JP2007153358A - ストレッチシュリンクフィルムを用いた包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な収縮後のタイトなフィルムの張りを有し、自動包装機などにおける包装仕上がりに優れた包装体を提供する。
【解決手段】熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力の最大値が0.4MPa以上のストレッチシュリンクフィルムを、下記の(a)以上かつ(b)以下の温度範囲で被包装物を収縮包装してなる包装体。
(a)該ストレッチシュリンクフィルムをオイルバス中10秒間浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる温度
(b)該ストレッチシュリンクフィルムの縦方向または横方向の収縮応力のうち高い方の最大ピークの温度
【選択図】図1

Description

本発明は、ストレッチシュリンクフィルムを用いた包装体に関し、さらに詳細には、主に、生鮮食品や加工食品を入れた各種トレーや容器のプリパッケージ、オーバーラップシュリンクによる包装体に関する。
主に、生鮮食品や加工食品を入れた各種トレーや容器のプリパッケージ、オーバーラップシュリンクフィルム用途に用いられる熱収縮性を有するシュリンクフィルムとしては、ポリ塩化ビニル(以下、PVCと略することがある)系フィルムやポリオレフィン(以下、POと略することがある)系フィルムが知られている。これはPVCやPO系材料からなるシュリンクフィルムが、主な要求特性である力学強度、透明性、収縮特性等の実用特性およびコスト面も含めて、ユーザーの要求を比較的広く満足するからである。
該用途におけるシュリンクフィルムは、主に用いられる容器により大きく2つに大別される。1つは主にコンビニエンスストア等の弁当や惣菜等の蓋付き容器のオーバーラップシュリンク包装にしようされる高収縮タイプのシュリンクフィルムであり、もう1つは、主にストレッチ包装に用いられる発泡ポリスチレンやポリプロピレン系材料からなる蓋無しトレーを容器とし、これをストレッチ包装した後に、主にシワ解消やタイトなフィルムの張りを発現させるためにシュリンク包装される包装方法に使用されるストレッチシュリンクフィルムであり、本発明はストレッチシュリンクフィルムを用いた包装体に関する。
ストレッチシュリンクを用いた包装方法においては、通常のストレッチ包装に用いられるトレーをフィルムでオーバーラップし、フィルムをトレーの底に折り込んだ後、収縮包装する方式であり、ストレッチ包装機と同一の横ピロー式や突き上げ式と呼ばれる折り込みタイプの包装機の後工程にシュリンクトンネルを付加した包装機が用いられる。ここで、ストレッチ包装は、用いるストレッチフィルムの主に応力−歪曲線や応力緩和などの粘弾性特性によりシワ解消や底シール性などの包装仕上がりを発現する包装方法である。これに対して、ストレッチシュリンクフィルムを用いた包装では、ストレッチ包装した後に底部のヒートシール工程とシュリンクトンネルを通過させることによりストレッチ包装後のシワ解消や底シール性などの包装仕上がりを発現する包装方式であること、およびタイトな包装仕上がりが発現できることが、通常のストレッチ包装と大きく異なる点である。
また、生鮮品等の包装は、パックセンター等で包装し各店舗に配送するものと、インストアで包装し直接店舗内に陳列するものに大別されるが、最近では人件費や包装作業の効率からみた総合コスト面で、インストアの包装比率が減少しパックセンター等での集約、大量、高速包装の比率が高まりつつある。ここで、パックセンターにおける包装においては、パックした商品を2〜4パック程度積み重ねてコンテナに詰められて保冷車で各店舗に配送される。このため、通常のストレッチ包装のみでは、輸送途中の振動や商品同士の摩擦等により、配送後にフィルムの破れや積み重ねによるフィルムのたるみ等が発生することがあるため、配送後の店舗において、商品のディスプレー効果を低下させてしまったり、場合によってはリパック(再包装)が必要となるなどの問題点があった。
これらの問題を解決するために、ストレッチフィルムに比べフィルムの強度やパックした商品にタイトなフィルムの張りが得られるストレッチシュリンクフィルムの使用が増加する傾向にある。該包装方法は、包装機が通常のストレッチ包装機と同一であり、包装後の工程にシュリンクトンネルを付加し、シュリンクトンネル通過時に収縮包装させる。またトレー形状も多岐にわたらないことから上記した弁当容器包装のような高い収縮率は要求されず、比較的小さな収縮率で十分良好な包装仕上がりが得られる。ストレッチシュリンクフィルムとしては、下記の特許文献1乃至3が挙げられ、種々構成のフィルムが示されている。
上記シュリンクトンネルの条件設定は、包装後のフィルムのシワやたるみといった包装外観を損なわないよう適宜調整され、一般的にシュリンクトンネルの設定温度を上げれば良好となる場合が多い。一方収縮後のフィルムの張りについてはストレッチシュリンクフィルムの熱収縮特性がフィルムの組成及び構成によってまちまちであり、状況を見ながら条件を設定することが多い。また、ストレッチシュリンクフィルムによっては、良好なトンネルの温度条件の範囲が狭く、温度設定が困難なものが多いのが実状である。
特開平8−230122号公報 特開平10−272747号公報 特開平11−99600号公報
本発明の目的は、良好な収縮後のタイトなフィルムの張りを有し、自動包装機などにおける包装仕上がりに優れた包装体を提供することにある。
本発明らは、鋭意検討を重ねた結果、特定のストレッチシュリンクフィルムを用いて、特定の収縮包装条件とすることにより上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力の最大値が0.4MPa以上のストレッチシュリンクフィルムを、下記の(a)以上かつ(b)以下の温度範囲で被包装物を収縮包装してなる包装体。
(a)該ストレッチシュリンクフィルムをオイルバス中10秒間浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる温度
(b)該ストレッチシュリンクフィルムの縦方向または横方向の収縮応力のうち高い方の最大ピークの温度
(2)前記ストレッチシュリンクフィルムが、少なくとも3層から構成される積層フィルムであって、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また中間層がアイオノマー樹脂である(B)成分を主成分とし、かつ、中間層のフィルム全体の厚みに対する厚み比が35〜90%であるとともに、80℃オイルバス中10秒浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上であることを特徴とする(1)に記載の包装体。
(3)エチレン系重合体である(A)成分が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体であることを特徴とする(2)に記載の包装体。
(4)エチレン系重合体である(A)成分が、酢酸ビニル含量が8〜30質量%で、メルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重21.18N)が0.2〜10g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(2)に記載の包装体。
(5)エチレン系重合体である(A)成分の融点が、65〜100℃であることを特徴とする(2)に記載の包装体。
(6)アイオノマー樹脂である(B)成分が、不飽和カルボン酸含量が10〜30質量%、金属イオンによる中和度が15〜80%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体であることを特徴とする(2)に記載の包装体。
本発明によれば、良好な収縮後のタイトなフィルムの張りを有し、かつ包装仕上がりに優れた包装体を提供できる。
以下、本発明を詳しく説明する。
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特性する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものである。また、本発明における主成分とは、最も多量に含有されている成分のことであり、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含有する成分のことである。
本発明の包装体は、熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力の最大値が0.4MPa以上のストレッチシュリンクフィルムを、下記の(a)以上かつ(b)以下の温度範囲で被包装物を収縮包装してなることを特徴とする。
(a)該ストレッチシュリンクフィルムをオイルバス中10秒間浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる温度
(b)該ストレッチシュリンクフィルムの縦方向または横方向の熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力のうち高い方の最大ピークの温度
まず、包装体に用いるストレッチシュリンクフィルムをオイルバス中10秒間浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる温度以上にシュリンクトンネル温度を設定すれば、シュリンクトンネル通過時に一般的なトレーであれば形状に左右されることなく良好な包装外観を得ることが可能となる。
なお、縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる温度とは、縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる最低温度の意味である。具体的には、各温度における縦方向及び横方向のそれぞれの熱収縮率を合計した値をグラフにプロットして、最小二乗法により縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる最低温度を求めることができる。
さらに、包装体に用いるストレッチシュリンクフィルムの縦方向または横方向の熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力のうち高い方の最大ピークの温度以下にシュリンクトンネル温度を設定すれば、シュリンクトンネル通過時に発生する収縮応力によりタイトなフィルムの張りを有する包装体を得ることが可能となる。
なお、収縮応力のうち高い方ピークの温度とは、縦方向および横方向の収縮応力のうちのいずれか高い温度のピーク値であり、また、それぞれの収縮応力のピークが複数ある場合には、それらのうちの高い温度のピーク値の温度を用いることを意味する。
(収縮応力)
ここで、本発明における収縮応力とは、以下の測定方法によって求められる応力値を指す。すなわち、熱応力歪み測定装置(TMA)(例えば、セイコー電子工業(株)製、TMA/SS150C)とこれに連動した記録装置を用いて測定を行う。試料を断面積が0.2〜0.5mmの範囲になるようにサンプル幅を3mmにて切り出し、チャック間が5cmの長さになるように両端を挟み込み、TMAにセットし、試料に初期荷重をかけ、30℃に保ちながら30〜160℃までの温度範囲を走査速度が3℃/minとなるように測定する。ここで試料より発生する応力を記録計で記録し、試料断面積から応力値を算出する。
本件発明に用いるストレッチシュリンクフィルムは、熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力の最大値が0.4MPa以上であることが必要であり、より好ましくは、0.7MPa以上である。収縮応力の最大値が0.4MPa以上であれば、ストレッチシュリンクフィルムの収縮応力のうち高い方の最大ピークの温度が高くなるので、収縮包装の温度条件を幅広く設定することが可能となる。
0.4MPa以下の場合には、良好な収縮包装の温度範囲の設定が困難である。
なお、収縮応力の温度分布は幅広いものの方が、収縮包装の温度条件をさらに幅広く設定することができ、好ましい。
本発明のストレッチシュリンクフィルムにおいては、熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力の最大値を0.4MPa以上となるストレッチシュリンクフィルムであれば特に限定はないが、収縮包装の温度条件を幅広くする点からは、低温収縮特性に優れたストレッチシュリンクフィルムが好ましく、このようなものとして、アイオノマー樹脂を用いたストレッチシュリンクフィルムが優位に使用できる。
中でも、少なくとも3層から構成される積層フィルムであって、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また、中間層がアイオノマー樹脂である(B)成分を主成分とすることが好ましい。このような構成とすることによって、熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力の最大値を0.4MPa以上とすることが容易となるばかりでなく、さらに表面特性や、包装仕上がり等の点で好ましい。
次に本発明の包装体に用いるストレッチシュリンクフィルムは、上記した中間層のフィルム全体の厚みに対する厚み比が35〜90%であると共に、80℃オイルバス中10秒浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上であることが好ましい。
中間層のフィルム全体の厚みに対する厚み比がかかる範囲内であれば、例えば製膜方法として、インフレーション成形のような溶融状態からの冷却過程での延伸加工を用いても、安定した製膜加工性が得られ、また、ストレッチシュリンクフィルムに好適な低温収縮性などの熱収縮特性や透明性及び柔軟性などの力学特性を材料コスト面も含めて比較的容易に付与できるため好ましい。これらのことから、該厚み比は、安定した製膜加工性と柔軟性及び材料コスト面をより重視する場合には、好ましくは35〜60%、より好ましくは、35〜50%、インフレーション成形のような溶融状態からの冷却過程での延伸加工で大きな低温収縮性や収縮後のタイトなフィルムなどをより重視する場合には、好ましくは60〜90%、より好ましくは65〜85%である。ここで、該中間層が上記したように積層構成中に2層以上ある場合には、全ての中間層の合計厚みを用いて厚み比を計算すればよい。尚、本発明のストレッチシュリンク積層フィルムの全体の厚み比は、特に限定されるものではないが、通常のストレッチシュリンクフィルムの厚みと同じ程度の範囲、即ち5〜30μm程度、代表的には8〜20μm程度の範囲にある。
次に、80℃オイルバス中10秒浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上であれば、少なくとも80℃下での収縮を確保でき、低温収縮が可能となるため、良好な収縮包装仕上がりとフィルムの張りを両立するためのシュリンクトンネルの温度範囲を設定することができる。さらに好ましくは25%以上であり、特に30%以上であれば、より低温での収縮包装が可能となる。
さらに、本発明においては、用いるフィルム幅とトレーのサイズとの大小関係などにより変化するが、80℃オイルバス中10秒浸漬した時の縦方向及び横方向の熱収縮率は、それぞれ10〜60%である。かかる範囲内であれば、各種サイズへのトレーへの包装仕上がり性やロール状フィルムの経時安定性などが優れており好ましい。
上記した熱収縮率は、主に両表面層と中間層の厚み構成と延伸倍率やブローアップ比(バブル直径/ダイ直径)及び延伸温度や冷却条件などの温度条件を変化させることにより所定の範囲に調整することができる。例えば、熱収縮率が所望の値よりも小さい場合には、より低温での熱収縮歪を大きくするように、縦方向及び/又は横方向の延伸倍率を上げたり、外面冷却における冷却ブロアー量のUPや内面冷却を併用するなどの冷却効率を適宜調整すればよい。逆に、熱収縮率が所望の値よりも大きい場合には、より低温での熱収縮歪を小さくするように、縦方向及び/又は横方向の延伸倍率を下げたり、外面冷却における冷却ブロアー量のDOWNや内面冷却を弱くするなどの冷却効率を適宜調整すればよい。
次に、両表面層に用いる主成分であるエチレン系重合体である(A)成分は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びエチレンを主成分とする共重合体、すなわち、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素数3〜10のα−オレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物の中から選ばれる1種または2種以上のコモノマーとの共重合体又は多元共重合体或いはそれらの混合組成物が挙げられる。エチレン系重合体のエチレン単位の含有量は、通常50質量%を超えるものである。
これらのエチレン系重合体である(A)成分の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体が好ましい。アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
また、本発明において両表面層は、成形加工時の製膜安定性(例えば、インフレーション成形におけるバブル安定性)や得られるストレッチシュリンクフィルムの適度なスリップ性と表面粘着性のバランスあるいは防曇性などの表面特性や透明性および柔軟性などの力学特性を発現する機能を担っているため、上記エチレン系重合体である(A)成分の中では、酢酸ビニル含量が8〜30質量%で、メルトフローレート(以下、MFRと略することがある)(JISK7210、190℃、荷重:21.18N)が0.2〜10g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、これらの諸特性を材料コスト面も含めて比較的容易に調整できることから最も好ましい。
ここで酢酸ビニル含量が8質量%以上であれば、結晶性が低いため得られるフィルムが硬くならず、柔軟性や弾性回復性が良好であり、フィルム全体の透明性や低温収縮性が損なわれることが無く、また表面粘着性も発現しやすいため好ましい。一方30質量%以下であれば、耐熱性やフィルム強度等が十分確保され、また添加する防曇剤のブリード性や表面粘着性が強すぎないためにフィルムの巻き出し性や外観が良好であるため好ましい。これらのことから、該酢酸ビニル含量は、好ましくは10〜28質量%、更に好ましくは12〜25質量%である。
また、MFRが0.2g/10分以上であれば、押出加工性は安定し、一方10g/10分以下であれば、インフレーション成形においても製膜安定性が得られ、厚み斑や力学強度の低下やバラツキ等が少なくなるため好ましい。これらのことから、該MFRは、好ましくは、0.5〜8g/10分、更に好ましくは1〜5g/10分である。
さらに、両表面層の上記した表面特性や力学特性と得られるストレッチシュリンクフィルムの熱収縮性特性とのバランス、特に低温収縮性からはエチレン系重合体である(A)成分の融点が65〜100℃であることが最も好ましい。
ここで融点が65℃以上であれば、耐熱性やフィルム強度等が実用的に問題になることが少なく、また、添加する防曇剤のブリード性や表面粘着性が強過ぎないためにフィルムの巻き出し性や外観が良好であるため好ましい。一方、100℃以下であれば、結晶性が低いため得られるフィルムが硬くならず、柔軟性や弾性回復性が良好であり、フィルム全体の透明性や低温収縮性も損なわれることが少なく、また表面粘着性も発現にやすいため好ましい。これらのことから、該融点は、好ましくは70〜100℃、さらに好ましくは75〜98℃である。
上記エチレン系重合体である(A)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。
次に、中間層に用いる主成分であるアイオノマー樹脂である(B)成分は、エチレンと、不飽和カルボン酸と、任意成分として他の不飽和化合物からなる共重合体の不飽和カルボン酸成分の少なくとも一部を金属イオンもしくは有機アミンのうち少なくもといずれか一方で中和することにより得ることができる。また、アイオノマー樹脂は、エチレンと、不飽和カルボン酸エステルと、任意成分として他の不飽和化合物からなる共重合体の不飽和カルボン酸エステル成分の少なくとも一部を鹸化することによっても得ることができる。
アイオノマー樹脂の原料となるエチレンと不飽和カルボン酸、任意成分としてその他不飽和化合物を含む共重合体において、不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8程度のものが好ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどが用いられる。これらの中では、アクリル酸またはメタクリル酸が好ましく用いられる。また任意成分としての他の不飽和化合物として代表的なものは不飽和エステルであり、その具体例としては酢酸ビニルのような飽和カルボン酸の不飽和エステル、あるいはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどを挙げることができる。なお、これらは1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これら共重合体中の中和成分としては、Na、K、Li、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Mn2+、Al3+などの1価から3価の金属の陽イオン(以下、金属イオンと略することがある)または有機アミンを挙げることができる。本発明においては、ナトリウム又は亜鉛が好適に用いられる。なお、これらは1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、上記のアイオノマー原料となる共重合体において、エチレン含量は50〜90質量%、好ましくは60〜88質量%、不飽和カルボン酸含量は10〜30質量%、好ましくは12〜20質量%、その他不飽和化合物は0〜40質量%、好ましくは0〜20質量%の重合組成のものが好適に用いられる。また、中和度は、前記金属の陽イオンで共重合体成分中の不飽和カルボン酸量の15〜80%、好ましくは20〜60%が中和されたものが好適に用いられる。ここで、前記重合組成および中和度の範囲内であれば、アイオノマー樹脂の結晶性がある程度低下するため、成形工程時の冷却条件で結晶化しにくくなり、フィルムの透明性を保持することが可能となるため好ましい。また同時に、主にイオン性架橋の凝集力により、例えばインフレーション成形のような溶融状態からの冷却過程での延伸加工により良好な低温での熱収縮特性(低温収縮性)を付与することが可能となるため好ましい。なお、アイオノマー樹脂は1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この際、金属イオンの異なるアイオノマー樹脂を組み合わせることも可能である。
アイオノマー樹脂は、金属の陽イオンなどにより共重合体中のカルボキシル基を中和すると中和した部分がイオン化される。中和度が高くなるにつれてイオン化された部分がイオン結合力によって凝集しイオン性架橋となる。イオン性架橋はイオン結合によって凝集しているものであり、イオン結合力よりも大きな力を受けた時には凝集していた部分が壊れるが、イオン結合力よりも小さな力では擬似架橋状態となる。よって中和度の量に伴って溶融粘度が増大し、この効果はアイオノマー樹脂の融点に近い方が大きくなる。これらの作用によって押出性能、具体的には過度な溶融粘度の上昇が無く、例えばインフレーション成形のような溶融状態からの冷却過程での延伸加工時には、イオン性架橋が擬似架橋状態のままになるためストレッチシュリンクフィルムに好適な低温での収縮特性(低温収縮性)を付与することが可能となるものと考えられる。
アイオノマー樹脂の中和度に関しては、中和度が高いアイオノマー樹脂に中和していない共重合体をブレンドすることでも中和度の調整が可能となる。具体的には、例えば1価の金属の陽イオンで中和された中和度が80%のアイオノマー樹脂の中和度を40%にする場合には、中和度が80%のアイオノマー樹脂に中和していない共重合体を50質量%/50質量%の割合で溶融混練することで可能となる。
本発明に用いられるアイオノマー樹脂である(B)成分のMFR(JIS K7210、190℃、荷重21.18N)は、0.2〜20g/10分であることが好ましい。かかる範囲内であれば、押出成形時に背圧等が急激にあがることがなく、バブルの安定性などのインフレーション成形やストレッチシュリンクフィルムに好適な力学特性を得ることが可能となるため好ましい。これらのことから、該MFRは、好ましくは0.3〜10g/10分、更に好ましくは0.5〜3g/10分である。
本発明に用いられるアイオノマー系樹脂組成物である(B)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば特公昭39−6810号公報等に示される公知の製造方法を用いることができる。また、金属イオンを含まないエチレンとアクリル酸もしくはメタクリル酸等の共重合体樹脂を原料に、アセチルアセトン金属錯体、酸化金属、脂肪族酸金属塩当を必要量後添加してイオン架橋を導入し、成形加工時にアイオノマー樹脂を得ても構わない。エチレンとアクリル酸もしくはメタクリル酸等の共重合体は、ポストメタロセン触媒により重合することも可能である。
また、本発明においては市販の原料を用いることもできる。アイオノマー樹脂の具体的な商品としては、三井・デュポンポリケミカル(株)の商品名「ハイミラン」が挙げられる。また、金属イオンを含まないエチレンとアクリル酸もしくはメタクリル酸等の共重合体樹脂の具体的な商品としては、三井・デュポンポリケミカル(株)の商品名「ニュクレル」、日本ポリエチレン(株)の商品名「レクスパール」などが挙げられる。
上記したように、本発明に用いるストレッチシュリンクフィルムは、エチレン系重合体である(A)成分を主成分とする両表面層と特定の熱特性を有するアイオノマー系樹脂組成物である(B)成分を主成分とする中間層を有する少なくとも3層から構成される積層フィルムであることが好ましいが、力学特性や層間接着性の改良などを必要に応じて他の層(以下、P層と略することがある)を適宜導入してもかまわない。ここで、表面層(以下、S層と略することがある)は、両表面層以外に、すなわち、中間層に同様の層を有してもかまわない。また、中間層(以下、M層と略することがある)は、2層以上有してもかまわない。例えば(S層)/(M層)/(S層)からなる3層構成、(S層)/(P層)/(M層)/(S層)からなる4層構成、(S層)/(P層)/(M層)/(P層)/(M層)/(P層)/(S層)、(S層)/(M層)/(P層)/(M層)/(P層)/(S層)、(S層)/(M層)/(S層)/(M層)/(S層)などからなる5層構成を代表的に挙げることができる。この場合、各層の樹脂組成や厚み比に関しては、同一であっても異なっていてもかまわない。
ここで、本発明において好適な積層構成は、(S層)/(M層)/(S層)からなる3層構成であり、この層構成を採用することにより、本発明の目的である良好な低温収縮性と収縮後のタイトなフィルムの張りや自動包装機などによる包装仕上がり、また上述した横ピロー式や突き上げ式と呼ばれるタイプの自動包装機での包装時に破断トラブルが無く、更に再生添加性(通常は中間層に添加する)にも優れたストレッチシュリンクフィルムを生産性、経済性よく得ることができる。
本発明に好適なストレッチシュリンク積層フィルムの中間層には、(B)成分であるアイオノマー系樹脂組成物が主成分として含有するが、該(B)成分以外に、上記した(A)成分であるエチレン系重合体を混入してもかまわない。例えば、トリミングロス等から発生するリサイクル樹脂の添加や得られるストレッチシュリンク積層フィルム全体での力学特性、特に弾性率(剛性)や引き裂き強度などの特性向上や材料コストの低減などを主目的とする場合に有効な手段となる。混合する場合の混合質量比は、(A)/(B)=1〜50/99〜50、好ましくは、5〜50/95〜50、更に好ましくは、10〜45/90〜55である。
このように(B)成分との混合の観点において、最も好適に混合できる(A)成分としては、酢酸ビニル含有量が10〜25質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これは、両表面層として好適に使用でき、かつ、トリミングロス等から発生するリサイクル樹脂を添加した際の透明性、力学特性や材料コスト面も含めて実用的に大きな問題がなく、工業材料としても安定的に入手可能であるからである。
本発明のストレッチシュリンクフィルムには、防曇性、帯電防止性、滑り性、自己粘着性、力学特性等の諸物性を更に調整、向上させる目的で必要に応じて各種添加剤及び/又は上記した(A)成分、(B)成分以外の樹脂を表面層及び/又は中間層にそれぞれ適宜配合することができる。
ここで、各種添加剤としては、例えば酸化防止剤、防曇剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤などが挙げられ、本発明の主旨を超えなければ特に限定されるものではない。本発明において好適に用いられる添加剤としては、炭素数が1〜12、好ましくは1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数が10〜22、好ましくは12〜18の脂肪族との混合物である脂肪族アルコール系脂肪族エステルが挙げられ、具体的には、モノグリセリノレート、ジグリセリンモノオレート、ポリグリセリンオレート、グリセリントリリシレート、グリセリンアセチルシノレート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンラウレート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、プロピレングリコールオレート、プロピレングリコールラウレート、ペンタエリスリトールオレート、ポリエチレングリコールソルビタンラウレート等を挙げることができる。更にパラフィン系オイルから選ばれた化合物の少なくとも1種を添加することができる。これらの添加剤の好適な添加量は、各種の樹脂成分の合計を100質量部とした場合に、0.1〜12質量部、好ましくは、2〜8質量部、更に好ましくは3〜6質量部であり、本発明においては、少なくとも表面層に添加することが好ましい。
また、上記した(A)成分、(B)成分以外の樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えばプロピレン系やスチレン系の熱可塑性エラストマー、各種の耐衝撃性改良剤や相容化剤、粘着付与樹脂、可塑剤などを挙げることができる。これらの他の樹脂の好適な添加量は、各種の樹脂成分の合計を100質量部とした場合に、0〜20質量部、好ましくは0〜15部、さらに好ましくは0〜10質量部である。
次に、本発明に用いるストレッチシュリンクフィルムの製造方法について説明する。製造方法は、公知の各種の製造方法が適用でき、本発明の主旨を超えなければ特に制限されるものではない。フィルムの積層方法としては、例えば、共押出積層法、ラミネーション法、ドライラミネーション法などを挙げることができる。これらのうち本発明においては、溶融接着する共押出積層法が好適に用いられる。具体的には、複層数に応じた複数の押出機を用いて溶融押出し、フィードブロックやマルチマニホールドなどにより溶融樹脂を展開、積層化する方法である。
本発明の主目的の一つである低温収縮性を付与するための方法としては、通常用いられるテンター法やチューブラー法などの溶融押出された樹脂を一旦冷却固化することにより原反フィルムあるいは原反チューブを採取し、次いで再加熱して延伸する方式も適宜可能である。上記した積層樹脂組成物構成を採用することにより、溶融押出された樹脂を一旦冷却固化することなく、環状ダイから円筒状に押出し、この円筒の中にエア(空気)を吹き込み、溶融円筒を膨らませる方式である、いわゆるインフレーション法でも低温収縮性に優れたストレッチシュリンクフィルムが得ることができる。
インフレーション法とは、環状ダイより溶融樹脂を引き取り、薄膜化する過程で冷却効果が働き、フィルムを構成する分子が配向する、この配向の度合いは、用いる樹脂の溶融粘度と冷却過程における固化速度あるいは結晶化速度の相違やブローアップ比(バブル直径/ダイス直径)及びバブル形状等によって主に変化するものと考えられる。
本発明においては、インフレーション成形する際に、冷風などの媒体で冷却量を調整しながら溶融円筒内に、一定量のエアを入れて加圧量を調整し、ブローアップ比を3.5以上、好ましくは、4〜20、更に好ましくは5〜15とする。続いてフィルムの引き取り速度を調整することによって環状だいから円筒状に押し出された樹脂の変形倍率がフィルム全体で50〜200倍程度、好適には70〜120倍に調整することが好ましい。ここで、変形倍率とは、環状ダイのリップギャップを得られるフィルムの厚みで除した値のことである。例えば、環状ダイのリップギャップが1mm(1000μm)で、得られるフィルムの厚みが10μmの場合の変形倍率は、100倍となる。また、環状ダイのリップギャップが2mmで、得られるフィルムの厚みが10μmの場合の変形倍率は、200倍となる。該変形倍率の計算には、ブローアップ比の影響を受けないものとする。その際の冷却方法としては、円筒状のフィルムの外面や内面側から冷却する方法、円筒状のフィルムの外面側と内面側の両面から同時に冷却する方法のどちらを採用してもかまわない。
上記した方法で得られたストレッチシュリンクフィルムは、熱収縮率の調整、自然収縮率の低減やカールの発生を抑制する等の為に、必要に応じて、加熱ロール間での縦延伸、各種の熱固定、エージング等の熱処理を行うことができる。また防曇性、帯電防止性、粘着性等を付与、促進させる目的で、コロナ放電や熟成等の処理、さらには、印刷、コーティング等の表面処理は表面加工を行うこともできる。
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書に表示されるフィルムについての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
(1)収縮応力
セイコー電子工業(株)製の熱応力歪測定装置(TMA)、TMA/SS150Cにより測定した。測定条件はサンプル幅3mm、チャック間隔5mm、昇温スピード3℃/min、荷重9.8kN/mで行った
(2)熱収縮率
得られたフィルムから縦方向及び横方向からそれぞれ長さ140mm×幅10mmの短冊状にフィルムを切り出し、その中間に長さ100mm間隔の標線を記入した試験片を、60、70、80、90、100℃に設定したオイルバスに10秒間浸漬し、取り出した後の標線間の長さを各10回測定し、その平均値を算出して熱収縮率を%値で求めた。なお、いずれも少数第一位を四捨五入した値を使用した。そして、上記各温度における縦方向及び横方向のそれぞれの熱収縮率を合計した値をグラフにプロットして、最小二乗法により縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる最低温度を求めた(小数第一位を四捨五入)。
(3)包装仕上がり
幅400mmのフィルムを用い、横ピロー型包装機(大森機械(株)製STN7500)+シュリンクトンネル(大森機械(株)製ピロー包装機付属のC−300型、通過時間3秒)により、200gの粘度(厚み10mm)を入れた通常の発泡ポリスチレントレー(長さ200mm、幅150mm、高さ15mm)を包装し、得られたパックサンプルを下記の基準で評価した。
(○):トレー上面にシワやたるみがほとんどない
(×):トレー上面にシワやたるみが発生している
(4)パック後のフィルムの張り
上記した(3)で得られたパックサンプルを用い、手感触にて下記の基準で評価した。
(○):フィルムがしっかりしており、フィルムの張りも十分あるもの
(△):フィルムが少し頼りなく、フィルム張りがやや不十分なもの
(×):フィルムが頼り無く、フィルムの張りがないもの
(5)総合評価
総合評価は、上記の収縮仕上がり、およびパック後のフィルムの張りのいずれも良好なものを(○)とし、それ以外を(×)とした。
(実施例1)
エチレン系重合体である(A)成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ポリエチレン製:LV−440、酢酸ビニル含量:15質量%、MFR:2.2g/10分、融点:95℃)、(以下A−1と略する)100質量部に、防曇剤としてジグリセリンモノオレート5.0質量部を押出設定温度180〜200℃で溶融混練した樹脂組成物とし、また、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分として、アイオノマー(1)(三井・デュポンポリケミカル製:ハイミラン1706、ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含量:15質量%、中和金属イオン種:亜鉛、MFR:0.7g/10分、融点:88℃)(以下B−1と略する)を押出設定温度180〜200℃で溶融混練した樹脂組成物を中間層とし、それぞれ別々の押出機から合流させ、環状三層ダイ温度185℃、リップギャップ1.2mm、ブローアップ比10.0で共押出インフレーション成形して、総厚み11μm(厚み比:1/7/1)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に、また得られたフィルムを上記包装機を用いて包装したものを評価した結果を表2に示す。なお、得られたフィルムの収縮応力の結果を図1に示す。
(実施例2)
実施例1において、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分として、アイオノマー(2)(三井・デュポンポリケミカル製:ハイミラン1707、ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含量:15質量%、中和金属イオン種:ナトリウム、MFR:0.9g/10分、融点:89℃)とし、フィルムの厚み比を1/3/1とした以外は、実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に、また得られたフィルムを上記包装機を用いて包装したものを評価した結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分を、アイオノマー(1)50質量%と、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体であるエチレン・アクリル酸共重合体(日本ポリエチレン製:レクスパールA−210K、アクリル酸含量:7質量%、MFR:3.0g/10分、融点:98℃)50質量%からなる混合樹脂組成物とし、フィルムの厚み比を1/6/1とし、ブローアップ比を10.0とした以外は、実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に、また得られたフィルムを上記包装機を用いて包装したものを評価した結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、中間層に(B)成分として、エチレン・アクリル酸共重合体(日本ポリエチレン製:レクスパールA210K、MFR:3.0g/10分、融点:98℃)とし、厚み比を1/2/1とした以外は、実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に、また得られたフィルムを上記包装機を用いて包装したものを評価した結果を表2に示す。
Figure 2007153358
Figure 2007153358
表2より、本発明で規定するストレッチシュリンクを用いて、特定の収縮包装条件により収縮包装してなる包装体は、良好な収縮後のタイトなフィルムの張りを有することが確認できる。
また、表1より、本発明において好ましい態様のストレッチシュリンクフィルムは、最大収縮応力が高く、低温収縮特性に優れており、自動包装機などにおける包装仕上がりに優れたものであることがわかる。
実施例1のストレッチシュリンクフィルムの収縮応力の温度依存性を示すサーモグラムである。

Claims (6)

  1. 熱応力歪み測定装置(TMA)による収縮応力の最大値が0.4MPa以上のストレッチシュリンクフィルムを、下記の(a)以上かつ(b)以下の温度範囲で被包装物を収縮包装してなる包装体。
    (a)該ストレッチシュリンクフィルムをオイルバス中10秒間浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上となる温度
    (b)該ストレッチシュリンクフィルムの縦方向または横方向の収縮応力のうち高い方の最大ピークの温度
  2. 前記ストレッチシュリンクフィルムが、少なくとも3層から構成される積層フィルムであって、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また中間層がアイオノマー樹脂である(B)成分を主成分とし、かつ、中間層のフィルム全体の厚みに対する厚み比が35〜90%であるとともに、80℃オイルバス中10秒浸漬したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
  3. エチレン系重合体である(A)成分が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体であることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
  4. エチレン系重合体である(A)成分が、酢酸ビニル含量が8〜30質量%で、メルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重21.18N)が0.2〜10g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
  5. エチレン系重合体である(A)成分の融点が、65〜100℃であることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
  6. アイオノマー樹脂である(B)成分が、不飽和カルボン酸含量が10〜30質量%、金属イオンによる中和度が15〜80%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
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