JP2007181633A - 視覚再生補助装置 - Google Patents

視覚再生補助装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007181633A
JP2007181633A JP2006003090A JP2006003090A JP2007181633A JP 2007181633 A JP2007181633 A JP 2007181633A JP 2006003090 A JP2006003090 A JP 2006003090A JP 2006003090 A JP2006003090 A JP 2006003090A JP 2007181633 A JP2007181633 A JP 2007181633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
parylene
electrode
stimulation
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006003090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4994667B2 (ja
Inventor
Toru Saito
徹 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidek Co Ltd
Original Assignee
Nidek Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidek Co Ltd filed Critical Nidek Co Ltd
Priority to JP2006003090A priority Critical patent/JP4994667B2/ja
Publication of JP2007181633A publication Critical patent/JP2007181633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4994667B2 publication Critical patent/JP4994667B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Prostheses (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

【課題】 埋植する装置自体の生体適合性を高めるとともに、浸潤等による装置の損傷を抑制することのできる視覚再生補助装置を提供すること。
【解決手段】 網膜を構成する細胞に電気刺激を与えるための複数の電極から形成される刺激部と、前記電極に接続され,前記刺激電極に送る刺激電流を制御する半導体集積回路からなる制御手段とを備え、前記刺激部及び制御手段を患者の体内に設置して患者の視覚の再生を行うための視覚再生補助装置において、前記制御手段の周囲が少なくとも3層からなる保護層にて被覆されていること。
【選択図】 図5

Description

本発明は患者の視覚を再生するための視覚再生補助装置に関する。
近年、失明治療方法の一つとして、電極を有する装置を眼内等に埋植し、視覚を形成する細胞に対して電極から刺激パルスを出力して刺激することにより、失われた視覚機能の一部を代行させる視覚再生補助装置の研究がされている。このような視覚再生補助装置は、眼内に置くための体内装置を有し、この体内装置には網膜を構成する細胞を電気刺激するための電極と、それを制御する集積回路からなる制御部が設けられたものが知られている(特許文献1参照)。
米国特許593555号明細書
このような視覚再生補助装置(体内装置)は、眼内あるいは眼内以外の体内に長期間設置するため、できるだけ生体適合性を高める必要がある。また、体液の浸潤や外力等による体内装置の損傷を防ぐ必要がある。
上記従来技術の問題点に鑑み、埋植する装置自体の生体適合性を高めるとともに、浸潤等による装置の損傷を抑制することのできる視覚再生補助装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 網膜を構成する細胞に電気刺激を与えるための複数の電極から形成される刺激部と、前記電極に接続され,前記刺激電極に送る刺激電流を制御する半導体集積回路からなる制御手段とを備え、前記刺激部及び制御手段を患者の体内に設置して患者の視覚の再生を行うための視覚再生補助装置において、前記制御手段の周囲が少なくとも3層からなる保護層にて被覆されていることを有する。
(2) (1)の視覚再生補助装置において、前記保護層は耐衝撃性を有する第1層と、該第1層に対して高いガスバリア性を有する最外の第3層と、前記第1層と第3層との間に形成され、前記第1層と第3層とを密着させるための第2層と、を有することを特徴とする。
(3) (2)の視覚再生補助装置において、前記第1層はシリコーンで形成され、前記第2層はポリパラキシリレン(パリレンN)、第3層はポリモノクロロパラキシリレン(パリレンC)にて形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、埋植する装置自体の生体適合性を高めるとともに、浸潤等による装置の損傷を抑制することができる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は視覚再生補助装置の外観を示した概略図、図2は実施の形態で使用する視覚再生補助装置における体内装置を示す図、図3は制御系のブロック図である。
1は視覚再生補助装置であり、図1及び図2に示すように、外界を撮影するための体外装置10と網膜を構成する細胞に電気刺激を与え、視覚の再生を促す体内装置20とからなる。体外装置10は、患者が掛けるバイザー11と、バイザー11に取り付けられるCCDカメラ等からなる撮影装置12と、外部デバイス13、一次コイルからなる送信手段14等にて構成されている。
外部デバイス13には、CPU等の演算処理回路を有するデータ変調手段13a、視覚再生補助装置1(体外装置10及び体内装置20)の電力供給を行うためのバッテリー13bが設けられている。データ変調手段13aは、撮影装置12にて撮影した被写体像を画像処理し、さらに得られた画像処理後のデータを、視覚を再生するための電気刺激パルス用データに変換する処理を行う。送信手段14は、データ変調手段13aにて変換された電気刺激パルス用データ、及び後述する体内装置20を駆動させるための電力を電磁波として体内装置20側に伝送(無線送信)することができる。また、送信手段14の中心には図示なき磁石が取り付けられている。磁石は後述する受信手段31との位置固定に使用される。
バイザー11は眼鏡形状を有しており、図1に示すように、患者の眼前に装着して使用することができるようになっている。また、撮影装置12はバイザー11の前面に取り付けてあり、患者に視認させる被写体を撮影することができる。
図2に示す体内装置20は、大別して体外装置10から送信される電気刺激パルス信号用データや電力を電磁波により受け取るための受信部30と、網膜を構成する細胞を電気刺激するための刺激部40により構成される。受信部30には、体外装置10からの電磁波を受信する2次コイルからなる受信手段31や、制御部32が設けられている。制御部32は、受信手段31にて受信された電気刺激パルス用データと電力とを分けるとともに、電気刺激パルス用データを基に、視覚を得るための電気刺激パルス信号と対応する電極を指定する電極指定信号に変換し、刺激部40へ送信する制御手段としての役割を有している。
これら受信手段31や制御部32は、基板33上に形成されている。なお、受信部30には送信手段14を位置固定させるための図示なき磁石が設けられている。また、34は不関電極である。
また、刺激部40には、電気刺激パルス信号を出力する電極41、刺激制御部42が設けられている。各電極41は、刺激制御部42に接続されている。刺激制御部42は、制御部32から送られてきた電極指定信号に基づいて、対応する電気刺激パルス信号を電極41の各々へ振り分ける制御手段としての役目を果たす。電極41には生体適合性が高い貴金属、例えば金や白金が用いられる。電極41は基板43上に形成され、刺激制御部42は基板43にフリップチップ実装されている。基板43は、ポリプロピレンやポリイミド等、生体適合性が高く、所定の厚さにおいて折り曲げ可能な材料を長板状に加工したものをベース部としている。この基板43上に電極41が配置され、さらにリード線43aにて刺激制御部42、と電気的に接続されている。
また、受信部30と刺激部40とは複数のワイヤー50によって電気的に接続されている。ワイヤー50は生体適合性の良い金属、ステンレスや白金等を用いている。また、複数のワイヤー50は、取り扱いが容易となるように、チューブ51によって一つに束ねられている。なお、各ワイヤー50は接続部分を除いて絶縁被膜が施されている。
また、このような体内装置20は、図2の点線で示すように、電極41と不関電極34の先端以外の構成部分の全てに生体適合性の高い複数の層からなるコーティング層70が形成されている。このコーティング層70は、装置内への体液等の浸潤抑制や装置保護等の役目を果たす。
以下にコーティング層70の詳細について説明する。図5は、一例として基板43に形成された刺激制御部42周辺を多層コーティングした状態を模式的に示した図である。図示するように、基板43上(刺激制御部42上)には3つの層からなるコーティング層70が施されている。
コーティング層70は、外部からの衝撃等からの保護性(耐衝撃性)に優れた柔軟素材で、さらに生体適合性も高い素材からなる第1層71、ガスバリア性に優れた素材で、さらに生体適合性も高い素材からなる第3層73、第1層71と第3層73との間に形成され、第1層71と第3層73の密着性を高めるための接着層となる第2層72とを有する。第1層71の素材としては、例えば、シリコーン等が挙げられる。また、第2層72の素材としては、第1層71と第2層との両方に強い密着性を有する素材であればよい。例えば、ポリパラキシリレン(以下、パリレンN パリレンは登録商標)が挙げられる。また、第3層73の素材としては、例えばパリレン樹脂で気密性の高いもの、ポリモノクロロパラキシリレン(以下、パリレンC)が用いられる。また、各層の成膜順序は上述したように基板側から、柔軟性と耐衝撃性を有した層、密着力を挙げるための層、最外層にガスバリア性に優れた層となるようにしておく。このような膜構成とすることにより、耐衝撃性(物理的要因による損傷を保護する性能)とガスバリア性とを両立しうるコーティング層が得られる。なお、図5では刺激制御部42周辺をコーティング層70にて被覆した模式図を示しているが、実際は不関電極34及び電極41以外の体内装置20全体(受信部30及び刺激部40)に渡って、このようなコーティング層70を形成する。
次に、コーティング層70の形成工程を説明する。以下の説明では、体内装置20の全体をコーティングした後に、電極41と不関電極34の部分だけコーティングを除去することで、電極41と不関電極34を形成する方法を説明する。まず、体内装置20全体に、シリコーンからなる第1層71(保護層)を形成する。シリコーン層の形成は、体内装置20をシリコーンを満たした型に浸し、加熱硬化させる。このような第1層の膜厚は保護層として機能しつつ柔軟性を失わない程度の膜厚であればよい。例えば、好ましくは0.1mm〜2mm程度、さらに好ましくは0.5mm〜1mm程度である。
次に、シリコーンで形成された第1層71の上に、第2層72を形成する。第2層72はパリレンNを真空蒸着法を用いることによって形成される。第1層71の形成された体内装置20を真空蒸着器に入れ、蒸着材料にパリレンNを用いて、真空蒸着を行う。
第2層72の膜厚は、密着層としての機能を有するだけの膜厚が得られればよい。好ましくは0.5μm〜20μm、さらに好ましくは1μm〜5μm程度である。なお、第2層72の形成時に、第1層71の表面を、予めプラズマ処理等の表面処理をすることで、密着性を向上させるようにしてもよい。
次に、パリレンNで形成された第2層72の上に最外層となる第3層73を形成する。第2層72の形成と同様にパリレンCを体内装置20に真空蒸着させることにより、第3層の形成を行う。なお、第3層の膜厚はガスバリア性を有するだけの膜厚が確保されていればよい。好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜20μm程度である。第2、第3層ともに厚くなりすぎると、体内装置の柔軟性を失うこととなり、好ましくない。
以上のようにして、体内装置20の全表面を3層のコーティングで被覆する。この後、電極41及び不関電極34の先端部分のコーティングを除去する。このコーティング層70の除去方法は、既知の半導体加工技術(例えば、RIE法等)を利用し、電極41の生体に接触する部分のコーティング層70を機械的に取り除く。
なお、以上の説明では、基板43に電極41が作製された状態で、体内装置20全体にコーティング層70を形成させる方法を説明したが、これに限るものではなく、体内装置20のコーティング後に電極41を作製する方法であってもよい。例えば、電極41以外は作製しておいた体内装置20の全体にコーティング層70を形成し、その後に、電極41を作製する箇所のコーティング層70に、既知の半導体集積技術等で孔を開ける。そして、孔の開いた場所に電極41を構成する金属を、既知の半導体集積技術等である蒸着や堆積させることによって、電極41を作製する。
次に、以上説明した本実施形態の3層コーティングにおいて、コーティング層が3層の場合(シリコーン、パリレンN、パリレンC)と、2層の場合(シリコーン、パリレンC)で、密着性にどのような差があるかピール試験により検証した。その試験結果を表1に示す。コーティングの密着性を検証したピール試験について説明する。試験の方法、結果等は以下のようになる。
<目的>
シリコーン樹脂へのパリレンC膜コーティングの密着度を毒性のある密着促進剤などを 使用せずに改善する方法として、シリコーン上にパリレンN膜をコーティングし、その 上にパリレンC膜をコーティングした場合と、シリコーン上にパリレンC膜のみコーテ ィングした場合とで、比較し密着度が向上するかどうかを確認する。
<方法>
素地としてシリコーン樹脂(Nusil製:MED-4211)を用い、以下のコーティングを施した試料を準備する。試料の大きさは各々40×40mm角(厚さ1.0mm)とした。パリレンコートは真空蒸着法で行った。シリコーンは、厚さ1mmのシリコーン製の板材を入手し40×40mmにカットして使用した。試験は、室温(23℃)下で行った。
1)パリレンCを膜厚5.0μm程度コーティングした試料3サンプル
2)パリレンNを中間層として膜厚1.0μm程度でコーティングし、その上にパリレンCを 膜厚5.0μm程度でコーティングした試料3サンプル
試料に薄刃の鋭利な刃物で被膜に垂直に素地まで達する平行な切れ目と、それらと直角に交わる切れ目を入れる。平行な切れ目の間隔は5mm±1mmとし、25マスのマス目をつけた。
切れ目の入った試料表面に粘着テープ(市販のセロファンテープ)をつけ、90°方向に粘着テープを引き剥がす。素地から剥離したマス目を光学顕微鏡にて観察しカウントする。
<結果>
Figure 2007181633
シリコーンに対してパリレンC膜のみのコーティングの場合の剥離率は50%程度で あった。シリコーンに対してパリレンNをコーティングし、その上にパリレンCをコ ーティングした場合の剥離率は30%程度であった。
<結論>
剥離試験(ピール試験)を行い、相対的に比較したところ、各3サンプルにおいていず れも中間層にパリレンN膜をコーティングした方が、パリレンC膜が素地(シリコーン 樹脂)からはがれにくいという結果が得られた。従って、中間層にパリレンN膜を用い ることで密着度が向上したと考える。
また、本実施形態で用いる各ポリマーのガス透過性を表2に示す。
Figure 2007181633
表2では、それぞれのポリマーを断面積25.4cm四方、厚さ25.4μmのフィルムとして、各項目のガスが24時間で透過する透過量(cc又はg)を示している。それぞれの単位は、各種ガスの場合、cc/24時間(ASTM(米国材料試験協会) D1434-63Tに準拠)であり、水蒸気の場合、g/24時間(ASTM E96-63Tに準拠)である。表2からパリレンCの高いガスバリア性がわかる。
以上の試験結果から、本発明の実施形態である体内装置20にシリコーン、パリレンN、パリレンCと順番にコーティングした方が、シリコーン層に対してパリレンCのみやパリレンNのみの2層コーティングよりも、ガスバリア性、密着性とも高いことがわかる。
以上説明した本実施形態では、体内装置20全体を、シリコーン、パリレンN、パリレンCの3層でコーティングしたが、これに限るものではない。体内装置20の中でも重要度に応じて、適宜コーティングを変えることも可能である。
例えば、チューブ51は、パリレンNのコーティングのみでもよい。チューブ51は、患者の生体に埋植した際に動くことが多い。このため、あまりにも層の多いコーティングをチューブ51に施していると、チューブ51の表面に皺ができる場合がある。これを防ぐために、チューブ51の表面に柔軟性とガスバリア性を備えたパリレンNをコーティングすることが好ましい。パリレンNのみのコーティング工程は、チューブ51以外の体内装置20をマスキングし、真空蒸着によって、チューブ51にだけパリレンNのコーティングを形成させる。コーティングの後に、既知の半導体集積技術等でマスキングを取り除く。このようにして、チューブ51は前述の3層コーティングと比較して、皺を抑制しつつ、柔軟性を向上させることができる。
なお、本実施形態では3層のコーティングとしているが、これに限るものではない。前述したコーティング層70の内側の層に予め別の層をコーティングしておき、体内装置20のコーティングを4層以上とすることももちろん可能である。例えば、ガスバリア性をさらに向上させるため、刺激制御部42とその近傍に予めパリレンCをコートし、その上に本実施形態の3層コーティングを施してもよい。その場合の工程は、体内装置20の刺激制御部42とその近傍以外をすべてマスキングし、真空蒸着を行って、刺激制御部42とその近傍にのみパリレンCのコーティングを形成させる。その後、前述した方法で、3層のコーティングを行う。このようにして、刺激制御部42をガスバリア性等の比較的高いパリレンCで予めコートすることによって、刺激制御部42部分は、生体からの体液等の浸潤や刺激制御部42の素材等の生体への流出を抑制する効果が向上する。また、パリレンCは電気絶縁性が他の素材、例えば、パリレンNやシリコーンよりも高いため、絶縁性を確保する上でも有用である。
また、本実施形態では、第1層71のコーティングをシリコーンにより行ったが、これに限るものではない。保護素材として、生体適合性の高いポリイミドを用いてもよい。例えば、電極41の配線であるリード線43aを生体適合性の高いポリイミドでコート(塗布)し、真空蒸着によって、パリレンN、パリレンCとコーティングする。このようにして、リード線43aとその近傍に3層のコーティングを形成させる。ポリイミドはシリコーンと比べて絶縁性が高く、リード線43aを配線している基板43もポリイミドで作製しているため、絶縁性、接着性が高まる。
また、本実施形態では、コーティング層70の第2層(中間層)72をパリレンNとしたが、これに限るものではない。第2層(中間層)72は、第3層(最外層)73と同族で、第1層(保護層)との含浸性が第3層73よりも高いものであってもよい。例えば、パリレンCと同族であるパリレンHT等があげられる。
このような構成を備える体内装置20は、患者の体内の所定位置に設置される。図5は患者眼Eに刺激部40を設置した一例を示す図である。図示するように、基板43上に形成される電極41を脈絡膜E2に接触させた状態で、基板43の一部は、強膜E3と脈絡膜E2との間に設置される。また、基板43の刺激制御部42部分は、強膜E3の外側に置かれる。この基板43の設置は、強膜E3の一部を切開して強膜ポケットを形成させておき、この強膜ポケット内(脈絡膜E2の外側)に基板43の電極部分を挿入し設置後、縫合等により基板43を固定することにより行われる。
なお、不関電極34は図示するように眼内中央の前眼部よりの位置に置かれる。これによって、網膜E1は電極41と不関電極34(対向電極)との間に位置することとなる。よって、電極41からの電気刺激パルス信号が効率的に網膜を通ることとなる。
一方、受信手段31は、体外装置10に設けられた送信手段14からの信号(電気刺激パルス用データ信号及び電力)を受信可能な生体内の所定位置に設置される。例えば、図1に示すように、患者の側頭部の皮膚の下に受信部30(図では受信手段31のみ示している)を埋め込むとともに、皮膚を介して受信部30と対向する位置に送信手段14とを設置しておく。受信部30には、送信手段14と同様に磁石が取り付けられているため、埋植された受信部30上に送信手段14を位置させることにより、磁力によって送信手段14と受信部30とがくっつき合い、送信手段14が側頭部に保持されることとなる。
なお、ワイヤー50を束ねるチューブ51は、側頭部に埋め込まれた受信部30から側頭部に沿って皮膚下を患者眼に向かって延び、患者の上まぶたの内側を通して眼窩に入れられる。眼窩に入れられたチューブ51は、図5に示すように強膜E3の外側を通り、基板43に設置された刺激制御部42に接続される。
なお、本実施形態では、体内装置20(刺激部40)の設置位置を強膜E3側に位置させて、強膜側(脈絡膜側)から網膜E1を構成する細胞を電気刺激する構成としたが、これに限るものではない。患者眼の網膜を構成する細胞を好適に刺激することが可能な位置に電極を設置することができればよい。例えば、体内装置を患者眼の眼内(網膜上や網膜下)に置き、電極が形成されている基板先端部分を網膜下(網膜と脈絡膜との間)や網膜上に設置させるような構成とすることもできる。
以上のような構成を備える視覚再生補助装置において、その動作を図3に示す制御系のブロック図を基に説明する。図3では、簡便のためコーティング層70は図示していないが、電極部分を除いた体内装置20はコーティングされている。図1に示す撮影装置12により撮影された被写体の撮影データ(画像データ)は、データ変調手段13aに送られる。データ変調手段13aは、撮影した被写体を患者が認識するために必要となる所定データパラメータ(電気刺激パルス用データ)に変換し、さらに電磁波として伝送するのに適した変調信号に変調し、送信手段14より電磁波として体内装置20側に送信する。
また同時に、データ変調手段13aは、バッテリー13bから供給されている電力を前述した変調信号(電気刺激パルス用データ)の帯域と異なる帯域の電磁波として前記変調信号と合わせて体内装置20側に送信する。
体内装置20側では、体外装置10より送られてくる変調信号と電力とを受信手段31にて受け取り、制御部32に送る。制御部32では受けとった信号から、変調信号が使用する帯域の信号を抽出するとともに、この変調信号に基づいて電気刺激パルス信号と電極指定信号とを形成し、電極指定信号を刺激制御部42に送信する。刺激制御部42では受け取った電極指定信号に基づいて前述した方法により、各電極41から双極性の電気刺激パルス信号を同時に或いは個別に出力させる。複数の電極41から電気刺激パルス信号を同時に出力する場合には、視覚の再生を妨げない程度の同時出力にて行う。
各電極41から出力する電気刺激パルス信号によって網膜を構成する細胞が電気刺激され、患者は視覚(光覚)を得る。なお、制御部32は、受信手段31により体内装置20を駆動させるための電力を得る。
なお、以上説明した本実施形態では、受信部30にコーティングしたものを用いてるがこれに限るものではない。受信部30が収まるようなケースを作製し、受信部30をケースに収め、その周囲を前述した方法でコーティングして用いてもよい。この場合、ケースは生体適合性の高い素材、例えば、セラミック等で成型する。ケースに受信部30を収め、チューブ51を外に出した状態で入口をエポキシ樹脂、パリレンC等で密封する。このとき、内部に窒素等の不活性ガスを封入して、受信部30の劣化を防ぐようにする。ケースの密封後、前述のコーティング方法でケースごと3層のコーティングを行う。
なお、以上説明した本実施形態では、コーティング層70にパリレンC、パリレンNを用いたがこれに限るものではない。他のパリレンであってもよい。例えば、機械的特性、ガスバリア性の比較的高いパリレンHTであってもよい。また、パリレンNよりもガスバリア性の高いパリレンDをパリレンCの代わりに用いてもよい。
視覚再生補助装置の外観を示した概略図である。 本実施形態における視覚再生補助装置の体内装置を示した概略図である。 本実施形態における視覚再生補助装置の制御系を示したブロック図である。 体内装置を体内に設置した状態を示した図である。 刺激制御部42周辺を多層コーティングした状態を模式的に示した図である。
符号の説明
1 視覚再生補助装置
10 体外装置
20 体内装置
30 受信部
32 制御部
34 不関電極
40 刺激部
41 電極
42 刺激制御部
43 基板
70 コーティング層
71 第1層(保護層)
72 第2層(中間層)
73 第3層(最外層)


Claims (3)

  1. 網膜を構成する細胞に電気刺激を与えるための複数の電極から形成される刺激部と、前記電極に接続され,前記刺激電極に送る刺激電流を制御する半導体集積回路からなる制御手段とを備え、前記刺激部及び制御手段を患者の体内に設置して患者の視覚の再生を行うための視覚再生補助装置において、前記制御手段の周囲が少なくとも3層からなる保護層にて被覆されていることを有する視覚再生補助装置。
  2. 請求項1の視覚再生補助装置において、前記保護層は耐衝撃性を有する第1層と、該第1層に対して高いガスバリア性を有する最外の第3層と、前記第1層と第3層との間に形成され、前記第1層と第3層とを密着させるための第2層と、を有することを特徴とする視覚再生補助装置。
  3. 請求項2の視覚再生補助装置において、前記第1層はシリコーンで形成され、前記第2層はポリパラキシリレン(パリレンN)、第3層はポリモノクロロパラキシリレン(パリレンC)にて形成されていることを特徴とする視覚再生補助装置。



JP2006003090A 2006-01-10 2006-01-10 視覚再生補助装置 Expired - Fee Related JP4994667B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006003090A JP4994667B2 (ja) 2006-01-10 2006-01-10 視覚再生補助装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006003090A JP4994667B2 (ja) 2006-01-10 2006-01-10 視覚再生補助装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007181633A true JP2007181633A (ja) 2007-07-19
JP4994667B2 JP4994667B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=38338198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006003090A Expired - Fee Related JP4994667B2 (ja) 2006-01-10 2006-01-10 視覚再生補助装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4994667B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5935155A (en) * 1998-03-13 1999-08-10 John Hopkins University, School Of Medicine Visual prosthesis and method of using same
JP2004501738A (ja) * 2000-06-30 2004-01-22 コックリアー,リミテッド 蝸牛インプラント
JP2004057628A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Nidek Co Ltd 視覚再生補助装置
JP2004298299A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Nidek Co Ltd 視覚再生補助装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5935155A (en) * 1998-03-13 1999-08-10 John Hopkins University, School Of Medicine Visual prosthesis and method of using same
JP2004501738A (ja) * 2000-06-30 2004-01-22 コックリアー,リミテッド 蝸牛インプラント
JP2004057628A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Nidek Co Ltd 視覚再生補助装置
JP2004298299A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Nidek Co Ltd 視覚再生補助装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4994667B2 (ja) 2012-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008055000A (ja) 視覚再生補助装置
US20170296808A1 (en) Implantable Device for the Brain
RU2695256C2 (ru) Способ изготовления устройства на основе гибких токопроводящих дорожек, устройство на основе гибких токопроводящих дорожек и система нейростимуляции
JP4970069B2 (ja) 視覚再生補助装置
JP3599237B2 (ja) 網膜インプラントおよびその製造方法
CN109364369B (zh) 人工视网膜的刺激电极结构及人工视网膜
US20150267314A1 (en) Cochlear electrode array
JP2007236409A (ja) 視覚再生補助装置
JP2019506953A (ja) 埋め込み可能な神経電極インターフェースプラットフォームを製造する方法
JP4731459B2 (ja) 視覚再生補助装置
JP5405848B2 (ja) 視覚再生補助装置
JP4412924B2 (ja) 視覚再生補助装置
US20180366394A1 (en) Implant device and method of making the same
Jeong et al. Advancements in fabrication process of microelectrode array for a retinal prosthesis using liquid crystal polymer (LCP)
US9884197B2 (en) Encapsulated electronic circuit
JP2004195206A (ja) 生体組織刺激用電極の製造方法及び該方法にて得られる生体組織刺激用電極
JP4310247B2 (ja) 視覚再生補助装置
JP4994667B2 (ja) 視覚再生補助装置
JP5501745B2 (ja) 視覚再生補助装置
JP2006280412A (ja) 視覚再生補助装置及び該装置の製造方法
CN105596118A (zh) 可植入医疗装置中的线圈组件
JP6357752B2 (ja) 視覚再生補助装置の製造方法
US20060052656A1 (en) Implantable devices using magnetic guidance
JP4359567B2 (ja) 視覚再生補助装置及びその作製方法
JP5188792B2 (ja) 視覚再生補助装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120509

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees