JP2007160815A - 印刷装置、印刷方法、印刷システム及びプログラム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、印刷システム及びプログラム Download PDF

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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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    • B41J2/2103Features not dealing with the colouring process per se, e.g. construction of printers or heads, driving circuit adaptations

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】各色の階調数を可変にできる印刷装置を提供する。
【解決手段】本印刷装置は、(1)ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、(2)別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、(3)あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御し、別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するコントローラと、を有する。
【選択図】図15

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、印刷システム及びプログラムに関する。
液体滴を吐出する印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタでは、各ノズルからインク滴を吐出することによって、用紙にドットを形成し、無数のドットから構成される印刷画像を用紙に印刷する。
インク滴を吐出するヘッドユニットには、インク滴をノズルから吐出させるため、ピエゾ素子やヒータ等の駆動素子が各ノズルに対応して設けられている。また、ヘッドユニットには、各駆動素子の駆動を制御するヘッド制御部が設けられている。
特開平9−11457号公報
ところで、ブルー系の画像(ブルーをメインとする画像)を高画質で印刷する際には、ブルーの中間調を滑らかに変化させるために、ブルーに関わるシアンやマゼンタを高階調で印刷することが望ましい。一方、レッド系の画像(レッドをメインとする画像)を高画質で印刷する際には、レッドの中間調を滑らかに変化させるために、レッドに関わるイエローやマゼンタを高階調で印刷することが望ましい。但し、全ての色を高階調で印刷することにすると、印刷に必要なデータ量が多くなってしまう。
本発明は、各色の階調数を可変にできる印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御し、別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するコントローラと、を有することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(A)ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、
(B)別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、
(C)あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御し、
別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御する
コントローラと、
(D)を有する印刷装置。
このような印刷装置によれば、第1色の階調数を可変にできる。
前記コントローラは、印刷条件に応じて、前記第1駆動素子の駆動を制御する際の階調数を切り替えることが望ましい。また、前記コントローラは、印刷すべき画像に基づいて、前記第1駆動素子の駆動を制御する際の階調数を切り替えることが好ましい。これにより、高画質な印刷を行うことができる。また、前記コントローラは、RGB色空間の画像データを解析して特定されたRGBのいずれかの色に基づくCMYのうちのいずれか2色に対して、その色のインクを吐出するために駆動される駆動素子を第1階調数による制御を行い、CMYのうちの他の1色に対して、その色のインクを吐出するために駆動される駆動素子を前記第2階調数による制御を行うことが好ましい。これにより、第1階調数で制御すべき色の特定が容易になる。
前記コントローラは、本体側に設けられた第1コントローラと、前記ノズルとともに移動可能な第2コントローラと、を有し、前記第1コントローラと前記第2コントローラとの間に、前記第1駆動素子及び前記第2駆動素子を駆動するための信号を伝送するための複数の信号線が設けられていることが望ましい。これにより、信号線の数を減らすことができる。
前記第2コントローラは、前記複数の信号線のうちの少なくとも一つの共用信号線に伝送される信号を、前記第1駆動素子の駆動用又は前記第2駆動素子の駆動用に切り替えるための切替部を有することが望ましい。また、前記第2コントローラは、前記第1駆動素子の駆動を制御するための第1制御部と、前記第2駆動素子の駆動を制御するための第2制御部とを有し、前記第1制御部及び前記第2制御部は、第1入力部及び第2入力部をそれぞれ有し、前記第1制御部の前記第1入力部には、前記第1駆動素子を駆動するための信号が入力され、前記第2制御部の前記第1入力部には、前記第2駆動素子を駆動するための信号が入力され、前記第1制御部の前記第2入力部及び前記第2制御部の前記第2入力部には、前記切替部を介して、前記共用信号線に伝送される信号が入力されることが好ましい。
前記切替部は、前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを記憶するための記憶部を有することが望ましい。また、前記コントローラは、前記第1制御部の前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを前記記憶部へ記憶させる際に、前記第1制御部の前記第1入力部へ信号を入力するための信号線を利用し、前記第2制御部の前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを前記記憶部へ記憶させる際に、前記第2制御部の前記第1入力部へ信号を入力するための信号線を利用することが好ましい。これにより、信号線の数を減らすことができる。
前記第1制御部及び前記第2制御部は、駆動素子を駆動するための信号が前記第1入力部及び前記第2入力部に入力されたときには、前記第1階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、前記駆動素子を駆動するための信号が前記第1入力部に入力され前記第2入力部に一定電位の信号が入力されたときには、前記第2階調数に基づいて前記駆動素子を制御することが望ましい。このような構成により、第1制御部及び第2制御部の構成を共通化できる。
前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1入力部にiビットのデータを含む信号が入力され、前記第2入力部にjビットのデータを含む信号が入力されたとき、i+jビットのデータに応じた前記第1階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、前記第1入力部にiビットのデータが入力され、前記第2入力部にデータを含む信号が入力されなかったとき、iビットのデータに応じた前記第2階調数に基づいて前記駆動素子を制御することが望ましい。これにより、第2階調数に基づいて駆動素子を制御する制御部に対する第2入力部へのデータの入力が必要なくなるので、伝送すべきデータ量を削減できる。
前記第1制御部の第1入力部及び前記第2制御部の前記第1入力部へ入力される信号には第1画素データが含まれ、前記共用信号線に伝送される信号には第2画素データが含まれ、前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されたとき、前記第1画素データ及び前記第2画素データに基づいて前記駆動素子を制御し、前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、第1画素データに基づいて前記駆動素子を制御することが望ましい。これにより、第2階調数に基づいて駆動素子を制御する制御部の第2入力部への画素データの入力が必要なくなるので、伝送すべきデータ量を削減できる。また、前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1画素データを記憶するための第1画素データ記憶部と、前記第2画素データを記憶するための第2画素データ記憶部とをそれぞれ有し、前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第2画素データ記憶部に特定値のデータが記憶され、前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1画素データ記憶部及び前記第2画素データ記憶部に記憶されたデータに基づいて前記駆動素子を制御することが好ましい。これにより、第1制御部及び第2制御部が階調数に関わらず同じ動作をしても、各制御部の出力する階調数を切り替え可能である。
前記第1制御部及び前記第2制御部は、駆動素子へ駆動信号を印加するか否かを制御するスイッチを有し、前記第1制御部の第1入力部及び前記第2制御部の前記第1入力部へ入力される信号には、前記スイッチの制御を設定するための第1設定データが含まれ、前記共用信号線に伝送される信号には、前記スイッチの制御を設定するための第2設定データが含まれ、前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されたとき、前記第1設定データ及び前記第2設定データに基づいて前記スイッチを制御し、前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第1設定データに基づいて前記スイッチを制御することが望ましい。これにより、第2階調数に基づいてスイッチを制御する制御部の第2入力部への設定データの入力が必要なくなるので、伝送すべきデータ量を削減できる。また、前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1設定データを記憶するための第1設定データ記憶部と、前記第2設定データを記憶するための第2設定データ記憶部とを有し、前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第2設定データ記憶部に特定値のデータが記憶され、前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1設定データ記憶部及び前記第2設定データ記憶部に記憶されたデータに基づいて前記スイッチを制御することが好ましい。これにより、第1制御部及び第2制御部が階調数に関わらず同じ動作をしても、各制御部の出力する階調数を切り替え可能である。
ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するとともに、別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成する印刷方法であって、
あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記インクを吐出するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記インクを吐出し、
別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記インクを吐出する
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、第1色の階調数を可変にできる。
(A)ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、
(B)別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、
(C)あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御し、
別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御する
コントローラと、
(D)を有する印刷システム。
このような印刷システムによれば、第1色の階調数を可変にできる。
ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、を備える印刷装置に、
あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御させるとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御させ、
別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御させる
ことを特徴とするプログラム。
このようなプログラムによれば、第1色の階調数が可変になるように印刷装置を制御することができる。
===印刷システムの構成===
<全体構成について>
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。
プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
===コンピュータ===
図2は、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
プリンタドライバは、コンピュータ110に、画像データを印刷データに変換させ、この印刷データをプリンタ1へ送信する。印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。
ここで、画素とは、画像を構成する単位要素であり、この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。印刷データにおける画素データは、用紙S上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。
本実施形態の画素データは、画素毎に2ビット又は3ビットのデータによって構成される。2ビットの画素データは、1つの画素を4階調で表現できる。3ビットの画素データは、1つの画素を8階調で表現できる。
===プリンタ===
<プリンタ1の構成について>
図3は、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。
プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、検出器群50、プリンタ側コントローラ60、及び駆動信号生成回路70を有する。プリンタ側コントローラ60及び駆動信号生成回路70は、共通のコントローラ基板CTRに設けられている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ヘッド41とを有している。
このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40(ヘッド制御部HC、ヘッド41)、及び駆動信号生成回路70が制御される。これにより、プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づき、用紙Sに画像を印刷させる。また、検出器群50の各検出器は、プリンタ1内の状況を監視している。そして、各検出器は、検出結果をプリンタ側コントローラ60に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ60は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
用紙搬送機構20は、媒体を搬送方向に搬送させるためのものである。この用紙搬送機構20は、用紙Sを印刷可能な位置まで給紙したり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりする。この搬送方向は、キャリッジ移動方向と交差する方向である。
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有するので、キャリッジ移動方向はヘッド41の移動方向に相当し、キャリッジ移動機構30はヘッド41を移動方向に移動させるものでもある。
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、キャリッジCRに取り付けられている。このヘッドユニット40が有するヘッド41は、ヘッドケースの下面に設けられている。また、ヘッドユニット40が有するヘッド制御部HCは、ヘッドケースの内部に設けられている。なお、このヘッド制御部HCについては、後で詳しく説明する。
検出器群50は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。この検出器群50には、例えば、キャリッジCRの移動方向の位置を検出するためのリニア式エンコーダ51等が含まれている。他にも、用紙の搬送量を検出するためのセンサ(例えば用紙を搬送する搬送ローラの回転量を検出するエンコーダ)なども検出器群50に含まれる。
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うものである。このプリンタ側コントローラ60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、制御ユニット64とを有する。インタフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110との間で、データの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリ63に記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、制御ユニット64を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。また、CPU62は、ヘッド41の動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに出力したり、駆動信号COMを生成させるための生成信号を駆動信号生成回路70に出力したりする。そして、印刷時には、プリンタ側コントローラ60が、キャリッジCRを移動させながらヘッド41からインクを吐出して用紙にドットを形成するドット形成動作と、用紙搬送機構20に用紙を搬送させる搬送動作とを交互に繰り返して、用紙に画像を印刷させる。
駆動信号生成回路70は、駆動信号COMを生成するものである。駆動信号生成回路70は、後述する実施形態によって、1種類の駆動信号COMを生成したり、2種類の駆動信号(第1駆動信号COM_A、第2駆動信号COM_B)を生成したりする。
<ヘッド41の構成>
図4は、ヘッド41に設けられたノズルの説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、イエローインクノズル群Yと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mとが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを180個備えている。各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。各ノズルからは、量が異なる複数種類のインクを吐出させることができる。これにより、大きさの異なるドットを用紙上に形成することができる。
図5は、ブラックインクノズル群Kとイエローインクノズル群Cの周辺の構成の説明図である。図6は、2つのノズル群の周辺の断面図である。
各ノズル群の周辺には、駆動ユニット42と、駆動ユニット42を収納するためのケース43と、ケースに装着される流路ユニット44とを備えている。
駆動ユニット42は、複数のピエゾ素子421によって構成されるピエゾ素子群422と、このピエゾ素子群422が固定される固定板423と、各ピエゾ素子421に給電するためのフレキシブルケーブル424と、から構成される。各ピエゾ素子421は、所謂片持ち梁の状態で固定板423に取り付けられている。固定板423は、ピエゾ素子421からの反力を受け止め得る剛性を備えた板状部材である。フレキシブルケーブル424は、可撓性を有するシート状の配線基板であり、固定板423とは反対側となる固定端部の側面でピエゾ素子421と電気的に接続されている。そして、このフレキシブルケーブル424の表面には、ピエゾ素子421の駆動等を制御するための制御用ICであるヘッド制御部HCが実装されている。図示するように、ヘッド制御部HCは、各ノズル群毎に、すなわち色毎に、それぞれ設けられる。ヘッド制御部HCの詳細については、後で詳述する。
ケース43は、駆動ユニット42を収納可能な収納空部431を有する直方体ブロック状の外形である。このケース43の先端面には上記の流路ユニット44が接合される。この収納空部431は、駆動ユニット42が丁度嵌合可能な大きさである。また、このケース43には、インクカートリッジからのインクを流路ユニット44に導入するためのインク供給管433も形成されている。
上記の流路ユニット44は、流路形成基板45と、ノズルプレート46と、弾性板47とを有し、流路形成基板45がノズルプレート46と弾性板47に挟まれるようにそれぞれを積層して一体的に構成される。ノズルプレート46は、図4に示すようなノズルが形成されたステンレス鋼製の薄いプレートである。
流路形成基板45には、圧力室451及びインク供給口452となる空部が各ノズルに対応して複数形成される。リザーバ453は、インクカートリッジに貯留されたインクを各圧力室451に供給するための液体貯留室であり、インク供給口452を通じて対応する圧力室451の他端と連通している。そして、インクカートリッジからのインクは、インク供給管433を通って、リザーバ453内に導入される。弾性板47は、ダイヤフラム部471を備えている。また、リザーバ453となる空部の一方の開口面を封止するコンプライアンス部472も備えている。この弾性板47では、支持板にエッチング加工が施され、島部473を残すように支持板が除去されている。そして、この島部473にピエゾ素子421の自由端部の先端が接着される。
そして、駆動ユニット42は、ピエゾ素子421の自由端部を流路ユニット44側に向けた状態で収納空部431内に挿入され、この自由端部の先端面が対応する島部473に接着される。また、ピエゾ素子群接合面とは反対側の固定板背面が収納空部431を区画するケース43の内壁面に接着される。この収納状態でフレキシブルケーブル424を介してピエゾ素子421に駆動信号を供給すると、ピエゾ素子421は伸縮して圧力室451の容積を膨張・収縮させる。このような圧力室451の容積変化により、圧力室451内のインクには圧力変動が生じる。そして、このインク圧力の変動を利用することでノズルからインク滴を吐出させることができる。
次に、本実施形態の理解を容易にするため、まず参考例について説明し、その後に本実施形態について説明する。
===第1参考例(4階調印刷)===
<駆動信号COMについて>
図7は、第1参考例における駆動信号COMの説明図である。
駆動信号COMは、繰返し周期T毎に繰り返し生成される。この繰返し周期Tは、キャリッジCRが所定距離移動するために要する期間である。図中には、連続する2つの繰返し周期T(TA、TB)が示されている。前半の繰返し周期TAと後半の繰返し周期TBの駆動信号の波形は同じ波形である。このように、キャリッジCRが所定距離移動する毎に、同じ波形の駆動信号が駆動信号生成回路70から繰り返し生成される。
各繰返し周期T内では、4つの区間T111〜T114に分けることができる。第1区間T111には駆動パルスPS111を含む第1区間信号SS111が生成され、第2区間T112には駆動パルスPS112を含む第2区間信号SS112が生成され、第3区間T113には駆動パルスPS113を含む第3区間信号SS113が生成され、第4区間T114には駆動パルスPS114を含む第4区間信号SS114が生成される。なお、駆動パルスPS111〜PS114の波形は、ピエゾ素子421に行わせる動作に基づいて定められている。
駆動信号生成回路70において生成された駆動信号COMは、他の信号とともにケーブルを介して、ヘッド制御部HCへ入力される。
<ヘッド制御部HCについて>
図8は、第1参考例のヘッド制御部HCのブロック図である。
ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、信号選択部83と、制御ロジック84と、スイッチ86とを備えている。そして、制御ロジック84を除いた各部(すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、信号選択部83、及びスイッチ86)は、それぞれピエゾ素子421毎に設けられる。制御ロジック84は、設定データSPを記憶するためのシフトレジスタ群842と、設定データSPに基づいて選択信号q0〜q3を生成する選択信号生成部844とを有している。
このヘッド制御部HCには、プリンタ側コントローラ60からケーブルを介して、クロックCLK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び駆動信号COMが入力される。また、画素データSIと設定データSPとから構成される転送データTRDを含む転送信号TRも、プリンタ側コントローラ60からケーブルを介してヘッド制御部HCへ入力される。
図9は、第1参考例の各種信号の説明図である。図10Aは、転送データTRDの説明図である。図10Bは、選択信号生成部844の機能の説明図である。
クロックCLKに同期して転送信号TRがヘッド制御部HCに入力されると、転送信号に含まれる転送データTRDのうちの下位ビットデータが第1シフトレジスタ81Aにそれぞれセットされ、上位ビットデータが第2シフトレジスタ81Bにそれぞれセットされ、設定データSPが制御ロジック84のシフトレジスタ群842にセットされる。なお、各ノズルにそれぞれ対応する2ビットの画素データの下位ビットは第1シフトレジスタ81Aにセットされ、2ビットの画素データの上位ビットは第2シフトレジスタ81Bにセットされる。
そして、ラッチ信号LATのパルスに応じて、下位ビットデータが第1ラッチ回路82Aにラッチされ、上位ビットデータが第2ラッチ回路82Bにラッチされ、設定データSPが選択信号生成部844にラッチされる。なお、各ノズルにそれぞれ対応する2ビットの画素データの下位ビットは第1ラッチ回路82Aにラッチされ、2ビットの画素データの上位ビットは第2ラッチ回路82Bにラッチされる。
第1参考例の設定データSPは、16ビットデータから構成される(図10A参照)。そして、選択信号生成部844は、16ビットの設定データSPのうちの所定の4ビットデータ(データP00、データP10、データP20、データP30)とチェンジ信号CHとに基づいて、選択信号q0を生成する。また、同様に、選択信号生成部844は、16ビットの設定データSPのうちの所定の4ビットデータとチェンジ信号CHとに基づいて、選択信号q1〜q3を生成する。
この第1参考例では、16ビットの設定データSPのうち、データP00、データP12、データP13、データP21及びデータP33は[1]であり、他のデータは[0]である。このため、選択信号q0のための4ビットデータ(データP00、データP10、データP20、データP30)は[1000]になり、この結果、選択信号q0は、第1区間T111においてHレベルになり、第2区間T112〜第4区間T114においてLレベルになる。また、選択信号q1〜q3も図示する通りの信号になる。
信号選択部83は、第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bにラッチされた2ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q4から1つを選択する。画素データが[00]の場合(下位ビットが[0]で上位ビットが[0]の場合)には選択信号q0が選択され、画素データが[01]の場合には選択信号q1が選択され、画素データが[10]の場合には選択信号q2が選択され、画素データが[11]の場合には選択信号q3が選択される。選択された選択信号は、スイッチ信号SWとして信号選択部83から出力される。
スイッチ86には駆動信号COM及びスイッチ信号SWが入力される。スイッチ信号がHレベルのとき、スイッチ86はON状態になり、駆動信号COMがピエゾ素子421へ印加される。スイッチ信号SWがLレベルのとき、スイッチ86はOFF状態になり、駆動信号COMはピエゾ素子421へ印加されない。
画素データが[00]の場合、スイッチ86が選択信号q0によりON/OFFされ、駆動信号COMの第1区間信号SS111がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS111により駆動される。この駆動パルスPS111に応じてピエゾ素子421が駆動すると、インクが吐出されない程度の圧力変動がインクに生じて、インクメニスカス(ノズル部分で露出しているインクの自由表面)が微振動する。
画素データが[01]の場合、スイッチ86が選択信号q1によりON/OFFされ、駆動信号COMの第3区間信号SS113がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS113により駆動される。この駆動パルスPS113に応じてピエゾ素子421が駆動すると、小程度の量のインクが吐出され、用紙に小ドットが形成される。
画素データが[10]の場合、スイッチ86が選択信号q2によりON/OFFされ、駆動信号COMの第2区間信号SS112がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421が駆動パルスPS112により駆動される。この駆動パルスPS112に応じてピエゾ素子421が駆動すると、中程度の量のインクが吐出され、用紙に中ドットが形成される。
画素データが[11]の場合、スイッチ86が選択信号q3によりON/OFFされ、駆動信号COMの第2区間信号SS112及び第4区間信号SS114がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421が駆動パルスPS112及び駆動パルスPS114により駆動される。これらの駆動パルスPS112及び駆動パルスPS114に応じてピエゾ素子421が駆動すると、用紙に大ドットが形成される。
なお、図7の繰返し周期TAにおいてピエゾ素子421が駆動されている間に、次の繰返し周期TBにおいてピエゾ素子421を駆動するための転送信号TR(画素データSIと設定データSPとから構成される転送データTRDを含む信号)がヘッド制御部HCへ入力される。言い換えると、繰返し周期TAの間に、次の繰返し周期TBのための下位ビットデータ、上位ビットデータ及び設定データを各シフトレジスタにセットしなければならない。
===第2参考例(8階調印刷)===
上記の第1参考例では、用紙上の画素毎に4階調(ドットなし、小ドット、中ドット、大ドット)の濃淡を形成することができる。これに対し、以下に説明する第2参考例では、0pl(インク滴を吐出せず微振動のみ)、1.5pl(ピコリットル)、3pl、4.5pl、7pl、8.5pl、10pl及び14plのインク滴を吐出し、用紙上の画素毎に8階調の濃淡を形成することができる。
<ヘッド制御部HCについて>
図11は、第2参考例のヘッド制御部HCのブロック図である。第1参考例と比較すると、第2参考例のヘッド制御部HCは、第3シフトレジスタ81Cと、第3ラッチ回路82Cとを更に備えている。また、選択信号生成部844は、8種類の選択信号q0〜q7を生成する。
図12は、第2参考例の各種信号の説明図である。図13Aは、転送データTRDの説明図である。図13Bは、選択信号生成部844の機能の説明図である。
第2参考例では8階調表現を行なうため、1画素につき3ビットの画素データを対応させる必要がある(第1参考例では1画素につき2ビットの画素データが対応している)。このため、画素データSIは、上位ビットデータ、中位ビットデータ及び下位ビットデータから構成される(図13A参照)。
また、第2参考例では、繰返し周期Tは5つの区間に分けられる(第1参考例では繰返し周期Tは4つの区間に分けられる)。これは、8階調表現を行うために、ピエゾ素子421へ印加する印加信号を8種類にする必要があるので(図12下参照)、繰返し周期Tの中で用意すべき波形を増やす必要があるからである。
そして、第2参考例では、設定データSPは40ビットのデータ量になる(第1参考例では設定データは16ビットである)。詳しく言えば、第2参考例では、駆動信号COMから8種類の印加信号を生成するために選択信号生成部844は8種類の選択信号q0〜q7を生成する必要があり、また、各選択信号について5つの区間のLレベル又はHレベルを決定する必要があるので、設定データSPは、8(種類)×5(区間)=40(ビット)のデータ量になる。
そして、転送信号TRが第2参考例のヘッド制御部HCに入力されると、下位ビットデータが第1シフトレジスタ81Aにそれぞれセットされ、中位ビットデータが第2シフトレジスタ81Bにそれぞれセットされ、上位ビットデータが第3シフトレジスタ81Cにそれぞれセットされ、設定データSPが制御ロジック84のシフトレジスタ群842にセットされる。そして、ラッチ信号LATのパルスに応じて、下位ビットデータが第1ラッチ回路82Aにラッチされ、中位ビットデータが第2ラッチ回路82Bにラッチされ、上位ビットデータが第3ラッチ回路82Cにラッチされ、設定データSPが選択信号生成部844にラッチされる。
選択信号生成部844は、40ビットの設定データのうちの所定の4ビットデータとチェンジ信号CHとに基づいて、選択信号q0〜q7をそれぞれ生成する。信号選択部83は、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q7から1つを選択する。選択された選択信号は、スイッチ信号SWとして信号選択部83から出力される。
これにより、3ビットの画素データに応じてピエゾ素子421が駆動され、3ビットの画素データに応じたインク滴が吐出(又は不吐出)され、3ビットの画素データに応じたドットが用紙に形成される。
第2参考例では、ある繰返し周期Tの間に、次の繰返し周期のためにシフトレジスタにセットすべきデータ量が多くなる。このデータはシリアル転送されてくるので、セットすべきデータ量が多くなると時間がかかる。この結果、第2参考例では繰返し周期Tを短く設定することはできない。
===2種類の階調の混合印刷===
<印刷条件に応じて階調数を変えることについて>
印刷条件に応じて各色の階調数を変えたいという要請がある。例えば海や青空の写真画像を印刷する場合、ブルーが主となる画像を印刷することになるので、シアンとマゼンタの階調数を他の色(ブラックやイエロー)よりも高くして印刷することが望ましい。これに対し、夕焼け空の写真画像を印刷する場合、レッドが主となる画像を印刷することになるので、イエローとマゼンタの階調数を他の色(ブラックやシアン)よりも高くして印刷することが望ましい。また、モノクロで写真画像を印刷する場合、ブラックの階調数を他の色(シアン、マゼンタ、イエロー)よりも高くして印刷することが望ましい。
そこで、以下に説明する本実施形態では、印刷条件に応じて各色の階調数を変化させている。
<色に応じて異なる階調について>
仮にブラック及びイエローは4階調で印刷してシアン及びマゼンタは8階調で印刷する場合、単に4階調印刷と8階調印刷とを混合させただけでは、以下に説明するような問題が生じる。
図14Aは、第1比較例の説明図である。この第1比較例では、ブラック及びイエローのためのヘッド制御部は第1参考例のヘッド制御部HC(図8参照)と同じ構成であり、シアン及びマゼンタのためのヘッド制御部は第2参考例のヘッド制御部HC(図11参照)と同じ構成である。
第1比較例のようにヘッドユニット40を製造する場合、ブラック及びイエローの階調数が4階調に固定されてしまい、印刷条件に応じて可変にすることはできないという問題が生じる。
図14Bは、第2比較例の説明図である。この第2比較例では、第2参考例の8階調印刷用のヘッド制御部(図11参照)を共通に使用しているので、ブラック及びイエローの階調数を8階調にし、シアン及びマゼンタの階調数を4階調にすることも可能である。
しかし、単に第2参考例のヘッド制御部を各色共通で使用したのでは、4階調印刷しか行わないヘッド制御部に対しても8階調印刷のためのデータを送る必要があるため、セットすべきデータ量が多くなり、データのセットに時間がかかるという問題がある。
図15は、本実施形態のヘッドユニット40の概要の説明図である。このヘッドユニット40には、プリンタ側コントローラ60からケーブルを介して、駆動信号COM、クロックCLK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びその他のヘッド制御部を制御するための信号(例えばNCHG信号)が入力する。また、このヘッドユニット40には、プリンタ側コントローラ60からケーブルを介して、第1転送信号TR1〜第6転送信号TR6が入力する。
本実施形態のヘッド制御部は、各色共通の構成である。また、本実施形態のヘッド制御部は、第2参考例とは異なり、転送信号TRを入力する入力部が2つある。
各ヘッド制御部の第1入力部には、2ビット分の画素データと第1設定データSP1を含む転送信号TRが入力する。例えば、ブラック用のヘッド制御部の第1入力部には第1転送信号TR1が入力し、シアン用のヘッド制御部の第1入力部には第3転送信号TR3が入力される。
一方、各ヘッド制御部の第2入力部には、1ビット分の画素データと第2設定データSP2を設定するための転送信号TR、又は、GNDが入力する。例えば、ブラック用のヘッド制御部の第2入力部にはGNDが入力し、シアン用のヘッド制御部の第2入力部には第5転送信号が入力する。また、このようにするために、各ヘッド制御部に切替回路48が設けられている。
そして、2つの入力部に転送信号が入力されるヘッド制御部は、3ビットの画素データ、第1設定データSP1及び第2設定データSP2に基づいて、ピエゾ素子421を駆動し、用紙上の画素に8階調の濃淡を形成する。一方、1つの入力部にだけに転送信号が入力されるヘッド制御部は、2ビットの画素データ及び第1設定データSP1に基づいて、ピエゾ素子421を駆動し、用紙上の画素に4階調の濃淡を形成する。
===第1実施形態===
<プリンタドライバの処理について>
図16は、本実施形態のプリンタドライバの処理のフロー図である。プリンタドライバをインストールしたコンピュータ110は、プリンタドライバのプログラムコードに基づいて、各処理を実行する。
まず、ユーザから印刷指示があったとき、プリンタドライバは、印刷すべき画像のデータ(画像データ)を取得する(S101)。
次に、プリンタドライバは、モノクロ印刷を行うか否か(カラー印刷を行うか否か)を判断する(S102)。印刷時にユーザがプリンタドライバの印刷モードを設定しているので、プリンタドライバは、設定内容に応じてモノクロ印刷か否かを判断する。
モノクロ印刷と判断された場合(S102でYES)、プリンタドライバは、ブラックの階調数を8、シアン・マゼンタ・イエローの階調数を4に決定する(S103)。
一方、カラー印刷と判断された場合(S102でNO)、プリンタドライバは、ブラックの階調数を4に決定する(S104)。そして、シアン・マゼンタ・イエローのうち、いずれか2色の階調数が8、残りの色の階調数が4に決定される。いずれの色を8階調とするかは、印刷すべき画像データに基づいて決定される(S105及びS106)。
プリンタドライバは、カラー印刷すべき画像データを解析し、主要な色を判断する(S105)。具体的には、プリンタドライバは、画像データのR成分・G成分・B成分を抽出する。次に、プリンタドライバは、R成分の画像データについて全画素の階調値の平均値を求め、同様にG成分及びB成分の画像データについても全画素の階調値の平均値をそれぞれ求める。そして、プリンタドライバは、3つの平均値を比較し、最も大きい値の成分が主要な色であると判断する。
なお、S105の画像データの解析の内容は、RGB各成分の全画素の階調値の平均値に基づくものに限られない。例えば、プリンタドライバは、画像データのRGB各成分のヒストグラムを算出し、ヒストグラムの分布状況に応じて、画像データにおける主要な色を判断しても良い。
そして、プリンタドライバは、解析結果に応じて、シアン・マゼンタ・イエローの各色の階調数をそれぞれ決定する(S106)。例えばS105においてB成分が主要な色と解析された場合、プリンタドライバは、ブルーに関わるシアン及びマゼンタの階調数を8に決定し、イエローの階調数を4に決定する。また、S105においてR成分が主要な色と解析された場合、プリンタドライバは、マゼンタ及びイエローの階調数を8に決定し、シアンの階調数を4に決定する。
S103又はS106において各色の階調数が決定された後、プリンタドライバは、RGB成分の画像データをCMYK成分の画像データに色変換する(S107)。なお、色変換処理では、変換前後の各画像データを構成する画素データの示す階調数は、それぞれ256階調で変化していない。
そして、プリンタドライバは、256階調の画像データに対して、ハーフトーン処理を行う(S108)。例えば、モノクロ印刷の場合、256階調のK成分の画像データは8階調のK成分の画像データに変換され、256階調のCMY成分の画像データは4階調のCMY成分の画像データに変換される。また、カラー印刷の場合においてブルーが主要な色と判断されたとき、256階調のCM成分の画像データは8階調のCM成分の画像データに変換され、256階調のYK成分の画像データは4階調のYK成分の画像データに変換される。
言い換えると、プリンタドライバは、8ビットの画素データにより構成される画像データを、3ビット又は2ビットの画素データにより構成される画像データに変換する。例えば、モノクロ印刷の場合、8ビットのK成分の画素データは3ビットのK成分の画素データに変換され、8ビットのCMY成分の画素データは2ビットのCMY成分の画素データに変換される。
ハーフトーン処理後の画素データは、対応する画素の濃淡の階調を示すデータであり、その画素に対応する紙上の位置に形成すべきドットのデータになる。そこで、プリンタドライバは、ハーフトーン処理後の画像データを構成する画素データを適宜並び替え、コマンドデータを付加して印刷データを生成し、プリンタに印刷データを送信する(S109)。なお、印刷データの中のコマンドデータには、各色の階調数を示すデータが含まれている。
<プリンタの処理について>
図17は、本実施形態のプリンタの処理のフロー図である。プリンタ側コントローラ60は、メモリ63に記憶されたプログラムに基づいて各制御対象部を制御して、各処理を実行する。
プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110から印刷データを受信する(S201)。そして、プリンタ側コントローラ60は、印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の各処理を行う。
まず、プリンタ側コントローラ60は、各色のヘッド制御部の階調設定を行う。この階調設定は、コマンドデータに含まれる各色の階調数を示すデータに基づいて、行われる。なお、階調設定の詳細については、後述する。
次に、プリンタ側コントローラ60は、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする(S203)。紙が印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、紙と対向している。
そして、プリンタ側コントローラ60は、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返す(S204〜S206)。ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する処理である。搬送処理とは、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。
プリンタ側コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う(S206)。印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば排紙は行われず、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、プリンタ側コントローラ60は、その紙を排紙する(S207)。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
次に、プリンタ側コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う(S208)。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<階調設定(S202)について>
前述の階調設定(S202)では、プリンタ側コントローラ60は、各切替回路48(図15参照)に対して、各色の階調数に応じた設定を行う。
図18は、ブラック用のヘッド制御部HCに設けられている切替回路48の説明図である。ここではブラック用の切替回路48について説明するが、他の色の切替回路48についても、図中の第1転送信号TR1が色毎に異なる以外は、ほぼ同様の構成である。
切替回路48は、アンド回路481と、2つのフリップフロップを有する制御データ記憶部482と、マルチプレクサ483とを有する。アンド回路481には、ラッチ信号LAT、チェンジ信号及びその他のヘッド制御部を制御するための信号(例えばNCHG信号)が入力する。アンド回路481の出力は、制御データ記憶部482の2つのフリップフロップのC端子に入力される。制御データ記憶部482の2つのフリップフロップのD端子は、第1転送信号TR1を転送するラインに接続されている。そして、制御データ記憶部482は、2ビットのデータを記憶でき、2ビットのデータを制御信号としてマルチプレクサ483へ出力する。マルチプレクサ483には第5転送信号TR5、第6転送信号TR6及びGNDが入力する。そして、マルチプレクサ483は、制御データ記憶部482からの2ビットの制御信号に応じて選択した信号を、ヘッド制御部HCの第2入力部へ出力する。マルチプレクサ483は、[00]の制御信号に応じてGNDを選択し、[01]の制御信号に応じて第5転送信号TR5を選択し、[10]の選択信号に応じて第6転送信号TR6を選択する。
前述の階調設定(S202)のとき、プリンタ側コントローラ60は、アンド回路481から2つのクロック信号が出力されるように、LAT信号、チェンジ信号CH及びNCHG信号を転送するためのそれぞれのラインに信号を出力する。なお、この階調設定時以外では、アンド回路481の出力がHレベルになることはないように構成されている。例えば、ドット形成処理時にアンド回路481の出力がHレベルになることはない。
アンド回路481から2つのクロック信号が出力されるタイミングに同期して、プリンタ側コントローラ60は、第1転送信号TR1を転送するためのラインに、印刷データのコマンドデータに含まれる各色の階調数を示すデータに基づいて、2ビットの信号を出力する。これにより、制御データ記憶部482に、ブラックの階調数に応じた2ビットの信号が記憶される。この結果、ブラックの階調数に応じた2ビットの制御信号がマルチプレクサ483に入力され、制御信号に応じて第5転送信号TR5、第6転送信号TR6及びGNDのいずれかの信号がヘッド制御部HCの第2入力部へ出力される。
図19A〜図19Cは、制御データ記憶部482に記憶される制御データと、ヘッド制御部に入力される信号との関係の説明図である。図19Aは、カラー印刷の場合においてブルーが主要な色と判断されたときの説明図である。図19Bは、カラー印刷の場合においてレッドが主要な色と判断されたときの説明図である。図19Cは、モノクロ印刷の場合の説明図である。
以下、カラー印刷の場合においてブルーが主要な色と判断されたときについて説明する。
ブラックの制御データ記憶部482には、前述の階調設定(S202)の際に、コマンドデータ中の各色の階調数を示すデータに基づいて、[00]の制御データが記憶される。これにより、ブラックの切替回路48はGNDを選択し、ブラック用のヘッド制御部HCの第2入力部にGNDを入力する。なお、ブラック用のヘッド制御部HCの第1入力部には第1転送信号TR1が入力される。イエローの場合もブラックの場合と同様に、切替回路48は第2入力部にGNDを入力する。但し、イエローの場合、第1入力部には第2転送信号TR2が入力される。
シアンの制御データ記憶部482には、前述の階調設定(S202)の際に、コマンドデータ中の各色の階調数を示すデータに基づいて、[01]の制御データが記憶される。これにより、シアンの切替回路48は第5転送信号TR5を選択し、シアン用のヘッド制御部HCの第2入力部に第5転送信号TR5を入力する。なお、シアン用のヘッド制御部HCの第1入力部には第3転送信号TR3が入力される。
マゼンタの制御データ記憶部482には、前述の階調設定(S202)の際に、コマンドデータ中の各色の階調数を示すデータに基づいて、[10]の制御データが記憶される。これにより、マゼンタの切替回路48は第6転送信号TR6を選択し、マゼンタ用のヘッド制御部HCの第2入力部に第6転送信号TR6を入力する。なお、マゼンタ用のヘッド制御部HCの第1入力部には第4転送信号TR4が入力される。
以下の説明では、カラー印刷の場合においてブルーが主要な色と判断されたときについて、すなわち、シアンとマゼンタを8階調で印刷し、ブラックとイエローを4階調で印刷する場合について、説明する。
<ドット形成処理(S204)について>
前述のドット形成処理(S204)では、プリンタ側コントローラ60は、移動方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する。インクの断続的な吐出は、ヘッドが所定距離移動する毎にヘッドからインクが吐出されることによって、実現される。
図20は、第1実施形態の駆動信号COMと、ピエゾ素子421に印加される印加信号の説明図である。図21Aは、4階調印刷のときの画素データとインク滴の大きさとの関係を説明するための表である。図21Bは、8階調印刷のときの画素データとインク滴の大きさとの関係を説明するための表である。
駆動信号COMは、繰返し周期T毎に繰り返し生成される。この繰返し周期Tは、キャリッジCRが所定距離移動するために要する期間である。各繰返し周期T内では、5つの区間T11〜T15に分けることができる。第1区間T11には駆動パルスPS11を含む第1区間信号SS11が生成され、第2区間T12には駆動パルスPS12を含む第2区間信号SS12が生成され、第3区間T13には駆動パルスPS13を含む第3区間信号SS13が生成され、第4区間T14には駆動パルスPS14を含む第4区間信号SS14が生成され、第5区間T15には駆動パルスPS15を含む第5区間信号SS15が生成される。
各駆動パルスの波形は、ピエゾ素子421に行わせる動作に基づいて定められている。駆動パルスPS11の波形は、ピエゾ素子421を微振動させるように定められている。駆動パルスPS12及び駆動パルスPS14は、ノズルから7pl(ピコリットル)のインク滴を吐出するようにピエゾ素子421を駆動させるように定められている。駆動パルスPS13は、ノズルから3plのインク滴を吐出するようにピエゾ素子421を駆動させるように定められている。駆動パルスPS15は、ノズルから1.5plのインク滴を吐出するようにピエゾ素子421を駆動させるように定められている。
4階調印刷を行う色の画素データは、1画素につき2ビットのデータになる。そして、画素データが[00]の場合、駆動パルスPS11に応じてピエゾ素子421が駆動され、インクメニスカスが微振動する。画素データが[01]の場合、駆動パルスPS13に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから3plのインク滴が吐出され、小ドットが形成される。画素データが[10]の場合、駆動パルスPS12に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから7plのインク滴が吐出され、中ドットが形成される。画素データが[11]の場合、駆動パルスPS12及び駆動パルスPS14に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから14plのインク滴が吐出され、大ドットが形成される。
8階調印刷を行う色の画素データは、1画素につき3ビットのデータになる。そして、画素データが[000]の場合、駆動パルスPS11に応じてピエゾ素子421が駆動され、インクメニスカスが微振動する。画素データ(後述するデコード前の画素データ)が[001]の場合、駆動パルスPS15に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから1.5plのインク滴が吐出される(そして、このインク量に応じたドットが形成される)。画素データが[010]の場合、駆動パルスPS13に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから3plのインク滴が吐出される。画素データが[011]の場合、駆動パルスPS3及び駆動パルスPS5に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから4.5plのインク滴が吐出される。画素データが[100]の場合、駆動パルスPS2に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから7plのインク滴が吐出される。画素データが[101]の場合、駆動パルスPS14及び駆動パルスPS15に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから8.5plのインク滴が吐出される。画素データが[110]の場合、駆動パルスPS12及び駆動パルスPS13に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから10plのインク滴が吐出される。画素データが[111]の場合、駆動パルスPS12及び駆動パルスPS14に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから14plのインク滴が吐出される。
以下、コンピュータから送信された印刷データに含まれる画素データに基づいて、どのようにして上記の通りにピエゾ素子421が駆動されるかについて説明する。
<画素データのデコードについて>
4階調印刷において画素データが[00]の場合にピエゾ素子421に印加する信号と、8階調印刷において画素データが[000]の場合にピエゾ素子421に印加する信号とは共通している。同様に、4階調印刷の画素データ[01]と8階調印刷の画素データ[010]、4階調印刷の画素データ[10]と8階調印刷の画素データ[100]、及び、4階調印刷の画素データ[11]と8階調印刷の画素データ[111]は、ピエゾ素子421に印加する信号がそれぞれ共通する。
そこで、第1実施形態では、印加信号が4階調印刷と共通する8階調印刷の3ビットの画素データを、4階調印刷の画素データの下二桁と一致するように、デコードする。また、印加信号が4階調印刷と共通する8階調印刷の3ビットの画素データの上位ビットが[0]になるようにデコードする。
図22は、8階調印刷の画素データのデコードの説明図である。コンピュータから送信された印刷データに含まれる画素データのうちの3ビットの画素データは、後述する本実施形態のヘッド制御部HCへ入力される前に、デコーダによってデコードされる。このデコーダは、プリンタ側コントローラ60に設けられているが、ヘッドユニット側に設けられていても良い。
例えば、4階調印刷の画素データ[01]と8階調印刷の画素データ[010]は、ピエゾ素子421に印加する信号が共通するので、デコーダは、8階調印刷の画素データ[010]を画素データ[001]にデコードする。また、4階調印刷の画素データ[10]と8階調印刷の画素データ[100]は、ピエゾ素子421に印加する信号が共通するので、デコーダは、8階調印刷の画素データ[100]を[010]にデコードする。また、4階調印刷の画素データ[11]と8階調印刷の画素データ[111]は、ピエゾ素子421に印加する信号が共通するので、デコーダは、8階調印刷の画素データ[111]を[011]にデコードする。
また、デコード後の画素データの値が重複しないように、デコーダは、画素データ[001]を[100]に、画素データ[011]を[101]に、画素データ[101]を[110]に、画素データ[110]を[111]にそれぞれデコードする。なお、印加信号が4階調印刷と共通しない8階調印刷の3ビットの画素データは、上位ビットデータが[1]になるように、デコードされる。
デコード前の3ビットの画素データの値は、用紙上の画素の濃淡順の値になっている。しかし、デコーダが8階調印刷の3ビットの画素データをデコードした結果、デコード後の3ビットの画素データの値は、用紙上の画素の濃淡順の値になってない。
このようなデコードを行うことにより、8階調印刷時の選択信号q0〜q3と4階調印刷時の選択信号q0〜q3を同じにできる。この結果、選択信号q0〜q3のための設定データを、8階調印刷時にも4階調印刷時にも共通にすることができる。
<ヘッド制御部HCについて>
図23は、第1実施形態のヘッド制御部HCのブロック図である。第2参考例と比較すると、第1実施形態のヘッド制御部HCは、制御ロジック84へ入力される転送信号の入力部が2つある(第1入力部846A、第2入力部846B)。また、本実施形態の制御ロジック84には、設定データSPを記憶するためのシフトレジスタ群が2つ設けられている(第1シフトレジスタ群842A及び第2シフトレジスタ群842B)。また、第1実施形態のヘッド制御部HCは、ダミーデータ用のシフトレジスタ群85を備えている。また、第2参考例と比較すると、第1実施形態では、第1シフトレジスタ81A〜第3シフトレジスタ81Cの接続関係が異なっている。具体的には、第1シフトレジスタ81A及び第2シフトレジスタ81Bは、第1シフトレジスタ群842Aと接続され、第3シフトレジスタ81Cは、第2シフトレジスタ群842B及びダミーデータ用のシフトレジスタ群85と接続されている。
第1実施形態では、8階調印刷を行うシアン及びマゼンタにも、4階調印刷を行うブラックとイエローにも、このヘッド制御部HCを共通して使用している。以下、第1実施形態における8階調印刷と4階調印刷について説明する。
<8階調印刷>
シアンの8階調印刷について説明する。なお、マゼンタの8階調印刷もシアンの場合とほぼ同様である。
図24Aは、8階調印刷の際に第1入力部846Aに入力される第3転送信号TR3と、第2入力部846Bに入力される第5転送信号TR5の説明図である。図24Bは、8階調印刷の際の選択信号生成部844の機能の説明図である。
第3転送信号TR3は、第1画素データSI1と、第1設定データSP1とを含んでいる。第1画素データは、下位ビットデータと、中位ビットデータとから構成されている。下位ビットデータは、180個のノズルにそれぞれ対応する180個の画素データの下位ビットのデータであり、180ビットのデータ量である。なお、画素データが[001]の場合、下位ビットのデータは[1]である。中位ビットデータは、180個のノズルにそれぞれ対応する180個の画素データの中位ビットのデータであり、180ビットのデータ量である。なお、画素データが[010]の場合、中位ビットデータは[1]である。第1設定データSP1は、選択信号q0〜q3を生成するために必要なデータである。4種類の選択信号について5つの区間のLレベル又はHレベルを決定する必要があるので、第1設定データSP1は20ビットのデータ量になる。
第5転送信号TR5は、ダミーデータと、上位ビットデータと、第2設定データとを含んでいる。ダミーデータは、第5転送信号TR5のデータ長を第3転送信号TR3のデータ長に揃えるために付加されたデータである。上位ビットデータは、180個のノズルにそれぞれ対応する180個の画素データの上位ビットのデータであり、180ビットのデータ量である。なお、画素データが[100]の場合、上位ビットデータは[1]である。第2設定データSP2は、選択信号q4〜q7を生成するために必要なデータである。4種類の選択信号について5つの区間のLレベル又はHレベルを決定する必要があるので、第2設定データSP1は20ビットのデータ量になる。
第3転送信号TR3が第1入力部846Aに入力されると、下位ビットデータが第1シフトレジスタ81Aにそれぞれセットされ、中位ビットデータが第2シフトレジスタ81Bにそれぞれセットされ、第1設定データSP1が第1シフトレジスタ群842Aにセットされる。また、第3転送信号TR3が第1入力部846Aに入力されるとき、これと並列して、第5転送信号TR5が第2入力部846Bに入力される。第5転送信号TR5が第2入力部846Bに入力されると、ダミーデータがダミー用のシフトレジスタ群85へセットされ、上位ビットデータが第3シフトレジスタ81Cにそれぞれセットされ、第2設定データSP2が第2シフトレジスタ群842Bにセットされる。
第1シフトレジスタ81A〜第3シフトレジスタ81Cに各データがセットされた後、ヘッド制御部HCに入力されるラッチ信号LATのパルスに応じて、第1シフトレジスタ81Aにセットされた下位ビットデータが第1ラッチ回路82Aにラッチされ、第2シフトレジスタ81Bにセットされた中位ビットデータが第2ラッチ回路82Bにラッチされ、第3シフトレジスタ81Cにセットされた上位ビットデータが第3ラッチ回路82Cにラッチされる。また、第1シフトレジスタ群842A及び第2シフトレジスタ群842Bに各設定データがセットされた後、ヘッド制御部HCに入力されるラッチ信号LATのパルスに応じて、第1設定データSP1及び第2設定データSP2が選択信号生成部844にラッチされる。
選択信号生成部844は、ラッチされた40ビットの設定データと、繰返し周期Tを5つの区間に分けるためのチェンジ信号CHとに基づいて、選択信号q0〜q7を生成する。そして、選択信号生成部844は、第1シフトレジスタ群842Aからラッチした第1設定データSP1に基づいて選択信号q0〜q3を生成し、第2シフトレジスタ群842Bからラッチした第2設定データSP2に基づいて選択信号q4〜q7を生成する。
例えば、選択信号生成部844は、第3転送信号TR3に含まれていた所定の5ビットデータ(データP00、データP10、データP20、データP30、データP40)に基づいて、選択信号q0を生成する。また、選択信号生成部844は、第3転送信号TR3に含まれていた所定の5ビットデータ(データP01、データP11、データP21、データP31、データP41)に基づいて、選択信号q1を生成する。また、選択信号生成部844は、第3転送信号TR3に含まれていた所定の5ビットデータ(データP02、データP12、データP22、データP32、データP42)に基づいて、選択信号q2を生成する。また、選択信号生成部844は、第3転送信号TR3に含まれていた所定の5ビットデータ(データP03、データP13、データP23、データP33、データP43)に基づいて、選択信号q3を生成する。
また、例えば、選択信号生成部844は、第5転送信号TR5に含まれていた所定の5ビットデータ(データP04、データP14、データP24、データP34、データP44)に基づいて、選択信号q4を生成する。また、選択信号生成部844は、第5転送信号TR5に含まれていた所定の5ビットデータ(データP05、データP15、データP25、データP35、データP45)に基づいて、選択信号q5を生成する。選択信号生成部844は、第5転送信号TR5に含まれていた所定の5ビットデータ(データP06、データP16、データP26、データP36、データP46)に基づいて、選択信号q6を生成する。選択信号生成部844は、第5転送信号TR5に含まれていた所定の5ビットデータ(データP07、データP17、データP27、データP37、データP47)に基づいて、選択信号q7を生成する。
なお、データP0*(*は0〜7)の値に基づいて選択信号の第1区間T11のLレベル又はHレベルが決定され、データP1*(*は0〜7)の値に基づいて選択信号の第2区間T12のLレベル又はHレベルが決定され、データP2*(*は0〜7)の値に基づいて選択信号の第3区間T13のLレベル又はHレベルが決定され、データP3*(*は0〜7)の値に基づいて選択信号の第4区間T14のLレベル又はHレベルが決定され、データP4*(*は0〜7)の値に基づいて選択信号の第5区間T15のLレベル又はHレベルが決定される。例えば、選択信号q0のための5ビットデータ(データP00、データP10、データP20、データP30、データP40)は[10000]になり、この結果、選択信号q0は、第1区間T11においてHレベルになり、第2区間T112〜第5区間T14においてLレベルになる。なお、選択信号q1〜q7も選択信号q0の場合と同様である。
信号選択部83は、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q7から1つを選択する。画素データが[000]の場合には選択信号q0が選択され、画素データが[001]の場合には選択信号q1が選択され、画素データが[010]の場合には選択信号q2が選択され、画素データが[011]の場合には選択信号q3が選択される。また、画素データが[100]の場合には選択信号q4が選択され、画素データが[101]の場合には選択信号q5が選択され、画素データが[110]の場合には選択信号q6が選択され、画素データが[111]の場合には選択信号q7が選択される。なお、3ビットの画素データ(デコード後の画素データ)の上位ビットが[0]の場合には、選択信号q0〜q3のうちのいずれかが選択される。また、3ビットの画素データ(デコード後の画素データ)の上位ビットが[1]の場合には、選択信号q4〜q7のうちのいずれかが選択される。そして、選択された選択信号は、スイッチ信号SWとして信号選択部83から出力される。
スイッチ86には駆動信号COM及びスイッチ信号SWが入力される。スイッチ信号がHレベルのとき、スイッチ86はON状態になり、駆動信号COMがピエゾ素子421へ印加される。スイッチ信号SWがLレベルのとき、スイッチ86はOFF状態になり、駆動信号COMはピエゾ素子421へ印加されない。
デコード前の画素データが[000]の場合、[000]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q0を選択し、駆動信号COMの第1区間信号SS11がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS11により駆動される。この駆動パルスPS11に応じてピエゾ素子421が駆動すると、インクが吐出されない程度の圧力変動がインクに生じて、インクメニスカス(ノズル部分で露出しているインクの自由表面)が微振動する。
デコード前の画素データが[001]の場合、[100]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q4を選択し、駆動信号COMの第5区間信号SS15がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS15により駆動される。この駆動パルスPS15に応じてピエゾ素子421が駆動すると、1.5pl(ピコリットル)のインク滴が吐出される(そして、このインク量に応じたドットが形成される)。
デコード前の画素データが[010]の場合、[001]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q1を選択し、駆動信号COMの第3区間信号SS13がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS13により駆動される。この駆動パルスPS13に応じてピエゾ素子421が駆動すると、3plのインク滴が吐出される。
デコード前の画素データが[011]の場合、[101]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q5を選択し、駆動信号COMの第3区間信号SS13及び第5区間信号SS15がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS13及び駆動パルスPS15により駆動される。この駆動パルスPS13及び駆動パルスPS15に応じてピエゾ素子421が駆動すると、4.5plのインク滴が吐出される。
デコード前の画素データが[100]の場合、[010]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q2を選択し、駆動信号COMの第2区間信号SS12がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS12により駆動される。この駆動パルスPS12に応じてピエゾ素子421が駆動すると、7plのインク滴が吐出される。
デコード前の画素データが[101]の場合、[110]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q6を選択し、駆動信号COMの第4区間信号SS14及び第5区間信号SS15がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS14及び駆動パルスPS15により駆動される。この駆動パルスPS14及び駆動パルスPS15に応じてピエゾ素子421が駆動すると、8.5plのインク滴が吐出される。
デコード前の画素データが[110]の場合、[111]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q7を選択し、駆動信号COMの第2区間信号SS12及び第3区間信号SS13がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS12及び駆動パルスPS13により駆動される。この駆動パルスPS12及び駆動パルスPS13に応じてピエゾ素子421が駆動すると、10plのインク滴が吐出される。
デコード前の画素データが[111]の場合、[011]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q3を選択し、駆動信号COMの第2区間信号SS12及び第4区間信号SS14がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS12及び駆動パルスPS14により駆動される。この駆動パルスPS12及び駆動パルスPS14に応じてピエゾ素子421が駆動すると、14plのインク滴が吐出される。
<4階調印刷>
ブラックの4階調印刷について説明する。なお、イエローの4階調印刷もブラックの場合とほぼ同様である。
図25Aは、4階調印刷の際に第1入力部846Aに入力される第1転送信号TR1の説明図である。図25Bは、4階調印刷の際の選択信号生成部844の機能の説明図である。
4階調印刷を行う色のヘッド制御部HCの第2入力部846BはGNDに接続されており、第2入力部846Bの電位はLレベルの状態になる。
第1転送信号TR1は、画素データSIと、設定データSPとを含んでいる。画素データは、下位ビットデータと、上位ビットデータとから構成されている。下位ビットデータは、180個のノズルにそれぞれ対応する180個の画素データの下位ビットのデータであり、180ビットのデータ量である。なお、画素データが[01]の場合、下位ビットのデータは[1]である。上位ビットデータは、180個のノズルにそれぞれ対応する180個の画素データの上位ビットのデータであり、180ビットのデータ量である。なお、画素データが[10]の場合、上位ビットデータは[1]である。設定データSPは、選択信号q0〜q3を生成するために必要なデータである。4種類の選択信号について5つの区間のLレベル又はHレベルを決定する必要があるので、設定データSPは20ビットのデータ量になる。
第1転送信号TR1が第1入力部846Aに入力されると、下位ビットデータが第1シフトレジスタ81Aにそれぞれセットされ、上位ビットデータが第2シフトレジスタ81Bにそれぞれセットされ、設定データSPが第1シフトレジスタ群842Aにセットされる。第1転送信号TR1が第1入力部846Aに入力されるとき、第2入力部846BはGNDに接続されてLレベルの電位になっている。これにより、第3シフトレジスタ81Cに[0](Lレベルのデータ)がセットされ、第2シフトレジスタ群842BにもLレベルのデータがセットされる。
第1シフトレジスタ81A〜第3シフトレジスタ81Cに各データがセットされた後、ヘッド制御部HCに入力されるラッチ信号LATのパルスに応じて、第1シフトレジスタ81Aにセットされた下位ビットデータが第1ラッチ回路82Aにラッチされ、第2シフトレジスタ81Bにセットされた上位ビットデータが第2ラッチ回路82Bにラッチされる。また、このとき、第3シフトレジスタ81CにセットされたLレベルのデータが第3ラッチ回路82Cにラッチされる。また、第1シフトレジスタ群842Aに設定データSPがセットされた後、ヘッド制御部HCに入力されるラッチ信号LATのパルスに応じて、設定データSPが選択信号生成部844にラッチされる。また、このとき、第2シフトレジスタ群842BにセットされたLレベルのデータが選択信号生成部844にラッチされる。
選択信号生成部844は、第1シフトレジスタ群842Aからラッチした設定データSPに基づいて選択信号q0〜q3を生成する。これにより、選択信号生成部844は、選択信号q0〜q3を8階調印刷の場合と同様に生成する。
また、選択信号生成部844は、8階調印刷の場合と同様に、第2シフトレジスタ群842Bからラッチしたデータに基づいて選択信号q4〜q7を生成する。但し、第2シフトレジスタ群842BからラッチしたデータはLレベルであるため、選択信号q4〜q7は、第1区間T11〜第5区間T15の全ての区間においてLレベルになる。
第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされたデータを信号選択部83から見ると、上位ビットデータが[0]の3ビットの画素データのようになっている。そして、信号選択部83は、8階調印刷の場合と同様に、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q7から1つを選択する。但し、信号選択部83から見た上位ビットデータが[0]なので、選択信号q4〜q7は信号選択部83に選択されることはない。このため、信号選択部83は、実質的には選択信号q0〜q3から1つを選択する。
画素データが[00]の場合、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットのデータ[000]に基づいて信号選択部83が選択信号q0を選択し、駆動信号COMの第1区間信号SS11がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS11により駆動される。この駆動パルスPS11に応じてピエゾ素子421が駆動すると、インクが吐出されない程度の圧力変動がインクに生じて、インクメニスカス(ノズル部分で露出しているインクの自由表面)が微振動する。
画素データが[01]の場合、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットのデータ[001]に基づいて信号選択部83が選択信号q1を選択し、駆動信号COMの第3区間信号SS13がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS13により駆動される。この駆動パルスPS13に応じてピエゾ素子421が駆動すると、3plのインク滴が吐出される。
画素データが[10]の場合、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットのデータ[010]に基づいて信号選択部83が選択信号q2を選択し、駆動信号COMの第2区間信号SS12がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS12により駆動される。この駆動パルスPS12に応じてピエゾ素子421が駆動すると、7plのインク滴が吐出される。
画素データが[11]の場合、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットのデータ[011]に基づいて信号選択部83が選択信号q3を選択し、駆動信号COMの第2区間信号SS12及び第4区間信号SS14がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS12及び駆動パルスPS14により駆動される。この駆動パルスPS12及び駆動パルスPS14に応じてピエゾ素子421が駆動すると、14plのインク滴が吐出される。
なお、信号選択部83から見ると上位ビットデータが[0]の3ビットの画素データのようになっているため、全ての区間がLレベルである選択信号q4〜q7が信号選択部83に選択されることはない。
上記の第1実施形態によれば、色毎の階調数を変えて印刷することができる。例えば、図19Aに示す印刷を行う際にはシアンとマゼンタを8階調で印刷してブラックとイエローを4階調で印刷するが、図19Bに示す印刷を行う際にはイエローとマゼンタを8階調で印刷してブラックとシアンを4階調で印刷する。加えて、第1実施形態によれば、印刷条件に応じて色毎の階調数を変えているので、画質を向上させることができる。例えば、カラー印刷の場合においてブルーが主要な色と判断されたとき、ブルーに関わるシアンやマゼンタを8階調で印刷し、ブルー系の画像に対してブルーの中間調が滑らかに変化するように印刷できる。なお、前述の第2比較例(図14B参照)のように、全ての色の階調数を高くすれば当然画質は向上するが、この場合、データ量が増えてしまう。一方、前述の実施形態のように、ブルーに関わるシアンやマゼンタだけを8階調にし、ブルーとは比較的関連性の薄いイエローやブラックを4階調にすれば、画質をあまり落とさずにデータ量を削減できる。つまり、色毎の階調数を変えることができれば、データ量を削減する効果がある。
また、第1実施形態によれば、切替回路48が各ヘッド制御部に設けられている。これにより、第5転送信号TR5や第6転送信号TR6の入力先を、色毎に決定された階調数に応じて、変えることができる。もし仮に切替回路48がなければ、各色の第2入力部へ転送信号を入力するための信号線をそれぞれケーブルに設ける必要があり、第1入力部への転送信号を伝送するための各色の信号線のように、各色の第2入力部へ転送信号TRを入力するための信号線が4本必要になる。一方、前述の実施形態では切替回路48があるので、各色の第2入力部へ転送信号TRを入力するための信号線は2本だけでよい。すなわち、切替回路48を設けることにより、コンピュータ側コントローラ60とヘッドユニット40との間で転送信号TRを伝送するケーブルの信号線の数を減らすことができる。
なお、第1実施形態によれば、4階調印刷を行うブラックやイエローのヘッド制御部HCを、8階調印刷を行うシアンやマゼンタのヘッド制御部HCと共通の仕様にすることができる(それゆえに、色毎の階調数を変えて印刷することが可能になる)。また、ヘッド制御部HCの第1入力部846Aや第2入力部846Bにシリアル転送される転送信号TRのデータ量が第2参考例の場合よりも少ないので、データのセットに時間がかからない。
===第2実施形態(4階調と6階調の混合印刷)===
前述の第1実施形態ではシアンやマゼンタは8階調印刷を行っているが、以下に説明する第2実施形態では、シアンやマゼンタは6階調印刷を行っている。また、前述の第1実施形態では選択信号q0〜q3の生成のための設定データは第1入力部846Aのみから入力されているが、以下に説明する第2実施形態では、選択信号q0〜q3の生成のための設定データの一部が第2入力部846Bから入力されている。
なお、第2実施形態では、プリンタドライバの動作や切替回路48の動作等については、前述の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、以下の説明ではシアンやマゼンタは6階調印刷を行い、ブラックやイエローは4階調印刷を行っているが、例えば印刷画像がレッドを主要な色としている場合には、イエローやマゼンタが6階調印刷を行い、ブラックやシアンは4階調印刷を行うことになる。
<画素データのデコードについて>
4階調印刷において画素データが[00]の場合にピエゾ素子421に印加する信号と、6階調印刷において画素データが[000]の場合にピエゾ素子421に印加する信号とは共通している。同様に、4階調印刷の画素データ[01]と6階調印刷の画素データ[010]、4階調印刷の画素データ[10]と8階調印刷の画素データ[011]、及び、4階調印刷の画素データ[11]と8階調印刷の画素データ[101]は、ピエゾ素子421に印加する信号がそれぞれ共通する。
そこで、第2実施形態でも、印加信号が4階調印刷と共通する6階調印刷の3ビットの画素データを、4階調印刷の画素データの下二桁と一致するように、デコードする。また、印加信号が4階調印刷と共通する8階調印刷の3ビットの画素データの上位ビットが[0]になるようにデコードする。
図26は、6階調印刷の画素データのデコードの説明図である。コンピュータから送信された印刷データに含まれる画素データのうちの3ビットの画素データは、ヘッド制御部HCへ入力される前に、デコーダによってデコードされる。このデコーダは、プリンタ側コントローラ60に設けられているが、ヘッドユニット側に設けられていても良い。
デコード前の3ビットの画素データの値は、用紙上の画素の濃淡順の値になっている。しかし、デコーダが6階調印刷の3ビットの画素データをデコードした結果、デコード後の3ビットの画素データの値は、用紙上の画素の濃淡順の値になってない。
本実施形態においても、6階調印刷を行うシアン及びマゼンタでも、4階調印刷を行うブラックとイエローでも、このヘッド制御部HCを共通して使用している。以下、第2実施形態における6階調印刷と4階調印刷について説明する。なお、第2実施形態のヘッド制御部HCの構成は、第1実施形態のヘッド制御部HCの構成とほぼ同様であるので、必要に応じて図23を参照しながら説明を行う。
<6階調印刷>
シアンの6階調印刷について説明する。なお、マゼンタの6階調印刷もシアンの場合とほぼ同様である。
図27Aは、6階調印刷の際に第1入力部846Aに入力される第3転送信号TR3と、第2入力部846Bに入力される第5転送信号TR5の説明図である。図27Bは、6階調印刷の際の選択信号生成部844の機能の説明図である。
第3転送信号TR3は、第1実施形態と同様に、第1画素データSI1と、第1設定データSP1とを含んでいる。但し、第2実施形態の第1設定データSP1は、16ビットのデータ量であり、選択信号q0〜q3の第1区間T11〜第4区間T14のLレベル又はHレベルを決定するためのデータである。
第5転送信号TR5も、第1実施形態と同様に、ダミーデータと、上位ビットデータと、第2設定データとを含んでいる。但し、第2実施形態の第2設定データSP2は、2ビットのダミーデータを含む16ビットのデータ量である。この第2設定データSP2は、選択信号q0〜q3の第5区間T15のLレベル又はHレベルを決定するためのデータと、選択信号q4及びq5の5つの区間のLレベル又はHレベルを決定するためのデータとから構成される。
第2実施形態も第1実施形態と同様に、第3転送信号TR3が第1入力部846Aに入力され、第5転送信号TR5が第2入力部846Bに入力される(図23参照)。これにより、第1実施形態と同様に、各データがシフトレジスタにセットされ、ラッチ信号LATのパルスに応じて各データがラッチされる。
選択信号生成部844は、ラッチされた30ビットの設定データと、繰返し周期Tを5つの区間に分けるためのチェンジ信号CHとに基づいて、選択信号q0〜q5を生成する。選択信号q0〜q3は、第1実施形態では第1設定データSP1のみに基づいて生成されていたが、第2実施形態では、第1設定データSP1と第2設定データSP2とに基づいて生成される。
例えば、選択信号生成部844は、データP00、データP10、データP20、データP30及びデータP40に基づいて、選択信号q0を生成する。なお、データP00〜データP30は第3転送信号TR3に含まれていたデータであるが、データP40は第5転送信号TR5に含まれていたデータである。同様に、選択信号生成部844は、第3転送信号TR3に含まれていた4ビットのデータと、第5転送信号TR5に含まれていた1ビットのデータとに基づいて、選択信号q1〜q3を生成する。
なお、選択信号q4及びq5は、第1実施形態と同様に、第5転送信号TR5に含まれていた所定の5ビットデータに基づいて生成される。
信号選択部83は、第1実施形態と同様に、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q5から1つを選択する。画素データが[000]の場合には選択信号q0が選択され、画素データが[001]の場合には選択信号q1が選択され、画素データが[010]の場合には選択信号q2が選択され、画素データが[011]の場合には選択信号q3が選択される。また、画素データが[100]の場合には選択信号q4が選択され、画素データが[101]の場合には選択信号q5が選択される。なお、3ビットの画素データ(デコード後の画素データ)の上位ビットが[0]の場合には、選択信号q0〜q3のうちのいずれかが選択される。また、3ビットの画素データ(デコード後の画素データ)の上位ビットが[1]の場合には、選択信号q4又はq5が選択される。
これにより、デコード前の画素データが[000]の場合にはインクメニスカスが微振動し、デコード前の画素データが[001]の場合には1.5plのインク滴が吐出され、デコード前の画素データが[010]の場合には3plのインク滴が吐出され、デコード前の画素データが[011]の場合には7plのインク滴が吐出され、デコード前の画素データが[100]の場合には10plのインク滴が吐出され、デコード前の画素データが[101]の場合には14plのインク滴が吐出される。
<4階調印刷>
ブラックの4階調印刷について説明する。なお、イエローの4階調印刷もブラックの場合とほぼ同様である。
図28Aは、4階調印刷の際に第1入力部846Aに入力される第1転送信号TR1の説明図である。図28Bは、4階調印刷の際の選択信号生成部844の機能の説明図である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、4階調印刷を行う色のヘッド制御部HCの第2入力部846BはGNDに接続されており、第2入力部846Bの電位はLレベルの状態になる。これにより、第1転送信号TR1が第1入力部846Aに入力されたとき、第3シフトレジスタ81C及び第2シフトレジスタ群842BにLレベルのデータがセットされる。また、ラッチ信号LATのパルスに応じて、第3シフトレジスタ81CにセットされたLレベルのデータが第3ラッチ回路82Cにラッチされ、第2シフトレジスタ群842BにセットされたLレベルのデータが選択信号生成部844にラッチされる。
選択信号生成部844は、選択信号q0〜q3を生成するとき、設定データに応じて第1区間T11〜第4区間T14をLレベル又はHレベルにする。また、選択信号生成部844は、第2シフトレジスタ群842BからのLレベルのデータに応じて、選択信号q0〜q3の第5区間T15をLレベルにする。これにより、選択信号生成部844は、6階調印刷と同様の選択信号q0〜q3を生成する。
また、選択信号生成部844は、6階調印刷の場合と同様に、第2シフトレジスタ群842Bからラッチしたデータに基づいて選択信号q4及びq5を生成する。但し、第2シフトレジスタ群842BからラッチしたデータはLレベルであるため、選択信号q4及びq5は、第1区間T11〜第5区間T15の全ての区間においてLレベルになる。
第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされたデータを信号選択部83から見ると、上位ビットデータが[0]の3ビットの画素データのようになっている。そして、信号選択部83は、6階調印刷の場合と同様に、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q5から1つを選択する。但し、信号選択部83から見た上位ビットデータが[0]なので、選択信号q4及びq5は信号選択部83に選択されることはない。このため、信号選択部83は、実質的には選択信号q0〜q3から1つを選択する。
これにより、画素データが[00]の場合にはインクメニスカスが微振動し、画素データが[01]の場合には3plのインク滴が吐出され、画素データが[10]の場合には7plのインク滴が吐出され、画素データが[11]の場合には14plのインク滴が吐出される。
上記の第2実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様に、4階調印刷と6階調印刷に共通のヘッド制御部HCを使用することができる(それゆえに、色毎の階調数を変えて印刷することが可能になる)。また、前述の第1実施形態と同様に、ヘッド制御部HCの第1入力部846Aや第2入力部846Bにシリアル転送される転送信号TRのデータ量が第2参考例よりも少ないので、データのセットに時間がかからない。
また、第2実施形態によれば、選択信号q0〜q3は、第1入力部846Aに入力された設定データだけではなく第2入力部846Bに入力された信号に基づいて、Lレベル又はHレベルが決定されている。これにより、第1入力部846Aに入力すべき設定データのデータ量を減らすことができるので、第2実施形態では第1実施形態よりもデータのセットの時間をより短縮できる。
===第3実施形態(2種類の駆動信号COMを用いる場合)===
前述の第1実施形態及び第2実施形態では駆動信号COMは1種類だけであったが、以下に説明する第3実施形態では、駆動信号COMが2種類ある。そして、2種類の駆動信号COMのそれぞれに異なる波形の駆動パルスを含めることができるので、第3実施形態では、繰返し周期Tが、第1実施形態や第2実施形態の繰返し周期よりも短くなる。
なお、第3実施形態では、第2実施形態と同様に、シアンやマゼンタでは6階調印刷を行い、ブラックやイエローでは4階調印刷を行う。このため、第3実施形態の画素データのデコードは、第2実施形態と同様に行われる(図26参照)。
<画素データとインク滴の大きさとの関係について>
図29は、第3実施形態の駆動信号COMと、ピエゾ素子421に印加される印加信号の説明図である。
第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bは、繰返し周期T2毎に繰り返し生成される。この繰返し周期T2は、キャリッジCRが所定距離移動するために要する期間である。各繰返し周期T2内では、3つの区間T21〜T23に分けることができる。
第1駆動信号COM_Aでは、第1区間T21において駆動パルスPS21を含む第1区間信号SS21が生成され、第2区間T22において駆動パルスPS22を含む第2区間信号SS22が生成され、第3区間T23において駆動パルスPS23を含む第2区間信号SS23が生成される。第2駆動信号COM_Bでは、第1区間T21において駆動パルスPS24を含む第1区間信号SS24が生成され、第2区間T22において駆動パルスPS25を含む第2区間信号SS25が生成され、第3区間T21において駆動パルスPS26を含む第3区間信号SS26が生成される。
各駆動パルスの波形は、ピエゾ素子421に行わせる動作に基づいて定められている。駆動パルスPS21の波形は、ピエゾ素子421を微振動させるように定められている。駆動パルスPS22、駆動パルスPS23及び駆動パルスPS24は、ノズルから7pl(ピコリットル)のインク滴を吐出するようにピエゾ素子421を駆動させるように定められている。駆動パルスPS25は、ノズルから3plのインク滴を吐出するようにピエゾ素子421を駆動させるように定められている。駆動パルスPS26は、ノズルから1.5plのインク滴を吐出するようにピエゾ素子421を駆動させるように定められている。
4階調印刷を行う色の画素データは、1画素につき2ビットのデータになる。そして、画素データが[00]の場合、駆動パルスPS21に応じてピエゾ素子421が駆動され、インクメニスカスが微振動する。画素データが[01]の場合、駆動パルスPS25に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから3plのインク滴が吐出され、小ドットが形成される。画素データが[10]の場合、駆動パルスPS22に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから7plのインク滴が吐出され、中ドットが形成される。画素データが[11]の場合、駆動パルスPS22及び駆動パルスPS24に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから14plのインク滴が吐出され、大ドットが形成される。
6階調印刷を行う色の画素データは、1画素につき3ビットのデータになる。そして、画素データが[000]の場合、駆動パルスPS21に応じてピエゾ素子421が駆動され、インクメニスカスが微振動する。画素データ(後述するデコード前の画素データ)が[001]の場合、駆動パルスPS26に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから1.5plのインク滴が吐出され、微小ドットが形成される。画素データが[010]の場合、駆動パルスPS25に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから3plのインク滴が吐出され、小ドットが形成される。画素データが[011]の場合、駆動パルスPS22に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから7plのインク滴が吐出され、中ドットが形成される。画素データが[100]の場合、駆動パルスPS22及び駆動パルスPS24に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから14plのインク滴が吐出され、大ドットが形成される。画素データが[101]の場合、駆動パルスPS22、駆動パルスPS24及び駆動パルスPS23に応じてピエゾ素子421が駆動され、ノズルから21plのインク滴が吐出され、特大ドットが形成される。
以下、コンピュータから送信された印刷データに含まれる画素データに基づいて、どのようにして上記の通りにピエゾ素子421が駆動されるかについて説明する。
<画素データのデコードについて>
4階調印刷において画素データが[00]の場合にピエゾ素子421に印加する信号と、6階調印刷において画素データが[000]の場合にピエゾ素子421に印加する信号とは共通している。同様に、4階調印刷の画素データ[01]と6階調印刷の画素データ[010]、4階調印刷の画素データ[10]と6階調印刷の画素データ[011]、及び、4階調印刷の画素データ[11]と6階調印刷の画素データ[100]は、ピエゾ素子421に印加する信号がそれぞれ共通する。
そこで、第1実施形態では、印加信号が4階調印刷と共通する8階調印刷の3ビットの画素データを、4階調印刷の画素データの下二桁と一致するように、デコードする。また、印加信号が4階調印刷と共通する8階調印刷の3ビットの画素データの上位ビットが[0]になるようにデコードする。
図30は、6階調印刷の画素データのデコードの説明図である。コンピュータから送信された印刷データに含まれる画素データのうちの3ビットの画素データは、後述する本実施形態のヘッド制御部HCへ入力される前に、デコーダによってデコードされる。このデコーダは、プリンタ側コントローラ60に設けられているが、ヘッドユニット側に設けられていても良い。
デコード前の3ビットの画素データの値は、用紙上の画素の濃淡順の値になっている。しかし、デコーダが8階調印刷の3ビットの画素データをデコードした結果、デコード後の3ビットの画素データの値は、用紙上の画素の濃淡順の値になってない。
<ヘッド制御部HCについて>
図31は、第3実施形態のヘッド制御部HCのブロック図である。第1実施形態と比較すると、第3実施形態では、ヘッド制御部HCに(詳しくは制御ロジック84に)2種類のチェンジ信号(第1チェンジ信号CH_A及び第2チェンジ信号CH_B)が入力されている。また、第3実施形態では、2種類の駆動信号(第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_B)がヘッド制御部HCに入力される。また、各ピエゾ素子421にはそれぞれ2つのスイッチ(第1スイッチ86A及び第2スイッチ86B)が設けられており、一方のスイッチには第1駆動信号COM_Aが入力され、他方のスイッチには第2駆動信号COM_Bが入力される。また、各信号選択部は、2つのスイッチ信号(第1スイッチ信号SW_A及び第2スイッチ信号SW_B)を出力し、一方のスイッチ信号は第1スイッチ86Aに入力され、他方のスイッチ信号は第2スイッチ86Bに入力される。
第3実施形態においても、6階調印刷を行うシアン及びマゼンタにも、4階調印刷を行うブラックとイエローにも、このヘッド制御部HCを共通して使用している。以下、第3実施形態における6階調印刷と4階調印刷について説明する。
<6階調印刷>
シアンの6階調印刷について説明する。なお、マゼンタの6階調印刷もシアンの場合とほぼ同様である。
図32Aは、6階調印刷の際に第1入力部846Aに入力される第3転送信号TR3と、第2入力部846Bに入力される第5転送信号TR5の説明図である。図32Bは、6階調印刷の際の選択信号生成部844の機能の説明図である。
第3転送信号TR3は、第1画素データSI1と、第1設定データSP1とを含んでいる。第3実施形態の第1設定データSP1は、4ビットのダミーデータを含む20ビットのデータ量である。第1設定データSP1は、選択信号q0〜q3及び選択信号q6〜q9の第1区間T21及び第2区間T22のLレベル又はHレベルを決定するためのデータである。なお、4ビットのダミーデータは、第1設定データSP1のデータ量を第2設定データSP2のデータ量に合わせるためのものである。
第5転送信号TR5は、第2画素データSP2と、第2設定データSP2とを含んでいる。第3実施形態の第2設定データSP2は、20ビットのデータ量である。この第2設定データSP2は、選択信号q0〜q3及び選択信号q6〜q9の第3区間T23のLレベル又はHレベルを決定するためのデータと、選択信号q4、q5、q10及びq11の第1区間T21〜第3区間T23のLレベル又はHレベルを決定するためのデータとから構成される。
第3実施形態も第1実施形態や第2実施形態と同様に、第3転送信号TR3が第1入力部846Aに入力され、第5転送信号TR5が第2入力部846Bに入力される(図31参照)。これにより、各データがシフトレジスタにセットされ、ラッチ信号LATのパルスに応じて各データがラッチされる。
選択信号生成部844は、ラッチされた設定データと、繰返し周期Tを3つの区間に分けるための第1チェンジ信号CH_Aとに基づいて、選択信号q0〜q5を生成する。また、選択信号生成部844は、ラッチされた設定データと、繰返し周期Tを3つの区間に分けるための第2チェンジ信号CH_Bとに基づいて、選択信号q6〜q11を生成する。なお、ここでは説明の簡略化のため第1チェンジ信号CH_A及び第2チェンジ信号CH_Bのパルスのタイミングは一致しているが、必ずしも一致させる必要はない。選択信号q0〜q3及びq6〜q9は、第2実施形態の選択信号q0〜q3と同様に、第1設定データSP1と第2設定データSP2とに基づいて生成される。
例えば、選択信号生成部844は、データP000、データP100及びデータP200に基づいて、選択信号q0を生成する。なお、データP000及びデータP100は第3転送信号TR3に含まれていたデータであるが、データP200は第5転送信号TR5に含まれていたデータである。同様に、選択信号生成部844は、第3転送信号TR3に含まれていた2ビットのデータと、第5転送信号TR5に含まれていた1ビットのデータとに基づいて、選択信号q1〜q3及び選択信号q6〜q9を生成する。
なお、選択信号q4、q5、q10及びq11は、第2実施形態の選択信号q4及びq5と同様に、第5転送信号TR5に含まれていた所定の3ビットデータに基づいて生成される。例えば、選択信号生成部844は、データP004、データP104及びデータP204に基づいて、選択信号q4を生成する。
図33は、3ビットの画素データと、信号選択部が選択すべき選択信号との関係の表である。
信号選択部83は、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q5から1つを選択し、選択信号q6〜q11から1つを選択する。画素データが[000]の場合には選択信号q0及びq6が選択され、画素データが[001]の場合には選択信号q1及びq7が選択され、画素データが[010]の場合には選択信号q2及びq8が選択され、画素データが[011]の場合には選択信号q3及びq9が選択され、画素データが[100]の場合には選択信号q4及びq10が選択され、画素データが[101]の場合には選択信号q5及びq11が選択される。なお、3ビットの画素データ(デコード後の画素データ)の上位ビットが[0]の場合には、選択信号q0〜q3のうちのいずれかが選択され、また、選択信号q6〜q9のうちのいずれかが選択される。また、3ビットの画素データ(デコード後の画素データ)の上位ビットが[1]の場合には、選択信号q4又はq5が選択され、また、選択信号q10又はq11が選択される。
選択信号q0〜q5から選択された選択信号は、第1スイッチ信号SW_Aとして信号選択部83から出力される。選択信号q6〜q11から選択された選択信号は、第2スイッチ信号SW_Bとして信号選択部83から出力される。
第1スイッチ86Aには第1駆動信号COM_A及び第1スイッチ信号SW_Aが入力される。第1スイッチ信号SW_AがHレベルのとき、第1スイッチ86AはON状態になり、第1駆動信号COM_Aがピエゾ素子421へ印加される。第1スイッチ信号SW_AがLレベルのとき、第1スイッチ86AはOFF状態になり、第1駆動信号COM_Aはピエゾ素子421へ印加されない。
同様に、第2スイッチ86Bには第2駆動信号COM_B及び第2スイッチ信号SW_Bが入力される。第2スイッチ信号SW_BがHレベルのとき、第2スイッチ86BはON状態になり、第2駆動信号COM_Bがピエゾ素子421へ印加される。第2スイッチ信号SW_BがLレベルのとき、第2スイッチ86BはOFF状態になり、第2駆動信号COM_Bはピエゾ素子421へ印加されない。
デコード前の画素データが[000]の場合、[000]にデコードされた画素データに基づいて信号選択部83が選択信号q0及びq6を選択し、第1スイッチ信号SW_Aとして選択信号q0を出力し、第2スイッチ信号SW_Bとして選択信号q6を出力する。第1スイッチ86Aは、第1スイッチ信号SW_Aである選択信号q0に応じて、第1区間T21ではON状態になり、第2区間T22及び第3区間T23ではOFF状態になる。また、第2スイッチ86Bは、第2スイッチ信号SW_Bである選択信号q6に応じて、第1区間T21〜第3区間T23でOFF状態になる。これにより、ピエゾ素子421は、繰返し周期T2において、第1区間信号SS21がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS21により駆動される。この駆動パルスPS11に応じてピエゾ素子421が駆動すると、インクが吐出されない程度の圧力変動がインクに生じて、インクメニスカス(ノズル部分で露出しているインクの自由表面)が微振動する。
同様に、デコード前の画素データが[001]の場合には1.5plのインク滴が吐出されて微小ドットが形成され、デコード前の画素データが[010]の場合には3plのインク滴が吐出されて小ドットが形成され、デコード前の画素データが[011]の場合には7plのインク滴が吐出されて中ドットが形成され、デコード前の画素データが[100]の場合には14plのインク滴が吐出されて大ドットが形成され、デコード前の画素データが[101]の場合には21plのインク滴が吐出されて特大ドットが形成される。
<4階調印刷>
ブラックの4階調印刷について説明する。なお、イエローの4階調印刷もブラックの場合とほぼ同様である。
図34Aは、4階調印刷の際に第1入力部846Aに入力される第1転送信号TR1の説明図である。図34Bは、4階調印刷の際の選択信号生成部844の機能の説明図である。
第3実施形態においても、第1実施形態や第2実施形態と同様に、4階調印刷を行う色のヘッド制御部HCの第2入力部846BはGNDに接続されており、第2入力部846Bの電位はLレベルの状態になる。これにより、第1転送信号TR1が第1入力部846Aに入力されたとき、第3シフトレジスタ81C及び第2シフトレジスタ群842BにLレベルのデータがセットされる。また、ラッチ信号LATのパルスに応じて、第3シフトレジスタ81CにセットされたLレベルのデータが第3ラッチ回路82Cにラッチされ、第2シフトレジスタ群842BにセットされたLレベルのデータが選択信号生成部844にラッチされる。
選択信号生成部844は、選択信号q0〜q3及び選択信号q6〜q9を生成するとき、設定データに応じて第1区間T21及び第2区間T22をLレベル又はHレベルにする。また、選択信号生成部844は、第2シフトレジスタ群842BからのLレベルのデータに応じて、選択信号q0〜q3の第3区間T25をLレベルにする。これにより、選択信号生成部844は、6階調印刷と同様の選択信号q0〜q3及び選択信号q6〜q9を生成する。
また、選択信号生成部844は、6階調印刷の場合と同様に、第2シフトレジスタ群842Bからラッチしたデータに基づいて選択信号q4、q5、q10及びq11を生成する。但し、第2シフトレジスタ群842BからラッチしたデータはLレベルであるため、選択信号q4、q5、q10及びq11は、第1区間T21〜第3区間T23の全ての区間においてLレベルになる。
第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされたデータを信号選択部83から見ると、上位ビットデータが[0]の3ビットの画素データのようになっている。そして、信号選択部83は、6階調印刷の場合と同様に、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cにラッチされた3ビットの画素データに応じて、選択信号q0〜q5から1つを選択し、選択信号q6〜q11から1つを選択する。但し、信号選択部83から見た上位ビットデータが[0]なので、選択信号q4、q5、q10及びq11は信号選択部83に選択されることはない。このため、信号選択部83は、実質的には選択信号q0〜q3から1つを選択し、選択信号q6〜q9から1つを選択する。
これにより、画素データが[00]の場合にはインクメニスカスが微振動し、画素データが[01]の場合には3plのインク滴が吐出されて小ドットが形成され、画素データが[10]の場合には7plのインク滴が吐出されて中ドットが形成され、画素データが[11]の場合には14plのインク滴が吐出されて大ドットが形成される。
上記の第2実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第3実施形態によれば、前述の第1実施形態や第2実施形態と同様に、4階調印刷と6階調印刷に共通のヘッド制御部HCを使用することができる(それゆえに、色毎の階調数を変えて印刷することが可能になる)。また、前述の第1実施形態や第2実施形態と同様に、ヘッド制御部HCの第1入力部846Aや第2入力部846Bにシリアル転送される転送信号TRのデータ量が第2参考例よりも少ないので、データのセットに時間がかからない。
また、第3実施形態のように2種類の駆動信号を用いてピエゾ素子421を駆動する場合、2つの駆動信号の中に多数の異なる波形を分けて入れることができるので繰返し周期T2が短くなるとともに、設定データが多くなるため設定データのデータ量が多くなる。にもかかわらず、繰返し周期T2の間に、次の繰返し周期T2のための画素データ及び設定データをセットしなければならない。第3実施形態においては、データをセットする時間を短縮できるので、短い繰返し周期T2の間に、次の繰返し周期T2のための画素データ及び設定データをセットすることが可能になり、特に有効である。
また、第3実施形態によれば、選択信号q0〜q3及び選択信号q6〜q9は、第1入力部846Aに入力された設定データだけではなく第2入力部846Bに入力された信号に基づいて、Lレベル又はHレベルが決定されている。これにより、第1入力部846Aに入力すべき設定データのデータ量を減らすことができるので、第3実施形態ではデータのセットの時間をより短縮できる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されているが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の印刷装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出している。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、インクを吐出するための駆動素子としてヒータを用いる方式など、他の方式を用いてもよい。
<転送信号TRについて>
前述の実施形態では、各ヘッド制御部へ入力される転送信号が2つであった。言い換えると、各ヘッド制御部は、転送信号TRを入力するための入力部が2つであった。しかし、これに限られるものではない。例えば、各ヘッド制御部に第1入力部及び第2入力部の他に第3入力部を設け、3つの転送信号TRを入力可能な構成にしても良い。もちろん、各ヘッド制御部に3以上の入力部を設けても良い。このようにすれば、更に多くの階調を示す転送データをヘッド制御部に入力することが可能になる。
<駆動信号COMについて>
前述の第3実施形態では駆動信号が2種類であったが、3種類以上としても良い。
===まとめ===
(1)前述のプリンタ1(印刷装置の一例)は、シアンインクノズル群C(図4参照)からシアンインクを吐出してドットを形成するために駆動されるピエゾ素子(第1駆動素子の一例であり、以下、「シアン用ピエゾ素子」と称する)と、イエローインクノズル群Yからイエローインクを吐出してドットを形成するために駆動されるピエゾ素子(第2駆動素子の一例であり、以下、「イエロー用ピエゾ素子」と称する)とを有する。また、前述のプリンタ1は、シアン用ピエゾ素子やイエロー用ピエゾ素子を制御するためのコントローラとして、プリンタ側コントローラ60、シアン用のヘッド制御部HC(図15参照)、イエロー用のヘッド制御部HC等を備えている。
前述のプリンタ1のコントローラは、例えば図19Aに示すように、あるタイミングにおいて、シアン用ピエゾ素子を8階調印刷するように(8階調で各画素にドットを形成可能なように)制御するとともに、イエロー用ピエゾ素子を4階調印刷するように制御する。また、例えば図19Bに示すように、別のタイミングにおいて、前述のプリンタのコントローラは、シアン用ピエゾ素子を4階調印刷するように制御する。
このように、前述のプリンタ1では、色毎の階調数を変えて印刷をすることができる。これにより、状況に応じて各色の階調数を任意に変更できるようになる。
(2)前述のプリンタのコントローラ(プリンタ側コントローラ60、シアン用のヘッド制御部HC(図15参照)、イエロー用のヘッド制御部HC等)は、印刷条件に応じて、シアン用ピエゾ素子の駆動を制御する際の階調数を切り替えている。例えば第1実施形態では、モノクロ印刷時にはシアン用ピエゾ素子は4階調印刷にて制御され、カラー印刷時にはシアン用ピエゾ素子は8階調印刷にて制御されることがあり、モノクロ印刷/カラー印刷に応じて、シアン用ピエゾ素子の駆動を制御する際の階調数を切り替えている。モノクロ印刷時にはシアンインクを吐出するピエゾ素子を高階調数に基づいて制御する必要がないが、カラー印刷時にはシアンの階調数を高めればブルーやグリーンの中間調が滑らかに変化するように印刷できるためである。このように、印刷状況(例えばモノクロ印刷/カラー印刷)に応じてシアン用ピエゾ素子の駆動を制御する際の階調数を切り替えれば、印刷画像の画質を向上させることができる。
(3)前述のプリンタのコントローラは、印刷すべき画像に基づいて、シアン用ピエゾ素子の駆動を制御する際の階調数を切り替えている。例えば第1実施形態では、印刷すべき画像がブルーを主要な色とするときには8階調印刷に基づいて、レッドを主要な色とするときには4階調印刷に基づいて、シアン用ピエゾ素子の駆動を制御している。ブルーの中間調を滑らかに印刷するためにはシアン用ピエゾ素子を高階調印刷する必要があるが、レッド系の画像に対してはシアン用ピエゾ素子を高階調印刷しても画質の向上にあまり寄与しないためである。
(4)前述の実施形態では、RGB色空間の画像データを解析してRGBのうちの主要な色が特定され、その特定された色に関わるCMYのうちの2色を高階調印刷し、CMYのうちの残り1色を低階調印刷する。例えば前述の第1実施形態では、ブルーが主要な色として特定された場合、ブルーに関わるシアンやマゼンタだけを8階調にし、ブルーとは比較的関連性の薄いイエローを4階調にしている。このように、CMYのうちの2色を高階調印刷する場合、RGBのいずれかの色を特定すればよい。
但し、CMYのうちの高階調印刷する2色を決定する方法は、前述の実施形態に限られるものではない。RGB色空間の画像データをCMY色空間の画像データに色変換した後、CMY色空間の画像データを解析して主要な2色を決定しても良い。
(5)前述の実施形態では、プリンタのコントローラは、プリンタ本体側のプリンタ側コントローラ60(第1コントローラ)と、ピエゾ素子の駆動を制御するためにキャリッジ側に設けられたヘッド制御部HC等(切替回路48も含む)とを有する。そして、プリンタ側コントローラ60とヘッド制御部HC等との間に、信号を伝送するためのケーブルが設けられている。
このケーブルは複数の信号線を備えており、各信号線は、例えばラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロックCLK、GND、駆動信号COM、転送信号TR1〜TR6などをそれぞれ伝送する。
前述の実施形態では、色毎の階調数を変えることができるので、ケーブル内に伝送すべきデータ量を削減することが可能になる。
(6)前述の実施形態では、切替回路48が設けられている。この切替回路48は、第5転送信号TR5や第6転送信号TR6の入力先を、色毎に決定された階調数に応じて切り替えている。これにより、ケーブルの信号線を減らすことができる。
なお、図18に示す切替回路48は一例であって、同様の機能を果たすのであれば、他の回路であっても良い。
(7)ところで、図14Bに示すように全てのヘッド制御部を高階調印刷用に構成しても(図11参照)、色毎の階調数を変えて印刷をすることも可能である。但し、この構成では、低階調印刷を行うヘッド制御部に対しても高階調印刷用のデータを送る必要があるため、伝送すべきデータ量が多くなる。一方、図14Aに示すような構成では、色毎の階調数が固定されてしまい、階調数を変更できなくなる。
そこで、前述の実施形態では、各ヘッド制御部は、第1入力部と第2入力部を備える共通の構成になっている。そして、第1入力部には、低階調印刷に必要な信号が入力されるようになっている。これにより、第2入力部に信号が入力されなくても、低階調印刷ができるようになっている。
なお、高階調印刷は、低階調印刷よりも多くの種類のドットを形成する印刷である。そこで、前述の実施形態では、低階調印刷では必要ないが高階調印刷では必要となるドットを形成するための信号、すなわち、低階調印刷では必要ないが高階調印刷では必要となるインク滴を吐出するための信号を、第5転送信号TR5や第6転送信号TR6としている。そして、第5転送信号TR5や第6転送信号TR6を転送するラインと、各ヘッド制御部HCの第2入力部とを、切替回路48を介して接続している。
これにより、切替回路48を制御することによって、第5転送信号TR5や第6転送信号TR6を第2入力部へ入力するか否かを制御することができ、この結果、各色の階調数を切り替えることが可能になる。
(8)前述の実施形態では、切替回路48は、2ビットのデータを記憶するための制御データ記憶部482を有する。この制御データ記憶部482は、マルチプレクサ483により選択するデータを記憶するためのものであり、すなわち、第2入力部への信号の入力を決定するためのものである。
(9)各ヘッド制御部HCの切替回路48の制御データ記憶部482の設定には、各ヘッド制御部HCの第1入力部へ信号を入力するための信号線が利用される。具体的には、ブラック用の切替回路48の制御データ記憶部482の設定には、ブラック用のヘッド制御部HCの第1入力部へ入力される第1転送信号TR1を転送するための信号線が利用される。イエロー用の切替回路48の制御データ記憶部482の設定には、イエロー用のヘッド制御部HCの第1入力部へ入力される第2転送信号TR2を転送するための信号線が利用される。シアン用の切替回路48の制御データ記憶部482の設定には、シアン用のヘッド制御部HCの第1入力部へ入力される第3転送信号TR3を転送するための信号線が利用される。マゼンタ用の切替回路48の制御データ記憶部482の設定には、マゼンタ用のヘッド制御部HCの第1入力部へ入力される第4転送信号TR4を転送するための信号線が利用される。
これにより、各切替回路48の制御データ記憶部482の設定を行うための信号線をケーブルに用意する必要がないので、ケーブルの信号線を減らすことができる。
(10)前述の実施形態では、各ヘッド制御部HCは、第1入力部及び第2入力部に転送信号TRが入力されたときには、高階調印刷に基づいてピエゾ素子を駆動する。一方、各ヘッド制御部HCは、第1入力部に転送信号TRが入力され、第2入力部にGNDが入力されたときには、低階調印刷に基づいてピエゾ素子を駆動する。
なお、前述の実施形態では低階調印刷時に第2入力部にGNDが入力されているが、これに限られるものではない。Lレベルの信号や、Hレベルの信号など、他の一定電位の信号であっても良い。
(11)前述の第1実施形態では、8階調印刷の場合、第1入力部に380ビット(画素データ180ビット×2、設定データ20ビット)のデータを含む転送信号TRが入力され、第2入力部に200ビット(画素データ180ビット、設定データ20ビット)のデータを含む転送信号TRが入力される(図24A参照)。そして、第1入力部及び第2入力部に入力された計580ビットのデータに応じた8階調印刷に基づいて、ピエゾ素子が制御されている。
また、前述の第1実施形態では、4階調印刷の場合、第1入力部に380ビットのデータを含む転送信号TRが入力され、第2入力部には転送信号が入力されない(図25A参照)。そして、第1入力部から入力された380ビットのデータに応じた4階調印刷に基づいて、ピエゾ素子が制御されている。
このようなヘッド制御部を用いることにより、低階調印刷を行うヘッド制御部HCに対する第2入力部へのデータの入力が必要なくなるので、データ量を削減することができる。
(12)ところで、高階調印刷は、低階調印刷よりも多くの種類のドットを形成する印刷であるため、各画素の画素データのデータ量は低階調印刷時よりも多くなる。そこで、低階調印刷でも高階調印刷でも必要となる2ビット分の画素データ(第1画素データ)は、第1転送信号TR1〜第4転送信号TR4にそれぞれ含ませ、低階調印刷では必要ないが高階調印刷では必要となる1ビット分の画素データ(第2画素データ)は、第5転送信号TR5や第6転送信号TR6に含ませている。
そして、各ヘッド制御部HCは、第2入力部に第5転送信号TR5又は第6転送信号TR6が入力されたとき、第1画素データ及び第2画素データに基づいてピエゾ素子を駆動する。一方、各ヘッド制御部HCは、第2入力部に第5転送信号TR5又は第6転送信号TR6が入力されなかったとき、第1入力部から入力された画素データに基づいてピエゾ素子を駆動する。これにより、第2入力部に転送信号TRが入力されたときには高階調印刷を行うことができ、第2入力部に転送信号TRが入力されなかったときには低階調印刷を行うことができる。
(13)前述の各ヘッド制御部HCは、第1入力部から入力される画素データを記憶する第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82B(第1画素データ記憶部の一例)と、第2入力部から入力される画素データを記憶する第3ラッチ回路82C(第2画素データ記憶部の一例)とを有する。そして、ヘッド制御部HCは、第1ラッチ回路82A〜第3ラッチ回路82Cに記憶された画素データに基づいて、ピエゾ素子を制御する。
ここで、第2入力部にGNDが接続されて第5転送信号TR5や第6転送信号TR6が入力されなかったとき、第3ラッチ回路82CにはLレベルのデータがラッチされる。これにより、階調数に関わらずヘッド制御部HCの信号選択部83が同じ動作を行っていても、高階調印刷と低階調印刷とを切り替えることが可能になる。
(14)ところで、高階調印刷は、低階調印刷よりも多くの選択信号(スイッチの制御を行う信号)を生成する必要があるため、選択信号を生成するための設定データ(スイッチの制御を設定するためのデータ)のデータ量は低階調印刷時よりも多くなる。そこで、低階調印刷でも高階調印刷でも必要となる設定データ(第1設定データ)は、第1転送信号TR1〜第4転送信号TR4にそれぞれ含ませ、低階調印刷では必要ないが高階調印刷では必要となる設定データ(第2設定データ)は、第5転送信号TR5や第6転送信号TR6に含ませている。
そして、各ヘッド制御部HCは、第2入力部に第5転送信号TR5又は第6転送信号TR6が入力されたとき、第1設定データ及び第2設定データに基づいてスイッチを制御する。一方、各ヘッド制御部HCは、第2入力部に第5転送信号TR5又は第6転送信号TR6が入力されなかったとき、第1入力部から入力された設定データに基づいてスイッチを制御する。これにより、第2入力部に転送信号TRが入力されたときには高階調印刷を行うことができ、第2入力部に転送信号TRが入力されなかったときには低階調印刷を行うことができる。
(15)前述の各ヘッド制御部HCは、第1入力部から入力される第1設定データを記憶する第1シフトレジスタ群842A(第1設定データ記憶部の一例)と、第2入力部から入力される第2設定データを記憶する第2シフトレジスタ群842B(第2設定データ記憶部の一例)とを有する。そして、ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ群842A及び第2シフトレジスタ群842Bに記憶された設定データに基づいて、選択信号を生成し、スイッチを制御する。
ここで、第2入力部にGNDが接続されて第5転送信号TR5や第6転送信号TR6が入力されなかったとき、第2シフトレジスタ群842BにはLレベルのデータがセットされる。選択信号生成部844は、階調数に関わらず第1シフトレジスタ群842A及び第2シフトレジスタ群842Bに記憶された設定データに基づいて選択信号を生成するが、ヘッド制御部の出力は、高階調印刷と低階調印刷とを切り替えられている。
(16)上記の実施形態の構成要素を全て含めば、全ての効果を得ることができる。但し、色毎の階調数を変えて印刷をするためには、必ずしも全ての構成要素が必要なわけではない。
(17)上記の実施形態には、プリンタの実施形態だけではなく、印刷方法の実施形態も開示されている。そして、上記の印刷方法によれば、色毎の階調数を変えて印刷を行うことができる。
(18)上記の実施形態には、コンピュータとプリンタとから構成される印刷システムの実施形態も開示されている。そして、上記の印刷システムによれば、色毎の階調数を変えて印刷を行うことができる。
(19)上記の実施形態には、プリンタドライバも開示されている。このプリンタドライバはコンピュータ110にインストールされており、印刷データをプリンタ1に送信することにより、プリンタに色毎の階調数を変えて印刷させることができる。なお、このプリンタドライバは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておくことも、インターネット上の所定のウェブサイトからダウンロードすることも可能である。
印刷システム100の構成を説明する図である。 コンピュータ110及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。 図3は、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。 ヘッド41に設けられたノズルの説明図である。 ブラックインクノズル群Kとシアンインクノズル群Cの周辺の構成の説明図である。 2つのノズル群の周辺の断面図である。 第1参考例における駆動信号COMの説明図である。 第1参考例のヘッド制御部HCのブロック図である。 第1参考例の各種信号の説明図である。 図10Aは、転送データTRDの説明図である。図10Bは、選択信号生成部844の機能の説明図である。 第2参考例のヘッド制御部HCのブロック図である。 第2参考例の各種信号の説明図である。 図13Aは、転送データTRDの説明図である。図13Bは、選択信号生成部844の機能の説明図である。 図14Aは、第1比較例の説明図である。図14Bは、第2比較例の説明図である。 本実施形態のヘッドユニット40の概要の説明図である。 本実施形態のプリンタドライバの処理のフロー図である。 本実施形態のプリンタの処理のフロー図である。 切替回路48の説明図である。 図19A〜図19Cは、制御データ記憶部482に記憶される制御データと、ヘッド制御部に入力される信号との関係の説明図である。図19Aは、カラー印刷の場合においてブルーが主要な色と判断されたときの説明図である。図19Bは、カラー印刷の場合においてレッドが主要な色と判断されたときの説明図である。図19Cは、モノクロ印刷の場合の説明図である。 第1実施形態の駆動信号COMと、ピエゾ素子421に印加される印加信号の説明図である。 図21Aは、4階調印刷のときの画素データとインク滴の大きさとの関係を説明するための表である。図21Bは、8階調印刷のときの画素データとインク滴の大きさとの関係を説明するための表である。 8階調印刷の画素データのデコードの説明図である。 第1実施形態のヘッド制御部HCのブロック図である。 図24Aは、8階調印刷の際に第1入力部に入力される第3転送信号TR3と、第2入力部に入力される第5転送信号TR5の説明図である。図24Bは、8階調印刷の際の選択信号生成部の機能の説明図である。 図25Aは、4階調印刷の際に第1入力部に入力される第1転送信号TR1の説明図である。図25Bは、4階調印刷の際の選択信号生成部の機能の説明図である。 6階調印刷の画素データのデコードの説明図である。 図27Aは、6階調印刷の際に第1入力部に入力される第3転送信号TR3と、第2入力部に入力される第5転送信号TR5の説明図である。図27Bは、6階調印刷の際の選択信号生成部の機能の説明図である。 図28Aは、4階調印刷の際に第1入力部に入力される第1転送信号TR1の説明図である。図28Bは、4階調印刷の際の選択信号生成部の機能の説明図である。 第3実施形態の駆動信号COMと、ピエゾ素子421に印加される印加信号の説明図である。 6階調印刷の画素データのデコードの説明図である。 第3実施形態のヘッド制御部HCのブロック図である。 図32Aは、6階調印刷の際に第1入力部に入力される第3転送信号TR3と、第2入力部に入力される第5転送信号TR5の説明図である。図32Bは、6階調印刷の際の選択信号生成部の機能の説明図である。 3ビットの画素データと、信号選択部が選択すべき選択信号との関係の表である。 図34Aは、4階調印刷の際に第1入力部に入力される第1転送信号TR1の説明図である。図34Bは、4階調印刷の際の選択信号生成部の機能の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 用紙搬送機構、30 キャリッジ移動機構、40 ヘッドユニット、
42 駆動ユニット、421 ピエゾ素子、422 ピエゾ素子群、
423 固定板、424 フレキシブルケーブル、
43 ケース、431 収納空部、433 インク供給管
44 流路ユニット、45 流路形成基板、
451 圧力室、452 インク供給口、453 リザーバ、
46 ノズルプレート、47 弾性板、
471 ダイヤフラム部、472 コンプライアンス部、473 島部、
48 切替回路、481 アンド回路、482 制御データ記憶部、
483 マルチプレクサ、
50 検出器群、60 プリンタ側コントローラ、
61 インタフェース部、62 CPU、63 メモリ、64 制御ユニット、
70 駆動信号生成回路、
81A 第1シフトレジスタ、81B 第2シフトレジスタ、
81C 第3シフトレジスタ、
82A 第1ラッチ回路、82B 第2ラッチ回路、82C 第3ラッチ回路、
83 信号選択部、
84 制御ロジック、842 シフトレジスタ群、
842A 第1シフトレジスタ群、842B 第2シフトレジスタ群、
844 選択信号生成部、846A 第1入力部、846B 第2入力部、
85 ダミーデータ用のシフトレジスタ群、
86 スイッチ、86A 第1スイッチ、86B 第2スイッチ、
100 印刷システム、110 コンピュータ、111 ホスト側コントローラ、
112 インタフェース部、113 CPU、114 メモリ、120 表示装置、
130 入力装置、131 キーボード、132 マウス、140 記録再生装置、
141 フレキシブルディスクドライブ装置、142 CD−ROMドライブ装置、
CLK クロック信号、SI 画素データ、LAT ラッチ信号、
CH チェンジ信号、CH_A 第1チェンジ信号、CH_B 第2チェンジ信号、
COM 駆動信号、COM_A 第1駆動信号、COM_B 第2駆動信号、
TR 転送信号、TR1〜TR6 第1転送信号〜第6転送信号、
T 繰返し周期、PS 駆動パルス、SS 波形部、
HC ヘッド制御部

Claims (19)

  1. (A)ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、
    (B)別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、
    (C)あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御し、
    別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御する
    コントローラと、
    (D)を有する印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、印刷条件に応じて、前記第1駆動素子の駆動を制御する際の階調数を切り替える
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、印刷すべき画像に基づいて、前記第1駆動素子の駆動を制御する際の階調数を切り替える
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、
    RGB色空間の画像データを解析して特定されたRGBのいずれかの色に基づくCMYのうちのいずれか2色に対して、その色のインクを吐出するために駆動される駆動素子を第1階調数による制御を行い、
    CMYのうちの他の1色に対して、その色のインクを吐出するために駆動される駆動素子を前記第2階調数による制御を行う
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、本体側に設けられた第1コントローラと、前記ノズルとともに移動可能な第2コントローラと、を有し、
    前記第1コントローラと前記第2コントローラとの間に、前記第1駆動素子及び前記第2駆動素子を駆動するための信号を伝送するための複数の信号線が設けられている
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記第2コントローラは、前記複数の信号線のうちの少なくとも一つの共用信号線に伝送される信号を、前記第1駆動素子の駆動用又は前記第2駆動素子の駆動用に切り替えるための切替部を有する
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記第2コントローラは、前記第1駆動素子の駆動を制御するための第1制御部と、前記第2駆動素子の駆動を制御するための第2制御部とを有し、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、第1入力部及び第2入力部をそれぞれ有し、
    前記第1制御部の前記第1入力部には、前記第1駆動素子を駆動するための信号が入力され、
    前記第2制御部の前記第1入力部には、前記第2駆動素子を駆動するための信号が入力され、
    前記第1制御部の前記第2入力部及び前記第2制御部の前記第2入力部には、前記切替部を介して、前記共用信号線に伝送される信号が入力される。
  8. 請求項7に記載の印刷装置であって、
    前記切替部は、前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを記憶するための記憶部を有することを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項8に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、
    前記第1制御部の前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを前記記憶部へ記憶させる際に、前記第1制御部の前記第1入力部へ信号を入力するための信号線を利用し、
    前記第2制御部の前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを前記記憶部へ記憶させる際に、前記第2制御部の前記第1入力部へ信号を入力するための信号線を利用する
    ことを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    駆動素子を駆動するための信号が前記第1入力部及び前記第2入力部に入力されたときには、前記第1階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、
    前記駆動素子を駆動するための信号が前記第1入力部に入力され前記第2入力部に一定電位の信号が入力されたときには、前記第2階調数に基づいて前記駆動素子を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    前記第1入力部にiビットのデータを含む信号が入力され、前記第2入力部にjビットのデータを含む信号が入力されたとき、i+jビットのデータに応じた前記第1階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、
    前記第1入力部にiビットのデータが入力され、前記第2入力部にデータを含む信号が入力されなかったとき、iビットのデータに応じた前記第2階調数に基づいて前記駆動素子を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項7〜11のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1制御部の第1入力部及び前記第2制御部の前記第1入力部へ入力される信号には第1画素データが含まれ、
    前記共用信号線に伝送される信号には第2画素データが含まれ、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されたとき、前記第1画素データ及び前記第2画素データに基づいて前記駆動素子を制御し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、第1画素データに基づいて前記駆動素子を制御する。
  13. 請求項12に記載の印刷装置であって、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1画素データを記憶するための第1画素データ記憶部と、前記第2画素データを記憶するための第2画素データ記憶部とをそれぞれ有し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第2画素データ記憶部に特定値のデータが記憶され、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1画素データ記憶部及び前記第2画素データ記憶部に記憶されたデータに基づいて前記駆動素子を制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  14. 請求項7〜13のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、駆動素子へ駆動信号を印加するか否かを制御するスイッチを有し、
    前記第1制御部の第1入力部及び前記第2制御部の前記第1入力部へ入力される信号には、前記スイッチの制御を設定するための第1設定データが含まれ、
    前記共用信号線に伝送される信号には、前記スイッチの制御を設定するための第2設定データが含まれ、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されたとき、前記第1設定データ及び前記第2設定データに基づいて前記スイッチを制御し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第1設定データに基づいて前記スイッチを制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  15. 請求項14に記載の印刷装置であって、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1設定データを記憶するための第1設定データ記憶部と、前記第2設定データを記憶するための第2設定データ記憶部とを有し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第2設定データ記憶部に特定値のデータが記憶され、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1設定データ記憶部及び前記第2設定データ記憶部に記憶されたデータに基づいて前記スイッチを制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  16. (A)ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、
    (B)別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、
    (C)あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御し、
    別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御する
    コントローラと、
    (D)を有する印刷装置であって、
    (E)前記コントローラは、印刷すべき画像に基づいて、前記第1駆動素子の駆動を制御する際の階調数を切り替え、
    (F)前記コントローラは、
    RGB色空間の画像データを解析して特定されたRGBのいずれかの色に基づくCMYのうちのいずれか2色に対して、その色のインクを吐出するために駆動される駆動素子を第1階調数による制御を行い、
    CMYのうちの他の1色に対して、その色のインクを吐出するために駆動される駆動素子を前記第2階調数による制御を行い、
    (G)前記コントローラは、本体側に設けられた第1コントローラと、前記ノズルとともに移動可能な第2コントローラと、を有し、
    前記第1コントローラと前記第2コントローラとの間に、前記第1駆動素子及び前記第2駆動素子を駆動するための信号を伝送するための複数の信号線が設けられており、
    (H)前記第2コントローラは、前記複数の信号線のうちの少なくとも一つの共用信号線に伝送される信号を、前記第1駆動素子の駆動用又は前記第2駆動素子の駆動用に切り替えるための切替部を有し、
    (I)前記第2コントローラは、前記第1駆動素子の駆動を制御するための第1制御部と、前記第2駆動素子の駆動を制御するための第2制御部とを有し、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、第1入力部及び第2入力部をそれぞれ有し、
    前記第1制御部の前記第1入力部には、前記第1駆動素子を駆動するための信号が入力され、
    前記第2制御部の前記第1入力部には、前記第2駆動素子を駆動するための信号が入力され、
    前記第1制御部の前記第2入力部及び前記第2制御部の前記第2入力部には、前記切替部を介して、前記共用信号線に伝送される信号が入力される。
    (J)前記切替部は、前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを記憶するための記憶部を有し、
    (K)前記コントローラは、
    前記第1制御部の前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを前記記憶部へ記憶させる際に、前記第1制御部の前記第1入力部へ信号を入力するための信号線を利用し、
    前記第2制御部の前記第2入力部への信号の入力を決定するためのデータを前記記憶部へ記憶させる際に、前記第2制御部の前記第1入力部へ信号を入力するための信号線を利用し、
    (L)前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    駆動素子を駆動するための信号が前記第1入力部及び前記第2入力部に入力されたときには、前記第1階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、
    前記駆動素子を駆動するための信号が前記第1入力部に入力され前記第2入力部に一定電位の信号が入力されたときには、前記第2階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、
    (M)前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    前記第1入力部にiビットのデータを含む信号が入力され、前記第2入力部にjビットのデータを含む信号が入力されたとき、i+jビットのデータに応じた前記第1階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、
    前記第1入力部にiビットのデータが入力され、前記第2入力部にデータを含む信号が入力されなかったとき、iビットのデータに応じた前記第2階調数に基づいて前記駆動素子を制御し、
    (N)前記第1制御部の第1入力部及び前記第2制御部の前記第1入力部へ入力される信号には第1画素データが含まれ、
    前記共用信号線に伝送される信号には第2画素データが含まれ、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されたとき、前記第1画素データ及び前記第2画素データに基づいて前記駆動素子を制御し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、第1画素データに基づいて前記駆動素子を制御し、
    (O)前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1画素データを記憶するための第1画素データ記憶部と、前記第2画素データを記憶するための第2画素データ記憶部とをそれぞれ有し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第2画素データ記憶部に特定値のデータが記憶され、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1画素データ記憶部及び前記第2画素データ記憶部に記憶されたデータに基づいて前記駆動素子を制御し、
    (P)前記第1制御部及び前記第2制御部は、駆動素子へ駆動信号を印加するか否かを制御するスイッチを有し、
    前記第1制御部の第1入力部及び前記第2制御部の前記第1入力部へ入力される信号には、前記スイッチの制御を設定するための第1設定データが含まれ、
    前記共用信号線に伝送される信号には、前記スイッチの制御を設定するための第2設定データが含まれ、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されたとき、前記第1設定データ及び前記第2設定データに基づいて前記スイッチを制御し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第1設定データに基づいて前記スイッチを制御し、
    (Q)前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1設定データを記憶するための第1設定データ記憶部と、前記第2設定データを記憶するための第2設定データ記憶部とを有し、
    前記共用信号線に伝送される信号が前記第2入力部に入力されなかったとき、前記第2設定データ記憶部に特定値のデータが記憶され、
    前記第1制御部及び前記第2制御部は、前記第1設定データ記憶部及び前記第2設定データ記憶部に記憶されたデータに基づいて前記スイッチを制御する。
  17. ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するとともに、別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成する印刷方法であって、
    あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記インクを吐出するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記インクを吐出し、
    別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記インクを吐出する
    ことを特徴とする印刷方法。
  18. (A)ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、
    (B)別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、
    (C)あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御するとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御し、
    別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御する
    コントローラと、
    (D)を有する印刷システム。
  19. ノズルから第1色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第1駆動素子と、別のノズルから前記第1色とは異なる第2色のインクを吐出してドットを形成するために駆動される第2駆動素子と、を備える印刷装置に、
    あるタイミングにおいて、第1階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御させるとともに、前記第1階調数よりも低い第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第2駆動素子を制御させ、
    別のタイミングにおいて、前記第2階調数で各画素にドットを形成可能なように前記第1駆動素子を制御させる
    ことを特徴とするプログラム。

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