JP2007157438A - 燃料電池セルの製造方法及び燃料電池セルの製造設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルを構成する金属板や薄膜電極組成体を組み立てて機械的に封止を行なうまでの工程を効率よく行なえる燃料電池セルの製造方法を提供すること。
【解決手段】薄膜電極組成体10の両側に配置された金属板4,5の周縁領域4a,5aが絶縁シート11,12を間に介在させた状態でカシメ封止する方法において、周縁領域全周に立ち曲げ部が形成された金属板4を立ち曲げ部が上方に向いた状態で金型上にセットする工程と、立ち曲げ部の内側に薄膜電極組成体10をセットする工程と、薄膜電極組成体10の上に更に金属板5をセットする工程と、立ち曲げ部全周を金属板5の周縁領域に対して倒し込むことで、周縁領域4a,5aを封止する工程とを有し、これら各工程を実施するための金型N1〜N6,M1,M2を円周方向に沿って工程毎に配置し、加工対象物を円周方向に沿って移動させながら、各工程を連続的に実施する。
【選択図】図4

Description

本発明は、板状の薄膜電極組成体と、この薄膜電極組成体の両側に配置された第1金属板及び第2金属板とを備え、これら第1・第2金属板の周縁領域が絶縁層を間に介在させた状態でカシメにより封止される燃料電池セルの製造方法及び燃料電池セルの製造設備に関するものである。
かかる燃料電池セルとして、下記特許文献1に開示される燃料電池セルが知られている。この燃料電池セルの基本的な構成は、板状の薄膜電極組成体と、この薄膜電極組成体の両側に配置された一対の金属板(カソード側金属板及びアノード側金属板)とを備え、これら金属板の周縁領域が絶縁層を間に介在させた状態でカシメにより封止(機械的に封止)されている。また、薄膜電極組成体は、固体高分子電解質とその両側に配置される一対の電極板(アノード側電極板及びカソード側電極板)により構成される。金属板の周縁領域を電気的に絶縁した状態でカシメにより封止しているため、両者の短絡を防止しながら、厚みをさほど増加させずに確実に燃料電池セルの封止を行なうことができる。これにより、メンテナンスも容易になり、燃料電池セルを大幅に薄型化することができる。更に、固体高分子電解質や金属板を使用するため、自由な形状や屈曲が可能になり、小型軽量かつ自由な形状設計が可能となる。
特開2005−268176号公報
そこで、本発明の課題は、かかる構成を有する燃料電池セルの製造方法及び製造設備を提供することである。特に、セルを構成する金属板や薄膜電極組成体を組み立てて機械的に封止を行なうまでの工程を効率よく行なえる燃料電池セルの製造方法及び製造設備を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係る燃料電池セルの製造方法は、
板状の薄膜電極組成体と、この薄膜電極組成体の両側に配置された第1金属板及び第2金属板とを備え、これら第1・第2金属板の周縁領域が絶縁層を間に介在させた状態でプレス曲げ加工により封止される燃料電池セルの製造方法において、
周縁領域全周に立ち曲げ部が形成された第1金属板を立ち曲げ部が上方に向いた状態で金型上にセットする工程と、
第1金属板の立ち曲げ部の内側に薄膜電極組成体をセットする工程と、
この薄膜電極組成体の上に更に第2金属板をセットする工程と、
プレス曲げ加工により、立ち曲げ部全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込むことで、周縁領域を封止する工程と、を少なくとも有し、
これら各工程を実施するための金型を円周方向に沿って工程毎に配置し、加工対象物を円周方向に沿って移動させながら、各工程を連続的に実施することを特徴とするものである。
この燃料電池セルの製造方法の作用・効果を説明する。製造すべき燃料電池セルは、板状の薄膜電極組成体と、その両側に配置される第1・第2金属板を備えており、これら第1・第2金属板の周縁領域を絶縁層を介在させてプレス曲げ加工により封止を行う。また、この燃料電池セルは、板状の薄膜電極組成体をベースとして構成されるので、全体として薄型に形成することができる。周縁領域を封止するまでの工程は、次のような順序で行なわれる。
まず、周縁領域全周に立ち曲げ部が形成された第1金属板を金型上にセットする。また、第1金属板は、立ち曲げ部が上方を向くようにセットされる。板状の薄膜電極組成体は第1金属板の立ち曲げ部の内側にセットされる。立ち曲げ部の内側では、第1金属板の上に薄膜電極組成体が載せられる状態でセットされる。更に、この薄膜電極組成体の上に第2金属板がセットされる。以上のように、第1金属板・薄膜電極組成体・第2金属板が積層された状態でセットされる。次に、立ち曲げ部全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込むことで、周縁領域をプレス曲げ加工により機械的に封止する。これにより、内部が封止された状態となる。
また、各工程を実施するための金型を円周方向に沿って工程毎に配置する。加工対象物(第1金属板、薄膜電極組成体、第2金属板)は、円周方向に沿って移動され、各工程が連続的に実施される。従って、円周方向に沿って順次連続的に加工が行なわれ、所定の箇所から完成した燃料電池セルを取り出すように構成できる。その結果、セルを構成する金属板や薄膜電極組成体を組み立てて機械的に封止を行なうまでの工程を効率よく行なえる燃料電池セルの製造方法を提供することができる。
本発明において、前記周縁領域をプレス曲げ加工により封止する工程は、立ち曲げ部の全周が金属板の内側方向に向けて所定角度傾斜するような絞り加工を少なくとも1回行なう第1工程と、この所定角度傾斜された立ち曲げ部の全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込む第2工程とに分けて行ない、かつ、これら第1工程用の金型と第2工程用の金型が円周方向に沿って隣接配置されることが好ましい。
周縁領域の封止を行うに際して、絶縁層を介在させた状態で、第2金属板の周縁領域に倒しこむが、これを1工程で行うのではなく、少なくとも2工程で行う。すなわち、まず立ち曲げ部を内側に所定角度傾斜した状態となるまで絞り加工を行う。そして、その次に、この傾斜した状態の立ち曲げ部を第2金属板の周縁領域に倒し込む。これにより、絶縁層を介在させた状態で周縁領域をプレス曲げ加工により機械的に封止することができる。段階的に封止加工を行うことで、確実に立ち曲げ部を倒し込むことができる。これを1工程で行おうとすると、うまく倒れない可能性があり、封止状態の品質も低下するが、段階的に行うことで、確実に封止することができ、ガスのリーク等を防止することができる。その結果、機械的封止を確実に行いセル内部を確実に封止することができる。また、第1工程用の金型と第2工程用の金型を円周方向に沿って隣接配置しており、第1工程の後、直ちに第2工程を行なうことができ、プレス曲げ加工による封止工程を効率よく行なうことができる。
本発明において、前記絶縁層は、絶縁シートにより形成され、第1金属板及び/又は第2金属板の周縁領域に予め絶縁シートが付着されていることが好ましい。
絶縁シートを載置する工程を別途独立して設けてもよいが、予め金属板に絶縁シートを前記所定間隔で付着させておくことで、絶縁層を間に介在させる工程を省くことができ、製造工程を簡素化することができる。なお、絶縁シートの付着は接着等の適宜の方法により、行うことができる。
上記課題を解決するため本発明に係る燃料電池セルの製造設備は、
板状の薄膜電極組成体と、この薄膜電極組成体の両側に配置された第1金属板及び第2金属板とを備え、これら第1・第2金属板の周縁領域が絶縁層を間に介在させた状態でプレス曲げ加工により封止される燃料電池セルの製造設備において、
周縁領域全周に立ち曲げ部が形成された第1金属板を金型上にセットする工程と、
立ち曲げ部が上方に向いた状態の第1金属板の上に薄膜電極組成体をセットする工程と、
この薄膜電極組成体の上に更に第2金属板をセットする工程と、
プレス曲げ加工により、立ち曲げ部全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込むことで、周縁領域を封止する工程と、を少なくとも実施するための金型を円周方向に沿って工程毎に配置した金型設備と、
加工対象物を円周方向に沿って移動させながら、各工程を連続的に実施するための金型駆動設備とを備えたことを特徴とするものである。
この燃料電池セルの製造設備は、円周方向に沿って配置される金型設備とこれを駆動するための金型駆動設備により構成されている。かかる構成により、既に述べた通り、円周方向に沿って順次連続的に加工が行なわれ、所定の箇所から完成した燃料電池セルを取り出すように構成できる。その結果、セルを構成する金属板や薄膜電極組成体を組み立てて周縁領域を封止を行なうまでの工程を効率よく行なえる燃料電池セルの製造設備を提供することができる。
本発明において、前記周縁領域をプレス曲げ加工により封止する工程は、立ち曲げ部の全周が金属板の内側方向に向けて所定角度傾斜するような絞り加工を少なくとも1回行なうための第1金型と、この所定角度傾斜された立ち曲げ部の全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込むための第2金型とにより行なわれ、かつ、これら第1金型と第2金型が円周方向に沿って隣接配置されることが好ましい。
これにより、既に述べた通り、周縁領域の封止を確実に行いセル内部を確実に封止することができる。また、第1工程用の金型と第2工程用の金型を円周方向に沿って隣接配置しており、第1工程の後、直ちに第2工程を行なうことができ、周縁領域の封止工程を効率よく行なうことができる。
本発明に係る燃料電池セルの製造方法及び製造設備の好適な実施形態を図面を用いて説明する。まず、製造対象となる燃料電池セルの構成を説明する。図1は、本発明の燃料電池セルのアノード側から見た外観斜視図であり、図2は同じくカソード側から見た外観斜視図である。図3は、図1,2に示す燃料電池セルの一例を示す組み立て斜視図であり、図4は、図1,2に示す燃料電池セルの縦断面図である。図5は、流路溝の形状を示す図である。
本発明の燃料電池セルは、各図に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3とを備えるものである。更に、カソード側電極板2の外側にカソード側金属板4(第2金属板に相当)が配置され、アノード側電極板3の外側にアノード側金属板5(第1金属板に相当)が配置される。
各金属板4,5の周縁領域4a,5aは、固体高分子電解質1及び電極板2,3を収容した後に、カシメ(プレス曲げ加工に相当)により封止される。また、説明の便宜上、金属板4,5の周縁領域4a,5a以外の領域を中央領域4b,5bと称することにする。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや、酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気が用いられると共に、還元ガスとして水素ガスを用いるのが好ましい。また、還元ガスの代わりに、メタノールやジメチルエーテル等を用いることもできる。
例えば、水素ガスと空気を使用する場合、空気が自然供給される側のカソード側電極板2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。特に、低作動温度、高電流密度及び高ガス利用率の運転条件では、特に水が生成する空気極において水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)現象が起こりやすい。したがって、長期にわたって燃料電池の安定な特性を得るためには、フラッディング現象が起こらないように電極の撥水性を確保することが有効である。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体10(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用することが好ましい。
カソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。アノード側金属板5には燃料の注入口5c及び排出口5dが設けられ、更に本実施形態では、アノード側金属板5に流路溝9(図5参照)が設けられている。
カソード側金属板4には、空気中の酸素を供給するための多数の開口孔4cが設けられている。開口孔4cは、カソード側電極板2が露出可能であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。但し、空気中の酸素の供給効率と、カソード側電極板2からの集電効果などを考慮すると、開口孔4cの面積はカソード側電極板2の面積の10〜50%であるのが好ましく、特に20〜40%であるのが好ましい。カソード側金属板4の開口孔4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開口部を設けてもよい。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。
アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、電極板3との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。本実施形態では、注入口5cと排出口5dとを流路溝9により接続しており、その流路溝9は、金属板5の幅方向に沿って周期的に折り返すジグザグ状に形成されている。流路溝9は、幅が太い横方向の溝9aと幅が細い縦方向の溝9bとで構成され、幅方向両側にある横溝9aと横溝9aとを3本の縦溝9bで接続しており、縦溝9bの1本が何らかの原因で封鎖されたとしても、残りの縦溝9bにより流路溝9が完全に封鎖されることを防止している。流路密度、燃料電池セル積層時の積層密度、屈曲性などを考慮して、種々の形態の流路溝9を採用することができ、図5の形態に限定されるものではない。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5c及び排出口5dは、それぞれ1個又は複数を形成することができる。なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。
金属板5に流路溝9を形成する方法としては、金属板に対してプレス加工(打ち出し加工)を行うことで形成することができる。すなわち、図3に示す金属板5において裏面側から打ち出し加工を行うことで、図4,5に示すように金属板5の裏面側に流路溝9を形成することができる。また、打ち出し加工により流路溝9を形成するので、図1に示すように金属板5の表面側には、流路溝9と同じ形状が表れる。流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板4への開口孔4cの形成、金属板5への注入口5c及び排出口5dの形成についても、プレス加工を利用して行われる。さらに、金属板4,5には、同じくプレス加工(打ち出し加工)を利用して、中央領域4b,5bに凹部が形成される。この凹部は、図4に示すように、薄膜電極組成体10を構成する電極板2,3を収容するための凹部である。従って、凹部の面積は、収容される電極板2,3の大きさに応じて加工される。
本発明では、金属板4,5の周縁領域4a,5aは、電気的に絶縁した状態でカシメにより封止されている。電気的な絶縁は、絶縁シート(絶縁層に相当)を用いて行うが、固体高分子電解質1の周縁部1aを介在させることで行うこともできる。
カソード側金属板4には、図3に示すようにリング状(額縁状)の絶縁シート11が周縁領域4aに配置される。絶縁シート11の外側の縁は金属板4の縁とほぼ同じ大きさに設定され、内側の縁は、多数の開口孔4cが形成される領域(あるいは、電極板2の大きさより少し大きなサイズ)よりも少し大きなサイズに設定される。
アノード側金属板5にも、図1に示すようにリング状(額縁状)の絶縁シート12が周縁領域5aの表裏両面に配置される。この表裏両面の絶縁シート12のサイズは同じである。絶縁シート12の外側の縁は金属板5の縁とほぼ同じ大きさに設定され、内側の縁は、電極板3よりも少し大きなサイズに設定される。
固体高分子電解質1は、電極板2,3の大きさよりも少し大きくなっており、図4に示すように、電極板2,3から露出した状態にある周縁領域1aが、絶縁シート11,12により挟持されるように組み立てられる。
すなわち、本発明では、カシメを行う際、電極板2,3よりも外側の領域にある固体高分子電解質1の周縁領域1aを絶縁シート11,12を介して、周縁領域4a,5aにより挟持した状態とする。このような構造によると、電極板2,3の一方から他方へのガス等の流入を効果的に防止することができる。また、金属板5の表面側にも絶縁シート12が設けられており、カシメ封止した際に、絶縁性能を確実に確保した状態で封止することができる。
絶縁シート11,12としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましい。絶縁シート11,12は、金属板4,5を所定の形状に加工する前に、直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことができる。この点については、後述する。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図4に示すものが好ましい。つまり、一方のカソード側金属板4の周縁領域4aを他方のアノード側金属板5の周縁領域5aより大きくしておき、絶縁シート11,12を介在させつつ、カソード側金属板4の周縁領域4aをアノード側金属板5の周縁領域5aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このようなカシメ封止を行うための製造方法及び製造設備については、後で詳細に説明する。
燃料電池を構成する場合、図1,2に示すような燃料電池セルを1個又は複数個使用することができるが、固体高分子電解質1、一対の電極板2,3、及び一対の金属板4,5で単位セルを構成し、この単位セルを複数積層したり、同一面に配列して使用することも可能である。このようにすると、ボルト及びナットの締結部品で相互結合して、セル部品に一定の圧力を加えなくても、高出力の燃料電池を提供することができる。
燃料電池として使用の際、金属板5の燃料の注入口5c及び排出口5dには、直接、燃料供給用のパイプを接合することも可能であるが、燃料電池の薄型化を行う上で、厚みが小さく、金属板5の表面に平行なパイプを有するジョイント機構を設けるのが好ましい。
図1には、注入口5cにジョイント用のブース(金属製ピン)5eが金属板5に対して取り付けられている。この取り付けは、カシメや圧入により行うことができる。このブース5eに対して、金属パイプ13を圧入して取り付けることができる。この金属パイプ13に対して更に樹脂性パイプ14挿入することで、ガス供給流路を形成することができる(図4参照)。排出口5dについても、同じ構成を採用している。
燃料電池セルを構成する部材である金属板4,5及び固体高分子電解質1は、矩形状に形成されているが、その四隅はR形状に形成されている。四隅にRをつけることで後述するカシメ封止加工を行い易い形状にしている。
<燃料電池セルの製造工程>
次に、図1〜図5で説明した燃料電池セルの製造工程及び製造設備について説明する。図6は、燃料電池セルの製造工程の概略を示す図である。図6に示すように、カソード側金属板4を製造する工程、アノード側金属板5を製造する工程、薄膜電極組成体10を製造する工程に分かれており、金属板4,5と薄膜電極組成体1が製造された後、これらを用いて燃料電池セルを組み立てる工程が行われる。
まず、カソード側金属板4とアノード側金属板5を製造するための順送金型設備の構成に付いて説明する。図7は、順送金型設備の構成を示す概念図である。この順送金型設備は、カソード側金属板4とアノード側金属板5の両方を加工することができ、そのため7つの金型が搬送経路に沿って配置されている。
各金属板4,5を加工するための原材料として、所定幅を有する長尺状金属板をロールに巻きつけた金属ロールを使用する。この金属ロールから長尺状金属板を引き出して順送金型設備に送り込み、必要な加工が施される。金属板4,5は、同じ幅の長尺状金属板が使用されるが、金属板4については、予め片面に絶縁シート11が付着されているものを使用し、金属板5については、予め両面に絶縁シート12が付着されているものを使用する。
図7に示す7つの金型は、所定間隔で配置されており、アノード側金属板5を製造する場合にのみ使用する金型(第1,2,3,6金型)と、カソード側金属板4を製造する場合にのみ使用する金型(第4,7金型)と、両金属板4,5に対して共通に使用できる金型(第5金型)とを有している。従って、カソード側金属板4の製造を行う場合、第1,2,3,6金型は不作動となるように制御し、アノード側金属板5の製造を行う場合、第4,7金型が不作動になるように制御する金型制御部が設けられる。
以上のように構成すれば、カソード側金属板4とアノード側金属板5とで別々の順送金型設備を設ける必要はないので、設備費を安価にすることができる。
次に、具体的な加工内容について説明する。図8は、カソード側金属板4を順送金型設備により加工していく様子を示す平面図、図9は、アノード側金属板5を順送金型設備により加工していく様子を示す平面図である。図10は、カソード側金属板4を順送金型設備により加工していく様子を示す断面図、図11は、アノード側金属板5を順送金型設備により加工していく様子を示す断面図である。
最初にカソード側金属板4を製造する工程を具体的に説明する。図8において、金属ロールから引き出された長尺状金属板50は、所定幅を有すると共に、所定間隔ごとに位置決め用孔50aが幅方向両側に予め形成されている。また、絶縁シート11も予め所定間隔ごとに貼り付けられている。絶縁シート11を貼り付ける場合は、位置決め用孔50aを基準として貼り付けることができる。長尺状金属板50は、図8の左側から右側へと搬送される。
図8に示すように、まず最初に多数の孔4cをプレス穴あけにより形成する(S1)。この段階での断面形状は図10(b)に示される。これは第4金型により行われる。次に、電極板2を収容するための凹部4g打ち出し加工が行われる(S2)。この段階での断面形状は図10(c)に示される。これは第5金型により行われる。次に、金属板4の外形を打ち抜くための加工が行われる(S3)。この段階での断面形状は図10(d)に示される。これは第7金型により行われる。打ち抜き後の長さがL2で示される。
長尺状金属板50の動きとしては、搬送方向に対して間歇的に移動し、金型による所定の加工が行われると、金型が配列されている所定間隔の分だけ搬送される。金型の動作としては、図8に示すS1,S2,S3の加工は同時に行われる。すなわち、搬送方向の下流側に行くほど加工が進んでいることになる。この点は、アノード側金属板5を加工する場合も同じである。
次にアノード側金属板5を製造する工程を具体的に説明する。図9において、金属ロールから引き出された長尺状金属板51は、所定幅を有すると共に、所定間隔ごとに位置決め用孔51aが幅方向両側に予め形成されている。また、絶縁シート12も予め所定間隔ごとに表裏両面に貼り付けられている。絶縁シート12を貼り付ける場合は、位置決め用孔51aを基準として貼り付けることができる。
図9に示すように、まず最初に流路溝9の打ち出し加工(第1段階)を行う(S11)。これは第1金型により行われる。この第1段階では、流路溝9は完全には形成されておらず、溝深さは浅い状態である。次に、流路溝9の第2段階の打ち出し加工を行う(S12)。これにより、流路溝9の加工が完了する。この段階での断面形状は図11(b)に示される。次に、ブースを取り付ける孔(注入口5c及び排出口5d)を形成するためのプレス穴あけ加工を行う(S13)。これは第3金型により行われる。
次に、電極板3を収容するための凹部5g打ち出し加工が行われる(S14)。この段階での断面形状は図11(c)に示される。これは第5金型により行われる。次に、金属板5の外形を打ち抜くための加工が行われる(S15)。この段階での断面形状は図11(d)に示される。これは第6金型により行われる。打ち抜き後の長さがL1で示される。
図7に示すように、アノード側金属板5の外形を打ち抜きした後に、図4(b)で示すようなブースを取り付ける加工を行う。ブース5eは、注入口5cと排出口5dにカシメにより結合することができる。
また、カソード側金属板4の外形を打ち抜き加工した後に、図12に示すような周縁領域4aを90゜内側に立ち曲げるための絞り加工が行われる。図12(b)に絞り加工を行った後の斜視図を示すが、周縁領域4aの全周に立ち曲げ部が形成される。このような立ち曲げ部を形成することで、カシメ封止加工を行いやすくすることができる。
<製造設備(ターンテーブル)の構成>
次に、燃料電池セルを組み立てていくときの具体的な製造設備を説明する。図13は、製造設備の構成を示す概念図である。燃料電池セルを組み立て完成するまでの工程は全部で6工程であり、各工程のために6つのエリアR1,R2,・・・R6が60゜毎に設定されている。各エリアRに対応するように、6つの下型N1,N2,・・・N6が設けられている。これらの下型Nは、ターンテーブルTの形式になっており、下型駆動部50により、回転駆動される。各下型Nは、いずれも同じ金型構成を備えており、下型駆動部60により、図13の反時計方向に間歇的に駆動される。
各エリアRにおける処理内容について説明する。第1エリアR1においては、カソード側金属板4が第1金属板供給部53により供給される。カソード側金属板4については、既に説明したように図7に示すような工程を介して製造され、第1金属板供給部53に収容される。第1金属板供給部53は、例えば、カソード側金属板4を上下方向に積層するためのスペースが設けられ、順次不図示のフィーダーにより第1エリアR1に待機する下型N1にカソード側金属板4をセットする。
第2エリアR2においては、カソード側金属板4の立ち曲げ部の内側に薄膜電極組成体10をセットする。薄膜電極組成体10は、カソード側金属板4の中央領域4bの上に載せられる形となる。薄膜電極組成体10は、MEA供給部54により順次供給されるように構成される。
第3エリアR3においては、薄膜電極組成体10の上に更にアノード側金属板5を載せる。アノード側金属板5は、第2金属板供給部55により供給され、第2金属板供給部55の構成に関しては、第1金属板供給部53と同じとすることができる。
第4エリアR4と第5エリアR5においては、上型M1,M2(絞り加工を行なうための第1金型と第2金型に相当)が設けられ、カソード側金属板4の立ち曲げ部(周縁領域4a)を内側に倒し込んでカシメ封止を行なう。第4エリアR4においては、第1段階のカシメ工程が行なわれ、立ち曲げ部を45゜内側に倒し込む。第5エリアR5においては、45゜内側に倒し込まれた立ち曲げ部を90゜まで倒し込み、アノード側金属板5の周縁領域5aと密着させて機械的な封止を完了する。このように、カシメ封止を2段階に分けて行なう。この点については、更に詳しく後述する。第6エリアR6においては、カシメ封止が完了した燃料電池セルを下型Nから取り出し、そのために取り出し部56が設けられる。取り出し部56には、カシメ封止が完成した燃料電池セルが適宜の形態で集積される。
上形駆動部61は、カシメ封止を行なうための上型M1,M2の駆動を行なう。上型M1,M2は同時に上下動するように構成される。また、各下型Nの回転駆動と、上型M1,M2の上下駆動は、同期して行なわれるものであり、制御部62により、上型駆動部61と下型駆動部62の駆動制御が行なわれる。
<製造工程(セル組立工程)>
次に、図13に示すターンテーブル形式の製造設備を用いて、燃料電池セルを組み立てるまでの手順を図14のフローチャート及び図15〜図20の断面図により説明する。
まず、図15に示すように、第1エリアR1において、カソード側金属板4を下型Nの上にセットする。カソード側金属板4は周縁領域4aが絞り加工により90゜曲げられており、立ち曲げ部が予め形成されている。金型20には、凹部20aが形成されており、カソード側金属板4の立ち曲げ部の外側がちょうど嵌合して位置決めされるように構成されている。また、カソード側金属板4の周縁領域4aには、予め絶縁シート11が貼り付けらえており、立ち曲げ部の内側に絶縁シート11が貼り付けられた状態となっている。金型20の中央部には吸引孔20bが設けられており、吸引機構57により、カソード側金属板4を金型20の凹部20a内に吸引する。これにより、カソード側金属板4を金型20に対して確実にセットした状態とすることができる。なお、吸引孔20aの大きさや個数は燃料電池セルの大きさに応じて適宜設定することができる。図15に示す金型20は、図13に示す6箇所とも同じ構成となっている。
第1エリアR1において、カソード側金属板4のセットが完了すると、ターンテーブルを60゜回転させ、第2エリアR2へと移動させる。ここで、カソード側金属板4の立ち曲げ部の内側に、図16に示すように、薄膜電極組成体10(MEA)をセットする。薄膜電極組成体10の外形寸法は、ちょうど立ち曲げ部の内側に嵌まり込むような寸法となっており、薄膜電極組成体10がカソード側金属板4に対して位置決めされる。また、第2エリアR2において薄膜電極組成体10がセットされるのと同時に、第1エリアR1において次のカソード側金属板4がセットされる。
第2エリアR2において、薄膜電極組成体10のセットが完了すると、ターンテーブルTを60゜回転させ、第3エリアR3へと移動させる。ここで、薄膜電極組成体10の上に、図17に示すようにアノード側金属板5をセットする。アノード側金属板5には、予めブース5eが取り付けられていると共に、絶縁シート12も予め貼り付けられている。アノード側金属板5は、ブース5eが上側で、かつ、絶縁シート12が薄膜電極組成体10側となるようにセットされる。このとき、薄膜電極組成体10の電極板2が金属板4の凹部4gに収容され、電極板3が金属板5の凹部5gに収容される状態になる。アノード側金属板5の外形寸法は、立ち曲げ部の内側にちょうど嵌まり込むような寸法となっており、アノード側金属板5がカソード側金属板4に対して位置決めされる。上下の絶縁シート11,12により、薄膜電極組成体10の周縁領域1aが挟持される形となっており、確実に絶縁を行なうことができる。
第3エリアR3においてアノード側金属板5がセットされると、ターンテーブルTを60゜回転させて、第4エリアR4に移動する。この状態を図18に示す。第4エリアR4では第1段階のカシメ工程(外形45゜絞り加工)を行なうものであり、そのための第1上型31と第2上型32からなる上型M1が設けられている。第1上型31には、金属板5にカシメ結合されているブース5eを逃げるための凹部31aと、流路溝9の形成に伴う金属板5の表面の突出部を逃げるための凹部31bが設けられている。
第3エリアR3においてアノード側金属板5がセットされているときに、第2エリアR2においては次の加工品に対して薄膜電極組成体10がセットされ、第1エリアR1においては、更に次の加工対象品であるカソード側金属板4がセットされる。以下同様にして、加工対象品がセットされていくことになる。
図18の状態から上型M1を作動させた状態を図19に示す。第2上型32は、図18,19に示すように水平面に対して45゜の傾斜面32cを備えている。この傾斜面32cを作用させることで、90゜に立ち曲げられた周縁領域4aを一旦45゜に絞り加工する。
上型駆動部51を駆動することで、第1・第2上型31,32が下方に降りてくる。これにより、周縁領域4aが45゜内側に曲げられ、絞り加工される。また、45゜絞り加工を行なうときに、第1上型31の凹部31bが金属板5の上面を押圧(当接)している。これにより、燃料電池セルの中央領域4b,5bが変形するのを抑制することができる。
45゜の角度の設定は、45゜±5゜が好ましく、45゜±1゜がより好ましい。50゜を超えると0゜絞り加工を行う時に、うまく内側に立ち曲げ部が倒れない可能性がある。例えば、座屈のような現象が生じてうまくつぶれない可能性があり、カシメ封止の品質が低下し、ガスリークなどの問題が生じる。また、40゜よりも小さいと、一度に40゜よりも小さくする際にうまく内側に立ち曲げ部が倒れにくくなるので好ましくない。
以上のように45゜の絞り加工が行われた後、ターンテーブルTを60゜回転させて、第4エリアR4から第5エリアR5へと移動させる。第5エリアR5にも第1上型33と第2上型34からなる上型M2が設けられている。この上型M2は、カソード側金属板4の外形0゜絞り加工を行うものであり、第1段階で45゜内側に曲げられた部分を更に内側に絞り加工を行なう。これにより、カシメ加工が終了し、セルの周縁領域4a,5aは機械的に封止される。
外形0゜絞り加工で使用する金型は、45゜絞り加工とは異なる金型を使用し、図20に示すように、第2上型34のプレス面34aは水平面に形成される。従って、前工程で45゜に曲げられた周縁領域5aを更に押さえ込んで内側に倒す形になる。これにより、周縁領域4aは水平な状態に180゜折り曲げられた状態になる。これにより、周縁領域4a,5aがカシメにより封止されたことになる。また、周縁領域4aと周縁領域5aの間には、絶縁層として絶縁シート11,12が介在しており、金属板4,5同士の短絡を防止した状態で封止される。
以上のようにカシメ封止工程が終了すると、ターンテーブルTを60゜回転させ、カシメ封止された燃料電池セルを第5エリアR5から第6エリアR6へと移動させる。金型から燃料電池セルを取り出すためには、吸引孔20bからエアーを吹き込むことで、燃料電池セルを金型から離脱させ取り出すことができる。
以上説明したように、カシメ封止を行うための工程が行われる。特に、図12で形成した90゜の立ち曲げ部を内側に倒してつぶす場合に、一度に倒すのではなく、一旦45゜に絞り加工した後に、0゜の絞り加工するようにしており、2段階でカシメ封止を行うようにしている。これを1段階で行おうとすると、立ち曲げ部がうまく倒れるかどうかの保証がなく、封止状態も悪くなるが、前述のように2段階で絞り加工を行うことで、確実に封止することができる。
燃料電池セルの製造設備はターンテーブルTの形式で構成されており、円周方向に沿って配置される金型設備(下型N1〜N6及び上型M1,M2)とこれを駆動するための金型駆動設備(下型駆動部60、上型駆動部61、制御部62)により構成されている。かかる構成により、既に述べた通り、円周方向に沿って順次連続的にカシメ封止のための加工が行なわれ、取り出し部56から完成した燃料電池セルを取り出すように構成できる。その結果、燃料電池セルを構成する金属板4,5や薄膜電極組成体10を組み立てて周縁領域4a,5aを封止を行なうまでの工程を効率よく行なうことができる。
<別実施形態>
燃料電池セルの構成は図1,2に示す構造のものに限定されるものではない。例えば、カソード側金属板4は空気を取り込むための開口孔4cを多数有する形状をしているが、カソード側金属板4をアノード側金属板5と同様の形状に形成してもよい。また、カソード側金属板4に形成する開口孔4cの大きさ、個数、形状等は適宜決めることができる。
本実施形態では、アノード側金属板5に形成する流路溝9を2回に分けてプレス加工にしているが、1回もしくは3回以上の段階的加工により形成してもよい。
本実施形態ではカシメ封止工程における金属板の絞り加工は、所定傾斜角度を45゜に設定し、次に0゜絞り加工を行っている。すなわち、2段階でカシメ封止を行うが、これを3段階以上としてもよい。例えば、60゜→30゜→0゜に設定することができる。もちろん、この角度以外でも良い。また、4段階以上の多段階に設定してもよい。
本実施形態の組立工程では、薄膜電極組成体10の形に組み立てた後に、金型にセットするようにしているが、金型にセットする際に、カソード側電極板2、固体高分子電解質1、アノード側電極板3の順番に積層する形でセットしてもよい。
本実施形態では、カソード側金属板4の周縁領域4aを折り曲げてカシメ封止しているが、アノード側金属板5の周縁領域5aを折り曲げてカシメ封止してもよい。
本実施形態ではカシメ工程が終了した後に完成品としての燃料電池セルを取り出しているが、更に安全を期すためリング押さえ加工を行ってもよい。この加工は、カシメ封止された周縁領域4a,5aの少し内側の領域をプレスで押圧する工程であり、これにより、封止状態をより確実にすることができる。金型は図示しないが、リング状に形成された突起部を備えさせ、これら突起部を用いて周縁領域4a,5aのすぐ内側をリング状に押える。これにより、よりカシメ封止を確実にすることができる。
本実施形態におけるターンテーブルTは全部で6工程であるがこれに限定されるものではない。例えば、カシメ封止を2段階以上で行なうのであれば、更に工程が増えることになる。また、前述のリング押さえ加工を行うのであれば、更に工程数が増えることになる。
本発明に係る燃料電池セルの構成を示す外観斜視図(アノード側) 本発明に係る燃料電池セルの構成を示す外観斜視図(カソード側) 本発明の燃料電池セルの一例を示す組み立て斜視図 本発明の燃料電池セルの一例を示す縦断面図 図3の燃料電池セルの流路溝を示す図 燃料電池セルの製造工程の概略を示す図 順送金型設備の構成を示す概念図 カソード側金属板の製造工程を示す平面図 アノード側金属板の製造工程を示す平面図 カソード側金属板の製造工程を示す断面図 アノード側金属板の製造工程を示す断面図 カソード側金属板の周縁領域に立ち曲げ部の絞り加工を示す図 燃料電池セルの組立を行なうためのターンテーブルの構成を示す図 燃料電池セルの組立工程のフローチャート カソード側金属板を金型にセットした状態を示す図 更に薄膜電極組成体を金型にセットした状態を示す図 更にアノード側金属板を金型にセットした状態を示す図 カシメ封止を行なう前の状態を示す図 第1段階のカシメ封止工程(45゜絞り加工)を行なった状態を示す図 第2段階のカシメ封止工程(0゜絞り加工)を行なった状態を示す図
符号の説明
1 固体高分子電解質
1a 周縁領域
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板(第2金属板)
4a 周縁領域
4b 中央領域
5 アノード側金属板(第1金属板)
5a 周縁領域
5b 中央領域
5c 注入口
5d 排出口
5e ブース
10 薄膜電極組成体
11,12 絶縁シート
20 金型
53 第1金属板供給部
54 MEA供給部
55 第2金属板供給部
56 取り出し部
60 下型駆動部
61 上型駆動部
62 制御部
R1〜R6 エリア
N1〜N6 下型
M1,M2 上型
T ターンテーブル

Claims (5)

  1. 板状の薄膜電極組成体と、この薄膜電極組成体の両側に配置された第1金属板及び第2金属板とを備え、これら第1・第2金属板の周縁領域が絶縁層を間に介在させた状態でプレス曲げ加工により封止される燃料電池セルの製造方法において、
    周縁領域全周に立ち曲げ部が形成された第1金属板を立ち曲げ部が上方に向いた状態で金型上にセットする工程と、
    第1金属板の立ち曲げ部の内側に薄膜電極組成体をセットする工程と、
    この薄膜電極組成体の上に更に第2金属板をセットする工程と、
    プレス曲げ加工により、立ち曲げ部全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込むことで、周縁領域を封止する工程と、を少なくとも有し、
    これら各工程を実施するための金型を円周方向に沿って工程毎に配置し、加工対象物を円周方向に沿って移動させながら、各工程を連続的に実施することを特徴とする燃料電池セルの製造方法。
  2. 前記周縁領域をプレス曲げ加工により封止する工程は、立ち曲げ部の全周が金属板の内側方向に向けて所定角度傾斜するような絞り加工を少なくとも1回行なう第1工程と、この所定角度傾斜された立ち曲げ部の全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込む第2工程とに分けて行ない、かつ、これら第1工程用の金型と第2工程用の金型が円周方向に沿って隣接配置されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セルの製造方法。
  3. 前記絶縁層は、絶縁シートにより形成され、第1金属板及び/又は第2金属板の周縁領域に予め絶縁シートが付着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セルの製造方法。
  4. 板状の薄膜電極組成体と、この薄膜電極組成体の両側に配置された第1金属板及び第2金属板とを備え、これら第1・第2金属板の周縁領域が絶縁層を間に介在させた状態でプレス曲げ加工により封止される燃料電池セルの製造設備において、
    周縁領域全周に立ち曲げ部が形成された第1金属板を金型上にセットする工程と、
    立ち曲げ部が上方に向いた状態の第1金属板の上に薄膜電極組成体をセットする工程と、
    この薄膜電極組成体の上に更に第2金属板をセットする工程と、
    プレス曲げ加工により、立ち曲げ部全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込むことで、周縁領域を封止する工程と、を少なくとも実施するための金型を円周方向に沿って工程毎に配置した金型設備と、
    加工対象物を円周方向に沿って移動させながら、各工程を連続的に実施するための金型駆動設備とを備えたことを特徴とする燃料電池セルの製造設備。
  5. 前記周縁領域をプレス曲げ加工により封止する工程は、立ち曲げ部の全周が金属板の内側方向に向けて所定角度傾斜するような絞り加工を少なくとも1回行なうための第1金型と、この所定角度傾斜された立ち曲げ部の全周を第2金属板の周縁領域に対して倒し込むための第2金型とにより行なわれ、かつ、これら第1金型と第2金型が円周方向に沿って隣接配置されることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池セルの製造設備。
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