JP2007152514A - ナノワイヤ配向配列基板の製造方法及びこれを用いた電気素子の製造方法 - Google Patents

ナノワイヤ配向配列基板の製造方法及びこれを用いた電気素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノワイヤの配向方向が制御され且つ基板上の所望の位置にのみナノワイヤが配列したナノワイヤ配向配列基板を簡易なプロセスで製造する。
【解決手段】ナノワイヤ12よりも低い屈折率を持つ溶媒中にナノワイヤを分散してなるナノワイヤ溶液を、基板12の表面に塗布する(A)。次に、レーザーの二光束13を干渉させて得られる異方性パターン光14を照射し、照射領域内においてナノワイヤの配向方向を光14の異方性パターンの長手方向に沿うように制御する(B)。ここで、異方性パターン光14は、ナノワイヤ溶液中のナノワイヤに働く放射圧を駆動力としてナノワイヤの配向方向が制御されるような強度を持つ。次に、溶媒を蒸発させることで、基板11上に、それぞれ複数のナノワイヤ12を含んでなる複数のナノワイヤパターンが形成される(C)。
【選択図】図1

Description

本発明は、配向配列されたナノワイヤを有する基板の製造方法及びこの製造方法を用いた電気素子の製造方法に関する。
近年の技術進歩に伴うデバイスの微細化・高密度化・薄型化による高機能化においては、デバイスの構成要素である個々の各種電気素子(電子デバイス)自体を、高い動作特性を持った上で微細化・高密度化・薄型化していく必要がある。更に、実際に製品として製造していく上では、低コスト化のためにも簡易なプロセスで電子デバイスを製造できることが望ましい。このような電子デバイスの中でも、特にスイッチング素子であるTFTはデバイス全体の性能を大きく左右するため、その技術開発が盛んに取り組まれている。
主なTFT技術として、シリコン系トランジスタ(単結晶、多結晶、アモルファス)、化合物半導体トランジスタ(III−V族、II−VI族、IV−IV族)、有機トランジスタ(低分子、高分子)等が知られている。
シリコン系トランジスタは、半導体層にケイ素を用いたトランジスタである。この技術は、材料であるケイ素が地表に無尽蔵に存在する、ドーピングによりp型・n型の構造を得られる、良質な絶縁膜としてケイ素の酸化物であるSiO2を利用できる、といった特徴を持つ。更に、この技術は、高いキャリア移動度(単結晶:〜103 cm2/Vs、多結晶:〜102 cm2/Vs、アモルファス:〜1 cm2/Vs)により優れたトランジスタ性能を得ることが出来る、といった特徴を持つ。しかし、素子形成プロセスにおいてクリーンルームのような大規模な製造施設で露光や転写といった複雑なプロセスを実行することが必要となり、低コスト化・プロセスの簡易化が課題となっている。
化合物半導体トランジスタは、半導体層に複数の元素から成る化合物(GaAs、SiC等)を用いたトランジスタである。この技術は、シリコン系よりもはるかに高いキャリア移動度を持つほか、化合物の種類により、高周波数域での低電力駆動、光反応性、マイクロ波放出といった様々な特性を示す。しかし、材料が高価であるだけでなく、素子形成プロセスにおいてシリコン系トランジスタ同様の大規模・複雑なプロセスが必要になるため、その用途は限られている。
有機トランジスタは、半導体層に有機物(低分子ではペンタセン等、高分子ではPEDOT等)を用いたトランジスタである。この技術は、特に高分子系において塗布製膜が可能であることから、インクジェット法やロール・トゥ・ロール法による簡易・大量・低コストな素子形成が可能である。しかし、トランジスタの性能を決めるキャリア移動度がシリコン系に比べて著しく低く(〜0.1 cm2/Vs)、各種電子デバイスへ応用するには材料面・製造プロセス面での飛躍的な発展が必要とされる。
このように、既存のTFT技術においては、高いトランジスタ性能と簡易かつ低コストな素子形成プロセスとを両立した物は無く、その開発が望まれている。
このような状況下で次世代型のTFT技術として注目を集めているのが、ナノワイヤTFTである。ナノワイヤTFTは、トランジスタ回路におけるソース・ドレイン電極間をつなぐ半導体層としてnmオーダーの径と高いアスペクト比とを有するナノワイヤを用いたことを特徴とするTFTである。
ナノワイヤTFTは、ナノワイヤ自体が非常に結晶性に優れている上に、量子効果が発現することにより、高いトランジスタ性能が期待できる。また、ナノワイヤ自体を基板上に配向・配列するだけでTFTの半導体層を形成できることから、簡易かつ低コストな素子形成プロセスも実現可能である。よって、ナノワイヤTFTを用いることにより、従来のTFT技術には無い、高いトランジスタ性能と簡易かつ低コストな素子形成プロセスとを両立した次世代型TFTを実現することが期待されている。
現在開発が進められているナノワイヤTFTとして、ナノワイヤ材料にケイ素を用いたシリコンナノワイヤTFTが挙げられる。
シリコンナノワイヤの合成方法としては、例えば、次のような方法が知られている。即ち、単結晶シリコン基板の表面に金を蒸着させた上で、シランガス雰囲気下で加熱することにより、シリコン基板の表面にシリコンと金との溶融化化合物合金が形成される。これを触媒としてシランガスが分解されて、シリコンナノワイヤが触媒・シリコン基板間に成長する(例えば、特許文献1参照。)。
このようにして得られたシリコンナノワイヤは、軸方向の結晶性が非常に優れている。更に、表面が自然酸化膜SiO2からなる絶縁層(厚さ30 nm程度)で覆われた構造をとることから、TFTの半導体層として用いた場合、多結晶シリコン又は単結晶シリコン並みの高いトランジスタ性能を示す(例えば、特許文献2参照。)。
また素子形成においては、ナノワイヤを溶媒中に分散させることで基板上への塗布形成が可能であり、簡易・低コスト・大量生産といったプロセス面でのメリットも併せ持つ。しかし、TFT素子を形成する際、ただナノワイヤ溶液を基板に塗布するだけでは不十分で、各々のナノワイヤの配向方向・配列位置を制御することが必要となる。ここでいう配向とは基板上におけるナノワイヤの長軸の方向性を表し、配列とは基板上でのナノワイヤの2次元的な配置位置を示す。
ナノワイヤの配向方向・配列位置を制御する技術の例としては、ナノワイヤ溶液を基板上に設けた流路に流すことによるものが報告されている(例えば、特許文献3参照。)。具体的には、基板上でナノワイヤを配向させたい方向に微小な流路状マスクを設計し、この流路にナノワイヤ溶液を流すことにより、流路方向にナノワイヤを配向制御する手法である。この方法によると、流路に沿った方向の配向制御性が高いものの、流路上でのナノワイヤの配列制御は流路の形態に依存する。そのため、大面積にわたって効率よくナノワイヤの配向制御をするには不適切であり、デバイスの生産性が低い。しかし、現在、ナノワイヤの配向制御に関する技術は、特許文献3の技術以外に報告例はほとんど無い。
ナノワイヤTFTの応用用途の一例として、フレキシブル基板へのTFT形成があげられる。ナノワイヤTFTは、上記のようにTFT性能に優れるだけでなく、ドライバ回路の同時形成が可能、曲げ耐性に優れる、完全溶液プロセスによる形成の可能性を持つといった特徴を有する。そのため、ナノワイヤTFTをプラスチック基板上に形成することで、従来のTFT技術では成し得なかった高いTFT性能と簡易な形成プロセスとを併せ持つ、フレキシブルな電子デバイスを形成することが期待されている。液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ技術に、ナノワイヤTFT技術を組み合わせることが考えられる。これによれば、従来には無い高輝度・高画質・低電力駆動可能なフレキシブルディスプレイが実現すると考えられる。
特開平10−106960号公報 米国特許第6882051号明細書 米国特許第6872645号明細書
上記のように、ナノワイヤTFTに代表されるナノワイヤ電気素子は、高い素子性能と簡易かつ低コストな素子形成プロセスとを両立する可能性を持つものの、その実現のためには、素子形成段階におけるナノワイヤの配向・配列制御が重要となる。しかし現在報告されている流路にナノワイヤを流して配向制御する方法では、装置が複雑であり、素子の生産性も低い。
そこで本発明は、ナノワイヤの配向方向が制御され且つ基板上の所望の位置にのみナノワイヤが配列したナノワイヤ配向配列基板を簡易なプロセスで製造することを目的とする。また、本発明は、そのようなナノワイヤ配向配列基板の製造方法を用いて簡易なプロセスで電気素子を製造することを他の目的とする。
本発明によれば、上記の目的を達成するものとして、
基板上にナノワイヤを配向配列してなるナノワイヤ配向配列基板を製造する方法であって、
前記ナノワイヤよりも低い屈折率を持つ溶媒中に前記ナノワイヤを分散してなるナノワイヤ溶液を前記基板に接触させ、異方性パターンの光を照射することにより、該光の照射された領域内において前記ナノワイヤの配向方向を前記光の異方性パターンの長手方向に沿うように制御することを特徴とする、ナノワイヤ配向配列基板の製造方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記異方性パターンの光は、前記ナノワイヤ溶液中のナノワイヤに働く放射圧を駆動力として前記ナノワイヤの配向方向が制御されるような強度を持つ。本発明の一態様においては、前記異方性パターンの光を、レーザーの二光束干渉パターニング及びマスクパターニングのうち少なくとも1つにより形成する。本発明の一態様においては、前記ナノワイヤの配向方向を制御するに際して、前記基板及び/またはナノワイヤ溶液に外力を与えて前記ナノワイヤ溶液内のナノワイヤを前記光の照射された領域内へと移動させる。本発明の一態様においては、前記ナノワイヤの配向方向を制御した後に、前記溶媒を蒸発させる。
また、本発明によれば、上記の目的を達成するものとして、
基板上に電気的機能要素を形成してなる電気素子を製造する方法であって、
上記の方法により前記ナノワイヤ配向配列基板を作製し、該ナノワイヤ配向配列基板を作製する前及び/または後に、前記基板またはナノワイヤ配向配列基板に前記電気的機能要素を形成することを特徴とする、電気素子の製造方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記電気素子は前記電気的機能要素としてソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁層及び導電性チャネル層を含んでなるTFTであり、前記基板上に配向配列されたナノワイヤにより前記導電性チャネル層を構成してなる。本発明の一態様においては、前記ナノワイヤ配向配列基板を作製する前に前記基板上に前記ゲート電極及びゲート絶縁層を形成し、前記ナノワイヤ配向配列基板を作製することで前記配向配列されたナノワイヤからなる導電性チャネル層を形成する。更に、この態様では、前記ナノワイヤ配向配列基板を作製した後に前記ソース電極及びドレイン電極を形成する。
以上のような本発明によれば、基板上でのナノワイヤの特徴的な配向・配列制御に起因して、以下のような効果が得られる。
異方性パターンをもって照射される光に基づきナノワイヤの配向・配列制御の駆動力を得ていることから、基板に対して特別な物理的加工を施す必要が無い。また、基板に対して非接触に配向・配列制御を行えるため、連続的に位置を変えつつ操作でき、デバイスの生産性を高めることができる。さらに、異方性パターンをもって光を照射することで、ナノワイヤのような高アスペクト比を持つ物質に対して、光の異方性パターンの長手方向に沿った方向に配向するように放射圧を効率的に作用させることができ、配向制御を精度良く行うことが出来る。
レーザーの二光束干渉パターニングまたはマスクパターニングを用いることにより、上記異方性パターンの光を形成しつつ、かつナノワイヤの配向・配列制御を行うのに十分な放射圧となるように照射光の強度を容易に調節することが出来る。さらに、上記異方性パターンの光を形成する際にレーザーの二光束干渉パターニング及びマスクパターニングを併用することで、光の異方性パターンの形状をより精密に制御することができ、配向・配列制御の精度が向上する。
また、本発明によれば、以上のようにすぐれた精度で配向・配列制御されたナノワイヤを電気的機能要素の1つ(たとえば導電性チャネル層)として用いた電気素子(たとえばナノワイヤTFT)を簡易なプロセスにて効率よく製造することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明のナノワイヤ配向配列基板の製造方法及びそれを用いた電気素子の製造方法の実施の形態を説明する。
本発明では、溶液中での光トラップを駆動力に利用して、ナノワイヤの配向・配列制御を行う。以下その原理について説明する。
溶媒中を伝播する光が屈折率の異なる媒質中に侵入する際、屈折により光の進路方向が変化する。この際、運動量の変化を補償するために、媒質に対して反作用の力として放射圧が働く。この力の働く方向は、溶媒と媒質との屈折率の関係によって決まる。媒質の屈折率が溶媒の屈折率より高い場合は、放射圧は光スポット内に媒質を捕捉する方向に作用する。また、媒質の屈折率が溶媒の屈折率よりも低い場合は、放射圧は光スポットの外側に媒質をはじき出す方向に作用する。このような、放射圧により溶媒中に分散した媒質を捕捉または排斥して媒質の位置制御を行う手法を、光トラップ、光マニピュレーションまたは光ピンセットなどと呼ぶ。
本発明者は、この光トラップを駆動力に利用することで、基板上の溶液中に分散したナノワイヤの配向・配列を制御することが可能であることを見出した。
本発明で用いるナノワイヤとしては、求められるデバイス機能に応じて、適宜選択可能である。たとえば、IV族半導体(C, Si, Ge, Sn)とそれらの組合せ、III−V族半導体(Al,Ga,In)(N,P,As,Sb)、II−VI族半導体(Be,Mg,Zn,Cd,Hg)(O,S,Se,Te)が可能である。また、その他の半導体(Ge,Sn,Pb)(S,Se,Te)、(Cu,Ag)(F,Cl,Br,I)、(Cu,Ag)(Al,Ga,In,Tl,Fe)(S,Se,Te)2、(Al,Ga,In)2(S,Se,Te)3が可能である。更に、BeSiN2, CaCN2, ZnGeP2, CdSnAs2, ZnSnSb2, CuGeP3, CuSi2P3, Si3N4, Ge3N4, Al2O3, Al2CO等とこれらの組合せが可能である。ここで、括弧()内の元素は、それらの内の一種類からなる材料、あるいは複数種類の材料を混合してなる材料の全てを総括的に表している。また更に、p型半導体、n型半導体の形成のために、適宜ドーパントが添加される場合もある。
これらのナノワイヤを、気相法、液相法などの各種合成法により合成し、均一に分散できるような溶媒中に分散する。本発明では、媒質であるナノワイヤよりも屈折率の低い溶媒を用いることで、光照射時にナノワイヤに生じる放射圧を配向・配列制御の駆動力として利用する。媒質に対して効率的に放射圧が働くように、溶媒は入射光に対する吸収を実質上持たない物質を用いるのが好ましい。例えば、ナノワイヤの材料としてSiを用いた場合、Siの屈折率は4.2と非常に大きいため、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの屈折率が1.4前後の一般的な有機溶媒を溶媒として使用することが出来る。
いずれのナノワイヤにおいても、放射圧により配向制御できる程度の大きさで、かつ十分大きなアスペクト比を持つ形状であることが望ましい。具体的には、ナノワイヤ径は1 nm以上1μm以下、ナノワイヤ長は100nm以上100μm以下、アスペクト比は100以上であることが望ましい。特に、ナノワイヤTFTを構成する場合は、ナノワイヤ径は10 nm以上100 nm以下、ナノワイヤ長は1μm以上10μm以下であることが望ましい。
ナノワイヤ自体の構造は、コアのみの構造でも良く、またコアシェル構造などによりナノワイヤの機能を高めたものでも良い。ナノワイヤが、材料の異なる複数の部分からなるものであっても、これら複数の部分の屈折率はいずれも上記溶媒よりは大きいのが一般的である。更には、ナノワイヤは、中空状のナノチューブであってもよい。
また、配向制御したナノワイヤを基板上により強固に固定するために、あらかじめナノワイヤ表面及び基板表面の少なくとも一方に、エネルギー照射によりナノワイヤ・基板間に結合力を生じるような化学修飾をしても良い。この場合、ナノワイヤ溶液の溶媒を蒸発させると同時またはその後にエネルギー照射することで、ナノワイヤ・基板間の結合力を高めることができる。但し、このような特別の結合力向上のための対処をしなくとも、ナノワイヤの配向配列の後に溶媒を蒸発させることで、ナノワイヤは配向状態を維持して基板に付着する。
図1において、本発明によるナノワイヤ配向配列基板の製造方法の一実施形態を示す。
先ず、基板11上に、上記手法により得たナノワイヤ12を溶媒に分散させたナノワイヤ溶液の状態で均一に展開する(図1(A))。これは、溶液の塗布により行うことができる。基板11の材料は、ナノワイヤ溶液により侵食などの作用を受けない物であれば特に制限はなく、ガラス基板、プラスチック基板など広範な基板の中から選択して用いることが出来る。
次に、2本以上のレーザー光13を基板11上に照射することにより、基板11上に光強度分布パターンによる干渉縞状光スポット即ち異方性パターン光14を形成する(図1(B))。2本の同じ波長のレーザー光13を基板11上で干渉させる場合、基板11上に形成される異方性パターン光14の配列ピッチPは、レーザー光の波長をλ、2本のレーザー光の光軸間の角度をθとして、関係式sin(θ/2)=(λ/2P)を満たす。この式に基づき、レーザー光波長λ及び光軸間角度θを設定すればよい。ここで用いられるレーザーの種類に特別な制限はなく、ナノワイヤ12や基板11に対して構造破壊などの悪影響を及ぼさないもので、ナノワイヤ配向配列構造の形成に適した物を選択すればよい。例えばYAG、ルビー等の固体レーザー、CO2、Ar、エキシマ等の気体レーザー、GaAs等の半導体レーザーなど、各種のレーザーから選択することが出来る。レーザー光は連続波でもパルス波でも良い。
上記方法で形成した異方性パターン光14は、その長軸方向即ち長手方向に関して干渉領域の面積に応じた広がりをもつ。例えばナノワイヤTFTを作製する場合、この異方性パターン光14の長手方向の長さをナノワイヤの長さ(例えば1μm以上10μm以下)程度に制御することが望ましい。この場合には、図2(A)に示すように、基板上方に例えば1μm以上10μm以下の幅の開口部21を持つマスクパターン22を配置することで、基板上に形成される異方性パターン光14の長手方向の長さを制御できる。
また上記方法で形成した異方性パターン光14は、短軸方向即ち短手方向に均一なピッチで並ぶ(図3(A))。
しかし、実際には照射される光の強度Iは連続的に変化する(図3(B))。尚、本明細書では、異方性パターン光14は、ナノワイヤ溶液中のナノワイヤに働く放射圧を駆動力としてナノワイヤの配向方向が良好に制御されるような強度分布範囲のものとしている。
そのため、基板上でナノワイヤの配向制御を行う場合、異方性パターン光14の周囲ではナノワイヤに加わる放射圧が連続的に変化(低下)するため、配向制御性は低くなる。そこで、図3(C)に示すように、ナノワイヤの配向・配列制御をする際に、開口部の短手方向の長さ(幅)が異方性パターン光14の短手方向の長さ(幅)よりも小さい(狭い)開口部31を持つマスクパターン32を用いる。このマスクパターン32により、基板上にて光強度Iが周囲よりも不連続的に十分に強くなるような分布を形成することが出来る(図3(D))。また、この開口部31の位置は光スポット14のすべてに対応させなくても良い。光スポット14のうち実際に基板上でナノワイヤを配列させない部分に対応するものについては、開口部を設けずに光を遮断することも出来る。
基板上に形成される異方性パターン光14の短手方向の長さはナノワイヤ径よりも大きく、かつナノワイヤ長よりも十分小さく(たとえば1/2以下、好ましくは1/3、更に好ましくは1/4以下に)する。これにより、異方性パターン光の照射領域内にあるナノワイヤは放射圧を受け、異方性パターンの長手方向に沿った方向に配向して、異方性パターン光の照射領域内に配列する(図1(B))。異方性パターン光14は基板上でレーザー光入射面15に沿って一列に広がって形成される。このため、形成した基板上の複数の異方性パターン光のそれぞれにつき、同時にナノワイヤの配向・配列制御を行うことが出来る。また、このとき溶液中のナノワイヤが異方性パターン光の照射領域内へ効率的に移動し放射圧を受けるように、外部から超音波などの二次的な力(外力)を系(具体的には例えば基板または溶液)に与えても良い。
以上のような過程を、基板上でレーザー光入射面15の位置をずらしながら繰り返すことで、基板面上に配向・配列制御された複数のナノワイヤパターンを形成することが出来る(図1(C))。この時、基板側を固定して光源側を移動しても良いし、逆に光源側を固定して基板側を移動しても良い。
また、ナノワイヤの短手方向(径方向)にナノワイヤパターンの幅を拡大したい場合(図4(B))には、図4(A−1)、図4(A−2)、図4(A−3)、図4(A−4)に示す順番で、次のようにすればよい。即ち、マスクパターン32と基板11との相対位置関係を異方性パターン光の短手方向に少しずつ(たとえば開口部31の幅ずつ)ずらしながら配向・配列制御を繰り返し行えばよい。
異方性パターン光を形成する光学的方法に特に制限はなく、上記の二光束干渉パターニングの他に、例えば1本のレーザー光を単スリットを通過させることにより生じる干渉縞を用いる方法でも良い。また、十分に照射断面積の広い1本の光を、基板上方に配置されたマスクパターンを介して一様に照射して、マスクパターン形状に応じた光スポットを基板上に形成するマスクパターニングでも良い。いずれの方法でも、基板上のナノワイヤに対して放射圧により配向制御させるのに十分であり、かつナノワイヤや基板に対して悪影響を及ぼさないだけの光強度に調整するのが好ましい。
本実施形態での二光束干渉パターニングの光学系の一例を図5に示す。基板11上にナノワイヤ分散溶液51を接触させる。必要に応じて、基板上から外へナノワイヤ分散溶液が漏れ出すのを防ぐために、外枠52を設ける。
光源53から出たレーザー光13をビームスプリッタ54により2本に分割し、ミラー55で反射して基板11上において干渉させることにより、光強度分布パターンを形成する。このとき、必要に応じて、上記のようにして異方性パターン光の形状を調整するためのマスクパターン56を使用する。
上記方法により基板上でナノワイヤの配向・配列制御を行った後、溶媒を蒸発除去することでナノワイヤパターンを得る。
ナノワイヤパターンを基板上に形成する前及び/または形成した後に、該基板の所要の領域に電極等の電気的機能要素を形成することにより、ナノワイヤTFT等の電気素子を製造することが出来る。このような電気素子の一例としてのナノワイヤTFTの模式的平面図を、図6に示す。基板の表面にゲート電極26が形成されており、該ゲート電極上に不図示のゲート絶縁層を介してナノワイヤ12を用いて構成される導電性チャネル層が形成されている。尚、ナノワイヤとして表面に酸化膜等からなる絶縁膜が形成されている場合には、この酸化膜がゲート絶縁膜として機能するので、基板表面のゲート絶縁膜を省略してもよい。ナノワイヤ12は、上方から見た時にゲート電極26を横切るように配置されている。そして、各ナノワイヤ12の両端にそれぞれ接続されたソース電極24及びドレイン電極25が形成されている。
本発明のナノワイヤの配向・配列制御技術は、上記実施形態で説明したTFTのみならず、その他のナノワイヤを有する電気素子の製造にも利用することができる。このような電気素子としては、抵抗体、コンデンサ、電界発光素子、光電変換素子などを挙げることができる。
また、基板としてPETのようなフレキシブル基板を用いれば、ロール・トゥ・ロール過程中に本発明のナノワイヤの配向・配列制御技術を導入することで、高性能なTFT等の電気素子を高効率に基板上に形成することが可能となる。更に、ナノワイヤの配向・配列と共に、ドライバ形成や発光機能部形成等をもプロセスに盛り込むことにより、高性能なフレキシブルディスプレイの製造が可能となる。
以下、本発明に従った実施例を説明する。
[実施例1]
<111>シリコン基板上に20nm径の金微粒子を並べ、真空下(<100mTorr)で加熱(440℃)し、SiH4ガスを供給してVLS(気相−液相−固相)法によりSiナノワイヤを成長させた。次に、酸素雰囲気下で加熱処理し、Siナノワイヤの表面を熱酸化処理した。その後、該ナノワイヤをSi基板から切断することで収穫した。この工程は、Appl. Phys. Lett., Vol.78, p2214-2216, 2001に記載の方法に準拠して行った。本実施例で得られたSiナノワイヤは、直径20nm、長さ20μmで、その周りをSiO2が5nmの膜厚でとりかこんでいた。
得られたSiナノワイヤを溶媒であるエタノール中に分散して得られたSiナノワイヤ溶液を、表面がSiO2酸化膜で覆われたSi基板上に供給した。この基板に対して、図5に示す系で波長532nmのNd-YAGレーザーを光源として、光軸間角度6°でレーザー光を入射して二光束干渉させることにより、図2(A)のように配列ピッチ5μmの異方性パターン光を形成するようにした。その際、基板上方に、図2(A)に示すようなマスク22を配置し、基板上に形成される各異方性パターン光の長手方向の長さが20μmになるようにした。その結果、基板上に形成された異方性パターン光14の照射領域内に、その異方性パターンの長手方向に沿うように配向制御されたナノワイヤが配列した。ナノワイヤは、エタノール蒸発に伴い、配向状態を維持したままSi基板に付着した。
[実施例2]
表面がSiO2酸化膜で覆われたSi基板として、予めSiO2酸化膜下にゲート電極26を形成したものを用いたことを除いて、実施例1と同様の工程を行った。これにより、それぞれが複数のナノワイヤを含む複数のナノワイヤパターン23が形成された(図2(B))。次に、溶媒を蒸発除去し、通常の半導体プロセスによりソース電極24およびドレイン電極25を複数のナノワイヤパターン23のそれぞれの両端に形成することで、ナノワイヤTFTを得た(図2(B))。
本発明によるナノワイヤ配向配列基板の製造方法の一実施形態を示す図である。 マスクパターンによる異方性パターン光の形状制御、及び本発明により製造されたナノワイヤTFTを示す図である。 マスクパターンによる異方性パターン光の形状制御、及び照射光の強度分布を示す図である。 本発明によるナノワイヤ配向配列基板の製造方法の一実施形態を示す図である。 異方性パターン光の形成のための光学系を示す図である。 本発明により製造されたナノワイヤTFTを示す図である。
符号の説明
11:基板
12:ナノワイヤ
13:レーザー光
14:異方性パターン光
15:レーザー光入射面
21、31:マスク開口部
22、32、56:マスク
23:ナノワイヤパターン
24:ソース電極
25:ドレイン電極
26:ゲート電極
51:ナノワイヤ溶液
52:外枠
53:レーザー光源
54:ビームスプリッタ−
55:ミラー

Claims (8)

  1. 基板上にナノワイヤを配向配列してなるナノワイヤ配向配列基板を製造する方法であって、
    前記ナノワイヤよりも低い屈折率を持つ溶媒中に前記ナノワイヤを分散してなるナノワイヤ溶液を前記基板に接触させ、異方性パターンの光を照射することにより、該光の照射された領域内において前記ナノワイヤの配向方向を前記光の異方性パターンの長手方向に沿うように制御することを特徴とする、ナノワイヤ配向配列基板の製造方法。
  2. 前記異方性パターンの光は、前記ナノワイヤ溶液中のナノワイヤに働く放射圧を駆動力として前記ナノワイヤの配向方向が制御されるような強度を持つことを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤ配向配列基板の製造方法。
  3. 前記異方性パターンの光を、レーザーの二光束干渉パターニング及びマスクパターニングのうち少なくとも1つにより形成することを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のナノワイヤ配向配列基板の製造方法。
  4. 前記ナノワイヤの配向方向を制御するに際して、前記基板及び/またはナノワイヤ溶液に外力を与えて前記ナノワイヤ溶液内のナノワイヤを前記光の照射された領域内へと移動させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のナノワイヤ配向配列基板の製造方法。
  5. 前記ナノワイヤの配向方向を制御した後に、前記溶媒を蒸発させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のナノワイヤ配向配列基板の製造方法。
  6. 基板上に電気的機能要素を形成してなる電気素子を製造する方法であって、
    請求項1に記載の方法により前記ナノワイヤ配向配列基板を作製し、該ナノワイヤ配向配列基板を作製する前及び/または後に、前記基板またはナノワイヤ配向配列基板に前記電気的機能要素を形成することを特徴とする、電気素子の製造方法。
  7. 前記電気素子は前記電気的機能要素としてソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁層及び導電性チャネル層を含んでなるTFTであり、前記基板上に配向配列されたナノワイヤにより前記導電性チャネル層を構成してなることを特徴とする、請求項6に記載の電気素子の製造方法。
  8. 前記ナノワイヤ配向配列基板を作製する前に前記基板上に前記ゲート電極及びゲート絶縁層を形成し、前記ナノワイヤ配向配列基板を作製することで前記配向配列されたナノワイヤからなる導電性チャネル層を形成し、前記ナノワイヤ配向配列基板を作製した後に前記ソース電極及びドレイン電極を形成することを特徴とする、請求項7に記載の電気素子の製造方法。



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