JP2007185907A - 平版印刷版の製版装置 - Google Patents

平版印刷版の製版装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007185907A
JP2007185907A JP2006007180A JP2006007180A JP2007185907A JP 2007185907 A JP2007185907 A JP 2007185907A JP 2006007180 A JP2006007180 A JP 2006007180A JP 2006007180 A JP2006007180 A JP 2006007180A JP 2007185907 A JP2007185907 A JP 2007185907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing plate
unit
plate precursor
transport
transport path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006007180A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikashi Oishi
近司 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006007180A priority Critical patent/JP2007185907A/ja
Publication of JP2007185907A publication Critical patent/JP2007185907A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Abstract

【課題】コンパクトでかつ作製速度が速い製版装置を提供する。
【解決手段】画像部を形成するインクジェットヘッド24と、画像部の光硬化型インクを硬化させるインク硬化部と、インク硬化部よりも上方に配置され、印刷版原版Pにガム液を塗布するガム液塗布部30、それを乾燥させる乾燥部32と、画像部形成時およびインク硬化時に印刷版原版Pを搬送する第1搬送部と、インク硬化部から送り出された印刷版原版Pをガム液塗布部30に搬送する第2搬送部と、第1搬送部の上方に配置され、ガム液塗布時および乾燥時に印刷版原版Pを搬送する第3搬送部とを有し、第2搬送部は、搬送路の接続を切り換えると同時に、第2搬送路における印刷版原版Pの搬送方向をも反転させる搬送経路切換反転搬送部とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、平版印刷用の印刷版を作成する製版装置に関するものである。
平版印刷においては、印刷版の表面に階調画像などのいわゆる画像や文字等の線画像を含む版下原稿に対応して印刷インキ受容性の領域(以下、画像部という)と印刷インキ反発性の領域(以下、非画像部という)を設け、印刷インキをインキ受容性の領域に付着させて印刷を行う。通常は印刷版の表面に、親水性および親油性(インキ受容性)の領域を画像様に形成し、湿し水を用いて親水性領域をインキ反発性とする。
従来は、版下原稿を、一旦、アナログ的またはデジタル的にリスフィルムなどの銀塩写真フィルムに出力し、これを通してジアゾ樹脂や光重合性のフォトポリマー感光材料(印刷原版)を露光し、非画像部を主にアルカリ性溶液を用いて溶出除去することによって印刷原版に画像を記録(製版)していた。
近年、デジタル描画技術の向上と、プロセスの効率化の要求から、印刷版原版上に、階調画像や線画像などの画像のデジタル画像情報を直接描画するシステムが数多く提案されている。そのようなデジタル画像情報を印刷原版上に直接描画するシステムの一例として、レーザーを用いて、光モードまたは熱モードで画像を記録するシステムが知られている。しかし、この製版方法は、光モード、熱モードともに、一般には、レーザー記録後にアルカリ性現像液で処理して非画像部を溶解除去して製版が行われるため、アルカリ性廃液が排出され、環境保全上好ましくない。また、レーザーを用いる方法は、高価でかつ大きな装置となってしまう。
このような問題に対して、特許文献1には、インクジェット法を応用した安価でかつコンパクトな画像形成装置、具体的には、乳化重合により調整した有機ポリマーの水性乳剤を用いて、インクジェットにより親水性支持体表面上に所望画像を付着させることにより、前記表面上に親油性画像を形成することを含み、前記ポリマーがフィルム形成性でありかつ印刷版表面に付着して親油性フィルムを形成する、リソグラフィ印刷版の製造方法が開示されている。
特表2002−532306号公報
このように、インクジェット法により支持体上に直接画像を形成することで、非画像部の溶解除去等を行うことなく印刷版を作製することができる。また、装置としても小型化することができる。
ここで、印刷版を製版する際、印刷版原版(支持板)に画像を記録した後に、版面保護液、いわゆるガム液を印刷版原版の表面に塗布する。印刷版原版の表面にガム液を塗布することで、非画像部の親水性を保護するのみならず、画像部の加筆または消去等の画像修正、製版後印刷するまでの期間の保存又は再使用までの保存、印刷機に取り付ける際や取り扱い中の指紋、油脂、塵埃等の付着によって引き起こされる汚れの防止及び傷の発生等からの保護をすることができ、さらに酸化汚れの発生を抑えることができる。
しかしながら、印刷版原版に画像を記録した後、ガム液を塗布する塗布装置に搬送し、印刷版原版の表面にガム液を塗布するのは、作業が煩雑であり、また、印刷版の作製に時間がかかる、つまり製版速度が遅いという問題がある。
本発明の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、インクジェット法により印刷版原版に画像部を形成し、かつ、画像部が形成された印刷版原版の表面にガム液を塗布するコンパクトでかつ作製速度が速い製版装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、平版印刷用印刷版を作製する製版装置であって、印刷版原版上に吐出信号に従ってインク液滴を吐出し、画像部を形成するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに隣接して配置され、前記インクジェットヘッドにより形成された前記画像部を前記印刷版原版に定着する定着部と、前記定着部よりも上方に配置され、前記画像部が形成された前記印刷版原版に版面保護液を塗布する版面保護液塗布部と、前記版面保護液塗布部に隣接して配置され、前記版面保護液塗布部において塗布された前記版面保護液を乾燥させる乾燥部と、前記インクジェットヘッドによる前記画像部の記録時および前記定着部における前記画像部の定着時に前記印刷版原版を搬送する第1搬送路を備える第1搬送部と、前記定着部から送り出された前記印刷版原版を前記版面保護液塗布部に搬送する第2搬送経路を備える第2搬送路と、前記第1搬送部の上方に配置され、前記版面保護液塗布部における前記版面保護液の塗布時および前記乾燥部における前記版面保護液の乾燥時に前記印刷版原版を搬送する第3搬送路を備える第3搬送部とを有し、前記第2搬送部は、前記第2搬送路と前記第1搬送路との接続と、前記第2搬送路と前記第3搬送路との接続と、を切り換えると同時に、前記第2搬送路における前記印刷版原版の搬送方向をも反転させる搬送経路切換反転搬送部であることを特徴とする製版装置を提供するものである。
また、前記第2搬送部は、前記定着部側の一方の端部が、前記定着部の前記第1搬送路に接続される位置から前記版面保護液塗布部の前記第3搬送路に接続される位置まで、その他端部を中心として、上下方向に移動可能なコンベアを有し、前記コンベアは、前記第2搬送路を構成し、前記定着部から前記印刷版原版が送り出される時、前記一方の端部が前記定着部の前記第1搬送路と接続される位置にあり、前記印刷版原版が前記定着部部の前記第1搬送路から前記第2搬送路に送り出された後、前記他端部を中心として、前記一方の端部が前記版面保護液塗布部の前記第3搬送路に接続される位置まで上方に移動され、前記印刷版原版の一部が前記版面保護液塗布部の前記第3搬送路に搬入され、前記第3搬送部による前記印刷版原版の搬送が開始された後、前記一方の端部が、前記定着部の前記第1搬送路と接続される前記略水平な位置への移動を開始することが好ましい。
本発明によれば、その表面に版面保護液が塗布された印刷版を1つの装置で作製することができ、さらに、インクジェットヘッドおよび定着部の上に版面保護液塗布部および乾燥部を配置することで、装置をコンパクトにすることができる。
また、印刷版原版の一部が版面保護液塗布部に搬入された後、搬送経路切換反転部の前記定着部側の端部を前記定着部の搬送路に接続される位置に移動させることで、印刷版原版への版面保護液塗布部の搬入が完了する前に、定着部から次の印刷版原版を搬送経路切換反転部に送り出すことができる。これにより、印刷版の作製速度を早くすることができ、効率よく印刷版を作製することができる。
以下、本発明の製版装置について、添付の図面に示される好適な態様に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に従う製版装置の一実施形態を示す概略正面図である。
図1に示した製版装置10は、供給トレイ20と、搬送ローラ対21、インクジェットヘッド24と、定着部26と、ベルトコンベア28と、ガム液(版面保護液)塗布部30と、乾燥部32と、排出トレイ34とを有する。
印刷版原版Pの搬送方向上流から下流に向けて、供給トレイ20、搬送ローラ対21、インクジェットヘッド24、定着部26、ベルトコンベア28、ガム液塗布部30、乾燥部32、排出トレイ34の順に配置されている。ここで、製版装置10は、ベルトコンベア28を折り返し部として、搬送方向が反転される。つまり、供給トレイ20からベルトコンベア28までの印刷版原版Pの搬送経路とベルトコンベア28から排出トレイまでの印刷版原版Pの搬送経路は、反転されている。また、ガム液塗布部30、乾燥部32、排出トレイ34は、供給トレイ20、搬送ローラ対21、インクジェットヘッド24、定着部26よりも鉛直方向上方に配置されている。
供給トレイ20は、表面が親水性処理されたアルミ基板、または樹脂である印刷版原版Pが載置されている。供給トレイ20に配置されている印刷版原版Pは、フィードローラ38により供給トレイ20から送り出される。
搬送ローラ対21は、印刷版原版Pの搬送方向において、供給トレイ20の下流側に配置される。搬送ローラ対21は、図示しない駆動部により所定方向(図1中矢印方向)に回転される。搬送ローラ対21は、供給トレイ20から搬送された印刷版原版Pを挟持し、搬送経路に沿って搬送する。
インクジェットヘッド24は、印刷版原版Pの搬送方向において、搬送ローラ対21の下流側に配置される。
インクジェットヘッド24は、吐出信号に応じて疎水性インク液滴を吐出し、搬送ローラ対21により搬送される印刷版原版P上に画像部を形成する。ここで、吐出信号は、画像信号に基づいて画像部となる部分に選択的に疎水性インク液滴を塗布するように液滴を吐出させる信号である。
インクジェットヘッド24は、印刷版原版Pの搬送方向に直交する方向(主走査方向)に往復移動される。このインクジェットヘッド24を主走査方向に移動させつつ、吐出信号に応じてインクを吐出させ、さらに、インクジェットヘッド24を移動させ主走査方向に画像部を形成させた後、印刷版原版Pを搬送ローラ対21により副走査方向に間欠搬送させる。このようにインクジェットヘッド24を主走査方向に移動させつつ、吐出信号に応じてインクを吐出させ、搬送ローラ対21により印刷版原版を副走査方向に間欠搬送させることで、印刷版原版Pの全面に画像をする。ここで、本実施形態では、インクとしてUVインクが用いられる。ここで、UVインクとは、紫外線が照射されることにより硬化する紫外線硬化型樹脂を含むインクである。
インクジェットヘッド24としては、ピエゾ方式、サーマルジェット方式、静電方式、等の種々の方式のインクジェットヘッドを用いることができ、特にピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いることが好ましい。
インクジェットヘッドをピエゾ方式とすることで、インクジェットヘッドをピエゾ方式とすることで、インク液特性の選択幅を拡大し、つまり種々のインクを用いることができ、吐出させるインクを印刷版の作成に最適なインク特性とすることができる。さらに、インク液滴の吐出制御等を容易にすることもできる。
さらに、記録方式としては、インク液滴を連続して吐出させ、吐出させたインク液滴を吐出信号に応じて偏向させることで印刷版原版Pへの画像記録を切り換える連続吐出方式(コンティニュアス方式)、吐出信号に応じてインク液滴の吐出/非吐出を切り換えるドロップオンデマンド方式を用いることができる。ここで、装置が単純であること、インクを節約できること、インクの蒸発を抑制できること等の点からドロップオンデマンド方式を用いることが好ましい。
定着部26は、印刷版原版Pの搬送方向においてインクジェットヘッド24の下流側に配置され、UVランプ40を有する。インクジェットヘッド24によりUVインクの画像部が形成された印刷版原版Pは、搬送ローラ対21により搬送され、定着部26に対向する位置を通過する。
UVランプ40は、インクジェットヘッド24によりUVインクで印刷版原版P上に形成された画像部に紫外線を照射し、UVインクを硬化させる。UVランプ40もインクジェットヘッド24と同様に、印刷版原版Pの搬送方向に直交する方向(主走査方向)に往復移動される。ここで、上述したように、印刷版原版Pは、インクジェットヘッド24の主走査方向移動に対応して、搬送ローラ対21により、一方向(副走査方向)への間欠搬送される。印刷版原版Pの副走査方向への間欠搬送に対応して、UVランプ40を主走査方向に移動させ、印刷版原版Pに紫外線を照射することで、印刷版原版Pの全面の画像部を硬化させる。
UVランプ40としては、超高圧水銀ランプ、UVLED、メタルハライドランプ、紫外線蛍光管等種々のランプ(光源)を用いることができる。なお、これらの光源は、可視光光線を含む光を照射してもよい。特にUVインクが可視光域にも感度を持つ場合には、可視光線も含む光を照射することで、より感度を高くすることができ、UVインクの硬化を好適に行うことができる。
ここで、上記実施形態ではUVランプを主走査方向に移動させて印刷版原版の全面にUV光を照射したが、印刷版原版の搬送方向に直交する方向の全域にUVランプを配置したライン形状としてもよい。これにより、UVランプを移動させることなく印刷版原版の全面にUV光を照射することができる。
また、インクジェットヘッド24および定着部26に対向する部分には、印刷版原版Pを案内する搬送ガイド36が設けられている。搬送ガイド36を設けることで、印刷版原版Pを水平に安定して搬送することができる。
搬送ガイド36のインクジェットヘッド24に対向する位置には、貫通孔を形成し、インクジェットヘッド24による画像部の形成時に印刷版原版Pを搬送ガイド36側に吸引することが好ましい。
インクジェットヘッド24による画像部の形成時に、印刷版原版Pを搬送ガイド36側に吸引することで、搬送ガイド36に垂直な方向において印刷版原版Pが固定され、画像形成位置におけるインクジェットヘッド24と印刷版原版Pとの距離が一定となる。これにより、インクジェットヘッド24による画像形成の描画精度を高くすることができる。
なお、インクジェットヘッドと印刷版原版との距離を一定とする方法としては、印刷版原版を搬送ガイド側に吸引することに限定されず、印刷版原版を搬送ガイドに静電吸着させて、印刷版原版と搬送ガイドとの距離を一定としてもよい。
なお、搬送ローラ対21および搬送ガイド36は、インクジェットヘッド24および定着部26の共通搬送経路を持つ搬送部であり、本発明の第1搬送部を構成する。
ベルトコンベア28は、印刷版原版Pの搬送方向において定着部26の下流側に配置され、ベルト42と、ベルトローラ44、46と、上下搬送機構48とを有する。
ベルト42は、リング状のエンドレスベルトであり、ベルトローラ44、46で張架されている。ベルトローラ46には、図示しない駆動源が接続されており、所定速度で回転される。ベルトローラ46の回転により、ベルト42は回転移動される。ここで、駆動源は、ベルトローラ46を両方向に回転させることができる。これにより、ベルト42も矢印に示す2方向に移動させることができる。
上下搬送機構48は、定着部26およびガム液塗布部30側のベルトローラ44に設けられ、ベルトローラ44を定着部26における印刷版原版Pの搬送路と略水平な位置から、ガム液塗布部30における印刷版原版Pの搬送路に印刷版原版Pを送り出すことができる位置まで、または、ガム液塗布部30における印刷版原版Pの搬送路に印刷版原版Pを送り出すことができる位置から、定着部26における印刷版原版Pの搬送路と略水平な位置まで、上下方向に移動させる。
ベルトローラ44を移動させる機構としては、種々の方法を用いることができ、例えば、ベルトローラ44の端部にガイドレールを設け、ガイドレールに沿ってベルトローラを移動させる機構がある。
このような機構を備えるベルトコンベア28は、ベルト42を回転移動させて、定着部26から送り出された印刷版原版Pをベルト42上に搬送し、次に、上下搬送機構48によりベルトロール44を移動させて、ベルト42をベルトローラ46を回転軸の中心として回転させて、ガム液塗布部30の搬送路まで印刷版原版Pを送り出せる位置にベルトローラ44を移動させる。つまり、印刷版原版Pの搬送経路を切り替え、かつ搬送方向を反転させる。その後、ベルト42を回転移動させて、印刷版原版Pをガム液塗布部30に送り出す。ベルトコンベアの移動については、後ほど印刷版の作製方法とともに詳細に説明する。
ガム液塗布部30は、鉛直方向において定着部26よりも上方に配置され、塗布ローラ対52と、ガム液タンク54とを有する。
塗布ローラ対52は、浸漬ローラ52aと塗布ロール52bとで構成される1対のゴムローラであり、ベルトコンベア28から搬送された印刷版原版Pを挟持し、所定方向に搬送する。
ガム液タンク54は、ガム液(版面保護液)が貯留されており、浸漬ローラ52aが浸漬されている。
ガム液としては、特開昭54−8002号公報、同55−115045号公報、同59−58431号公報等に記載されている、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液等を用いることができる。
図2(A)〜(C)は、ガム液塗布部30により印刷版原版Pにガム液を塗布する工程の一例を示す概略正面図である。
塗布ローラ対52を回転させることで、ガム液タンク54に浸漬された浸漬ローラ52aと塗布ローラ52bとがつれまわり、図2(A)に示すように、塗布ローラ52bの表面にもガム液が付着した状態となり、塗布ローラ対52のニップ部にガム液だまりが形成される。
印刷版原版Pを塗布ロール対52のニップ部に挟み込む際、まず、図2(B)に示すように、ベルトコンベア28に送り出された印刷版原版Pは、その先端が浸漬ローラ52aの任意の位置に接触する。その後、さらにベルトコンベア28により印刷版原版Pが塗布ローラ対52側に送られることで、下側のローラに沿ってニップ部まで移動される。これにより、ガム液だまりの一部が印刷版原版Pと塗布ロール52bとの間に保持される。
印刷版原版Pの表面にガム液だまりが保持されつつ、印刷版原版Pを塗布ローラ対52で挟持搬送することで、図2(C)に示すように、塗布ローラ対52を通過した印刷版原版Pの表面には、ローラニップ圧により一定の厚さのガム液が塗布される。
このように、ベルトコンベア28から搬送された印刷版原版Pは、塗布ローラ対52により挟持搬送され、画像部が形成された側の表面の全域に版面保護膜となるガム液が塗布される。
乾燥部32は、ファン56と、ヒータ57と、排出ローラ対58と、搬送ガイド60と、カバー61とを有する。
ファン56は、印刷版原版Pの搬送経路に対向して配置されている。ガム液が塗布された印刷版原版Pの表面に送風する。
ヒータ57は、印刷版原版Pの搬送経路とファン56との間に配置される。ここで、ヒータ57としては、ハロゲンランプ、ニクロム線ヒータ、セラミックヒータ等の種々の熱源を用いることができ、特に、遠赤外セラミックヒータを用いることが好ましい。
排出ローラ対58は、印刷版原版Pの搬送方向において、ヒータ57の下流側に配置されている。排出ローラ対58は、ヒータ57を対向する位置を通過した印刷版原版Pを挟持し、搬送する。
また、搬送ガイド60は、印刷版原版Pの搬送経路において、塗布ローラ対52の下流側に配置されている。塗布ローラ対52から排出された印刷版原版Pをファン56、ヒータ57に対向する位置を通過し、排出ローラ対58に挟持されるように案内する。
カバー61は、ファン56、ヒータ57および排出ローラ対58を覆うように配置されている。
乾燥部32は、ヒータ57で印刷版原版Pを加熱し、さらに、印刷版原版Pのガム液が塗布された面にファン56により風を当てる。これにより、印刷版原版Pに塗布されたガム液が乾燥され、ガム液の溶媒成分を蒸発されることで、印刷版原版P上に版面保護膜が形成される。
また、ヒータ57で加熱された空気をファン56により温風として印刷版便版Pに吹きつけることで、印刷版原版Pに吹きつける風が温風となり、ガム液をより効率よく乾燥させることができる。
また、カバー61および搬送ガイド60により、乾燥部32内の雰囲気を保持することで、ヒータ57から発生された熱が発散することを防止でき、ガム液を効率よく乾燥させることができる。
なお、塗布ロール対52、搬送ガイド60および搬送ローラ対58は、ガム液塗布部30および乾燥部32における印刷版原版Pの搬送経路を構成する搬送部でもあり、本発明の第3搬送部を構成する。
排出トレイ34は、印刷版原版Pの搬送方向において、乾燥部32の下流側に配置されている。排出トレイ34には、乾燥部32から排出された印刷版を受け取る。
次に、製版装置10での印刷版の作製方法を説明することで、本発明の製版装置をより詳細に説明する。
供給トレイ20から送り出された印刷版原版Pは、搬送ローラ対21により所定速度で搬送され、インクジェットヘッド24と対向する位置を通過し、UVインクが像様に吐出され、画像部が形成される。
画像部が形成された印刷版原版Pはさらに搬送され、定着部26と対向する位置を通過し、形成された画像部のUVインクが硬化されて画像が定着される。
画像部が定着された印刷版原版Pは、ベルトコンベア28に搬送される。
ベルトコンベア28は、搬送された印刷版原版Pを定着部26の上方に配置されたガム液塗布部30に送り出す。なお、ベルトコンベア28による印刷版原版Pの搬送方法については、後ほど詳細に説明する。
ベルトコンベア28から送られた印刷版原版Pは、ガム液塗布部30の塗布ローラ対52に挟持搬送され、印刷版原版Pの画像部が形成されている面にガム液が塗布される。
ガム液が塗布された印刷版原版Pは、乾燥部32に搬送され、塗布されたガム液が乾燥された後、完成した平版印刷用印刷版として排出トレイ34に排出される。
このようにして、製版装置10は、画像部が形成され、版面保護膜が形成された印刷版を作製する。
次に、ベルトコンベア28による印刷版原版Pの搬送方法について詳細に説明する。
図3(A)〜(F)は、ベルトコンベア28による印刷版原版Pの搬送工程の一例を示す概略正面図である。なお、図3(A)〜(F)では、印刷版原版Pの搬送経路を見やすくするため、乾燥部32の一部、上下移動機構48等の図示を省略する。
まず、定着部26(のインクの硬化時)における印刷版原版Pの搬送路から搬送ローラ対21によって印刷版原版Pが送り出されるとき、図3(A)に示すように、定着部26における印刷版原版Pの搬送路と接続される位置に固定されている、つまり、本実施形態では、ベルトローラ44は、搬送ガイド36と同じ高さ(略水平)に固定されている。これにより、ベルト42の表面と搬送ガイド36の表面とが略同一平面上に配置される。
また、ベルトロール44、46が、ベルト42を印刷版原版Pの搬送方向(図3中矢印方向、時計回り)に回転移動させている。これにより、搬送ロール対21によって送られた印刷版原版Pは、ベルト42によって図3中矢印方向に搬送される。
その後、さらに、ベルト42を移動させ、図3(B)に示すように、定着部26から送り出された印刷版原版Pをベルト42上に搬送させた後、ベルト42の回転移動を停止する。
次に、図3(C)に示すように、上下搬送機構48により、ベルトローラ44をガム液塗布部30における印刷版原版Pの搬送路と接続される位置に移動させる。つまり、定着部26における印刷版原版Pの搬送路と接続されているベルト42における印刷版原版Pの搬送路(ベルトコンベア28における印刷版原版Pの搬送路)を、ガム液塗布部30(のガム液塗布時)における印刷版原版Pの搬送路との接続に切り換える。即ち、ベルト42における印刷版原版Pの搬送路とガム液塗布部30における印刷版原版Pの搬送路とを接続させる。
これにより、ベルト42は、ベルトロール46を回転軸の中心として回転移動され、ベルトローラ44側が高い、所定角度の傾斜した傾斜面となる。ここで、ベルトローラ44は、搬送される印刷版原版Pが塗布ローラ対52の下側のローラと接触する高さまで移動させることが好ましい。これにより、上述したように塗布ローラ対52の上側のローラにガム液だまりができ、印刷版原版Pの上面にガム液を塗布することができる。
ベルトローラ44を上方向に移動させた後、図3(D)に示すように、ベルト42を定着部26から印刷版原版Pを受け取るときと逆方向、つまり、図示例ではベルト42を反時計周り(図3(D)矢印方向)に回転移動させ、印刷版原版Pをガム液塗布部30の塗布ローラ対52に送り出す。
次に、ベルト42を回転移動させて印刷版原版Pを搬送し、図3(E)に示すように、印刷版原版Pの先端が塗布ローラ対52に挟持されたら、上下搬送機構48をベルトローラ44を下方向に移動させる。ここで、ベルト42を下方向に移動させ、ベルト42と印刷版原版Pが離間した場合も、印刷版原版Pは、塗布ローラ対52により挟持搬送される。
その後、上下移動機構48により、ベルトローラ44が搬送ガイド36と同じ高さ移動される、つまり、ベルトコンベア28における印刷版原版Pの搬送路が定着部26における印刷版原版Pの搬送路に接続されると、図3(F)に示すように、インクジェットヘッド24で画像部が形成され、定着部26で画像部が定着された新たな印刷版原版P’が定着部26から送り出される。
このようにして、ベルトコンベア28は、印刷版原版Pの搬送路を定着部26からガム液塗布部30に切り替え、かつ印刷版原版Pの搬送方向を反転させる。
また、塗布ローラ対52に挟持されている印刷版原版Pは、上述したように、塗布ローラ対52により挟持搬送され、その全面にガム液が塗布され、その後、乾燥部32に搬送される。
このように、本発明によれば、インクジェットヘッド、定着部、ガム液塗布部および乾燥部を一体で設けることで、画像部が形成され、さらに、表面がガム液により保護された印刷版を効率よく作製することができる。
また、インクジェットヘッドおよび定着部の上に、ガム液塗布部および乾燥部を設けることで、装置を小型化することができる。また、印刷版原版の供給トレイと排出トレイを同一面に設けることができる。
さらに、ガム液塗布部30をインク硬化部26の上に配置し、印刷版原版Pの一部がガム液塗布部30に搬送された後でかつ印刷版原版Pの全部がガム液塗布部30に搬送される前に、ベルトコンベア28をインク硬化部26側に移動させ、つまりベルトコンベア28における印刷版原版Pの搬送路とインク硬化部26における印刷版原版Pの搬送路とを接続させ、インク硬化部26から送り出される次の印刷版原版Pをベルトコンベア28に搬送させることで、印刷版の作製速度をより速くすることができる。
ここで、本実施形態では、印刷版原版を定着部からガム液塗布部に搬送する搬送機構として、ベルトコンベアを用い、その一方のベルトローラのみを上下動させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、両方のベルトローラを同時に上下動させ、ベルトコンベアを平行移動させてもよい。また、搬送機構としても、ベルトコンベアに限定されず、複数個の回転ロールを並べて構成するロールコンベア等も用いることができる。
また、インクジェットヘッドへ印刷版原版を搬送する搬送機構にベルトコンベアを用いる場合は、ベルトに貫通孔を形成し、貫通孔から印刷版原版を吸引した状態で搬送させることが好ましい。印刷版原版をベルトに吸着させることで、印刷版原版をベルト上に固定することができ、画像部形成時の印刷版原版とインクジェットヘッドとの距離を一定にすることができる。また、ベルトコンベアを用いる場合は、印刷版原版を常にベルトに吸着させた状態で、印刷版原版とベルトを一体にして移動させることができる。
本実施形態では、インクとしてUVインクを用いたが本発明はこれに限定されず、可視光線を硬化光として使用することができる種々の光硬化型のインクも用いることができる。また、光源も同様に、可視光等を活性光として照射する種々の活性光光源を用いることができる。ここで、本発明において、活性光とは、光硬化型のインクを硬化させる波長の光である。活性光光源は、少なくとも活性光を照射する光源である。
また、インクも本実施形態の光硬化型インクに限定されず、少なくとも樹脂粒子を画像成分として分散媒に分散させたインク、画像成分となる樹脂が溶媒に溶解されているインクも用いることができる。
少なくとも樹脂粒子を画像成分として分散媒に分散させたインクを用いる場合は、定着部として、ヒータ等により画像部を形成するインクを加熱し、樹脂粒子を軟化・フローさせ、画像部を印刷版原版に定着させる非接触型加熱機構、少なくとも一方が加熱ローラであつローラ対により、印刷版原版を挟持搬送し、加熱加圧定着させる接触型加熱機構等を用いることができる。
樹脂が溶媒に溶解されているインクを用いる場合は、定着部として、ヒータ等による加熱機構や、温風を印刷版原版に吹きつける機構を用いることができる。これらの機構を用い、溶媒成分を蒸発させることで画像部を印刷版原版に定着させることができる。
なお、定着部としては、印刷版原版に接触することなくインクを定着させる、非接触型の定着機構を用いることが好ましい。これにより、定着時に画像部が擦れて、画像部がずれることを防止できる。
また、本実施形態では、搬送ローラ対により印刷版原版を副走査方向に間欠搬送させつつ、インクジェットヘッドを主走査方向に移動させることで画像部を形成したが、本発明はこれに限定されず、印刷版原版を副走査方向に連続搬送させつつ、インクジェットヘッドを主走査方向に移動させて、印刷版原版の全面に画像部を形成するようにしてもよい。この場合は、インクジェットヘッドを副走査方向に複数の吐出部を備える構成とし、インクジェットヘッドを主走査方向に1回走査する間の印刷版原版の副走査搬送距離を、インクジェットヘッドの副走査方向の幅分以下とすることで、印刷版原版を副走査方向に1回搬送するのみで印刷版原版の全面に画像部を形成することができる。
また、本実施形態では、印刷版原版Pを副走査方向に搬送させつつ、インクジェットヘッドを主走査方向に移動させて、印刷版原版の全面に画像部を形成したが、本発明はこれに限定されず、印刷版原版を固定し、インクジェットヘッドを主走査、副走査方向に二次元的に移動させ、印刷版原版の全面に画像部を形成してもよい。
また、インクジェットヘッドとしては、インクの吐出部を印刷版原版の搬送方向に直交する方向の全域に配置した、いわゆるフルラインヘッドを用いることもできる。
また、本実施形態では、インクジェットヘッド、定着部、乾燥部に対向する位置における印刷版原版の搬送方法として、搬送ローラを用い搬送ガイドに沿って搬送させる方法を用いたが、本発明はこれに限定されず、ベルト機構を用いて印刷版原版を搬送してもよい。
さらに、ガム液塗布部も、本実施形態の塗布ローラ対により印刷版原版を挟持搬送する方法に限定されず、スプレーにより印刷版原版にガム液を塗布する方法、インクジェットヘッドにより印刷版原版にガム液を塗布する方法等も用いることができる。ここで、上記方法を用いる場合も、ベルトコンベアから送り出された印刷版原版を挟持搬送する搬送ローラ対を設けることが好ましい。搬送ローラ対を設けることで、上記実施形態と同様に、ベルトコンベアから送り出された印刷版原版を搬送することができる。これにより、印刷版原版が搬送ローラ対に挟持された後、ベルトコンベアを移動させ、定着部から送り出される次の印刷版原版をベルト上に搬送させることができ、製版速度を早くすることができる。
また、ガム液塗布部として、インクジェットヘッドを用いる場合は、印刷版原版の非画像部のみに選択的にガム液を塗布することが好ましい。このように、ガム液を選択的に塗布することで、ガム液の使用量を低減させることができ、版面保護膜を効率よく形成することができる。ガム液を塗布するインクジェットヘッドとしては、上述した画像部を形成するインクジェットヘッドと同様の種々の方式、構成のインクジェットヘッドを用いることができる。
次に、本発明の製版装置に好適に用いられるガム液の一例について具体的に説明する。
ガム液としては、アルミニウム版を支持体とする平版印刷版の不感脂化処理に使用される不感脂化液が有効に利用できる。好ましい不感脂化液としては、親水性有機高分子化合物、ヘキサメタリン酸およびその塩、フイチン酸およびその塩の少なくとも一種を含有する水溶液が挙げられる。
具体的な親水性有機高分子化合物としては、アラビアガム、デキストリン、例えばアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド単位を含む水溶性共重合体、ポリアクリル酸、アクリル酸単位を含む共重合体、ポリアクリル酸、アクリル酸単位を含む共重合体、ポリメタクリル酸、メタクリル酸単位を含む共重合体、ビニルメチルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルと無水マレイン酸との共重合体、燐酸変性澱粉などを挙げることができ、中でもアラビアガムが不感脂化作用が強いので好ましい。これらの親水性高分子化合物は、必要に応じて二種以上組み合わせて使用することができ、約1〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%の濃度で使用される。
具体的なヘキサメタリン酸塩としては、ヘキサメタリン酸アルカリ金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。ヘキサメタリン酸アルカリ金属塩又はアンモニウム塩としては、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウム等を挙げることができる。具体的なフイチン酸又はその塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等がある。アミン塩としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、ラウリルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アリルアミン、アニリン等の塩を挙げることができる。フイチン酸塩は12個の酸の水素がすべて置換された正塩、酸の水素の一部が置換された水素塩(酸性塩)でもよく、また1種類の塩基の塩からなる単純塩、2種以上の塩基が成分として含まれる複塩のいずれの形態のものも使用できる。これらの化合物は単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に使用される不感脂化液には、更に強酸の金属塩を含有させておくことが好ましく、これにより不感脂化作用を高めることができる。具体的な強酸の金属塩としては、硝酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及び亜鉛塩、硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及び亜鉛塩、クロム酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及び亜鉛塩、並びに弗化ナトリウム及び弗化カリウムなどを挙げることができる。これらの強酸の金属塩は二種以上を組み合わせて使用することができ、その量は不感脂化液の総重量を基準に約0.01〜5重量%が好ましい。本発明に使用される不感脂化液は、pH値を酸性域、より好ましくは1〜5、最も好ましくは1.5〜4.5に調整される。従って、水相のpHが酸性でない場合には、水相に更に酸が加えられる。かかるpH調整剤として加えられる酸としては、例えば燐酸、硫酸、硝酸などの鉱酸、例えばくえん酸、たんにん酸、りんご酸、氷酢酸、乳酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、有機ホスホン酸などの有機酸が例示できる。この内、燐酸は、pH調整剤として機能するだけでなく、不感脂化作用を強化する作用もあるので特に優れており、不感脂化液の総重量に対して0.01〜20重量%、最も好ましくは0.1〜10重量%の範囲で含有させておくと好ましい。
本発明に使用される不感脂化液には湿潤剤及び/又は界面活性剤を含有させておくことが好ましく、これにより不感脂化液の塗布性を向上させることができる。具体的な湿潤剤としては低級多価アルコールが好ましく、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトールなどが挙げられ、特に好ましいものはグリセリンである。また、界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン界面活性剤、例えば脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホこはく酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物などのアニオン界面活性剤、例えばベタイン型、グリシン型、アラニン型、スルホベタイン型の両性界面活性剤が使用できる。これらの湿潤剤及び/又は界面活性剤は不感脂化液の総重量に対して約0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の範囲で含有させられる。本発明に使用される不感脂化液には、更に二酸化珪素、タルク、粘土などの充填剤を2重量%までの量で、また染料や顔料などを1重量%までの量で含有させることもできる。
本発明に使用される不感脂化液は、上述の如き親水性の水溶液からなるものであるが、米国特許第4253999号、同第4268613号、同第4348954号などの各明細書に記載されているような乳化型の不感脂化液も使用することができる。不感脂化液の塗布量は乾燥重量で0.001〜50g/m2、好ましくは0.01〜10g/m2 である。
次に、本発明の製版装置に好適に用いられる印刷版原版について説明する。
上記に説明してきた印刷版原版に用いることのできる支持体としては、寸度的に安定な板状物が適当であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられる。
印刷版原版に使用する支持体としては、軽量で表面処理性、加工性、耐食性に優れたアルミニウム板を使用することが好ましい。この目的に供されるアルミニウム材質としては、アルミニウム及びアルミニウム含有合金、例えばJIS1050材、JIS 1100材、JIS 1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金など、またはアルミニウム又はアルミニウム合金がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルム又は紙の中から選ばれる。さらに特公昭48−18327号に記載のようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートでもかまわない。
アルミニウム板は表面に粗面化処理等の表面処理を行い、その表面に画像部を形成して印刷版とすることができる。粗面化処理には、機械的粗面化、化学的粗面化、電気化学的粗面化が単独又は組み合わせて行われる。また、表面のキズ付き難さを確保するための陽極酸化処理を行ったり、親水性を増すための処理を行うことも好ましい。
以下に支持体の表面処理について説明する。アルミニウム板を粗面化するに先立ち、必要に応じ、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われてもよい。アルカリの場合、次いで酸性溶液で中和、スマット除去などの処理を行ってもよい。
次いで支持体と画像部の密着性を良好にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理がなされている。この砂目立て処理法の具体的手段としては、サンドブラスト等の機械的砂目立て方法があり、またアルカリまたは酸あるいはそれらの混合物からなるエッチング剤で表面を粗面化処理する化学的砂目立て方法がある。また、電気化学的砂目立て方法、支持体材料に、粒状体を接着剤またはその効果を有する方法で接着させて表面を粗面化する方法や、微細な凹凸を有する連続帯やロールを支持体材料に圧着させて凹凸を転写する粗面化方法等公知の方法を適用できる。
これらのような粗面化方法は複数を組み合わせて行ってもよく、その順序、繰り返し数などは任意に選択することができる。前述のような粗面化処理すなわち砂目立て処理して得られた支持体の表面には、スマットが生成しているので、このスマットを除去するために適宜水洗あるいはアルカリエッチング等の処理を行うことが一般的に好ましい。
アルミニウム支持体の場合には、前述のような前処理を施した後、通常、耐摩耗性、耐薬品性、保水性を向上させるために、陽極酸化によって支持体に酸化皮膜を形成させる。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形成するものならばいかなるものでも使用することができ、一般には硫酸、リン酸、蓚酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、クロム酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸、あるいはこれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲にあれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2の範囲である。陽極酸化皮膜が1.0g/m2未満であると耐刷性が不十分であったり、印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
前記陽極酸化処理を施された後、前記アルミニウムの表面は、封孔処理を施してもかまわない。かかる封孔処理は、熱水及び無機塩又は有機塩を含む熱水溶液への基板の浸漬ならびに水蒸気浴などによって行われる。また、このアルミニウム支持体にはアルカリ金属珪酸塩によるシリケート処理や、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩などの水溶液への浸漬処理などの親水化処理が施されてもよい。
なお支持体と上述したインク吐出ヘッドにより形成された画像部との密着性を高めるための中間層を設けてもよい。密着性の向上のために中間層には、ジアゾ樹脂や、ホスホン酸またはリン酸化合物、あるいはアルミニウムアルコキシドのようなアルミニウム化合物、特開2001−109139号公報に記載されているアルミニウム基板上に設ける接着層に用いる有機シリコーン化合物などを用いてもよい。中間層の厚さは任意であり、露光した時に、上層の画像部と均一な結合形成反応を行い得る厚みでなければならない。通常、乾燥固体で約1〜100mg/m2の塗布割合がよく、5〜40mg/m2が特に良好である。支持体表面に以上のような処理或いは、下塗りなどが施された後、支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
印刷版用支持体として好ましい特性としては、中心線平均粗さで0.10〜1.2μmとすることが好ましい。0.10μm以上とすることで画像部との密着性が一定以上となり、高い耐刷性を維持することができる。また、1.2μm以下とすることで、印刷時の汚れ性を低くすることができる。さらに、露光現像により画像部を形成する場合は、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65とすることが好ましい。0.15より黒くすることで、画像露光時のハレーションにより画像形成に支障をきたすことを防止でき、0.65より白くすることで、現像後の検版作業において画像を良好に視認することができ、検版性を高くすることができる。
以上、本発明の製版装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
例えば、ベルトコンベアと定着部の塗布ローラ対との間に印刷版原版を案内するためのガイドを配置してもよい。
また、本実施形態では、乾燥部にファンを設け、印刷版原版に温風を吹きつけたが、本発明はこれに限定されず、必要に応じてヒータによる加熱のみ、またはファンのみで、印刷版原版に塗布されたガム液を乾燥させてもよい。
なお、本発明では、印刷版原版上に版面保護膜を形成し、完成した平版印刷用印刷版としたが、すぐに印刷に使用する場合等の印刷版上に版面保護膜を形成する必要がない場合は、定着部で画像を定着した印刷版原版をそのまま平版印刷用印刷版として用いることができる。
本発明の製版装置の一実施形態の構成を模式的に示した概略正面図である。 (A)〜(C)は、それぞれ図1に示す製版装置のガム液塗布部により印刷版原版Pにガム液を塗布する工程の一例を模式的に示す概略正面図である。 (A)〜(F)は、それぞれ図1に示す製版装置のベルトコンベアにより印刷版原版の搬送する工程の一例を模式的に示す概略正面図である。
符号の説明
10 製版装置
20 供給トレイ
24 インクジェットヘッド
26 定着部
28 ベルトコンベア
30 ガム液塗布部
32 乾燥部
34 排出トレイ
36 搬送ガイド
38 フィードローラ
40 UVランプ
42 ベルト
44、46 ベルトローラ
48 上下移動機構
50 駆動源
52 塗布ローラ対
52a 浸漬ローラ
52b 塗布ローラ
54 ガム液タンク
56 送風ファン
57 ヒータ
58 排出ローラ対
60 搬送ガイド
61 カバー
P、P’ 印刷版原版

Claims (2)

  1. 平版印刷用印刷版を作製する製版装置であって、
    印刷版原版上に吐出信号に従ってインク液滴を吐出し、画像部を形成するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに隣接して配置され、前記インクジェットヘッドにより形成された前記画像部を前記印刷版原版に定着する定着部と、
    前記定着部よりも上方に配置され、前記画像部が形成された前記印刷版原版に版面保護液を塗布する版面保護液塗布部と、
    前記版面保護液塗布部に隣接して配置され、前記版面保護液塗布部において塗布された前記版面保護液を乾燥させる乾燥部と、
    前記インクジェットヘッドによる前記画像部の記録時および前記定着部における前記画像部の定着時に前記印刷版原版を搬送する第1搬送路を備える第1搬送部と、
    前記定着部から送り出された前記印刷版原版を前記版面保護液塗布部に搬送する第2搬送経路を備える第2搬送路と、
    前記第1搬送部の上方に配置され、前記版面保護液塗布部における前記版面保護液の塗布時および前記乾燥部における前記版面保護液の乾燥時に前記印刷版原版を搬送する第3搬送路を備える第3搬送部とを有し、
    前記第2搬送部は、前記第2搬送路と前記第1搬送路との接続と、前記第2搬送路と前記第3搬送路との接続と、を切り換えると同時に、前記第2搬送路における前記印刷版原版の搬送方向をも反転させる搬送経路切換反転搬送部であることを特徴とする製版装置。
  2. 前記第2搬送部は、前記定着部側の一方の端部が、前記定着部の前記第1搬送路に接続される位置から前記版面保護液塗布部の前記第3搬送路に接続される位置まで、その他端部を中心として、上下方向に移動可能なコンベアを有し、
    前記コンベアは、前記第2搬送路を構成し、
    前記定着部から前記印刷版原版が送り出される時、前記一方の端部が前記定着部の前記第1搬送路と接続される位置にあり、
    前記印刷版原版が前記定着部部の前記第1搬送路から前記第2搬送路に送り出された後、前記他端部を中心として、前記一方の端部が前記版面保護液塗布部の前記第3搬送路に接続される位置まで上方に移動され、
    前記印刷版原版の一部が前記版面保護液塗布部の前記第3搬送路に搬入され、前記第3搬送部による前記印刷版原版の搬送が開始された後、前記一方の端部が、前記定着部の前記第1搬送路と接続される前記略水平な位置への移動を開始する請求項1に記載の製版装置。
JP2006007180A 2006-01-16 2006-01-16 平版印刷版の製版装置 Withdrawn JP2007185907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006007180A JP2007185907A (ja) 2006-01-16 2006-01-16 平版印刷版の製版装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006007180A JP2007185907A (ja) 2006-01-16 2006-01-16 平版印刷版の製版装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007185907A true JP2007185907A (ja) 2007-07-26

Family

ID=38341399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006007180A Withdrawn JP2007185907A (ja) 2006-01-16 2006-01-16 平版印刷版の製版装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007185907A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019093318A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 株式会社ダイセル ガス発生器
JP2022066250A (ja) * 2017-11-20 2022-04-28 株式会社ダイセル ガス発生器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019093318A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 株式会社ダイセル ガス発生器
JP7030486B2 (ja) 2017-11-20 2022-03-07 株式会社ダイセル ガス発生器
JP2022066250A (ja) * 2017-11-20 2022-04-28 株式会社ダイセル ガス発生器
JP7270793B2 (ja) 2017-11-20 2023-05-10 株式会社ダイセル ガス発生器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4723387B2 (ja) インクジェット描画方法および装置
EP1810831A1 (en) Inkjet drawing device and inkjet drawing method
JP2007185907A (ja) 平版印刷版の製版装置
KR102245390B1 (ko) 인쇄물의 제조 방법
JP2007185903A (ja) 平版印刷版の製版装置
EP1800890A1 (en) Method for gumming a lithographic printing plate
JP2007216388A (ja) インクジェット描画方法および装置
EP1754612B1 (en) Plate making process
JP2007125804A (ja) 平版印刷版の製版装置および作製方法
JP2006321089A (ja) 平版印刷方法および湿し水
US20120032376A1 (en) Method and apparatus for re-imaging a previously used printing form
JP2000326652A (ja) 平版印刷マスターの作製方法
JP2002355942A (ja) バルブジェットにより像記録層をコーティングする方法
JP2005106883A (ja) 平版印刷版の画像形成方法及び画像形成装置
JP2007237499A (ja) 平版印刷版の製版装置
JP2007245388A (ja) インクジェット製版装置
JP2007190723A (ja) 描画装置
JP2007190781A (ja) インクジェット描画方法および装置
JP2016203444A (ja) 製版装置および平版用刷版の製造方法
JP2008155637A (ja) 画像形成された版を処理する方法
JP2005212189A (ja) 作像用樹脂及び印刷版及び製版装置
WO2017104327A1 (ja) シームレスオフセット円筒状印刷版及びその製造方法並びに再生処理方法
JP2007050642A (ja) 加熱搬送ユニットおよびこれを用いる製版装置
JP2002001899A (ja) 平版印刷版、平版印刷方法および平版印刷装置
JP2005035183A (ja) 製版装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090407