JP2007192386A - プーリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり軸受の外輪に対するプーリの回動を確実に防止できると共に、プーリの外周部の耐摩耗性が大きいプーリ装置を提供すること。
【解決手段】プーリ1と玉軸受3の外輪6とを一体成形する。プーリ1におけるベルトが掛け回される外周部を有する第1部分15を、第1樹脂材料で構成する一方、プーリ1における外輪6の外周面に接触する部分を有する第2部分16を、上記第1樹脂材料の成形収縮率よりも大きい成形収縮率を有する第2樹脂材料で構成する。上記第1樹脂材料として、上記第2樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる材料を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プーリと転がり軸受とを有するプーリ装置に関する。
従来、プーリ装置としては、樹脂製のプーリと、玉軸受とを備え、上記プーリと上記玉軸受の外輪とを一体成形しているものがある。上記プーリの外周部には、ベルトが掛け回されている。また、上記プーリは、単一の樹脂材料を用いて形成されている。
しかしながら、上記従来のプーリ装置では、上記プーリの樹脂材料として上記外輪に食い付く力が大きい樹脂材料を用いた場合、プーリと外輪との食い付き性を優れたものにすることができる一方、プーリの耐摩耗性が小さくなって、このプーリ装置を備えた自動車等の機械が使用される雰囲気中に存在する砂や粉塵等の異物によって、上記ベルトと接触する上記プーリの外周部が摩耗を引き起こして、プーリ装置の寿命が短くなるという問題がある。
一方、上記問題を回避するべく、上記プーリの樹脂材料として耐摩耗性に優れる樹脂材料を用いた場合、上記ベルトと接触するプーリの外周部の耐摩耗性を大きくすることができる一方、プーリが外輪に食い付く力が小さくなって、プーリが外輪に対して回動し易くなるという問題がある。
特開2001−200917号公報(第1図)
そこで、本発明の課題は、転がり軸受の外輪に対するプーリの回動を確実に防止できると共に、プーリの外周部の耐摩耗性が大きいプーリ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のプーリ装置は、
内輪、外輪および転動体を有する転がり軸受と、
プーリと
を備え、
上記外輪と上記プーリとは一体成形されており、
上記プーリは、
ベルトが掛け回される外周部を有すると共に、第1樹脂材料からなる第1部分と、
上記第1部分の内側に配置され、かつ、上記外輪の外周面に接触すると共に、上記第1樹脂材料の成形収縮率よりも大きい成形収縮率を有する第2樹脂材料からなる第2部分と
を有し、
上記第1樹脂材料は、上記第2樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる材料であることを特徴としている。
本発明によれば、ベルトが掛け回されるプーリの外周部が、第2樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる第1樹脂材料からなる第1部分に含まれるので、プーリを上記第2樹脂材料のみで形成した場合と比較して、上記プーリの外周部の耐摩耗性を大きくすることができて、プーリの寿命を長くすることができる。
また、本発明によれば、上記プーリにおける上記外輪の外周面に接触する部分が、上記第1樹脂材料の成形収縮率よりも大きい成形収縮率を有する第2樹脂材料からなる第2部分に含まれるので、プーリを上記第1樹脂材料のみで形成した場合と比較して、上記プーリが上記外輪に食い付く力を大きくすることができる。したがって、上記プーリが上記外輪に対して回動することを防止できる。
なお、本発明中でいう成形収縮率とは、JIS K6911で規定されるものであり、樹脂成形材料を成形後金型から取り出して大気中に放冷した時の金型寸法と成形品寸法の差(収縮寸法)の割合を表している。
本発明のプーリ装置によれば、ベルトが掛け回されるプーリの外周部が、第2樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる第1樹脂材料からなるので、プーリを上記第2樹脂材料のみで形成した場合と比較して、上記プーリの外周部の耐摩耗性を大きくすることができて、プーリの寿命を長くすることができる。
また、本発明によれば、本発明のプーリ装置によれば、プーリにおける転がり軸受の外輪の外周面に接触する部分が、上記第1樹脂材料の成形収縮率よりも大きい成形収縮率を有する第2樹脂材料からなるので、プーリを上記第1樹脂材料のみで形成した場合と比較して、上記プーリが上記外輪に食い付く力を大きくすることができて、上記プーリが上記外輪に対して回動することを防止できる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明のプーリ装置の一実施形態の正面図である。
このプーリ装置は、プーリ1と、プーリ1と内軸2との間に配置された転がり軸受の一例としての玉軸受3とを備える。
上記玉軸受3は、内輪5と、外輪6と、図示しない玉と、シール板7とを有する。上記内輪5は、固定軸である内軸2に嵌着されており、外輪6の外周面は、プーリ1の内周面10に接触している。上記内輪5、外輪6および玉は、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)を用いて形成されている。上記玉は、内輪5の軌道溝と外輪6の軌道溝との間に、図示しない保持器によって保持された状態で、周方向に一定の間隔を隔てられて複数配置されている。上記シール板7は、内輪5および外輪6の軌道溝と玉とを外部から保護している。尚、参照番号11は、シール板7の段部を示している。
後に詳述するが、上記プーリ1と外輪6とは一体成形されている。上記プーリ1は、第1樹脂材料からなる第1部分15と、第2樹脂材料からなる第2部分16とを有する。
上記第1部分15は、第2部分16におけるプーリ1の径方向の外方の外面に接触する内面を有している。上記第1樹脂材料は、上記第2樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる材料であり、第1部分15は、第2部分16よりも耐磨耗性に優れている。尚、図1において、点線20は、ベルトを掛け回すV溝の底を示している。このV溝は、第1部分15の外周部になっている。
また、図1に示すように、上記第2部分16における外輪6の径方向の外方の外周面には、周方向に略等間隔に凹部17が複数形成されており、第1部分15における上記径方向の内方の内周面には、周方向に略等間隔に外輪6の凹部17に嵌りこむ凸部18が複数形成されている。言い換えれば、上記第2部分16および第1部分15は、径方向の肉厚が大きい部分と、径方向の肉厚が小さい部分とが周方向に交互に配置されている。上記第2部分16の径方向の肉厚が大きい部分は、全て同一形状になっていると共に、第2部分16の径方向の肉厚が小さい部分は、全て同一形状になっている。
以下に、第1樹脂材料および第2樹脂材料を、第1樹脂材料、第2樹脂材料の順に、詳細に説明することにする。
先ず、上記第1樹脂材料について説明する。
上記第1樹脂材料は、フェノール樹脂(特に、ノボラック型またはレゾール型のフェノール樹脂が好ましい)に、無機粉末、補強繊維および滑剤を少なくとも配合した樹脂材料からなっている。
詳しくは、上記第1樹脂材料中の無機粉末、補強繊維および滑剤の含有割合は、無機粉末が15〜50重量%であり、補強繊維が20〜40重量%であり、滑剤が1〜5重量%である。また、上記第1樹脂材料中の無機粉末のモース硬度は6.5以上に設定されている。
第1樹脂材料中のフェノール樹脂は、数平均分子量が600〜900に設定されている。また、上記第1樹脂材料に配合される無機粉末としては、特に、平均粒径が30μm以下の球状シリカ粉末が用いられている。また、無機粉末としては、モース硬度が6.5以上である無機の粉末を用いることができ、例えば、シリカ粉末(モース硬度7〜8)、アルミナ粉末(モース硬度8)、ジルコニア粉末(モース硬度11)等を用いることができる。
上記列挙された無機粉末は硬いため、ダスト雰囲気中で砂埃などと接触しても摩耗することがなく摩耗粉になりにくい。したがって、ベルトが掛け回される第1部分15の外周部の摩耗を防止できて、その耐摩耗性を向上させることができる。
特に、シリカ粉末は、ダスト雰囲気中においてプーリ1を摩耗させる砂埃の主成分であり、かつ、不純物を含む砂埃よりも硬いため、それ自体が摩耗して摩耗粉になりにくいだけでなく、接触した砂埃を粉砕させたり摩耗させたりすることができる。したがって、ベルトが掛け回される第1部分15の外周部の耐摩耗性をさらに向上させることができる。
また、シリカ粉末として、平均粒径30μm以下の球状シリカ粉末を用いた場合には、それより大粒径のものに比べて凝集等を生じにくく、第1部分15の表面に、より均一に分散させることができるため、第1部分15の外周部の耐摩耗性をより一層向上させることができる。
上述の微小な球状シリカ粉末は粒径が小さいことと、球状でその表面が滑らかであることとが相まって金型を摩耗しにくいため、射出成形を繰り返した際の金型の摩耗を抑制することもできる。一方、平均粒径が30μmよりも大きい球状シリカ粉末や、または、球状でない不定形のシリカ粉末を採用した場合には、それらのシリカ粉末が、射出成形時において金型と衝突した際に金型の表面を摩耗させ、金型の寿命が短くなる。
上述のように、球状シリカ粉末の平均粒径は小さいほど好ましいが、球状シリカ粉末の平均粒径が、5μmよりも小さくなると、分散性が低下して凝集等を生じやすくなり、第1部分15の表面に均一に分散させることができなくなり、平均粒径が5μm以上の球状シリカ粉末と比べて、耐摩耗性が低下する。したがって球状シリカ粉末の平均粒径は、5μm以上であるのが好ましい。尚、シリカ粉末以外の無機粉末を使用する場合にも、シリカ粉末と同様の理由で、平均粒径が30μm以下のものを用いるのが好ましい。
また、無機粉末(モース硬度は6.5以上)の含有割合は、15〜50重量%である必要がある。というのも、無機粉末の含有割合が15重量%未満では、無機粉末を添加しても、第1部分15の耐摩耗性を向上させることができないからである。また、無機粉末の含有割合が50重量%を超えるものは、他の成分の含有割合にもよるが、相対的にフェノール樹脂の含有割合が少なくなりすぎるため、射出成形等によってプーリ1を成形することが困難になるからである。尚、無機粉末の含有割合を、30〜45重量%に設定すると、より耐摩耗性や成形容易性に優れる第1樹脂材料を作製できる。
第1樹脂材料に配合される補強繊維としては、例えば、ガラス繊維等がある。詳しくは、補強繊維としては、無機または有機の補強繊維を用いることができ、特に、無機繊維が好ましい。また、無機繊維としては、ガラス繊維、ボロン繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、無機系ウィスカー、または、これらの混合物等を挙げることができ、製造および入手が容易で安価である上補強効果に優れるため、中でも特に、ガラス繊維が好ましい。
補強繊維の含有割合は、20〜40重量%である必要がある。というのも、補強繊維の含有割合が20重量%未満では、補強繊維を添加しても、寸法安定性や強度を向上させることができないからである。また、補強繊維の含有割合が40重量%を超える場合には、補強繊維が、第1部分15の外周部に掛け回されたベルトを傷つけ、ベルトの寿命が短くなるからである。尚、補強繊維の含有割合を、20〜30重量%に設定すると、より寸法安定性および強度に優れ、かつ、ベルトを劣化されることがない第1樹脂材料を作製できる。
第1樹脂材料に配合される滑剤としては、例えば、平均粒径が10μm以下のフッ素樹脂粉末がある。滑剤としては、潤滑性を有する樹脂の粉末を使用するのが好ましく、かかる樹脂の粉末としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末等の、潤滑性に優れたフッ素樹脂粉末が好ましい。
また、フッ素樹脂粉末の平均粒径は、10μm以下にするのが好ましい。というのも、平均粒径を10μm以下に設定すると、フッ素樹脂粉末を、第1部分15の表面により均一に分散させることができて、フッ素樹脂粉末を少量添加するだけで、第1部分15の表面に良好な滑り性を付与することができるからである。
尚、フッ素樹脂粉末の平均粒径は小さいほど好ましいが、フッ素樹脂粉末の平均粒径を1μmよりも小さくすると、平均粒径が1μm以上のものと比較して分散性が低下して、凝集等を生じ易くなり、第1部分15の表面に均一に分散できなくなり、第1部分15の表面に良好な滑り性を付与することができなくなる。したがって、フッ素樹脂粉末の平均粒径は1μmよりも小さいものであるのが好ましい。
フッ素樹脂粉末等の滑剤の含有割合は、1〜5重量%である必要がある。というのも、滑剤の含有割合が1重量%未満では、当該滑剤を添加しても、第1部分15の表面に良好な滑り性を付与することができないからである。また、滑剤の含有割合が5重量%を超える場合には、フッ素樹脂粉末等の滑剤が、フェノール樹脂の硬化物よりも耐熱性の低い成分であるため、滑剤の含有割合が5重量%以下のものと比較して、第1部分15の耐熱性が低下するからである。尚、滑剤の含有割合を、2〜4重量%に設定すると、より滑り性と耐熱性に優れる第1樹脂材料を作製できる。
尚、第1樹脂材料中のフェノール樹脂として、ノボラック型フェノール樹脂を使用した場合には、無機粉末、補強繊維および滑剤に加えて、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを、樹脂100重量部あたり12〜20重量部の割合で配合すると、ヘキサメチレンテトラミンを加えなかった材料と比して耐摩耗性を向上させることができる。
また、第1樹脂材料中のフェノール樹脂の数平均分子量が600未満になると、加熱溶融時の粘度が小さくなり過ぎて、射出成形時に十分な樹脂圧が得られないため、所望の強度を実現することができなくなる。また、第1樹脂材料中のフェノール樹脂の数平均分子量が900よりも大きくなると、加熱溶融時に十分な流動性が得られないため、所望の強度を実現することができなくなる。尚、フェノール樹脂の数平均分子量は、成形に使用する金型の形状、構造等によって決まる最適な流動性を得るように設定されれば良い。例えば、フィルムゲート式の金型を用いて樹脂製プーリを成形する場合には、フェノール樹脂の数平均分子量を、上記の範囲内でも800前後とするのが好ましい。
また、第1樹脂材料には、上記各成分に加えて、例えば、顔料等の着色剤、成形後のプーリ1における型からの離型を容易にするための離型剤、または、上述したヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤などの各種添加剤を、周知の含有割合の範囲で添加することもできる。
尚、上記第1樹脂材料の一具体例としては、数平均分子量が800であるレゾール型フェノール樹脂を28重量%、平均粒径が20μmの球状シリカ粉末を40重量%、平均繊維径が13μmで平均繊維長が250μmのガラス繊維を30重量%、平均粒径が10μmのフッ素樹脂粉末を2重量%ヘンシェルミキサーで混合し、85℃に加熱した熱ロールによって混練してシート化した後、粉砕して作製された成形用樹脂材料がある。
次に、第2樹脂材料について説明する。
上記第2樹脂材料は、フェノール樹脂(特にノボラック型またはレゾール型のフェノール樹脂が好ましい)に、無機繊維、無機粉末、有機繊維およびエラストマーを少なくとも配合した樹脂材料からなっている。詳しくは、上記第2樹脂材料中の無機繊維、無機粉末、有機繊維およびエラストマーの含有割合は、無機繊維が25〜45重量%であり、無機粉末が3〜7重量%であり、有機繊維が3〜7重量%であり、エラストマーが3〜10重量%である。
上記第2樹脂材料に配合される無機繊維は、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、カーボンやチタン酸カリウム等のウィスカー、または、これらのうちの少なくとも2種類を混ぜた混合材料等である。また、上記第2樹脂材料に配合される無機粉末は、例えば、シリカ粉末、炭酸カルシウム、または、これらの混合材料等である。また、上記第2樹脂材料に配合される有機繊維は、例えば、綿布繊維、布チップ、アラミド繊維、または、これらのうちの少なくとも2種類を混ぜた混合材料等である。また、上記第2樹脂材料に配合されるエラストマーは、例えば、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、または、これらのうちの少なくとも2種類を混ぜた混合材料等である。エラストマーとして上記列挙した材料を用いると、引張り強度を低下させることなくヤング率を確実に低下させることができて、確実に耐熱衝撃性を向上させることができる。
上記無機繊維の配合割合を25〜45重量%としたのは、無機繊維の配合割合が25重量%未満の場合には強度が低くなり、45重量%を越えると外輪に対する攻撃性が大きくなり好ましくないことによる。また、無機粉末の配合割合を3〜7重量%としたのは、無機粉末の配合割合が3重量%未満の場合には、表面の無機繊維間を補うには不十分であり、7重量%を越えると効果が飽和することによる。また、有機繊維の配合割合を3〜7重量%としたのは、有機繊維の配合割合が3重量%未満の場合には、耐熱衝撃性向上の効果が不十分になり、7重量%を越えると強度が低下することによる。また、エラストマーの配合割合を3〜10重量%としたのは、エラストマーの配合割合が3重量%未満の場合には柔軟性付与の効果が小さく、10重量%を越えると強度が低下して好ましくないことによる。
尚、第2樹脂材料が含有する無機繊維としてガラス繊維を選択し、第2樹脂材料が含有する無機粉末としてシリカ粉末を選択し、第2樹脂材料が含有する有機繊維として綿布繊維を選択すると、耐摩耗性および耐熱衝撃性に特に優れる第2樹脂材料を生成できる。
第2樹脂材料として上述の材料を用いれば、引っ張り強度を低下させることなくヤング率を低下させることができて、耐熱衝撃性を格段に向上させることができることが確認された。
尚、上記第2樹脂材料の一具体例としては、ベースレジンであるノボラック型のフェノール樹脂に、ガラス繊維(直径13μm)を40.0重量%、シリカ粉末(平均粒径10μm)を5.0重量%、綿布繊維を5.0重量%、ニトリルゴムを5.7重量%夫々添加して混練して作製された成形用樹脂材料がある。
次に、第1樹脂材料と第2樹脂材料の特性について比較してみる。第1樹脂材料の一具体例では、添加剤として、球状シリカ粉末40重量%、ガラス繊維30重量%、フッ素粉末樹脂2重量%を含有している結果、母材(マトリックス)としてのフェノール樹脂の含有量は28重量%となっている。
一方、第2樹脂材料の一具体例では、添加剤として、シリカ粉末5重量%、ガラス繊維40重量%、綿布繊維5重量%、ニトリルゴム5.7重量%を含有している結果、母材(マトリックス)としてのフェノール樹脂の含有率は、44.3重量%となっている。
第1樹脂材料では、前述した通り、耐摩耗性を向上させるために球状シリカ粉末を多めに添加した結果、母材としてのフェノール樹脂の含有量が少なくなっているが、第2樹脂材料では、シリカ粉末を少なめに添加しているために、母材としてのフェノール樹脂の含有量が多くなっている。
JIS K7204で規定されるテーバー摩耗試験において、第1樹脂材料の摩耗量は13.7mm、第2樹脂材料の摩耗量は35.8mmとなって、第1樹脂材料での無機粉末(シリカ粉末)の添加による耐摩耗性向上の効果がわかった。
一方、JIS K6911で記載される成形収縮率に関して、第1樹脂材料の成形収縮率は0.4%、第2樹脂材料の成形収縮率は0.6%であり、第2樹脂材料の方が成形収縮率が大きいことがわかった。これは、樹脂成形の放冷時において、寸法収縮を生じるのは主に母材としてのフェノール樹脂であり、フェノール樹脂の含有量の多い第2樹脂材料の方が成形収縮率が大きくなったものと考えられる。本発明のプーリ装置において、プーリと軸受外輪を一体成形する(詳細な方法は後述)場合、成形収縮率の大きい樹脂の方が外輪への食いつきが大きくなる効果がある。
つまり、本発明では、その外周にベルトが掛け回される第1部分に、耐摩耗性に優れる第1樹脂材料が含まれるものとして、外輪への食いつくことが必要となる第2部分に、成形収縮率の大きい第2樹脂材料が含まれるようにしたものである。
図2は、上記実施形態のプーリ装置の軸方向の部分断面図であり、第2部分16と第1部分15との境界付近を示す部分拡大図である。
図2に示すように、第2部分16の外面には、環状のV溝30が軸方向に間隔をおいて複数形成されており、第1部分15の内面には、第2部分16の環状のV溝30に嵌りこむ環状のV字状の突出部31が軸方向に間隔をおいて複数形成されている。上記第2部分16の環状のV溝30および第1部分15の環状のV字状の突出部31は、第2部分16が第1部分15に対して軸方向に移動することを防止する役割を果たしている。
上記プーリ1は2色成形されている。詳しくは、第1樹脂材料を射出成形機のシリンダ内で加熱して溶融した後、第1樹脂材料を、プーリ1に対応した型窩を有する第1金型内に第2部分と同一の形状を有する第2金型を嵌め込んだ上に、この第1および第2金型で構成される型窩(この型窩の温度は第1樹脂材料の硬化温度以上に設定されている)に注入して、第1樹脂材料を硬化させる。次に、第2金型を第1金型内から取りだした後、第1金型内の第2金型に対応する部分に、射出成形機のシリンダ内で加熱されて溶融している第2樹脂材料を注入して、第2樹脂材料を硬化させてプーリ1を成形する。また、第1金型の型窩内に設けた玉軸受3の外輪6の保持部に、外輪6を保持した状態で、第2樹脂材料を型窩内に注入して硬化反応させることによって、プーリ1を外輪6と一体成形する。
上記実施形態のプーリ装置によれば、ベルトが掛け回されるプーリ1の外周部が、上記第2樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる上記第1樹脂材料からなる第1部分15に含まれるので、プーリ1を上記第2樹脂材料のみで形成した場合と比較して、プーリ1の外周部の耐摩耗性を大きくすることができて、プーリ1の寿命を長くすることができる。
また、上記実施形態のプーリ装置によれば、プーリ1における外輪6の外周面に接触する部分が、上記第1樹脂材料よりも成形収縮率の大きい第2樹脂材料からなる第2部分16に含まれるので、プーリ1を上記第1樹脂材料のみで形成した場合と比較して、プーリ1が外輪6に食い付く力を大きくすることができる。したがって、上記プーリ1が外輪6に対して回動することを防止できる。
また、温度上昇時に、金属(SUJ2鋼)製外輪よりも樹脂の方が線膨張係数が大きいため、熱膨張の差によって樹脂の外輪への食い付く力が弱くなることがあるが、第1樹脂材料と第2樹脂材料それぞれの各種成分の種類、量を調整することによって、第2樹脂材料の線膨張係数を第1樹脂材料の線膨張係数よりも外輪の線膨張係数に近づけて、第2樹脂材料と外輪の熱膨張の差を小さくして、プーリの外輪への食い付く力を保持するようにしてもよい。
尚、上記実施形態のプーリ装置では、第2部分16の外面に凹部17を周方向の略等間隔に形成すると共に、第1部分15の内面に上記凹部17に嵌りこむ凸部18を周方向の略等間隔に形成して、第2部分16が第1部分15に対して周方向に回動することを防止する周方向回動防止部を構成したが、この発明では、第2部分の外面および第1部分の内面に、ローレット等を形成することにより、周方向回動防止部を構成しても良い。
また、上記実施形態のプーリ装置では、第2部分16の外面に環状のV溝30を軸方向に間隔をおいて複数形成すると共に、第1部分17の内面に第2部分16の環状のV溝30に嵌りこむ環状のV字状の突出部31を軸方向に間隔をおいて複数形成することにより、第2部分16が第1部分15に対して軸方向に移動することを防止する軸方向移動防止部を構成したが、この発明では、第2部分の外面に環状の凹部を軸方向に間隔をおいて複数形成すると共に、第1部分の内面に第2部分の上記凹部に嵌りこむ環状の凸部を軸方向に間隔をおいて複数形成すること等により、軸方向移動防止部を構成しても良い。
本発明のプーリ装置の一実施形態の正面図である。 上記実施形態のプーリ装置の軸方向の部分断面図である。
符号の説明
1 プーリ
2 内軸
3 玉軸受
5 内輪
6 外輪
7 シール板
15 第1部分
16 第2部分
20 V溝の底

Claims (1)

  1. 内輪、外輪および転動体を有する転がり軸受と、
    プーリと
    を備え、
    上記外輪と上記プーリとは一体成形されており、
    上記プーリは、
    ベルトが掛け回される外周部を有すると共に、第1樹脂材料からなる第1部分と、
    上記第1部分の内側に配置され、かつ、上記外輪の外周面に接触すると共に、上記第1樹脂材料の成形収縮率よりも大きい成形収縮率を有する第2樹脂材料からなる第2部分と
    を有し、
    上記第1樹脂材料は、上記第2樹脂材料よりも耐摩耗性に優れる材料であることを特徴とするプーリ装置。
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