JP2007144927A - ドクターの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転するグラビア版と固定したドクターが接触摩擦を起こすことによって発生する、ヘラウラによる塗布ムラ、グラビア版の磨耗、ドクターの磨耗、装置の振動による段ムラ、等を解決することが可能なグラビアコーティングにおける、ドクターの製造方法およびドクターの表面処理装置を提供する。
【解決手段】 希釈ガスと撥水材料である蒸気を含む原料ガスとを用いたプラズマCVD法により、ドクター3の両面もしくは片面に、刃先部分から少なくとも3mmの範囲で撥水性の膜を形成することを特徴とするドクターの製造方法である。
【選択図】図3

Description

本発明は、主に光学部材やエレクトロニクス分野等の精密な要求品質を必要とする分野における、グラビアコーティングにおいて使用されるドクターの製造方法に関する。更に詳しく言えば、連続的に搬送される長尺状の支持体に対して連続的に加工を行うグラビアコーティングにおいて、ドクターの掻き取りにより発生する様々な塗布欠陥を起こさないドクターの製造方法に関する。
連続的に搬送される長尺状支持体上に、所望の膜厚に塗布液を塗布する方法の一つとして、グラビアコーティングは古くから包装材料、産業資材、電子基盤材料等の塗布において用いられてきた。グラビアコーティングは薄膜であっても精度良く塗布が可能であり、塗布可能な粘度範囲が広いという特長を有している。
一般的にグラビアコーティング装置は図1に示すように、円筒の表面にセル状或いはらせん状に彫刻が施されたグラビアの版1、塗布液を溜めたインキパン2、余分な塗布液を掻き落とす板状のドクター3、版に基材4を押し付けるバックロール5、及び図示していないインキパンに塗布液を供給するポンプシステムより構成され、均一な塗布膜6を形成する事が出来る。インキパン2に溜められた塗布液が、グラビア版1が回転することによりかき上げられ、かき上げられた塗布液はドクター3により適正量に計量され、図示しない巻き出し装置より連続的に供給された長尺状可撓性の支持体上に、均一に転移されることによって、均一な塗布膜6が形成される。グラビアコーティング装置には、長尺状支持体の進行方向と同一方向にグラビアの版が回転する正転方式、また、長尺状支持体の進行方向と反対方向にグラビアの版が回転するリバース方式や、長尺状支持体の後ろにバックロールの無いフローティング方式、また図2に示すようにそれを組み合わせたフローティングリバース方式等がある。
上記のようにグラビアコーティング装置においては、インキパンからグラビア版によって掻き上げられた塗布液は、ドクターの刃先によってグラビア版のセル内に有るもの以外はインキパンに掻き落とされ、セル内に残った塗布液がコーティングされるのであるが、一部の塗布液が本来流れてはならないドクターの上面に乗ってしまう、ヘラウラ7と呼ばれる現象を連続コーティング中に発生させる事がしばしばあった。ヘラウラが発生するとドクター上面に溜まった塗布液が不定期にグラビア版側に戻る事によって点状の欠陥を生じたり、点状のヘラウラが大きく成長して継続的に塗布スジを発生する等、連続生産における収率の低下をもたらす重大な問題を生じていた。
これに対して、ドクターの刃先表面を一様に削る事によってドクター幅方向全面に均一にヘラウラが生じる様にし、不均一な欠陥が発生しないようにする方法や、ドクターの当て角度、圧力を定期的に変化させることにより、一様にヘラウラが成長しないようにする方法が従来とられていたが、ヘラウラ自体は時間とともに成長し、何らかの不具合を必ず発生させる原因となっていた。
また、ドクター表面にフッ素系のコーティング剤を塗布したり、表面メッキ内部にフッ素系樹脂粒子を分散含有させる事により、ドクター表面に撥水性を持たせ、塗布液の乗り上げを発生させないようにする方法もなされている(例えば、特許文献1参照)。しかしながらフッ素系のコーティング剤を塗布する方法の場合、ドクター母材とコーティング剤との密着性が弱い為に、ドクター刃先を溶剤により拭き取る事を繰り返すうちに、部分的に撥水性が衰えてしまい、塗布欠陥を発生させる事がしばしばあった。また、表面メッキ内部にフッ素系樹脂を分散含有させる方法においては、ドクター表面全体を撥水化することが不完全な為に、局所的に、及び経時により徐々にドクター表面に塗布液の乗り上げを発生させる事があった。
また、回転するグラビア版と、固定されたドクターは常に接触摩擦状態にあり、それ故にグラビア版及びドクターの磨耗が問題となる。グラビアの版は高精度な塗布精度を要求される事から、高精細な版目形状を形成しなければならなく、高度な加工機械によって製作されるものであり、非常に高価なものである。したがってグラビア版の寿命は生産コストに大きな影響を与えるものである。それに対して一般的に行われる事としては、加工精度を高くする為に比較的加工のしやすい軟鋼を母材に使い、その表面をCrメッキする事によって表面硬度を高くし、磨耗を防ぐ事が行われる。またドクターにおいても、塗布液のかき取り精度が直接塗工面に大きな影響を与えることから、限定された材料を使って、高価な製造装置により作られる。したがってその寿命を延ばす事も生産コストの面では重要で、一般的に行われることとしては、軟鋼製の弾力のある薄板の母材に、SiC粒子を含有したNi−P系のメッキを施す事によって表面硬度を高くし、磨耗を防ぐ事が行われる。
また、グラビア版とドクターが常に接触摩擦状態にある為に、装置の振動を発生させる原因ともなることから、塗工面に段ムラと呼ばれる支持体走行方向と垂直方向に周期的間隔をもってスジ状に現れる塗布欠陥を引き起こすことがある。通常振動が発生した場合には、ドクターの版への押しつけ圧力を低下させる、或いはドクターと版との接触角度を変化させる等のオペレーティング的対応が為される。しかしながら、そのような対応策では段ムラが解消しないことも多く、ドクターを新品に交換して様子を伺うといった対応もよく行われる。その場合、交換作業時間のロスや、ドクターの慣らし運転による時間ロスが大問題となる上、必ずしも解消するとは限らず、トラブルの長期化もしばしば起こることであった。
以下に先行技術文献を示す。
特開2001−80230
本発明は上記したような、回転するグラビア版と固定したドクターが接触摩擦を起こすことによって発生する、ヘラウラによる塗布ムラ、グラビア版の磨耗、ドクターの磨耗、装置の振動による段ムラ、等を解決することが可能なグラビアコーティングにおける、ドクターの製造方法およびドクターの表面処理装置を提供することである。
請求項1の発明は、希釈ガスと撥水材料である蒸気を含む原料ガスとを用いたプラズマCVD法により、ドクターの両面もしくは片面に、刃先部分から少なくとも3mmの範囲で撥水性の膜を形成することを特徴とするドクターの製造方法である。
請求項2に係る発明は、前記プラズマCVD法が圧力15〜150kPaの範囲内で行うことを特徴とする請求項1記載のドクターの製造方法である。
請求項3に係る発明は、前記撥水材料が、フッ素含有有機珪素化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のドクターの製造方法である。
請求項4に係る発明は、前記希釈ガスが、ヘリウム、アルゴン、窒素から選ばれる単独あるいは混合したガスでありかつ全体における希釈ガスの割合が90%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドクターの製造方法である。
請求項5に係る発明は、前記ドクターの両面もしくは片面に対向して配置されかつ電源に接続されている対向電極を有し、前記プラズマCVD法が、ドクターと対向電極との間に希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスを供給し電極に印加することにより行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドクターの製造方法である。
請求項6に係る発明は、前記対向電極が誘電体で被覆された金属電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のドクターの製造方法である。
請求項7に係る発明は、前記ドクターと対向電極との距離が0.05mm〜20mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のドクターの製造方法である。
請求項8に係る発明は、前記希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスをドクターの刃先側から供給することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のドクターの製造方法である。
請求項9に係る発明は、ドクター、ドクター両面に対向して配置されかつ電源に接続されている対向電極、ドクターと対向電極間に希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスを供給するガス供給手段、を備えることを特徴とするドクターの表面処理装置である。
請求項10に係る発明は、ドクター、ドクター片面に対向して配置されかつ電源に接続されている対向電極、ドクターと対向電極間に希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスを供給するガス供給手段、を備えることを特徴とするドクターの表面処理装置である。
請求項11に係る発明は、前記対向電極が誘電体で被覆された金属電極であることを特徴とする請求項9または10に記載のドクターの表面処理装置である。
請求項12に係る発明は、前記ドクターと対向電極の距離が0.05〜20mmの範囲内であることを特徴とする請求項11に記載のドクターの表面処理装置である。
本発明によれば、グラビアコーティングにおける、グラビア版の長寿命化、ドクターの長寿命化が可能となる。また、グラビア版とドクターの接触摩擦による振動の発生を低減でき、段ムラの発生を抑制できる。また、ヘラウラと呼ばれる塗布故障の発生を抑制できる。
本発明は、上記目標を達成するために、大気圧近傍の圧力雰囲気下において、ドクターと対向して配置した固体誘電体を被覆した対向電極との間に、交流電圧を印加して発生したプラズマにより、ドクター表面に均一な撥水膜を付与するものである。
大きさ、形状などは特に限定するものではないが、一般的なドクター形状は、厚さ0.15〜0.60mm、幅40〜60mm程度の帯状鋼板で、その片側あるいは両側の端部には塗布液を掻き落とす為の刃が形成されている。ドクター母材の材質としては、軟鋼、ステンレス、プラスチック等であるが、加工精度が高く、弾性と靭性を備えた鋼材がもっとも好ましい。
本発明では、ドクターの両面もしくは片面に、刃先部分から少なくとも3mmの範囲で撥水膜を形成することを特徴とする。この範囲を満たしていれば、刃先での液の乗り上げ、塗布スジなどを抑制できる。また、ドクターの片面にのみ撥水膜を形成する場合は、撥水膜を設ける側にのみ対向電極を設置し、ドクターの両面に撥水膜を形成する場合は、2つの対向電極の間にドクターを設置してもよい。
図3に本発明の一実施例の概略断面図を示した。被処理体となるドクター3は対向電極11とその表面に配置された固体誘電体層12との間に空間を置いて設置され、密閉された放電空間13が形成される。対向電極に電圧を印加すると同時に、ガス供給口15からガスを供給する事によって、ドクター表面には撥水膜が形成される。ガスは絶えず流動をさせる為に、ガス排出口16から排出される。
本発明で使用する対向電極としては、特に限定はなく、銅、銀、金、チタン、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金属が挙げられる。また、対向電極表面に配置する固体誘電体層としては、誘電体材料であれば、構わないが、石英、パイレックス(登録商標)、アルミナ等のセラミック材料が特に好ましく、これらの材料は、板状あるいは、電極面上に蒸着、溶射したものとして使用される。これら誘電体層の厚みは、材質、形状にもよるが、厚すぎると、プラズマを発生するために、高電圧を必要とし、薄すぎると、誘電体層を破壊し、アーク放電を発生してしまう為、0.3〜5mmの厚さが好ましい。
対向電極とドクターとの距離は、ガスの流れが滞りなく、放電が安定して発生する範囲にする必要があり、好ましくは、希釈ガスにヘリウムを使用する場合は、0.5〜5mm、アルゴンや窒素、空気を用いる場合は、0.3〜2mm程度が適当である。
この時、撥水材料として使用するフッ素含有化合物としては、プラズマ空間で解離し、基板面上に撥水性を付与できる材料であればよいが、被処理体とのより強度な密着性を考えれば、反応性官能基と結合している珪素原子を少なくとも1つ以上有するフッ素含有珪素化合物が特に好ましい材料である。
前記の反応性官能基としては、加水分解性基、ハロゲン原子等が挙げられる。具体的には、加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基;アリロキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケニルオキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンタノキシム基、シクロヘキサノキシム基等のケトオキシム基;N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基;N,N−ジメチルアミノオキシ基、N,N−ジエチルアミノオキシ基等のアミノオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらのうち、メトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基が好適である。
これらの反応性官能基と結合している珪素原子を1つ以上有するフッ素含有珪素化合物の具体例としては、CF(CF)p(CH)qSi(OCH、CF(CF)p(OC)qOCFCFCHCH(OCONH)(CHO)、SiCHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)pCFCFCHOCHCHCHSi(OCH、(CHO)CHSiCHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)pCFCFCHOCHCHCHSiCH(OCH、(CHO)SiCHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCHSi(OCH、(CHO)CHSiCHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCHSiCH(OCH、(CO)SiCHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCHSi(OC、(CHO)SiCHC(=CH)CHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)pCFCFCHOCHCHCH(CH=)CCHSi(OCH、(CHO)SiCHC(=CH)CHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCH(CH=)CCHSi(OCH、(CHO)CHSiCHC(=CH)CHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCH(CH=)CCHSiCH(OCHが挙げられる。ただし、p=1〜50、q=1〜50、r=1〜50、q+r=10〜100の整数であり、式中の繰り返し単位はランダムである。
これらのフッ素含有化合物は、常温常圧で主に液体状であり、加熱、加圧、バブリングなどにより、気化して蒸気として、放電空間に送られる。
使用する希釈ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素から選ばれるガスを単独あるいは混合して使用する。これら希釈ガスと前記フッ素含有化合物に加えて、場合によっては、空気、酸素、水素、水蒸気、二酸化炭素、炭化水素、アセトンなどの反応性のガスを混合しても構わない。但し、希釈ガスの混合比は、放電の安定性を向上させ、反応性の高い処理空間を維持する為、90%以上にする必要がある。
次に、本発明におけるドクター表面に撥水膜を設ける装置に関して説明を行う。ドクターの処理空間は、環境的、人体の影響を鑑みて、密閉空間にする必要がある。ドクターを放電空間にきれいに固定し、外部と密閉をする装置としては、例えば、図3のように、ドクターの配置と固定および密閉を考えて、ドクター長手側の片方の壁側の中央でドクターを挟みこむ形で、固定を行う装置が考えられる。これらの壁面の材料としては、電極部とドクターを絶縁できる材質であれば問題なく、また処理ガスの供給、回収するための加工性が良い材質を選ぶ必要がある。具体的には、テフロン(登録商標)やアクリル等の材質が好ましい。また、ドクターをセットする際には、ドクターをシール材などで挟み込むことで、外部空間との密閉処理ガスの入り込みを抑えて、異常放電を防止することができる。これら、シール材の材質は特に選ばないが、バイトンゴムやシリコンゴム等が挙げられる。
本発明で使用する電源としては、交流パルス電源やMF電源、RF電源等があげられるが、数kHz以上の周波数の交流電源であれば良い。好ましくは、インピーダンス整合が容易な、1〜100kHz程度の高周波電源、高周波パルス電源が挙げられる。
また、ドクターの片面にのみ撥水膜を形成する場合の電圧の印加方法としては、ドクターと撥水膜を設ける側にのみ設置された対向電極の間に、交流高周波電圧を印加させる方法が考えられる。
ドクターの両面に撥水膜を形成する場合の電圧の印加方法としては、ドクターを電気的に浮遊状態にして、上下電極間に交流高周波電圧を印加する方法、ドクターと上下電極の間に、交流高周波電圧を印加させる方法が考えられる。
電極は、電源出力を高出力にするほど、電極は加熱され、高温になる。その為、電極は、恒温または冷却することが好ましい。特に好ましくは、結露の発生と電極の加熱を防ぐ、25〜40℃の範囲である。
混合した希釈ガスと撥水材料そして反応性ガスは放電処理空間に供給するが、その供給方法としては、図3にて、矢印で示したとおり、刃先側17より供給して、刃先より離れていく方向に流して行くと良い。
先端側から処理することにより、ガス導入手段に近い先端付近に確実に処理を施すことができる。すなわちドクターの刃先から3mmの範囲の処理を確実に行うことができる。
これら撥水性膜を形成するために使用したガスは、供給側と対向した壁面あるいは側面に排気口を設けて回収すると良い。その際、回収したガスは除外装置を設ける必要がある。
放電処理空間13の処理圧力は、大気圧近傍の圧力下である15〜150kPaで処理することが好ましい。特に、圧力調整が容易な90〜105kPaの圧力帯が好ましい。大気圧下での処理は、真空化で処理するよりも簡便であり、成膜速度も速い。
続いて、実施例を用いて、本発明におけるドクター表面に撥水膜を設ける方法とその効果を説明する。
厚さ0.15mm、幅60mm、長さ1800mmの軟鋼製母材に、片端部に幅1.4mm、厚さ0.07mmの刃を加工したスチール製刃付きドクターを密閉された放電処理空間に設置し、ヘリウムと加熱気化したCF(CF(CHSi(OCHを重量比99.8:0.2の割合で混合して、供給した。上記、フッ素含有化合物は、液体原料気化装置(エステック社製)を使用して、気化を行った。
対向電極と固体誘電体層としては、チタン材の上にアルミナセラミックを1mm溶射したものを使用して、ドクターと電極の距離を2mmとして、100kHzの高周波電源を上下電極を高電圧側、ドクターをグランドに設置し、ピーク電圧10kVの電圧を2分間、印加し、ドクターを製造した。
上記ドクターを用い、グラビアコーターにより塗工を行った。支持体には、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、塗布液には、粘度10mPa・sの溶剤希釈アクリル系樹脂を用い、50m/minの塗布速度で、3900m連続塗布を行った。その結果、塗布スジや段ムラの発生も無く、安定して良品を製作する事が出来た。
<比較例>
上記の塗布条件において、表面処理加工を行わない、通常のスチールドクターを使って、グラビアコーターにて連続塗布を行った。その結果、目視にて確認出来る段ムラ、約1000mを過ぎた辺りから頻発する塗布スジによって、良品を得る事が出来なかった。
本発明のドクターの製造方法は、高精度な品質を要求する、光学膜、電子基板、食品用包装材、医療用包装材等の、グラビアコーティング方式を利用した大量生産分野において、安定した生産品質を確保し、低コスト化、高精度化に寄与できる可能性が高い。
従来のグラビアコーティング方式の概略を示す断面図である。 従来のグラビアコーティング方式の概略を示す断面図である。 本発明のドクターの製造方法の一実施例の概略を示す断面図である。
符号の説明
1 グラビア版
2 インキパン
3 ドクター
4 支持体
5 バックロール
6 塗布膜
7 ヘラウラ
8 ガイドロール
11 対向電極
12 固体誘電体層
13 放電空間
14 ドクター長手方向側壁面
15 ガス供給口
16 ガス排出口
17 ドクターの刃先部分

Claims (12)

  1. 希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスとを用いたプラズマCVD法により、ドクターの両面もしくは片面に、刃先部分から少なくとも3mmの範囲で撥水性の膜を形成することを特徴とするドクターの製造方法。
  2. 前記プラズマCVD法が圧力15〜150kPaの範囲内で行うことを特徴とする請求項1記載のドクターの製造方法。
  3. 前記撥水材料が、フッ素含有有機珪素化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のドクターの製造方法。
  4. 前記希釈ガスが、ヘリウム、アルゴン、窒素から選ばれる単独あるいは混合したガスでありかつ全体における希釈ガスの割合が90%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドクターの製造方法。
  5. 前記ドクターの両面もしくは片面に対向して配置されかつ電源に接続されている対向電極を有し、前記プラズマCVD法が、ドクターと対向電極との間に希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスを供給し電極に印加することにより行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドクターの製造方法。
  6. 前記対向電極が誘電体で被覆された金属電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のドクターの製造方法。
  7. 前記ドクターと対向電極との距離が0.05mm〜20mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のドクターの製造方法。
  8. 前記希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスをドクターの刃先側から供給することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のドクターの製造方法。
  9. ドクター、ドクター両面に対向して配置されかつ電源に接続されている対向電極、ドクターと対向電極間に希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスを供給するガス供給手段、を備えることを特徴とするドクターの表面処理装置。
  10. ドクター、ドクター片面に対向して配置されかつ電源に接続されている対向電極、ドクターと対向電極間に希釈ガスと撥水材料を含む原料ガスを供給するガス供給手段、を備えることを特徴とするドクターの表面処理装置。
  11. 前記対向電極が誘電体で被覆された金属電極であることを特徴とする請求項9または10に記載のドクターの表面処理装置。
  12. 前記ドクターと対向電極の距離が0.05〜20mmの範囲内であることを特徴とする請求項11に記載のドクターの表面処理装置。
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