする請求項13記載の冷却装置。
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