JP2007190860A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高粘度且つ微液滴の液体吐出を可能にする。
【解決手段】少なくとも1つの壁面が弾性部材で構成される液体流路と、前記液体流路の一端に設けられるノズルと、前記液体流路内の液体に圧力脈動波を発生させる圧力発生手段と、を備え、前記圧力脈動波をソリトン波として前記液体流路内を伝播可能となるように前記液体流路及び前記圧力発生手段が構成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドすることにより、前記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体吐出ヘッド及び画像形成装置に係り、特に、少なくとも1つの壁面が弾性部材で構成される液体流路(ノズル流路)を有する液体吐出ヘッドに関する。
多数のノズルを有するヘッド(液体吐出ヘッド)を搭載し、各ノズルからインク滴を吐出することにより、記録媒体上に所望の画像を記録するインクジェット記録装置が従来より知られている。この種のヘッドには、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)に代表されるアクチュエータの変形を利用して、圧力室内のインクを加圧し、圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出する圧電方式のものがある。
近年、高解像、高精細な画像を高速記録できるようにすることが望まれており、様々な機能を付加した高粘度インクや微液滴のインク吐出を実現可能なヘッドの開発が必要となっている。しかし、従来の圧電方式のヘッドにおいて高粘度(例えば、5〜10cp程度)且つ微液滴(例えば、0.5pl程度)のインク吐出を実現しようとすると、次のような様々な問題がある。
まず、従来の圧電方式のヘッドでは、ノズルから吐出されたインク滴が柱状となって尾を引く形で飛翔する現象(尾引き現象)が生じやすく、これにより、主たるインク滴に付随して微小なインク滴(以下、サテライト滴という。)が発生し、このサテライト滴が記録媒体に付着して、画像品質の劣化を招く場合がある。このようなサテライト滴の発生を抑えるため、例えば、特許文献1では、アクチュエータの駆動電圧の変化速度を2段階に切り替えてインク滴を吐出している。しかしながら、インク粘度が高くなるとインク柱が長くなり、内部の速度分布も散漫となってくるため、多数のサテライト滴が発生する可能性がある。また、ノズルから吐出されるインク滴が微液滴化されると、インク柱自体が細くなるためRayleigh-Taylor不安定性によりサテライト滴が発生しやすくなる。このため、高粘度且つ微液滴を吐出する場合には、特許文献1の如く、アクチュエータの駆動電圧を工夫しても、このような現象を軽減することは困難である。
また、高粘度インクを吐出可能にするためには、例えば、圧電体の積層数を増やしたり、駆動電圧を上げたりしてアクチュエータをパワーアップさせることが必要となるが、いずれの場合においても限界がある。更に、リフィル遅れによる吐出周波数の低下という問題もある。
また、微液滴を吐出可能にするためには、アクチュエータの駆動周波数を上げなければならない。従来の圧電方式のヘッドでは、アクチュエータの駆動周波数をヘッド(圧力室)内流体の共振周波数に略一致させて吐出を行う、いわゆる全系共振を使った吐出を行っている。従って、アクチュエータの駆動周波数を上げるためには圧力室のサイズ(容積)を小さくして圧力室の共振周波数を下げなければならず、ヘッド設計上の大きな制約となってしまう。
特開平7−76087号公報
このように従来の圧電方式のヘッドにおいて高粘度且つ微液滴のインク吐出を実現させさせるためには様々な問題があり、その実現は非常に困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、高粘度且つ微液滴の液体吐出を可能にし、好ましい画像品質を実現することのできる液体吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも1つの壁面が弾性部材で構成される液体流路と、前記液体流路の一端に設けられるノズルと、前記液体流路内の液体に圧力脈動波を発生させる圧力発生手段と、を備え、前記圧力脈動波をソリトン波として前記液体流路内を伝播可能となるように前記液体流路及び前記圧力発生手段が構成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
本発明によれば、液体流路内の圧力脈動波をソリトン波として高効率で伝播させることができ、また、液体流路の一端に位置するノズル部分におけるソリトン破壊によって液柱の過度の発達を抑制した状態で粒子化することができる。これにより、高粘度且つ微液滴をノズルから吐出することが可能となり、好ましい画像品質を実現することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドであって、前記液体流路は略円筒状に構成され、前記液体流路及び前記圧力発生手段は、前記液体流路を伝播する圧力脈動波の半値幅をw、前記圧力脈動波の速度をv、前記液体流路の半径をa、前記液体流路の隔壁の厚さをh、前記圧力脈動波の最大振幅をr、前記液体流路の隔壁の密度をρ、前記液体流路内の液体の密度をρ、前記液体流路の隔壁のヤング率をEとするとき、次式
Figure 2007190860
を満たすように構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドであって、前記液体流路に相当する溝部を有する液体流路形成部材の前記溝部の開口面に弾性部材を設けたことを特徴とする。
請求項3の態様によれば、構造が簡略化され製造適性に優れる。
また前記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、液体流路内の圧力脈動波をソリトン波として高効率で伝播させることができ、また、液体流路の一端に位置するノズル部分におけるソリトン破壊によって液柱の過度の発達を抑制した状態で粒子化することができる。これにより、高粘度且つ微液滴をノズルから吐出することが可能となり、好ましい画像品質を実現することができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態(第1、第2の実施形態)について詳説する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数のヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。印字部12を構成する各ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
次に、ヘッド12K、12C、12M、12Yの構成について説明する。尚、各ヘッド12K、12C、12M、12Yの構成は共通しているので、以下では、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図2はヘッド50の構成を示す説明図であり、(a)は外観斜視図、(b)は一部断面図である。図2に示すヘッド50には、その長手方向に沿って円柱状のノズル流路形成部材52が複数設けられている。尚、図2(a)では便宜的に5つのノズル流路形成部材52を表示しているが、実際には非常に多くのノズル流路形成部材52が設けられる。各ノズル流路形成部材52は共通流路形成部材54の一端面に固着されており、その反対側の端面(共通流路形成部材54のノズル流路形成部材52側とは反対側の端面)には圧電アクチュエータ56(圧力発生手段)が配置されている。
図2(b)に示すように、各ノズル流路形成部材52の内部にはその軸方向に沿って延びる円筒状のノズル流路58(液体流路)が形成されている。ノズル流路58の一端に形成される開口はインク滴を吐出するためのノズル51である。ノズル流路58の他端は共通流路60に連通している。共通流路60は、共通流路形成部材54に形成される凹部を圧電アクチュエータ56で塞いで形成される空間に相当する。共通流路60には、図1に示したインク貯蔵/装填部14から管路62を介して供給されるインクが貯留される。
圧電アクチュエータ56は、平板状の圧電体64とその両面に配置される個別電極66、共通電極68から構成される。個別電極66はノズル51(ノズル流路58)毎に設けられ、圧電体64の共通流路60側とは反対側の面上で各ノズル流路58にそれぞれ対向する位置に配置される。共通電極68は圧電体64の共通流路60側の面全体にわたって形成されている。共通電極68の表面には樹脂等の絶縁保護膜(不図示)が形成されており、共通流路60内に貯留されるインクに対する共通電極68の接液が防止されている。
個別電極66と共通電極68により挟まれた圧電体領域は電極66、68間に電圧を印加すると所定の変位を発生する変位発生部70となっている。本実施形態では、共通電極68は図示しない部分において接地された状態となっており、個別電極66に対して不図示の駆動回路から所定の駆動電圧が印加されるように構成されている。個別電極66に駆動電圧が印加されると、変位発生部70は共通流路60を挟んで対向する位置にあるノズル流路58に向かって撓むように変位する。これにより、共通流路60内のインクを介して圧力脈動波がノズル流路58内に入射し、その圧力脈動波はノズル流路58内のインク中を伝播し、ノズル流路58の一端に位置するノズル51からインク滴が吐出される。
本発明では、圧力脈動波がソリトン波としてノズル流路58内を伝播するようにノズル流路58及び圧電アクチュエータ56を構成したことを特徴としている。これにより、尾引き現象を低減することができるのでサテライト滴の発生が抑制され、高粘度且つ微液滴を吐出することが可能となる。
以下では、ノズル流路58及び圧電アクチュエータ56の具体的な構成条件について説明する。図3はノズル流路形成部材52の一部断面図である。まず、ノズル流路58内を伝播する圧力脈動波の半値幅をw、速度をvとし、ノズル流路58の半径をa、ノズル流路隔壁59の厚さをh、ノズル流路隔壁59の密度をρ、圧力脈動波の最大振幅をr、ノズル流路58内の流体(インク)の密度をρ、ノズル流路隔壁59のヤング率をEとするとき、次式の関係が成立することは一般的に知られている。
Figure 2007190860
Figure 2007190860

但し、付き変数は既知数、他は未知数とする。今、吐出体積を
Figure 2007190860
と仮定し、更に、半値幅は吐出粒子径程度、即ち、
Figure 2007190860
と仮定する。ここで、既知数として次表を用いる。
Figure 2007190860
表1に対して式(1)〜(4)を未知数について解けば、次表の結果を得ることができる。尚、式(3)、(4)はそれぞれイコールが成立すると仮定して計算を行った。
Figure 2007190860
以上より、ノズル流路58内を伝播する圧力脈動波の速度vが1500[m/s]となるような駆動条件を満たす圧電アクチュエータ56(例えば、超音波素子)を用いて、ノズル流路形成部材52をSUS程度の曲げ剛性を持つ材質で構成し、更に、ノズル流路隔壁59の厚さhを8[μm]及びノズル流路58の半径を1.8[μm]程度とすることにより、ノズル流路58内に入射した圧力脈動波を半値幅10[μm]程度のソリトン波として高効率に伝播させることができる。また、ノズル流路58の終端に位置するノズル51でのソリトン破壊によって、0.5[pl]程度の体積のインク滴をインク柱の過度の発達を抑制した状態で粒子化することができる。
また、吐出周波数をfとすると、ソリトン発生のトリガーとなる圧力脈動波のパルスを打ち出す周期はT=1/fである。この時間内に圧力脈動波(ソリトン波)がノズル流路58の終端であるノズル51に達した場合、そこでの反射ソリトン波が次に打ち出されるソリトン波と流路内で衝突する可能性がある。ソリトン波同士の衝突における相互作用は小さいが、伝播速度の低下を可能な限り抑制するためには、このようなノズル流路58内の多ソリトン化を避ける方向で設計することが好ましい。即ち、ノズル流路58の流路長をLとしたとき(図2(b)参照)、次式
Figure 2007190860
を満たすようにすることが条件となる。例えば、吐出周波数をf=100[kHz]としたとき、式(5)からL≦7.5[mm]となる。
第1の実施形態によれば、前記式(1)〜(4)を満たすようにノズル流路58及び圧電アクチュエータ56を構成することによって、ノズル流路58内の圧力脈動波をソリトン波として効率的に伝播することができる。また、ソリトンを用いることによって運動量をもつ流体領域が局在化するため、粒子化時の微液滴化が可能となり、インク柱の過度の発達による尾引き現象を低減することができる。これにより、サテライト滴の発生を抑制しつつ、高粘度且つ微液滴をノズルから吐出することが可能となり、好ましい画像品質を実現することができるようになる。
また、本実施形態に係るヘッド50では、圧電アクチュエータ56の駆動周波数をヘッド50内流体(インク)の共振周波数に略一致させる必要がなく、圧電アクチュエータ56自身の共振周波数での駆動が可能となり、従来の圧電方式のヘッドに比べて高周波吐出が可能となる。特に、超音波領域の周波数を使うことでストリーミング効果(放射圧によって流体を押し出す効果)や、更に、ソリトン効果によって効率の良い伝播が行えることから、高粘度インクを用いる場合のリフィル性能を改善することができる。
尚、第1の実施形態ではヘッド50の長手方向に沿ってノズル流路58を1列に配列した態様を一例として示したが、ノズル流路58を複数列に配列する態様もある。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。以下、既述した第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
図4は第2の実施形態に係るヘッド150の外観斜視図である。図4中、図2と共通する部材については同一の番号を付している。このヘッド150の一部を構成するノズル流路形成部材74にはノズル流路58に相当する溝部72が複数設けられており、SUS等の平板状の弾性部材76が各溝部72の開口面に接合された構成となっている。このようにして構成されるノズル流路58はその軸方向に垂直な断面が矩形状となっている。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態に比べてノズル流路58内の圧力脈動波の伝播特性は若干劣るものの、尾引き現象を低減した状態で高粘度且つ微液滴をノズル51から吐出することができる。特に、第2の実施形態ではノズル流路58の一壁面が弾性部材76で構成される態様としたことにより、構造が簡略化され、製造適性により優れた構成となっている。
尚、本実施形態ではノズル流路58の一壁面が弾性部材76で構成される態様を一例として示したが、本発明の実施に際してはこれに限定されない。例えば、第2の実施形態の変形例として図5に示したヘッド150′のように、ノズル流路58の対向する両壁面を弾性部材76(76A、76B)で構成してもよい。また図示は省略するが、隣接するノズル流路58、58間の隔壁を弾性部材で構成するようにしてもよい。
以上、本発明の液体吐出ヘッド及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図。 ヘッドの構成を示す説明図。 ノズル流路形成部材の一部断面図。 第2の実施形態に係るヘッドの外観斜視図。 第2の実施形態の変形例に係るヘッドの外観斜視図。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…ヘッド、51…ノズル、52…ノズル流路形成部材、56…圧電アクチュエータ、60…共通流路、74…ノズル流路形成部材、76…弾性部材、150、150′…ヘッド

Claims (4)

  1. 少なくとも1つの壁面が弾性部材で構成される液体流路と、
    前記液体流路の一端に設けられるノズルと、
    前記液体流路内の液体に圧力脈動波を発生させる圧力発生手段と、を備え、
    前記圧力脈動波をソリトン波として前記液体流路内を伝播可能となるように前記液体流路及び前記圧力発生手段が構成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体流路は略円筒状に構成され、
    前記液体流路及び前記圧力発生手段は、前記液体流路を伝播する圧力脈動波の半値幅をw、前記圧力脈動波の速度をv、前記液体流路の半径をa、前記液体流路の隔壁の厚さをh、前記圧力脈動波の最大振幅をr、前記液体流路の隔壁の密度をρ、前記液体流路内の液体の密度をρ、前記液体流路の隔壁のヤング率をEとするとき、次式
    Figure 2007190860
    を満たすように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記液体流路に相当する溝部を有する液体流路形成部材の前記溝部の開口面に弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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