JP2007190586A - 溶接方法及び液化ガスタンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接作業の工数を低減すること。
【解決手段】9%Ni鋼を溶接するにあたって、レーザー溶接を用いる。溶接対象部材である環状部材2Aと環状部材2Bとの突合せ部に開先20を設ける。開先20は狭開先とするとともに、開先20の底部20Bに曲率を設ける。また、環状部材2Aと環状部材2Bとの突合せ部にはルートフェース21を設ける。さらに、溶接ビード層を積層する際には、溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比を、1以上1.4以下とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、レーザーを用いて金属同士を溶接することに関するものである。
液化天然ガス(Liquid Natural Gas:以下LNGという)や液化プロパンガス(LPG:Liquid Propane Gas:以下LPGという)等の液化ガスを貯蔵するためのタンクは、いわゆる地上型と地下型とに分類される。地上型のLNGタンクでは、LNGを貯蔵する金属製の内槽を備え、その外部に断熱層及び外槽を設けている。LNGは−162℃の低温であるため、LNGと直接接する内槽は、低温靭性に優れる金属材料が用いられる。このような金属材料としては、例えば、9%のNiを含有するNi鋼(以下9%Ni鋼という)がある。特許文献1には、LNGを貯蔵する内槽側板同士の溶接に、TIG溶接を用いる技術が開示されている。
特開平9−10931号公報
しかしながら、TIG溶接では、溶接作業性の点から開先をある程度広くとる必要があり、多層の溶接ビード層を盛る必要があった。その結果、溶接の工数が多大になるという問題があった。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、溶接作業の工数を低減できる溶接方法及び液化ガスタンクの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る溶接方法は、レーザーを用いて溶接対象部材同士を接合するにあたり、前記溶接対象部材同士の突合せ部に狭開先を設けるとともに前記開先の底部に曲率を設け、また前記溶接対象部材同士の突合せ部にはルートフェースを設け、かつ、溶接ビード層を積層する際には、前記溶接ビード層を構成する溶金の溶け込み幅に対する前記溶金の溶け込み深さの比を所定の範囲とすることを特徴とする。
この溶接方法では、溶け込み深さの大きいレーザーを用いた狭開先溶接とすることで、溶接ビード層の盛り数を低減することができる。その結果、溶接作業の工数を低減できる。
また、次の本発明に係る溶接方法は、前記溶接方法において、前記溶金の溶け込み幅に対する前記溶金の溶け込み深さの比は、1以上1.4以下であることを特徴とする。
この溶接方法は、前記溶接方法の構成を備えるので、前記溶接方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この溶接方法では、溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比を1以上1.4以下とする。これによって、溶金中に固溶して形成されるポロシティの結合を抑制できるので、溶接継手の信頼性が向上する。
また、次の本発明に係る溶接方法は、前記溶接方法において、前記溶金の溶け込み深さ方向における前記ルートフェースの寸法は、1mm以上5mm以下であることを特徴とする。
この溶接方法は、前記溶接方法の構成を備えるので、前記溶接方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この溶接方法では、溶金の溶け込み深さ方向におけるルートフェースの寸法を1mm以上5mm以下とする。この寸法及びオーステナイト系溶接ワイヤを用いることによって、溶接ビード層の初層における溶金の組織はオーステナイトとなるため、低温における靭性を確保することができる。
また、次の本発明に係る溶接方法は、前記溶接方法において、すでに溶接された溶接ビード層の、積層される次の溶接ビード層側における表面を凹形状とすることを特徴とする。
この溶接方法は、前記溶接方法の構成を備えるので、前記溶接方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この溶接方法では、積層される次の溶接ビード層側を凹形状とする。これによって、母材(溶接対象部材の材料)と溶金との境界付近の融合不良を抑制できる。
また、次の本発明に係る溶接方法は、前記溶接方法に用いる溶接ワイヤの単位質量あたりにおける投入熱量は、10kJ/cm・g以上27kJ/cm・g以下とすることを特徴とする。
この溶接方法は、前記溶接方法の構成を備えるので、前記溶接方法と同様の作用、効果を奏する。さらに、この溶接方法では、溶接ワイヤの単位質量あたりにおける投入熱量を10kJ/cm・g以上27kJ/cm・g以下とする。これによって、溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比を確実に1以上1.4以下とすることができる。
また、次の本発明に係る液化ガスタンクの製造方法は、前記溶接方法によって、少なくとも、液化ガスを貯蔵する槽を構成する溶接対象部材を溶接することを特徴とする。
この液化ガスタンクの製造方法は、上記溶接方法によって、少なくとも、液化ガスを貯蔵する槽を構成する溶接対象部材を溶接する。これによって、液化ガスを貯蔵する槽の工期を短縮することができる。
この発明に係る溶接方法及び液化ガスタンクの製造方法は、溶接作業の工数を低減できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
この実施形態は、9%Ni鋼を溶接するにあたって、9%Ni鋼の溶接対象部材同士の突合せ部に開先を設けるとともに、前記開先の底部に曲率を設け、また溶接対象部材同士の突合せ部にはルートフェースを設け、かつ、溶接ビード層を積層する際には溶け込み幅bに対する溶け込み深さaの比を、1以上1.4以下としてレーザー溶接する点に特徴がある。まず、LNGタンクの構成について簡単に説明する。
図1は、液化ガスタンクの一例を示す断面概略図である。この液化ガスタンク1は、地上に建設される、いわゆる地上型の液化ガスタンクである。液化ガスタンク1は、金属製の内槽2と、内槽2の外側に設けられる金属製あるいはPC(プレストレスコンクリート)製の外槽4とを含んで構成される2重槽構造となっている。そして、内槽2の内部2IにはLNGガスやLPGガス等の液化ガスが貯蔵されるとともに、内槽2と外槽4との間には断熱材3が設けられて、外槽4の外気から内槽2のLNGへの伝熱を低減する。なお、LNGは、−162℃の極低温の状態で内槽2の内部2Iに貯蔵される。
内槽2は、極低温のLNGガスと直接接するため、低温脆性に優れる材料で製造される。この実施形態に係る液化ガスタンク1では、内槽2の材料として、9%のNiを含有する9%Ni鋼が用いられる。内槽2は、9%Ni鋼の鋼板を溶接して製造される。内槽2を構成する鋼板の肉厚は、液化ガスタンク1の規模によって異なるが、数mm〜数十mmである。次に、液化ガスタンク1の製造方法の一例を説明する。
図2、図3は、液化ガスタンクの製造方法例を示す説明図である。図2、図3は、液化ガスタンクの内槽2の胴部2Cを製造する手順例を示している。内槽2の胴部2Cは、複数の9%Ni鋼板(溶接対象部材)2Pを溶接して溶接対象部材である環状部材21、22等を構成してから、環状部材同士を溶接する。この実施形態では、レーザー溶接を用い、例えば、約70%のNiを含有する溶接ワイヤ(溶金)のような、オーステナイト系の溶接ワイヤ(溶金)を用いる。なお、溶接ワイヤ(溶金)はこれに限られるものではない。図2は、9%Ni鋼で構成される環状部材22と環状部材23とを溶接する例を示している。
環状部材22と環状部材23とを溶接するにあたっては、溶接装置10を用いる。溶接装置10は、図2、図3に示すように、内槽2の外周部に設けられる環状の作業床5上に載置される。そして、溶接装置10は、作業床5上で環状部材23の周方向(図3中の矢印R方向)に移動しながら、環状部材22と環状部材23とを溶接する。
図4は、この実施形態に係る溶接装置の構成例を示す説明図である。溶接装置10は、溶接ヘッド11と、シールドガス供給ノズル12と、溶接ワイヤ供給部13とが台車14上に搭載されて構成されている。台車14には、作業床5上に敷設される案内レール5R上を走行する車輪15が設けられている。そして、台車14は、前記案内レール5R上を走行して環状部材2A、2Bの周方向に移動しながら、溶接ワイヤ供給部13から供給される溶接ワイヤ(溶金)Wを用いて、環状部材2Aと環状部材2Bとを溶接する。
この実施形態においては、環状部材2Aと環状部材2Bとの溶接にレーザーを用いる。溶接装置10には溶接ヘッド11のみが搭載されており、作業床とは別個の場所(例えば地上部)に設置されるレーザー発生装置17と溶接ヘッド11とが光ケーブル18で接続される。そして、レーザー発生装置17で発生させたレーザー光は、溶接ヘッド11から環状部材2Aと環状部材2Bとの溶接部に照射されて、両者を溶接する。なお、レーザーとしては、YAGレーザー、CO2レーザー、光ファイバレーザー等を用いることができる。光ファイバレーザーを用いると、レーザー発生装置17を小型化できるので好ましい。
溶接時には、ガス配管19を介してシールドガスボンベ16から供給されたシールドガスGが、シールドガス供給ノズル12から溶接部に噴射される。シールドガスGは不活性ガスであり、溶接時においては、溶接部の雰囲気を不活性ガス雰囲気に維持する。この実施形態においては、シールドガスGに窒素(N2)を用いる。この実施形態では、溶金中に固溶しやすい窒素をシールドガスGとして用いることで、溶金中や溶金と母層との境界等に発生するポロシティを極めて低減できる。なお、この実施形態において使用することができるシールドガスは窒素に限られず、例えばアルゴン(Ar)やヘリウム(H)を用いることもできる。次に、この実施形態に係る溶接方法を説明する。
図5は、この実施形態に係る溶接方法によって溶接する部分を示す断面図である。図5のINは、内槽2(図1参照)の内側を示し、OUTは内槽2の外側を示す。また、図5の矢印Gは、重力の作用方向を示す。溶接対象部材である環状部材2Aと環状部材2Bとは、板厚tが数mm〜数十mm程度である。この実施形態において、環状部材2Aと環状部材2Bとの突合せ部には、開先20が設けられる。レーザー溶接においては、キーホール溶接を活かすために、通常I開先あるいはI開先に近い形の開先を用いる。また、レーザー溶接を用いて厚板を溶接する場合には、ルートフェースを大きくする。
この実施形態に係る溶接方法では、レーザー溶接を用いるが、開先20を狭開先とする。また、開先20の底部(開先底部)20Bには曲率が設けられる(この実施形態ではr=3mm)。さらに、環状部材2Aと環状部材2Bとの肌合わせを容易にするため、環状部材2Aと環状部材2Bとの突合せ部にはルートフェース21を設ける。そして、溶け込み深さ方向(板厚方向)におけるルートフェース21の寸法(以下ルートフェース寸法という)sはできるだけ小さくする。ルートフェース寸法sは、環状部材2Aと環状部材2Bとの肌合わせが可能な範囲でできるだけ小さい方が好ましい。しかし、肌合わせを容易にするため、最低限1mm程度は確保する必要がある。
図6は、溶金の初層におけるNi量(%)とルートフェース寸法(mm)との関係を示す説明図である。図6のNi量は、質量%である。溶金の初層(溶接の第1層)において、Ni量が25%を下回ると、溶金の組織はマルテンサイト組織となって、低温での靭性が低下する。一方、溶金の初層において、Ni量が25%以上になると溶金の組織はオーステナイトとなって、低温での靭性が向上する。ルートフェース寸法sが5mm以下であれば、溶金の組織はオーステナイトとなるため、低温における靭性を向上させることができる。なお、低温における靭性が許容できる場合は、溶金の組織の一部がマルテンサイト組織であっても、ルートフェース寸法sを5mm以下としなくても、その許容される範囲に対応する寸法をルートフェース寸法sとして選択してもよい。
開先20を上述したような形状とすることによって、溶接の初層部の母材希釈が低減して溶金の溶け込み量が増加するので、溶金に近い継手性能を確保することができ、継手部分の靭性を確保できる。ここで、狭開先とは厳密な定義はないが、従来工法における開先角度θが30度〜50度に対してこれよりも小さい角度の開先を狭開先と称している。また、開先の開口寸法hは溶接対象である環状部材2A等の板厚にもよるが、板厚tが数mm〜数十mmである場合には、5mm〜30mm程度である。次に、この実施形態における溶接部のビード形状について説明する。
図7は、溶接部の溶接ビード層の形状を示す断面図である。環状部材2Aと環状部材2Bとの溶接部は、第1溶接ビード層(溶接の第1層、初層)221の上に第2溶接ビード層(溶接の第2層)222を積層そして、順次溶接ビード層が積層されて環状部材2Aと環状部材2Bとが溶接される。この実施形態においては、すでに溶接された溶接ビード層の、積層される次の溶接ビード層側における表面を凹形状とする。これは、開先20の底部(開先底部)20Bに曲率を設けることにより実現できる。
第1溶接ビード層221上に第2溶接ビード層222を溶接する場合、積層される次の溶接ビード層側における第1溶接ビード層221の表面に凹部Cを設け、前記表面を凹形状とする。また、第2溶接ビード層222の上に第3溶接ビード層を溶接する場合には、積層される次の溶接ビード層側における第2溶接ビード層222表面に凹部Cを設け、前記表面を凹形状とする。このようにすることで、母材(溶接対象であり、環状部材2A等)と溶金との境界付近における融合不良を抑制することができる。
図8、図9は、溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比を説明する断面図である。溶接では、溶金が溶け込んで溶接ビード層を形成し、溶接対象同士を接合する。この実施形態では、溶金の溶け込み幅bに対する溶金の溶け込み深さaの比a/bを、1以上1.4以下とすることが好ましい。この理由を説明する。
図10は、溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比の関係を示す説明図である。なお、初層(第1溶接ビード層)と最終層(最終ビード層)とは施工条件が特殊であるため除いてある。a/bが1.43となると、溶接ビード層内にポロシティが発生する(図10中の記号※1)。また、a/bが0.95となると、母材(溶接対象)と溶接ビード層(溶金)との境界付近において融合不良が発生する(図10中の記号※2)。そして、a/bが1以上1.4以下の範囲では、ポロシティや融合不良は発生しない。この結果から、a/bは1以上1.4以下が好ましい。次に、溶金の溶け込み幅b、溶金の溶け込み深さaについて説明する。
溶金の溶け込み深さaは、ある溶接ビード層に着目した場合において、溶金が溶け込んでいく方向における溶接ビード層の最大寸法である。また、溶金の溶け込み幅bは、着目した溶接ビード層において、溶金の溶け込み深さの方向と直交する方向における溶接ビード層の最大寸法である。図8に示す第2溶接ビード層222は、溶接ビード層の輪郭が明瞭な場合、上記定義にしたがって、第2溶接ビード層222の輪郭からa/bを求める。
図9に示す第2溶接ビード層222は、第3溶接ビード層223と接する部分における第2溶接ビード層222の輪郭が不明瞭な場合である。この場合、第2溶接ビード層222と隣接する溶接ビード層(第3溶接ビード層223)との交点P1、P2の2点と、前記交点P1、P2のいずれか一方の近隣点P3との計3点を結ぶ2次曲線Yを描いて仮想輪郭を作る。そして、この仮想輪郭を用いて溶金の溶け込み深さaを決定する。ここで、近隣点P3は、第2溶接ビード層222の輪郭上であって、交点P1又は交点P2から1mm離れた位置に存在する。
図11は、溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比と投入熱量との関係を示す説明図である。投入熱量は、溶接ワイヤの単位質量あたりにおける投入熱量である。図12からわかるように、適正な溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比a/b、すなわち1≦a/b≦1.4(図11のハッチング部分)を得るためには、10kJ/cm・g以上27kJ/cm・g以下とすることが好ましい。ここで、投入熱量Qは式(1)で求めることができる。なお、式(1)のPはレーザー出力(kW)、vは溶接速度(cm/sec.)、Lは溶接ワイヤ供給速度(cm/sec.)、dは溶接ワイヤ直径(cm)、ρは溶接ワイヤ密度(g/cm3)である。
Q=(P/v)/(L×π(d/2)2×ρ)・・・(1)
以上、この実施形態では、溶接対象部材同士の突合せ部に狭開先を設けるとともに、前記開先の底部に曲率を設け、また溶接対象部材同士の突合せ部にはルートフェースを設け、かつ、溶接ビード層を積層する際には溶金の溶け込み幅bに対する溶金の溶け込み深さaの比を、1以上1.4以下としてレーザー溶接する。これによって、初層(溶接ビード層の第1層)における母材希釈が低減し溶金の溶け込み量が増加するので、溶金に近い継手性能を確保でき、靭性低下を抑制できる。
また、a/bを1以上1.4以下とすることにより、溶金中に固溶して形成されるポロシティの結合を抑制できる。さらに、開先の底部に曲率を設けることによってビードの形状を凹とすることができ、母材と溶金との境界付近の融合不良を抑制できる。また、高密度エネルギーを発生できるレーザー溶接を用いることによって、深溶け込みかつ高速溶接が可能となる。また、狭開先とすることにより、溶接ビード層の盛り数を低減できる。これらの作用によって、溶接の工数を短縮することができる。
図12は、本発明の一実施例の結果を示す説明図である。この実施例では、本発明の溶接方法を用いて9%Ni鋼を溶接し、RTを判定した。条件は、溶接対象の板厚は30mm、開先の開口寸法は8mm、開先底部の半径は2mm、ルートフェース寸法は3mmとした。シールドガスには窒素を用いた。また、溶接は6層盛りとし、それぞれの溶接ビード層は、上記a/bが1以上1.4以下の範囲に入るようにレーザー出力や溶接速度等を制御した。それぞれの溶接ビード層の施工条件は図12に示す通りである。図12のRT判定結果からわかるように、すべての溶接ビード層において、RT1種1類で合格レベルにある。ここで、RT1種1類は、JIS Z 3106(2001)に規定されるものである。
以上のように、本発明に係る溶接方法及び液化ガスタンクの製造方法は、9%Ni鋼の溶接に有用であり、特に、溶接作業の工数を低減することに適している。
液化ガスタンクの一例を示す断面概略図である。 液化ガスタンクの製造方法例を示す説明図である。 液化ガスタンクの製造方法例を示す説明図である。 この実施形態に係る溶接装置の構成例を示す説明図である。 この実施形態に係る溶接方法によって溶接する部分を示す断面図である。 溶金の初層におけるNi量(%)とルートフェース寸法(mm)との関係を示す説明図である。 溶接部の溶接ビード層の形状を示す断面図である。 溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比を説明する断面図である。 溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比を説明する断面図である。 溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比の関係を示す説明図である。 溶金の溶け込み幅に対する溶金の溶け込み深さの比と投入熱量との関係を示す説明図である。 本発明の一実施例の結果を示す説明図である。
符号の説明
1 液化ガスタンク
2 内槽
2A 環状部材
2B 環状部材
2C 胴部
2I 内部
3 断熱材
4 外槽
10 溶接装置
11 溶接ヘッド
16 シールドガスボンベ
17 レーザー発生装置
18 光ケーブル
19 ガス配管
20 開先
20B 開先底部
21 ルートフェース
221 第1溶接ビード層
222 第2溶接ビード層
223 第3溶接ビード層

Claims (6)

  1. レーザーを用いて溶接対象部材同士を接合するにあたり、
    前記溶接対象部材同士の突合せ部に狭開先を設けるとともに前記開先の底部に曲率を設け、
    また前記溶接対象部材同士の突合せ部にはルートフェースを設け、かつ、
    溶接ビード層を積層する際には、前記溶接ビード層を構成する溶金の溶け込み幅に対する前記溶金の溶け込み深さの比を所定の範囲とすることを特徴とする溶接方法。
  2. 前記溶金の溶け込み幅に対する前記溶金の溶け込み深さの比は、1以上1.4以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記溶金の溶け込み深さ方向における前記ルートフェースの寸法は、1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接方法。
  4. すでに溶接された溶接ビード層の、積層される次の溶接ビード層側における表面を凹形状とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶接方法に用いる溶接ワイヤの単位質量あたりにおける投入熱量は、10kJ/cm・g以上27kJ/cm・g以下とすることを特徴とする溶接方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接方法によって、少なくとも、液化ガスを貯蔵する槽を構成する溶接対象部材を溶接することを特徴とする液化ガスタンクの製造方法。
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