JP2007155530A - 機能性化合物の効率的かつ安定な固定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロアレイ作製における、合成オリゴヌクレオチド溶解後からスポットまでの時間差による反応性基の活性低下を解消する。
【解決手段】反応性基の活性を制御することのできる物質を利用し、固定化を行う担体表面に溶解液を付与した後に、反応性基を活性化する方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機能性化合物を担体表面に固定化する方法に関する。特に、核酸やペプチドなどのバイオポリマーを担体表面に高密度に固定化するマイクロアレイの作製方法に関する。
近年、ヒトゲノムプロジェクトの進展に伴い、生物の遺伝子情報に基づいた病気の診断および疾患関連遺伝子の探索に関する研究が盛んに行われるようになった。その代表的な例として、DNAマイクロアレイを利用した方法が有名である。DNAマイクロアレイとは、スライドガラス等の固相担体に塩基配列の異なる複数のDNAプローブを所定の領域ごとに整列固定化した高密度アレイであり、核酸の塩基配列決定、変異や多型の検出、遺伝子の発現プロファイルなどの同時解析に有用である。DNAマイクロアレイ上に、蛍光物質で標識した核酸試料を添加すると、試料中の核酸の塩基配列とマイクロアレイ上のDNAプローブの塩基配列が相補的である場合に、両者がハイブリダイズする。洗浄後、DNAマイクロアレイ上に残存したターゲット核酸に標識された蛍光物質が発する蛍光を検出することにより、核酸試料中にターゲット核酸が存在するか否かを判定できる。
このDNAマイクロアレイの作製法には、基板上でオリゴDNAを合成する方法(in situ合成法)と、予め調製しておいたオリゴDNAを基板上にスポットし、固定化する方法(スポット法)の二通りがある。前者のin situ合成法は、固相合成技術に加えて、光照射によって選択的に除去される光分解性保護基、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィー技術を利用した逐次合成技術(例えば特許文献1および非特許文献1参照)であり、半導体製造レベルでDNAプローブを高密度に集積することが可能である。しかし、核酸塩基にはA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の4種類が存在するため、リソグラフィー技術を応用したin situ合成によるマイクロアレイ作製法では、一塩基伸長するのに最低4枚のマスクが必要となり、アレイ作製にかかる費用が高くなってしまう。また、担体上で合成を行うため、精製を行うことができず、合成の主産物と副産物が担体上に残存することになる。合成が途中で終了してしまった不完全長のDNAプローブの存在は、ターゲット核酸とのハイブリダイゼーションに影響を及ぼし、結果の信頼性を損ないかねない。
一方、後者のスポットによるマイクロアレイ作製法では、あらかじめ準備したDNAプローブを固相担体表面にアレイ状にスポットし、イオン結合あるいは共有結合で固定化を行い、アレイを作製する(例えば非特許文献2参照。)。現在では、低コスト、高再現性を達成するため、あらかじめ反応活性基を導入したオリゴヌクレオチドプローブをインクジェットあるいはバブルジェットなどの非接触型の吐出技術によって、表面処理した固相担体に滴下し、共有結合を介して固定化する方式が一般的である。このスポット法によるマイクロアレイ作製法は、in situ合成法と異なり、マスクを必要としないため、低コスト化が可能である。また、あらかじめ合成、精製した完全長DNAプローブのみを使用するため、不完全長DNAプローブの残存による悪影響を回避することが可能である。
米国特許5445934号明細書 Fodor, S.P.A., Read, J.L., Pirrung, M.C., Stryer, L., Tsai Lu, A., ando Solas, D.(1991).Science, 251, 767 Schena, M. et al., Science, 270, 467-470(1995)、Lamture, J.B. et al., Nucl.Acids Res., 22, 2121-2125(1994)
一般的なスポット法によるマイクロアレイ作製法では、担体表面の反応性基と合成オリゴヌクレオチドに導入した反応性基との間で形成される共有結合を介した固定化が行われる。そのため、活性の高い反応性基を使用することが効率的な固定化のために必要である。しかし、活性の高い反応性基は、自己反応や共存物質との副反応による活性低下を起こすことがあり、反応溶液の長時間使用には不適な場合がある。
一方、スポット法によるマイクロアレイ作製法では、原理的に、アレイ上に配置するプローブの数だけ合成オリゴヌクレオチドを準備しなければならず、スポットを行うまでに、溶解、定量等の操作を個別に行う必要がある。そのため、最初に溶解した合成オリゴヌクレオチド溶液と、最後に溶解した合成オリゴヌクレオチド溶液では、溶解からスポットに至るまでに要する時間に差が生じる。また、アレイ作製に使用する合成オリゴヌクレオチドの数が増えるに従い、その時間差は拡大する。さらに、アレイを大量に作製する場合においても、最初にスポットしたアレイと最後にスポットしたアレイとでは、合成オリゴヌクレオチド溶解後から経過した時間に差が生じる。
合成オリゴヌクレオチドを溶解後、担体表面にスポットするまでに時間がかかると、合成オリゴヌクレオチドに導入した反応性基の活性低下が起こる可能性が考えられる。また、多数の合成オリゴヌクレオチドを使用する場合や大量のマイクロアレイを作製する場合などでは、合成オリゴヌクレオチド溶液ごと、スポットしたアレイごとに、溶解後の時間差が生じる。これらの時間差は、DNAプローブごと、マイクロアレイごとに、DNAプローブの固定化量に変動を与える要因となり、再現性の良いマイクロアレイを作製する際の課題と考えられる。
上記課題を解決するためには、合成オリゴヌクレオチドに導入された反応性基の活性を保ちつつ、合成オリゴヌクレオチド溶解後からスポットまでの時間を一定にすることが必要である。つまり、反応性基と担体表面との反応時間を一定に保つことが必要である。これらの条件を達成する手段として、反応性基の活性を制御することのできる物質を利用し、固定化を行う担体表面に溶解液を付与した後に、反応性基を活性化する方法を考案した。すなわち、本発明は以下の通りである。
機能性化合物を担体表面に固定化する方法であって、(1)表面に反応性基を有する担体を提供する工程、(2)活性化された時に前記担体表面の反応性基と結合が可能な反応性基を有する、該反応性基に対して不活性化された機能性化合物を、前記担体表面に付与する工程、(3)担体表面の反応性基と前記機能性化合物の反応性基との結合が可能な条件下で、機能性化合物の反応性基を活性化する工程、(4)担体表面の反応性基と活性化された機能性化合物の反応性基を結合する工程、(5)担体表面を洗浄し、不要成分を除去する工程、を含む方法を提供する。
本発明によれば、スポット法によるマイクロアレイ作製における、合成オリゴヌクレオチド溶解後からスポットまでの時間差による反応性基の活性低下を解消することが可能となる。すなわち、合成オリゴヌクレオチドに導入された反応性基は保護された状態にあり、活性を失うことなく固定化を行う担体表面に付与される。その後、担体表面で反応性基は活性化され、活性化された直後から、担体表面との反応を行うことが可能となる。つまり、反応性基と担体表面との反応時間を一定にすることが可能となる。これにより、複数の合成オリゴヌクレオチドを使用する場合や複数のアレイを作製する場合にも、合成オリゴヌクレオチドごと、スポットしたアレイごとについて、反応性基と担体表面との反応時間を一定にでき、均質なアレイを作製することが可能となる。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
スポット法によるマイクロアレイ作製では、一般的に、合成オリゴヌクレオチドが使用される。これらの合成オリゴヌクレオチドは、ホスホロアミダイド試薬を用いた自動合成が可能であり、担体表面と結合が可能な反応性基を容易に導入することができる。担体表面との結合に使用される反応性基には、アミノ基やチオール基などが一般に用いられ、これらの反応性基は活性が高く、特定の物質と高い効率で反応する。特に、チオール基は、マレイミド基を介した担体表面への固定化、金電極へのタンパク質の固定化など、バイオセンサーの分野で多用される。しかし、このチオール基は、目的の物質との反応以外にチオール基同士の反応による二量化などの副反応を引き起こす問題がある。このような副反応による反応性基の活性低下は、担体表面との反応を阻害する要因となる。特に、スポット法によるマイクロアレイの作製においては、複数の合成オリゴヌクレオチドを個別に溶解、定量を行う必要があるため、最初に溶解した合成オリゴヌクレオチドと最後に溶解した合成オリゴヌクレオチドで、溶解後からスポットに至るまでの時間が異なる。溶解後の時間が異なると、副反応による反応性基の活性低下の度合いに差が生じ、結果としてスポットごとの固定量に変動を与える要因となる。
本発明では、スポットごとの合成オリゴヌクレオチド固定量に変動を与える要因を排除し、均質なマイクロアレイを作製する方法を提供する。すなわち、副反応による反応性基の活性低下を排除するため、担体表面との反応に至るまで反応性基の活性を保つ必要がある。反応性基の活性を保つ手段として保護基を利用する。保護基とは、反応性基と結合することで対象の反応性基の副反応を防止する物質であり、反応終了後容易に除去できることが必要である。特に、マイクロアレイの場合においては、担体表面やオリゴヌクレオチドに悪影響を与えないマイルドな条件で除去が可能な保護基を用いることが望ましい。この担体表面に固定化するための反応性基に保護基を結合した合成オリゴヌクレオチドを溶解し、担体表面上にスポットする。この保護基が結合した合成オリゴヌクレオチドは、溶解後も保護基が結合しているため、副反応を回避することが可能である。そのため、溶解後からスポットに至るまでに時間差が生じた場合でも、時間差による固定量変動を無くすことが可能となる。次に、合成オリゴヌクレオチドをスポットしたドットに重なるように、保護基を除去することが可能な脱保護試薬をスポットする。脱保護試薬の供給により、合成オリゴヌクレオチドの反応性基に結合した保護基の除去が起こり、担体表面との反応が可能となる。担体表面との反応が可能な条件下で脱保護を行うため、反応性基が活性な状態になった直後から担体表面との反応が可能となる。よって従来のスポット法によるマイクロアレイ作製における課題であった、合成オリゴヌクレオチド溶解後からスポットまでの時間差に起因する反応性基の活性低下の影響を回避することが可能となる。スポットには、各溶液の混合を避けるために非接触型のスポット技術を用いる必要があるが、特に、インクジェット技術は微量液滴を正確に吐出することが可能であり、高価な合成オリゴヌクレオチドを多数使用するマイクロアレイにとって望ましい。続いて、活性化された反応性基を担体表面と結合するために湿潤環境下で一定時間静置した後、未反応物や脱保護試薬を洗浄し、マイクロアレイを得ることができる。
以上をまとめると、本発明の特徴は次のとおりである。
本発明は、機能性化合物を担体表面に固定化する方法に関するものであり、その工程は以下のとおりである:
(1)表面に反応性基を有する担体を提供する工程
(2)活性化された時に前記担体表面の反応性基と結合が可能な反応性基を有する、該反応性基に対して不活性化された機能性化合物を、前記担体表面に付与する工程
(3)担体表面の反応性基と前記機能性化合物の反応性基との結合が可能な条件下で、機能性化合物の反応性基を活性化する工程
(4)担体表面の反応性基と活性化された機能性化合物の反応性基を結合する工程
(5)担体表面を洗浄し、不要成分を除去する工程。
ここで、“機能的化合物”とは、特定の対象物質との特異的な相互作用により、センシングなどに応用できる化合物を意味し、例えばDNA、RNA、PNAおよびタンパク質を挙げることができる。本発明の固定化方法を用いると、スポッティングに使用する装置で活性化を行うことができ、均一なアレイを簡便かつ低コストで作製できる点で有利である。
機能性化合物を固定する担体は、ガラス、プラスチック、ポリマー、メンブレン、微粒子などを用いることができるが、特にインクジェット法でスポッティングを行う際の作業性の点でガラス、プラスチック、ポリマーが好ましい。
本発明では、担体表面との反応に至るまでの反応性基の活性を保つために機能性化合物を不活性化することを特徴としており、不活性化のためには保護基を用いる方法が好ましく用いられ、保護基の結合は例えばジスルフィド結合を挙げることができる。
続いて、不活性化された反応性基を、担体表面との反応が可能となり、さらに、本発明の特徴である、時間差による固定量変動を無くす、即ち活性低下の影響を回避することが可能なように、担体表面のとの反応が可能な条件下で活性化する。機能性化合物の活性化は、化学物質の付与、特定波長の光の照射等を挙げることができる。活性化のための化学物質の例として、ジチオスレイトール、メルカプトエタノールを挙げる事ができる。
上記の通り、担体表面上にスポットする手段として非接触型のスポット技術を用いることが好ましく、特に微量液滴を正確に吐出することができることから、インクジェット法を用いることが好ましく、とりわけマイクロアレイ作製の場合好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げ本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)マイクロアレイの作製
1−1 ガラス基板の洗浄
合成石英のガラス基板(サイズ:25mm×75mm×1mm、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリのラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩洗浄液中に浸した後20分間超音波洗浄を行った。続いて基板を取り出し超純水ですすいだ後、超純水中で20分間超音波洗浄を行った。次に80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間基板を浸した。再び純水洗浄と超純水洗浄とを行い、マイクロアレイ用の石英ガラス基板を用意した。
1−2 基板表面処理
シランカップリング剤KBM−603(信越シリコーン社製)を、1%の濃度となるように純水中に溶解し、2時間室温で攪拌した。続いて、先に洗浄したガラス基板をシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、超純水で表面を洗浄した後、窒素ガスを基板の両面に吹き付けて乾燥した。次に乾燥した基板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、カップリング剤処理を完結し、基板表面にアミノ基を導入した。次いで同仁化学研究所社製のN−マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide)(以下、EMCS)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解し、EMCS溶液を用意した。ベークが終了したガラス基板を放冷し、調製したEMCS溶液中に室温で2時間浸した。この処理により、シランカップリング剤によって表面に導入されたアミノ基とEMCSのスクシイミド基が反応し、ガラス基板表面にマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げたガラス基板を、先述のEMCSを溶解した混合溶媒を用いて洗浄し、さらにエタノールに洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥した。
1−3 合成オリゴヌクレオチドの合成
DNA合成業者(株式会社ベックス)に依頼して配列番号1および2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチドを合成した。配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドは1−2で表面処理を行ったガラス基板に結合するために5'末端側にリンカーを介してチオール基(SH)を結合した。配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドは、合成終了後、脱保護を行わず、保護基がジスルフィド結合を介して結合した状態のままで納入した。配列番号2に記載のオリゴヌクレオチドは、配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドに対して相補的な塩基配列を有し、5'末端に蛍光物質であるCy3を導入した。
配列番号1:5'HO(CH2)6 S-S(CH2)6OP(O2)O−CGTACGATCGATGTAGCTAGCATGC 3'
配列番号2:5'Cy3-GCATGCTAGCTACATCGATCGTACG 3'。
1−4 BJプリンターによるオリゴヌクレオチド溶液吐出、および基板への結合
グリセリン7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を用意した。続いて、先に用意した配列番号1、2に記載のオリゴヌクレオチドおよびジチオスレイトールを上記の混合溶媒にそれぞれ10μM、10mMとなるようにそれぞれ溶解した。得られたオリゴヌクレオチド溶液およびジチオスレイトール溶液をバブルジェットプリンター(商品名:BJF−850、キヤノン(株)製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。なお、ここで用いたバブルジェットプリンターは平板への印刷が可能なように改造を施したものである。またこのバブルジェットプリンターは、所定のファイル作成方法に従って印字パターンを入力することにより、約4ピコリットルのDNA溶液を約120マイクロメートルピッチでスポッティングすることが可能となっている。この改造バブルジェットプリンターを用いて、ガラス基板に対して配列番号1に記載のオリゴヌクレオチド溶液を印字した。続いて、ジチオスレイトール溶液を先の配列番号1に記載のオリゴヌクレオチド溶液を印字したドットに重ねて印字した。印字が確実に行われていることを確認した後、1時間加湿チャンバー内に静置後、ガラス基板表面のマレイミド基とオリゴヌクレオチド末端のチオール基との反応を行った。
1−5 洗浄
上記1時間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により表面に残ったオリゴヌクレオチド溶液およびジチオスレイトール溶液を洗い流し、ガラス基板表面に一本鎖核酸オリゴヌクレオチドが固定されたマイクロアレイを得た。
(2)標的核酸とのハイブリダイゼーション
上記(1)の過程で作製した配列番号1の配列を有するプローブを固定化したそれぞれの核酸アレイを40mM Tris−HCl(pH7.7)、4mM MgCl2溶液中に浸漬し、相補的な塩基配列を有する配列番号2の配列の核酸を0.25nMとなるように添加し、45℃で2時間ハイブリダイゼーション反応を行った。40mM Tris−HCl(pH7.7)で洗浄した後、窒素ガスを吹き付けて乾燥し、マイクロアレイ用蛍光スキャナー(Axon社製、GenePix 4000B)を用いて蛍光測定を行った(励起波長532nm、フォトマル電圧400V)。測定結果を表1に示す。表1中の蛍光輝度の数値は、ピクセル平均輝度(解像度5μm)を示した。
Figure 2007155530
表1から、各ドットの蛍光輝度が一定であり、均質なマイクロアレイが作製できたことが示された。なお、配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドは、担体表面で脱保護された際、切断された保護基もチオール基を有するため、単体表面に結合することが考えられるが、表1の結果から、配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドも均一に固定化されていることが示されており、マイクロアレイの品質に影響しないことがわかった。
(実施例2)
実施例1にて作製したガラス基板に対して、ガラス基板上に印字が可能なように改造したバブルジェットプリンターを用いて、ジチオスレイトール溶液を印字した。続いて、配列番号1に記載のオリゴヌクレオチド溶液を先に印字したジチオスレイトールのドットに重ねて印字した。印字後の処理、配列番号2に記載のオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション反応など以降の工程は実施例1と同様に行った。ハイブリダイゼーション後の基板を蛍光スキャナーでスキャンした結果を表2に示す。
Figure 2007155530
表2から、各ドットの蛍光輝度が一定であり、均質なマイクロアレイが作製できたことが示された。

Claims (16)

  1. 機能性化合物を担体表面に固定化する方法であって、
    (1)表面に反応性基を有する担体を提供する工程
    (2)活性化された時に前記担体表面の反応性基と結合が可能な反応性基を有する、該反応性基に対して不活性化された機能性化合物を、前記担体表面に付与する工程
    (3)担体表面の反応性基と前記機能性化合物の反応性基との結合が可能な条件下で、機能性化合物の反応性基を活性化する工程
    (4)担体表面の反応性基と活性化された機能性化合物の反応性基を結合する工程
    (5)担体表面を洗浄し、不要成分を除去する工程
    を含む方法。
  2. 前記機能性化合物の反応性基の不活性化が保護基の結合である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記保護基の結合がジスルフィド結合である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記(3)の工程において、機能性化合物の反応性基の活性化が化学物質の付与により行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記化学物質がジチオスレイトールまたはメルカプトエタノールである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記(2)の工程において、機能性化合物の付与が非接触型スポッティング法により行われる、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記化学物質の付与が非接触型スポッティング法により行われる、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記非接触型スポッティング法がインクジェット法により行われる、請求項6または7に記載の方法。
  9. 機能性化合物を担体表面に固定化する方法であって、
    (1)表面に反応性基を有する担体を提供する工程
    (2)前記担体表面の反応性基と共有結合が可能な反応性基が不活性化された機能性化合物を活性化することが可能な化学物質を前記担体表面に付与する工程
    (3)担体表面の反応性基と機能性化合物の反応性基との結合が可能な条件下で、前記化学物質が付与された担体表面に反応性基が不活性化された機能性化合物を付与する工程
    (4)担体表面の反応性基と活性化された機能性化合物の反応性基とを結合する工程
    (5)担体表面を洗浄し、不要成分を除去する工程
    を含む方法。
  10. 機能性化合物の反応性基の不活性化が保護基の結合である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記保護基の結合がジスルフィド結合である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記化学物質がジチオスレイトールまたはメルカプトエタノールである、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記化学物質および前記機能性化合物の付与が非接触型スポッティング法により行われる、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記非接触型スポッティング法がインクジェット法である請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記機能性化合物がDNA、RNA、PNAまたはタンパク質である請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記担体がガラス、プラスチックまたはポリマーである請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
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