JP2007154033A - 塗料組成物及び塗装成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳肌調の意匠性を発揮させることができる塗料組成物及び塗装成形品を提供する。
【解決手段】塗料組成物は、塗膜12の形成要素となる樹脂成分と、塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともにロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子15とを含有している。塗装成形品は、樹脂成形体11と、樹脂成形体11の表面を被覆する塗膜12とを備えている。塗膜12には、同塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともにロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子15とが分散されている。塗膜12の表面におけるSV(ScatterValue)は60以上、かつ光沢度は10以下である。樹脂成形品は、塗膜12を最外層として構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】塗料組成物は、塗膜12の形成要素となる樹脂成分と、塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともにロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子15とを含有している。塗装成形品は、樹脂成形体11と、樹脂成形体11の表面を被覆する塗膜12とを備えている。塗膜12には、同塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともにロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子15とが分散されている。塗膜12の表面におけるSV(ScatterValue)は60以上、かつ光沢度は10以下である。樹脂成形品は、塗膜12を最外層として構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂成形体に塗装するための塗料組成物、及びその樹脂組成物によって塗装が施された塗装成形品に関する。
車両の内装や電化製品等を構成する樹脂成形体には、意匠性を向上させるために塗装が施されている。こうした塗装によって形成される塗膜には、例えば光輝感が要求されることがある。一般に、塗膜中に含有する光輝性顔料によって、塗膜の光輝性は発揮される。さらに、塗膜表面におけるつや消し効果を得るためには、塗膜中にシリカ等のつや消し剤を含有させている。一方、金属に塗布されるつや消し塗料としては、樹脂粒子を添加したものが知られている(特許文献1参照)。
特開2001−342428号公報
ところで、樹脂成形体に塗装が施された塗装成形品には、その塗装によって形成される塗膜によって、多様な意匠性が発揮されるようになる。すなわち、樹脂成形のみでは得られない意匠性が塗膜によって表現されるようになる。例えば、樹脂成形体を基材として、その表面が塗装によって金属調に仕上げられることで、得られる塗装成形品の意匠性が高められる。特に、鋳物の表面に類似した鋳肌調の表面を有する塗装成形品では、樹脂製品としての軽量性を維持しつつ、重厚感が得られるといった新たな意匠性が発揮されるようになる。そこで、本発明者らは、こうした鋳肌調の意匠性を、光輝性とつや消し性とを兼ね備える塗膜によって表現しようと試みた。ところが、図2に示すように塗膜21中に光輝性顔料22と、つや消し剤としてのシリカ23を含有させることにより、塗膜に対して光輝性及びつや消し性を付与しようとした場合、光輝性顔料への光の到達は塗膜中のつや消し剤によって阻害されることになる。すなわち、塗膜につや消し感を付与しようとすると、光輝感が得られなくなるため、鋳肌調の意匠性を発揮させるのは困難であるという問題があった。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、鋳肌調の意匠性を発揮させることのできる塗料組成物及び塗装成形品を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の塗料組成物は、塗膜の形成要素となる樹脂成分と、前記塗膜に光輝性を付与する光輝性顔料とを含有し、樹脂成形体に塗装を施すための塗料組成物であって、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともに、ロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子を含有することを要旨とする。
この構成によれば、塗料組成物に含有される樹脂粒子によって、凹凸状の表面を有した塗膜を形成することができる。このため、塗膜の表面に照射する光の一部が、その表面で乱反射することにより、塗膜の表面における光沢が抑えられる結果、つや消し感が得られる。さらに、樹脂粒子はヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されている。このため、形成された塗膜の表面から入射する入射光が樹脂粒子を透過することにより、塗膜に含有される光輝性顔料へ到達するに際して、その入射光は高い透過率で樹脂粒子を透過する。この結果、光輝性顔料に入射光が到達し易くなるため、こうした凹凸状の表面を有することにより塗膜中への光の入射量が減少する塗膜であっても、光輝性顔料による光輝性が十分に発揮される。さらに、樹脂粒子のロックウェル硬度がMスケールで95以上であることにより、塗膜の硬さを維持させることができるとともに、その塗膜において鋳肌のような硬さを有する触感が十分に得られる。加えて、この塗料組成物によれば、単一の層によって、つや消し感と光輝性とを発揮させることができるため、樹脂成形体に対する塗装を簡素化することもできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗料組成物において、前記樹脂粒子として、平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子を含有することを要旨とする。
この構成によれば、塗膜の表面が一層粗い凹凸状に形成されるため、より高いつや消し効果が得られる。さらに、この塗膜の表面には鋳肌のような凹凸感を有する触感が付与される。
この構成によれば、塗膜の表面が一層粗い凹凸状に形成されるため、より高いつや消し効果が得られる。さらに、この塗膜の表面には鋳肌のような凹凸感を有する触感が付与される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の塗料組成物において、前記光輝性顔料が金属材料からなることを要旨とする。
この構成によれば、優れた光輝性が得られるようになる。
この構成によれば、優れた光輝性が得られるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の塗料組成物において、着色顔料とポリオレフィンワックスとをさらに含有することを要旨とする。
この構成によれば、着色顔料によって例えば鋳肌のような色調を表現するに際して、ポリオレフィンワックスによって塗膜表面の滑り性が向上されることで、色落ちを抑制することができる。
この構成によれば、着色顔料によって例えば鋳肌のような色調を表現するに際して、ポリオレフィンワックスによって塗膜表面の滑り性が向上されることで、色落ちを抑制することができる。
請求項5に記載の発明の塗装成形品は、基材となる樹脂成形体と、該樹脂成形体の少なくとも一部を被覆する塗膜とを備えた塗装成形品であって、前記塗膜は樹脂成分を形成要素とするとともに、その塗膜には該塗膜に光輝性を付与する光輝性顔料と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともにロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子と、が分散されてなり、前記塗膜の表面におけるSV(Scatter value)が60以上、かつ光沢度が10以下であるとともに、前記塗膜を最外層として構成したことを要旨とする。
この構成によれば、塗膜に分散している樹脂粒子によって凹凸状の表面を有する塗膜では、その塗膜の表面に照射する光の一部がその表面で乱反射するため、塗膜の表面における光沢が抑えられる。すなわち、塗膜の表面における光沢度が10以下であることにより、つや消し感が十分に得られる。さらに、塗膜に分散している樹脂粒子はヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されている。このため、塗膜の表面から入射する入射光が樹脂粒子を透過することにより、塗膜に分散した光輝性顔料へ到達するに際して、その入射光は高い透過率で樹脂粒子を透過する結果、光輝性顔料に入射光が到達し易くなる。すなわち、塗膜の表面におけるSVが60以上であることによって、こうした凹凸状の表面を有することにより塗膜中への光の入射量が減少する塗膜であっても、光輝性顔料による光輝性が十分に発揮される。さらに、樹脂粒子のロックウェル硬度がMスケールで95以上であることにより、塗膜の硬さを維持させることができるとともに、その塗膜において鋳肌のような硬さを有する触感が十分に得られる。加えて、この塗膜によれば、単一の層によって、つや消し感と光輝性とを発揮させるため、塗装成形品における塗膜の構成を簡略化することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の塗装成形品において、前記塗膜には、前記樹脂粒子として平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子が含まれることにより、該塗膜の表面における算術平均粗さが17以上に形成されていることを要旨とする。
この構成によれば、塗膜の表面が一層粗い凹凸状に形成されるようになる。すなわち、塗膜の表面における算術平均粗さが17以上に形成されていることによって、塗膜の表面に照射する光はさらに乱反射されるとともに、塗膜の表面には鋳肌のような凹凸感を有する触感が付与される。
本発明によれば、鋳肌調の意匠性を発揮させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、塗装成形品は基材となる樹脂成形体11と、この樹脂成形体11の表面を被覆する塗膜12とを備えている。塗膜12は、樹脂部13を形成要素として薄膜状に形成されているとともに、この塗膜12中には、塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、アクリル系樹脂からなる樹脂粒子15とが分散されている。この塗膜12は、塗装成形品の最外層を構成することで、塗装成形品は塗膜12の表面である意匠面を有している。この塗装成形品は、塗膜12の表面、すなわち意匠面によって、鋳肌調の意匠性が発揮される。この塗膜12を形成するための塗料組成物について詳細に説明する。
図1に示すように、塗装成形品は基材となる樹脂成形体11と、この樹脂成形体11の表面を被覆する塗膜12とを備えている。塗膜12は、樹脂部13を形成要素として薄膜状に形成されているとともに、この塗膜12中には、塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、アクリル系樹脂からなる樹脂粒子15とが分散されている。この塗膜12は、塗装成形品の最外層を構成することで、塗装成形品は塗膜12の表面である意匠面を有している。この塗装成形品は、塗膜12の表面、すなわち意匠面によって、鋳肌調の意匠性が発揮される。この塗膜12を形成するための塗料組成物について詳細に説明する。
<塗料組成物>
塗料組成物は、塗膜12の形成要素となる樹脂成分と、塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなる樹脂粒子15とを含有している。なお、樹脂粒子15を構成するアクリル系樹脂のヘイズ値は、1.0%以下であることがより好ましい。また、この樹脂粒子15のロックウェル硬度は、Mスケールで95以上である。さらに、本実施形態の塗料組成物には、着色顔料と、スリップ剤であるポリオレフィンワックスが含有されている。
塗料組成物は、塗膜12の形成要素となる樹脂成分と、塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなる樹脂粒子15とを含有している。なお、樹脂粒子15を構成するアクリル系樹脂のヘイズ値は、1.0%以下であることがより好ましい。また、この樹脂粒子15のロックウェル硬度は、Mスケールで95以上である。さらに、本実施形態の塗料組成物には、着色顔料と、スリップ剤であるポリオレフィンワックスが含有されている。
(樹脂成分)
塗膜12の形成要素となる樹脂成分は、特に限定されず、塗料組成物が適用される樹脂成形体11の材質等や塗膜12に要求される硬度等に応じて適宜選択すればよい。この樹脂成分としては、例えばセルロース系樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
塗膜12の形成要素となる樹脂成分は、特に限定されず、塗料組成物が適用される樹脂成形体11の材質等や塗膜12に要求される硬度等に応じて適宜選択すればよい。この樹脂成分としては、例えばセルロース系樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの樹脂成分の中でも、塗膜12の強度が十分に得られ易いため、耐擦傷性を高めることができるという観点から、アクリルウレタン系樹脂が好ましい。アクリルウレタン系樹脂としては特に限定されず、市販品を使用することができる。アクリルウレタン系樹脂としては、例えばアクリルポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物、官能基を有するアクリル樹脂と官能基を有するウレタン樹脂とを架橋させた架橋生成物等が挙げられる。
アクリルウレタン樹脂を形成するアクリルモノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。
アクリルウレタン樹脂を形成するイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、塗料組成物のベースとなるベース塗料の形態としては、特に限定されず、例えば樹脂成分が溶剤に溶解した溶剤型塗料、樹脂成分が水を主成分とする分散媒に分散したエマルション型塗料等の形態を採用することができる。溶剤型塗料の溶剤としては、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤等が挙げられる。エマルション型塗料の分散媒としては、水の他に、水と水溶性有機溶剤との混合物が挙げられる。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類等が挙げられる。
塗料組成物中における樹脂成分の含有量は特に限定されないが、塗膜12の厚さを調整し易い等の観点から、好ましくは1〜50質量%である。
(光輝性顔料)
光輝性顔料14は、塗料組成物から形成される塗膜12に光輝性を付与するために含有される。光輝性顔料14としては、特に限定されず、鱗片状や粉末状をなす公知の光輝性顔料14を使用することができる。光輝性顔料14の材質としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケル合金、ステンレス鋼、チタン等の金属、マイカ、シリカ、アルミナ等の金属酸化物等が挙げられる。なお、光輝性顔料14を構成する材質は単独種であっても、複合されていてもよい。また、着色された着色光輝性顔料であってもよいし、表面が金属酸化物等の被膜によって覆われた表面被覆光輝性顔料であってもよい。着色光輝性顔料としては、着色アルミニウムフレーク顔料等が挙げられ、表面被覆光輝性顔料としては例えば金属や二酸化チタンで被覆されたガラスフレーク顔料、金属酸化物で被覆されたアルミナフレーク顔料、金属酸化物で被覆されたシリカフレーク顔料等が挙げられる。これらの光輝性顔料14の中でも、優れた光輝性が発揮され易いという観点から、好ましくは金属材料からなる顔料、より好ましくはアルミニウムフレークである。
(光輝性顔料)
光輝性顔料14は、塗料組成物から形成される塗膜12に光輝性を付与するために含有される。光輝性顔料14としては、特に限定されず、鱗片状や粉末状をなす公知の光輝性顔料14を使用することができる。光輝性顔料14の材質としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケル合金、ステンレス鋼、チタン等の金属、マイカ、シリカ、アルミナ等の金属酸化物等が挙げられる。なお、光輝性顔料14を構成する材質は単独種であっても、複合されていてもよい。また、着色された着色光輝性顔料であってもよいし、表面が金属酸化物等の被膜によって覆われた表面被覆光輝性顔料であってもよい。着色光輝性顔料としては、着色アルミニウムフレーク顔料等が挙げられ、表面被覆光輝性顔料としては例えば金属や二酸化チタンで被覆されたガラスフレーク顔料、金属酸化物で被覆されたアルミナフレーク顔料、金属酸化物で被覆されたシリカフレーク顔料等が挙げられる。これらの光輝性顔料14の中でも、優れた光輝性が発揮され易いという観点から、好ましくは金属材料からなる顔料、より好ましくはアルミニウムフレークである。
塗料組成物中における光輝性顔料14の含有量は、樹脂成分と光輝性顔料14との合計質量に対して、光輝性顔料14が好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜28質量%、さらに好ましくは3〜25質量%である。この光輝性顔料14の含有量が1質量%未満であると、十分な光輝性が得られないおそれがある。一方、光輝性顔料14の含有量が30質量%を超えると、光輝性が高くなりすぎることで、かえって鋳肌感が得られにくくなったり、塗膜12の強度や耐久性が低下したりするおそれがある。
(樹脂粒子)
樹脂粒子15は、塗膜12の表面を凹凸状に形成するために含有される。この樹脂粒子15は、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されているため、透明性(可視光の透過性)に優れている。さらに、ヘイズ値が1.0%以下のアクリル系樹脂を用いれば、透明性がより優れる。このヘイズ値の下限は、特に限定されないが、アクリル系樹脂の特性を考慮すると、0.1%以上である。なお、このヘイズ値は、JIS K 7105−1981に準拠して測定されたヘイズ値をいう。このヘイズ値が1.5%を超えると、塗膜12の表面から入射する光が塗膜12の内部まで十分に到達しないため、光輝性顔料14による光輝性が発揮されない。すなわち、樹脂粒子15は、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されることで、塗膜12の表面から入射した光は、光輝性顔料14まで十分に到達する結果、塗膜12の光輝性が発揮されることになる。
樹脂粒子15は、塗膜12の表面を凹凸状に形成するために含有される。この樹脂粒子15は、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されているため、透明性(可視光の透過性)に優れている。さらに、ヘイズ値が1.0%以下のアクリル系樹脂を用いれば、透明性がより優れる。このヘイズ値の下限は、特に限定されないが、アクリル系樹脂の特性を考慮すると、0.1%以上である。なお、このヘイズ値は、JIS K 7105−1981に準拠して測定されたヘイズ値をいう。このヘイズ値が1.5%を超えると、塗膜12の表面から入射する光が塗膜12の内部まで十分に到達しないため、光輝性顔料14による光輝性が発揮されない。すなわち、樹脂粒子15は、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されることで、塗膜12の表面から入射した光は、光輝性顔料14まで十分に到達する結果、塗膜12の光輝性が発揮されることになる。
樹脂粒子15の材質であるアクリル系樹脂としては、特に限定されないが、粒子形状を確実に保持するためには塗料組成物を硬化する硬化温度よりも、高いガラス転移点を有するものが好ましい。アクリル系樹脂としては、例えばメチルメタクリレート、架橋メチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。これらのアクリル系樹脂は、単一の材質であってもよいし、複合材料であってもよい。また、樹脂粒子15は、同じアクリル系樹脂からなる樹脂粒子15を含有させてもよいし、異なるアクリル系樹脂からなる複数種の樹脂粒子15を含有させてもよい。さらに、樹脂粒子15として、平均粒径の異なる複数種の樹脂粒子15を含有させてもよい。
樹脂粒子15のロックウェル硬度はMスケールで95以上であることにより、塗膜12の硬度を高めるとともに、鋳肌のような硬さを有する触感が十分に得られるように構成されている。樹脂粒子15のロックウェル硬度はMスケールで好ましくは98以上である。樹脂粒子15の硬度の上限は、特に限定されないが、アクリル系樹脂の特性を考慮すると110以下程度である。このロックウェル硬度は、JIS K 7202−2−1987(Mスケール)に準拠して測定された値である。
樹脂粒子15の平均粒子径は、塗膜12の表面が凹凸状に形成することが容易であるという観点から、15μm以上であることが好ましい。また、塗膜12の表面が一層粗い凹凸状に形成されることで、つや消し感が高められるとともに鋳肌のような触感が得られ易くなるという観点から、平均粒子径が30μm以上の第2樹脂粒子を含有させることがさらに好ましい。また、平均粒子径の異なる複数種の構成、例えば、平均粒子径15μm以上かつ30μm未満の第1樹脂粒子と、平均粒子径が30μm以上の第2樹脂粒子との少なくとも二種から構成するか、又は平均粒子径が30μm以上の第2樹脂粒子のみから構成することで、鋳肌のような凹凸感を有する触感が一層得られ易くなる。なお、平均粒子径が20μmの第1樹脂粒子の粒度分布は、3〜40μm程度であることが好ましい。また、平均粒子径が30μmの第2樹脂粒子の粒度分布は、6〜60μm程度であることが好ましい。
この平均粒子径の上限は、特に限定されないが、塗膜12の強度や耐久性を考慮すると、好ましくは100μm未満、より好ましくは70μm未満、さらに好ましくは60μm未満である。特に、配合される樹脂粒子15の平均粒子径が30μm以上、60μm未満の場合には、強度、意匠性、及び触感を兼ね備えた塗膜12を形成することができるようになる。なお、この平均粒子径は、レーザー回折式粒度測定器にて測定された平均粒子径をいう。
塗料組成物中における樹脂粒子15の含有量は、樹脂成分と樹脂粒子15との合計質量に対して、樹脂粒子15が好ましくは5〜40質量%、より好ましくは8〜40質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。この樹脂粒子15の含有量が5質量%未満であると、塗膜12の表面における凹凸が粗くなりすぎる結果、つや消し感が十分に得られないおそれがある。一方、この樹脂粒子15の含有量が40質量%を超えると、塗膜12の強度や耐久性が十分に得られないおそれがある。
(着色顔料)
本実施形態の塗料組成物には、形成される塗膜12に対して、鋳肌のような色調を表現するために、着色顔料が含有されている。この着色顔料としては、塗料用として公知の着色顔料であれば、特に限定されない。着色顔料としては、例えばアゾレーキ系顔料、フタロシニン顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料等の有機系顔料、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン等の無機系顔料等が挙げられる。塗料組成物中における着色顔料の含有量は、光輝性顔料14の光輝性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、樹脂成分と着色顔料との合計質量に対して、好ましくは0.01〜1質量%である。
本実施形態の塗料組成物には、形成される塗膜12に対して、鋳肌のような色調を表現するために、着色顔料が含有されている。この着色顔料としては、塗料用として公知の着色顔料であれば、特に限定されない。着色顔料としては、例えばアゾレーキ系顔料、フタロシニン顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料等の有機系顔料、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン等の無機系顔料等が挙げられる。塗料組成物中における着色顔料の含有量は、光輝性顔料14の光輝性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、樹脂成分と着色顔料との合計質量に対して、好ましくは0.01〜1質量%である。
(スリップ剤)
本実施形態の塗料組成物には、スリップ剤としてポリオレフィンワックスが含有されている。このポリオレフィンワックスは、塗膜12の表面における滑り性を改善することによって、塗膜12の色落ちを抑制する成分である。ポリオレフィンワックスは、オレフィンを基本構造単位とする重量平均分子量が500〜15000である低分子量ポリオレフィンからなるワックスである。ポリオレフィンワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブチレンワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。このポリエチレンワックスは、単独で含有させてもよいし、複数種を組み合わせて含有させてもよい。これらのポリオレフィンワックスの中でも、アクリル系樹脂からなる樹脂粒子15の物性に影響を与えにくいという観点から、ポリエチレンワックスが好ましい。
本実施形態の塗料組成物には、スリップ剤としてポリオレフィンワックスが含有されている。このポリオレフィンワックスは、塗膜12の表面における滑り性を改善することによって、塗膜12の色落ちを抑制する成分である。ポリオレフィンワックスは、オレフィンを基本構造単位とする重量平均分子量が500〜15000である低分子量ポリオレフィンからなるワックスである。ポリオレフィンワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブチレンワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。このポリエチレンワックスは、単独で含有させてもよいし、複数種を組み合わせて含有させてもよい。これらのポリオレフィンワックスの中でも、アクリル系樹脂からなる樹脂粒子15の物性に影響を与えにくいという観点から、ポリエチレンワックスが好ましい。
塗料組成物中におけるスリップ剤の含有量は、樹脂成分とスリップ剤との合計質量に対して、スリップ剤が好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%、さらに好ましくは3〜12質量%である。このスリップ剤の含有量が1質量%未満であると、色落ちを改善する効果が十分に得られないおそれがある。一方、20質量%を超えると、塗膜12の強度や耐久性が十分に得られないおそれがある。
<塗装成形品>
この塗料組成物を用いて樹脂成形体11に塗装を施すことによって、塗装成形品が得られる。樹脂成形体11を構成する樹脂材料としては、特に限定されず、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、PC/ABSアロイ、PP(ポリプロピレン)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等が挙げられる。
この塗料組成物を用いて樹脂成形体11に塗装を施すことによって、塗装成形品が得られる。樹脂成形体11を構成する樹脂材料としては、特に限定されず、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、PC/ABSアロイ、PP(ポリプロピレン)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等が挙げられる。
この塗装成形品としては、意匠性が要求される部位に適用される成形品であって、具体的にはコンソール、インストルメントパネル、センタークラスタ等の車両の内装を構成する成形品、携帯電話等の移動通信端末の筐体、テレビ、パソコン等の電化製品等の筐体等が挙げられる。この塗装成形品は、特に高級感や重厚感等の要求が強いとともに、意匠性が重要視されることから、車両の内装を構成する成形品とすることにより、塗料組成物及びその塗料組成物が塗装された塗装成形品の利用価値を高めることができる。
塗膜12は、上記塗料組成物から形成されることにより、塗膜12に光輝性を付与する光輝性顔料14と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなる樹脂粒子15とが含有されている。また、樹脂粒子15のロックウェル硬度は、Mスケールで95以上である。この塗装成形品では上記塗料組成物から形成された塗膜12を最外層として構成されることにより、その塗膜12によって意匠性が発揮されている。そして、この塗膜12の表面におけるSV(Scatter value)が60以上であることで、塗装成形品は光輝感が得られるように構成されている。さらに、塗膜12の表面における光沢度が10以下であることによって、塗装成形品はつや消し感が得られるように構成されている。また、SVは120以下であることが好ましく、さらにSVは70〜100であることがより好ましい。なお、SVは、光散乱性を示す値であり、レーザー式メタリック感測定装置アルコープ(登録商標)LMR−200(商品名、関西ペイント社製)を用いて測定される。また、光沢度はJIS Z 8741−1997の方法3(60°光沢度)に準拠して測定した値である。
塗膜12の厚さ(膜厚)は、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μm、さらに好ましくは30〜60μmである。この膜厚が10μm未満であると、樹脂成分による樹脂粒子15や光輝性顔料14の保持性能が十分に得られないおそれがある。一方、この膜厚が100μmを超える場合、塗膜12の安定した形成を妨げるおそれがある。
この塗膜12の表面は、樹脂粒子15の含有によって凹凸状をなしている。塗膜12の表面における凹凸の度合いは、算術平均粗さ(Ra、JIS B 0601−2001)で、好ましくは17以上、より好ましくは19以上である。この算術平均粗さが17未満であると、つや消し効果が十分に得られないおそれがある。
特に、塗膜12中に平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子を含有させることで、算術平均粗さを17以上に形成することにより、表面のつや消し効果に優れるとともに、鋳肌のような触感に優れるようになる。
さて、塗装成形品は、樹脂成形体11を塗料組成物によって塗装することによって製造される。この樹脂成形体11の塗装は、例えばエアスプレー方式、静電方式、刷毛塗り、浸漬等の公知の塗装方法によって行うことができる。
このとき、塗料組成物には樹脂粒子15が含有されているため、その樹脂粒子15によって塗膜12の表面は凹凸状に形成される。また、塗料組成物には光輝性顔料14が含有されている。さらに、樹脂粒子15はヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されている。このため、形成された塗膜12の表面から入射する光が樹脂粒子15を透過して光輝性顔料14へ到達するに際して、その光は高い透過率で樹脂粒子15を透過す結果、この塗膜12では光輝性顔料14に光が到達し易くなる。加えて、樹脂粒子15のロックウェル硬度はMスケールで95以上であるため、この塗膜12の表面における凸状部分の硬さは高められている。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) この塗料組成物には、樹脂粒子15が含有されているため、凹凸状の表面を有した塗膜12を形成することができる。このため、塗膜12の表面に照射する光の一部が、その表面で乱反射することにより、塗膜12の表面における光沢が抑えられる。さらに、樹脂粒子15はヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されているため、形成された塗膜12の表面から入射する入射光は高い透過率で樹脂粒子15を透過する。この結果、光輝性顔料14に入射光が到達し易くなるため、こうした凹凸状の表面を有することにより塗膜12中への光の入射量が減少する塗膜12であっても、光輝性顔料14による光輝性が十分に発揮される。
(1) この塗料組成物には、樹脂粒子15が含有されているため、凹凸状の表面を有した塗膜12を形成することができる。このため、塗膜12の表面に照射する光の一部が、その表面で乱反射することにより、塗膜12の表面における光沢が抑えられる。さらに、樹脂粒子15はヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されているため、形成された塗膜12の表面から入射する入射光は高い透過率で樹脂粒子15を透過する。この結果、光輝性顔料14に入射光が到達し易くなるため、こうした凹凸状の表面を有することにより塗膜12中への光の入射量が減少する塗膜12であっても、光輝性顔料14による光輝性が十分に発揮される。
すなわち、この塗料組成物から形成される塗膜12では、凹凸状の表面によってつや消し感が得られる。また、この塗膜12では凹凸状の表面に起因して、塗膜12中への光の入射量が減少することになっても、光輝性顔料14の機能を発揮させることができるため、光輝感が得られることになる。さらに、樹脂粒子15のロックウェル硬度が95以上であることで、塗膜12の硬さを維持させることができるとともに、塗膜12の表面における凸状部分の硬さが高められる結果、鋳肌のような硬さを有する触感が十分に得られる。このようにして、光輝感、つや消し感、及び鋳肌のような硬さを有する触感が得られることにより、鋳肌調の意匠性を発揮させることができる。
加えて、この塗料組成物によれば、単一の層によって、つや消し感と光輝性とを発揮させることができるため、樹脂成形体11に対する塗装を簡素化することもできる。この結果、樹脂成形体11を基材として、この塗料組成物から形成された塗膜12を形成した塗装成形品の製造を簡略化することができるとともに、塗装成形品のコストダウンを実現することができる。
(2) この塗料組成物には、樹脂粒子15として平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子を含有させることが好ましい。この構成によれば、塗膜12の表面が一層粗い凹凸状に形成されるため、より高いつや消し効果が得られるとともに、塗膜12の表面には鋳肌のような凹凸感を有する触感が付与される。また、平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子を含有させることにより、塗膜12中への光の入射量がさらに減少した場合であっても、その樹脂粒子はヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されているため、光輝性顔料14に到達する光量を確保することができる結果、光輝感を十分に得ることができる。
(3) 金属材料からなる光輝性顔料14が含有されることで、優れた光輝性が得られるようになる。
(4) 着色顔料とポリオレフィンワックスとが含有されることが好ましい。この場合、着色顔料によって例えば鋳肌のような色調を表現するに際して、ポリオレフィンワックスによって塗膜12の表面における滑り性が向上されることで、色落ちを抑制することができる。
(4) 着色顔料とポリオレフィンワックスとが含有されることが好ましい。この場合、着色顔料によって例えば鋳肌のような色調を表現するに際して、ポリオレフィンワックスによって塗膜12の表面における滑り性が向上されることで、色落ちを抑制することができる。
(5) この塗装成形品では樹脂成形体11の少なくとも一部を被覆する塗膜12を有し、この塗膜12には、光輝性顔料14とヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなる樹脂粒子15と、が分散されている。さらに、塗膜12の表面におけるSVが60以上、かつ光沢度が10以下である。そして、塗膜12を最外層として構成することにより、その塗膜12の表面が露出している。
この構成によれば、塗膜12に分散している樹脂粒子15によって塗膜12の表面における光沢が抑えられる。すなわち、塗膜12の表面における光沢度が10以下であることにより、つや消し感が十分に得られる。さらに、塗膜12に分散している樹脂粒子15はヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂から形成されていることから、光輝性顔料14に入射光が到達し易くなる。すなわち、塗膜12の表面におけるSVが60以上であることによって、こうした凹凸状の表面を有することにより塗膜12中への光の入射量が減少する塗膜12であっても、光輝性顔料14による光輝性が十分に発揮される。さらに、樹脂粒子15のロックウェル硬度が95以上であることで、塗膜12の硬さを維持させることができるとともに、鋳肌のような硬さを有する触感が十分に得られる。従って、鋳肌調の意匠性を発揮させることができる。加えて、この塗膜12によれば、単一の層によって、つや消し感と光輝性とを発揮させるため、塗装成形品における塗膜12の構成を簡略化することができる。
(6) 塗膜12には、樹脂粒子15として平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子が含まれることにより、塗膜12の表面における算術平均粗さが17以上に形成されていることが好ましい。この場合、塗膜12の表面が一層粗い凹凸状に形成されるようになる。すなわち、塗膜12の表面における算術平均粗さが17以上に形成されていることによって、より高いつや消し効果が得られるとともに、塗膜12の表面には鋳肌のような凹凸感を有する触感が付与される。
(変形例)
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 着色顔料を含有させずに、塗料組成物及び塗装成形品の塗膜12を構成してもよい。
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 着色顔料を含有させずに、塗料組成物及び塗装成形品の塗膜12を構成してもよい。
・ ポリオレフィンワックスを含有させずに、塗料組成物を構成してもよい。
・ ポリオレフィンワックス以外のスリップ剤であるエチレン−酢酸ビニルワックス、シリコン系スリップ剤等を含有させてもよい。
・ ポリオレフィンワックス以外のスリップ剤であるエチレン−酢酸ビニルワックス、シリコン系スリップ剤等を含有させてもよい。
・ 樹脂成形体11と塗膜12との密着性を向上させるために、樹脂成形体11にアンカーコートを施してもよい。
・ 塗料組成物及び塗膜12には、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤等を含有させることができる。また、塗料組成物には必要に応じて分散剤、粘度調整剤、消泡剤等を含有させることもできる。
・ 塗料組成物及び塗膜12には、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤等を含有させることができる。また、塗料組成物には必要に応じて分散剤、粘度調整剤、消泡剤等を含有させることもできる。
前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 基材となる樹脂成形体と、該樹脂成形体の少なくとも一部を被覆する塗膜とを備え、車両の内装に適用される塗装成形品であって、前記塗膜を請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の塗料組成物より形成した塗装成形品。
・ 基材となる樹脂成形体と、該樹脂成形体の少なくとも一部を被覆する塗膜とを備え、車両の内装に適用される塗装成形品であって、前記塗膜を請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の塗料組成物より形成した塗装成形品。
次に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜11)
アクリルウレタン系樹脂を塗膜形成成分とする溶剤型のベース塗料(日本ビー・ケミカル(株)製、R241TG、樹脂固形分(樹脂成分)31.2質量%)に対して、光輝性顔料としてのアルミニウムフレーク顔料を樹脂成分と光輝性顔料との合計質量に対して、6.3質量%となるように配合した。さらに、表1に示される平均粒子径の樹脂粒子を樹脂成分と樹脂粒子との合計質量に対して、26質量%となるように配合した。また、平均粒子径が18μmの第1樹脂粒子(東洋紡績(株)製、タフチック(登録商標)AR−650S)、及び平均粒子径が30μmの第2樹脂粒子(東洋紡績(株)製、タフチック(登録商標)AR−650M)を形成するアクリル系樹脂のヘイズ値は、0.8%であるとともに、各樹脂粒子のロックウェル硬度(Mスケール)は100である。加えて、着色顔料を樹脂成分と着色顔料との合計質量に対して1質量%配合するとともに、実施例1、5、9以外の実施例では、表1に示すようにスリップ剤を配合した。スリップ剤としては、ポリエチレン(PE)ワックス、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系ワックス又はシリコン系スリップ剤を使用した。なお、表1におけるスリップ剤の濃度は樹脂成分とスリップ剤との合計質量に対する質量%である。
(実施例1〜11)
アクリルウレタン系樹脂を塗膜形成成分とする溶剤型のベース塗料(日本ビー・ケミカル(株)製、R241TG、樹脂固形分(樹脂成分)31.2質量%)に対して、光輝性顔料としてのアルミニウムフレーク顔料を樹脂成分と光輝性顔料との合計質量に対して、6.3質量%となるように配合した。さらに、表1に示される平均粒子径の樹脂粒子を樹脂成分と樹脂粒子との合計質量に対して、26質量%となるように配合した。また、平均粒子径が18μmの第1樹脂粒子(東洋紡績(株)製、タフチック(登録商標)AR−650S)、及び平均粒子径が30μmの第2樹脂粒子(東洋紡績(株)製、タフチック(登録商標)AR−650M)を形成するアクリル系樹脂のヘイズ値は、0.8%であるとともに、各樹脂粒子のロックウェル硬度(Mスケール)は100である。加えて、着色顔料を樹脂成分と着色顔料との合計質量に対して1質量%配合するとともに、実施例1、5、9以外の実施例では、表1に示すようにスリップ剤を配合した。スリップ剤としては、ポリエチレン(PE)ワックス、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系ワックス又はシリコン系スリップ剤を使用した。なお、表1におけるスリップ剤の濃度は樹脂成分とスリップ剤との合計質量に対する質量%である。
ベース塗料と各成分とを攪拌機を用いて攪拌することにより、塗料組成物を調製した。これらの塗料組成物を樹脂成形体としてのABSプレートにスプレーによって塗布した後、ABSプレート上の塗料組成物を熱風乾燥機によって乾燥することにより、ABSプレートの片面に塗膜を有する塗装成形品を形成した。
得られた塗装成形品について以下の測定及び評価を行った。これらの評価結果を表1に併記する。
(a)膜厚
塗料組成物をABSプレートに塗布するに際して、ABSプレートの面とブリキ板(5cm×10cm×0.1mm)の面とが平行になるように配置して、このブリキ板にも同時に塗料組成物を塗布した。このブリキ板上の乾燥膜厚を、(株)サンコー電子製、SDMmini Rを用いて測定した。
(a)膜厚
塗料組成物をABSプレートに塗布するに際して、ABSプレートの面とブリキ板(5cm×10cm×0.1mm)の面とが平行になるように配置して、このブリキ板にも同時に塗料組成物を塗布した。このブリキ板上の乾燥膜厚を、(株)サンコー電子製、SDMmini Rを用いて測定した。
(b)光沢度
塗膜の表面における光沢度をJIS Z 8741−1997の方法3(60°光沢度)に準拠して測定した。
塗膜の表面における光沢度をJIS Z 8741−1997の方法3(60°光沢度)に準拠して測定した。
(c)輝度の評価(SV)
塗膜の表面におけるSVをレーザー式メタリック感測定装置アルコープ(登録商標)LMR−200(商品名、関西ペイント社製)を用いて測定した。
塗膜の表面におけるSVをレーザー式メタリック感測定装置アルコープ(登録商標)LMR−200(商品名、関西ペイント社製)を用いて測定した。
(d)表面粗度
JIS B 0601−2001に準拠して塗膜の表面における算術平均粗さ(Ra)を測定した。
JIS B 0601−2001に準拠して塗膜の表面における算術平均粗さ(Ra)を測定した。
(e)触感
塗膜の状態を評価する専門評価員10名が塗膜の表面を手で触った際の触感について以下の評価基準で評価した。
塗膜の状態を評価する専門評価員10名が塗膜の表面を手で触った際の触感について以下の評価基準で評価した。
鋳肌のようなざらつき感が得られる(良好:○)。
ざらつき感を感じにくい(やや不良:△)
ざらつき感がほとんど得られない(不良:×)
(f)色落ち試験
JIS L 0849−2004に準拠して、ガーゼを付けた平面摩耗子に500g/cm2の荷重をかけてフォード摩耗試験機にて200回摩擦した際の、色落ち度合いを評価した。なお、評価基準は1級(悪い)→5級(良好)である。
ざらつき感を感じにくい(やや不良:△)
ざらつき感がほとんど得られない(不良:×)
(f)色落ち試験
JIS L 0849−2004に準拠して、ガーゼを付けた平面摩耗子に500g/cm2の荷重をかけてフォード摩耗試験機にて200回摩擦した際の、色落ち度合いを評価した。なお、評価基準は1級(悪い)→5級(良好)である。
実施例1〜11の結果から明らかなように、光沢度が10以下の値を示していることから、つや消し効果が十分に得られていることがわかる。さらに、輝度を表すSVが60以上であることから、光輝性も十分に得られていることがわかる。加えて、樹脂粒子の分散によって、鋳肌のような硬さを有する触感が十分に得られた。このように、実施例1〜11では、鋳肌調の意匠性が発揮されている。
実施例5〜11では、平均粒子径が30μmの第2樹脂粒子が含有されているため、鋳肌のようなざらつき感が得られた。また、実施例2及び実施例6ではポリオレフィンワックスであるPEワックスが配合されているため、色落ちについても、十分に抑制されている。
11…樹脂成形体、12…塗膜、14…光輝性顔料、15…樹脂粒子。
Claims (6)
- 塗膜の形成要素となる樹脂成分と、前記塗膜に光輝性を付与する光輝性顔料とを含有し、樹脂成形体に塗装を施すための塗料組成物であって、
ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともに、ロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子を含有することを特徴とする塗料組成物。 - 前記樹脂粒子として、平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子を含有する請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記光輝性顔料が金属材料からなる請求項1又は請求項2に記載の塗料組成物。
- 着色顔料とポリオレフィンワックスとをさらに含有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 基材となる樹脂成形体と、該樹脂成形体の少なくとも一部を被覆する塗膜とを備えた塗装成形品であって、
前記塗膜は樹脂成分を形成要素とするとともに、その塗膜には該塗膜に光輝性を付与する光輝性顔料と、ヘイズ値が1.5%以下のアクリル系樹脂からなるとともにロックウェル硬度がMスケールで95以上の樹脂粒子と、が分散されてなり、
前記塗膜の表面におけるSV(Scatter value)が60以上、かつ光沢度が10以下であるとともに、前記塗膜を最外層として構成したことを特徴とする塗装成形品。 - 前記塗膜には、前記樹脂粒子として平均粒子径が15μm以上の樹脂粒子が含まれることにより、該塗膜の表面における算術平均粗さが17以上に形成されている請求項5に記載の塗装成形品。
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- 2005-12-05 JP JP2005350815A patent/JP2007154033A/ja active Pending
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