JP2007179517A - 画像生成方法および装置ならびに化粧シミュレーション方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 化粧後の顔画像を合成して生成する際に、自然で現実観のある顔画像を生成する。
【解決手段】 被験者の化粧前の肌画像に仮想の化粧膜を施すときに、肌のしみ、そばかすなどの部分の輪郭をぼかす処理を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は被験者の顔画像を撮影して所望の化粧を施した画像を生成する化粧シミュレーション装置に利用する。本発明は顧客が所望する化粧仕上がりを、顧客の顔画像に仮想の化粧膜を施すことで予測する化粧アドバイスシステムに利用するものであり、特に化粧膜による肌のしみ・そばかす等のぼかし効果を評価する化粧シミュレーション方法と装置に利用できる。
被験者の顔画像を撮影し、この撮影した顔画像に仮想的な化粧を施すシミュレーションを行ってその結果を出力し化粧のアドバイスを行う化粧シミュレーションに関する発明が下記の特許文献1、2、3、4に開示されている。
特許文献1の発明は、化粧を施したモデルの顔画像からモデルの化粧前顔画像を減算することで化粧データを抽出し、この化粧データを異なる特徴を有する顔のタイプ別にそれぞれ分類してメモリに蓄積しておき、これらの化粧データの中から顧客の顔の画像に適合するような化粧データを選択するとともに、この化粧データを顧客の顔に合わせて変形させて、顧客の顔画像と合成し、顧客の化粧後の画像を生成するものである。
また特許文献2の発明は、モデルの化粧前後の顔画像を偏光を用いて撮影することで、化粧データとして表面反射光成分画像と内部反射光成分画像を分離して抽出し、被験者(顧客)の化粧前の顔画像にそれらの抽出された化粧データを合成することで、より自然な化粧シミュレーションを行うものであった。
さらに特許文献3の発明は、化粧後の自然な光沢を表現するため、化粧を施す前の被験者の顔画像を偏光を用いて表面反射光成分画像と内部反射光成分画像とに分離して抽出し、表面反射光成分画像には艶色の処理を施し、内部反射光成分画像には化粧データを合成し、それらの表面反射光成分画像と内部反射光成分画像とを合成して化粧シミュレーションを行うものであった。
特許文献4では、被塗布体に化粧を塗布する前の測色値と塗布した後の測定色との回帰線から、化粧前後の色変化を一次関数で表現し、被験者の化粧前の顔画像に化粧を施すシミュレーションを行っている。また、被験者の顔の3次元形状を取得することで、化粧光沢のシミュレーションも行っている。
特開2000−194835号公報 特開2001−238727号公報 特開2003−256812号公報 特開2000−193527号公報
一般に、ファンデーション、アイシャドウ、口紅等のメイクアップ化粧料を皮膚に塗布した場合の仕上がり評価において、(i)どのように着色された化粧肌色が得られるか、(ii)素肌の艶が化粧膜によってどのように変化するか、(iii)しみやそばかす等の素肌の色むらが化粧膜によってどのように遮蔽され(カバーされ)かつぼかされるかが重要な評価項目となる。
この課題に対して、特許文献1〜4の発明は、化粧による肌の色や艶の変化や化粧膜によるしみ・そばかす等のカバーをある程度の画質でシミュレーションすることを可能にした。
しかしながら、しみやそばかすを目立たなくするための重要な要素として、化粧膜によりしみやそばかすと周辺の肌色との境界がぼける効果(ぼかし効果)があるが、その効果は考慮されていない。
また、本発明者はより自然な化粧画像をえるために、化粧膜の光学データを化粧膜の表面で反射される表面反射光成分と、化粧膜の内部で散乱して表面に現れる内部反射光成分(膜色成分)と、化粧膜を透過する透過成分との3つの化粧膜光学データにわけ、この3つの成分を表面反射光成分画像と内部反射光成分画像とに分離された被験者の素肌画像(化粧前の肌画像)に合成する方法および装置を発明し、先に特許出願した(特願2004−200571)。
しかし、この発明においても、しみやそばかすを遮蔽(カバー)することはできるが、化粧膜によるぼかしの効果を表現するにはまだ十分とはいえなかった。
化粧膜によるぼかし効果は照射された光が化粧膜中で拡散し、この拡散された光が素肌で反射された後に、再び化粧膜に戻り化粧膜中で拡散されることにより、しみやそばかすと周辺の肌色との境界が曖昧になることによって発現すると考えられる。
この現象を光学的に取り扱おうとすると、光源から化粧膜中へ入射した光が顔料(酸化チタン、酸化鉄、パール顔料)の散乱・吸収により拡散することで素肌に到着し、その光の約10%程度が素肌表面で反射され、残りの約90%が素肌中に浸透し色素成分による散乱・吸収を繰り返して素肌の外に散乱され、再び化粧膜中で顔料の散乱・吸収により拡散される現象を、数値計算する必要がある。最新のCG技術においては、肌の様な半透明な材質に対してモンテカルロシミュレーションを用いてリアルな質感を再現することが試みられている(H.W.Jensen著、苗村健 訳、フォトンマッピングを参照)。しかし、素肌は色素成分が不均質に分布している半透明体と考えられるため、モンテカルロシミュレーションを行うには非常に煩雑な計算アルゴリズムと時間を要するため現実的な手法とはいえない。
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、化粧膜によるしみやそばかすに対するぼかし効果を簡便な処理により表現することができる画像生成方法および画像生成装置を提供することを目的とする。また、仮想の化粧を施すことにより、しみ、そばかすなどの輪郭がぼかされた化粧後の顔画像を生成して被験者(評価者)に表示して評価することができる化粧シミュレーション方法および装置を提供することを目的とする。本発明はより自然で現実感ある化粧後の顔画像を顧客に提供することを可能とする化粧シミュレーション方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は、化粧を施す前の被験者の顔画像を撮影し、この顔画像に対して化粧膜の点広がり関数(Point Spread Function、以下PSF)のコンボリューション演算を行うことを特徴としている。これにより、被験者の肌のしみあるいはそばかす等と他の肌色との境界が化粧膜によってぼかされた画像を生成できる。
その時用いられる化粧膜の点広がり関数(PSF)は、化粧剤を透明膜に塗布したサンプルの光透過率データから求めることができる。光透過率データはたとえば変角分光測定器などで測定する。また点広がり関数をガウス関数で近似することも可能であり、さらにガウス関数の分散σを変化させてぼかし効果を仮想的に変化させた画像を生成することもできる。
さらに、本発明は、撮影した顔画像を顔の表面で反射された表面反射光成分画像と内部で反射された内部反射光成分画像とに分離し、内部反射光成分画像に対してコンボリューション演算を行ってぼかし処理を行うことができる。さらに、内部反射光成分画像を画像処理の手法により陰影成分と陰影成分を除いた成分とに分離し、陰影成分を除いた内部反射光成分画像に点広がり関数によるコンボリューション演算を行ってぼかし処理を行った画像を生成することもできる。これにより、いわば化粧を施す素肌側の画素に対してぼかし操作を行うことになり、あらかじめ取得された被験者の素肌画像に対して画素単位でぼかしの画像処理を施すだけであるので、その画像処理は化粧膜内での透過光の拡散現象をモンテカルロ法などによりシミュレーションする手法に比べると簡便であり、演算負荷が格段に少なくてすむ。
内部反射光成分画像から陰影成分と陰影成分を除いた成分とに分離する手法としては、独立成分分析(特開2002−200050)やウェーブレット解析(特開2005−4468)を挙げることが出来る。
独立成分分析とは、皮膚の層構造を、メラニンを主な色素成分として含有する表皮層と、ヘモグロビンを主な色素成分として含有する真皮層と、その他の色素成分を含有する皮下組織との積層構造であるとモデル化し、各層から独立的に信号が発せられ、それらが混合したものが皮膚(肌)の画像信号になっていると考え、画像信号から各層の信号を分離抽出する分析方法である。具体的には、画像信号のRGB値の対数、−log(R)、−log(G)、−log(B)を3軸とする3次元色空間に(陰影のない)肌の色をマッピングする。するとマッピングされた点はほぼ平面状に分布し、肌の色は色空間の中の2つの独立なベクトルの線形和で表される。独立な2つのベクトルとして、メラニンに起因するベクトルとヘモグロビンに起因するベクトルを適宜選択すれば、肌色は、メラニンの成分ベクトルとヘモグロビンの成分ベクトルの合成ベクトルとして表現される。しかし、顔のように起伏があり陰影が発生する物体が対象である場合には、その画像に照明の陰影がのっている。色空間において、陰影ののった肌色は、メラニンの成分ベクトルとヘモグロビンの成分ベクトルで張られた上記の平面からはずれるため、陰影に起因するベクトル成分を抽出することができる。顔画像の各画素において上記抽出を行うことによって、陰影成分とそれ以外に画像を分離することが可能になる。なお、上記平面を張る独立な2つのベクトルとして、メラニン成分、ヘモグロビン成分以外のベクトルも使用する事ができる。
ウェーブレット解析は、画像解析の分野でコントラストの強調、ぼけの回復、あるいは雑音の除去などに幅広く応用されている手法である。フーリエ変換のように三角関数波の重ね合わせで反射信号を表現するのではなく、短い波(Wave−lets)を拡大縮小し、平行移動した波の重ね合わせで表現するものである。フーリエ解析がどの周波数成分も均等に扱うのに対して、ウェーブレット解析では信号部分や特徴の存在する成分のところを局在的に扱うことができる。具体的には、ある画像に対して決められた重み付けによる平均操作を行うことで、画像の低周波成分と高周波成分に分離していき、このウェーブレット解析を繰り返すことで低周波成分をさらに分割していく手法である。これらの分割された低周波数成分から顔の起伏や光源の照度分布に起因した成分を見つけ出して陰影成分と定義することで、陰影成分とそれ以外に画像を分離することが可能になる。
化粧膜が素肌のしみやそばかすなどをぼかす効果(ぼかし効果)を考慮にいれた化粧顔画像を生成できるので、より自然で現実感ある化粧顔画像を提供することができる。さらにぼかし効果が実際の化粧膜の光学データ(光透過率データ)を基に形成されているため自然な印象を与える化粧顔画像の作成が可能となる。また、ぼかし効果を実現する演算処理が簡便なため、高速に化粧顔画像を生成することができる。
また、シミュレーションによりぼかし効果を仮想的に変化させ、実際に存在していない化粧剤の化粧顔画像を作成できるため、しみやそばかす等の肌悩みを解消する最適な化粧膜の設計および新規材料開発の指針にすることが可能になる。
本発明実施例の化粧シミュレーション装置の構成を図1を参照して説明する。
図1は本実施例の化粧シミュレーション装置のブロック構成図である。
本実施例は、図1に示すように、化粧を施す前の被験者の顔画像を撮影するカメラ装置1と、この撮影した顔画像から、顔の表面で反射された表面反射光成分からなる外部顔画像データ(表面反射光成分画像)と内部で反射された内部反射光成分からなる内部顔画像データ(内部反射光成分画像)とを抽出する素肌画像データ抽出部2と、被験者の顔の3次元形状を、顔画像撮影と同時もしくは別途測定し取得する3次元形状測定装置8と、化粧膜の表面で反射される表面反射光成分と化粧膜の内部で散乱されて反射される膜色成分と化粧膜を透過する透過成分とからなる化粧膜光学データを保持する化粧膜光学データ保持部3と、前記化粧膜光学データと顔の3次元形状を基に表面反射光成分画像および内部反射光成分画像から化粧後の顔画像を生成する化粧顔画像生成部4とを備えた化粧シミュレーション装置である。
化粧顔画像生成部4により生成された化粧後の顔画像は表示部5に表示される。また、カメラ装置1、素肌画像データ抽出部2、化粧膜光学データ保持部3、化粧顔画像生成部4は、操作部6により操作される。また、被験者には光源7から撮影用の光が照射される。
次に、化粧シミュレーション装置での化粧顔画像生成の手順を図1および図2に基づいて説明する。光源7およびカメラ装置1の前にそれぞれ偏光板を配置し、光源7から照射される光の偏光方向とカメラ装置1に入る光の偏光方向を平行にした場合(SS偏光)と垂直にした場合(SP偏光)の二通りのセッティングで被験者の化粧前の顔画像(素肌画像)を撮影し、素肌画像データ抽出部2で、肌の表面で反射される反射光成分からなる表面反射光成分画像と肌の内部で拡散して肌の表面に現れた反射光成分からなる内部反射光成分画像とに分離し素肌画像データを抽出する。なお、化粧前の顔には化粧水やクリーム等の略無色透明な化粧剤がのっていてもよい。被験者の顔の3次元形状は別途あるいは同時に3次元形状測定装置8により計測しておく。素肌画像データ抽出部2で抽出された二つの素肌画像データおよび被験者の顔の3次元形状データは、化粧顔画像生成部4に送られる。また、化粧膜光学データ保持部3に保持された、化粧膜の表面で反射される表面反射光成分と化粧膜の内部で散乱されて反射される膜色成分と化粧膜を透過する透過成分とからなる化粧膜光学データから所望の化粧膜光学データを選択し化粧顔画像生成部4に送る。化粧顔画像生成部4は、これら、被験者の3次元形状データ、素肌画像データ、化粧膜光学データを合成して、仮想の化粧顔を生成する。この化粧顔画像生成の手順は、本発明者が特願2004−200571で提示したものと同じである。
次に本発明実施例のぼかし処理を行って化粧顔画像を生成する手順を図3に基づいて説明する。このぼかし処理は、化粧顔画像生成部4において行う。
1)素肌画像データ抽出部2により抽出した内部反射光成分画像に対して独立成分分析を行うことで「光源の照射輝度分布や顔の起伏に起因した陰影成分」の画像と「内部反射光成分画像から陰影成分を差し引いた、メラニンやヘモグロビン等の素肌内部構造に由来する成分」の画像に分離する。
2)しみやそばかすは素肌内部構造に由来しているため、この素肌内部構造に由来している成分(内部反射光成分−陰影成分)の画像に対してぼかし処理を行う。すなわちこの画像に化粧膜の光透過率データより求めた点広がり関数(PSF)のコンボリューション演算を行い、化粧のぼかし効果を取り込んだ画像の作成を行う。
3)PSFを施した素肌内部構造に由来している成分と陰影成分の画像とを再合成することで、ぼかし効果を取り入れた素肌画像を生成する。
4)この素肌画像に化粧膜光学データ保持部3で保持している光学データに基づいて化粧膜をさらに合成することで擬似的な化粧顔画像が作成され、それは表示部5に表示される。
ここで、2)で実施した化粧膜の点広がり関数(PSF)による画像生成についてさらに説明を行う。
発明の解決しようとする課題の項で説明したように、化粧膜中で光が多重散乱されて素肌のしみやそばかすがぼかされる現象を直接光学的にシミュレーションすることは困難を要し、計算時間も膨大になって現実的ではない。ぼかし効果は、入射光が化粧膜中で散乱されながら素肌表面に到達する効果と素肌から反射された光が化粧膜中で再び散乱されて外部に出射する効果の結果として現れる。それゆえ素肌に光が直接照射された時と比べると、化粧膜を通した肌の色はより周辺からの影響を受けて決まると考えられる。そこで素肌の注目する画素点に対して周辺の画素点をある比率で加算することにより、化粧膜によるぼかし効果を擬似的に表現できる。すなわち、本発明はぼかし効果を化粧膜内の透過光の拡散や散乱といった光学現象を直接計算して求めるのではなく、素肌のテクスチャ(画像)がぼける効果として扱い、ぼかし効果を含んだ化粧画像を極めて簡便にかつ高い画質で生成することを可能にしたものである。
画像をぼかす技術として、畳み込み(コンボリューション)と言われる、以下の演算が一般に用いられている。
Figure 2007179517
ここで用いられている点広がり関数としては、ガウス型の関数が一般的である。
Figure 2007179517
画像は離散表示であるので、
Figure 2007179517
になる。
このコンボリューションを素肌画像に適応すると、素肌の画像を擬似的にぼやけさせることが可能になる。すなわち注目する画素点に、そこからの距離に応じた重みをつけて周辺の画素点を加算することで、注目する画素点と周辺の画素点との平均化を行うのである。点広がり関数を(4)式で与えられるようなガウス分布で近似したときは、その分散σを大きくすることによって、注目する画素点に対して加算される周辺画素点の割合が増えるため、周囲の素肌肌色との境界がより曖昧になり、しみやそばかすがさらにぼかされた画像が作成される。
本実施例では、このコンボリューションを行う際の点広がり関数(PSF)として、あらかじめ化粧剤の光透過率分布を変角分光測定器で測定したものを用いている。取得した透過率分布を基に、数値データとして点広がり関数を作成してもよいし、あるいはガウス関数で近似してもよい。
点広がり関数をガウス関数で近似する利点は、その分散σを変化させることによって、現実に存在していない仮想の化粧剤を想定して容易に化粧顔のシミュレーションが出来ることである。
化粧膜によるぼかし処理を与えた場合とぼかし処理をしていない場合の例を模式図として図4に示す。ぼかし処理をしていない場合、化粧膜によりしみ、そばかすなどの色の部分には隠蔽効果が生じているが、その境界は変化しない。これに対してぼかし処理をした場合には、しみ、そばかすなどの色の部分が変化するとともに、周囲との境界も曖昧になっており、化粧によってしみ、そばかすを目立たなくする効果を忠実に再現している。
化粧膜の光透過率データの測定はたとえば以下のようにして行うことができる。
まず化粧剤を透明な下地に塗布して測定試料を作成する。下地の特性としては、光透過率の波長分散が可視領域においてほぼ平坦でかつ透過率が90%以上であることが好ましい。下地としてオカモト社製塩化ビニールシートを用い、その5cm×10cmの範囲に平均0.05mg/cmとなるようにスポンジを用いて、化粧剤を均一に塗布した。この測定試料に対して、村上色彩技術研究所社製GCMS−4にて透過光の測定を行った。その際、入射角0度、受光角−5〜5度、あおり角0度とした。光源は、ナーバ社のハロゲンランプ(HLWS7)を用いた。
ここで測定の際の角度条件と化粧膜の光透過率分布(光透過率データ)の例を図5に示す。
この光透過率分布を点広がり関数(PSF)として用い、図3のフローによりぼかしシシミュレーションを行った。
まず、図1の素肌画像データ抽出部2により抽出した内部反射光成分画像に対して独立成分分析を行うことで光源の照射輝度に由来する陰影成分を抽出した。次に、内部反射光成分画像から陰影成分を差し引き、メラニンやヘモグロビン等の素肌内部構造に由来する成分を分離した。
しみやそばかすは素肌内部構造に由来しているため、この素肌内部構造に由来している成分に対して化粧膜の光透過率データより求めた点広がり関数(PSF)を用いて式(3)に従うコンボリューション演算を行ってぼかし効果を与えた画像作成を行う。陰影成分については、光源の照度分布や顔の起伏に起因している画像であるため特別なぼかし操作は施さない。
PSFのコンボリューション演算を施した素肌内部構造に由来する画像と陰影成分画像とを再合成することで、ぼかし効果を取り入れた内部反射光成分画像を作成する。さらに、特願2004−200571で説明した手法により、仮想化粧膜をさらに合成することで化粧顔画像が作成される。
この結果、しみやそばかすの目立つ素肌画像に対して、化粧膜によってしみやそばかすを隠蔽し、かつその輪郭をぼかした、自然で現実感のある化粧顔画像を作成することが出来た。
この実施例を用いると、極めて高速に被験者(顧客)の化粧後の顔画像を提示することができるため、店頭での化粧アドバイスシステムとして利用することができる。
なお、上記実施例では、肌の内部反射光成分を陰影成分と陰影成分を除いた成分とに分け、陰影成分を除いた成分に対して化粧膜の点広がり関数(PSF)のコンボリューション演算を施してぼかし処理を行ったが、陰影成分を除かないで内部反射光成分画像に対してぼかし処理を行ってもよい。この場合は、図2の抽出した内部反射光成分画像に対して直接PSFのコンボリューション演算を施すことになる。この処理は、皮膚の凹凸や照射輝度分布に起因した成分も含めての処理になるが、周囲の肌色との境界をぼかす効果は生ずるので化粧膜によるぼかし効果を実現できる。
次に、シミュレーションで作成した化粧顔画像を用いて、化粧膜によるぼかし効果の印象評価を行った。
上記実施例で用いたPSFをガウス関数で近似(フィッティング)し、関数の広がりを示すパラメータである分散σを求めた。このσの値を基準値としてスタートし、σを変えて化粧膜のぼかし効果を様々に変化させることで仮想的な化粧顔を作成する。なお分散σの代わりに標準偏差σも広がりを示すパラメータとして用いる事ができる。作成した画像を被写体となった方および一般評価者に見せることで評価してもらう。その際には、「しみやそばかすの消え方に満足しているか」、「望むべきはどの程度であるか」との質問をしながら行う。
これにより、評価者が望む化粧顔を得るために必要な分散σを見出すことで最適なぼかし効果を探索し、この結果を基に化粧剤開発に反映させることが出来る。このときの評価の手順を示すフローチャートを図6に示す。
本発明により、より自然で現実感ある化粧シミュレーションを行うことができるため、所望の化粧効果を実現できる化粧品の研究開発あるいは化粧方法の研究に利用できる。
本実施例の化粧シミュレーション装置のブロック構成図。 化粧シミュレーションの手順を説明する図。 素肌画像にぼかし処理を行う手順を説明する図。 化粧膜によるぼかしの効果を説明する図。 PSF関数の例を示す図。 ガウス関数を用いた化粧膜の評価手順を説明するフローチャート
符号の説明
1 カメラ装置
2 素肌画像データ抽出部
3 化粧膜光学データ保持部
4 化粧顔画像生成部
5 表示部
6 操作部
7 光源
8 3次元形状測定装置

Claims (16)

  1. 化粧を施す前の被験者の顔画像に対して化粧膜の点広がり関数のコンボリューション演算を行って画像形成を行う画像生成方法。
  2. 前記化粧を施す前の被験者の顔画像を内部反射光成分画像と表面反射光成分画像とに分離し、前記内部反射光成分画像に前記コンボリューション演算を行う請求項1記載の画像生成方法。
  3. 前記内部反射光成分画像を陰影成分と陰影成分を除いた成分とに分離し、陰影成分を除いた成分画像に前記コンボリューション演算を行った後、陰影成分画像と合成する請求項2記載の画像生成方法。
  4. 前記点広がり関数として化粧膜の光透過率データを用いる請求項1ないし3のいずれか記載の画像生成方法。
  5. 前記点広がり関数をガウス関数で近似する請求項1ないし4のいずれか記載の画像生成方法。
  6. 前記ガウス関数の分散σを変化させて画像を形成する請求項5記載の画像生成方法。
  7. 化粧を施す前の被験者の顔画像を内部反射光成分画像と表面反射光成分画像とに分離し、
    前記内部反射光成分画像に化粧膜の点広がり関数のコンボリューション演算を行って前記表面反射光成分画像と合成し、
    この合成された顔画像に、前記化粧膜の表面で反射される表面反射光成分と前記化粧膜の内部で散乱されて反射される膜色成分と前記化粧膜を透過する透過成分とからなる化粧膜光学データを合成して化粧後の顔画像を生成する
    化粧シミュレーション方法。
  8. 前記内部反射光成分画像を陰影成分と陰影成分を除いた成分とに分離し、陰影成分を除いた成分画像に化粧膜の点広がり関数のコンボリューション演算を行う請求項7記載の化粧シミュレーション方法。
  9. 化粧を施す前の被験者の顔画像を撮影するカメラ装置と、前記カメラ装置で撮影した顔画像に化粧膜の点広がり関数のコンボリューション演算を行う演算手段とを備えた画像生成装置。
  10. 前記演算手段は、前記カメラ装置で撮影した化粧を施す前の被験者の顔画像を、内部反射光成分画像と表面反射光成分画像とに分離し、前記内部反射光成分画像に前記点広がり関数のコンボリューション演算を行う手段を含む請求項9記載の画像生成装置。
  11. 前記コンボリューション演算を行う手段は、前記内部反射光成分画像を陰影成分と陰影成分を除いた成分とに分離し、陰影成分を除いた成分画像に前記点広がり関数のコンボリューション演算を行う手段を含む請求項10記載の画像生成装置。
  12. 前記点広がり関数として化粧膜の光透過率データを用いる請求項9ないし11のいずれか記載の画像生成装置。
  13. 前記点広がり関数をガウス関数で近似する請求項9ないし12のいずれか記載の画像生成装置。
  14. 前記ガウス関数の分散σを変化させて画像を形成する請求項13記載の画像生成装置。
  15. 化粧を施す前の被験者の顔画像を撮影するカメラ装置と、
    前記カメラ装置で撮影された顔画像を内部反射光成分画像と表面反射光成分画像に分離する手段と、
    前記被験者の顔の3次元形状を測定する手段と、
    化粧膜の表面で反射される表面反射光成分と化粧膜の内部で散乱されて反射される膜色成分と化粧膜を透過する透過成分とからなる化粧膜光学データを保持する手段と、
    前記化粧膜光学データと前記被験者の顔の3次元形状を基に前記表面反射光成分画像および前記内部反射光成分画像から化粧後の顔画像を生成する手段と
    を備え、
    前記顔画像を生成する手段は、前記内部反射光成分画像に化粧膜の点広がり関数のコンボリューション演算を行う手段を含む
    化粧シミュレーション装置。
  16. 前記コンボリューション演算を行う手段は、前記内部反射光成分画像を陰影成分と陰影成分を除いた成分とに分離し、陰影成分を除いた成分画像にコンボリューション演算を行い、陰影成分画像と合成する手段を含む請求項15記載の化粧シミュレーション装置。
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