JP2007183653A - 防眩性ハードコートフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に微細凹凸構造を備え良好な防眩効果を発揮すると共に、耐擦傷性にも優れた表面特性を有し、ハードコート性を兼ね備えた防眩性ハードコートフィルムとその製造方法を提供する。
【解決手段】透明プラスチック基材の片面に、活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層が設けてあり、活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層の側の表面に、凹凸の高低差が異なる2種類の微細な凹凸からなる凹凸構造を備えた防眩性ハードコートフィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の表示装置、特にはLCD、CRT、PDP、ECD、ELD、FEDあるいは発光ダイオード表示装置などに代表される表示装置の画面上に設けることに好適な防眩性ハードコートフィルムに関する。
なお、本発明の防眩性ハードコートフィルムでいう「フィルム」とは、所謂フィルム状をなすものと所謂シート状をなすもの、これらいずれの場合をも意味するものとする。
LCDあるいはCRT等々の前記のような各種ディスプレイにおいて、画面に外部から光が入射し、この光が画面表面に写り込み、表示画像を見づらくするという欠点があった。特に近年、フラットパネルディスプレイの急速な普及と大型化に伴い上記欠点を解決すること(以降、防眩と記述する)が益々重要な課題となっている。特に液晶表示体はそれ自信発光せず、バックライトを内蔵しない限り、外光を利用して画像表示を行わざるを得ないために、特に防眩を施すことが重要となる。
従来より、防眩性を付与する手段として、サンドブラスト、エンボス加工、無機および有機微粒子の配合等の種々の方式で表面を凹凸構造化したフィルムもしくはシート等からなる防眩層が提案されている。そして、見た目のキメの細かさ感の付与や触った際のざらつき感の解消のみならず、ディスプレイの高精細化に伴うギラツキ感防止の為にも、表面のより微細な凹凸構造(以下、微細凹凸構造)化の要求が高まっている。
しかしながら、防眩性ハードコートフィルムの表面に形成された凹凸構造がおおむね均一な微細構造であると、摩擦作用や引っ掻き作用の際に接触する全ての凸部に傷が付くことにより、傷が目立ち、耐擦傷性や表面硬度の劣化が生じる。即ち、微細凹凸構造の形成により得られる見た目のキメの細かさ感や触った際のざらつき感の解消、ディスプレイの高精細化に伴うギラツキ感防止等の効果を減少させずに耐擦傷性や表面硬度といったハードコート性の改良が求められている。
特開平9−304603号公報
本発明は、以上のようなフィルム若しくはシートに要求される課題を解決するためになされたもので、表面に微細凹凸構造を備え良好な防眩効果を発揮する共に、耐擦傷性にも優れた表面特性を有し、ハードコート性を兼ね備えた防眩性ハードコートフィルムとその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するために本発明が提供する手段は、まず請求項1に示す発明であり、
溶剤と微粒子と活性エネルギー線硬化型材料を含む塗料組成物を透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に塗布する工程と、該基材上の塗液の溶剤分を蒸発させ塗布層を形成する工程と、該塗布層に活性エネルギー線を照射しハードコート層を形成する工程とを備えることを特徴とする防眩性ハードコートフィルムの製造方法である。
より好ましくは、請求項2に示す発明であり、平均粒径の異なる2種類以上の微粒子と溶剤を攪拌し微粒子分散液を調整する工程と、活性エネルギー線硬化型材料溶液に前記微粒子分散液を加えて塗料組成物とする工程と、該塗料組成物を透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に塗布する工程と、該基材上の塗料組成物の溶剤分を蒸発させ塗布層を形成する工程と、該塗布層に活性エネルギー線を照射しハードコート層を形成する工程とを備えることを特徴とする防眩性ハードコートフィルムの製造方法である。
より好ましくは、請求項3に示す発明であり、請求項2の構成を基本とする防眩性ハードコートフィルムであって、
前記活性エネルギー線硬化型材料溶液に前記微粒子分散液を加えて塗液とする工程が、
前記活性エネルギー線硬化型材料溶液に対し分散液を攪拌しながら徐々に加えて調整し塗液とする工程であることを特徴とする防眩性ハードコートフィルムの製造方法である。
総じて、本発明によると、表面に微細凹凸構造を備え良好な防眩効果を発揮する共に、耐擦傷性にも優れた表面特性を有し、ハードコート性を兼ね備えた防眩性ハードコートフィルムの製造方法を提供することが出来た。
以下、本発明の防眩性ハードコートフィルムを詳細に説明する。
本発明の防眩性ハードコートフィルムは、透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層が設けてあり、該活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層の側の表面に、凹凸の高低差が異なる2種類の微細な凹凸からなる凹凸構造を備えていることが望ましい。
これによると、透明プラスチックフィルムもしくはシート基材の少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を設けたハードコートフィルムであって、このハードコートフィルム(もしくはシート)の表面上に、微細凹凸構造と、摩擦作用や引っ掻き作用に対するダメージの改善を目的とし、前記微細凹凸構造よりも相対的に高低差の大きい凹凸構造とを、共に設けている。
即ち、高低差の大きい凹凸構造の形成により、摩擦作用や引っ掻き作用の際のハードコートフィルム表面上の被接触面積の低減効果が、耐擦傷性や優れた表面硬度を有するハードコート性を付与している。
これらにより、ハードコートフィルム表面に、山と谷との高低差が異なる2種の凹凸構造を含有することにより、表面の微細凹凸構造と耐擦傷性や優れた表面硬度を有するハードコート性を兼ね備える防眩性ハードコートフィルムもしくはシートの提供を可能とした。
尚、活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、放射線、可視光線、あるいはその他のいわゆる広義の電磁波、等々であって、その材料に対して活性を与える(化学反応を進める)作用がれば良い。しかし、本発明の適用分野である、前記表示装置の画面上に設ける防眩性ハードコートフィルムに求められる性能や取扱い易さ、コスト、実用性などを総合評価すると、紫外線が最も好適であり、次いで電子線の順である。
本発明の防眩性ハードコートフィルムは、前記2種類の微細な凹凸が微細凹凸の平均高低差が0.1〜2.0μmの部分と、凹凸の平均高低差が2.1〜10μmの部分からなることが好ましい。
ここで、もし前者の平均高低差が0.1μmを下回ると、外部から入射された光を十分に散乱させない為に好ましくない。また、もし前者の高低差が2.0μmを越えると、見た目のキメの細かさ感の発揮や、触った際のザラツキ感の解消、ギラツキ感の防止等の効果が十分に得られず、やはり好ましくない。
そして後者の場合、その高低差がもし2.1μmを下回ると、摩擦作用や引っ掻き作用の際のハードコートフィルム表面の被接触面積の低減効果が減少し、摩擦や引っ掻きの影響を受けてしまうことから、好ましくない。尚、仮に2.0μmよりもを下回ると、前者と後者との区別が無くなり、本発明の構成自体を成さなくなると共に、平均高低差自体が全体に小さく成りすぎて、耐摩擦性や耐引っ掻き性の効果が消失してしまい全体に疵付きやすくなってしまうという問題が生じる。
また、もし前者の高低差が10μmを越えると、見た目の粗さや、触った際のザラツキ感が過剰となり表示装置の画面上に設ける用途に適さないことから、やはり好ましくない。
本発明の防眩性ハードコートフィルムは、前記平均高低差が0.1〜2.0μmの部分の全凸部の数が、その防眩性ハードコートフィルム表面の微細な凹凸構造の全凸部の数の60〜95%を占有することが好ましい。
ここで、もし60%を下回ると、微細凹凸構造によりところの、見た目のキメの細かさ感の発揮や、触った際のザラツキ感の解消、ギラツキ感の防止等の効果が十分に得られず、一方、もし95%を越えると、摩擦作用や引っ掻き作用の際のハードコートフィルム表面上の被接触面積の低減効果が減少し、摩擦や引っ掻きの影響を受けてしまうことから、好ましくない。
また、本発明の防眩性ハードコートフィルムは、2種類の微細な凹凸が平均高低差が小さい部分と平均高低差が大きい部分のことを指し、平均高低差の両者の差が0.1〜10.0μmであることが好ましい。
ここで、平均高低差の差が0.1を下回ると、平均高低差が大きい方の部分で担うところによる、摩擦作用や引っ掻き作用の際のハードコートフィルム表面上の被接触面積の低減効果が減少し、表面基材や前者が摩擦や引っ掻きの影響をうけてしまうことになり、当初の目的を果たせなくなる恐れが有る。尚、仮に0.0μmになると、前者と後者との区別がまったく無くなり、本発明の構成自体を成さなくなると共に、平均高低差自体が全体に小さく成りすぎて、耐摩擦性や耐引っ掻き性の効果が消失してしまい全体に疵付きやすくなってしまうという問題が生じる。
また、もし前者の高低差が10μmを越えると、見た目の粗さや、触った際のザラツキ感が過剰となり表示装置の画面上に設ける用途に適さないことから、やはり好ましくない。
また、本発明の防眩性ハードコートフィルムは前記高低差が小さい部分の全凸部の数が、その防眩性ハードコートフィルム表面の微細な凹凸構造の全凸部の数の60〜95%を占有することが好ましい。
ここで、もし60%を下回ると、微細凹凸構造によりところの、見た目のキメの細かさ感の発揮や、触った際のザラツキ感の解消、ギラツキ感の防止等の効果が十分に得られず、一方、もし95%を越えると、摩擦作用や引っ掻き作用の際のハードコートフィルム表面上の被接触面積の低減効果が減少し、摩擦や引っ掻きの影響を受けてしまうことから、好ましくない。
また、本発明の防眩性ハードコートフィルムは、透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、概ね2種類の粒径からなる微粒子、及び活性エネルギー線硬化型樹脂の、少なくともこれらを成分として塗液化したものを塗布し、しかる後に塗布面に活性エネルギー線を照射することにより活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を硬化することによって、活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を基材上に設ける。
概ね2種類の粒径からなる微粒子としては、無機又は有機の微粒子を好適に使用できる。活性エネルギー線硬化型樹脂を(場合により前記の微粒子を分散させて)塗液化したものを塗布して、被膜層を形成する際には、公知のコーティング技術を好適に使用できる。
透明プラスチック基材の少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を設けたハードコートフィルムであって、このハードコートフィルムもしくはシート中に2種の異なる山と谷の高低差を有する凹凸構造を含有することで、表面の微細凹凸構造と耐擦傷性や優れた表面硬度を有するハードコート性を兼ね備える防眩性ハードコートフィルムもしくはシートを提供することができた。特にディスプレイ表面に使用する場合には、微細凹凸構造により、見た目のキメの細かさ感の付与や触った際のざらつき感の解消のみならず、ディスプレイの高精細化に伴うギラツキ感防止を可能とし、更に、より高低差の大きい凹凸構造の含有が、摩擦作用や用の際のハードコート層表面との被接触面積の低減効果で、耐擦傷性や優れた表面硬度を有するハードコート性の付与をも可能となる。
次に、防眩性ハードコートフィルム(もしくはシート)の構成材料について、その後、防眩性ハードコートフィルム(もしくはシート)製造方法について順に述べる。
<防眩性ハードコートフィルムの構成材料>
図1に本発明に係わる防眩性ハードコートフィルムの概要を示す。
基材1としては透明プラスチックフィルムもしくはシートの材料は特に限定されるものではなく、適当な機械的剛性を持つ公知の透明プラスチックフィルムもしくはシートの中から適宜選択して用いることができる。
具体例としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、アクリル、ナイロン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムを挙げることができるが、本発明に於いては、現在のところ特にトリアセチルセルロースフィルム、及び一軸延伸ポリエステルが透明性に優れることに加えて、光学的に異方性がない点で好ましい。
ハードコート層2を形成する活性エネルギー線硬化型樹脂には特に制限はなく、活性エネルギー線については紫外線や電子線硬化により鉛筆硬度H以上の塗膜を与える樹脂であれば任意に使用することができる。
このような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレート樹脂などを挙げることができる。
またこれらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も必要に応じて好適に使用することができる。
また、これらの樹脂の反応希釈剤としては、比較的低粘度である1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能以上のモノマー及びオリゴマー並びに単官能モノマー、例えばN−ビニルピロリドン、エチルアクリレート及びプロピルアクリレート等のアクリル酸エステル類、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ノニルフェニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びそのカプロラクトン変成物などの誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸等及びそれらの混合物、などを使用することができる。
本発明に於いて、活性エネルギー線が紫外線である場合には、光増感剤(ラジカル重合開始剤)を添加する必要があり、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。
これらは単独または2種以上の混合物として使用でき、更にはトリエタノールアミン、メタジエタノールアミン等の第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。
有機過酸化物や光重合開始剤の使用量は、前記樹脂組成物の重合成分100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
ハードコートフィルム表面上の微細凹凸構造3、並びに凹凸構造4は、例えばサンドブラスト加工、エンボス加工、あるいは無機又は有機微粒子の配合を調整する等の、種々の方式により形成することができる。無機もしくは有機の微粒子としては活性エネルギー線硬化型樹脂中で良好な透明性を保持する微粒子であれば任意に使用することができる。
無機微粒子として一般的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどからなる微粒子が用いられ、その中で防眩性や解像性、ハードコート性等の点よりシリカ粒子、特に合成シリカ粒子が好ましい。定型及び無定型シリカのいずれも使用することができる。尚、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性の透明微粒子も帯電性の付与に係わらず用いることができる。
また、有機微粒子としては粒子内部に適度な架橋構造を有しており、活性エネルギー線硬化型樹脂やモノマー、溶剤等による膨潤がない硬質な微粒子を用いることができる。例えば、粒子内部架橋タイプのスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、その他反応性ミクロゲル等を使用することができる。透明微粒子の配合量は、活性エネルギー線硬化型樹脂重量部あたり0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
また必要に応じて公知の一般的な塗料添加剤を配合することができる。例えば、レベリング、表面スリップ性等を付与するシリコーン系、フッ素系の添加剤は硬化膜表面の傷つき防止性に効果があることに加えて、活性エネルギー線として紫外線を利用する場合は前記の添加剤の空気界面へのブリードによって、酸素による樹脂の硬化阻害を低下させることができ、低照射強度条件下に於いても有効な硬化度合を得ることができる。これらの添加量は活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部に対し0.01〜0.5部が適当である。
<防眩性ハードコートフィルムの製造方法>
ハードコート層の塗工方法は任意であるが、生産段階ではロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター等によるのが一般的である。
活性エネルギー線源として紫外線を使用する場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。
フィラーを含む場合や厚膜の硬化にはメタルハライドランプが一般的に使用される。
また、電子線を利用して硬化する場合にはコックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線が利用できる。
本発明の防眩性ハードコートフィルムは、前記透明プラスチック基材、ハードコート層の2層からなる構造を有する。ハードコート層の樹脂には粒径の異なる2種以上の無機もしくは有機微粒子を必要量、ディスパーミキサー、サンドミル等の公知の分散方法によって配合し、硬化後の膜厚が0.5μm以上で、好ましくは10μm以下となるように塗工した後、活性エネルギー線照射によって硬化させる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、「部」および「%」の表記は特に断わりのない限りいずれも重量基準である。
<ハードコート層>
以下の処方に示す電子線硬化型の塗料組成物を、以下に述べる手順によって調整した。まずトルエン/2―ブタノン=1/1の混合溶媒に、平均粒径2.0μmと粒径5.0μmのシリカ粒子の混合重量比を変化させ、ディスパーミキサーによる高速攪拌を行うことによってシリカ分散液を調整した。
次いで、6官能ウレタンアクリレートオリゴマーとトリメチロールプロパントリアクリレートの混合溶液に前記シリカ分散液を攪拌しながら徐々に添加することによって調整した。
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー 40部
(商品名:U−6HA、新中村化学工業社製)
トリメチロールプロパントリアクリレート 60部
(東亜合成(株)製)
トルエン 50部
2−ブタノン 50部
シリカ 5部
(商品名:Mizuperl,S―200、粒径2.0μm、及び、
商品名:Mizuperl,S―500、粒径5.0μm。
いずれも水澤化学工業製)
次に厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、前記、電子線硬化型の塗料組成物をワイヤーバーにて塗布し溶剤分を蒸発させて厚さ約2.5μmの塗布層を形成した後、塗膜側より加速電圧200keVの電子線を吸収線量3Mradの条件で硬化処理することにより、ハードコート層を作製した。
<評価方法>
得られた防眩性ハードコートフィルムについて、各粒径のシリカにより形成されたハードコートフィルム表面上の凹凸形状の平均高低差をSEM観察により、また表面の凸部数の割合を3次元表面粗さ測定により計測した後、下記の測定方法により諸物性を評価した。
・表面粗さ:Surfcom 550AD(東京精密社製)の表面粗さ、輪郭
形状計測システムによって測定した。
・鉛筆硬度:異なる硬度の鉛筆を用い、500g荷重下での傷の有無を判定し
た。
・耐擦傷性:#0000のスチールウールにより、ハードコート膜の表面を4
00gの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生の有無及び傷
の程度を目視により観察した。
<評価の結果>
ハードコート層表面上の凹凸形状のうち、粒径2.0μmのシリカによる微細凹凸構造の平均高低差は0.7μm、粒径5.0μmによる凹凸構造の高低差は3.4μmであった。
各粒径のシリカにより形成された凸部数の割合及び上記測定方法により各諸物性を評価した結果を(表1)に示す。
Figure 2007183653
これより、平均粒径2.0μmと平均粒径5.0μmとの各シリカの重量混合比率を8:2とすることで、平均粒径2.0μmのシリカ粒子のみを配合した場合に比較して、表面粗さ(Ra値)はほとんど変化しないものの、耐擦傷性については改善され、鉛筆硬度も向上していることが解る。
本発明の防眩性ハードコートフィルムもしくはシートの層構成の断面図を示す。
符号の説明
1・・・基材
2・・・ハードコート層
3・・・微細凹凸構造
4・・・凹凸構造

Claims (6)

  1. 透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層が設けてあり、
    該活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層の側の表面に、凹凸の高低差が異なる2種類の微細な凹凸からなる凹凸構造を備えていることを特徴とする防眩性ハードコートフィルム。
  2. 前記2種類の微細な凹凸とは、微細凹凸の平均高低差が0.1〜2.0μmの部分と、凹凸の平均高低差が2.1〜10μmの部分からなることを特徴とする請求項1に記載の防眩性ハードコートフィルム。
  3. 前記平均高低差が0.1〜2.0μmの部分の全凸部の数が、その防眩性ハードコートフィルム表面の微細な凹凸構造の全凸部の数の60〜95%を占有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム。
  4. 前記2種類の微細な凹凸とは、平均高低差が小さい部分と平均高低差が大きい部分のことを指し、平均高低差の両者の差が0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の防眩性ハードコートフィルム。
  5. 前記高低差が小さい部分の全凸部の数が、その防眩性ハードコートフィルム表面の微細な凹凸構造の全凸部の数の60〜95%を占有することを特徴とする請求項1又は4のいずれかに記載の防眩性ハードコートフィルム。
  6. 透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、概ね2種類の粒径からなる微粒子、及び活性エネルギー線硬化型樹脂の、少なくともこれらを成分として塗液化したものを塗布し、しかる後に塗布面に活性エネルギー線を照射することにより活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を硬化すること、又は、
    透明プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、該活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布し、該活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を硬化した後に、サンドブラスト加工か又はエンボス加工法の少なくともいずれかを施すこと、
    以上のいずれかによって、凹凸の平均高低差が異なる2種類の微細な凹凸からなる凹凸構造を表面に備え且つ硬化した活性エネルギー線硬化型樹脂被膜層を基材上に設けることを特徴とする防眩性ハードコートフィルムの製造方法。
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