JP2007160586A - 樹脂成形体及びその成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膨張成形された樹脂成形体において、膨張パネル部のソリッドパネル部との境界に亀裂が発生しないようにする。
【解決手段】膨張成形時に、膨張パネル部3とソリッドパネル部9との境界に対応するキャビティ箇所に熱可塑性樹脂をその周りよりもキャビティ容積が拡大する方向に多く充填した状態でキャビティ容積を拡大し、膨張パネル部3とソリッドパネル部9とでパネル状のキャリアプレート1を成形する。膨張パネル部3の板厚T1をソリッドパネル部9の板厚T2より厚く形成するとともに、膨張パネル部3のソリッドパネル部9との境界に板厚方向に起立するソリッド層20からなる起立壁21を形成する。起立壁21の板厚方向先端に膨張パネル部3のパネル面3aより高く突出するようにソリッド層からなる***部23を一体に形成する。
【選択図】図4

Description

この発明は、スキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された膨張パネル部と、該膨張パネル部に隣接するソリッドパネル部とで構成されたパネル状の樹脂成形体及びその成形方法に関するものである。
特許文献1では、可動型を内部に収容した移動型と固定型とからなる成形型を型閉じした状態で、キャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記移動型内で可動型をキャビティ容積が拡大する方向に後退させて熱可塑性樹脂を成形型で圧縮されている繊維の弾性復元力(スプリングバック現象)で膨張させることにより、スキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された樹脂成形体を得るようにしている。そして、この樹脂成形体では、上記膨張層を樹脂成形体のパネル全域に形成することにより軽量化を図っている。また、特許文献1では、移動型の側面と可動型の側面との間に隙間を形成して該隙間に熱可塑性樹脂を充填することにより、可動型の後退時に樹脂成形体の成形表面への悪影響をなくして樹脂成形体の側面外観の見栄えを向上させている。
特開平11−156881号公報(段落0033欄、図2)
ところで、上述の如く膨張層がパネル全域に形成されている樹脂成形体に部品を取り付ける場合、部品取付箇所を膨張層のないソリッド層で形成して剛性を高めることが考えられる。
しかし、このように膨張層を有する膨張パネル部にソリッド層からなるソリッドパネル部が隣接した樹脂成形体では、成形型のキャビティ容積を拡大して膨張パネル部の膨張層を形成する際、膨張パネル部のソリッドパネル部との境界において固化(凝固)中の樹脂が可動型の成形面で板厚方向に引っ張られるため、当該箇所に亀裂が発生して樹脂成形体の強度剛性が低下することになる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、膨張成形された樹脂成形体において、膨張パネル部のソリッドパネル部との境界に亀裂が発生しないようにすることである。
上記の目的を達成するため、この発明は、膨張パネル部のソリッドパネル部との境界部分の構造を工夫したことを特徴とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、成形型のキャビティ内に射出充填した熱可塑性樹脂が固化する過程で、キャビティ容積を拡大して上記熱可塑性樹脂を膨張させることにより、スキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された膨張パネル部と、該膨張パネル部に隣接し成形時にキャビティ容積を拡大せずに形成されたソリッド層からなるソリッドパネル部とで構成されたパネル状の樹脂成形体であって、膨張成形時に、上記膨張パネル部と上記ソリッドパネル部との境界に対応するキャビティ箇所に熱可塑性樹脂をその周りよりもキャビティ容積が拡大する方向に多く充填した状態で上記キャビティ容積を拡大することにより、上記膨張パネル部は上記ソリッドパネル部より板厚が厚く形成されているとともに、上記膨張パネル部の上記ソリッドパネル部との境界に板厚方向に起立するソリッド層からなる起立壁が形成され、かつ該起立壁の板厚方向先端に上記膨張パネル部のパネル面より高く突出するようにソリッド層からなる***部が一体に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂成形体の成形方法であって、固定型と、該固定型に対して進退可能に対向配置された可動型と、該可動型側に設けられたソリッドパネル部成形用のスライド型とを備え、上記可動型の成形面における上記スライド型との隣接部分に該スライド型の側面との間に隙間を有するように面取り部が形成された成形型を用意し、上記可動型及びスライド型の成形面が略面一となるように上記成形型を型閉じした状態で、成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填して該キャビティ内で上記熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記スライド型は後退させずに上記可動型のみを型開き方向に後退させて可動型対応箇所の熱可塑性樹脂を膨張させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
面取り部の型開き方向の高さ(H)と熱可塑性樹脂の膨張倍率(W)との関係が下記の式
H≧W×1/2mm
を満たすとともに、
上記可動型の成形面に沿う上記面取り部の幅(D)が下記の式
5≧D≧1mm
を満たし、
かつ型閉じ時の膨張パネル部に対応するキャビティ空間の型開き方向の空間長さ(L)が下記の式
6≧L≧1.5mm
を満たすことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、膨張パネル部の表面にスキン層が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有する膨張層が形成され、樹脂成形体の軽量化を図ることができる。また、上記膨張パネル部に隣接するソリッドパネル部がソリッド層で形成されているため、該ソリッドパネル部の強度剛性を高めることができる。しかも、上記膨張パネル部のソリッドパネル部との境界にソリッド層からなる起立壁が形成され、かつ該起立壁先端にソリッド層からなる***部が膨張パネル部のパネル面より高く突出するように一体に形成されているということは、膨張成形時に、上記起立壁部分の熱可塑性樹脂は、予めその周りよりもキャビティ容積が拡大する方向に多く充填されていて、成形型の成形面で板厚方向に引っ張られず、よって、起立壁に亀裂が発生せず、樹脂成形体の強度剛性を確保することができる。また、上記***部は起立壁に一体形成されてリブの機能をなすので、上記境界近傍の強度剛性がさらに向上する。
請求項2に係る発明によれば、可動型の成形面におけるスライド型との隣接部分に該スライド型の側面との間に隙間を有するように面取り部を形成するだけで、型構造を大幅に改変することなく請求項1に係る樹脂成形体を簡単に成形することができる。
請求項3に係る発明によれば、可動型の成形面に形成された面取り部の寸法を、熱可塑性樹脂の膨張倍率やキャビティ空間の型開き方向の寸法との関係で適正に設定することで、軽量で強度剛性が向上した樹脂成形体を確実に得ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図2はこの発明の一実施形態に係る樹脂成形体としての自動車のサイドドアの一部を構成するパネル状の樹脂製キャリアプレート(ドアモジュール)1を車室内側から見た斜視図である。このキャリアプレート1は、図示しないが、ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなるドア本体の上記ドアインナパネルに組み付けられ、該ドアインナパネルにはドアトリムが上記キャリアプレート1を車室内側から被うように取り付けられる。
上記キャリアプレート1は、その主体(プレート本体)をなす膨張パネル部3を備え、該膨張パネル部3の外周縁部には、キャリアプレート1をドアインナパネルに取り付けるための複数個の円筒状取付座5が所定間隔をあけて全周に亘って一体に形成されているとともに、図2左下には円環状のスピーカ取付部7が一体に形成されている。また、該スピーカ取付部7の図2右斜め上には、上記膨張パネル部3とでキャリアプレート1を構成する略三角形状のソリッドパネル部9が上記膨張パネル部3内に隣接して一体に形成され、該ソリッドパネル部9のほぼ中央には、図示しないウインドガラス昇降用モータを取り付けるための円形状のモータ取付孔11が形成されているとともに、該モータ取付孔11の周りには3個のネジ挿通用の貫通孔13が三角形の頂点の位置に対応して形成されている。
上記膨張パネル部3は、図1に示すように、後述する成形型25のキャビティ33内に射出充填した繊維入り熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、該膨張パネル部3に対応するキャビティ容積を拡大して上記熱可塑性樹脂Rを繊維(図示せず)の弾性復元力(膨張力)で膨張させることにより、空隙がなく堅いスキン層15が表面に形成されるとともに、多数の空隙(図示せず)を有する膨張層17が車室内側に膨出するように内部に形成されている。これに対し、上記ソリッドパネル部9は、成形時に該ソリッドパネル部9に対応するキャビティ容積を拡大せず、膨張層17を有しない堅いソリッド層19からなっている。したがって、上記膨張パネル部3の板厚T1は上記ソリッドパネル部9の板厚T2より厚く形成されている。また、膨張パネル部3のソリッドパネル部9との境界に板厚方向に起立する堅いソリッド層19からなる起立壁21が形成されている。さらに、この発明の特徴として、上記起立壁21の板厚方向先端には、上記膨張パネル部3の車室内側のパネル面3aより高く突出するようにソリッド層からなる断面略三角形状の***部23が一体に形成されている。これら起立壁21及び***部23は、膨張成形時に、上記膨張パネル部3と上記ソリッドパネル部9との境界に対応するキャビティ箇所に熱可塑性樹脂Rをその周りよりもキャビティ容積が拡大する方向に多く充填した状態で上記キャビティ容積を拡大することにより成形される。
このように、膨張パネル部3表面全体にスキン層15が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有する膨張層17が形成されることで、キャリアプレート1の軽量化を図ることができる。また、上記ソリッドパネル部9が膨張層17を有しない堅いソリッド層19で形成されているので、ソリッドパネル部9の強度剛性を高めて該ソリッドパネル部9にウインドガラス昇降用モータを安定して取り付けることができる。また、上記***部23は起立壁21に一体形成されてリブの機能をなすので、上記境界近傍の強度剛性がさらに向上する。
このようなキャリアプレート1は、図3及び図4に示すような成形型25で成形される。
この成形型25は、固定型27と、該固定型27に対して進退可能に対向配置された可動型29と、該可動型29側に設けられたソリッドパネル部9成形用のスライド型31とを備えている。このスライド型31は、上記可動型29の上記ソリッドパネル部9に対応して形成された挿入孔29aに相対移動可能に挿入され、上記固定型27側に対して突出するようにスプリング、シリンダ等の付勢手段(図示せず)で付勢されている。また、上記スライド型31の成形面31aには、大径凸部31bがモータ取付孔11に対応して一体に突設されているとともに、3個の小径凸部31cが上記貫通孔13に対応して一体に突設されている。そして、成形型25を型閉じした状態で、上記スライド型31の凸部31b,31c先端面を上記固定型27の成形面27aに当接させ、該固定型27の成形面27aと上記可動型29及びスライド型31の成形面29b,31aとの間にキャビティ33を形成するようにしている。さらに、上記可動型29の成形面29bにおける上記スライド型31との隣接部分には、該スライド型31の側面31dとの間に隙間Cを有するように斜めに切り欠いた傾斜面からなる面取り部29cが形成されている。
特に、上記成形型25においては、上記面取り部29cの型開き方向の高さ(H)と熱可塑性樹脂Rの膨張倍率(W)との関係が下記の式
H≧W×1/2mm
を満たすように設定されている。
ここで、熱可塑性樹脂Rの膨張倍率(W)は2.0倍以上あればよい。したがって、面取り部29cの型開き方向の高さ(H)は、少なくとも1mmである。このように設定したのは、1mm未満では、膨張成形時に隙間Cに充填された熱可塑性樹脂Rの量が上記膨張倍率(W)=2.0に対して不足し、その結果、起立壁21が可動型29の型開き方向の後退に伴って板厚方向に引っ張られ、起立壁21に亀裂が発生してしまうからである。なお、上記面取り部29cの型開き方向の高さ(H)の上限は、その数値はあまり大きくなると***部23の突出量が必要以上に大きくなって好ましくなく、用途目的に応じて適宜決定される。
また、上記可動型29の成形面29bに沿う上記面取り部29cの幅(D)が下記の式
5≧D≧1mm
を満たすように設定されている。
このように設定したのは、面取り部29cの幅(D)が1mm未満では、起立壁21のソリッド層20が薄くなり過ぎて膨張成形時に亀裂が発生し易くなるからである。一方、5mmを超えると起立壁21のソリッド層20及び***部23の幅方向の厚さが厚くなり過ぎて軽量化を促進できないからである。
さらに、型閉じ時の膨張パネル部3に対応するキャビティ空間の型開き方向(板厚方向)の空間長さ(L)が下記の式
6≧L≧1.5mm
を満たすように設定されている。
このように設定したのは、空間長さ(L)が1.5mm未満では、膨張パネル部3の剛性が低下する一方、6mmを超えると、キャリアプレート1全体が厚くなり過ぎて軽量化を促進できないからである。なお、ソリッドパネル部9に対応するキャビティ空間の型開き方向の空間長さは、上記空間長さ(L)と同等に設定されている。
このように、可動型29の面取り部29cの寸法を、熱可塑性樹脂Rの膨張倍率(W)やキャビティ空間の型開き方向の空間長さ(L)との関係で適正に設定することで、軽量で剛性の向上したキャリアプレート1を確実に得ることができる。
因みに、熱可塑性樹脂Rの膨張倍率(W)が2.0倍、キャビティ空間の型開き方向の空間長さ(L)が1.5mm、面取り部29cの幅(D)が0mm、面取り部29cの型開き方向の高さ(H)が0mmのとき、膨張パネル部3の起立壁21に亀裂が発生したが、熱可塑性樹脂Rの膨張倍率(W)が2.0倍、キャビティ空間の型開き方向の空間長さ(L)が1.5mm、面取り部29cの幅(D)が1mm、面取り部29cの型開き方向の高さ(H)が1mmのときには、亀裂が発生しなかった。
次に、上記成形型25を用いてキャリアプレート1を成形する要領について説明する。
まず、図3に示すように、可動型29及びスライド型31の成形面29b,31aが略面一となるように成形型25を型閉じした状態で、キャビティ33内に射出機(図示せず)からガラス繊維等の繊維入り熱可塑性樹脂R(例えば繊維入りポリプロピレン樹脂)を射出充填する。この状態で、可動型29の面取り部29cとスライド型31の側面31dとの間に形成された隙間Cに上記熱可塑性樹脂Rが充填される。
その後、成形型25のキャビティ33内で熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、すなわち、キャビティ33における成形型25(固定型27、可動型29)の成形面27a,29b近傍にスキン層15が生成された時点で、図4に示すように、スライド型31は後退させずに可動型29のみをキャビティ容積が拡大する型開き方向イに後退させる。つまり、可動型29を固定型27から僅かに離れさせ、膨張パネル部3に対応するキャビティ容積を例えば2倍(膨張倍率(W)=2.0)もしくはそれ以上に拡大させる。この段階で、熱可塑性樹脂Rは、成形型25(固定型27及び可動型29)の成形面27a,29bと接触する部分が型温の影響により早期に冷却されているため、空隙がなく堅いスキン層15となって表面層を構成する。一方、熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、それまで固定型27及び可動型29で圧縮されている繊維が該圧縮から解放されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)すなわち膨張圧で上記熱可塑性樹脂Rが膨張する。このことにより、空隙がなく堅いスキン層15が表面に形成されるとともに、膨張パネル部3の内部に多数の空隙(図示せず)を有する膨張層17が形成された膨張パネル部3がキャリアプレート1に成形される。これにより、膨張パネル部3が膨張層17を有しないソリッド層19のみからなりかつ本実施形態の膨張パネル部3と同一肉厚である場合に比べて、キャリアプレート1の軽量化を図ることができる。また、上記膨張パネル部3のソリッドパネル部9との境界に堅いソリッド層20からなる起立壁21が形成され、かつ該起立壁21先端に堅いソリッド層からなる***部23が膨張パネル部3のパネル面3aより高く突出するように一体に形成されている。この状態で、上記***部23先端は可動型29の面取り部29cと僅かな間隔をあけて非接触状態にある。そして、膨張成形時に、上記起立壁21部分の熱可塑性樹脂Rは、予めその周りよりもキャビティ容積を拡大する方向に多く充填されていて(図3参照)、可動型29の成形面29bで板厚方向にほとんど引っ張られずにあまり動かないため、起立壁21への亀裂発生を回避できてキャリアプレート1の強度剛性を確保することができる。
一方、可動型29の上記後退時にはスライド型31は固定型27側に付勢されて後退しないので、成形時にソリッドパネル部9に対応するキャビティ容積が拡大せず、熱可塑性樹脂R中の繊維は弾性復元が抑制されて、成形されたソリッドパネル部9は、膨張層17を有しない堅いソリッド層19になって成形され、ソリッドパネル部9の剛性を高めることができる。
このように、可動型29の成形面29bにおけるスライド型31との隣接部分に該スライド型31の側面31dとの間に隙間Cを有するように面取り部29cを形成し、上記可動型29を後退させて膨張パネル部3対応箇所のキャビティ容積を型開き方向に拡大させるだけで、型構造を大幅に改変することなく、軽量でしかもウインドガラス昇降用モータの取付箇所(ソリッドパネル部9)の強度剛性を高めたキャリアプレート1を簡単に成形することができる。
なお、上記の実施形態では、可動型29の面取り部29cを斜めに切り欠いた傾斜面で形成した場合を示したが、図5及び図6に示す変形例のように、直角に切り欠いた形状にしてもよく、さらには、図示しないが、隙間Cに向かって凸状に湾曲した形状や、あるいは逆に凹状に湾曲した形状にしてもよい。
また、上記の実施形態では、繊維のスプリングバック現象を利用して膨張パネル部3の内部に空隙を形成したが、繊維入り熱可塑性樹脂Rに発泡材を含有させれば、可動型29の後退量すなわち膨張倍率(W)を大きくして膨張パネル部3の可動型後退方向の肉厚(板厚)を厚くした場合、スプリングバック現象における繊維の復元力(膨張圧)が不足しても、発泡材の発泡力(膨張圧)が繊維の復元力を補完して空隙を確実に形成することができて好ましい。また、繊維を混入せずに発泡材だけを混入した熱可塑性樹脂を用いてキャリアプレート1(樹脂成形体)を成形することも用途目的によっては可能である。これらの場合、発泡材としては、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や、二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガスを用いる物理的発泡材等がある。
さらに、上記の実施形態では、樹脂成形体が自動車のサイドドアのキャリアプレート1である場合を示したが、インストルメントパネル、ドアトリム、トランクボード等の他の自動車用パネルや自動車以外の荷電製品、住宅用パネル等にも適用することができるものである。
この発明は、スキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された膨張パネル部と、該膨張パネル部に隣接するソリッドパネル部とで構成されたパネル状の樹脂成形体及びその成形方法について有用である。
図2のI−I線における断面図である。 一実施形態に係るキャリアプレートを車室内側から見た斜視図である。 キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態を示す図1対応箇所の成形型図である。 図3の可動型をキャビティ容積が拡大する方向に僅かに後退させた成形型図である。 変形例における図3のA部相当図である。 変形例における図4のB部相当図である。
符号の説明
1 キャリアプレート(樹脂成形体)
3 膨張パネル部
3a 膨張パネル部のパネル面
9 ソリッドパネル部
15 スキン層
17 膨張層
19,20 ソリッド層
21 起立壁
23 ***部
25 成形型
27 固定型
29 可動型
29b 可動型の成形面
29c 面取り部
31 スライド型
31a スライド型の成形面
31d スライド型の側面
33 キャビティ
C 隙間
D 面取り部の幅
H 面取り部の型開き方向の高さ
L キャビティ空間の型開き方向の空間長さ
T1 膨張パネル部の板厚
T2 ソリッドパネル部の板厚
R 熱可塑性樹脂
W 熱可塑性樹脂の膨張倍率

Claims (3)

  1. 成形型のキャビティ内に射出充填した熱可塑性樹脂が固化する過程で、キャビティ容積を拡大して上記熱可塑性樹脂を膨張させることにより、スキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された膨張パネル部と、
    該膨張パネル部に隣接し成形時にキャビティ容積を拡大せずに形成されたソリッド層からなるソリッドパネル部とで構成されたパネル状の樹脂成形体であって、
    膨張成形時に、上記膨張パネル部と上記ソリッドパネル部との境界に対応するキャビティ箇所に熱可塑性樹脂をその周りよりもキャビティ容積が拡大する方向に多く充填した状態で上記キャビティ容積を拡大することにより、上記膨張パネル部は上記ソリッドパネル部より板厚が厚く形成されているとともに、上記膨張パネル部の上記ソリッドパネル部との境界に板厚方向に起立するソリッド層からなる起立壁が形成され、かつ該起立壁の板厚方向先端に上記膨張パネル部のパネル面より高く突出するようにソリッド層からなる***部が一体に形成されていることを特徴とする樹脂成形体。
  2. 請求項1に記載の樹脂成形体の成形方法であって、
    固定型と、該固定型に対して進退可能に対向配置された可動型と、該可動型側に設けられたソリッドパネル部成形用のスライド型とを備え、上記可動型の成形面における上記スライド型との隣接部分に該スライド型の側面との間に隙間を有するように面取り部が形成された成形型を用意し、
    上記可動型及びスライド型の成形面が略面一となるように上記成形型を型閉じした状態で、成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填して該キャビティ内で上記熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記スライド型は後退させずに上記可動型のみを型開き方向に後退させて可動型対応箇所の熱可塑性樹脂を膨張させることを特徴とする樹脂成形体の成形方法。
  3. 請求項2に記載の樹脂成形体の成形方法において、
    面取り部の型開き方向の高さ(H)と熱可塑性樹脂の膨張倍率(W)との関係が下記の式
    H≧W×1/2mm
    を満たすとともに、
    上記可動型の成形面に沿う上記面取り部の幅(D)が下記の式
    5≧D≧1mm
    を満たし、
    かつ型閉じ時の膨張パネル部に対応するキャビティ空間の型開き方向の空間長さ(L)が下記の式
    6≧L≧1.5mm
    を満たすことを特徴とする樹脂成形体の成形方法。
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