JP2007162591A - 内燃機関のシリンダヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダヘッドの排気側形状を改良して、機関出力性能の向上と生産性の向上を図る。
【解決手段】全ての排気ポートを集合させた排気集合部を一体形成したシリンダヘッド１において、シリンダ配列方向中心に位置するシリンダＣＹＬAの２個の排気ポート２Ａ間の隔壁１１Ａを、他のシリンダの２個の排気ポート間の隔壁１１Ｂより拡大して形成し、この隔壁１１Ａにウォータジャケット１２とオイル通路１３とを配置すると共に、隣接するシリンダ間で隣接する２個の排気ポート間の壁部分には、シリンダヘッド締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部５のみを配置したことにより、排気の合流角θ１，θ２を減少して出力性能を向上できると共に、オイル通路１３とメネジ部５の距離を大きくしてウォータジャケット形成用中子の強度を確保し、生産性を向上できる。
【選択図】図１
【解決手段】全ての排気ポートを集合させた排気集合部を一体形成したシリンダヘッド１において、シリンダ配列方向中心に位置するシリンダＣＹＬAの２個の排気ポート２Ａ間の隔壁１１Ａを、他のシリンダの２個の排気ポート間の隔壁１１Ｂより拡大して形成し、この隔壁１１Ａにウォータジャケット１２とオイル通路１３とを配置すると共に、隣接するシリンダ間で隣接する２個の排気ポート間の壁部分には、シリンダヘッド締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部５のみを配置したことにより、排気の合流角θ１，θ２を減少して出力性能を向上できると共に、オイル通路１３とメネジ部５の距離を大きくしてウォータジャケット形成用中子の強度を確保し、生産性を向上できる。
【選択図】図１
Description
本発明は、排気ポートを集合させた排気集合部を一体形成した内燃機関のシリンダヘッドに関し、特に、排気流通抵抗を減少して出力向上を図れると共に、生産性を向上したシリンダヘッド構造に関する。
排気ポートを集合させた排気集合部を一体形成することによりエンジンのコンパクト化を図ったシリンダヘッドがある。
特許文献１では、この種のシリンダヘッドにおいて、隣接するシリンダの排気ポート間と排気集合部との間に、オイル通路やウォータジャケットを設けた構造としている。
特開２０００−１６１１２９号公報
特許文献１では、この種のシリンダヘッドにおいて、隣接するシリンダの排気ポート間と排気集合部との間に、オイル通路やウォータジャケットを設けた構造としている。
しかしながら、特許文献１のシリンダヘッド構造では、隣接するシリンダから伸びる排気ポート同士の合流角度が大きくなるため、排気の流通抵抗が増大したり、排気が他の排気ポートに回り込んだりするなどの現象を生じ、これによって機関の出力が低下してしまうという問題があった。
また、シリンダヘッドの締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部とオイル通路との間が短くなって、ウォータジャケット形成用中子の強度を確保しにくいなど生産性にも問題があった。
また、シリンダヘッドの締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部とオイル通路との間が短くなって、ウォータジャケット形成用中子の強度を確保しにくいなど生産性にも問題があった。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、排気流通抵抗を減少させて機関出力を向上できると共に、生産性も向上できるようにした内燃機関のシリンダヘッドを提供することを目的とする。
このため、本発明は、
シリンダ毎に２個ずつ排気ポートを備え、これら全ての排気ポートを集合させた排気集合部を一体形成した内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
シリンダ配列方向の中心部に位置するシリンダの２個の排気ポート間の隔壁を、他のシリンダの２個の排気ポート間の隔壁より拡大して形成し、この拡大形成した隔壁にシリンダヘッド内を流れる流体の通路を配置すると共に、隣接するシリンダ間で隣接する２個の排気ポート間の壁部分には、シリンダヘッド締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部のみを配置した構成とした。
シリンダ毎に２個ずつ排気ポートを備え、これら全ての排気ポートを集合させた排気集合部を一体形成した内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
シリンダ配列方向の中心部に位置するシリンダの２個の排気ポート間の隔壁を、他のシリンダの２個の排気ポート間の隔壁より拡大して形成し、この拡大形成した隔壁にシリンダヘッド内を流れる流体の通路を配置すると共に、隣接するシリンダ間で隣接する２個の排気ポート間の壁部分には、シリンダヘッド締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部のみを配置した構成とした。
本発明によれば、シリンダ配列方向中心部に位置するシリンダの隣接する排気ポート間に拡大形成された隔壁に、オイル通路やウォータジャケット等の流体通路を集約して配置されることにより、この中心部より外側に流体通路を配置した場合に比較して、隣接するシリンダ同士の排気ポート相互からの排気の合流角や最終的に排気集合部で合流する際の排気の合流角を小さくすることができるので、排気合流時の抵抗を減少できると共に、排気の回り込みを防止して、機関出力を向上できる。
また、隣接するシリンダ同士の隣接する排気ポート間の壁部分に設けたシリンダヘッドの締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部と、シリンダ配列方向中心部に位置する前記拡大された隔壁に設けられた流体通路とが離れた位置に設けられるので、ウォータジャケット形成用中子の強度を確保でき、シリンダヘッドの生産性が向上する。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明の一実施形態を示す３気筒内燃機関のシリンダヘッドの構造を示す。なお、Ｖ型６気筒内燃機関の片側バンクのシリンダヘッドであってもよい。
シリンダヘッド１は、３個のシリンダごとに、２個ずつ合計６個の排気ポート２が形成されており、これら６個の排気ポート２が集合する排気集合部３が一体に形成されている。
図１は本発明の一実施形態を示す３気筒内燃機関のシリンダヘッドの構造を示す。なお、Ｖ型６気筒内燃機関の片側バンクのシリンダヘッドであってもよい。
シリンダヘッド１は、３個のシリンダごとに、２個ずつ合計６個の排気ポート２が形成されており、これら６個の排気ポート２が集合する排気集合部３が一体に形成されている。
前記各排気ポート２に対向して反対側に、シリンダごとに２個ずつ合計６個の吸気ポート４が形成されている。
また、シリンダヘッド１のシリンダブロック（図示せず）への締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部５が、シリンダヘッド１の両端部と、排気側および吸気側において隣接するシリンダの間の壁部分とに略均等な間隔で均一な締結力が得られるように配置してある。
また、シリンダヘッド１のシリンダブロック（図示せず）への締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部５が、シリンダヘッド１の両端部と、排気側および吸気側において隣接するシリンダの間の壁部分とに略均等な間隔で均一な締結力が得られるように配置してある。
また、各シリンダの燃焼室中心部に位置して、点火プラグの取り付け孔６が配置してある。
かかる排気集合部一体型シリンダヘッドの基本的な構造において、本発明にかかる構成が以下のように設けられる。
シリンダ配列方向の中心部に位置するシリンダＣＹＬAの２個の排気ポート２Ａ（下流部）間の隔壁１１Ａを他のシリンダＣＹＬBの２個の排気ポート２Ｂ間の隔壁１１Ｂより拡大して形成する。
かかる排気集合部一体型シリンダヘッドの基本的な構造において、本発明にかかる構成が以下のように設けられる。
シリンダ配列方向の中心部に位置するシリンダＣＹＬAの２個の排気ポート２Ａ（下流部）間の隔壁１１Ａを他のシリンダＣＹＬBの２個の排気ポート２Ｂ間の隔壁１１Ｂより拡大して形成する。
そして、前記拡大された隔壁１１Ａに、シリンダヘッド１内を流れる流体の通路としてウォータジャケット１２とオイル通路１３とを、シリンダ配列方向と直交する方向に並べて配置する。
ここで、前記ウォータジャケット１２は、シリンダヘッド１とシリンダブロックの合わせ面まで貫通して形成し、シリンダヘッド１をウェルチプラグやガスケットを介してシリンダブロックへ締結することにより、シールする。
ここで、前記ウォータジャケット１２は、シリンダヘッド１とシリンダブロックの合わせ面まで貫通して形成し、シリンダヘッド１をウェルチプラグやガスケットを介してシリンダブロックへ締結することにより、シールする。
上記のように構成した実施形態によれば、以下のような作用・効果が得られる。なお、前記特許文献１に示されたシリンダヘッド構造を図２に比較例として示す。
まず、シリンダ配列方向の中心部に位置する隔壁１１Ａを拡大したことで、中心部のシリンダＣＹＬAの２個の排気ポート２Ａが、それぞれ隣接するシリンダＣＹＬBの排気ポート２Ｂと接近する。
まず、シリンダ配列方向の中心部に位置する隔壁１１Ａを拡大したことで、中心部のシリンダＣＹＬAの２個の排気ポート２Ａが、それぞれ隣接するシリンダＣＹＬBの排気ポート２Ｂと接近する。
これにより、各排気ポート２Ａの通路中心軸Ｌ１と、隣接するシリンダの２個の排気ポート２Ｂが合流した後の通路中心軸Ｌ２とのなす合流角θ１を、図２に示す比較例の合流角α１より小さくすることができる。
また、比較例では、図２に示すように、オイル通路２１を隣接するシリンダ同士の隣接する排気ポート間の部分（本実施形態での隔壁１１Ｂ部分）に配置していたが、本発明では、オイル通路１３を中心部の隔壁１１Ａに移動したことにより、隔壁１１Ａを挟んで一方の側の排気ポート２Ａと、隣接する２個の排気ポート２Ｂの計３個の排気ポートが合流した後の通路中心軸Ｌ３、及び、反対の側の排気ポート２Ａと、隣接する２個の排気ポート２Ｂの計３個の排気ポートが合流した後の通路中心軸Ｌ４とが、それぞれシリンダ配列方向と直交する方向に近づく。
また、比較例では、図２に示すように、オイル通路２１を隣接するシリンダ同士の隣接する排気ポート間の部分（本実施形態での隔壁１１Ｂ部分）に配置していたが、本発明では、オイル通路１３を中心部の隔壁１１Ａに移動したことにより、隔壁１１Ａを挟んで一方の側の排気ポート２Ａと、隣接する２個の排気ポート２Ｂの計３個の排気ポートが合流した後の通路中心軸Ｌ３、及び、反対の側の排気ポート２Ａと、隣接する２個の排気ポート２Ｂの計３個の排気ポートが合流した後の通路中心軸Ｌ４とが、それぞれシリンダ配列方向と直交する方向に近づく。
この結果、前記通路中心軸Ｌ３と通路中心軸Ｌ４とのなす合流角、つまり、排気集合部において中心部を挟んで両側から流れ込む排気の合流角θ２を、図２に示す比較例の合流角α２より小さくすることができる。
以上のように、合流角θ１、θ２が小さくなることにより、これら各合流点で排気が合流するときの抵抗を小さくすることができ、かつ、排気の他の排気ポートへの回り込みを防止できることにより、機関の出力損失を減少でき出力を向上できる。
以上のように、合流角θ１、θ２が小さくなることにより、これら各合流点で排気が合流するときの抵抗を小さくすることができ、かつ、排気の他の排気ポートへの回り込みを防止できることにより、機関の出力損失を減少でき出力を向上できる。
また、ウォータジャケットを形成する中子において、従来は、図２の比較例に示すように、シリンダヘッド締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部２２とオイル通路２１とが複数個所で接近し、この部分が中子のひさし部分で最小断面となっていたため、中子の強度を確保しにくく歩留まりが低下し生産性を低下させていた。
これに対し、本実施形態では、オイル通路１３を中心部の隔壁１１Ａに配置したため、オイル通路とメネジ部との距離が離れ、中子のひさし部分の最小断面が大きくなるため、中子の強度が向上し、生産性が向上する。
これに対し、本実施形態では、オイル通路１３を中心部の隔壁１１Ａに配置したため、オイル通路とメネジ部との距離が離れ、中子のひさし部分の最小断面が大きくなるため、中子の強度が向上し、生産性が向上する。
また、本実施形態では、ウォータジャケット１２をシリンダブロックとの合わせ面まで貫通させて形成したため、ウォータジャケット形成用の中子砂の排出性が高められるので、これによっても生産性が向上する。
また、ウォータジャケット１２からファイバースコープを入れ、シリンダヘッド内部の残砂確認ができるので、品質を向上できる。
また、ウォータジャケット１２からファイバースコープを入れ、シリンダヘッド内部の残砂確認ができるので、品質を向上できる。
１ シリンダヘッド
２Ａ 中心のシリンダの排気ポート
２Ｂ 両端のシリンダの排気ポート
３ 排気集合部
５ メネジ部
１１Ａ 中心のシリンダの排気ポート間の隔壁
１１Ｂ 両端のシリンダの排気ポート間の隔壁
１２ ウォータジャケット
１３ オイル通路
ＣＹＬA中心のシリンダ
ＣＹＬB両端のシリンダ
θ１ 合流角
θ２ 合流角
２Ａ 中心のシリンダの排気ポート
２Ｂ 両端のシリンダの排気ポート
３ 排気集合部
５ メネジ部
１１Ａ 中心のシリンダの排気ポート間の隔壁
１１Ｂ 両端のシリンダの排気ポート間の隔壁
１２ ウォータジャケット
１３ オイル通路
ＣＹＬA中心のシリンダ
ＣＹＬB両端のシリンダ
θ１ 合流角
θ２ 合流角
Claims (3)
- シリンダ毎に２個ずつ排気ポートを備え、これら全ての排気ポートを集合させた排気集合部を一体形成した内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
シリンダ配列方向の中心部に位置するシリンダの２個の排気ポート間の隔壁を、他のシリンダの２個の排気ポート間の隔壁より拡大して形成し、この拡大形成した隔壁にシリンダヘッド内を流れる流体の通路を配置すると共に、隣接するシリンダ間で隣接する２個の排気ポート間の壁部分には、シリンダヘッド締結用ボルトがねじ込まれるメネジ部のみを配置したことを特徴とする内燃機関のシリンダヘッド。 - 前記流体の通路は、オイル通路を含むことを特徴とする請求項１に記載の内燃機関のシリンダヘッド。
- 前記流体の通路は、ウォータジャケットを含むことを特徴とする請求項１または請求項２のいずれか１つに記載の内燃機関のシリンダヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005360885A JP2007162591A (ja) | 2005-12-14 | 2005-12-14 | 内燃機関のシリンダヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005360885A JP2007162591A (ja) | 2005-12-14 | 2005-12-14 | 内燃機関のシリンダヘッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2007162591A true JP2007162591A (ja) | 2007-06-28 |
Family
ID=38245782
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2005360885A Withdrawn JP2007162591A (ja) | 2005-12-14 | 2005-12-14 | 内燃機関のシリンダヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2007162591A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011157827A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Daihatsu Motor Co Ltd | 内燃機関におけるシリンダヘッド |
| JP2012067632A (ja) * | 2010-09-21 | 2012-04-05 | Daihatsu Motor Co Ltd | 内燃機関におけるシリンダヘッド |
| FR3011579A3 (fr) * | 2013-10-09 | 2015-04-10 | Renault Sa | Moteur thermique de vehicule automobile a circuit de collecte de gaz perfectionne |
| CN104727966A (zh) * | 2013-12-18 | 2015-06-24 | 三菱自动车工业株式会社 | 汽缸盖结构 |
| EP2228529B1 (de) | 2009-03-13 | 2016-07-27 | Ford Global Technologies, LLC | Zylinderkopf für einen Saugmotor und Verwendung eines derartigen Zylinderkopfes |
| CN109915274A (zh) * | 2019-03-05 | 2019-06-21 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 一种防机油结焦的网状水道气缸盖 |
-
2005
- 2005-12-14 JP JP2005360885A patent/JP2007162591A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
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|---|---|---|---|---|
| EP2228529B1 (de) | 2009-03-13 | 2016-07-27 | Ford Global Technologies, LLC | Zylinderkopf für einen Saugmotor und Verwendung eines derartigen Zylinderkopfes |
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| CN104727966B (zh) * | 2013-12-18 | 2018-04-27 | 三菱自动车工业株式会社 | 汽缸盖结构 |
| CN109915274A (zh) * | 2019-03-05 | 2019-06-21 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 一种防机油结焦的网状水道气缸盖 |
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