JP2007189005A - 半導体装置の実装構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンダーフィル部にボイド部が形成されるのを防ぐことができ、さらに、フリップチップ接続の確実性を高めることができ、実装基板の製造コストの増大を防ぐことができる半導体装置の実装構造を提供する。
【解決手段】半導体装置搭載部14の周囲には、半導体装置11の外周縁近傍に位置する凹部22が形成されている。凹部22は、半導体装置11の周囲を流れる樹脂の流速を減速させ得る。凹部22の半導体装置11側の端は半導体装置の主面11aよりも実装基板13側に位置する。
【選択図】図1A

Description

本発明は半導体装置の実装構造に関し、特にフリップチップ実装構造において、半導体装置と実装基板との間に生じる間隙に封止樹脂を注入する技術に有効な技術に関する。
半導体装置の実装構造としてはフリップチップ構造が知られている。フリップチップ構造では、半導体装置のバンプ電極が形成された面と、実装基板上のパッド電極が形成された面とを互いに対向させて、実装基板に半導体装置を搭載する構造である。このようなフリップチップ構造は、従来のワイヤボンディングや、リードフレームを用いた実装構造と比較して、実装に要する高さと、基板面積とを最小化できるため、近年の、特に携帯型電子機器に見られる軽薄短小化の趨勢に対応するのに有用な実装構造とされている。
半導体装置を実装基板にフリップチップ実装する場合、通常、半導体装置と実装基板との間の間隙部にアンダーフィルと呼ばれる封止樹脂を充填することによって、半導体装置と実装基板との接続部を保護する必要がある。
ここで、上記半導体装置は、いわゆるBGA(ボールグリッドアレイ)やCSP(チップサイズパッケージ)を用いた物でもよいし、ベアチップでもよい。また、上記半導体装置は、半導体ウエハ状態で最終絶縁膜やバンプ電極を形成した後に個片化して完成させるウエハレベルパッケージでもよい。
上記アンダーフィルを形成する目的としては、接続部の機械的に保護すると共に、半導体装置と実装基板との線熱膨張係数の違いにより、周辺温度の上下によって発生する熱応力を分散させることである。
上記アンダーフィルがない状況下においては、実装構造の周辺温度が上がったり下がったりすることや、電子機器自体の電源入/切による半導体装置の発熱が生じたり生じなかったりすることなどによって、半導体装置と実装基板との接続部に繰り返しの歪みが発生し、接続部が容易に破断にいたってしまうことが知られている。
上記アンダーフィルは、上記歪みを半導体装置と実装基板とが対向する面全体に分散させる効果があり、接続部の信頼性向上に役立っている。
また、上記半導体装置がベアチップである場合には、半導体装置が含む半導体素子を形成した面は薄いパシベーション膜で覆われているだけである。このような半導体素子を電子機器の使用環境下における湿度や有害なガスからアンダーフィルで保護することができる。
上記アンダーフィルを形成する場合、半導体装置を実装基板に実装した後に、半導体装置の周囲に液状樹脂を滴下し、毛細管現象により、半導体装置と実装基板との間の間隙に液状樹脂を充填した後、その液状樹脂を加熱硬化させる。
このようなアンダーフィルの形成手法においては、半導体装置と実装基板との間の間隙に、液状樹脂が充填されていない未充填部(以下「ボイド部」と称する)が残り、実装構造の信頼性を悪化させるという問題がある。
より詳しくは、上記半導体装置と実装基板との間の間隙にボイド部があると、使用環境下における湿気が、アンダーフィルを構成する樹脂分子の隙間を透過し、ボイド部に溜まり易くなる。このボイド部に溜まった湿気の水分が周辺温度の低下によって結露すると、半導体装置の半導体素子にリーク不良などの問題を生じさせる恐れがある。
また、上記ボイド部内に水分がある状態ではんだリフロー工程などが行われると、リフロー工程などによる周辺温度の急激な上昇により、ボイド部中の水分が気化することで急激に膨張して、ボイド部が破裂してしまう。その結果、上記アンダーフィルのボイド部以外の部分に亀裂や剥離が発生して、アンダーフィルとしての機能を有さなくなるような問題を生じさせる恐れがある。
したがって、上記アンダーフィル中のボイド部は皆無にする必要がある。
従来、上記ボイド部の形成を防ぐ方法としては、特開平10−50892号公報(特許文献1)に記載されたものがある。
この特開平10−50892号公報においては、半導体装置周囲に液状樹脂を滴下した場合に、半導体装置と実装基板との間の間隙に進入する液状樹脂の速度に比べて、半導体装置周辺部に回り込む液状樹脂の速度の方が速いと、ボイド部が形成されて、ボイド部による問題が起こると指摘されている。
より詳しくは、上記半導体装置の周囲における液状樹脂の滴下位置と、半導体装置の中心部とを通る仮想線を考え、この仮想線が液状樹脂の滴下側とは反対側の半導体装置外周縁と交わる点を考えた際に、この点への2種類の樹脂流れの到達時間の差異により、ボイド部生成の有無が決定付けられるという考え方である。すなわち、上記半導体装置周辺部を流れる樹脂の方が上記間隙を流れる樹脂より早く上記点に到達した場合には、ボイド部が発生するというものである。
このような理由で発生するボイド部を無くすため、特開平10−50892号公報では半導体装置周辺部の実装基板上の一部に突起部を設ける構造が提案されている。
しかしながら、特開平10−50892号公報には、後述するような問題がある。この問題を図6を用いて説明する。
図6に、特開平10−50892号公報の半導体装置の実装構造の概略断面図を示す。
上記実装構造では、実装基板113に半導体装置111を搭載し、実装基板113と半導体装置111との間の間隙に接続部117を形成している。この接続部117は、バンプ電極112と、このバンプ電極112に接続されたパッド電極116とで構成されている。
上記実装基板113の半導体装置111側の表面上にはアンダーフィル部121が形成されている。このアンダーフィル部121が実装基板113と半導体装置111との間の間隙を埋めている。
また、上記実装基板113の半導体装置111側の表面上には、半導体装置111の外周縁近傍に位置する突起部171が形成されている。この突起部171により、半導体装置111の周辺部の樹脂流れが阻害され、ボイド部の発生を無くしている。
しかし、上記半導体装置113の多ピン化と共に小型化が進み、バンプ電極112の狭ピッチ化が進む近年においては、突起部171のような突起を実際に設けて、半導体装置周辺部の樹脂の流れを阻害することは困難になってきている。
上記半導体装置周辺部の樹脂の流れを阻害することを困難にしている要因の1つが、半導体装置111と実装基板113との間の間隙の狭小化である。上記要因の1つはバンプ電極ピッチの狭小化とも関連している。
すなわち、上記バンプ電極ピッチが細かくなれば、バンプ電極112の面積が小さくなるため、バンプ電極112の製造上の困難性を避けるため、バンプ電極112の高さも低くなる。高さを低くしたバンプ電極112を用いた半導体装置111をフリップチップ接続する場合には、半導体装置111と実装基板113との間の間隙が自ずと狭くなってしまう。
また、上記バンプ電極112およびパッド電極116の双方をAuで形成し、バンプ電極112とパッド電極116とを接続するために熱圧着工法や超音波接続工法が用いられる場合も多い。これらの工法を採った場合は、バンプ電極112をある程度まで押し潰すことでバンプ電極112とパッド電極116との金属接続を実現するために、半導体装置111と実装基板113との間の間隙がさらに狭くなってしまう。
一方、上記バンプ電極ピッチの狭小化は、実装基板113上のパッド電極ピッチや、基板配線間隔の狭小化も伴う。その結果、基板配線間に加えられる電位差による電位勾配が大きくなる。これにより、空気中の湿度による絶縁抵抗の信頼性の問題が深刻になっている。つまり、基板配線間の電位勾配と、空気中の水分により、イオンマイグレーションの発生が問題になってきている。
上記基板配線間のイオンマイグレーション防止のためには当該配線間に水分の侵入を防ぐことが効果的である。そのため、実装基板113上において半導体装置111のなるべく近傍まで、有機樹脂膜を形成しておくことにより、基板配線のなるべく広い領域まで水分から保護することが行われている。
このような状況を反映した上で、上記突起部171を半導体装置111の周辺部に設置した場合の半導体装置の実装構造の模式断面図を図7に示す。
上記実装基板113上では、半導体装置搭載部114以外の箇所に有機樹脂膜115が形成されている。さらに、有機樹脂膜115上に突起部171が形成されている。
上記有機樹脂膜115は、絶縁信頼性維持のために一定の厚みが必要で、通常、10〜20μm程度の厚みを要している。耐湿絶縁信頼性の維持のため、有機樹脂膜115は、半導体装置111の外縁のすぐ近くまで形成されており、半導体装置111を半導体装置搭載部114に搭載した後、半導体装置111の外縁と有機樹脂膜111の開口縁との隙間は狭く、例えば、100μm程度しかない。そのため、突起部171は、有機樹脂膜115上に設けることになる。
ところで、上記バンプ電極112の高さは、製法やピッチなどに依存する。前述の熱圧着工法や超音波接続工法に用いられるAuバンプ電極112は、めっき工法で形成することが広く行われており、めっき工法の生産性から、高さはせいぜい50μm程度が上限であるが、バンプ電極112の狭ピッチ化によって、25μm程度まで低くなっている場合もある。
上記バンプ電極112の高さが25μm程度まで低くなっている場合には、フリップチップ接続時にバンプ電極112が潰されることを考慮すると、半導体装置111と実装基板113との間の間隙の高さは、20μmよりも小さくなる。その結果、半導体装置111と実装基板113の間隙の高さは有機樹脂膜115の厚さとほぼ同じになる。
したがって、上記実装基板113の半導体装置111側の面から突起部171の上面(実装基板113側の面とは反対側の面)までの高さが、実装基板113の半導体装置111側の面から半導体装置111の下面(実装基板113側の面)の高さよりも高くなる場合が生じる。この場合、実装基板113の製造時のバラツキによる有機樹脂膜115の開口の僅かな位置ずれにより、半導体装置111のフリップチップ接続時に、半導体装置111と突起部171とが当接して、フリップチップ接続が良好に行えない問題が生じる。
また、上記有機樹脂膜115は、通常、実装基板113の主面全面に塗布形成後のフォトリソグラフィによる選択除去や、印刷などによる選択塗布により形成される。通常は、ほぼ均一な膜厚で形成されることから、突起部171の形成のためには、別途突起物を設ける工程を追加する必要が生じる。再度の有機樹脂膜115形成や、別の材料の選択塗布などが必要であり、コスト増につながるため、効率的な手法だとはいえない。
上記により、従来技術では、フリップチップ接続の確実性や、実装基板113の製造コストに関する問題を抱えている。
特開平10−50892号公報
そこで、本発明の課題は、アンダーフィル部にボイド部が形成されるのを防ぐことができ、さらに、フリップチップ接続の確実性を高めることができ、実装基板の製造コストの増大を防ぐことができる半導体装置の実装構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の半導体装置の実装構造は、
主面に複数のバンプ電極が配置された半導体装置と、
上記半導体装置を搭載する半導体装置搭載部を有すると共に、上記複数のバンプ電極の位置に対応して形成された複数のパッド電極を上記半導体装置搭載部の上記半導体装置側の表面に有する実装基板と、
を備え、
上記複数のバンプ電極と上記複数のパッド電極とがフリップチップボンディングで接続され、上記半導体装置と上記実装基板との間に樹脂が充填されてなる半導体装置の実装構造において、
上記半導体装置搭載部の周囲に形成されて上記半導体装置の外周縁近傍に位置すると共に、上記半導体装置の周囲を流れる上記樹脂の流速を減速させ得る凹部を備え、
上記凹部の上記半導体装置側の端は上記半導体装置の主面よりも上記実装基板側に位置することを特徴としている。
上記構成の半導体装置の実装構造によれば、上記半導体装置と実装基板との間に樹脂を充填するために、半導体装置の周囲の滴下位置に液状樹脂を滴下した場合、半導体装置搭載部の周囲には、半導体装置の外周縁近傍に位置する凹部が形成されているから、液状樹脂は半導体装置の周囲を流れて凹部内に流入する。これにより、上記液状樹脂は凹部内の空間を埋め尽くすまで、凹部より先へ進むことができない。この液状樹脂が凹部内の空間を埋め尽くす時間によって、半導体装置周辺部を回り込む液状樹脂の進行に遅れが生じる。つまり、上記凹部によって、半導体装置の周囲を流れる液状樹脂の流速が減速する。
したがって、上記半導体装置の周囲を流れる液状樹脂の流速よりも、半導体装置と実装基板の間隙を流れる液状樹脂の流速の方が早くなって、半導体装置と半導体装置搭載部との間で液状樹脂のボイド生成が起きないという効果を奏する。
また、上記凹部の半導体装置側の端は半導体装置の主面よりも実装基板側に位置するから、凹部がフリップチップボンディング時に半導体装置に当接するのを防いで、フリップチップ接続の確実性を高めることができる。
また、上記凹部は例えば実装基板に形成できるから、凹部を形成するだけのための材料は必要なく、製造コストの増大を防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記半導体装置と上記実装基板との間に上記樹脂を充填するために、上記半導体装置の周囲の滴下位置に液状樹脂を滴下する場合、
上記滴下位置から上記半導体装置の外周縁に沿ってその外周縁の全周の2分の1進んだ点を外周経路最遠点とし、かつ、上記半導体装置の外周縁に関して上記滴下位置から直線距離で最も離れた点を距離最遠点としとき、
上記滴下位置から上記半導体装置の外周縁に沿って最短距離で上記外周経路最遠点に達する経路と、上記滴下位置から上記半導体装置の外周縁に沿って最短距離で上記距離最遠点に達する経路とうちの少なくとも一方には、上記凹部が形成されている。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記滴下位置から半導体装置の外周縁に沿って最短距離で外周経路最遠点に達する経路と、滴下位置から半導体装置の外周縁に沿って最短距離で距離最遠点に達する経路とうちの少なくとも一方に凹部を形成するので、半導体装置の外周縁に沿って流れる液状樹脂よりも、半導体装置と実装基板との間を流れる液状樹脂を外周経路最遠点,距離最遠点とのうちの少なくとも一方に早く到達させることができる。
したがって、上記半導体装置と半導体装置搭載部との間において外周経路最遠点,距離最遠点のうちの少なくとも一方の近傍に樹脂のボイドが生成されるのを確実に防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記凹部は上記滴下位置を含む。
なお、この実施形態で、上記凹部の開口縁は、近傍にある半導体装置の外周縁の一辺に平行な辺が、その辺に垂直な辺よりも長い略長方形であることが望ましい。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記凹部が滴下位置を含むことによって、滴下位置に滴下した液状樹脂が凹部内の空間を埋め尽くす時間だけ、半導体装置の外周縁に沿って液状樹脂が流れ始める時間が遅くなる。これにより、上記半導体装置が液状樹脂で取り囲まれる時間よりも、半導体装置と半導体装置搭載部との間隙が液状樹脂で満たされる時間の方を確実に早くすることができる。
したがって、半導体装置と半導体装置搭載部との間の樹脂にボイドが生成されるのを確実に防ぐことができるという効果を奏する。
また、上記凹部が上記長方形の場合には、その効果をさらに高めることができる。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記凹部は、上記半導体装置搭載部の外周縁に関して上記外周経路最遠点の近傍領域を通る辺以外の辺に隣接する。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記半導体装置搭載部の外周縁に関して外周経路最遠点の近傍領域を通る辺以外の辺に凹部を隣接させることによって、半導体装置周辺部を回り込むように流れ進む液状樹脂の流路の途中に凹部が位置することになる。
したがって、上記半導体装置周辺部を回り込むように流れ進む液状樹脂の速度を確実に落とすことができる。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記外周経路最遠点の近傍領域を通る辺以外の辺は2辺あり、この2辺のうちの少なくとも一方に上記凹部を隣接させている。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記2辺のうちの少なくとも一方に凹部を隣接させていることによって、液状樹脂が半導体装置と半導体装置搭載部との間を流れて外周経路最遠点,距離最遠点に達する時間に比べて、液状樹脂が滴下位置から半導体装置の外周縁に沿って最短距離で外周経路最遠点に達する時間と、液状樹脂が滴下位置から半導体装置の外周縁に沿って最短距離で距離最遠点に達する時間とを確実に長くすることができる。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記凹部の底面は、上記樹脂との濡れ性に優れた材質で形成されている。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記樹脂との濡れ性に優れた材質で凹部の底面を形成することによって、樹脂が凹部の底面にはじかれることが起こらないので、半導体装置の周囲を流れる樹脂の流速を確実に減速させることができる。
また、上記凹部の側面も、樹脂との濡れ性に優れた材質で形成すると、凹部内への樹脂の流れ込みが阻害されないので望ましい。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記凹部の底面は、上記パッド電極が含む金属と同一の金属を含む。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記凹部の底面が金属を含むことによって、樹脂が凹部の底面にはじかれることが起こらないので、半導体装置の周囲を流れる樹脂の流速を確実に減速させることができる。
また、上記金属はパッド電極が含む金属と同一であるから、凹部の底面とパッド電極とを同一の工程で形成できる結果、凹部の形成に伴うコスト上昇を防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記実装基板上には、上記半導体装置を取り囲むように有機樹脂膜が形成され、
上記半導体装置を取り囲むように形成され、主開口部およびこの主開口部に隣接する付加開口部を有する有機樹脂膜を備え、
上記主開口部は、上記半導体装置搭載部と重なって上記半導体装置と略同じ大きさであり、
上記凹部は上記付加開口部を含む。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記凹部は、有機樹脂膜の主開口部に隣接する付加開口部で形成されるので、有機樹脂膜の主開口部と共に凹部を形成することができる結果、凹部の形成に伴うコスト上昇を防ぐことができる。
一実施形態の半導体装置の実装構造では、
上記パッド電極から引き出される基板配線は、上記付加開口部が形成される領域外に形成され、
上記付加開口部は、上記基板配線の材料と同種の金属からなる金属パターンを底部に有する。
上記実施形態の半導体装置の実装構造によれば、上記パッド電極から引き出される基板配線を、付加開口部が形成される領域以外の領域に形成されることによって、基板配線が付加開口部から露出しないので、耐湿絶縁信頼性を向上させることができる。
また、上記付加開口部は、基板配線の材料と同種の金属からなる金属パターンを底部に有するから、その金属パターンと基板配線とを同一の工程で形成できる結果、金属パターンの形成に伴うコスト上昇を防ぐことができる。
本発明の半導体装置の実装構造によれば、半導体装置と実装基板との間に樹脂を充填するために、半導体装置の周囲の滴下位置に液状樹脂を滴下した場合、半導体装置搭載部の周囲には、半導体装置の外周縁近傍に位置する凹部が形成されていることによって、液状樹脂は半導体装置の周囲を流れて凹部内に流入するから、半導体装置の周囲を流れる液状樹脂の流速が減速する。
したがって、上記半導体装置の周囲を流れる液状樹脂の流速よりも、半導体装置と実装基板の間隙を流れる液状樹脂の流速の方が早くなって、半導体装置と半導体装置搭載部との間で液状樹脂のボイド部の発生を防ぐことができる。
また、上記凹部の半導体装置側の端は半導体装置の主面よりも実装基板側に位置するから、凹部がフリップチップボンディング時に半導体装置に当接するのを防いで、フリップチップ接続の確実性を高めることができる。
また、上記凹部は例えば実装基板に形成できるから、凹部を形成するだけのための材料は必要なく、製造コストの増大を防ぐことができる。
また、上記ボイド部の発生を防ぐことができるので、高信頼性のフリップチップ実装構造を得ることができる。特に、高い耐湿絶縁信頼性をフリップチップ実装構造を得ることができる。
以下、本発明の半導体装置の実装構造を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1Aに、本発明の実施例1の半導体装置の実装構造の概略上面図を示す。また、図1Bに、図1AのIB−IB線概略断面図を示す。
上記実装構造は、図1A,図1Bに示すように、半導体装置搭載部14を含む実装基板13と、その半導体装置搭載部14に搭載された半導体装置11と、半導体装置11の半導体装置搭載部14側の表面に形成された複数のバンプ電極12と、半導体装置搭載部14の半導体装置11側の表面に、夫々が各バンプ電極12の位置に対応するように形成された複数のパッド電極16とを備えている。
上記バンプ電極12とパッド電極16とは互いに接続されて接続部17を構成している。つまり、接続部17は、バンプ電極12と、このバンプ電極12に接続するパッド電極16とから成っている。
上記半導体装置搭載部14は、実装基板13において半導体装置11が搭載される部分に相当する。そして、半導体装置搭載部14の半導体装置11側の表面は、半導体装置11の半導体装置搭載部14側の表面と略同じ大きさである。
上記実装基板13の半導体装置11側の表面には、半導体装置搭載部14の外周縁に隣接する2つの凹部22が形成されている。この凹部22は、実装基板13の半導体装置11が搭載された面(半導体装置搭載部14の半導体装置11側の表面)の最表面よりも低い底面を有する。この凹部22は半導体装置搭載部14の外側に位置する。また、凹部22の半導体装置11側の端は半導体装置11の主面11aよりも実装基板13側に位置する。
上記実装基板13の半導体装置11側の表面上には複数の基板配線18が形成されている。複数の基板配線18のいくつかはパッド電極16から半導体装置搭載部14の外側へ引き出されて、別の回路素子(図示せず)に接続されている。また、複数の基板配線18の他のいくつかはパッド電極16から半導体装置搭載部14の内側へ引き出されて、ビア配線19を介して別の回路素子(図示せず)に接続されている。これにより、凹部22による基板配線18の露出が回避されている。
また、上記実装基板13の半導体装置11側の表面上には、基板配線18を保護するために有機樹脂膜15が形成されている。この有機樹脂膜15は、半導体装置搭載部14上に形成されておらず、また、凹部22の部分も除いて形成されている。つまり、有機樹脂膜15は、半導体装置11および半導体装置搭載部14と重なる主開口部10と、この主開口部10に隣接する付加開口部20とを有している。このような有機樹脂膜15は例えばソルダレジストで形成することができる。
上記凹部22の形成方法は特に限定されず様々である。例えば、実装基板13とすべき基板を製造後に、半導体装置搭載部14の外周縁に隣接した箇所にエンドミルを用いて切削加工を行って、凹部22を形成してもよい。また、実装基板13の一例として多層基板を用いる場合には、内層部を通常どおりに形成しておき、半導体装置搭載面に近い方から1つ乃至2つ程度の絶縁層の当該部に穴を設けておいて、その内部層と絶縁層とを積層することにより、凹部22を形成してもかまわない。いずれの手法を採ったにせよ、実装基板13の製造時に凹部22を設けて製造しておく。そのような実装基板13を用いて、熱圧着などの従来技術によりフリップチップ実装構造を形成し、半導体装置11と実装基板13との間の間隙に液状樹脂を充填する。
上記凹部22の効果は、液状樹脂の充填工程において発揮される。以下、その説明を、図2Aを用いて説明する。
図2Aにおいて、23は滴下位置の一例としての液状樹脂吐出位置23である。この液状樹脂吐出位置23に、ディスペンサ等を用いて適量の液状樹脂を吐出すると、2種類の樹脂流れが発生する。この2種類の樹脂流れの駆動原理は共に毛細管流れである。
2種類の樹脂流れの一方は、矢印31で示すような流れで、半導体装置周辺部を回り込むように流れるものである。2種類の樹脂流れの他方は、矢印32で示すような流れで、半導体装置11と半導体装置搭載部14との間隙を、半導体装置11の中心に向かって進んでいくものである。
上記液状樹脂吐出位置23と半導体装置11の重心34とを通る仮想線33を考えたとき、仮想線33が半導体装置11の外周縁に交差する点は2つ存在する。この2つの点のうち液状樹脂吐出位置23から離れた方を点Aとする。そして、矢印31の樹脂流れが液状樹脂吐出位置23から点Aに到達する時間T1と、矢印32の樹脂流れが液状樹脂吐出位置23から点Aに到達する時間T2とを比較したとき、時間T1よりも時間T2の方が小さければ、ボイド生成は起こらない。これは、矢印32の樹脂流れ32が、半導体装置11と実装基板13との間隙に存在する空気を押し出しながら進んでいくからである。
逆に、矢印31の樹脂流れが矢印32の樹脂流れよりも点Aに早く到達すると、つまり、時間T1よりも時間T2の方が大きいと、半導体装置11と実装基板との間隙に存在する空気が矢印32の樹脂流れで完全に押し出させる前に、半導体装置11の周囲を液状樹脂が囲んでしまう。その結果、上記液状樹脂やこれを硬化させたアンダーフィル部にボイド残留が起こる。
ここで、上記凹部22が形成されているフリップチップ実装構造であると、液状樹脂吐出位置23に液状樹脂を滴下した場合、液状樹脂は矢印31で示すように半導体装置周辺部を流れ進んでいく際、凹部22の位置において、一旦、凹部22内の空間を埋め尽くすための時間を費やすことになる。このため、矢印31に示すように流れる液状樹脂は、凹部22内の空間を埋め尽くすための時間を費やした分、矢印32に示すように流れる液状樹脂よりも遅く点Aに到達する。
上記凹部22を形成する位置については、半導体装置搭載部14の外周を含んで半導体装置搭載部14のやや内側に入り込むようにしてもよい。つまり、凹部22は、凹部22の一部が半導体装置11に重なるように形成してもよい。さらには、凹部22は、半導体装置11の外周縁において点Aを通る辺を除いた辺に隣接するように形成することが望ましい。
仮に、上記半導体装置11の外周縁において点Aを通る辺に隣接する凹部を形成した場合、矢印31に示すように流れる液状樹脂よりも、矢印32に示すように流れる液状樹脂を早く点Aに到達させるという目的は達するが、ボイド生成を防ぐという目的に対しては、効果は少ない。これは、上記半導体装置11の外周縁において点Aを通る辺に凹部が隣接するため、矢印31に示すように流れる液状樹脂は、半導体装置11を取り囲む直前になって、流速が凹部によって低下するからである。つまり、上記凹部を形成すると、半導体装置11と半導体装置搭載部14との間隙に存在する空気を、矢印32に示すように流れる液状樹脂で押し出す効果はやや少なくなるからである。
したがって、上記矢印31に示すように流れる液状樹脂の流速を減少させるために形成する凹部は、半導体装置11の外周縁において点Aを通る辺を除いた辺に隣接するように形成することが望ましい。このとき、上記凹部の一部が半導体装置11に重なるようにしてもよいし、重ならないようにしてもよい。
なお、上記凹部22の底面には、液状樹脂の濡れ性を向上させる材料が塗布されていることが望ましい。また、上記材料を凹部22の底面および側面に塗布するとさらに望ましい。上記材料としては、親水性を取り持つ官能基、例えば、水酸基やカルボキシル基が付与された樹脂が望ましい。例えば、上記樹脂として極性水素化オリゴマー樹脂を用いることが望ましい。
上記材料の塗布処理を凹部22の少なくとも底面に施しておくと、矢印31の樹脂流れが凹部22に到達した後、確実に凹部22が液状樹脂により埋まる。
仮に、上記凹部22の底面が液状樹脂と濡れ性が悪い場合、矢印31で示すように流れる液状樹脂による凹部22への充填が起こらないために、その液状樹脂の流れの遅延効果が少なくなることがある。このような事態を防ぐことができるため、上記塗布処理を凹部22の少なくとも底面に施すことは望ましい。
そのようにして、上記半導体装置11と半導体装置搭載部14との間隙に充填された液状樹脂は、最終的には、150℃程度の温度に加熱されることにより硬化し、図2Bに示すように、アンダーフィル部21となる。
〔実施例2〕
図3に、本発明の実施例2の半導体装置の実装構造の概略断面図を示す。なお、図3において、図1A,図1B示した実施例1の構成部と同一構成部には、図1A,図1Bにおける構成部と同一参照番号を付している。
本実施例2における実施例1との差異は、多層基板である実装基板213を用いていることであり、凹部22の位置や形状については実施例1と差異がない。
上記実装基板213は、半導体装置11に近い絶縁層41と、半導体装置11から離れている絶縁層42とを有している。
上記絶縁層41は、1層の絶縁層からなっているが、複数の絶縁層を積層して形成してもよい。一方、上記絶縁層42上には配線43が形成されている。この配線43の材質は、特に限定しないが、例えばCuである。
また、特筆すべきは、凹部22の底部には金属ランド44が形成されている。この金属ランド44と配線43とは、少なくとも一部が同一の金属を含む。
上記配線43は、通常、Cuから形成されているため、金属ランド44もCuを含んで構成されている。金属ランド44は、このようにCuが露出した形で形成されていてもよい。
もしくは、上記実装基板213の主面上にはパッド電極16が存在し、パッド電極16も通常はCuを含んで構成されている。そして、上記Cu上には、NiめっきやAuめっきなどがなされている場合がある。このような場合には、金属ランド44上にもCuの上にNiめっきやAuめっきなどがなされていてもよい。
上記凹部22の底部に金属ランド44が形成されていることにより、フリップチップ実装構造を形成後、液状樹脂を充填する際、液状樹脂が凹部の底部にてはじかれることがない。これにより、半導体装置11の外周縁に沿って流れる液状樹脂が凹部22内の空間を埋め尽くすのに要する時間が発生し、この時間、上記液状樹脂の進行を確実に遅らせることができる。よって、半導体装置11と実装基板213との間隙の空気が液状樹脂で押し出される前に、液状樹脂が半導体装置11を取り囲むようなことにはならず、ボイドの生成を防ぐことができる。
このような効果を有し、図3で示した実装構造213を製造する際にも、余分な工程を付け加える必要が全くない。つまり、実装基板213の製造時に、絶縁層42上に配線43と共に金属ランド44を形成することができるので、金属ランド44の形成に伴う製造工程の増加がない。これは、絶縁層42上に予め形成されてある金属箔のフォトリソグラフィの際のパターンをそのように設計しておくだけで対応が可能である。さらに、絶縁層41には、凹部22の一部とすべき貫通穴を形成しておく。この貫通穴の形成は、多層基板には層間ビアホールが開けられているのが通常であるから、そのビアの数を少し増やすだけで行うことができる。
そのように、上記絶縁層42、配線43、金属ランド44および絶縁層41を形成した後、通常のプレス工程を実施することにより、実装基板213を得ることできる。その後、表層の有機樹脂膜15の塗布を行った後、必要な場合には、パッド電極16にNiめっきやAuめっきを施すことで、NiめっきやAuめっきされた金属ランド44を得ることができる。
〔実施例3〕
図4Aに、本発明の実施例3の半導体装置の実装構造の概略上面図を示す。また、図4Bに、図4AのIVB−IVB線概略断面図を示す。なお、図4A,図4Bにおいて、図1A,図1B示した実施例1の構成部と同様の構成部には、図1A,図1Bにおける構成部と同一参照番号を付している。また、図4Bの矢印は、液状樹脂の液状樹脂吐出位置23への吐出方向を示している。
実施例3は、図4A,図4Bに示すように、凹部22の数、形状および位置と、有機樹脂膜15の形状と、基板配線18の位置と、ビア配線19の位置とが実施例1と異なっている。
上記凹部22の底には、図3を用いて説明した金属ランド(図示せず)が形成されていたり、その底面や側面に極性水素化オリゴマー樹脂などの液状樹脂との濡れ性に優れる材料が底面や側面に設けられていても構わない。
本実施例3においては、凹部22は液状樹脂が塗布される位置に形成されている。つまり、凹部22は液状樹脂吐出位置23を含んでいる。通常どおりにフリップチップ実装構造体を形成した後、液状樹脂吐出位置23に液状樹脂を吐出する。そうすると、半導体装置11と半導体装置搭載部14との間隙へ向かう液状樹脂の流れはすぐに開始されるが、半導体装置11の周辺部を回り込む液状樹脂の流れは、凹部22内の空間を埋め尽くした後でないと開始されない。そのことから、半導体装置11の周辺部を回り込む液状樹脂の流速を確実に低下させることができる結果、液状樹脂の充填時のボイド生成を起こさせないようにすることができる。
このとき、凹部22の形状は、図4Aに示すように、半導体装置11の外周縁に関して液状樹脂吐出位置23近傍の辺に対して平行な長さを、その辺に連なる辺に対して平行な長さを大きくしておくことが望ましい。つまり、凹部22は、図4A中の左右方向の長さを図4A中の上下方向の長さよりも大きくしておくことが望ましい。そうすることにより、確実に、半導体装置11の周辺部を回り込む液状樹脂の流れの開始を遅らせることができる。
なお、本実施例3においては、凹部22を液状樹脂吐出位置23のみに設けたが、さらに付け加えて上記実施例1,2で説明した位置に凹部を設けていても構わない。この方が、液状樹脂が半導体装置11を取り囲むのに要する時間が長くなるので、より望ましい。
〔実施例4〕
図5Aに、本発明の実施例4の半導体装置の実装構造の概略上面図を示す。また、図5Bに、図5AのVB−VB線概略断面図を示す。なお、図5A,図5Bにおいて、図1A,図1B示した実施例1の構成部と同様の構成部には、図1A,図1Bにおける構成部と同一参照番号を付している。また、図5Bの矢印は、液状樹脂の液状樹脂吐出位置23への吐出方向を示している。
本実施例4は、主面に凹部が形成されていない実装基板313を用いる点のみが上記実施例1と異なる。
上記実装基板313上には有機樹脂膜15が形成されているが、半導体装置搭載部14には搭載する半導体装置11とほぼ同一形状の通常の主開口部10が設けられている。特に近年のように、端子ピッチ間隔が狭くなり、耐湿信頼性に関してシビアな状況が考えられる場合には、半導体装置11の外形周囲と主開口25との間の隙間は狭く、例えば100μm程度しかない。本実施例4では、そのような主開口部10に付け加えて、2つの付加開口部20がそれぞれ所定の位置に形成されている。付加開口部20の半導体装置11側の端は半導体装置11の主面11aよりも実装基板313側に位置する。
上記付加開口部20の役割を以下に説明する。付加開口部20は、通常の主開口部10に付け加えて形成されるものである。通常の方法でフリップチップ実装構造を形成した後、液状樹脂吐出位置23に液状樹脂を滴下することによって、半導体装置と実装基板との間の間隙に液状樹脂を充填することを考えると、半導体装置と実装基板との間の間隙を進む液状樹脂の流れと、半導体装置11の周辺部を回り込む液状樹脂の流れとが発生することは前述のとおりである。
上記半導体装置11の周辺部を回り込む液状樹脂は、図5Bに示すように、半導体装置11の外周縁と有機樹脂膜15の主開口10との非常に狭い隙間Dにおける毛細管現象によって流れ進むので、流速が速い。この液状樹脂の流れの途中において、有機樹脂膜15の付加開口部20があると、この付加開口部20がある箇所だけ、半導体装置11の外周縁と有機樹脂膜15との間隔が広くなる。また、半導体装置11の周辺部を回り込む液状樹脂は、付加開口部20内の空間を埋め尽くさないと先へ進むことができないため、半導体装置11を取り囲むのに要する時間が長くなる。その結果、液状樹脂のボイド生成を抑えることができる。
なお、上記付加開口部20は、半導体装置11の外周縁に関して図5A中上下方向に平行な2辺と、半導体装置11の外周縁に関して液状樹脂吐出位置23近傍の辺とのうちの何れかに隣接するように形成するのが望ましい。また、上記実施例3のように、付加開口部20が液状樹脂吐出位置23を含むようにしてもよい。つまり、付加開口部20が液状樹脂吐出位置23と重なってもよい。
図5で示した構造を得るためには、全く追加の工程を必要としない。実装基板313の製造時に有機樹脂膜の開口形状を変えるだけでよい。よって、全く手間をかけることなく、アンダーフィル部のボイドを起こさせないようにすることができる。
上記付加開口部20の側面や、付加開口部20から露出する実装基板313の主面には、液状樹脂との濡れ性に優れる材料、例えば、極性水素化オリゴマー樹脂が塗布すると、付加開口部20内に確実に液状樹脂を誘導することができ、半導体装置11の周辺部を回り込む液状樹脂の速度を減速させることができる。
また、上記付加開口部20から露出する実装基板313の主面に金属ランド(図示せず)を形成してもよい。この金属ランドは、パッド電極16と同様の構成、例えば材料で形成され、パッド電極16や基板配線18とは所定の間隔を開けて形成される。上記金属ランドがあることにより、実装基板313の絶縁体材料と液状樹脂との濡れ性に依存されることなく、付加開口部20内に確実に液状樹脂を誘導し、付加開口部20内の空間を液状樹脂で埋め尽くすことができる。
上記金属ランドを形成する場合、追加の工程を全く必要としない。すなわち、実装基板313の主面上のパッド電極16や基板配線18のパターニング時に、金属ランド部を残しておくだけでよい。この設計上の変更だけで、液状樹脂を硬化させて得るアンダーフィル部のボイドを抑えることができる。
特に近年の端子ピッチ間隔の狭小化が進んだ状況においても、耐湿絶縁信頼性を維持する必要がある。このため、本実施例4では、有機樹脂膜15の主開口10の開口縁が半導体装置11の外周縁にかなり近接するように、有機樹脂膜15を形成している構造を採用している。この構造を採用していても、ボイド生成を抑えることができる。
上記実施例1〜4がある本発明の半導体装置の実装構造によれば、フリップチップ実装構造において、ボイド残留のないアンダーフィルが行える。その結果、高信頼性であり、軽薄短小化された電子機器に適用して好適な半導体装置の実装構造が得られる。
また、上記実装構造は、超音波接合によるフリップチップ接続法のようなバンプ電極を押し潰して、接続部間隔をより狭くするような工法や、絶縁信頼性向上のために半導体装置外周にかなり近接した位置まで有機樹脂膜が形成された構造に対しても有効である。
また、上記実施例1〜4では、液状樹脂吐出位置23は半導体装置11の外周縁の一辺の略中央近傍に位置させていたが、図8に示すように、導体装置11の外周縁の一辺の一端部近傍に位置させてもよい。
図8の場合、半導体装置11の外周縁に沿って流れる液状樹脂には、矢印R方向に流れるものと、矢印L方向に流れるものとがある。ここで、矢印R方向に流れる液状樹脂が進んだ距離と、矢印L方向に流れる液状樹脂が進んだ距離とが、一致する点を外周経路最遠点P1とする。つまり、液状樹脂吐出位置23から半導体装置11の外周縁に沿ってその外周縁の全周の2分の1進んだ点を外周経路最遠点P1とする。そして、半導体装置11の外周縁に関して液状樹脂吐出位置23から直線距離で最も離れた点を距離最遠点P2とする。
このように外周経路最遠点P1および距離最遠点P2を定義した場合、 液状樹脂吐出位置23から矢印Rに沿って外周経路最遠点P1に達する経路と、液状樹脂吐出位置23から矢印Lに沿って距離最遠点P2に達する経路とうちの少なくとも一方に、凹部22,付加開口部20と同様の凹部,開口部を設けるのが望ましい。
また、上記凹部,開口部は、外周経路最遠点P1の近傍領域を通る辺以外の各辺に少なくとも1つの隣接させるより望ましい。
図1Aは本発明の実施例1の半導体装置の実装構造の概略上面図である。 図1Bは図1AのIB−IB線概略断面図である。 図1Aは上記実施例1の半導体装置の実装構造における液状樹脂の流れを説明するための概略上面図である。 図2Bは図2AのIIB−IIB線概略断面図である。 図3は本発明の実施例3の半導体装置の実装構造の概略断面図である。 図4Aは本発明の実施例3の半導体装置の実装構造の概略上面図である。 図4Bは図4AのIVB−IVB線概略断面図である。 図5Aは本発明の実施例4の半導体装置の実装構造の概略上面図である。 図5Bは図5AのVB−VB線概略断面図である。 図6は従来の半導体装置の実装構造の概略断面図である。 図7は他の従来の半導体装置の実装構造の概略断面図である。 図8は本発明の一実施形態の半導体装置の実装構造を説明するための図である。
符号の説明
10 主開口部
11 半導体装置
12 バンプ電極
13,213,313 実装基板
14 半導体装置搭載部
15 有機樹脂膜
16 パッド電極
17 接続部
18 基板配線
19 ビア配線
20 付加開口部
21 アンダーフィル部
22 凹部
23 液状樹脂吐出位置
41,42 絶縁層
43 配線
44 金属ランド

Claims (9)

  1. 主面に複数のバンプ電極が配置された半導体装置と、
    上記半導体装置を搭載する半導体装置搭載部を有すると共に、上記複数のバンプ電極の位置に対応して形成された複数のパッド電極を上記半導体装置搭載部の上記半導体装置側の表面に有する実装基板と、
    を備え、
    上記複数のバンプ電極と上記複数のパッド電極とがフリップチップボンディングで接続され、上記半導体装置と上記実装基板との間に樹脂が充填されてなる半導体装置の実装構造において、
    上記半導体装置搭載部の周囲に形成されて上記半導体装置の外周縁近傍に位置すると共に、上記半導体装置の周囲を流れる上記樹脂の流速を減速させ得る凹部を備え、
    上記凹部の上記半導体装置側の端は上記半導体装置の主面よりも上記実装基板側に位置することを特徴とする半導体装置の実装構造。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の実装構造において、
    上記半導体装置と上記実装基板との間に上記樹脂を充填するために、上記半導体装置の周囲の滴下位置に液状樹脂を滴下する場合、
    上記滴下位置から上記半導体装置の外周縁に沿ってその外周縁の全周の2分の1進んだ点を外周経路最遠点とし、かつ、上記半導体装置の外周縁に関して上記滴下位置から直線距離で最も離れた点を距離最遠点としとき、
    上記滴下位置から上記半導体装置の外周縁に沿って最短距離で上記外周経路最遠点に達する経路と、上記滴下位置から上記半導体装置の外周縁に沿って最短距離で上記距離最遠点に達する経路とうちの少なくとも一方には、上記凹部が形成されていることを特徴とする半導体装置の実装構造。
  3. 請求項2に記載の半導体装置の実装構造において、
    上記凹部は上記滴下位置を含むことを特徴とする半導体装置の実装構造。
  4. 請求項2に記載の半導体装置の実装構造において、
    上記凹部は、上記半導体装置搭載部の外周縁に関して上記外周経路最遠点の近傍領域を通る辺以外の辺に隣接することを特徴とする半導体装置の実装構造。
  5. 請求項4に記載の半導体装置の実装構造において、
    上記外周経路最遠点の近傍領域を通る辺以外の辺は2辺あり、この2辺のうちの少なくとも一方に上記凹部を隣接させていることを特徴とする半導体装置の実装構造。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の半導体装置の実装構造において、
    上記凹部の底面は、上記樹脂との濡れ性に優れた材質で形成されていることを特徴とする半導体装置の実装構造。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の半導体装置の実装構造において、
    上記凹部の底面は、上記パッド電極が含む金属と同一の金属を含むことを特徴とする半導体装置の実装構造。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の半導体装置の実装構造において、
    上記実装基板上には、上記半導体装置を取り囲むように有機樹脂膜が形成され、
    上記半導体装置を取り囲むように形成され、主開口部およびこの主開口部に隣接する付加開口部を有する有機樹脂膜を備え、
    上記主開口部は、上記半導体装置搭載部と重なって上記半導体装置と略同じ大きさであり、
    上記凹部は上記付加開口部を含むことを特徴とする半導体装置の実装構造。
  9. 請求項8に記載の半導体装置の実装構造において、
    上記パッド電極から引き出される基板配線は、上記付加開口部が形成される領域外に形成され、
    上記付加開口部は、上記基板配線の材料と同種の金属からなる金属パターンを底部に有することを特徴とする半導体装置の実装構造。
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