JP2007189206A - 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007189206A
JP2007189206A JP2006328295A JP2006328295A JP2007189206A JP 2007189206 A JP2007189206 A JP 2007189206A JP 2006328295 A JP2006328295 A JP 2006328295A JP 2006328295 A JP2006328295 A JP 2006328295A JP 2007189206 A JP2007189206 A JP 2007189206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deflector
charged particle
particle beam
deflection
shot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006328295A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Abe
隆幸 阿部
Jun Yashima
純 八島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nuflare Technology Inc
Original Assignee
Nuflare Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nuflare Technology Inc filed Critical Nuflare Technology Inc
Priority to JP2006328295A priority Critical patent/JP2007189206A/ja
Publication of JP2007189206A publication Critical patent/JP2007189206A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

【課題】より描画時間を短縮させる方法および装置を提供する。
【解決手段】描画装置100は、電子ビーム200を偏向せずに通過させることでビームONさせ、偏向することでビームOFFさせるBLK偏向器212と、電子ビーム200を偏向して成形する成形偏向器205と、電子ビーム200を試料101の所定の位置に偏向する対物偏向器208と、を備える。上述した偏向器のうち少なくとも2つの偏向器が、同時期に異なるショットの電子ビーム200を偏向制御するため、次のショットを早く照射することができるので、その分、描画時間を短縮することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置に係り、例えば、偏向器を用いて電子ビームを偏向させる電子ビーム描画装置に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図13は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線描画装置(EB(Electron beam)描画装置)では、以下のように描画される。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向される。そして、可変成形開口421の一部を通過して、ステージ上に搭載された試料340に照射される。その際、ステージは、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動している。すなわち、開口411と可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
一般に電子線描画装置の電子光学系の全体制御は、電子線330を試料340に照射するショット毎に行なわれる。すなわち、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備が行なわれる。そして、かかる次のショットが照射される。電子線描画装置では、複数の偏向器によって偏向されながら電子線330が試料340まで到達することになる。ここで、1つのショットが終了した後に、各偏向器に電圧を印加するアンプの準備期間が、次のショットの準備期間(いわゆるセトリングタイム)として必要となる。
ここで、セトリングタイムに関連した技術として、一番長いアンプの準備期間に合わせるとする技術が文献に開示されている(例えば、特開昭63−92020号公報参照)。
特開昭63−92020号公報
LSIの集積度の増加により、電子線描画装置によるマスク描画時間や直接ウェハ等に描画する場合の直接描画時間は爆発的に増加している。これに対応するためには、電子線描画装置で使用する電子ビームの電流密度を上げる、或いはショット間のセトリングタイムを短くするなどの工夫が必要となる。ここで、上述したように、従来の手法では、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備を行なっていた。このような手法では、電子ビームの電流密度を上げることで照射時間を短くし、かつ、各偏向器用のアンプの性能を上げてセトリングタイムを短くするようにしたとしてもシステムに限界がある。そのためそれ以上の描画時間の短縮を行なうことが困難となる。
そこで、本発明は、かかる問題点を克服し、より描画時間を短縮させる方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームのショットを照射し、前記荷電粒子ビームの光路上に配置される複数の偏向器を用いて、前記荷電粒子ビームを偏向して、試料にパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法であって、
前記複数の偏向器のいずれかが、同時期に他の偏向器が偏向制御しているショットとは異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御することを特徴とする。
かかる構成にすることにより、まず、荷電粒子ビームの電流密度を上げることができる。その結果、照射時間を短くすることができる。照射時間を短くすることができるので、1ショットあたりのビーム長を短くすることができる。そして、短くなった各ショットの荷電粒子ビームについて、複数の偏向器のいずれかが、同時期に他の偏向器が偏向制御しているショットとは異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御することで、同時期に複数のショットを偏向制御することができる。よって、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備が行なう従来の手法に比べて次のショットを早く照射することができる。
そして、上述した荷電粒子ビームの各ショットについて複数の偏向器にパイプライン処理を行なわせることを特徴とする。パイプライン処理を行なわせることで、次々とショットすることができる。
本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームのショットを照射し、
そのショットの荷電粒子を偏向させて試料にパターンを描画し、
前記荷電粒子が所定の偏向量を得るためのベースとなる偏向器を複数段に分割した複数の偏向器を用いて、前記荷電粒子の移動に合わせて前記複数の偏向器に独立に電圧を印加し、
前記複数の偏向器のうちのひとつがあるショット用の偏向を行っている時に少なくとも他のひとつによって次のショットの偏向準備が始められ、
照射される前記荷電粒子に前記複数偏向器の合計としての適切な電圧を印加する制御を行うことを特徴とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームを偏向しないことでビームONさせ、偏向することでビームOFFさせる第1の偏向器と、
荷電粒子ビームを偏向して成形する第2の偏向器と、
荷電粒子ビームを試料の所定の位置に偏向する第3の偏向器と、
を備えた荷電粒子ビーム描画装置であって、
第1と第2と第3の偏向器のうち少なくとも2つの偏向器が、同時期に異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御することを特徴とする。
上述したように、第1と第2と第3の偏向器のうち少なくとも2つの偏向器が、同時期に異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御することで、同時期に複数のショットを偏向制御することができる。よって、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備が行なう従来の手法に比べて次のショットを早く照射することができる。
上述したように、荷電粒子ビームの電流密度を上げることで、1ショットあたりのビーム長を短くして、同時期に複数のショットが描画装置内を走行するようにさせることができる。しかし、同時期に複数のショットが描画装置内を走行するようになりショット間が短くなってくると、場合によっては各偏向器で荷電粒子を偏向している間に次のショットを偏向するための準備に入る時間となってしまい、偏向途中で制御不能になる恐れが生じる。そこで、荷電粒子が所定の偏向量を得るための偏向器を複数段に分割した複数段の偏向器を用いて、荷電粒子の移動に合わせてかかる複数段の偏向器に独立に電圧を印加することで、既に荷電粒子が通過した偏向器については次の偏向のための準備に入らせることができる。よって、偏向途中で制御不能になる場合を回避することができる。
また、荷電粒子ビーム描画装置は、さらに、
同じショットの荷電粒子ビームを第1と第2と第3の偏向器によって順に偏向させるための第1と第2と第3のタイミング信号をそれぞれ生成して出力する複数のタイミング信号生成部を備えると好適である。
そして、複数のタイミング信号生成部は、互いに独立して前記第1と第2と第3のタイミング信号を生成する。
また、荷電粒子ビーム描画装置は、さらに、
上述した第1のタイミング信号を受信し、第1のタイミング信号に基づいて第1の偏向器に電圧を印加する第1の電圧印加部と、
第2のタイミング信号を受信し、第2のタイミング信号に基づいて第2の偏向器に電圧を印加する第2の電圧印加部と、
第3のタイミング信号を受信し、第3のタイミング信号に基づいて第3の偏向器に電圧を印加する第3の電圧印加部と、
を備えると好適である。
また、荷電粒子ビーム描画装置は、さらに、
第1の電圧印加部に出力するための第1の偏向信号を一時的に蓄積する第1のバッファと、
第2の電圧印加部に出力するための第2の偏向信号を一時的に蓄積する第2のバッファと、
第3の電圧印加部に出力するための第3の偏向信号を一時的に蓄積する第3のバッファと、
を備えると好適である。
また、荷電粒子ビーム描画装置は、さらに、
第1と第2と第3の偏向信号を生成し、第1と第2と第3のバッファにそれぞれ分配する分配部を備えると好適である。
そして、荷電粒子ビームの各ショットについて第1と第2と第3の偏向器にパイプライン処理を行なわせる。
また、本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームを照射する照射部と、
各偏向器長が荷電粒子ビームにおける各荷電粒子が所定の偏向量を得るための偏向器長より短く形成された複数段の偏向器と、
荷電粒子の移動に合わせて上述した複数段の偏向器に独立に電圧を印加する電圧印加部と、
を備えたことを特徴とする。
かかる構成により、各荷電粒子に複数段の偏向器を通過させることで、各荷電粒子に所定の偏向量の偏向をさせるようにすることができる。そして、荷電粒子の移動に合わせて上述した複数段の偏向器に独立に電圧を印加することで、既に荷電粒子が通過した偏向器については次の偏向のための準備に入らせることができる。よって、上述したように偏向途中で制御不能になる場合を回避することができる。
そして、複数段の偏向器は、各段がそれぞれ分離していることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、1ショットあたりのビーム長が短くなった各ショットの荷電粒子ビームについて、次のショットを早く照射することができるので、その分、描画時間を短縮することができる。また、本発明の他の態様によれば、偏向途中で制御不能になる場合を回避することができるので、ショット時間とショット間の待ち時間を短くすることができる。よって、その分、描画時間を短縮することができる。
以下、各実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の他の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
図1において、荷電粒子ビーム描画装置の一例として可変成形型電子線描画装置である描画装置100を示す。描画装置100は、試料101上にパターンを描画する。描画装置100は、描画部150と制御系を備えている。描画部150は、電子鏡筒102、描画室103、XYステージ105、電子銃201、照明レンズ202、ブランキング(BLK)偏向器212、ブランキング(BLK)アパーチャ214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、成形偏向器205、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、対物偏向器208、反射ミラー209を有している。制御系は、コンピュータとなる制御計算機(CPU)120、メモリ122、偏向制御回路112、レーザ測長系132、駆動回路114、偏向アンプ142、デジタル/アナログ変換器(DAC)152、バッファメモリ162、偏向アンプ144、デジタル/アナログ変換器(DAC)154、バッファメモリ164、偏向アンプ146、デジタル/アナログ変換器(DAC)156、バッファメモリ166を有している。
そして、電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、BLK偏向器212、BLKアパーチャ214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、成形偏向器205、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、対物偏向器208が配置されている。描画室103には、XYステージ105が配置され、XYステージ105には、レーザ測長用の反射ミラー209が配置されている。
例えば静電型のBLK偏向器212(第1の偏向器の一例)は、電子ビーム200を偏向せずに通過させることでビームONさせ、偏向することでビームOFFさせる。そして、例えば静電型の成形偏向器205(第2の偏向器の一例)は、BLK偏向器212に対して光路上の後段に配置され、電子ビーム200を偏向して成形する。そして、例えば静電型の対物偏向器208(第3の偏向器の一例)は、成形偏向器205に対して光路上の後段に配置され、電子ビーム200を試料101の所定の位置に偏向する。
CPU120には、メモリ122、偏向制御回路112、レーザ測長系132、駆動回路114が図示していないバスを介して接続されている。偏向制御回路112、駆動回路114は、CPU120により制御されている。CPU120に入力された情報や演算結果等はメモリ122に格納(記憶)される。偏向制御回路112には、さらに、レーザ測長系132、バッファメモリ162、バッファメモリ164、バッファメモリ166が図示していないバスを介して接続されている。バッファメモリ162には、DAC152が接続され、DAC152には、偏向アンプ142が接続され、そして、偏向アンプ142は、BLK偏向器212に接続される。同様に、バッファメモリ164には、DAC154が接続され、DAC154には、偏向アンプ144が接続され、そして、偏向アンプ144は、成形偏向器205に接続される。同様に、バッファメモリ166には、DAC156が接続され、DAC156には、偏向アンプ146が接続され、そして、偏向アンプ146は、対物偏向器208に接続される。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
電子銃201から照射された電子ビーム200は、照明レンズ202により集光されてBLKアパーチャ214でクロスオーバーを形成して通過した後、矩形例えば長方形の穴を持つ第1の成形アパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1の成形アパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2の成形アパーチャ206上に投影される。かかる第2の成形アパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、成形偏向器205によって制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2の成形アパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、対物偏向器208により偏向される。そして、移動可能に配置されたXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。XYステージ105は、駆動回路114によりXY方向に駆動される。また、XYステージ105の位置は、レーザ測長系132から照射されたレーザを反射ミラー209で反射して、かかる反射光をレーザ測長系132が受光することで測長される。
また、電子鏡筒102内およびXYステージ105が配置された描画室内は、図示していない真空ポンプにより真空引きされ、大気圧よりも低い圧力となる真空雰囲気となっている。
BLK偏向器212は、偏向制御回路112、バッファメモリ162、DAC152、偏向アンプ142によって制御される。成形偏向器205は、偏向制御回路112、バッファメモリ164、DAC154、偏向アンプ144によって制御される。そして、対物偏向器208は、偏向制御回路112、バッファメモリ166、DAC156、偏向アンプ146によって制御される。
試料101上の電子ビーム200の位置を移動する場合、或いは照射時間に達した場合、試料101上の不必要な領域に電子ビーム200が照射されないようにするため、静電型のBLK偏向器212で電子ビーム200を偏向する。そして、偏向された電子ビーム200をBLKアパーチャ214で電子ビーム200をカットする。その結果、電子ビーム200が試料101面上に到達しないようにする。BLK偏向器212で電子ビーム200を偏向してBLKアパーチャ214で電子ビーム200をカットすることで、所定の長さの電子ビーム長の電子ビーム200の各ショットを形成することができる。すなわち、ビームOFF(ブランキングON)の場合、BLK偏向器212により電子ビーム200が偏向されてBLKアパーチャ214で電子ビーム200がカットされる。ビームON(ブランキングOFF)の場合、電子ビーム200がBLK偏向器212では偏向されずにBLKアパーチャ214を通過する。そして、図1において電子ビーム200b或いは電子ビーム200cで記載した試料101へと進むショットビームとなる。
図2は、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備を行なう場合の電子ビームの進行状況を説明するための図である。図2(a)から2(d)では、時間変化に伴う各状態を示している。本明細書では、以降、加速電圧を50kVとし、また電子銃201から試料101までを約1mと仮定する。
従来の1ショットの照射時間及びショット間の待ち時間が30〜40ns程度のシステムでは、位置や成型用の偏向器がある所定の電圧になっている状態で電子を試料上に照射する。そして、所定の照射時間経過した後、ブランキング偏向器に電圧を加えて、ビーム照射を終了させる。そして、位置や成型用の偏向器に次のショット用の電圧を加え、偏向器の電圧が所定電圧になるまで待つ。この待ち時間がショット間の待ち時間である。すなわち、このような制御では、1ショットの照射毎に位置、成型偏向器全体の電圧制御が行われる。
描画時間の短縮のため、電子ビーム200の電流密度を上げることで照射時間を短くし、偏向器が安定するまでの時間を短くする(偏向器の高速化)する方法がある。例えば、1ショットの照射時間を2nsとし、偏向器の安定時間を2n秒とする。しかし、上述した従来の“1ショットの照射毎に位置、成型偏向器全体の電圧制御が行う方法”では、描画時間の十分な短縮は得られない。すなわち、ショット時間を従来の40n秒から2n秒にしても描画時間を1/20とすることはできない。
これを以下に説明する。50kVで加速された電子が2nsの1ショット照射時間に走行する距離は約24cmである。図2では、試料101に到達する各ショット分の電子ビームを記載している。すなわち、BLK偏向器212で偏向されてBLKアパーチャ214でカットされる分の電子ビーム200は除いている。
かかる電子ビーム長のショットを行なう場合、図2(a)に示すように電子銃201から1ショット分の電子ビーム200が照射されると、かかる1ショット分の電子ビーム200は、図2(b)に示すようにBLK偏向器212で偏向されずに通過する。その後、図2(c)に示すようにマスク等の試料101に到達し、試料101を照射する。そして、図2(c)の状態から図2(d)の状態になった時点で、1ショット分のビームの照射が終わり、そこから次のショットの準備のために、偏向器への電圧印加が始まる。その後所定電圧に達するまで時間Tだけ待ち、次のショットを照射し始める。
前のショットの照射が終了し、この次のショットが試料に到達するまでの時間は、次のふたつの時間の和となる。すなわち、(i)偏向電圧が安定するまでの時間Tと、(ii)次の電子が電子光学系の鏡筒を通って試料面に到達するまでの時間Tbのふたつである。
後者の時間Tbは、電子銃先端から試料面までの距離1mを(50kVで加速された)電子が走行する時間であり、約8n秒である。仮に偏向器の電圧安定時間Tを2n秒としても、TとTbの合計は8+2n秒=10n秒となる。よってショットサイクル(あるショットを照射し終えてから次のショットを照射し終えるまでの時間)は10+2n秒=12n秒となる。図2で説明した例ではショット時間30n秒、偏向器の安定時間30n秒でショットサイクル60n秒となる。ここでの例では、ショット時間2n秒、偏向器の安定時間を2n秒と、全体を1/15とした。しかし、上記電子の走行時間8n秒があるため、ショットサイクルは12n秒となり、1/5の短縮効果しかない。すなわち、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備を行なうのでは、システム上、かかる無駄な間隔を短くすることが困難となる。
図3は、実施の形態1における電子ビーム描画方法を行なう場合の電子ビームの進行状況を説明するための図である。図3(a)から3(d)では、時間変化に伴う各状態を示している。
ここでの荷電粒子ビーム描画方法では、電子ビーム200の光路上に配置される複数の偏向器を用いて、電子ビーム200を偏向制御しながら電子ビーム200のショットを照射する。これにより試料101に所定のパターンを描画する。このような荷電粒子ビーム描画方法においては、図3(a)から3(d)に示すように、複数の偏向器のいずれかが、同時期に他の偏向器が偏向制御しているショットとは異なるショットの電子ビーム200を偏向制御するように構成する。言い換えれば、BLK偏向器212と成形偏向器205と対物偏向器208とのうち少なくとも2つの偏向器が、同時期に異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御する。
具体的には、図3(a)に示すように、n番目のショットが成形偏向器205で偏向されながら通過している同時期に、電子銃201からはn+1番目のショットが照射され、その一部がBLK偏向器212を通過している。さらに、n−1番目のショットが試料101に照射され始め、残りの一部が対物偏向器208で偏向されている。そして、図3(b)に示すように、n+1番目のショットが成形偏向器205で偏向されながら通過している同時期に、n番目のショットが対物偏向器208で偏向されながら通過している。そして、図3(c)に示すように、n+2番目のショットが成形偏向器205で偏向されながら通過している同時期に、n+1番目のショットが対物偏向器208で偏向されながら通過している。そして、図3(d)に示すように、n+3番目のショットが成形偏向器205で偏向され始めている同時期に、n+2番目のショットが対物偏向器208で偏向されながら通過している。
かかる処理をおこなうために以下のように制御する。まず、偏向制御回路112は、レーザ測長系132から反射ミラー209の位置、しいては試料101の位置情報を常時或いは所定の間隔で入力している。そして、偏向制御回路112は、偏向信号をバッファメモリ162とバッファメモリ164とバッファメモリ166とに分配していく。ここでの分配にあたって、試料101の位置情報に基づいて、BLK偏向器212には偏向をoffとする時間(すなわちビームをonとする時間)を、また、成形偏向器205と対物偏向器208の各偏向器には偏向すべき偏向量を指示する信号(偏向信号)を電子ビーム200の各ショットの移動に合わせてパイプライン処理が行なえるように分配していく。バッファメモリ162で一時的に蓄積された信号(ビームon時間のデータ)は、DAC152に出力され、DAC152は、後述するタイミングで、そのデータに記述される時間の間だけ、ビームをonするように偏向アンプ142の電圧を調整し、BLK偏向器212に出力し、BLK偏向器212に電圧を印加する。同様に、バッファメモリ164で一時的に蓄積された信号は、DAC154に出力され、DAC154は後述するタイミングで、そのデータをデジタル/アナログ変換する。そして、アナログの電圧信号となって、所望する時間だけ偏向アンプ144に出力される。そして、アナログの電圧信号は、偏向アンプ144で増幅されて成形偏向器205に出力され、成形偏向器205に電圧を印加する。同様に、バッファメモリ166で一時的に蓄積された信号は、DAC156に出力され、DAC156は後述するタイミングで、そのデータをデジタル/アナログ変換する。そして、アナログの電圧信号となって、所望する時間だけ偏向アンプ146に出力される。そして、アナログの電圧信号は、偏向アンプ146で増幅されて対物偏向器208に出力され、対物偏向器208に電圧を印加する。
図4は、実施の形態1における信号分配を説明するための図である。
図4において、偏向制御回路112は、分配回路180、タイミングコントローラ190、複数の遅延回路192,194,196(タイミング信号生成部の一例)を有している。遅延回路192,194,196は、それぞれタイミングコントローラ190に制御される。偏向制御回路112内において、分配回路180は、試料101の位置情報に基づいて例えば第n番目のショットについての偏向信号をバッファメモリ162とバッファメモリ164とバッファメモリ166とに分配する。タイミングコントローラ190は、各バッファメモリに偏向信号が分配されたことを確認する。そして、遅延回路192に動作開始の信号を出力する。すると、遅延回路192は、第n番目のショットに対して、まず、DAC152にタイミング信号を送信する。そして、所定の時間T1後に、今度はDAC154にタイミング信号を送信する。さらに所定の時間T2後に、今度はDAC156にタイミング信号を送信する。このように、遅延回路192は、独立して各DAC154用のタイミング信号を生成し、各DACにタイミング信号を送信する。
図5は、実施の形態1におけるタイミング信号のフローチャート図である。
ここでは、例えば、遅延回路192が送信したタイミング信号を(1)で示している。例えば、パルス信号を送信する。DAC152は、このタイミング信号を受信するとバッファメモリ162経由で受け取ったデータ(ビームのon時間)だけ、ビームをonするアナログの電圧信号を偏向アンプ142に出力する。このようにして、DAC152(電圧印加部の一例)は、偏向アンプ142を介してBLK偏向器212に電圧を印加する。また、DAC152に出力し終わった偏向信号は、バッファメモリ162から消去される。DAC152は指定された時間だけビームをonした後は、自動的にビームoffの電圧を生成、アンプを経由してBLK偏向器を制御してビームをoffする。
次に、DAC154は、T1後にタイミング信号を受信するとバッファメモリ164経由で受け取った偏向信号を上述したようにデジタル/アナログ変換する。そして、DAC154は、アナログの電圧信号を偏向アンプ144に出力する。このようにして、DAC154(電圧印加部の一例)は、偏向アンプ144を介して成形偏向器205に電圧を印加する。また、DAC154に出力し終わった偏向信号は、バッファメモリ164から消去される。
同様に、DAC156は、T2後にタイミング信号を受信するとバッファメモリ166経由で受け取った偏向信号を上述したようにデジタル/アナログ変換する。そして、DAC156は、アナログの電圧信号を偏向アンプ146に出力する。このようにして、DAC156(電圧印加部の一例)は、偏向アンプ146を介して対物偏向器208に電圧を印加する。また、DAC156に出力し終わった偏向信号は、バッファメモリ166から消去される。
この間、分配回路180は、第n+1番目のショットについての偏向信号をバッファメモリ162とバッファメモリ164とバッファメモリ166とに分配する。タイミングコントローラ190は、各バッファメモリに偏向信号が分配されたことを確認する。そして、今後は、遅延回路194に動作開始の信号を出力する。すると、遅延回路194が、このショットに対して、まず、DAC152にタイミング信号を送信する。そして、所定の時間T1後に、今度はDAC154にタイミング信号を送信する。さらに所定の時間T2後に、今度はDAC156にタイミング信号を送信する。図5では、遅延回路194が送信したタイミング信号を(2)で示している。以下同様に偏向信号が処理されて第n+1番目のショットが偏向制御される。
そして、分配回路180は、第n+2番目のショットについての偏向信号をバッファメモリ162とバッファメモリ164とバッファメモリ166とに分配する。タイミングコントローラ190は、各バッファメモリに偏向信号が分配されたことを確認する。そして、今後は、遅延回路196に動作開始の信号を出力する。すると、遅延回路196が、このショットに対して、まず、DAC152にタイミング信号を送信する。そして、所定の時間T1後に、今度はDAC154にタイミング信号を送信する。さらに所定の時間T2後に、今度はDAC156にタイミング信号を送信する。図5では、遅延回路196が送信したタイミング信号を(3)で示している。以下同様に偏向信号が処理されて第n+2番目のショットが偏向制御される。
ここで、図5に示すように、第n番目のショットについてのDAC156へのタイミング信号と、第n+1番目のショットについてのDAC152へのタイミング信号とが同時期に出力される場合も想定される。その際、1台の遅延回路だけでは、制御不能に陥ってしまう。これに対し、実施の形態1では、複数の遅延回路192,194,196を設けることで、出力タイミングが重なる場合でも対応することができる。
ここで、例えば、遅延時間T1は、次のように求めることができる。ブランキング偏向器から成型偏向器までの距離を電子線の速度で除した値をt0とする。遅延回路からDAC154までの距離をタイミング信号の信号速度で除した値をt1とする。遅延回路からDAC152までの距離をタイミング信号の信号速度で除した値をt2とする。遅延回路でのDAC154方向出力側での電気回路遅延時間をt3とする。遅延回路でのDAC152方向出力側での電気回路遅延時間をt4とする。DAC154の信号受信から偏向器動作までの時間をt5とする。DAC152の信号受信から偏向器動作までの時間をt6とする。成形偏向器が動作を開始し所定の電圧に達するまでの時間をt7とし、ブランキング偏向器が動作開始しビームonとなる電圧に達するまでの時間をt8とする。このような条件において、T1=t0−t1+t2−t3+t4−t5+t6−t7+t8で求めることができる。T2は、DAC154をDAC156と、DAC152をDAC154と、ブランキング偏向器を成型偏向器、成型偏向器を位置の偏向器と読み替えて同様に計算すればよい。図6は、1つのショットについて、各偏向器の制御、電圧の変化を示したものである。ブランキング偏向器側では、タイミング信号を受けた後、デジタル回路での遅れなどが発生した後、ブランキング偏向器の電圧が上昇始め、ある所定電圧に達するとビームがonとなりはじめ、所定時間後、ビームoffの電圧が印加され始める。DAC152に指示される時間は、これら遅れ時間などを考慮した時間の値が設定される。成型偏向器側でも同様に、タイミング信号を受け取った後、デジタル回路なででの遅れ時間が発生、その後偏向器の電圧が上昇し、所定の電圧に達する。その後、onとなるビームが通過する。逆に言えば、このように成型偏向器が所定電圧に達した後に、onのビームが成型偏向器部を通過するように、上述のT1のタイミングを調整すれば良い。なお、ブランキング偏向器のケースとは異なり、ここでは、onビームの通過後も自動的に電圧を変化させず、次のタイミング信号を待つ。位置に関する偏向器も成型偏向器と同様の動作をする。以上では、ブランキング偏向器、成型偏向器、位置偏向器の立ち上がり時間が同程度として、説明した。システムによっては、この立ち上がり時間が異なり、成型偏向器、位置偏向器の立ち上がり時間がブランキング偏向器の立ち上がり時間がながくなる場合もある。このようなケースでは、タイミング信号は成型偏向器や位置偏向器のDACへ先に送り、その後、ブランキング偏向器のDACに送れば良い。
以上のように、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備を行なうのではなく、自己の偏向器を通過したらすぐに次のショットの準備を行なう。このように動作させることで、偏向アンプの準備を早く開始することができ、セトリング時間を短縮することができる。その結果、複数の偏向器のいずれかが、同時期に他の偏向器が偏向制御しているショットとは異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御することができる。よって、同時期に複数のショットを偏向制御することができる。そして、BLK偏向器212と成形偏向器205と対物偏向器208とで、パイプライン処理を行なうことで、次々とショットすることができる。よって、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備が行なう従来の手法に比べて次のショットを早く照射することができる。その結果、描画時間を短縮することができる。例えば、上述したように、電子ビーム200の電流密度を上げることで照射時間を短くし、1ショットの照射時間を2nsとすると、電子ビーム長を約24cmと短くすることができる。そして、パイプライン処理を行なうことで、n番目のショットの最後とn+1番目のショットの最初との間隔(ビームOFF間隔)を約24cmに短縮することができる。なお、上記で成形偏向器、位置偏向器が所定の電圧に達するまでの時間は、電圧の変化量に依存するので、T1、T2はショット毎に変化させることになる。また、偏向器が所定の電圧に達するまでの時間が長い場合には、T1,T2の値がマイナスとなるがその場合は、成形偏向系に先に信号を送り、ブランキング偏向系に対しては−T1、−T2後に信号を送れば良い。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。
図7において、バッファメモリ172、バッファメモリ174、バッファメモリ176が偏向制御回路112内に配置されている点を除いて図1と同様である。また、図7では、図1で省略している分配回路180を記載している。バッファメモリ172には、DAC152が接続される。同様に、バッファメモリ174には、DAC154が接続される。同様に、バッファメモリ176には、DAC156が接続される。実施の形態1では、各バッファメモリが、偏向制御回路112からの出力信号の受け手側となる各偏向器側に配置されていたが、実施の形態2では、偏向制御回路112内に配置され、各偏向器への送り手側に配置されている点を除いて、実施の形態1と同様である。図7では、本実施の形態2を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
実施の形態2では、偏向制御回路112内の分配回路180が、偏向制御回路112内のバッファメモリ172とバッファメモリ174とバッファメモリ176とに分配していく。この分配も、実施の形態1と同様、試料101の位置情報に基づいてBLK偏向器212と成形偏向器205と対物偏向器208の各偏向器が偏向すべき偏向量を指示する信号を電子ビーム200の各ショットの移動に合わせてパイプライン処理が行なえるように分配していく。その他の構成および制御方法ならびに描画方法は、実施の形態1と同様である。タイミング信号の制御も実施の形態1と同様である。
以上のように、各偏向器への偏向信号を蓄積するバッファメモリを送り手側に配置しても実施の形態1と同様に複数の偏向器のいずれかが、同時期に他の偏向器が偏向制御しているショットとは異なるショットの電子ビーム200を偏向制御しながらパイプライン処理を行なうことができ、描画時間を短縮させることができる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3における描画装置の構成を示す概念図である。
図8において、描画装置100は、描画部150の一例となる電子鏡筒102、描画室103、XYステージ105、電子銃201、照明レンズ202、第1のBLK偏向器221、第2のBLK偏向器222、BLKアパーチャ214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、第1の成形偏向器224、第2の成形偏向器225、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、第1の対物偏向器226、第2の対物偏向器228、反射ミラー209を備え、制御系として、CPU120、メモリ122、偏向制御回路112、レーザ測長系132、駆動回路114、偏向アンプ142、DAC152、バッファメモリ162、偏向アンプ143、DAC153、バッファメモリ163、偏向アンプ144、DAC154、バッファメモリ164、偏向アンプ145、DAC155、バッファメモリ165、偏向アンプ146、DAC156、バッファメモリ166、偏向アンプ147、DAC157、バッファメモリ167を備えている。
そして、電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のBLK偏向器221、第2のBLK偏向器222、BLKアパーチャ214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、第1の成形偏向器224、第2の成形偏向器225、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、第1の対物偏向器226、第2の対物偏向器228が配置されている。描画室103には、XYステージ105が配置され、XYステージ105には、レーザ測長用の反射ミラー209が配置されている。
第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222は、電子ビーム200を偏向せずに通過させることでビームONさせ、偏向することでビームOFFさせる。第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222は、ブランキングのために電子が所定の偏向量を得るための偏向器長を持つBLK偏向器212を複数段に分割した複数段の偏向器となる。ここでは、一例として、BLK偏向器212を2段に分割した第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222とを示している。分割段数は、3段以上であっても構わない。分割された各偏向器は、互いに分離した形状で構成される。
そして、第1の成形偏向器224と第2の成形偏向器225は、第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222とに対して光路上の後段に配置され、電子ビーム200を偏向して成形する。第1の成形偏向器224と第2の成形偏向器225は、成形のために電子が所定の偏向量を得るための偏向器長を持つ成形偏向器205を複数段に分割した複数段の偏向器となる。ここでは、一例として、成形偏向器205を2段に分割した第1の成形偏向器224と第2の成形偏向器225とを示している。分割段数は、3段以上であっても構わない。分割された各偏向器は、互いに分離した形状で構成される。
そして、第1の対物偏向器226と第2の対物偏向器228は、第1の成形偏向器224と第2の成形偏向器225とに対して光路上の後段に配置され、電子ビーム200を試料101の所定の位置に偏向する。第1の対物偏向器226と第2の対物偏向器228は、試料101の所定の位置への偏向のために電子が所定の偏向量を得るための偏向器長を持つ対物偏向器208を複数段に分割した複数段の偏向器となる。ここでは、一例として、対物偏向器208を2段に分割した第1の対物偏向器226と第2の対物偏向器228とを示している。分割段数は、3段以上であっても構わない。分割された各偏向器は、互いに分離した形状で構成される。
CPU120には、メモリ122、偏向制御回路112、レーザ測長系132、駆動回路114が図示していないバスを介して接続されている。偏向制御回路112、駆動回路114は、CPU120により制御されている。CPU120に入力された情報や演算結果等はメモリ122に格納(記憶)される。偏向制御回路112には、さらに、レーザ測長系132、バッファメモリ162、バッファメモリ163、バッファメモリ164、バッファメモリ165、バッファメモリ166、バッファメモリ167が図示していないバスを介して接続されている。
バッファメモリ162には、DAC152が接続され、DAC152には、偏向アンプ142が接続され、そして、偏向アンプ142は、第1のBLK偏向器221に接続される。バッファメモリ163には、DAC153が接続され、DAC153には、偏向アンプ143が接続され、そして、偏向アンプ143は、第2のBLK偏向器222に接続される。
同様に、バッファメモリ164には、DAC154が接続され、DAC154には、偏向アンプ144が接続され、そして、偏向アンプ144は、第1の成形偏向器224に接続される。バッファメモリ165には、DAC155が接続され、DAC155には、偏向アンプ145が接続され、そして、偏向アンプ145は、第2の成形偏向器225に接続される。
同様に、バッファメモリ166には、DAC156が接続され、DAC156には、偏向アンプ146が接続され、そして、偏向アンプ146は、第1の対物偏向器226に接続される。バッファメモリ167には、DAC157が接続され、DAC157には、偏向アンプ147が接続され、そして、偏向アンプ147は、第2の対物偏向器228に接続される。
第1のBLK偏向器221は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ162、DAC152、偏向アンプ142によって制御され、電圧が印加される。第2のBLK偏向器222は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ163、DAC153、偏向アンプ143によって制御され、電圧が印加される。第1の成形偏向器224は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ164、DAC154、偏向アンプ144によって制御され、電圧が印加される。第2の成形偏向器225は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ165、DAC155、偏向アンプ145によって制御され、電圧が印加される。そして、第1の対物偏向器226は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ166、DAC156、偏向アンプ146によって制御され、電圧が印加される。第2の対物偏向器228は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ167、DAC157、偏向アンプ147によって制御され、電圧が印加される。
図8では、本実施の形態3を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。各偏向器が多段になった点、及び多段になった各偏向器を制御する偏向アンプ、DAC、バッファメモリが追加になった点以外は、図1と同様である。また、偏向制御回路112内にタイミング制御用のタイミングコントローラや複数の遅延回路が配置され、同様に制御される点も実施の形態1と同様である。
図9は、多段化していない偏向器を電子が通過する様子を説明するための図である。図9(a)から9(e)では、時間変化に伴う各状態を示している。
上述したように、荷電粒子ビームの電流密度を上げることで、1ショットあたりのビーム長を短くして、同時期に複数のショットが描画装置内を走行するようにさせることができる。しかし、同時期に複数のショットが描画装置内を走行するようになりショット間が短くなってくると、場合によっては各偏向器で電子を偏向している間に次のショットを偏向するための準備に入る時間となってしまい、偏向途中で制御不能になる恐れが生じる。以下、具体的に図面を用いて説明する。
図9(a)では、元の電圧「+V’」と「−V’」が偏向器の対向する電極に印加されている状態を示している。かかる状態から、次の電子を偏向するため、図9(b)に示すような電圧「+V」と「−V」が偏向器の対向する電極に印加されるように電圧変化を行なう。そして、図9(c)では、電圧「+V」と「−V」が偏向器の対向する電極に印加された状態のところへ電子が突入してきた状態を示している。そして、電子は、図9(d)に示すように偏向器を通過中は電圧「+V」と「−V」の偏向電圧で偏向される。しかし、図9(e)に示すように、まだ、電子が偏向器を通過し終わっていない状態で、次のショットを偏向するための準備に入る時間となってしまい電圧「+V」と「−V」から電圧「+V’’」と「−V’’」へと電圧変化を開始してしまうことになる。これでは、電子は、所望する位置へと偏向されなくなり制御不能に陥ってしまう。
そこで、本実施の形態では、電子が所定の偏向量を得るための偏向器を複数段に分割した複数段の偏向器を用いて、電子の移動に合わせて偏向制御回路112や対応する各DACや対応する各偏向アンプから複数段の偏向器に独立に電圧を印加する。以下、具体的に図面を用いて説明する。
図10は、実施の形態3における偏向方法を説明するための図である。図10(a)から10(e)では、時間変化に伴う各状態を示している。
図10(a)では、元の電圧「+V’」と「−V’」が上段の第1の偏向器の対向する電極に印加されている状態を示している。かかる状態から、次のショットの電子ビーム200nを偏向するため、図10(b)に示すような電圧「+V」と「−V」が上段の第1の偏向器の対向する電極に印加されるように電圧変化を行なう。下段の第2の偏向器の対向する電極には、上段の第1の偏向器に印加されていた元の電圧「+V’」と「−V’」が印加されるように電圧変化を行なう。そして、図10(c)では、電圧「+V」と「−V」が上段の第1の偏向器の対向する電極に印加された状態のところへ電子ビーム200nがかかる上段の第1の偏向器に突入してきた状態を示している。そして、電子ビーム200nが上段の第1の偏向器を通過している間に下段の第2の偏向器に印加されていた電圧「+V’」と「−V’」を上段の第1の偏向器にて偏向中の電子ビーム200nを偏向させるための電圧「+V」と「−V」へと電圧変化させる。その結果、図10(d)に示すように電子ビーム200nが下段の第2の偏向器に突入してきても所望する偏向量の偏向をさせることができる。さらに、図10(e)に示すように、電子ビーム200nが下段の第2の偏向器を通過中であっても、電子ビーム200nが上段の第1の偏向器を通過し終わって、次のショットを偏向するための準備に入る時間となったら上段の第1の偏向器に印加されていた電圧「+V」と「−V」を次のショットの電子ビーム200n+1を偏向させるための電圧「+V’’」と「−V’’」へと電圧変化を開始する。下段の第2の偏向器では、電子ビーム200nが通過中であるため、まだ、電圧「+V」と「−V」のままにしておく。
図10では、ある1つの偏向機能の偏向器について記載しているが、図8に示すように、第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222についても同様に、第1の成形偏向器224と第2の成形偏向器225についても同様に、第1の対物偏向器226と第2の対物偏向器228についても同様に、偏向制御することが望ましい。
以上のように、電子が所定の偏向量を得るための偏向器を複数段に分割した複数段の偏向器を用いて、電子の移動に合わせてかかる複数段の偏向器に独立に電圧を印加して、パイプライン処理を行なうことで、既に電子が通過した偏向器については次の偏向のための準備に入らせることができる。よって、偏向途中で制御不能になる場合を回避することができると共にセトリングタイムを短縮することができる。このように、ショット時間とショット間の待ち時間を短くすることができる。よって、その分、描画時間を短縮することができる。
ここでは、複数段の各偏向器の偏向器長が電子ビーム200における各電子が所定の偏向量を得るための偏向器長を複数段に分割しているが、これに限るものではなく、上述した所定の偏向量を得るための偏向器長より短く形成された偏向器を多段に組み合わせても好適である。
実施の形態4.
図11は、実施の形態4における描画装置の構成を示す概念図である。
図11において、図8において偏向制御回路112外に配置していた各バッファメモリの代わりに、バッファメモリ172、バッファメモリ173、バッファメモリ174、バッファメモリ175、バッファメモリ176、バッファメモリ177が、偏向制御回路112内に配置される。また、図8では、記載を省略した分配回路180を記載している。その他は、図8と同様である。
バッファメモリ172には、DAC152が接続される。バッファメモリ173には、DAC153が接続され。同様に、バッファメモリ174には、DAC154が接続される。バッファメモリ175には、DAC155が接続される。同様に、バッファメモリ176には、DAC156が接続される。バッファメモリ177には、DAC157が接続される。
実施の形態3では、各バッファメモリが、偏向制御回路112からの出力信号の受け手側となる各偏向器側に配置されていたが、実施の形態4では、偏向制御回路112内に配置され、各偏向器への送り手側に配置されている点を除いて、図8と同様である。図11では、本実施の形態4を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
実施の形態4では、偏向制御回路112内の分配回路180が、偏向制御回路112内のバッファメモリ172とバッファメモリ173とバッファメモリ174とバッファメモリ175とバッファメモリ176とバッファメモリ177とに分配していく。この分配では、試料101の位置情報に基づいて第1のBLK偏向器221及び第2のBLK偏向器222と第1の成形偏向器224及び第2の成形偏向器225と第1の対物偏向器226及び第2の対物偏向器228の各偏向器が偏向すべき偏向量を指示する信号(偏向信号)を電子ビーム200の各ショットの移動に合わせてパイプライン処理が行なえるように分配していく。
そして、バッファメモリ172で一時的に蓄積された信号は、所望するタイミングでDAC152に出力される。そして、DAC152は、偏向アンプ142を介して所望するタイミングで第1のBLK偏向器221に電圧を印加する。バッファメモリ173で一時的に蓄積された信号は、所望するタイミングでDAC153に出力される。そして、DAC153は、偏向アンプ143を介して所望するタイミングで第2のBLK偏向器222に電圧を印加する。
同様に、バッファメモリ174で一時的に蓄積された信号は、所望するタイミングでDAC154に出力される。そして、DAC154は、偏向アンプ144を介して所望するタイミングで第1の成形偏向器224に電圧を印加する。バッファメモリ175で一時的に蓄積された信号は、所望するタイミングでDAC155に出力される。そして、DAC155は、偏向アンプ145を介して所望するタイミングで第2の成形偏向器225に電圧を印加する。
同様に、バッファメモリ176で一時的に蓄積された信号は、所望するタイミングでDAC156に出力される。そして、DAC156は、偏向アンプ146を介して所望するタイミングで第1の対物偏向器226に電圧を印加する。バッファメモリ177で一時的に蓄積された信号は、所望するタイミングでDAC157に出力される。そして、DAC157は、偏向アンプ147を介して所望するタイミングで第2の対物偏向器228に電圧を印加する。
その他の構成および制御方法ならびに描画方法は、実施の形態3と同様である。
以上のように、各偏向器への電圧印加タイミングを図るバッファメモリを送り手側に配置しても実施の形態3と同様に電子が所定の偏向量を得るための偏向器を複数段に分割した複数段の偏向器を用いて、電子の移動に合わせてかかる複数段の偏向器に独立に電圧を印加して、パイプライン処理を行なうことができる。そしてパイプライン処理を行なうことで、既に電子が通過した偏向器については次の偏向のための準備に入らせることができる。よって、偏向途中で制御不能になる場合を回避することができると共にセトリングタイムを短縮することができる。
実施の形態5.
図12は、実施の形態5における描画装置の構成を示す概念図である。
実施の形態5では、実施の形態3の構成に、さらに、ブランキング偏向機構を1セット増加した構成にした構成について説明する。すなわち、図8の構成における第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222の光路上の後段に、第1のBLK偏向器232と第2のBLK偏向器234を配置し、かかる第1のBLK偏向器232と第2のBLK偏向器234を制御するために、偏向アンプ148、DAC158、バッファメモリ168、偏向アンプ149、DAC159、バッファメモリ169を追加した点以外は、図8と同様である。図12では、本実施の形態5を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
偏向制御回路112には、CPU120のほかに、さらに、レーザ測長系132、バッファメモリ162、バッファメモリ163、バッファメモリ164、バッファメモリ165、バッファメモリ166、バッファメモリ167、バッファメモリ168、バッファメモリ169が図示していないバスを介して接続されている。
バッファメモリ168には、DAC158が接続され、DAC158には、偏向アンプ148が接続される。そして、偏向アンプ148は、第1のBLK偏向器232に接続される。バッファメモリ169には、DAC159が接続され、DAC159には、偏向アンプ149が接続される。そして、偏向アンプ149は、第2のBLK偏向器234に接続される。
第1のBLK偏向器232は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ168、DAC158、偏向アンプ148によって制御され、電圧が印加される。第2のBLK偏向器234は、電圧印加部の一例となる偏向制御回路112、バッファメモリ169、DAC159、偏向アンプ149によって制御され、電圧が印加される。
ここで、上段の第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222と下段の第1のBLK偏向器232と第2のBLK偏向器234とを第1のアパーチャ203及び第2のアパーチャ206の上流側に配置する。そして、下段の第1のBLK偏向器232と第2のBLK偏向器234の各電極には、上段の第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222の各電極と同じ電圧を逆方向に印加する。そのため、上段の第1のBLK偏向器221と第2のBLK偏向器222で偏向された電子ビーム200は、下段の第1のBLK偏向器232と第2のBLK偏向器234によって振り戻されるようにしても好適である。
かかる上段のBLK偏向器と下段のBLK偏向器とを用いて電子ビーム200を振り戻しながらブランキングする場合でも実施の形態3と同様に上段と下段の各BLK偏向器を複数段に分割してそれぞれ独立にパイプライン制御を行なうことで、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態5では、実施の形態3と同様、受け手側に各偏向器用のバッファメモリを配置しているが、実施の形態4のように送り手側、すなわち、偏向制御回路112側に配置しても構わないことは言うまでもない。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、各実施の形態では、BLKアパーチャ214を第1の成形アパーチャ203よりも光路上における上流側に配置しているが、これに限るものではない。例えば、BLKアパーチャ214を第2の成形アパーチャ206よりも光路上における下流側に配置しても好適である。特に、BLKアパーチャ214を第2の成形アパーチャ206よりも光路上における下流側に配置する場合、実施の形態5において説明したようにBLK偏向器を上段と下段との2段に配置し、同じ電圧を逆方向に印加することで電子ビーム200を振り戻す構成とするとなおよい。かかる構成にすることで、第1の成形アパーチャ203及び第2の成形アパーチャ206上での電流量および照射位置に変化を生じさせないようにすることができる。その結果、第1の成形アパーチャ203及び第2の成形アパーチャ206で発生する反射電子や2次電子の量を変化させず、ビームON(ブランキングOFF)の場合とチャージアップ状態を変化させないようにすることができる。よって、第1の成形アパーチャ203及び第2の成形アパーチャ206の光学的な重なりの程度が変化しないため、ビーム寸法を変化させないようにすることができる。さらに、第1の成形アパーチャ203及び第2の成形アパーチャ206に入射する電子ビーム200量もブランキングON/OFF時において変化しないため、第1の成形アパーチャ203及び第2の成形アパーチャ206の温度変化を起こさせず熱膨張によるビーム寸法の劣化を防止することができる。
また、上述した各実施の形態では、異なる偏向器で別のショットの偏向をしているとしているが、これに限るものではなく、例えば、ある偏向器Aで第nショット用の偏向を行っている時に、別の偏向器Bでは第n+1ショットの偏向の準備を行わせていても良い。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
さらに、実施例ではマスク描画の方法及びマスク描画用の描画装置について説明したが、荷電粒子を利用してウェハ上のレジストにパターンを露光する方法(直接描画)及びその装置にも適用可能である。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置、及びは、荷電粒子ビーム描画方法本発明の範囲に包含される。
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 図2は、1ショットの照射が終了した後に次のショットの準備を行なう場合の電子ビームの進行状況を説明するための図である。 図3は、実施の形態1における電子ビーム描画方法を行なう場合の電子ビームの進行状況を説明するための図である。 図4は、実施の形態1における信号分配を説明するための図である。 図5は、実施の形態1におけるタイミング信号のフローチャート図である。 図6は、1つのショットについて、各偏向器の制御、電圧の変化を示した図である。 図7は、実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。 図8は、実施の形態3における描画装置の構成を示す概念図である。 図9は、多段化していない偏向器を電子が通過する様子を説明するための図である。 図10は、実施の形態3における偏向方法を説明するための図である。 図11は、実施の形態4における描画装置の構成を示す概念図である。 図12は、実施の形態5における描画装置の構成を示す概念図である。 図13は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
符号の説明
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
112 偏向制御回路
114 駆動回路
120 CPU
122 メモリ
132 レーザ測長系
142,143,144,145,146,147,148,149 偏向アンプ
150 描画部
152,153,154,155,156,157,158,159 DAC
162,163,164,165,166,167,168,169,172,173,174,175,176,177 バッファメモリ
180 分配回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 第1の成形アパーチャ
204 投影レンズ
205 成形偏向器
206 第2の成形アパーチャ
207 対物レンズ
208 対物偏向器
209 反射ミラー
212 BLK偏向器
214 BLKアパーチャ
221,232 第1のBLK偏向器
222,234 第2のBLK偏向器
224 第1の成形偏向器
225 第2の成形偏向器
226 第1の対物偏向器
228 第2の対物偏向器
330 電子線
410 第1のアパーチャ
411 開口
420 第2のアパーチャ
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (10)

  1. 荷電粒子ビームのショットを照射し、
    前記荷電粒子ビームの光路上に配置される複数の偏向器を用いて、前記荷電粒子ビームを偏向して、試料にパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法であって、
    前記複数の偏向器のいずれかが、同時期に他の偏向器が偏向制御しているショットとは異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  2. 前記荷電粒子ビームの各ショットについて前記複数の偏向器にパイプライン処理を行なわせることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  3. 荷電粒子ビームのショットを照射し、
    そのショットの荷電粒子を偏向させて試料にパターンを描画し、
    前記荷電粒子が所定の偏向量を得るためのベースとなる偏向器を複数段に分割した複数の偏向器を用いて、前記荷電粒子の移動に合わせて前記複数の偏向器に独立に電圧を印加し、
    前記複数の偏向器のうちのひとつがあるショット用の偏向を行っている時に少なくとも他のひとつによって次のショットの偏向準備が始められ、
    照射される前記荷電粒子に前記複数偏向器の合計としての適切な電圧を印加する制御を行うことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  4. 荷電粒子ビームを偏向しないことでビームONさせ、偏向することでビームOFFさせる第1の偏向器と、
    前記荷電粒子ビームを偏向して成形する第2の偏向器と、
    前記荷電粒子ビームを前記試料の所定の位置に偏向する第3の偏向器と、
    を備えた荷電粒子ビーム描画装置であって、
    前記第1と第2と第3の偏向器のうち少なくとも2つの偏向器が、同時期に異なるショットの荷電粒子ビームを偏向制御することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記荷電粒子ビーム描画装置は、さらに、
    同じショットの荷電粒子ビームを前記第1と第2と第3の偏向器によって順に偏向させるための第1と第2と第3のタイミング信号をそれぞれ生成して出力する複数のタイミング信号生成部を備えたことを特徴とする請求項4記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  6. 前記複数のタイミング信号生成部は、互いに独立して前記第1と第2と第3のタイミング信号を生成することを特徴とする請求項5記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  7. 前記荷電粒子ビーム描画装置は、さらに、
    前記第1のタイミング信号を受信し、前記第1のタイミング信号に基づいて前記第1の偏向器に電圧を印加する第1の電圧印加部と、
    前記第2のタイミング信号を受信し、前記第2のタイミング信号に基づいて前記第2の偏向器に電圧を印加する第2の電圧印加部と、
    前記第3のタイミング信号を受信し、前記第3のタイミング信号に基づいて前記第3の偏向器に電圧を印加する第3の電圧印加部と、
    を備えたことを特徴とする請求項6記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  8. 前記荷電粒子ビーム描画装置は、さらに、
    前記第1の電圧印加部に出力するための第1の偏向信号を一時的に蓄積する第1のバッファと、
    前記第2の電圧印加部に出力するための第2の偏向信号を一時的に蓄積する第2のバッファと、
    前記第3の電圧印加部に出力するための第3の偏向信号を一時的に蓄積する第3のバッファと、
    を備えたことを特徴とする請求項7記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  9. 前記荷電粒子ビームの各ショットについて前記第1と第2と第3の偏向器にパイプライン処理を行なわせることを特徴とする請求項4記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  10. 荷電粒子ビームを照射する照射部と、
    各偏向器長が前記荷電粒子ビームにおける各荷電粒子が所定の偏向量を得るための偏向器長より短く形成された複数段の偏向器と、
    前記荷電粒子の移動に合わせて前記複数段の偏向器に独立に電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
JP2006328295A 2005-12-15 2006-12-05 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 Pending JP2007189206A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006328295A JP2007189206A (ja) 2005-12-15 2006-12-05 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005361338 2005-12-15
JP2006328295A JP2007189206A (ja) 2005-12-15 2006-12-05 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009277326A Division JP4852643B2 (ja) 2005-12-15 2009-12-07 荷電粒子ビーム描画装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007189206A true JP2007189206A (ja) 2007-07-26

Family

ID=38344121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006328295A Pending JP2007189206A (ja) 2005-12-15 2006-12-05 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007189206A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010073923A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nuflare Technology Inc 荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS577930A (en) * 1980-06-18 1982-01-16 Fujitsu Ltd Method for electron beam exposure and apparatus used in said method
JPS59220920A (ja) * 1983-05-31 1984-12-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電子ビ−ム露光装置
JPH06216013A (ja) * 1993-01-13 1994-08-05 Fujitsu Ltd 荷電粒子ビーム露光装置
JPH06309421A (ja) * 1993-04-21 1994-11-04 Hitachi Ltd 画像処理装置
JPH09159800A (ja) * 1995-12-05 1997-06-20 Toshiba Corp 荷電ビーム描画制御装置
JPH1154403A (ja) * 1997-08-01 1999-02-26 Toshiba Corp 荷電ビーム描画方法
JP2000011464A (ja) * 1998-06-29 2000-01-14 Fujitsu Ltd 電子ビーム照射方法及び装置
JP2004087636A (ja) * 2002-08-26 2004-03-18 Hitachi High-Technologies Corp 電子ビーム描画装置
JP2004146402A (ja) * 2002-10-21 2004-05-20 Advantest Corp 電子ビーム露光装置及び偏向量補正方法
JP2006318913A (ja) * 2005-05-14 2006-11-24 Fei Co 帯電粒子ビームの偏向信号補償

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS577930A (en) * 1980-06-18 1982-01-16 Fujitsu Ltd Method for electron beam exposure and apparatus used in said method
JPS59220920A (ja) * 1983-05-31 1984-12-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電子ビ−ム露光装置
JPH06216013A (ja) * 1993-01-13 1994-08-05 Fujitsu Ltd 荷電粒子ビーム露光装置
JPH06309421A (ja) * 1993-04-21 1994-11-04 Hitachi Ltd 画像処理装置
JPH09159800A (ja) * 1995-12-05 1997-06-20 Toshiba Corp 荷電ビーム描画制御装置
JPH1154403A (ja) * 1997-08-01 1999-02-26 Toshiba Corp 荷電ビーム描画方法
JP2000011464A (ja) * 1998-06-29 2000-01-14 Fujitsu Ltd 電子ビーム照射方法及び装置
JP2004087636A (ja) * 2002-08-26 2004-03-18 Hitachi High-Technologies Corp 電子ビーム描画装置
JP2004146402A (ja) * 2002-10-21 2004-05-20 Advantest Corp 電子ビーム露光装置及び偏向量補正方法
JP2006318913A (ja) * 2005-05-14 2006-11-24 Fei Co 帯電粒子ビームの偏向信号補償

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010073923A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nuflare Technology Inc 荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4852643B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置
JP4945380B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP6617066B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置
JP5693981B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP2009054944A (ja) 描画データの作成方法及び荷電粒子ビーム描画装置
JP2009088202A (ja) 荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法
JP5607413B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP2000150367A (ja) 荷電ビ―ム描画装置
JP6295035B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP6166910B2 (ja) カソードの動作温度調整方法、及び描画装置
JP2019106499A (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP2007189206A (ja) 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置
JP2007048805A (ja) 電子ビーム装置
JP4312205B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP5469531B2 (ja) 描画データの作成方法、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置
KR100337596B1 (ko) 다중 컬럼의 대전 입자 빔 리소그라피 시스템
JP2002260982A (ja) 可変面積型電子ビーム描画装置を用いた描画方法
JP5687838B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP6039970B2 (ja) セトリング時間の設定方法、荷電粒子ビーム描画方法、および荷電粒子ビーム描画装置
JP6174862B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画方法および荷電粒子ビーム描画装置
JP2007048804A (ja) 荷電ビーム描画装置及び荷電ビームの成形方法
JP2010073923A (ja) 荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法
KR20170083497A (ko) 하전 입자빔 묘화 장치 및 하전 입자빔 묘화 방법
JP2007048806A (ja) 電子ビーム装置
JP6478782B2 (ja) ビームドリフト量の測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100407

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100713