JP2007163342A - Bf分離デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易にBF分離工程を行い検体中の被検物質を測定するためのデバイスの構築。
【解決手段】回転盤上に設置される、複数のチャンバと前記チャンバを連結させる流路とで構成される、検体中の被検物質を測定するためのデバイスであって、前記複数のチャンバの少なくとも1つのチャンバには、前記被検物質と特異結合する第1特異結合物質と前記被検物質とを混合し、結合複合体と未結合物質とを生成させて、前記結合複合体と前記未結合物質とを分離させるためのBF分離チャンバがあり、BF分離チャンバには、結合複合体もしくは未結合物質のいずれか一方のみと結合する第2特異結合物質を感作させた担体を含み、結合複合体もしくは未結合物質の混合液に担体を作用させた後に、回転条件化において、担体を遠心力により分離することにより前記結合複合体と前記未結合物質とを分離することを特徴とするBF分離測定デバイスを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体中に含まれる被検物質を測定するためのデバイスに関する。
近年、分析・解析・検査技術の進歩により、様々な物質を測定することが可能となってきている。特に、臨床検査分野においては、生化学反応、酵素反応、もしくは、免疫反応等の特異反応に基づく測定原理の開発により、病態に反映する体液中の物質を測定できるようになった。
その中で、ポイント・オブ・ケア・テスティング(POCT)と呼ばれる臨床検査分野が注目されている。POCTは、簡易迅速測定を第一とし、検体を採取してから検査結果が出るまでの時間の短縮を目的とした取り組みが行われている。したがって、POCTに要求されるのは、簡易な測定原理であり、小型で携帯性があり、操作性が良い測定装置である。
近年の技術開発の進歩により、例えば、血糖センサに代表されるように簡単に測定できる小型の測定機器が開発されてきている。POCTの波及効果は、迅速な測定結果の取得による迅速正確な診断を可能とすることに加え、検査にかかるコストの低減、血液等の検体の少量化に伴う被検者の負担の軽減および感染性廃棄物の少量化等が考えられる。現在、臨床検査ではPOCTへの移行が急速に起こっており、そのニーズに応えるべくPOCT対応測定機器の開発が行なわれている。
その中で、POCT測定デバイスに適用される測定デバイスとして、免疫測定原理を利用するものも多い。免疫測定法は、主に、比濁法、比朧法、ラテックス凝集法などのBF分離を必要としない測定法と、酵素免疫測定法、蛍光測定法、発光測定法などの免疫複合体と未反応物質との分離(BF分離:BFは、Binding/Freeの略)を必要とする測定法に大別されており、各工程を自動化された機器から、免疫クロマトのような濾紙上に試薬を担持させたドライケム方式のデバイスが提供されている。
特に、BF分離を必要とする免疫測定法は、洗浄等の工程を十分に行わないとS/N比を悪化させるため、重要な工程である。最近では、磁気微粒子を使用して、高度にシステム化されたBF分離工程を含む免疫測定装置が提案されている。
それは、下記の工程を含む試料中の対象検体に対する結合アッセイを遂行する方法で、(a)下記の組成物の調製:(i)当該試料(ii)電気化学的ルミネッセンスが誘発され得る標識化合物と結合した成分を含有するアッセイ履行物質、および(iii)検体および/または上記アッセイ履行物質と特異的に結合し得る複数の磁気感応性懸濁粒子;(b)かかる組成物をインキュベートして粒子と上記標識化合物を含有する複合体を形成させる;(c)上記組成物をアッセイ用セルに導入する;(d)かかる粒子に磁場を作用させて電極面に上記複合体を捕集する;(e)該捕集の間に、または該捕集の後に、上記電極に電圧を印加して、集められた上記複合体中の標識化合物にルミネッセンスを誘起させる;および(f)電極面で放射されるルミネッセンスを計測して試料中の対象検体の存在を計測する;但し、南北極を交互配向した複数の磁石を水平に配向した電極面の下方に垂直に配置するものである。
ここで示されているのは、電気化学発光を利用したものであるが、化学発光や酵素反応であっても、効果的な一つのBF分離方法である。
特表平6−508406号公報
しかしながら、磁石等を利用した磁気微粒子の固定によるBF分離工程に代表される、所謂臨床検査機器によく見られる各測定工程が自動化された測定機器は、その構成を複雑にし、高価なものとなる。また、全ての工程が自動化されるため、機器は大型化してしまう。最近では、卓上型のものも出てきておるが、それでも卓上において大部分を占めてしまう。
本発明は検体中に含まれる被検物質を測定するためのデバイスにおいて、簡易にBF分離を行うことを目的とする。
本発明のBF分離測定デバイスは、回転盤上に設置される、複数のチャンバと前記チャンバを連結させる流路とを有し、検体中の被検物質を測定するためのデバイスであって、前記複数のチャンバの少なくとも1つのチャンバには、前記被検物質と特異結合する第1特異結合物質と前記被検物質とを混合し、結合複合体と未結合物質とを生成させて、前記結合複合体と前記未結合物質とを分離させるためのBF分離チャンバがあり、BF分離チャンバには、結合複合体もしくは未結合物質のいずれか一方のみと結合する第2特異結合物質を感作させた担体を含み、結合複合体もしくは未結合物質の混合液に担体を作用させた後に、回転条件化において、担体を遠心力により分離することにより前記結合複合体と前記未結合物質とを分離する。
本構成によって、検体中に含まれる被検物質を測定するためのデバイスにおいて、簡易にBF分離を行うことができる。
本発明のBF分離デバイスによれば、回転制御することのみで、免疫測定法の重要な前処理工程であるBF分離工程を実施することができるので、より簡易な測定デバイスが提供できる。また、回転制御を利用するので、これにより、血球分離等の他の前処理工程を合わせて実施でき、さらに、回転により流体移送・停止を制御することができるので、本発明の測定デバイスに、検体を点着することのみで測定操作を簡潔させることができ、効果的なPOCT機器を提供することができる。
本発明の実施の形態として、まず、BF分離デバイスのしくみについて説明する。回転盤上に設置される、複数のチャンバと前記チャンバを連結させる流路とで構成される、検体中の被検物質を測定するためのデバイスであって、前記複数のチャンバの少なくとも1つのチャンバには、前記被検物質と特異結合する第1特異結合物質と前記被検物質とを混合し、結合複合体と未結合物質とを生成させて、前記結合複合体と前記未結合物質とを分離させるためのBF分離チャンバがあり、BF分離チャンバには、結合複合体もしくは未結合物質のいずれか一方のみと結合する第2特異結合物質を感作させた担体を含み、結合複合体もしくは未結合物質の混合液に担体を作用させた後に、回転条件化において、担体を遠心力により分離することにより前記結合複合体と前記未結合物質とを分離することができるBF分離測定デバイスである。
これにより、例えば、大型自動化機器にみられる磁気微粒子の磁気利用やビオチン・アビジンの相互作用の利用等による特別な試薬やそれに付随する複雑な機構を有するBF分離工程を必要とせずに、回転制御のみでBF分離を実施することができる。
本発明のデバイスで示されるBF分離の最も重要なポイントは、回転に伴う遠心力と、遠心力により外周方向へ集めさせることができる担体の使用である。
一般的に、被検物質と第1特異結合物質との結合反応は平衡反応が基本であり、前記結合反応の反応系内には、被検物質と第1結合物質との結合複合体と、結合複合体に使用されずに残っている未結合物質の被検物質および第1結合物質である3種類の物質が存在していることになる。この際、結合量を検出する場合、第1結合物質もしくは被検物質のいずれかと結合することができる、何らかの検出信号を発することのできる物質を含む第2結合物質を使用するが、前記結合複合体と前記未結合物質を分離しないとS/N比が悪くなり、正確な測定できなくなる。
そこで、本発明のデバイスには、結合複合体もしくは未結合物質を捕捉する機能を有する担体を用いて、担体に前記結合複合体もしくは未結合物質のいずれかを捕捉し、その後、デバイスを回転させて遠心力で底面付近に集めることにより分離するのである。分離後は、回転を停止させて、分離境界面より内周側から出る流路内に毛細間現象等により導入することができる構成を構築すれば、さらに回転させることのみで、分離境界面より内周側の液は別のチャンバへ移送させることができ、BF分離を簡易に完了することができるのである。
従って、本発明の担体の条件、例えば、重さや材質等は、遠心力により沈降可能な条件が選択される。
さらに、小さな遠心力で沈降できれば、分離工程の時間の短縮や回転させる機器等の負荷の軽減につながるので、重さは重ければ重い程よく、材質はその比重が重いものであるほうが良好である。また、担体には、結合複合体もしくは未結合物質を捕捉する機能を有する必要があるため、捕捉対象となる物質と特異結合物質を感作する必要がある。
以上の点から考えると、例えば、ラテックス粒子や金属コロイド、あるいは化学結合官能基を有する担体等が好ましい。また、粒子の大きさも遠心力の影響の受けやすさから考えると大きさは大きいほうが好ましい。ただし、担体の大きさが大きくなると捕捉系内における担体の表面積が小さくなるため、担体に感作される特異結合物質量が少なくなる。よって、目的とする被検物質の量を十分に考慮した上で、遠心力による沈降と捕捉量との最適な条件を選択するべきである。
本発明のBF分離チャンバでBF分離工程後は、一つの形態例として担体を遠心力により分離された後の上清液を別のチャンバに移送させることができる流路が設けられている。これにより、その後の検出を簡易に実施することができる。
即ち、上清液を移送させた別のチャンバには、上清液内のBF分離された物質を検出するための物質を含む。あるいは、別の形態例として担体を遠心分離された後のチャンバ内底面付近に集められた担体を別のチャンバに移送させることもありうる。即ち、担体上に捕捉されたBF分離された物質を検出するための物質を含む。
本発明の回転制御によるBF分離工程は、例えば、次の2つのパターンに代表される。2つのパターンとは、BF分離工程後に上清液側を別のチャンバへ移送するパターンと、BF分離工程後に担体側を別のチャンバへ移送するパターンである。
前者の場合は、例えば、図1に示す形態で説明される。図1は本発明の測定デバイスの流路構成図の一例を上から見た図を示す。
即ち、検体中の被検物質と、被検物質と特異結合する第1特異結合物質と、結合複合体と未結合物質のいずれかを特異的に捕捉するための物質が感作されている担体とを混合する混合チャンバ11、前記混合チャンバでの混合液をBF分離するためのBF分離チャンバ12と、BF分離後の上清液を受け入れるための検出チャンバ13があり、それぞれが流路14、15で連結させている。
ここで、BF分離によりBF分離チャンバ12の底面付近に集められる担体が、流路15を通って検出チャンバ13へ流れ込まないような位置に設定することが重要である。従って、BF分離後の担体である固相領域と液相領域の界面より上側(内周側)に設定する。
後者の場合は、例えば、図2で示される形態で説明される。図2は本発明の測定デバイスの流路構成図の一例を上から見た図を示す。
即ち、検体中の被検物質と、被検物質と特異結合する第1特異結合物質と、結合複合体と未結合物質のいずれかを特異的に捕捉するための物質が感作されている担体とを混合する混合チャンバ21、前記混合チャンバでの混合液をBF分離するためのBF分離チャンバ22と、BF分離後の上清液を受け入れるための廃液チャンバ23があり、さらに、担体側を受け入れるための検出チャンバ24があり、それぞれが、流路25、26、27で連結させている。
ここで、BF分離により生じるBF分離チャンバ22での液相部分を、流路26を通して廃液チャンバ23へ流し込み、その後、検出チャンバ24へ担体のみを流し込む。この場合、それぞれのチャンバを連結させる流路26、27は逆U字型のように、チャンバから内周側へ出て、その後折り返して、外周側に設置されるチャンバへつながるような形態を取っていることが重要で、その折り返し部である28と29、そしてBF分離チャンバ22の上面20の位置関係が重要である。この場合、内周側から折り返し部29、28、上面20の順に配置されることが好ましい。
これにより、遠心力を高い状態から低い状態へ勾配をかけることにより、BF分離、上清液の移送、担体の移送を順次行うことができる。
本発明の測定デバイスに構成されるチャンバには、空気の抜け路が重要で、空気孔が形成されている。
本発明の流路は、チャンバの上面(回転中心に近い側の端面)より内周側、すなわち回転中心に近い側の所定位置まで上り、その後、チャンバからの流路の出口の位置より外周側の位置まで下るように形成されている。なお、ここで下向きとは、デバイス本体の回転によってデバイス内の流体に遠心加速度が作用する向きであり、上向きはその逆の向きである。
具体的な流路形態としては、例えば、逆U字形のような流路が採用できる。この場合に重要なのは、逆U字形の頂点がチャンバの上面より内周側に位置することである。このような形態にすることによって、デバイス本体の回転中において、チャンバ内に液体を保持することができる。
さらに、回転を停止することで、流体が遠心力から解放されたとき、毛細管現象により次の工程の場に流体を移送させることができる。仮に、回転中においてチャンバ内に液体を保持せず、連続的に移送させるのであれば、逆U字形の頂点をチャンバの上面より内周側に位置させない(チャンバの上面位置又はそれより外周側に位置させる)ようにすればよい。
チャンバから出る流路上には、その流路より大きな厚みの領域(以下、キャピラリーバルブという)を適宜の位置に設けている。上記に示す図1および図2は、ここに示す基本パーツの組合せにより実施することができる。
上記に示すBF分離測定デバイスの基本パーツの形態例を、図3や図4を例にして詳細に記載する。図3にはそのチャンバおよび流路を構成する第1の流路パーツを、図4にはその流路中に厚みの大きい部分であるキャピラリーバルブを配した第2の流路パーツを示す。
図3に示す流路パーツ31には、希釈、混合、反応、検出等の分析工程を達成するための場となるチャンバ312と、このチャンバ312に連通するように形成された流路311および空気孔313とが、それぞれ形成されている。なお、チャンバ312は流路311が接続された部位から離隔する側に他の流路接続する際に使用する延長部分312aを有し、空気孔313はこれらの両者から離隔するよう配置されている。
この流路パーツ31では、逆U字形の流路の頂点部314をチャンバ312の上面315より内周側に設定することで、回転中に生じる遠心力によってチャンバ内に流体を保持することができる。なお、連続的に流体を流し続けるには、逆に、逆U字流路の頂点部314をチャンバ312の上面315より外周側に設定すればいい。
本実施例の場合は、一旦、チャンバ312内に流体を保持する必要があるので、逆U字流路の頂点部314をチャンバ312の上面315より内周側に設定している。
図4に示す流路パーツ42は、全体として略逆U字形をなしその両端が全体形状の短手方向一方側に傾けられた流路421と、この流路421上に配置されて流路421より厚み(断面積)の大きい空間を形成しているキャピラリーバルブ422とを有している。流路パーツ42のキャピラリーバルブ422は、毛細管現象を利用した流体の移送に対し流体を静止させる静止手段であり、その流路の厚み(断面積)を前後の流路より十分に大きくすることにより、デバイス本体の回転を停止した後に毛細管現象により流路421を流れる流体の流れを停止させ、所要の区間における流体を静止させることができる。本実施例においては、流体を静止したい箇所、タイミング、区間を考慮して適宜キャピラリーバルブを設けている。
図5および図6は、図3、4で示す基本的な流路パーツを有するデバイスの作製手順を説明する図であり、これらの図に示すように、本実施例の検査用デバイスは、3層構造となっている。なお、図5は流路パーツ31の作製方法を示す図で、同図(b)はその完成状態を示す図1のII-II矢視断面図となっている。また、図5(a)は流路パーツ12の作製方法を示す図で、同図(b)はその完成状態を示す図1のIII-III矢視断面図となっている。
本発明の結合物質の反応とは、例えば、抗原抗体反応に示される特異結合反応や、DNAの塩基配列による特異結合反応を示すが、これらの結合反応は、その結合反応そのものにより結合したことを示す信号を出さないので、何等かの形態で、BF分離後に結合反応量を検出する必要がある。
例えば、上記に示すように、結合複合体に含まれる第1結合物質に酵素や化学発光基質等を標識させておき、発色反応や発光反応させ、光学的に検出する。もしくは、蛍光性物質を標識しておくことで、蛍光測定により検出することが考えられる。そこで、本発明のデバイスでは、BF分離チャンバでのBF分離工程に引き続き、BF分離後の物質を移送させて、検出反応を実施させるための検出チャンバを設ける必要がある。上記の例でいうと、前記検出チャンバ内に、例えば、第1結合物質に含まれる酵素や化学発光基質と反応する物質を乾燥状態で保持させておけばよい。BF分離後の液体が移送されてくれば、直ちに発色反応や発光反応が起こり、これを光学的に検出すればよい。蛍光性物質の場合は、移送させた検出チャンバ内に励起光を照射して、蛍光を発し、それを検出すればよい。
本発明のBF分離による測定方法とは、抗原抗体反応原理に基づくイムノアッセイのものが多く、より一般的である。例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)酵素免疫固相測定(ELISA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)等である。あるいは、簡易な免疫クロマト法もある。これらの測定法は、BF分離の後に、放射能検出、発色検出、発光検出により、結合量を測定、もしくは未結合物質量を測定することで、対象となる被検物質の存在やその量を測定するものである。
以上より、本発明の検出物質あるいは検出反応とは、酵素反応にかかわるもの、化学発光にかかわるもの、電気化学発光にかかわるもので、BF分離後に移送された検出チャンバ内で実施されうるものである。
本発明の担体に感作される第2特異結合物質は、被検物質と特異結合する物質である。この場合の測定フローを図5に示す。まず、検体中の被検物質51と第1特異結合物質52を混合させた後に、前記担体に感作される第2特異結合物質と作用させる(図5a)。
これにより、担体上で、被検物質を介してサンドイッチ型の結合複合体を形成させることができる(図5b)。
その後、回転させることにより、遠心力により担体はBF分離チャンバ内で底面付近に集められ、サンドイッチ型の結合複合体とそれ以外の物質を分離することができる(図5c)。
分離後は、上記に示す担体側を別の検出チャンバへ移送させるパターン図2のBF分離測定デバイスを用いて検出チャンバへ移送させ、前記検出チャンバ内でサンドイッチ型の結合複合体量を第1特異結合物質の55により測定する。
本発明の担体に感作される第2特異結合物質は、前記第1結合物質と結合する被検物質、もしくはそれに類似する物質である。この場合の測定フローを図6に示す。まず、検体中の被検物質61と第1特異結合物質62を混合させた後に、前記担体に感作される第2特異結合物質63と作用させる(図6a)。
これにより、混合系内で競合反応系を構築させ、被検物質の量に応じて、担体上の第1結合物質の量が少なくなる。あるいは、液相中の第1結合物質の量が多くなる(図6b)。
その後、回転させることにより、遠心力により担体はBF分離チャンバ内で底面付近に集められ、固相と液相に分離される(図6c)。
分離後は、上記に示す担体側を別の検出チャンバへ移送させるパターンのBF分離測定デバイスを用いて検出チャンバへ移送させ、前記検出チャンバ内で担体上の第1結合物質の65を測定する。あるいは、液相側を検出チャンバへ移送させるパターンのBF分離測定デバイスを用いて検出チャンバへ移送させ、前記検出チャンバ内で液相中の第1結合物質の65を測定する。
本発明の担体は、さらに凝集させることができる物質を含まれていてもよい。これにより、担体が凝集により大きくなり、小さい遠心力で、しかも短時間でBF分離工程を完了させることができる。凝集させる物質とは、例えば、別の粒子に感作された第1特異物質もしくは、それに類するものである。
本発明のBF分離測定デバイスで測定対象となる検体は、例えば、血液検体や尿検体等が上げられる。血液検体の場合は、赤血球細胞が含まれ、前記赤血球細胞が測定に悪影響を及ぼす場合がある。一般的に血液検体の場合は、分析・測定に先立ち、遠心分離等により赤血球を除去する。
本発明の測定デバイスは、回転条件化による回転制御を基本としているので、BF分離に先立ち、遠心分離を行うことができる。これにより、1ステップ操作で実施することができる簡易な測定デバイスを作製することができるのである。
本発明のBF分離測定デバイスにおいて、測定対象となる被検物質は、血液中の血漿成分や血清成分、あるいは赤血球細胞内成分である蛋白質やホルモン等がある。
さらに、血液中だけでなく、尿、涙、汗、唾液中の蛋白質やホルモン等も対象となる。即ち、現在、臨床化学測定分野で測定されている対象物で、免疫反応のような結合反応原理により測定されているものはすべて、本発明の測定デバイスの測定対象物となりうる。
本発明の作製工程の形態としては、例えば図7に示す。なお、図7(a)は流路パーツ図3の作製方法を示す図で、同図(b)はその完成状態を示す図3のII-II矢視断面図となっている。
代表例として、図7を用いて図3の流路パーツの作製方法について詳細に説明する。
チャンバ312および流路314を形成するに際して、図7(a)中の切り取り工程Cに示すように、両面粘着性シート71を用いて、チャンバ312および流路311に対応する部分79を切り取った。この切り取りは、下面の接着剤層の剥離紙74以外の層に切り込みをいれ、チャンバおよび流路となる部分を剥ぎ取るようにして行った。
一方、トップカバー76には、予め空気孔313を開けておき、チャンバ312に対応する凹部312Cを成形しておく。
こうして調整した3つの層を、両面粘着性シート75を介して貼り合せて基本流路パーツを作製した。ここには、記載していないが、この3層の部材を貼り合せる前に、必要な試薬を乾燥状態にして入れ込めば、本発明のBF分離測定デバイスを得ることができる。
本発明の測定デバイスを回転制御する装置を図8に示す。図8の回転装置81は、デバイス80(デバイス本体の概略側面形状を示している)を固定するクランパー811と、デバイス80を支持するターンテーブル813と、ターンテーブル813を回転させるスピンドルモーター814と、スピンドルモーター814の回転を制御する制御デバイス815とで構成されている。ここに示さないが、光学系も構成されておれば、検出器としても使用でき、いわゆるデバイスの読取機器として簡易な測定システムを提供することができる。
本発明にかかるBF分離測定デバイスはその回転操作の過程において、簡易にBF分離工程を実施することができ、主として臨床検査分野で使用されるPOCT分野の検査デバイスに有用である。
本発明の測定デバイスの流路構成図の一例を上から見た図 本発明の測定デバイスの流路構成図の一例を上から見た図 本発明の基本流路パーツであるチャンバと流路の関係を示す図 本発明の基本流路パーツであるキャピラリーバルブと流路の関係を示す図 本発明のBF分離工程法の一例を示した図 本発明のBF分離工程法の一例を示した図 作製工程を示す図 デバイスを回転制御するための装置を示す図
符号の説明
11,21 混合チャンバ
12,22 BF分離チャンバ
13,24 検出チャンバ
14,15,25,26,27 流路
23 廃液チャンバ
28,29 折り返し部
31,42 流路パーツ
311,421 流路
312 チャンバ
312a 延長部分
313 空気孔
314 頂点部
315 上面
422 キャピラリーバルブ
51,61 被験物質
52,62 第1特異結合物質
63 第2特異結合物質
71 両面粘着性シート
74 剥離紙
76 トップカバー
79 流路311に対する部分

Claims (9)

  1. 回転盤上に設置される、複数のチャンバと前記チャンバを連結させる流路とを有し、検体中の被検物質を測定するためのデバイスであって、前記複数のチャンバの少なくとも1つのチャンバには、前記被検物質と特異結合する第1特異結合物質と前記被検物質とを混合し、結合複合体と未結合物質とを生成させて、前記結合複合体と前記未結合物質とを分離させるためのBF分離チャンバがあり、BF分離チャンバには、結合複合体もしくは未結合物質のいずれか一方のみと結合する第2特異結合物質を感作させた担体を含み、結合複合体もしくは未結合物質の混合液に担体を作用させた後に、回転条件化において、担体を遠心力により分離することにより前記結合複合体と前記未結合物質とを分離することを特徴とするBF分離測定デバイス。
  2. 請求項1記載のBF分離チャンバには、回転条件化において、担体を遠心力により分離された後の上清液を別のチャンバに移送させることができる流路が設けられていることを特徴とする請求項1記載のBF分離測定デバイス。
  3. 請求項2記載の上清液を移送させた別のチャンバには、上清液内のBF分離された物質を検出するための物質を含むことを特徴とする請求項2記載のBF分離測定デバイス。
  4. 請求項1記載のBF分離チャンバには、回転条件化において、担体を遠心分離された後のチャンバ内底面付近に集められた担体を別のチャンバに移送させることを特徴とする請求項1記載のBF分離測定デバイス。
  5. 請求項4記載の担体を移送させた別のチャンバには、担体上に捕捉されたBF分離された物質を検出するための物質を含むことを特徴とする請求項3記載のBF分離測定デバイス。
  6. 請求項1から5記載の担体に感作される第2特異結合物質は、被検物質と特異結合する物質であることを特徴とする請求項1から5記載範囲のBF分離測定デバイス。
  7. 請求項1から5記載の担体に感作される第2特異結合物質は、前記第1結合物質と結合する被検物質、もしくはそれに類似する物質であることを特徴とする請求項1から5記載範囲のBF分離測定デバイス。
  8. 請求項1から7記載の担体を凝集させることができる物質をさらに含むことを特徴とする請求項1から7記載範囲のBF分離測定デバイス。
  9. 請求項1から8記載の第1結合物質は、検出信号を発する物質を含んでいることを特徴とする請求項1から8記載のBF分離測定デバイス。
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