JP2007150060A - 多層配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1から第3絶縁基板11を介して導電材料によって構成された第1から第3配線パターン12及び第1から第3ダミーパターン13a、13bを複数積層し、ダミーパターンは、その外周面積が0.01mm2以上であると共に、導電材料の非形成領域である第1から第3クリアパターン15a、15bを有し、ダミーパターンのうちクリアパターンを除いた面積が、外周面積に対して60%以上99.5%以下である。
【選択図】図1
Description
このような多層配線板では、上面に配線パターンが形成されているか否かにより、絶縁基板に対して以下のような問題が発生する。まず、絶縁基板のうち配線パターンが形成された領域と形成されていない領域とが存在することで表面が平坦化せず、積層される配線パターンの形成工程において配線パターンの再現性に不具合が発生することがある。また、配線パターンと絶縁基板とを熱圧着によって積層しているが、絶縁基板と配線パターンとの熱挙動が異なることから応力が絶縁基板に均等にかからず、絶縁基板に歪みやソリが発生することがある。
また、配線パターン中を信号電流が流れたときに信号電流に対する逆電流が発生するが、この逆電流の発生を妨げないように、後者の多層配線板では複数の微小なダミーパターンを電気的に接続してグラウンドと接続している。そのため、各ダミーパターンを電気的に接続するために構造が複雑化するという問題がある。
以上より、絶縁基板に対する応力を均等にすると共に、良好な電気特性を得ることができる。
なお、ダミーパターンの外周面積に対する面積率は、70%以上99.5%以下であることが望ましい。このようにすることで、絶縁基板の強度を十分に維持することができる。
この発明では、配線パターンの外縁部とダミーパターンの外縁部との距離を500μm以下とすることで、配線パターン及びダミーパターンと絶縁基板とを接着剤を用いて接着する際、配線パターンとダミーパターンとの間に塗布された接着剤中に気泡の噛み込みが発生することを防止できる。
なお、配線パターンの外縁部とダミーパターンの外縁部との距離は、400μm以下とすることが望ましい。このようにすることで、より確実に気泡の噛み込みを防止できる。
この発明では、クリアパターンの縁部のうちの任意の2点間の距離を500μm以下とするとで、配線パターン及びダミーパターンと絶縁基板とを接着剤を用いて接着する際、クリアパターン内に塗布された接着剤中に気泡の噛み込みが発生することを防止できる。
なお、クリアパターンの縁部のうちの任意の2点間の距離は、400μm以下であることが望ましい。このようにすることで、より確実に気泡の噛み込みを防止できる。
この発明では、積層されたダミーパターン同士が互いに電気的に接続され、これらをグラウンドに接続することで、配線パターン中を流れる信号電流に対する逆電流の発生を妨げることがないようにできる。
本実施形態における多層配線板1は、図1及び図2に示すように、第1から第3配線基板2〜4を第1及び第2接着層5、6を介して積層した構成となっている。なお、便宜上図1のパターンと図2のパターンとは一致していない。
第1絶縁基板11は、例えばポリイミドのような絶縁性のフィルムによって構成されており、その厚さが例えば25μm〜30μmとなっている。また、第1絶縁基板11にはその厚さ方向で貫通するビア14a、14bが形成されており、ビア14a、14bには導電材料が充填されている。このビア14a、14bにより、第1絶縁基板11の上下両面の電気的な接続が確保される。
また、第1ダミーパターン13a、13bには、それぞれ導体層を除去することで形成された第1クリアパターン15a、15bが複数形成されている。
また、第1ダミーパターン13a、13bは、第1絶縁基板11に形成されたビア14bを介して後述する第2ダミーパターン23a、23bと電気的に接続されている。
第2絶縁基板21は、第1絶縁基板11と同様に、絶縁性のフィルムによって構成され、その厚さが例えば25μm〜30μmとなっている。また、第2絶縁基板21にはその厚さ方向で貫通するビア26a、26bが形成されており、第2絶縁基板21の上下両面の電気的な接続が確保される。
一方、第2配線パターン24は、第2絶縁基板21の下面に形成された線状のパターンであって、その厚さが約10μmとなっている。また、第2配線パターン24は、上述したビア26aにより、第2配線パターン22と電気的に接続されていると共に、第3絶縁基板31に形成された後述するビア34aを介して後述する第3配線パターン32と電気的に接続されている。
第3絶縁基板31は、第1及び第2絶縁基板11、21と同様に、絶縁性のフィルムによって構成され、その厚さが例えば25μm〜30μmとなっている。また、第3絶縁基板31にはその厚さ方向で貫通するビア34a、34bが形成されており、第3絶縁基板31の上下両面の電気的な接続が確保される。
第3ダミーパターン33a、33bは、第3配線パターン32と同様に、第3絶縁基板31の下面に形成されたパターンであって、第3絶縁基板31の下面の2箇所に分割して形成されている。ここで、第3ダミーパターン33a、33bは、それぞれその厚さが約10μm、外周面積が0.01mm2以上となっている。
また、第3ダミーパターン33a、33bは、上述したビア34bにより第2ダミーパターン25a、25bと電気的に接続されている。そして、第1から第3ダミーパターン13a、13b、23a、23b、25a、25b、33a、33bは、ビア14b、26b、34bを介してそれぞれ電気的に接続されている。なお、これら第1から第3ダミーパターン13a、13b、23a、23b、25a、25b、33a、33bは、グラウンドに接続されている。
また、第3ダミーパターン33a、33bには、それぞれ第3クリアパターン35a、35bが複数形成されている。
ここで、第1接着層5には、平面視でビア14a、14bと重なる領域にその厚さ方向で貫通する貫通孔が形成されている。また、第2接着層6には、平面視でビア34a、34bと重なる領域にその厚さ方向で貫通する貫通孔が形成されている。
最初に、絶縁性のポリイミドフィルムで構成された第2配線基板3の両面に銅箔を貼り付け、化学研磨により10μm程度まで研磨して第2導体層41、42を形成する(図3(a))。
そして、第2導体層41、42が形成された第2絶縁基板21に脱脂処理を施した後、レーザ加工により第2導体層41及び第2絶縁基板21を貫通するビア26a、26bを形成する(図3(b))。
そして、第2導体層41、42上に液状レジストを塗布することでレジスト層43、44をそれぞれ形成する(図3(d))。
そして、上述と同様にフォトリソグラフィ技術及びエッチング処理を用いることにより、第1及び第3配線基板4を形成する(図4(d))。以上のようにして多層配線板1を形成する。
そして、各絶縁基板11、21、31にかかる応力を均等にすることで、各配線基板2〜4の積層時における位置決めが容易となる。
同様に、各配線基板2〜4において、各クリアパターン15a、15b、27a、27b、28a、28b、35a、35bの形状を平面視で直径100μmの円形としており、縁部のうちの任意の2点間の距離を100μm以下とすることで、各クリアパターン15a、15b、27a、27b、28a、28b、35a、35b内に塗布された接着剤中に気泡の噛み込みが発生することを防止できる。
さらに、積層された各ダミーパターン13a、13b、23a、23b、25a、25b、33a、33b同士が互いに電気的に接続され、これらをグラウンドに接続することで、各配線パターン12、22、24、32中を流れる信号電流に対する逆電流の発生を妨げることがないようにできる。
まず、第2絶縁基板の両面に銅箔で構成された第2導体層が貼り合わされた、幅105mmの両面銅箔付ポリイミド基板を用いて上述した製造方法により多層配線板を形成した。ここで、第1配線基板には、第1ダミーパターンが3箇所に分割して形成されており、それぞれの外周面積、ダミーパターンのうちクリアパターンを除いた部分の面積及び残銅率は以下のようになった。
外周面積(mm2) クリアパターンを除いた面積(mm2) 残銅率(%)
A 222.3 163.7 73.6
B 68.2 51.1 74.9
C 2.3 2.0 87.0
そして、第1配線基板全体における銅面積率は、68.4%となった。
例えば、上記実施形態において、多層配線板1は第1から第3配線基板2〜4を3層積層した構成となっているが、2層以上積層されていればよい。
また、第1から第3配線基板2〜4の積層方法としては、枚葉基板に限らず、テープ上のフレキシブル基板を用いたロール・ツー・ロールによる連続製造方法を用いてもよい。
また、第1から第3絶縁基板11、21、31にビア14a、14b、26a、26bを形成し、第1から第3配線基板2〜4の間で電気的な接続をする必要なければ形成しなくてもよい。また、ビア14a、14b、26a、26bの形成位置及び形成数は、設計に応じて適宜変更してもよい。さらに、ビア14a、14b、26a、26bは、コンフォーマルビアやフィルドビア、スタックビアであってもよい。
また、第1から第3クリアパターン15a、15b、27a、27b、28a、28b、35a、35bの形状は円形に限らず、多角形など他の形状であってもよい。
また、第1から第3クリアパターン15a、15b、27a、27b、28a、28b、35a、35bの形成位置及び形成数は、設計に応じて適宜変更してもよい。
同様に、第1から第3クリアパターン15a、15b、27a、27b、28a、28b、35a、35bの縁部のうちの任意の2点間の距離を100μm以下としているが、500μm以下であればよく、気泡の噛み込みが発生しないのでれば500μmより大きくてもよい。
2 第1配線基板
3 第2配線基板
4 第3配線基板
11 第1絶縁基板
12 第1配線パターン
13a、13b 第1ダミーパターン
15a、15b 第1クリアパターン
21 第2絶縁基板
22、24 第2配線パターン
23a、23b、25a、25b 第2ダミーパターン
27a、27b、28a、28b 第2クリアパターン
31 第3絶縁基板
32 第3配線パターン
33a、33b 第3ダミーパターン
35a、35b 第3クリアパターン
Claims (4)
- 絶縁基板を介して導電材料によって構成された配線パターン及び少なくとも1つのダミーパターンを複数積層した多層配線板において、
前記ダミーパターンは、その外周面積が0.01mm2以上であると共に、前記導電材料の非形成領域であるクリアパターンを有し、
前記ダミーパターンのうち前記クリアパターンを除いた面積が、前記外周面積に対して60%以上99.5%以下であることを特徴とする多層配線板。 - 前記配線パターンの外縁部と前記ダミーパターンの外縁部との距離が、500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の多層配線板。
- 前記クリアパターンの縁部のうち任意の2点間の距離が、500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線板。
- 前記積層されたダミーパターン同士が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多層配線板。
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