JP2007146746A - 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

Abstract

【課題】電動送風機において、ファンブレード間で構成される通路内で吸い込まれた気流が均一に流れず、その為に送風効率が低下する問題があった。
【解決手段】複数枚の略弓状のファンブレードＡ２４とファンブレードＡ２４を挟持する前面シュラウド１２と後面シュラウド１３と、ファンブレードＡ２４の回転方向と反対方向にファンブレードＡ２４の長さよりも短い略弓状のファンブレードＢ２５を配し、ファンブレードＢ２５の内周側端部はファンブレードＡ２４の側面に当接させ、ファンブレードＢ２５の外周端部はファンブレードＡ２４の外周端部と離して構成する電動送風機としたので、気流の量を均一化することが可能になり、送風効率の低下を防止することができるようになる。
【選択図】図１

Description

本発明は、電動送風機及びそれを用いた電気掃除機に関するものである。

従来のこの種電動送風機について図８、図９を用いて説明する。

１は電動機２の回転軸３にインペラ４を取付け固定した電動送風機であり、前記インペラ４の外周に対向して複数の案内翼５でボリュート室６を形成したエアガイド７が配置されている。８はインペラ４とエアガイド７を内包し、かつ電動機２の外周に気密に取り付けられた中央部に吸気孔９を有するケーシングである。前記ケーシング８の外周には複数個の排気孔Ａ１０が設けられている。

インペラ４は複数の弓状のファンブレード１１とそれらを挟持する前面シュラウド１２と後面シュラウド１３と３次元形状の翼を形成したインデューサー１４とから構成されている。

前記電動機２を構成するブラケット１５には、前記インペラ４で吸引された空気を排気する排気孔Ｂ１６が設けられていると共に、前記回転軸３に整流子１７と薄い珪素鋼板を積層して成る電機子コア１８を圧入固定し巻線を施したローター１９と、薄い珪素鋼板を積層して成る界磁コア２０に巻線を施したステーター２１を内蔵している。

また、前記ブラケット１５には整流子１７と摺動するカーボンブラシ２２を収納したブラシ保持器２３を設けている。

以上の構成における動作について説明すると、電動機２が運転し回転軸３に取付け固定されたインペラ４が高速で回転すると吸込まれる気流が発生し、この気流はインペラ４の隣り合うファンブレード１１と前面シュラウド１２と後面シュラウド１３で構成される通路内を通り外周より排出される。

インペラ４から排出された気流はエアガイド７の隣り合う案内翼５間で形成されるボリュート室６内を経由して、気流の一部はケーシング８の外周に設けられた排気孔Ａ１０から外部に排出され、その他の気流はブラケット１５内のローター１９、ステーター２１の巻線を冷却した後に排気孔Ｂ１６から排出されるものであった（例えば、特許文献１参照）。
特開平１１−７２０９９号公報

前記した従来の構成の電動送風機は、インペラ４の入口から気流が流れ込み隣り合うファンブレード１１間で形成される通路を通って外部へ吐出される。その間に気流はインペラ４より高速回転による遠心力を受けるが、回転しているために気流はどうしてもファンブレード１１の回転方向側の面に多く流れる。この面を圧力側と言うが、その反対側の負圧面では、気流はファンブレード１１から離れるように流れ剥離や還流などが生じやすくなりエネルギーロスを生じる。

このようにファンブレード１１間で構成される通路内で吸い込まれた気流が均一に流れず、その為に送風効率が低下する問題があった。

ブラケット内に軸受けを固定した回転軸を備えたローターと、前記ローターと対向して配されたステーターとを内蔵し、前記回転軸に気流を発生させるインペラを取付け固定し、前記インペラの周囲に複数の案内翼を形成したエアガイドを配し、前記インペラとエアガイドをケーシングで覆った電動送風機において、前記インペラは複数枚の略弓状のファンブレードＡと前記ファンブレードＡを挟持する前面シュラウドと後面シュラウドとを有し、前記ファンブレードＡの回転方向と反対方向に前記ファンブレードＡよりも長さが短い略弓状のファンブレードＢを配し、前記ファンブレードＢの内周側端部は前記ファンブレードＡの側面に当接させ、前記ファンブレードＢの外周端部はファンブレードＡの外周端部と離して構成したものである。

本発明は送風効率を向上させるとともに耳障りな高周波音の低減を図れる電動送風機を提供できる。

第１の発明は、ブラケット内に軸受けを固定した回転軸を備えたローターと、前記ローターと対向して配されたステーターとを内蔵し、前記回転軸に気流を発生させるインペラを取付け、前記インペラの周囲に複数の案内翼を形成したエアガイドを配し、前記インペラとエアガイドをケーシングで覆った電動送風機において、前記インペラは、複数枚の略弓状のファンブレードＡと前記ファンブレードＡを挟持する前面シュラウドと後面シュラウドとを有し、前記ファンブレードＡの回転方向と反対方向に前記ファンブレードＡよりも長さが短い略弓状のファンブレードＢを配し、前記ファンブレードＢの内周側端部は前記ファンブレードＡの側面に当接させ、前記ファンブレードＢの外周端部はファンブレードＡの外周端部と離して構成した電動送風機としたもので、インペラ内を通過する気流の量を均一化することにより送風効率を高めることができるようになる。

第２の発明は、ファンブレードＢの内周側端面部の形状を略鋭角に形成し、前記ファンブレードＢの内周側端面部の形状が、ファンブレードＡの側面と滑らかにつながるようにしたもので、ファンブレードの内周側端部での気流の衝突を防止して更に送風効率を向上させることができる。

第３の発明は、ファンブレードＢの側面に複数の微小な貫通孔を設けたもので、ファンブレードＢの側面に気流が流れる際にファンブレードＡとファンブレードＢで形成される空間でヘルムホルツ型の消音器を構成できるので低騒音化が図れる。

第４の発明は、第１〜第３のいずれか１つの発明の電動送風機を備えた電気掃除機としたものであり、吸い込み力の強い掃除機が提供できる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なおこの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
以下、本発明の実施の形態１について図面を用いて説明する。なお、従来と同一の構成部分については同一符号を付与し、その詳細な説明を省略する。

図１は本発明の実施の形態１におけるインペラの斜視図、図２は同インペラの部分平断面図である。

インペラ４は複数の弓状のファンブレードＡ２４とそれらを挟持する前面シュラウド１２と後面シュラウド１３と３次元形状の翼を形成したインデューサー１４と前記ファンブレードＡ２４の回転方向と反対方向に前記ファンブレードＡ２４よりも短い略弓状のファンブレードＢ２５を配し、前記ファンブレードＢ２５の内周側端部は前記ファンブレードＡ２４の側面に当接させ、前記ファンブレードＢ２５の外周端部はファンブレードＡ２４の外周端部と離して構成されている。

以上の構成における動作について説明すると、電動機２が運転し回転軸３に取付け固定されたインペラ４が高速で回転すると吸込まれる気流が発生し、この気流はインペラ４の隣り合うファンブレードＡ２４と前面シュラウド１２と後面シュラウド１３で構成される通路内を通りインペラ４外周より排出される。

インペラ４から排出された気流はエアガイド７の隣り合う案内翼５間で形成されるボリュート室６内を経由して、気流の一部はケーシング８の外周に設けられた排気孔Ａ１０から外部に排出され、その他の気流はブラケット１５内のローター１９、ステーター２１の巻線を冷却した後に排気孔Ｂ１６から排出される。

ここで前記ファンブレードＡ２４の回転方向と反対方向に前記ファンブレードＡ２４よりも短い略弓状のファンブレードＢ２５を配し、前記ファンブレードＢ２５の内周側端部は前記ファンブレードＡ２４の側面に当接させ、前記ファンブレードＢ２５の外周端部はファンブレードＡ２４の外周端部と離しているので、吸い込まれた気流は負圧側の面が通路内に突出した形になるため気流の偏りや剥離、環流などによる不均一流れが軽減されるので気流がスムーズに流れ通路損失が少なくなり送風効率が向上するものである。

（実施の形態２）
以下、本発明の実施の形態２について図面を用いて説明する。なお、従来と同一構成の部品については同一符号を付し、説明を省略する。

図３においてファンブレードＢ２５の内周側の端面部２５ａを略鋭角にしてファンブレードＡ２４の側面とスムーズにつながるようにしている。

以上の構成における動作について説明すると、ファンブレードＢ２５の端面部２５ａを略鋭角にしてファンブレードＡ２４の側面とスムーズにつながるようにすることで、吸い込まれた気流がファンブレードＢ２５の端面部２５ａに衝突して生じる衝突損失がなくなり更に送風効率を向上できるものである。

（実施の形態３）
以下、本発明の実施の形態３について図面を用いて説明する。なお、従来と同一構成の部品については同一符号を付し、説明を省略する。

図４、図５において、ファンブレードＢ２５の側面に複数の微小な貫通孔２６を設けたものである。

以上の構成における動作について説明すると、吸い込まれた気流がファンブレードＢ２５の側面に流れる際に、ファンブレードＢ２５に設けた複数の微小な貫通孔２６と、ファンブレードＡ２４とファンブレードＢ２５で形成される空間でヘルムホルツ型の消音器を構成できるので耳障りな高周波音の発生を抑制して低騒音化が図れる。

（実施の形態４）
以下、本発明の実施の形態３について図面を用いて説明する。なお、従来と同一構成の部品については同一符号を付し、説明を省略する。

図６のグラフにおいて、ファンブレードＡ２４の長さＬａとファンブレードＢ２５の長さＬｂの比により送風効率が変化する。このグラフによればＬｂ／Ｌａが１／２（５０％）以上になると送風効率が低下してくるが、それ以下であればファンブレードＢ２５が無い場合（０％）に対して効果が得られることを示している。

これはファンブレードＢ２５の長さを長くしすぎると気流の通路面積が狭くなりすぎてファンブレードＢ２５の側面での気流の摩擦により送風効率が低下する物と考えられる。

（実施の形態５）
以下、本発明の実施の形態３について図面を用いて説明する。なお、従来と同一構成の部品については同一符号を付し、説明を省略する。

図７において、２７は本発明のインペラ４を具備した電動送風機１を内蔵した電気掃除機本体で、前記掃除機本体２７内に設けられた集塵室（図示せず）と連通して延長管２８、ホース２９、吸い込み具３０が設けられている。

以上の構成における動作について説明すると、電動送風機１が運転されると気流が生じ、吸い込み具３０より空気とともに塵埃が吸い込まれる。塵埃を含んだ空気は延長管２８、ホース２９内を通過して集塵室内のフィルター（図示せず）で塵埃だけが捕集され空気は外部に排出される。

このとき本発明の電動送風機１により静かで、強い吸い込み力が得られ、掃除機の基本性能を著しく向上させることができる物である。

以上のように、本発明にかかる電動送風機とそれを用いた電気掃除機は、電動送風機の効率の向上、ならびに電気掃除機の吸い込み仕事率の向上が図れ、騒音も抑えることができるので、電動送風機を用いる家庭用電化機器、産業機器等の用途にも幅広く適用できる。

本発明の第１の実施の形態における電動送風機のインペラの斜視図 同、電動送風機のインペラの部分平面図 本発明の第２の実施の形態における電動送風機のインペラの部分平面図 本発明の第３の実施の形態における電動送風機のインペラの斜視図 同、電動送風機のインペラの部分平面図 本発明の第４の実施の形態における電動送風機の効率を示すグラフ 本発明の第５の実施の形態における電気掃除機の外観斜視図 従来の電動送風機の一部断面正面図 従来の電動送風機のインペラの斜視図

符号の説明

１ 電動送風機
２ 電動機
３ 回転軸
４ インペラ
５ 案内翼
６ ボリュート室
７ エアガイド
８ ケーシング
９ 吸気孔
１０ 排気孔Ａ
１１ ファンブレード
１２ 前面シュラウド
１３ 後面シュラウド
１４ インデューサー
１５ ブラケット
１６ 排気孔Ｂ
１７ 整流子
１８ 電機子コア
１９ ローター
２０ 界磁コア
２１ ステーター
２２ カーボンブラシ
２３ ブラシ保持器
２４ ファンブレードＡ
２５ ファンブレードＢ
２５ａ ファンブレードＢの端面部
２６ 貫通孔
２７ 電気掃除機本体
２８ 延長管
２９ ホース
３０ 吸い込み具

Claims (4)

1. ブラケット内に軸受けを固定した回転軸を備えたローターと、前記ローターと対向して配されたステーターとを内蔵し、前記回転軸に気流を発生させるインペラを取付け、前記インペラの周囲に複数の案内翼を形成したエアガイドを配し、前記インペラとエアガイドをケーシングで覆った電動送風機において、前記インペラは、複数枚の略弓状のファンブレードＡと前記ファンブレードＡを挟持する前面シュラウドと後面シュラウドとを有し、前記ファンブレードＡの回転方向と反対方向に前記ファンブレードＡよりも長さが短い略弓状のファンブレードＢを配し、前記ファンブレードＢの内周側端部は前記ファンブレードＡの側面に当接させ、前記ファンブレードＢの外周端部はファンブレードＡの外周端部と離して構成した電動送風機。
2. ファンブレードＢの内周側端面部の形状を略鋭角に形成し、前記ファンブレードＢの内周側端面部の形状が、ファンブレードＡの側面と滑らかにつながるようにした請求項１記載の電動送風機。
3. ファンブレードＢの側面に複数の微小な貫通孔を設けた請求項１または２に記載の電動送風機。
4. 請求項１〜３のいずれか１項記載の電動送風機を備えた電気掃除機。

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