JP2007179859A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力特性が向上された燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料極と、空気極と、前記燃料極および前記空気極の間に配置された電解質膜とを具備する燃料電池において、前記電解質膜は、厚さ方向に貫通した貫通孔2を備えた剛性を有する基材1と、少なくとも一部の貫通孔内に保持された電解質3と、少なくとも一部の貫通孔内に保持されたメタノール分解作用を持つ触媒4とを含むことを特徴とする燃料電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、小型燃料電池として好適な燃料電池に関するものである。
近年、電子技術の進歩により、電子機器の小型化、高性能化、ポータブル化が進んでおり、携帯用電子機器においては、使用される電池の高エネルギ密度化の要求が強まっている。このため、軽量で小型でありながら高容量の二次電池が要求されている。
このような二次電池への要求に対して、例えば、リチウムイオン二次電池が開発されてきた。また、携帯電子機器のオペレーション時間は、さらに増加する傾向にあり、リチウムイオン二次電池では、材料の観点からも構造の観点からもエネルギ密度の向上はほぼ限界にきており、更なる要求に対応できなくなりつつある。
このような状況のもと、リチウムイオン二次電池に代わって、小型の燃料電池が注目を集めている。特に、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、水素ガスを使用する燃料電池に比べ、水素ガスの取り扱いの困難さや、有機燃料を改質して水素を作り出す装置等が必要なく、小型化に優れていると考えられる。
DMFCでは、燃料極においてメタノールが酸化分解され、二酸化炭素、プロトンおよび電子が生成される。一方、空気極では、空気から得られる酸素と、電解質膜を経て燃料極から供給されるプロトン、および燃料極から外部回路を通じて供給される電子によって水が生成される。また、この外部回路を通る電子によって、電力が供給されることになる。
しかしながら、このような構成の燃料電池では、電解質膜を通って燃料極から空気極へメタノールが透過してしまい、その結果、発電電位が低下することが問題となっている。この現象(メタノールクロスオーバー)を解決するため、電解質を多孔質体中に充填し、電解質が膨潤してメタノールクロスオーバーを促進させる現象を抑制することが試みられている(例えば特許文献1、非特許文献1)。
特開2002−83612号公報 東亞合成研究年報 TREND 2004 第7号 34〜36頁 細孔フィリング重合法による燃料電池用電解質膜の開発 新製品開発研究所 平岡 秀樹 窪田 耕三
前述した特許文献1及び非特許文献1に記載の電解質膜構造は、確かにメタノールクロスオーバーを減らす効果はあるようだが、基本的に透過するメタノールを処理するわけではないので、通過してしまったメタノールは反応を起こし、起電力電位を低下させると考えられる。そこで、通過するメタノールを膜中で分解させるため、孔内に触媒を配置することが有効となる。このため、触媒層を電解質膜の間に挿入したり、電解質と触媒との混合物を膜状に成形することが行われている。しかしながら、これら手法によると、触媒がメタノールを分解する際に発生する二酸化炭素で電解質膜が変形するため、電極との接触不良等を招いて燃料電池の出力特性が低下する。
そこで本発明者らはこの点を鑑み、剛性を有する基材に厚さ方向に貫通した貫通孔を設け、少なくとも一部の貫通孔内に電解質を保持させると共に、電解質が保持された貫通孔もしくはこれと異なる貫通孔内にメタノール分解作用を持つ触媒を保持させることによって、メタノール分解反応で発生するガスを電解質膜の表面から速やかに拡散させることができ、同時に、電解質膜を通じてメタノールが空気極へ移行することを抑制し、空気極での混成電位形成を最小限に抑えることができ、出力特性を向上させたのである。また、剛性を有する基材の使用により、孔の位置を高精度に設計することが可能となったため、電解質膜の所望の位置に触媒を配置することができる。剛性を有する基材には、MEMS(micro electro mechanical system)技術で作製されたSi基板多孔体が好ましい。
本発明は、出力特性が向上された燃料電池を提供しようとするものである。
本発明に係る燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極および前記空気極の間に配置された電解質膜とを具備する燃料電池において、
前記電解質膜は、厚さ方向に貫通した貫通孔を備えた剛性を有する基材と、少なくとも一部の貫通孔内に保持された電解質と、少なくとも一部の貫通孔内に保持されたメタノール分解作用を持つ触媒とを含むことを特徴とする。
この燃料電池によれば、燃料極から電解質膜に拡散してきたメタノールを、電解質膜内において分解することができるため、空気極へ到達するメタノール量を著しく低減することができる。同時に、メタノール分解反応で発生した二酸化炭素を速やかに放出することができる。さらに触媒の存在する場所を特定することが可能なため、電極配置にあわせて電解質膜内の触媒配置場所を選択することが可能であり、効果的にメタノールクロスオーバーを抑制できることから、出力の優れた燃料電池を提供することができる。
本発明によれば、出力特性が向上された燃料電池を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1には、本発明に係る一実施形態の直接メタノール型燃料電池用の電解質膜の斜視図が模式的に示されている。多孔膜1は精密加工された貫通孔を多数有する多孔基板であり、剛性を有することが望ましい。貫通孔は、多孔膜1の厚さ方向tに貫通している。多孔膜1は、例えば、金属シリコン基板にリソグラフィで孔の場所を精密に設計した後、エッチングにより精密で微細な貫通孔を形成することにより得られる。孔の口径は0.1μm〜1000μmの範囲で、望ましくは1μm〜100μm、さらに望ましくは2μm〜10μmとなる。基板材料としては精密加工できる剛性材料であれば金属、セラミック、ガラス、樹脂を問うことはない。金属材料としては、例えばシリコン、ステンレス、チタンなどが考えられ、挿入する電解質がガラスのようなものであればアルミニウムでも構わない。ただし、金属を用いる際は、表面の電子伝導を抑えるため、酸化処理などの表面処理を行うことが望ましい。セラミックとしては、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素などの窒化物セラミックス、炭化珪素などの炭化物セラミックスが考えられる。一般にセラミックスといえば多結晶体であるが、単結晶体でも構わない。例えばサファイア基板などが考えられる。またガラスを用いる場合、その破壊靭性が問題となるため大きさが制限される可能性があるが、例えば石英ガラスなどの使用が考えられる。樹脂材料としては、剛性の大きいエンプラ材料が望ましい。たとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが考えられる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
多孔体基板の熱伝導率は、1W/mk以上にすることが望ましい。これにより、空気極での酸化反応によって発生する熱を速やかに燃料極側へ伝えて、燃料電池反応を促進させ、出力特性をさらに向上することができる。
このような多孔体基板の全ての貫通孔もしくは一部の貫通孔に挿入される電解質3には、有機高分子系電解質や無機ガラス系電解質などが考えられる。有機高分子系電解質では、例えば、スルホン酸基を有する、パーフルオロスルホン酸重合体等のフッ素系樹脂(ナフィオン(登録商標){品名、デュポン社製}、フレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂(ポリスチレンスルホン酸、ポリエーテルケトンスルホン酸など)が考えられる。また無機系電解質ではタングステン酸やリンタングステン酸などが挙げられる。さらに無機ガラス系電解質では、燐酸ガラスなどが考えられる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
また、多孔体基板の全ての貫通孔もしくは一部の貫通孔に配置されるメタノール分解触媒4としては、カーボン担体に担持した貴金属(例えば白金、パラジウム、ルテニウム、ルビジウムなど)、酸化物担体(例えば酸化チタン、ゼオライト、酸化アルミニウムなど)に担持した貴金属(例えば白金、パラジウム、ルテニウム、ルビジウムなど)、担持体のない無担持の貴金属(例えば白金、パラジウム、ルテニウム、ルビジウムなど)が考えられる。しかしながら、もちろんこれらに限定されるものではない。メタノール分解触媒4は、電解質3が保持されている貫通孔に充填されても良いし、メタノール分解触媒4のみが充填されている貫通孔が存在していても良い。
多孔膜1の片面もしくは両面に有機高分子電解質層を形成することができる。有機高分子電解質層の少なくとも一部は、電解質3もしくはメタノール分解触媒4と接触していることが望ましい。有機高分子電解質層を形成する有機高分子系電解質としては、電解質3で説明したのと同様な種類のものを挙げることができる。
図2には、このような電解質膜に触媒層とガス拡散層を密着させたMEAの断面図を示した。電解質膜5を挟んで空気極と燃料極が配置される。燃料極は、電解質膜5の片面に積層された燃料極触媒層6と、燃料極触媒層6に積層された燃料極ガス拡散層7とを備える。燃料極ガス拡散層7は、燃料極触媒層6に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、燃料極触媒層6の集電体も兼ねている。一方、空気極は、電解質膜5の反対側の面に積層された空気極触媒層8と、空気極触媒層8に積層された空気極ガス拡散層9とを備える。空気極ガス拡散層9は、空気極触媒層8に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、空気極触媒層8の集電体も兼ねている。そして、燃料極ガス拡散層7には、燃料極導電層(図示しない)が積層され、空気極ガス拡散層9には、空気極導電層(図示しない)が積層される。燃料極導電層および空気極導電層は、例えば、金などの導電金属材料からなるメッシュなどの多孔質層で構成される。
このようなMEAは、燃料電池に設置され、燃料供給と空気供給により電力を発現する。燃料電池は、その形態から大きく分けると、メタノール水溶液からなる燃料について、その量が一定になるようポンプで調整しながらMEAの燃料極へ供給する一方、MEAの空気極に対しても空気をポンプで供給する方式からなるアクティブ型燃料電池と、MEAに気化したメタノールを自然供給で送り、一方空気極に対しても外部の空気を自然供給することで、ポンプ等の余計な機器を装備しないパッシブ型燃料電池がある。本発明による電解質膜はそのいずれにも用いることができ、その使用を制限するものではない。
次に、このようにして提供される本発明の電解質膜を設置した燃料電池で優れた出力特性が得られることを以下の実施例で説明する。
(実施例1)
図3に示す直接メタノール型燃料電池を以下のようにして作製した。
まず、電解質膜の形成を行った。精密加工された剛性のある多孔膜を作製するため、シリコン基板を材料とし、以下の加工を行った。
直径6インチのシリコン基板を用い、その表面にリソグラフィで、20mm角の領域内に10mm角で直径5μmの孔が開口面積率55%で存在する領域がある多孔板が32枚取れるよう設計したマスクを作製した。このマスクを用い、シリコン基板表面に感光レジストをスピンコート法で塗布した。レジストとしてOFPR5000を用い、これを二度塗りしてレジスト厚さ7μmを確保した。一回塗るごとに85℃で6分間加熱し、レジストを密着させた。2回塗布し、2回目の加熱後はサイドリンス処理を行い、その後このリンス剤を除去するため、もう一度85℃で6分間加熱した。このレジスト塗布したシリコン基板をリソグラフィにて露光し、現像することで設計どおりのパターンが転写されたシリコン基板を得た。このシリコン基板をボッシュエッチング法により、分解ガスとしてSF6、C48ガスを用いてドライエッチングを行った。SF6でシリコンをエッチングし、C48でエッチング孔の側面にポリマー処理が行われるようにした。エッチングレートは1分間に約2μmとし、1時間かけて100μm以上の深さまでエッチング孔の形成を行った。得られたシリコン基板をアッシング処理して表面の残留レジストを除去し、さらに裏面からCMP(chemical Mechanical Polishing)にて研磨を行い、厚さ50μmの多孔体を得た。この多孔膜を20mmの領域にそって切断し、電解質膜用の多孔体とした。
その後、この多孔体を、空気中で800℃にて熱処理し、その表面に電気絶縁層として酸化皮膜を生成させた。
次にこの多孔体を、Dupont社製のDE2020:Nafion(登録商標)溶液中に沈め、減圧することによって多孔中にNafion分子を含浸させた。その後、室温で十分に乾燥させた。この工程を5回ほど繰り返したところで、基板の中央部の4mm角領域内に対し、カーボンに白金を70%担持した田中貴金属製(TEC10E70TPM)触媒粒子をNAFION溶液中に分散させたスラリにてスクリーン印刷し、中央部の孔中に触媒粒子を充填した。その後、室温で十分に乾燥させた後、さらにDupont社製のDE2020:Nafion溶液中に沈めて減圧し、Nafion分子を孔中に含浸させて取り出し、室温で十分に乾燥させた。これを2回繰り返した。
このようにして、多孔体の中央部の孔に触媒が挿入され、これらの孔を含む多孔体の孔すべてにNafion分子が充填された電解質膜5が得られた。
一方、白金担持グラファイト粒子をDupont社製のDE2020とホモジナイザで混合してスラリを作製し、これを空気極ガス拡散層であるカーボンペーパに塗布した。そして、これを常温で乾燥し、空気極を作製した。さらに白金ルテニウム合金微粒子を担持したカーボン粒子を和光純薬製のDE2020とホモジナイザで混合してスラリを作製し、これを燃料極ガス拡散層であるカーボンペーパに塗布した。そして、これを常温乾燥し、燃料極を作製した。
一方、電解質膜の表面には、Dupont社製のDE2020を全体にわたってスクリーン印刷で、乾燥前厚さが約10μmになるよう塗布し、その後室温で十分に乾燥させた。乾燥後、もう一方の面にも、同じようにDupont社製のDE2020を塗布し、室温で十分に乾燥させた。このようにして、電解質膜表面に有機電解質(Nafion)の薄い層を形成し、この層が、孔に配置した触媒及び電解質と接するようにした。
この電解質膜を、孔内に触媒を配置するためにスクリーン印刷をした面が燃料極に接するようにして、空気極および燃料極の間に介在させ、温度が120℃、圧力が10kgf/cm2の条件でプレスし、膜電極接合体(MEA)11を作製した。
続いて、この膜電極接合体を、空気および気化したメタノールを取り入れるための複数の開孔を有する金箔で挟み、空気極導電層11および燃料極導電層12を形成した。
上記した膜電極接合体(MEA)11、燃料極導電層12、空気極導電層11が積層された積層体を樹脂製の2つのフレーム13a,13bで挟み込んだ。なお、膜電極接合体11の空気極側と一方のフレーム13aとの間、膜電極接合体11の燃料極側と他方のフレーム13bとの間には、それぞれゴム製のOリング14を挟持してシールを施した。
また、燃料極側のフレーム13bは、気液分離膜15を介して、液体燃料タンク16にネジ止めによって固定した。気液分離膜には0.1mm厚さのシリコーンシートを使用した。一方、空気極側のフレーム13a上には多孔質板を配置し、保湿層17を形成した。この保湿層17上には、空気取り入れのための空気導入口18(口径2.5mm、口数8個)が形成された厚さが2mmのステンレス板(SUS304)を配置してカバー19を形成し、ネジ止めによって固定した。
上記したように形成された燃料電池の液体燃料タンク16に、液体燃料20として純メタノールを5mL注入し、温度25℃、相対湿度50%の環境で、開回路状態での電圧と、出力の最大値を電流値と電圧値から測定した。また、カバー19の表面に取り付けた熱電対によって、燃料電池の表面温度の最大値を測定した。
測定の結果を下記表1に示す。
(実施例2)
実施例2で使用された電解質膜の構成は、触媒挿入した孔の位置が、多孔膜の開口領域の最外周から幅1mmの領域内に位置すること以外は、実施例1の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
(実施例3)
実施例3で使用された電解質膜の構成は、触媒挿入した孔の位置が、多孔膜の開口領域の最外周と中央部からの丁度中間領域にあたる、外周から2mm、中央から2mmで幅1mmとなる領域内に位置すること以外は、実施例1の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
(実施例4)
実施例4で使用された電解質膜の構成は、触媒挿入した孔が、多孔膜のすべての孔であること以外は、実施例1の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
(実施例5)
実施例5で使用された電解質膜の構成は、多孔部に充填される電解質が異なる。すなわち、実施例1で用いたNafion溶液の代わりに、テトラメトキシシラン、テトラメトキシリン酸を主原料にしてSiO2−P25の組成比が0.9:0.1になるように調整したゾルを、浸漬法により浸漬・乾燥を繰り返して充填した以外は、実施例1の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
(実施例6)
実施例6で使用された電解質膜の構成は、多孔部に充填される電解質が異なる。すなわち、実施例1と同様にNafion溶液を含浸させるが、含浸・乾燥の工程は3回までの繰り返しとし、その後、テトラメトキシシラン、テトラメトキシリン酸を主原料にしてSiO2−P25の組成比が0.9:0.1になるように調整したゾルを、浸漬法により浸漬・乾燥を繰り返して充填した以外は、実施例1の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
(比較例1)
比較例1で使用された電解質膜の構成は、孔に触媒をまったく挿入していないこと以外は、実施例1の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
(比較例2)
比較例2で使用された電解質膜の構成は、孔に触媒をまったく挿入していないこと以外は、実施例5の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
(比較例3)
比較例3で使用された電解質膜の構成は、孔に触媒をまったく挿入していないこと以外は、実施例6の燃料電池の構成と同じである。また、開回路状態の電圧、出力の最大値および燃料電池の表面温度の最大値の測定方法および測定条件は、実施例1における測定方法および測定条件と同じである。測定の結果を下記表1に示す。
Figure 2007179859
(実施例および比較例の測定結果の検討)
表1に示された測定結果から、出力の最大値は、実施例1〜4の方が比較例1よりも高い値を示した。また実施例5の方が比較例2よりも高い値を、実施例6の方が比較例3よりも高い値を示した。これによって、多孔膜に電解質を挿入した電解質膜において、その孔中にメタノールを分解する触媒を配置することで、出力を向上させる要因になっていることが明らかとなった。
また、実施例1〜3における出力の最大値と実施例4における出力の最大値を比較すると、実施例4の方が高い値を示した。実施例1〜3と実施例4とでは、電解質膜内の触媒の配置量が明らかに異なる。このため、実施例4ではメタノールクロスオーバーがかなり減少したため、出力低下を抑えることができたと考えられる。しかしながら、電解質膜内でのメタノール分解反応が活発化し、かなりの発熱が見られた。持ち運び用の機器に用いる燃料電池としては、温度上昇の制御も必要であり、その意味では出力を上げながら、温度上昇を制御することも重要である。したがって、実施例1〜3の結果からも、電解質膜の孔位置の、どこにどのくらいメタノール分解触媒を配置するかで、発熱量と出力を制御できると考えられる。
さらにメタノール分解反応により発生する二酸化炭素は多孔体中の電解質を通して排出される。二酸化炭素の発生量が大きい場合、長時間の運転で電解質が変質することも考えられる。したがって、電解質膜内に配置する触媒量と配置が、燃料電池の特性に影響を与えることが明らかとなった。
上記したように、多孔膜に電解質を挿入した電解質膜において、その孔中にメタノールを分解する触媒を配置設計することで、メタノールのクロスオーバを抑制し、高出力で、温度上昇も制御できる燃料電池を提供できることが明らかになった。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
一実施の形態の直接メタノール型燃料電池用電解質膜の斜視図。 一実施の形態の直接メタノール型燃料電池用電解質膜と燃料極、空気極からなる発電素子の断面図。 実施例1の直接メタノール型燃料電池を示す模式的な断面図。
符号の説明
1…多孔膜、2…貫通孔、3…電解質、4…メタノール分解触媒、5…電解質膜、6…燃料極触媒層、7…燃料極ガス拡散層、8…空気極触媒層、9…空気極ガス拡散層、10…膜電極接合体、11…カソード導電層、12…アノード導電層、13a,13b…フレーム、14…シール材、15…燃料気化部、16…液体燃料タンク、17…保湿層、18…酸化剤導入口、19…カバー、20…液体燃料。

Claims (8)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極および前記空気極の間に配置された電解質膜とを具備する燃料電池において、
    前記電解質膜は、厚さ方向に貫通した貫通孔を備えた剛性を有する基材と、少なくとも一部の貫通孔内に保持された電解質と、少なくとも一部の貫通孔内に保持されたメタノール分解作用を持つ触媒とを含むことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記基材は、絶縁材料から形成されているか、あるいは表面が絶縁層で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記電解質は、有機高分子電解質あるいは無機電解質、あるいはその両方の混合物から成ることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
  4. 前記無機電解質が燐を含む材料であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
  5. 前記メタノール分解作用を持つ触媒が、カーボン担体に担持されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の燃料電池。
  6. 前記メタノール分解作用を持つ触媒が、酸化物担体に担持されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の燃料電池。
  7. 前記基材の表面に有機高分子電解質層が形成され、前記有機高分子電解質層の少なくとも一部が前記電解質と接触していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の燃料電池。
  8. 前記基材の表面に有機高分子電解質層が形成され、前記有機高分子電解質層の少なくとも一部が前記メタノール分解作用を持つ触媒と接触していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の燃料電池。
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WO2010013425A1 (ja) * 2008-07-28 2010-02-04 株式会社 東芝 燃料電池
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