JP2007154389A - 衛生用薄葉紙の製造方法および衛生用薄葉紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛生用薄葉紙表面の滑らかさを向上させる。
【解決手段】所定のアミドアミン化合物を含む溶液を、坪量10〜35g/m2の薄葉紙に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%外添することを特徴とする衛生用薄葉紙の製造方法および衛生用薄葉紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、ティシュペーパー、トイレットペーパー等の衛生用薄葉紙に関する。特に、滑らかな表面特性を有する衛生用薄葉紙に関する。
ティシュペーパー、トイレットペーパー等の衛生用薄葉紙は、肌の清拭、鼻かみなどに用いられることが多々あり、かかる使用時には肌と摺れることになるため、表面の滑らかさが高いことが要求される。
そこで、従来、衛生用薄葉紙の滑らかさを高めるために、流動パラフィン等の油性物質や界面活性剤を薄葉紙の表裏面にコーティングする、あるいは原料パルプに内添する、ことが行われてきた。
特開平07−216786 特開平05−049551 特開2001−262489
しかしながら、製造者においては、流動パラフィンや界面活性剤以上に製造が容易となる製造方法が求められており、また、需要者においては衛生用薄葉紙のさらなる滑らかさ向上が求められている。
また、内添では、原料パルプ全体に薬品が行き亘り、紙表面の改質を選択的に行うことが困難であるだけでなく、内添した薬品の影響により、抄造段階で系内の汚れやクレーピング(紙にちりめん状のシワを付与すること)の不安定さにより紙切れが起こり易い等のトラブルが生じていた。このことから外添による製造方法が求められていた。
そこで、本発明の主たる課題は、製造を容易にしかつコスト安にするとともに、滑らかさがより向上された衛生用薄葉紙を提供することにある。
上記課題を解決した本発明およびその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物またはその塩よりなるアミドアミン化合物を含む溶液を、坪量10〜35g/m2の薄葉紙に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%外添することを特徴とする衛生用薄葉紙の製造方法。
式(1)・・・R1COOH
式(1)においては、R1COは、炭素数10〜24のアシル基を示す。
Figure 2007154389
式(2)においては、nは、0〜2であり、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、R3,R4,R5、R6は、水素原子、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基であり、かつ、R3,R4,R5、R6の少なくとも一つは、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基である。ただし、n=0のときは、R3、R4、R5、R6の少なくとも一つは水素原子またはヒドロキシアルキル基である。
(作用効果)
本請求項1記載の発明にかかるアミドアミン化合物は、流動パラフィンや界面活性剤と比較して取り扱い性に優れる。しかも、抄紙後の基紙に外添するだけで、表面の滑らかさを格段に向上させる。従って、製造が容易となるとともに、表面の滑らかさが格段に向上された衛生用薄葉紙が提供される。
<請求項2記載の発明>
式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物またはその塩よりなるアミドアミン化合物を含む溶液を、坪量10〜35g/m2の薄葉紙に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%外添することを特徴とする衛生用薄葉紙の製造方法。
式(3)・・・R7COOH
式(3)においては、R7COは、炭素数10〜24のアシル基を示す。
Figure 2007154389
式(4)においては、nは、1〜3であり、R8は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、R9,R10は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。
(作用効果)
本請求項2記載の発明にかかるアミドアミン化合物は、流動パラフィンや界面活性剤と比較して取り扱い性に優れる。しかも、抄紙後の基紙に外添するだけで、表面の滑らかさを格段に向上させる。従って、製造が容易となるとともに、表面の滑らかさが格段に向上された衛生用薄葉紙が提供される。
<請求項3記載の発明>
薄葉紙への外添に先立って前記溶液中に、保湿剤、柔軟剤、填料の少なくとも一つを添加する請求項1または2記載の衛生用薄葉紙の製造方法。
(作用効果)
薄葉紙への外添に先立って前記溶液中に、保湿剤、柔軟剤、填料することにより、保湿性の向上、柔軟性の向上、不透明度の向上およびさらなる表面の滑らかさの向上がなされる。
<請求項4記載の発明>
請求項1〜3の何れかに記載の方法により得られることを特徴とする衛生用薄葉紙。
(作用効果)
製造が容易であり、表面の滑らかさが格段に向上された低コストの衛生用薄葉紙が提供される。
本発明によれば、製造が容易となり、しかもコスト安であり、さらに滑らかさがより向上された衛生用薄葉紙を提供される。
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。
本形態にかかる衛生薄葉用紙は、例えば、1プライ、2プライでインターホールド状態で複数枚が折り畳まれてなる薄葉紙群が、いわゆる上面に取り出し口が形成されているカートン箱に箱詰され、使用時にカートン箱上面の取り出し口から最上位の衛生用薄葉紙を引き取ると、次の衛生用薄葉紙が引き出されるいわゆるポップアップ式の製品形態を採ることができる。
かかる本形態の衛生用薄葉紙は、所定のアミドアミン化合物を含む溶液が外添されている。以下、当該外添用の溶液の相違により第1の実施の形態、第2の実施の形態に分けて詳述する。
(第1の実施の形態:請求項1の発明に対応)
第1の実施の形態を説明する。第1の形態の衛生用薄葉紙は、式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物またはその塩よりなるアミドアミン化合物を含む外添用の溶液を、坪量10〜35g/m2の薄葉紙に対して外添してなる衛生用薄葉紙である。
式(1)・・・R1COOH
Figure 2007154389
溶液が付与される薄葉紙としては、ティシュペーパーあるいはトイレットペーパー等の特に肌の清拭用途に用いられている既知の薄葉紙を用いることができる。基紙の原料は、特に限定されず、適宜の原料を使用することができる。原料として、パルプ繊維を使用する場合、このパルプ繊維(原料パルプ)としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
パルプ繊維等の原料は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、基紙とする。この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
前記基紙の米坪としては、JIS P 8124の米坪測定方法において、10〜35g/m2となるのが好ましい。なぜなら、10g/m2未満では、肌に触れたときの柔らかさの向上の観点からは好ましいものの強度を適正に担保することが困難となり、35g/m2超では、硬くなりすぎて、肌触りが悪いものとなるからである。
一方、本形態にかかる前記式(1)で示される化合物は、炭素数10〜24の飽和または不飽和カルボン酸であり、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸等の1種または2種以上の混合物や、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、なたね油脂肪酸、トール油脂肪酸等の混合脂肪酸が挙げられる。好ましくは、炭素数12〜22の飽和または不飽和の脂肪酸、より好ましくは炭素数14〜18の飽和または不飽和の脂肪酸である。炭素数が10より小さい場合は、嵩高性向上効果が弱くなり、炭素数が24より大きい場合、外添用溶液の取り扱いが困難になるので好ましくない。
他方、本形態にかかる前記式(2)で示される化合物においては、nは、0〜2であり、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、R3,R4,R5、R6は、水素原子、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基であり、かつ、R3,R4,R5、R6の少なくとも一つは、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基である。ただし、n=0のときは、R3、R4、R5、R6の少なくとも一つは水素原子またはヒドロキシアルキル基である。すなわち本形態における式(2)で示される化合物は分子中に少なくとも1つのヒドロキシアルキル基と2つ以上のアミノ基とを有する化合物である。
なお、炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、好ましくはエチレン基である。炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基としては、具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基等が挙げられる。炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
本形態にかかるアミドアミン化合物である、式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物との縮合物は、例えば以下のようにして得ることができる。窒素ガス雰囲気下、反応器中に式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを仕込み、攪拌しながら昇温し、生成水を除去しながら数時間反応させることにより、目的とする縮合物を得る。その際、使用する式(1)で示される化合物の量は、式(2)で示される化合物に対して、好ましくは0.8〜4倍モルであり、より好ましくは0.9〜2倍モルである。
式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物は、そのまま外添用溶液に混合して使用することができるが、無機酸あるいは有機酸と反応させて塩としてから使用することができる。塩とするとより取り扱いが容易になる。この場合において使用する無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。また有機酸としては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、酪酸、シユウ酸、マロン酸、イタコン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、クエン酸、ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、乳酸、サリチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。これらの中では、有機酸が好ましく、その中でも蟻酸、酢酸およびプロピオン酸が好ましい。塩として使用する場合、縮合物の全アミン価を測り、全アミン価と当量の有機酸、無機酸を添加して、縮合物の塩とする。
なお上述のとおり、本形態にかかる外添用の溶液は、薄葉紙に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%、好適には0.05〜10重量%が外添されることが望ましい。0.005重量%未満であると、滑らかさ向上の効果が発現せず、50重量%を超えて用いても、べたついて操業上の不具合が生じ易くなりばかりでなく、コスト高となるので望ましくない。
一方、本形態にかかる前記外添用溶液中には、保湿剤を添加するのが望ましい。保湿剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリシン、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビット、1,3−ブチレングリコール、えちれんグリコール、ジエチレングリコール、果糖、ブドウ糖、オリゴ糖、オリゴ糖アルコール、マルチトール、トレハロース、還元澱粉加水分解物、グリシンベタイン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩、乳酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、取り扱い性に優れ、コスト安であることからプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが特に好適である。
他方、本形態にかかる前記外添用溶液中には、柔軟剤を含有せしめるのが望ましい。柔軟剤としては、ティシュペーパー、トイレットペーパー等の従来既知のこの種の衛生薄葉用紙に用いられている柔軟剤を適宜の量使用することができる。なかでも、好適な具体例として、第4級アンモニウム塩、リン酸エステルが挙げられる。
他方、本形態にかかる外添用溶液中には、填料を添加することができる。填料としては、表面の滑りを向上させて肌触りを滑らかにする粉末状成分が好ましく、例えば、シリコンパウダー、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、加工澱粉、コーンスターチ、小麦粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉、小麦粉タンパク質などが挙げられる。なかでも、肌触り感を特に滑らかにすることからシリコンパウダー、タルクが特に好適である。
上記に掲げた、保湿剤、柔軟剤、填料は、薄葉紙への外添に先立って外添用の溶液中に混合あるいは溶解させればよくその添加順序は特に限定されない。また、保湿剤、柔軟剤および填料の使用量は、用いる薬品種に応じて従来既知の使用量や使用法および薄葉紙の坪量等に応じて適宜変更する。
溶液の薄葉紙への外添形態としては、例えば、当該外添用の溶液を抄紙後の薄葉紙(原紙)に印刷、塗布、散布することが挙げられる。ただし、薄葉紙の坪量が低いことから、コーター等の既知の塗工機による塗布よりも、スプレー散布および印刷機による印刷がより好適であり、グラビヤロールまたはフレキソロールを用いたグラビヤ印刷、フレキソ印刷によって肌転写物を基紙に印刷して形成するのが、特に好適である。
外添用溶液の薄葉紙への塗布あるいは散布量は、基紙となる薄葉紙重量に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%となるように塗布するのが好適である。なお、グラビヤ印刷による場合には、グラビヤロールの溝深さや線数を変えることによりまたフレキソ印刷の場合はアニロックスロールの溝深さや線数や印刷パターンの形状を変えることにより、また品質改良剤の溶解液濃度を変えることにより塗布量を変えることができる。塗布ムラや塗布ロールへのウェブの付着などのトラブルを避ける意味で塗布する肌転写物溶液の粘度が40℃、200mPa.S(200cps)以下であることが望ましい。
また、本形態においては製紙工程において一般的に外添剤として用いられる、ポリアクリルアミド、植物グァム等の紙力増強剤、アルキルケテンダイマー、ロジン等のサイズ剤を併用することも可能である。この場合には、当該外添用の溶液に混合せしめてもよいし、別途に塗布等して薄葉紙に付与することができる。
(第2の実施の形態:請求項2の発明に対応)
次いで、第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と相違するところは、外添用の溶液中に含まれるアミドアミン化合物の構成のみであり、基紙となる薄葉紙の構成、保湿剤、柔軟剤、填料、溶液の外添形態は第1の実施の形態と同様であるのでここでは説明は省略する。
第2の形態にかかる衛生用薄葉紙は、式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物またはその塩よりなるアミドアミン化合物を含む溶液を、坪量10〜35g/m2の薄葉紙に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%外添しなる衛生用薄葉紙である。
式(3)・・・R7COOH
Figure 2007154389
前記式(3)においては、R7COは、炭素数10〜24のアシル基を示す。すなわち、本形態における式(3)で示される化合物は炭素数10〜24のカルボン酸であり、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸等の1種または2種以上の混合物や、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、なたね油脂肪酸、トール油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、カカオ油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸等の天然油脂由来の混合脂肪酸およびこれらの水素添加物が挙げられる。好ましくは、炭素数12〜22の飽和または不飽和の脂肪酸、より好ましくは炭素数14〜18の飽和または不飽和の脂肪酸である。炭素数が10より小さい場合は、嵩高性と吸油性の向上効果が弱くなり、炭素数が24より大きい場合、外添用溶液の取り扱いが困難になるので好ましくない。
また、式(3)で示される化合物は、炭素数16〜24の不飽和カルボン酸を20〜100重量%含むことで、外添用溶液の取り扱い性が良好になるとともに、滑らかさの向上効果も向上する。不飽和カルボン酸としてはパルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸およびこれらの不飽和カルボン酸を20〜100重量%含む天然の混合脂肪酸である大豆油脂肪酸、パーム油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、カカオ油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸等が挙げられる。より好ましくは、大豆油脂肪酸、オレイン酸、エルカ酸である。
一方、前記式(4)においては、nは、1〜3であり、R8は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、R9,R10は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。すなわち本形態における前記式(4)で示される化合物は分子中に少なくとも3つ以上のアミノ基を有する化合物である。なお、炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ブチレン基が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。また、炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
本形態にかかるアミドアミン化合物である、式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物は、例えば以下のようにして得ることができる。窒素ガス雰囲気下、反応器中に式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物とを仕込み、攪拌しながら昇温し、生成水を除去しながら数時間反応させることにより、目的とするアミド化物を得る。その際、使用する式(3)で示される化合物の量は、式(4)で示される化合物に対して1.5〜3.3倍モルであり、好ましくは、1.8〜3.1倍モルである。
式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物とを反応させて得られるアミドアミン化合物は、そのまま外添用溶液に混合して使用することができるが、無機酸あるいは有機酸と反応させて塩としてから使用することができる。塩とするとより取り扱いが容易になる。この場合において、使用する無機酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。また、有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、酪酸、シユウ酸、マロン酸、イタコン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、クエン酸、ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、乳酸、サリチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。これらの中では、有機酸が好ましく、その中でも蟻酸、酢酸およびプロピオン酸が特に好ましい。塩として使用する場合、アミド化物の全アミン価を測り、全アミン価と当量の有機酸または無機酸を添加して、アミドアミン化合物の塩とする。
次に、本発明の実施例を説明する。
式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物又は縮合物を有機酸(蟻酸、酢酸)と反応させて得られる塩よりなるアミドアミン化合物を含む溶液の水分を除く有効成分の含有量を変えて、評価者を50人とする官能評価(滑らかさ・べたつき・総合評価)を行った。条件及び結果を表1に示した。
なお、「滑らかさ」及び「べたつき」については、最も良いと感じた場合を5とし、順に数値を下げ、最も悪いと感じた場合を1とする5段階評価とした。他方、「総合評価」については、良いと感じた場合を○、普通と感じた場合を△、悪いと感じた場合を×とする3段階評価とした。
表中のMMDとは、KES試験機を使用した表面特性における摩擦係数の平均偏差で表される平滑性のことで、具体的には、この表面特性の試験には、カトーテック株式会社製「摩擦感テスター KES SE」を用いることができる。測定に際しては、横断面直径0.5mmのピアノ線からなり、その接触面積が10mm四方である摩擦子を、100mm四方に切った本件薄葉紙1枚の紙試料に10gの接触圧で接触させながら、移動方向に20g/cmの張力を紙試料に与えつつ、0.1cm/秒の速度で2cm移動させたときの摩擦係数を測定する。すなわち、摩擦係数の平均偏差MMDは、摩擦子を移動させたときの表面厚さの変動量の面積を移動距離(2cm)で割り算した値である。ここでは、このMMDは滑らかさに対応する。数値が小さいほど滑らかであることを示す。
また表中の引張強度とは、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度であり、本件薄葉紙を2枚重ね(2プライ)で測定し、縦方向150cN/25mm以上、特に280〜310cN/25mm、横方向40cN/25mm以上、特に60〜80cN/25mmのものを用いるのが好ましい。乾燥引張強度が低すぎると、製造時に破れや伸び等のトラブルが発生し易くなり、高過ぎると使用時にごわごわした肌触りとなる。
さらに表中のソフトネスとは、ハンドルオメータ法(JIS L−1096 E法)により測定される剛軟性のことで、具体的には、この表面特性の試験には、熊谷理機工業株式会社製「ハンドルオメータ(デジタル表示型)」を用いることができる。測定に際しては、幅5.0mmの隙間に、本件薄葉紙1枚の10cm幅を端子により押し込む時の抵抗値(縦横平均値)を表すものであり、柔らかさに対応する。数値が小さいほど柔らかいことを示す。
Figure 2007154389
また、式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物又は縮合物を有機酸(蟻酸、酢酸)と反応させて得られる塩よりなるアミドアミン化合物を含む溶液の水分を除く有効成分の含有量を変えて、評価者を50人とする官能評価(滑らかさ・べたつき・総合評価)を行った。条件及び結果を表2に示した。測定条件及び方法については、実施例1と同様に行った。
Figure 2007154389
本発明は、衛生用薄葉紙のほか、清拭用の不織布など肌に触れる用途に用いるシート状物にも利用可能である。

Claims (4)

  1. 式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物またはその塩よりなるアミドアミン化合物を含む溶液を、坪量10〜35g/m2の薄葉紙に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%外添することを特徴とする衛生用薄葉紙の製造方法。
    式(1)・・・R1COOH
    式(1)においては、R1COは、炭素数10〜24のアシル基を示す。
    Figure 2007154389
    式(2)においては、nは、0〜2であり、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、R3,R4,R5、R6は、水素原子、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基であり、かつ、R3,R4,R5、R6の少なくとも一つは、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基である。ただし、n=0のときは、R3、R4、R5、R6の少なくとも一つは水素原子またはヒドロキシアルキル基である。
  2. 式(3)で示される化合物と式(4)で示される化合物とを反応させて得られる縮合物またはその塩よりなるアミドアミン化合物を含む溶液を、坪量10〜35g/m2の薄葉紙に対して、水分を除く有効成分で0.005〜50重量%外添することを特徴とする衛生用薄葉紙の製造方法。
    式(3)・・・R7COOH
    式(3)においては、R7COは、炭素数10〜24のアシル基を示す。
    Figure 2007154389
    式(4)においては、nは、1〜3であり、R8は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、R9,R10は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。
  3. 薄葉紙への外添に先立って前記溶液中に、保湿剤、柔軟剤、填料の少なくとも一つを添加する請求項1または2記載の衛生用薄葉紙の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法により得られることを特徴とする衛生用薄葉紙。
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