JP2007158017A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

配線基板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007158017A
JP2007158017A JP2005351001A JP2005351001A JP2007158017A JP 2007158017 A JP2007158017 A JP 2007158017A JP 2005351001 A JP2005351001 A JP 2005351001A JP 2005351001 A JP2005351001 A JP 2005351001A JP 2007158017 A JP2007158017 A JP 2007158017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic insulating
metal
wiring board
thin film
metal thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005351001A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Ishii
正人 石井
Tatsuo Kataoka
龍男 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP2005351001A priority Critical patent/JP2007158017A/ja
Priority to KR1020077030583A priority patent/KR20080017403A/ko
Priority to PCT/JP2006/310933 priority patent/WO2006129734A1/ja
Priority to TW095119339A priority patent/TW200718310A/zh
Publication of JP2007158017A publication Critical patent/JP2007158017A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

【解決手段】本発明の配線基板の製造方法は、樹脂基材表面に金属薄膜が積層された有機絶縁性基材の金属薄膜側に、支持体の表面に硬質部材からなる雄型に押し型凸パターンが形成された精密押し型を当接して加圧することにより、該有機絶縁性基材の金属薄膜側から有機絶縁性基材の深部に向かって、該雄型に形成された押し型凸パターンに対応した形態の凹部を形成した後、該精密押し型を撤去し、次いで有機絶縁性基材の金属薄膜上に該形成された凹部の深さより厚い金属メッキ層を形成した後、該金属メッキ層の表面から有機絶縁性基材が露出するまで金属メッキ層を研磨して有機絶縁性基材に凹部にメッキ金属が充填された配線パターンを形成することを特徴とする。
【効果】本発明によれば、有機絶縁性基材中に配線パターンを埋め込んだ状態の配線基板を製造することができる。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、新規な配線基板の製造方法およびこの方法により製造された配線基板に関する。さらに詳しくは本発明は、絶縁性基材中に非常に微細な配線パターンが埋め込まれた配線基板を製造する方法およびこの方法により製造される配線基板に関する。
近時、電子製品の小型化がさらに進んでおり、ファインピッチの配線パターンを形成するためには例えばサブトラクティブ法(Subtractive法)などが適しているとされている。
しかしながら、このようなファインピッチの配線パターンを形成するのに適しているとされているサブトラクティブ法(Subtractive法)で超ファインピッチの配線パターンを製造
したとしても、配線パターンは絶縁基板の表面に凸状に突出して形成されるために、ハンダ付けをする場合に配線パターンのボトム(絶縁基板側の配線パターンの底部)をハンダが流れることにより、隣接する配線パターンとの間の短絡の原因となることがある。
特に昨今の超ファインパターン化された配線パターンではこうしたハンダの流れ出しによる短絡の危険性が高くなると考えられる。
こうしたハンダ接続によるブリッジの形成を防止する方法として配線パターン間をソルダーレジストで埋め尽くす方法があるが、この方法では配線パターンが超ファインピッチになると、非常に高い印刷位置合わせ精度が必要になるとともに、いくら位置精度よく塗布を行えたとしても塗布したソルダーレジストの流れ出しによって、塗布予定部分と実際に塗布された部分とを完全に一致させることはほとんど不可能である。
また、上記のようなソルダーレジストの代わりに、フォトレジストを用いることも考えられるが、フォトマスクの位置合わせ精度にやはり限界があり、超ファインピッチの配線パターンを製造する際の方法としては不充分である。
また、上述のような位置合わせの問題とは別に、配線パターンにはアウター端子としてハンダボールを用いたチップサイズパッケージ(CSP)を使用することが多くなっている
が、従来のサブトラクティブ法(Subtractive法)などで製造されたCSPは、ショルダー部を含めたパッドの面積が不均一になりやすく、溶融したハンダボールの高さが揃わないとの問題がある。また、このようなCSPでは、ポリイミドフィルムのような絶縁フィルムに形
成された孔部のパッド上にハンダボールを配置してハンダ付けする場合、パッドボトムのコーナー部に空洞が生じやすく、ハンダボールを用いた電気的接続の信頼性が問題になることがある。
なお、特開2003-218500号公報(特許文献1)には、支持体の上に積層された導電性金
属箔を配線パターン状に加工し、こうして形成された配線パターンを熱可塑性樹脂中に埋め込み、次いで支持体を剥離して、熱可塑性樹脂フィルム中に配線パターンを埋め込む埋め込み導体パターンフィルムの製造方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、熱可塑性樹脂中に埋め込まれる導体パターンは、銅箔などの導電性金属を、フォトリソグラフィ法を利用してエッチングすることにより形成されており、超ファインピッチの配線パターンを有する配線基板の製造には適していない。
特開2003-218500号公報
本発明は、絶縁体中に超ファイン配線パターンが埋め込まれた配線基板の新規な製造方法を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、上記配線基板の製造方法により形成された新規な配線基板を提供することを目的としている。
本発明の配線基板の製造方法は、有機絶縁性基材および該有機絶縁性基材の表面に形成された金属薄膜の表面に、押し型基台の表面に押し型パターンが形成された精密押し型を当接して加圧することにより、該金属薄膜側から有機絶縁性基材の深部に向かって、該精密押し型に形成された押し型パターンに対応した形態の凹部を形成した後、該金属薄膜の上に該形成された凹部の深さより厚い金属メッキ層を形成して該精密押し型によって形成された凹部にメッキ金属を充填し、次いで該金属メッキ層の表面から有機絶縁性基材が露出するまで金属メッキ層を研磨して配線パターンを形成することを特徴としている。
また、本発明の配線基板は、有機絶縁性基材に形成された凹部の表面に金属薄膜を介してメッキ金属が充填されて配線パターンが形成されていることを特徴としている。
上記配線パターンの表面に、該凹部に充填された金属とは異なる金属のメッキ層を形成することが好ましい。
本発明の配線基板の製造方法では極薄の展延性の良好な金属被膜が表面に形成された有機絶縁性基材の表明に形成された金属被膜側から凸型の逆配線パターンを有する精密押し型(金型プレス)を用いて基材上に配線回路の溝を形成した後に精密押し型を引き上げて、上記のようにして形成された溝内に電気メッキにより金属を析出させて凹部に金属を析出させて埋め尽くした後、形成された電気メッキ層の表面から有機絶縁性基材の樹脂層が露出するまでメッキ層を研磨することにより配線パターンを形成しているので、この配線パターンは有機絶縁性基材中に埋もれた状態で形成される。このように配線パターンは、有機絶縁性基材の表面と実質的に同一面上に形成される。このように配線パターンが有機絶縁性基材の表面から実質的に突出していないので、配線パターンのピッチ幅が狭い場合であっても配線パターン間でハンダブリッジが発生することがない。また、この配線パターンはメッキ層を研磨して形成されているので、表面の状態を均一にすることができる。しかも、この配線パターンは有機絶縁性基材と実質的に同一面に形成されているので、この配線パターンにハンダボールを配置してもパットボトムにコーナー部が存在しないのでこの部分に空隙が形成されることがない。したがって、ハンダボールを用いた場合の接続の信頼性を非常に高くすることができる。
次に本発明の配線基板の製造方法およびこの方法により得られる配線基板について具体的に説明する。
図1は、本発明の配線基板を製造する際の各工程における基板の断面を模式的に示す図である。
図1(a)には、本発明で使用する有機絶縁性基材が付け番10で示されている。この有機
絶縁性基材10は、電気絶縁性を有する有機材料で形成することができる。また、この有機絶縁性基材10は、例えば、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド、硬化または未硬化の積層糊剤を使用することができる。ここで積層糊剤としては、例えば、巴川製紙所製のX糊を挙げることができる。
この有機絶縁性基材10は、通常は可撓性を有している。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、硬化した後の積層糊などは硬質であることが多く、このような硬質の樹脂を使
用する場合には、例えばエポキシ樹脂硬化前駆体、ポリアミック酸、未硬化の積層糊剤などを用いることにより、精密押し型を用いる際には軟質の状態で使用し、後の工程で加熱または露光した際に硬化させることができる。上記のように樹脂を硬化させながら有機絶縁性基材10を使用する際には硬化前の樹脂を塗布するために支持体を用いることができる。図1(a)には支持体が付け番11で示されている。この支持体11は、有機絶縁性基材10を
形成する途中の工程で有機絶縁性基材10を支持するものであり、特に絶縁性である必要はない。このような支持体11としては、例えば電解銅箔、アルミニウム箔などの金属箔、合成樹脂フィルムなどを使用することができる。この支持体11は、硬化が完了してないなど、形態が確定していない有機絶縁性基材10の形態を保持するものであり、有機絶縁性基材10の形態が確定した後に剥離除去することもできるし、またこの支持体11を残して有機絶縁性基材10の一部を形成されることもできる。
従って、本発明で使用される有機絶縁性基材10は、押し型によって凹部が形成される層が、上記のように絶縁性を有し、かつ可撓性を有していればよく、単層構造であっても多層構造であってもよい。
上記のような有機絶縁性基材10の厚さは、押し型によって凹部が形成可能な厚さであればよく、形成される凹部の深さは通常は5〜30μm程度であるから、有機絶縁性基材10の凹部が形成される部分の厚さがこの凹部深さ以上であればよく、単層の有機絶縁性基材10を用いる場合には、有機絶縁性基材10の厚さは、通常は12.5〜75μm程度であり、また、多層構造の有機絶縁性基材10を用いる場合には、凹部が形成される表層の厚さが通常は12.5〜50μm程度である。
本発明では上記有機絶縁性基材10の一方の面に、金属薄膜12を形成する。
ここで形成する金属薄膜12は、厚さが通常は0.1〜1μm、好ましくは0.2〜0.8μmの範囲内にある展延性の良好な金属によって形成されている。上記のような厚さの金属薄膜を形成することにより、押し型をプレスしても、金属薄膜にクラックなどの欠陥が生じにくくなる。金属薄膜12は押し型により押されたときの破断を防ぐ観点から伸び率eが0.07以上のものを採用することが好ましく、伸び率eが0.2以上のものを採用することが一層好ましい。伸び率eの上限値は特に制限されるものではないが、経験的には、この上限値は0.5程度である。このような伸び率eを有する金属薄膜を使用するこ
とにより、クラックなどの欠陥が生じにくくなる。ここで金属薄膜の伸び率eは、常温において、所定長さの金属薄膜を延伸したときの破断に至るまでの延伸長さを、元の金属薄膜の長さで割った値であり、例えば10mmの金属薄膜が13mmで破断した場合を例にして説明すると、(13mm−10mm)/10mm=0.3であり、この「0.3(無次元)」がこの金属薄膜の伸び率eである。
本発明において、上記のような特性を有する金属薄膜は、例えば以下に記載するような方法で形成することができる。
第1の方法は、上記有機絶縁性基材10の無電解銅メッキにより展延性のよい金属薄膜を
形成する方法である。
この方法では、上記有機絶縁性基材10の表面に銅が析出しやすいように、活性化処理を施した後に無電解銅メッキをすることが好ましい。この活性化処理としては、有機絶縁性基材10の表面に無電解銅メッキにより銅が析出し易いように、触媒を吸着される方法が特に好ましい。このような触媒の吸着には、有機絶縁性基材を形成する樹脂の表面を、まず膨潤させ、次いでこの表面を、過マンガン酸カリウムのような酸化剤で処理して表層を酸化除去する。この表面を、中和処理した後、例えば室町テクノス(株)製のMK-140のようなコンディショナーを用いて処理する。このように処理することにより、有機絶縁性基材の表面に触媒が吸着可能な活性を付与することができる。このようにして有機絶縁性基材
の表面を触媒吸着活性化処理した後、例えば過硫酸カリウムなどのエッチング剤が含有されたマイクロエッチング液を用いてマイクロエッチングして表面の酸化物を除去し、次いで硫酸水溶液を用いて有機絶縁性基材表面に残留することもある過硫酸カリウム残渣を除去する。
上記のようにして表面調整が行われた有機絶縁性基材に、例えばPd-Sn触媒などの金属
析出用の触媒を吸着させる。このようなPd-Sn触媒の吸着は、有機絶縁性基材を、触媒を
含有する溶液中に浸漬すればよい。この際、有機絶縁性基材を、一気にPd-Sn触媒含有溶
液に浸漬してもよいが、Pd-Sn触媒を含有するプレディッピング液を用意して、有機絶縁
性基材を一旦このプレディッピング液に浸漬した後に、改めてPd-Sn触媒含有溶液に浸漬
することにより、Pd-Sn触媒含有溶液が液劣化しにくくなる。
このようにPd-Sn触媒含有溶液に浸漬することにより有機絶縁性基材の表面にPd-Sn触媒が吸着される。
こうしてPd-Sn触媒が吸着された有機絶縁性基材を引き上げて水洗することにより、有機絶縁性基材表面に吸着されているSnは、ほとんどが除去され、表面にはPdが吸着され
た状態になる。こうしたPdが吸着された有機絶縁性基材表面における触媒活性をさらに
高めるために、例えば、室町テクノス(株)製のKM-370などのような硫酸系薬品で処理した後、無電解銅メッキにより銅層を形成する。
このようにしてPdが吸着された有機絶縁性基材の表面は、無電解銅メッキに対して高
い活性を示し、無電解銅メッキ液から銅を効率よく析出させることができ、このようにして析出した銅からなる無電解銅メッキ層は優れた展延性を示す。
第2の方法は、上記有機絶縁性基材10に、例えば5〜10μm程度の厚さの銅箔をラミ
ネートした後、加熱処理したアニール銅箔を通常は0.1〜1μm、好ましくは0.08〜0.5μmの厚さにハーフエッチングする方法である。ここで使用されるような銅箔をアニール処理することにより銅箔の優れた展延性がさらに向上する。この方法では、上記の有機絶縁体基板10の表面に銅箔をラミネートした後、加熱して熱処理する。加熱処理温度は、銅箔の伸び率eが0.35以上(35%以上)になるように設定することが好まし
く、具体的にはこのアニール処理の温度は、通常は180〜250℃の範囲内の温度に設定される。
こうしてラミネートしアニール処理した銅箔を所定の厚さにハーフエッチングする。ここで使用されるハーフエッチング液としては、通常のエッチング液を使用することができ、エッチング時間を調整することにより、残留銅箔厚さを調整することができる。一般に電解銅箔よりも圧延銅箔の方が展延性に優れることから、ここでは圧延銅箔を使用することが好ましい。
第3の方法は、上記有機絶縁性基材に、銅を0.1〜1μmの厚さにスパッタリングすることにより展延性に優れた金属薄膜を形成する方法である。
すなわち、この方法では、スパッタリング装置を用いて有機絶縁性基材の表面に銅をスパッタリングして所定厚さのスパッタリング銅層を形成する。このようにして形成されたスパッタリング銅層は優れた展延性を示す。
第4の方法は、上記のようにして形成されたスパッタリング銅層の表面にZnメッキ層を
形成した後、アニール処理して得られる金属薄膜である。このようにスパッタリング銅層の表面に亜鉛メッキ層を形成し、こうして得られた銅層と亜鉛メッキ層との積層体を通常は160〜280℃の範囲内の温度に加熱することにより、それぞれの層を形成する銅および亜鉛が相互に拡散して合金層を形成する。この合金層の厚さは、上述のように通常は
0.1〜1μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
この方法を採用する場合に、スパッタリング銅層の厚さは、通常は0.07〜0.7μm、好ましくは0.14〜0.56μmであり、亜鉛メッキ層の厚さは、通常は0.03〜0.3μm、好ましくは0.06〜0.24μmである。そして、スパッタリング銅層の厚さと亜鉛メッキ層の厚さとの比(Cu:Zn)を、通常は8:2〜6:4の範囲内、好ましくは7.5:2.5〜6.5:3.5の範囲内に設定する。このような厚さ比、すなわち合金層における銅と亜鉛との比率を有する金属薄膜は大変優れた展延性を有しており、クラックなどの欠陥が著しく生じにくい。
第5の方法は、上記有機絶縁性基材の表面に、Zn−Al系超塑性合金層を形成する方法である。ここで使用するZn-Al系超塑性合金は、非常に優れた展延性を有しており、このよ
うなZn−Al系超塑性合金は、例えば通常のスパッタリング装置を用いてスパッタリング合金層を形成することができる。このZn−Al系超塑性合金層の厚さは、上述のように通常は0.1〜1μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
さらにここのようなZn−Al系超塑性合金に限らず、例えばFe−Cr−Ni系合金、Ti−Al−V系合金、Al−Mg系合金などの超塑性合金を用いて、上記のZn−Al系超塑性合金の場合と
同様にして超塑性合金層を形成することにより、Zn−Al系超塑性合金から形成される超塑性合金層と同等の優れた展延性を有する金属薄膜を形成することができる。
さらに、本発明では、上記の方法のほかにも、上記方法で形成された展延性に優れた金属薄膜と同等の特性を有する金属薄膜を形成することができる他の方法を採用することもできるのは勿論である。例えば、有機絶縁性基材としてポリイミドを採用した場合にはダイレクトメタライジング法の適用が可能である。
図1(b)には、上記有機絶縁性基材10の表面に、上記のようにして形成された展延性のよい金属薄膜12が形成された基板の断面が示されている。なお、図1(a)に示した支持体11
は、図1(b)では記載が省略されている。この支持体11は、任意の層であり、この支持体11を配置する場合であっても有機絶縁性基材11に自己形態保持性が発現した任意の時点で
剥離・除去することができるので、以下に示す図においては図1(b)と同様にその記載を省略する。
本発明の配線基板の製造方法では、図1(c)に示すように、上記のようにして有機絶縁
性基材10の表面に形成された展延性に優れた金属薄膜12に、精密押し型30を当接して加圧して、展延性の金属薄膜12に凹部を形成する。
本発明で使用する精密押し型30は、一般には図2に示すように、この精密押し型を形成する押し型基台31と、この押し型基台31の表面に形成された押し型パターン33を具備している。また、この精密押し型30は、加熱手段(図示なし)を有していてもよい。
押し型基台31は、精密押し型30に形成される押し型パターン33を保持するものであり、通常は、金属、樹脂板などの硬質部材あるいは樹脂フィルム、樹脂シートのような可撓性を有する軟質部材から形成されている。
本発明で使用する精密押し型30には、上記のような押し型基台31の表面に押し型パターンが形成されている。
この押し型パターンは、押し型基台31表面に金属を選択的に析出させて形成する方法、あるいは、押し型基台31の表面にパターンを形成してこのパターンをマスキング材として選択的にエッチングすることにより押し型パターンを形成する方法などにより形成するこ
とができる。
例えば、押し型基台31の表面に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層を露光・現像することにより、所望のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、メッキ処理を行うことにより、金属を析出させて押し型パターンを形成することができる。この方法では、感光性樹脂層を露光・現像する際に、形成しようとする配線パターンの部分が開口するように感光性樹脂を露光現像する。次いで、このようにして形成された感光性樹脂硬化体からなるパターンをマスキング材としてメッキ処理を行って析出した金属により押し型パターンを形成した後、感光性樹脂硬化体からなるマスキング材を除去することにより、押し型パターンを形成することができる。この押し型パターンは、上記のようにメッキ処理により析出した金属により形成されている。ここで押し型パターン33を形成する金属の例としては、ニッケル、銅、クロム、スズ、亜鉛、銀、金などのメッキ処理により析出可能な金属を挙げることができる。上記のような選択的なメッキ処理工程を少なくとも一回行うことにより押し型パターン33を形成することができるが、高さの異なる押し型パターンを形成する場合には、上記の選択的なメッキ工程を二回以上行うことにより、メッキ処理回数により高さの異なる押し型パターンを形成することができる。
また、例えば、エッチング処理可能な金属を用いて押し型パターンを形成する場合には、銅、鉄、ニッケルなどの金属表面に、感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層を露光・現像することにより、感光性樹脂からなるマスキング材を形成し、このマスキング材を用いて金属をエッチングすることにより押し型パターンを形成する。この方法では、金属をエッチングすることにより押し型パターンを形成することから、感光性樹脂硬化体からなるマスキング材の形状は、形成しようとする押し型パターンと略同一形状である。この方法で使用するエッチング剤は、エッチングされる金属の種類にあわせて適宜選択することができる。
上記のようなエッチング処理を少なくとも一回行うことにより、金属製の押し型パターンを形成することができる。また、高さの異なる押し型パターンを形成する場合には、上記のようなエッチング処理を二回以上行う。
また、本発明では、押し型パターンが、上記記載の方法に準じて金属をエッチングして所定のパターンを形成した後、このパターンの表面にメッキ層を形成することによっても製造することができる。
上記のようにして形成された押し型パターン33は、押し型によって上記展延性に優れた金属薄膜にクラックが形成されないような高さに形成することができる。このような押し型パターン33の高さは、通常は1〜40μm、好ましくは5〜30μmである。上記のような高さのパターンで押し型を形成しても優れた展延性を有する金属薄膜にクラックなどの欠陥は生じにくいし、さらに後の研磨工程で研磨する際に形成される配線パターンが断線しにくくなる。
上記のようにして形成された押し型パターンの断面形状は、矩形状、台形状、三角形状などの種々の形状にすることができる。
本発明では、図1(d)に示すように、上記のような精密押し型30を金属薄膜12に当接して加圧して、展延性のよい金属薄膜12側から有機絶縁性基材10の深部に向かって、この押し型パターン33に対応した形態の凹部20を優れた展延性を有する金属薄膜12に形成する。
すなわち、図1(d)に示されるように、展延性のよい金属薄膜12に、精密押し型30を配
置して、押し型パターン33を、展延性の金属薄膜12を展延させながらその下にある有機絶縁性基材10に押し込んで、押し型パターン33の形状に対応した凹部20を形成する。このよ
うに押し型パターン33を押し込むことにより、金属薄膜12は延びながら有機絶縁性基材10の中に侵入するが、この金属薄膜12は上述のように優れた展延性を有することから、クラックなどの欠陥が生じにくく、形成された凹部20の内壁面は、引き伸ばされた展延性の金属薄膜で覆われている。
上記のように精密押し型30を用いて凹部20を形成するに際して、金属薄膜12は、回路を形成したときに、この回路表面の線幅をd、深さをh、金属薄膜の破断に至る伸び率をeとしたときに、金属薄膜が次式(1)で表される関係を有していることが好ましい。
Figure 2007158017
このように展延性の良好な金属薄膜12の伸び率e、形成される回路表面の線幅d(μm)および深さh(μm)が上記の式(1)で表される関係を満たすようにすることにより、良好に配線パターンを形成することができる。
本発明において、精密押し型30に付与する圧力は、有機絶縁性基材10の種類にもよるが、通常は、0.1〜20kg/mm2、好ましくは0.2〜10kg/mm2の範囲内に設定される。このような加圧は、加熱下に行ってもよい。この場合の加熱温度は通常は100〜300℃、好ましくは150〜200℃の範囲内の温度に設定する。このように加熱下に加圧することにより、精密押し型30に形成された押し型パターン33の有機絶縁性基材10中への侵入が容易になると共に、加熱によって有機絶縁性基材10を形成する樹脂の硬化反応を急速に進行させることができる。従って、上記のような加熱下に加圧することによって、有機絶縁性基材10の形態が固定される。
このような条件での精密押し型30の押し付け時間は、通常は0.2〜60分間、好ましくは0.3〜30分間である。
上記のようにして精密押し型30を押し付けた後、この精密押し型30は、引き上げられて撤去される。
上記のようにして凹部20が形成した後、メッキ処理により、金属薄膜12上に、凹部20の深さより厚い金属メッキ層22を形成する。
本発明においては、この金属メッキ層22は、電気メッキにより形成することが好ましい。有機絶縁性基材10の表面に金属薄膜12が存在することにより、この工程における電気メッキを円滑に行うことができる。
図1(e)に示すように、本発明では、電気メッキにより凹部20の深さよりも厚い金属メ
ッキ層22を形成する。すなわち、上記の工程で形成した凹部20の深さは、押し型パターン33の高さである通常は1〜40μm、好ましくは5〜30μmに対応した深さになり、この電気メッキ層は、通常はこの凹部20の深さhに対して通常は101〜200%の厚さ、好ましくは110〜150%の厚さに形成する。電気メッキ層の凹部深さに対する厚さを上記の範囲内にすることにより、凹部内を、完全に析出した金属で埋め尽くすことができる。
このような厚さの電気メッキ層を形成することにより、凹部20を、析出する金属で埋め尽くすことができると共に、凹部20が形成されていない部分の金属薄膜12の表面も電気メッキ層によって覆われる。
ここで電気メッキ層22は、銅の電気メッキ層であることが好ましい。この電気メッキで使用されるメッキ液の銅濃度は、通常は5〜30g/リットル、好ましくは8〜25g/リットルの範囲内にあり、このようなメッキ液を用いた際の電流密度は通常は0.5〜8A/dm2、好ましくは1〜6A/dm2であり、メッキ液の温度は通常は19〜28℃、好ましくは21〜26℃の範囲内の温度に設定される。
このような条件で電気メッキ時間は、通常は1〜10分間、好ましくは2〜8分間である。
本発明では上記のようにして電気メッキにより金属メッキ層22を形成した後、図1(f)
、(g)に示すように、この金属メッキ層22の表面から有機絶縁性基材10が露出するまで金
属メッキ層22を研磨して有機絶縁性基材10に、凹部20にメッキ金属24が充填された配線パターン26を形成する。
すなわち、この研磨工程では、研磨具35を用いて、金属メッキ層の表面からこの金属メッキ層22を研磨して除去し、さらに有機絶縁性基材10の表面にある金属薄膜12も研磨除去する。従って、このように研磨することにより、図1(h)に示すように、有機絶縁性基材10の表面から金属薄膜12が除去され、有機絶縁性基材10が露出する。他方、凹部20は、有
機絶縁性基材10に埋め込まれているので、この凹部20に充填されたメッキ金属24およびこの下にある展延性の金属薄膜12は研磨されずに有機絶縁性基材10に埋没した配線パターン26となる。最初は#200〜#320番のブラシで有機絶縁基材10の表面が露出するまで粗研磨し、さらに#600〜#800番のバフで整面する。
次の仕上げ研磨工程では、化学研磨、物理研磨の両方を採用できるが、物理研磨の方が工程が簡単となり好ましい。物理研磨を採用した場合、研磨具35として通常の研磨ブラシ、研磨バフを使用することができるほか、砥粒を含有する研磨剤組成物を使用することもできる。ここで使用することができる研磨ブラシ、研磨バフとしては、粗さが#1500番以上、好ましくは#2500番以上の研磨ブラシ、研磨バフを挙げることができる。
また、研磨剤組成物を使用する場合には、砥粒の平均粒子径が、1μm以下、好ましくは0.3μm以下のアルミナ砥粒を含有する組成物を使用することができる。上記のような粗さの異なった研磨具35を用いて順次研磨を行うことが好ましい。このような研磨具35を順次使用することにより、効率よく研磨を行うことができると共に、過度に研磨することがないので、形成された配線パターンが損傷を受けることがない。
上記のように粗研磨は、有機絶縁性基材10の表面がほぼ露出するまで行うのが好ましい。このようにして粗研磨を行った後、バフ仕上げ研磨を行い銅パターン表面を平滑に仕上げる。
このようにしてバフ研磨をすることにより、有機絶縁性基材10表面に残留する金属メッキ層22および金属薄膜12が除去されて有機絶縁性基材10に埋め込まれて多数形成された配線パターン26を形成することができる。こうして形成された配線パターンの間には、有機絶縁性基材10が存在するだけであり、形成された多数の配線パターン26は隣接する配線パターン26と電気的から独立した状態になる。
また、上記のように研磨することにより形成された配線パターン26の上端部27は、有機絶縁性基材10の表面と同一面になる。
このようにして形成された展延性の良好なメッキ金属および金属薄膜からなる配線パターン26は、上端部27が有機絶縁性基材の表面と同一面上に形成されて露出しているが、配線パターンの他の部分は有機絶縁性基材内に埋め込まれて形成されている。この配線基板
を使用する場合には、有機絶縁性基剤の表面と同一面上に形成された配線パターン26の上端部27を接続部として使用するが、このような形態を有する配線基板ではハンダ流れが発生しない。
このようにして研磨することにより得られた配線基板はそのまま使用することもできるが、さらに配線パターン26を形成する金属とは異なる金属で有機絶縁性基材10の表面に露出している配線パターン26の上端部27をメッキ処理することが好ましい。
ここでメッキ処理により形成される層を構成する異なる金属としては、後の工程で使用するハンダの濡れ性が向上するようなものを使用することが好ましい。
本発明で配線パターン26を電気メッキにより銅を析出させることにより製造している場合には、配線パターン26の上端部27に、スズメッキ、金メッキ、ニッケルメッキ、金−ニッケルメッキ、ハンダメッキ、鉛フリーハンダメッキなどを施すことができる。特に本発明ではハンダ濡れ性と防食効果が両立するようにスズメッキまたは金メッキをすることが好ましい。
図1(i)には、上記のようにメッキ処理された本発明の配線基板が示されており、メッキ層は付け番28で示されている。
例えば、スズメッキを行う場合、スズメッキ層の厚さは通常は0.1〜0.7μm、好ましくは0.2〜0.5μmの範囲内にある。
このようなスズメッキ層は、無電解スズメッキあるいは電気スズメッキにより形成することが好ましい。ここで使用することができる無電解スズメッキ液としては通常使用されているスズメッキ液を使用することができ、このようなスズメッキ液では、スズ濃度が通常は15〜35g/リットル、好ましくは19〜29g/リットルである。
例えば上記のようにして形成される金属メッキ層28が例えば金メッキ層あるいはスズメッキ層であり、このメッキ層を電気メッキにより形成した場合には、図1(i)に示される
ように、有機絶縁性基材10の表面から突出して形成される。表面を平滑に維持するためには形成されるメッキ層の厚さが0.5μm以下であることが好ましい。また、例えば、上記のスズメッキ層を無電解スズメッキにより形成すると、図1(j)に示されるように、この無電解スズメッキの際に配線パターン26の表面の銅がスズと置換して無電解スズメッキ層29が形成され、この無電解スズメッキ層29の上面は有機絶縁性基材10の表面と同一面上に形成される。このように金属メッキ層は置換型無電解メッキにより形成することが好ましい。
このようにして形成される本発明の配線基板は、有機絶縁性基材10に形成された凹部20の表面に金属薄膜12を介してメッキ金属24が充填されて配線パターン26が形成されている。
さらに、こうして形成された配線パターン26の表面には、凹部20に充填されたメッキ金属24とは異なる金属からなる金属メッキ層28を形成することが好ましい。
本発明の配線基板は、配線パターン26を有機絶縁性基材10の内部に埋没させていることから、配線パターン26の間隔が非常に微細であっても、隣接する配線パターン26間に短絡が形成されることがない。従って、本発明の配線基板では配線パターン26のピッチ幅を狭く形成することができ、本発明では配線パターンのピッチ幅が20μm以上であれば製造することができ、特に配線パターンのピッチ幅が30〜300μmの配線基板を製造するのに適している。さらに、本発明の配線基板における配線パターンの幅は、通常は5〜150μm、好ましくは15〜100μmである。
本発明の配線基板の製造方法によれば、配線パターンを有機絶縁性基材中に埋め込んだ配線基板を形成することができる。すなわち、有機絶縁性基材10に形成された凹部20には、展延性の良好な金属薄膜12を介してメッキ金属が充填されており、この配線パターン26の上端部27は有機絶縁性基材10の表面と同一面上に形成されている。このような配線パターン26は展延性の良好な金属薄膜12を介して有機絶縁性基材10中に埋設され、有機絶縁性基材10に配線パターン26が食い込んで形成されているので、有機絶縁性基材10と配線パターン26との密着性が高い。さらに、このように有機絶縁性基材10と同一面上に配線パターン26を形成することにより、この配線パターン26をハンダボールのパッドとして使用することにより、ハンダボールパッド面積が均一になり、ハンダボールの高さに不一致になることがない。さらに、このような配線パターンをハンダボールのパッドとして使用すると、このハンダボールバッドにはコーナー部分が存在しないので、ハンダ付けする場合に空洞などが形成されることがなく、ハンダボールを用いた電気的接続の信頼性が向上する。
〔実施例〕
次に本発明の配線基板の製造方法および配線基板を実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
支持体である厚さ12μmの電解銅箔に、ガラス遷移温度Tg=180℃のエポキシ樹脂
を20μmの厚さで塗布した。
こうして形成されたエポキシ樹脂層を膨潤させ、酸化物で酸化除去し、中和処理後に、コンディショナーで汚れの除去と触媒吸着活性化処理をして過硫酸カリウムでマイクロエッチングして酸化物を除去し、硫酸で過硫酸残渣を除去した。これらの工程における処理時間はいずれもそれぞれ数分間であった。
次いで、触媒浴保護のためにプレディップ処理した後、このエポキシ樹脂表面にPd-Sn触媒を吸着させた。こうして形成された触媒層を水洗することによりSnを除去し、さらに触媒活性を促進させるために硫酸系薬品で処理した後、この触媒活性化されたエポキシ樹脂を無電解銅メッキ液で15分間処理することにより、0.4μm厚さの銅被膜を形成した。こうして銅被膜を形成した後、水洗することにより、エポキシ樹脂層の表面に厚さ0.4μmの無電解メッキ層を有する35mm×40mmの二層基材(電解銅箔支持体付き)を形成した。なお、同様の方法で別途作成した二層基材の無電解メッキ層の伸び率eは0.1であった。
この二層基材の厚さ0.4μmの無電解メッキ層面に、配線高さ10μmであり、180μmピッチ(線幅100μm、間隔80μm)に台形のパターンが形成された15mm×15mmの金メッキ精密押し型を載置し、この金メッキ精密押し型をパルスヒート熱圧着装置(日本アビオニクス社製)を用いて3mm幅のヒートツールで0.2kg/mm2の圧力で16
0℃×19.8秒間加熱圧着して、金メッキ精密押し型に形成された凸部に対応した凹部を、二層基材の0.4μm無電解銅メッキ層表面に形成した。
上記のようにして金メッキ精密押し型を用いることにより、金メッキ精密押し型に形成されている凸部は二層基材のくぼみ(凹部)として形成された。くぼみ(凹部)の深さhは10μmであった。このようにくぼみ(凹部)を形成したことによっても無電解銅メッキ層にクラックなどは発生しなかった。なお、上記のように加熱下に加圧することにより、エポキシ樹脂は硬化した。
次に銅濃度18g/リットルのスルーホールメッキ用硫酸銅メッキ液を用いて電流密度を4A/dm2に設定して強攪拌下に20分間常温で銅電気メッキを行い、17μmの厚さ(凹部深さhに対して170%)の電気銅メッキ層を形成することができた。
次いで、こうして形成された電気銅メッキ層を表面から、#280番の研磨紙で粗研磨
をした後、#600番の研磨紙で整面し、さらに#1500番のバフにより仕上げ研磨して樹脂基板表面に形成された電気銅メッキ層を除去し、さらに電気銅メッキ層の下にある無電解銅メッキ層を除去して、エポキシ樹脂基板を露出させた。
このように余剰の電気銅メッキ層を研磨除去することにより、使用した金メッキ精密押し型に形成されているパターンとは対称の凹部に銅電気メッキ金属が充填された配線パターンが形成された。こうして形成された配線パターンのピッチ幅は180μmであった。
上記のようにして形成された配線パターンに無電解スズメッキ液(LT-34、ロームアンドハース社製)を用いて、70℃×2.5分の条件で無電解スズメッキを行い、配線パターン表面の平均厚さ0.5μmの銅を無電解スズメッキ層で置換した。
このようにして形成された配線パターンのうち、電解銅からなる配線パターンは樹脂基板に食い込むように形成されているが、この上に形成された無電解スズメッキ層も、樹脂基材の表面と同一面上に形成されている。また、最初に支持体として使用した電解銅箔支持体側にも銅メッキとスズメッキとが付着した形態となり、上記パターンとは導通のない2メタル基板が得られた。
厚さ10μmのタフピッチ銅圧延銅箔に50μmの液晶ポリマー(全芳香族ポリエステル樹脂を配向制御したもの)をラミネートして、180℃で1時間アニーリングし、伸び
率が35%以上(0.35以上)に向上した35mm×40mmの二層積層体の圧延銅箔層を、厚さが1μmになるようにハーフエッチングした。なお、使用した圧延銅箔の伸び率eは0.12であった
これとは別に、突起高さ5μmで50μmピッチ(線幅30μm、間隔20μm)の配線回路を(矩形)を形成した15mm×15mmで厚さ0.2mmのシリコン製精密押し型を用意した。
上記のようにして調製した1μmの銅層が形成された樹脂基板の銅層表面に載置して、パルスヒート熱圧着装置(日本アビオニクス社製)を用いて、3mmの幅のヒートシール(スーパーインパー社製)で、200g/mm2の圧力、350℃×5秒間加熱圧着したところ、二層基材に深さ5μm、幅30μmの配線溝を形成することができた。
このようにしてシリコン製精密押し型を加熱下に押し付けて凹部を形成したが、上記のようにして厚さ1μmに厚さ調整した展延性の良好な圧延銅箔に亀裂などは発生しなかった。
次に、精密押し型を撤去して、銅濃度18g/リットルのスルーホールメッキ用硫酸銅
メッキ液を用いて強攪拌下に電流密度4A/dm2で15分間常温で銅電気メッキを行うことにより厚さ13μmの電気銅メッキ層を全面に形成することができた。
次いで、こうして形成された電気銅メッキ層を表面から、#280番の研磨紙で粗研磨
をした後、#600番の研磨紙で整面し、さらに#1500番のバフにより仕上げ研磨して樹脂基板表面に形成された電気銅メッキ層および1μm厚の銅箔層を研磨して除去し、樹脂基板である液晶ポリマーの表面を露出させた。
このように余剰のメッキ層を研磨除去することにより、使用したシリコン製精密押し型に形成されているパターンとは対称の凹部に、銅電気メッキ金属が充填されて配線パター
ンが形成された。こうして形成された配線パターンのピッチ幅は50μmであった。
上記のようにして形成された配線パターンに無電解スズメッキ液(LT-34、ロームアン
ドハース社製)を用いて、70℃×2.5分の条件で無電解スズメッキを行い、配線パターン表面の平均厚さ0.5μmの銅を無電解スズメッキ層で置換した。
このようにして形成された配線パターンのうち、電解銅からなる配線パターンは液晶ポリマーからなる樹脂基板に食い込むように形成されているが、この上に形成された無電解スズメッキ層も、液晶ポリマーからなる樹脂基材の表面と同一面上に形成されている。
15mm×15mmのサイズのシリコンに配線高さ5μmで30μmピッチ(線幅18μm、間隔12μm)の凸パターンを10mmの長さで16本形成した精密押し型を作製した。
これとは別に、35μm厚さのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、商品名:ユーピレックスS)の表面にNi-Cr(Cr含量20重量%)合金を250Åの厚さにスパッタリングし、さらに2000Åの厚さにCuをスパッタリングしてe=0.15相当のスパッタ金属層付き有機絶縁性基材を調製した。
上記のようにして調製したスパッタ金属層付き有機絶縁性基材のスパッタ金属層表面に精密押し型を当接してパルスヒート熱圧着装置(日本アビオニクス社製、TCW-125)を用
いて3mm幅のヒートツールで7550g/mm2の圧力を付与して300℃で19.8秒間加熱圧着した。
常温まで冷却させた後、ヒートツールを引き上げ、精密押し型を撤去した。
スパッタ金属層付き有機絶縁性基材のスパッタ金属層面には深さ約5μmの凹状パターンが形成されていることが確認された。こうした形成されたスパッタ金属層にクラックなどは認められなかった。
上記のようにして凹状パターンが形成されたスパッタ金属層付き有機絶縁性基材に、銅濃度15g/リットルのスルーホールメッキ用硫酸銅メッキ液を用いて液温を22℃に調
整し、強攪拌下に電流密度3A/dm2で12分間銅電気メッキを行うことにより、厚さ8μmの電気銅メッキ層を有機絶縁性基材の全面に形成した。
次いで、上記のようにして形成された電気銅メッキ層表面を#280番の研磨紙で回転型研磨機を用いて粗研磨し、有機絶縁性基材であるポリイミドフィルム面が現れだしたタイミングで研磨紙を#600番の研磨紙に交換して研磨して研磨傷を細かく整えた。さらに、平均粒径1μmの砥粒が分散された研磨液(ミラー社製)を滴下しながら#1500番の研磨紙(丸本ストルアス(株)製)で研磨し、さらに研磨紙を#2400番の研磨紙(丸本ストルアス(株)製)に変更して、平均粒子径0.3μmの砥粒が分散された研磨液を滴下しながら仕上げ研磨を行った。
その結果、表面が平滑で光沢を有するポリイミドフィルム(有機絶縁性基材)と同一高さに銅で形成された配線パターンを有する配線基板が得られた。なお、形成された配線パターンは精密押し型に形成されている凸状のパターンと対称である。
次に、上記の配線基板を金メッキ浴(EEJA社製、テンペレックス#8400)にいれ、メッキ液温度65℃、電流密度0.5A/dm2で2分間、電気金メッキを行うことにより、
図1(i)に示すように配線パターンの上に、有機絶縁性基材の表面から厚さ0.5μmの金メッキ層が突出して形成された配線パターンを有する配線基板を得ることができた。
金メッキは同一面上にはなっていないがハンダ付けなど実質上の問題はない。
本発明の方法により製造された配線基板は、有機絶縁性基材中に導体が埋まっているので、銅メッキの付着強度が低い樹脂を基板として用いた場合であっても、樹脂基板と導体との間に高い密着性が発現する。このため配線基板を製造するために基材として使用できる樹脂の選択幅が広がり、良好な絶縁性能、耐薬品性、耐熱性、優れた電気的特性は有しているが配線パターンと密着性が低いために基材として使用が難しいと考えられていた樹脂を用いて新たな配線基板を製造することができ、樹脂基材を選択することにより得られた配線基板に所望の特性を付与することが容易になる。
また、本発明の配線基板では、形成された配線パターンが樹脂中に埋まっている構造を有するので、ファインピッチ化しても、ボトム間でハンダブリッジが生じない。
特に本発明の配線基板は、外部端子としてハンダボールを用いて実装してもハンダ接続部の耐疲労信頼性が高く、信頼性の高い電気的接続を確立することができる。
図1−1は、本発明の配線基板を製造する際の各工程における基板の断面を模式的に示す図である。 図1−2は、本発明の配線基板を製造する際の各工程における基板の断面を模式的に示す図である。 図2は、本発明で使用する精密押し型の断面を模式的に示す図である。
符号の説明
10・・・有機絶縁性基材
11・・・支持体
12・・・金属薄膜
20・・・凹部
22・・・金属メッキ層
24・・・メッキ金属
26・・・配線パターン
27・・・上端部
28・・・メッキ層
29・・・無電解スズメッキ層
30・・・精密押し型
31・・・押し型基台
33・・・押し型パターン
35・・・研磨具

Claims (13)

  1. 有機絶縁性基材および該有機絶縁性基材の表面に形成された金属薄膜の表面に、押し型基台の表面に押し型パターンが形成された精密押し型を当接して加圧することにより、該金属薄膜側から有機絶縁性基材の深部に向かって、該精密押し型に形成された押し型パターンに対応した形態の凹部を形成した後、該金属薄膜の上に該形成された凹部の深さより厚い金属メッキ層を形成して該精密押し型によって形成された凹部にメッキ金属を充填し、次いで該金属メッキ層の表面から有機絶縁性基材が露出するまで金属メッキ層を研磨して配線パターンを形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 上記金属薄膜の厚さが、0.1〜1μmの範囲内にあり、該金属薄膜の伸び率eが0.
    07以上であることを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法。
  3. 上記有機絶縁性基材の表面を活性化処理し、該活性化処理された有機絶縁性基材上に、無電解銅メッキにより厚さ0.1〜1μmの銅を析出させることにより金属薄膜を形成することを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法。
  4. 上記有機絶縁性基材に銅箔をラミネートした後にアニール処理された銅箔を0.1〜1μmの厚さにハーフエッチングすることにより金属薄膜を形成することを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法。
  5. 上記有機絶縁性基材に、銅を0.1〜1μmの厚さにスパッタリングすることにより金属薄膜を形成することを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法。
  6. 上記有機絶縁体基板に、銅をスパッタリングした後、該スパッタリング銅層の表面にZnメッキ層を形成し、次いでアニール処理をすることによりスパッタリング銅とZnとの合金層を形成することにより金属薄膜を形成することを特徴とする請求項第1項記載の配線基
    板の製造方法。
  7. 上記有機絶縁性基材の表面に、Zn−Al系超塑性合金をスパッタリングすることにより金属薄膜を形成することを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法。
  8. 上記有機絶縁性基材が、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド、硬化または未硬化の積層糊剤であることを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法。
  9. 上記精密押し型により形成される回路表面の線幅をd(μm)、深さをh(μm)、金属薄膜の破断に至る伸び率をeとしたときに、金属薄膜が次式(1)で表される関係を有することを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法;
    Figure 2007158017
  10. 上記有機絶縁性基材の金属薄膜上に該形成された凹部の深さhに対して101〜200%の厚さに電気メッキ層を形成することを特徴とする請求項第1項記載の配線基板の製造方法。
  11. 上記電気メッキ層の表面から有機絶縁性基材が露出するまで金属メッキ層を研磨して有機絶縁性基材に凹部にメッキ金属が充填された配線パターンを形成した後、該形成された配線パターン表面に、該充填金属とは異なる金属からなるメッキ層を形成することを特徴
    とする請求項第1乃至第10項の何れかの項記載の配線基板の製造方法。
  12. 有機絶縁性基材に形成された凹部の表面に金属薄膜を介してメッキ金属が充填されて配線パターンが形成されていることを特徴とする配線基板。
  13. 前記展延性の金属薄膜が銅箔を加工して形成されたものであることを特徴とする請求項第12項記載の配線基板。
JP2005351001A 2005-06-01 2005-12-05 配線基板およびその製造方法 Pending JP2007158017A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005351001A JP2007158017A (ja) 2005-12-05 2005-12-05 配線基板およびその製造方法
KR1020077030583A KR20080017403A (ko) 2005-06-01 2006-05-31 배선 기판 형성용 몰드 및 그 제조 방법, 배선 기판 및 그제조 방법, 다층 적층 배선 기판의 제조 방법 및 비아홀의형성 방법
PCT/JP2006/310933 WO2006129734A1 (ja) 2005-06-01 2006-05-31 配線基板形成用モールドおよびその製造方法、配線基板およびその製造方法、多層積層配線基板の製造方法並びにビアホールの形成方法
TW095119339A TW200718310A (en) 2005-06-01 2006-06-01 Mold for forming a wiring board and method for making such a mold, a wiring board and method for making same, method for making a multiple layer laminate wiring board, and method for forming a via hole

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005351001A JP2007158017A (ja) 2005-12-05 2005-12-05 配線基板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007158017A true JP2007158017A (ja) 2007-06-21

Family

ID=38241986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005351001A Pending JP2007158017A (ja) 2005-06-01 2005-12-05 配線基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007158017A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008283131A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Micronics Japan Co Ltd 多層配線板およびその製造方法並びにプローブ装置
WO2012033026A1 (ja) * 2010-09-06 2012-03-15 Jx日鉱日石金属株式会社 プリント配線板用銅箔
US8187518B2 (en) 2006-03-06 2012-05-29 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method for manufacturing substrate by imprinting
WO2017150678A1 (ja) * 2016-03-03 2017-09-08 株式会社クラレ 金属張積層板およびその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06112630A (ja) * 1992-09-25 1994-04-22 Nippon Mektron Ltd 回路配線パタ−ンの形成法
JPH11186698A (ja) * 1997-12-18 1999-07-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回路基板の製造方法および回路基板

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06112630A (ja) * 1992-09-25 1994-04-22 Nippon Mektron Ltd 回路配線パタ−ンの形成法
JPH11186698A (ja) * 1997-12-18 1999-07-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回路基板の製造方法および回路基板

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8187518B2 (en) 2006-03-06 2012-05-29 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method for manufacturing substrate by imprinting
JP2008283131A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Micronics Japan Co Ltd 多層配線板およびその製造方法並びにプローブ装置
WO2012033026A1 (ja) * 2010-09-06 2012-03-15 Jx日鉱日石金属株式会社 プリント配線板用銅箔
WO2017150678A1 (ja) * 2016-03-03 2017-09-08 株式会社クラレ 金属張積層板およびその製造方法
CN108778713A (zh) * 2016-03-03 2018-11-09 株式会社可乐丽 覆金属层压板及其制造方法
JPWO2017150678A1 (ja) * 2016-03-03 2018-12-27 株式会社クラレ 金属張積層板およびその製造方法
US11052638B2 (en) 2016-03-03 2021-07-06 Kuraray Co., Ltd. Metal-clad laminate and manufacturing method for same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6475638B1 (en) Electrodeposited copper foil with its surface prepared, process for producing the same and use thereof
US20090314525A1 (en) Mold for Wiring Substrate Formation and Process for Producing the Same, Wiring Substrate and Process for Producing the Same, Process for Producing Multilayered Laminated Wiring Substrate and Method for Viahole Formation
KR100749559B1 (ko) 도금기판, 무전해 도금방법 및 이 방법을 사용한회로형성방법
TWI395531B (zh) 印刷配線基板、其製造方法以及半導體裝置
US20020020629A1 (en) Lead frame and method of manufacturing the lead frame
JP2008047655A (ja) 配線基板およびその製造方法
WO2007058147A1 (ja) プリント配線基板、その製造方法およびその使用方法
TW201121376A (en) Circuit wiring board incorporating heat resistant substrate
JP4695675B2 (ja) プリント配線基板の製造方法
JP2008120081A (ja) 軟性金属積層フィルム及びその製造方法
KR101004063B1 (ko) 니켈-금 도금방법 및 인쇄회로기판
WO2006129734A1 (ja) 配線基板形成用モールドおよびその製造方法、配線基板およびその製造方法、多層積層配線基板の製造方法並びにビアホールの形成方法
JP2007158017A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP2003243807A (ja) 配線基板及びその製造方法
JP2005340382A (ja) フレキシブルプリント配線板及びそのフレキシブルプリント配線板の製造方法
JP2006066889A (ja) プリント配線基板、その製造方法および半導体装置
JP3953252B2 (ja) クロメート系防錆膜の除去方法および配線基板の製造方法
JP4324696B2 (ja) 積層配線用金属板材
JP3925449B2 (ja) 半導体装置用テープキャリアおよびその製造方法
JP2002208779A (ja) 柱状金属体の形成方法及び導電構造体
JP5174733B2 (ja) メタルコア基板、メタルプレート用導電部材及びこれらの製造方法
KR100819797B1 (ko) 리이드 프레임의 제조 방법 및, 그에 의해서 제조된리이드 프레임
JP3919394B2 (ja) 電子部品実装用フィルムキャリアテープ
JP3494713B2 (ja) メタルマスクの製造方法
JPH06260741A (ja) 金属ベース回路基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101005