JP2007139157A - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】動力伝達チェーンの許容伝達トルクの向上および耐久性の向上を達成すること。
【解決手段】チェーン1は、チェーン進行方向Xに並ぶ複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに連結する複数の連結部材200とを備えている。リンク2の厚さL3を十分に確保することにより、チェーン1がプーリに巻き掛けられて駆動するときのリンク2内の応力場を、実質的に平面歪状態となるようにしている。
【選択図】図3

Description

本発明は、動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置に関する。
自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置に用いられる無端状の動力伝達チェーンには、チェーン幅方向に並べられた複数のリンクからなるリンク列を、チェーン進行方向に沿って並べ、隣り合うリンク列のリンク同士をピンで連結したものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平2−195045号公報 特開平5−133442号公報
このような動力伝達チェーンにおいて、許容伝達トルクの向上および耐久性の更なる向上が望まれている。本発明は、この課題を解決することを目的とする。
本願発明者は、鋭意研究の結果、動力伝達チェーンの駆動時のリンクの応力状態を最適化することで、許容伝達トルクの向上および耐久性の向上を達成できると想到するに至った。具体的には、通例、リンクは、鋼板等の薄い金属板をプレス加工して形成されており、肉厚が薄い。したがって、動力伝達チェーンがプーリに巻き掛けられて駆動しているとき、リンクは、チェーン進行方向に沿う方向の張力をピンから受けて、平面応力状態となる。平面応力状態であると、リンクに生じるトレスカ応力やミーゼス応力等の応力が高いものとなり、降伏点に到達し易い傾向にある。したがって、許容伝達トルクの向上および耐久性の向上に限界がある。
本発明は、チェーン進行方向(X)に並ぶ複数のリンク(2;2B)と、これらのリンク(2;2B)を互いに連結し、チェーン幅方向(W)に延びる複数の連結部材(200;3)とを備え、プーリ(60,70)に巻き掛けられて駆動するときの上記リンク(2;2B)内の応力場が実質的に平面歪状態となることを特徴とする動力伝達チェーン(1)を提供するものである(請求項1)。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
本発明によれば、動力伝達チェーンの駆動時において、リンク内の応力場を実質的に平面歪状態にすることで、リンク内の力のうち、リンクの塑性変形に寄与しない力としての静水圧力に相当する力を増すことができる。その結果、リンクの塑性変形に寄与する力としてのトレスカ応力やミーゼス応力等の応力の値を小さくできる。これにより、リンクの負荷を実質的に少なくすることができると共に、リンクの、トルクに関する伝達容量を向上でき、動力伝達チェーンの耐久性の向上および許容伝達トルクの向上を達成することができる。
また、本発明において、上記リンク(2;2B)は、連結部材(200;3)が挿通される貫通孔(9,10;9B,10B)を含み、チェーン進行方向(X)およびチェーン幅方向(W)の双方に直交する方向(V)に沿っての貫通孔(9,10;9B,10B)の長さ(L1,L2;L1B)に対するチェーン幅方向(W)に沿ってのリンク(2;2B)の厚さ(L3)の割合が、2/15〜5/15の範囲に設定されている場合がある(請求項2)。この場合、上記の割合を2/15以上とすることにより、当該リンクの肉厚を十分に確保でき、その結果、動力伝達チェーンが駆動するときのリンク内の応力場を、平面歪状態とすることができる。また、上記の割合を5/15以下とすることにより、リンクが厚肉になりすぎることを防止でき、リンクの配列の自由度が制限されてしまうことを防止できる。
また、本発明において、上記連結部材(200;3)は、チェーン幅方向(W)の一対の端部(16)に、それぞれ、プーリ(60,70)に動力伝達可能に係合する一対の係合領域(24)を有する動力伝達部材(3)を含み、上記一対の係合領域(24)のそれぞれの中心点(C)間の距離(L4)に対するリンク(2;2B)の厚さ(L3)の割合が、1/30〜3/30の範囲に設定されている場合がある(請求項3)。この場合、上記の割合を1/30以上とすることにより、当該リンクの肉厚を十分に確保でき、その結果、動力伝達チェーンが駆動するときのリンク内の応力場を、平面歪状態とすることができる。また、上記の割合を3/30以下とすることにより、リンクが厚肉になりすぎることを防止でき、リンクの配列の自由度が制限されてしまうことを防止できる。
また、本発明において、上記リンク(2)は、チェーン進行方向(X)に並んで配置され対応する連結部材(200)がそれぞれ挿通される第1および第2の貫通孔(9,10)を含み、上記連結部材(200)は、プーリ(60,70)に動力伝達可能に係合する第1の動力伝達部材(3)および当該第1の動力伝達部材(3)に転がり摺動接触する第2の動力伝達部材(4)を含み、上記第1の貫通孔(9)には、対応する第1の動力伝達部材(3)が相対移動可能に嵌め入れられると共に対応する第2の動力伝達部材(4)が相対移動を規制されて嵌め入れられ、上記第2の貫通孔(10)には、対応する第1の動力伝達部材(3)が相対移動を規制されて嵌め入れられると共に対応する第2の動力伝達部材(4)が相対移動可能に嵌め入れられる場合がある(請求項4)。
この場合、第1の動力伝達部材の一対の係合領域がプーリに係合し、チェーン進行方向に隣り合うリンク同士が屈曲する際、対をなす第2の動力伝達部材が上記第1の動力伝達部材に対して転がり摺動接触することで、リンク2同士の屈曲が可能となる。この際、対をなす第1および第2の動力伝達部材間において、互いの転がり接触成分が多くてすべり接触成分が極めて少なく、するとその結果、第1の動力伝達部材の各係合領域がプーリに対してほとんど回転せずに接触することとなり、摩擦損失を低減して高い伝動効率を確保できる。また、第1の貫通孔の周縁部のうち第2の動力伝達部材に係合している係合部分と、第2の貫通孔の周縁部のうち第1の動力伝達部材に係合している係合部分は、それぞれ、対応する動力伝達部材から直接的に力を受けて応力が高くなる傾向にあるが、リンクに生じる応力の値が小さくなるようにされていることにより、これら各係合部分に生じる応力を小さくできる。
また、本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面(62a,63a,72a,73a)をそれぞれ有する第1および第2のプーリ(60,70)と、これらのプーリ(60,70)間に巻き掛けられ、シーブ面(62a,63a,72a,73a)に係合して動力を伝達する上記の動力伝達チェーン(1)とを備える場合がある(請求項5)。この場合、高い許容伝達トルクを有すると共に耐久性に優れた動力伝達装置を実現できる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、無段変速機100は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーンともいう)とを備えている。なお、図1中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図2は、図1のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図1および図2を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に一体回転可能に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。各シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含んでいる。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図2の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより、溝幅を変化させるようになっている。それにより、入力軸61の径方向(図2の上下方向)にチェーン1を移動させて、プーリ60のチェーン1に関する有効半径(以下、プーリ60の有効半径ともいう)を変更できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、図1および図2に示すように、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための相対向する一対のシーブ面73a,72aをそれぞれ有する固定シーブ73および可動シーブ72を備えている。
ドリブンプーリ70の可動シーブ72には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、この可動シーブ72を移動させることにより溝幅を変化させるようになっている。それにより、チェーン1を移動させて、プーリ70のチェーン1に関する有効半径(以下、プーリ70の有効半径ともいう)を変更できるようになっている。
図3は、チェーン1の要部の断面図である。図4(A)は、図3のIVA−IVA線に沿う断面図である。図3および図4(A)を参照して、チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに屈曲可能に連結する複数の連結部材200とを備えている。
以下では、チェーン1の進行方向に沿う方向をチェーン進行方向Xといい、チェーン進行方向Xに直交し且つ連結部材200の長手方向に沿う方向をチェーン幅方向Wといい、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方に直交する方向を直交方向Vという。
各リンク2は鋼板をプレス加工して形成されており、チェーン進行方向Xの前後に並ぶ一対の端部としての前端部5および後端部6、ならびにこれら前端部5および後端部6間に配置される中間部7を含んでいる。
前端部5および後端部6には、第1の貫通孔としての前貫通孔9、および第2の貫通孔としての後貫通孔10がそれぞれ形成されている。中間部7は、前貫通孔9および後貫通孔10間を仕切る柱部8を有している。この柱部8は、チェーン進行方向Xに所定の厚みを有している。各リンク2における周縁部は、滑らかな曲線に形成されており、応力集中の生じ難い形状とされている。
リンク2を用いて、第1〜第3のリンク列51〜53が形成されている。具体的には、第1のリンク列51、第2のリンク列52および第3のリンク列53はそれぞれ、チェーン幅方向Wに並ぶ複数のリンク2を含んでいる。第1〜第3のリンク列51〜53のそれぞれにおいて、同一リンク列のリンク2は、チェーン進行方向Xの位置が互いに同じとなるように揃えられている。第1〜第3のリンク列51〜53は、チェーン進行方向Xに沿って並んで配置されている。
第1〜第3のリンク列51〜53のリンク2はそれぞれ、対応する連結部材200を用いて、対応する第1〜第3のリンク列51〜53のリンク2と相対回転可能(屈曲可能)に連結されている。
具体的には、第1のリンク列51のリンク2の前貫通孔9と、第2のリンク列52のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する連結部材200によって、第1および第2のリンク列51,52のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
同様に、第2のリンク列52のリンク2の前貫通孔9と、第3のリンク列53のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する連結部材200によって、第2および第3のリンク列52,53のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
図3において、第1〜第3のリンク列51〜53は、それぞれ1つしか図示されていないが、チェーン進行方向Xに沿って第1〜第3のリンク列51〜53が繰り返すように配置されている。そして、チェーン進行方向Xに互いに隣接する2つのリンク列のリンク2同士が、対応する連結部材200によって順次に連結され、無端状をなすチェーン1が形成されている。
図3および図4(A)を参照して、各連結部材200は、第1の動力伝達部材としての第1のピン3と、第2の動力伝達部材としての第2のピン4とを含んでいる。第1のピン3は、対をなす第2のピン4に対して、リンク2間の屈曲に伴い転がり摺動接触するようになっている。なお、転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触のことをいう。
第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる長尺(板状)の部材である。第1のピン3の周面11は、滑らかな面に形成されており、チェーン進行方向Xの前方を向く対向部としての前部12と、チェーン進行方向Xの後方を向く背部としての後部13と、直交方向Vに相対向する一対の端部としての一端部14および他端部15とを有している。
前部12は、対をなす第2のピン4と対向しており、第2のピン4の後述する後部19と接触部T(チェーン幅方向Wからみて、接触点)で転がり摺動接触している。
一端部14は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン外径側(直交方向Vの一方)の端部を構成しており、チェーン外径側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。
他端部15は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン内径側(直交方向Vの他方)の端部を構成しており、チェーン内径側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。
なお、以下では、直交方向Vのうち、一端部14から他端部15に向かう側をチェーン内径側といい、他端部15から一端部14に向かう側をチェーン外径側という。
第1のピン3の長手方向(チェーン幅方向W)に関する一対の端部16は、チェーン幅方向Wの一対の端部に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wにそれぞれ突出している。これら一対の端部16には、一対の動力伝達部としての端面17がそれぞれ設けられている。
図4(B)は、第1のピン3の端面17をチェーン幅方向Wに沿って見たときの図である。図2および図4(B)を参照して、一対の端面17は、チェーン幅方向Wに直交する仮想の平面Bを挟んで相対向しており、互いに対称な形状を有している。これらの端面17は、各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに動力伝達可能に係合するためのものである。
第1のピン3は、上記対応するシーブ面62a,63a,72a,73a間に挟持され、これにより、第1のピン3と各プーリ60,70との間で動力が伝達される。第1のピン3は、その端面17が直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の高強度耐摩耗材料で形成されている。
第1のピン3の端面17は、球面の一部を含む形状に形成され、チェーン幅方向Wの外側に凸湾曲している。また、第1のピン3の一端部14は、その他端部15よりも、チェーン幅方向Wに長手(幅広)に形成されており、これにより、端面17がチェーン内径側を向いている。チェーン幅方向Wからみて、端面17の頂部は、当該端面17の図心A上に位置している。
各端面17には、係合領域としての接触領域24が設けられている。端面17のうち、この接触領域24が、各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触して動力の伝達を行うようになっている。
接触領域24は、例えば、楕円形形状をなしている。接触領域24の中心点としての接触中心点Cは、端面17の図心Aと一致している。なお、接触中心点Cの位置は、端面17の図心Aに対してずれていても(オフセットしていても)よい。
図3および図4(A)を参照して、第2のピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1のピン3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向Wに延びる板状の部材である。
第2のピン4は、その一対の端部が上記各プーリのシーブ面に接触しないように、第1のピン3よりも短く形成されており、対をなす第1のピン3に対して、チェーン進行方向Xの前方に配置されている。チェーン進行方向Xに関して、第2のピン4は、第1のピン3よりも薄肉に形成されている。
第2のピン4の周面18は、チェーン幅方向Wに延びている。この周面18は、滑らかな面に形成されており、チェーン進行方向Xの後方を向く対向部としての後部19と、チェーン進行方向Xの前方を向く前部20と、直交方向Vに関する一対の端部としての一端部21および他端部22とを有している。
後部19は、チェーン進行方向Xと直交する平坦面に形成されている。前述したように、この後部19は対をなす第1のピン3の前部12と対向している。
一端部21は、第2のピン4の周面18のうち、チェーン外径側の端部を構成しており、チェーン外径側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。
他端部22は、第2のピン4の周面18のうち、チェーン内径側の端部を構成しており、チェーン内径側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。
チェーン1は、いわゆる圧入タイプのチェーンとされている。具体的には、第1のピン3は、各リンク2の前貫通孔9に相対移動可能に遊嵌されていると共に、各リンク2の後貫通孔10に相対移動を規制されるようにして圧入嵌合され、第2のピン4は、各リンク2の前貫通孔9に相対移動を規制されるようにして圧入嵌合されていると共に、各リンク2の後貫通孔10に相対移動可能に遊嵌されている。
換言すれば、各リンク2の前貫通孔9には、第1のピン3が相対移動可能に遊嵌されていると共に、この第1のピン3と対をなす第2のピン4が相対移動を規制されるようにして圧入嵌合され、各リンク2の後貫通孔10には、第1のピン3が相対移動を規制されるように圧入嵌合されていると共に、この第1のピン3と対をなす第2のピン4が相対移動可能に遊嵌されている。
上記の構成により、第1のピン3の前部12と対をなす第2のピン4の後部19とは、チェーン進行方向Xに隣接するリンク2間の屈曲に伴って、互いに転がり摺動接触する。
前貫通孔9の周縁部25は、第1のピン3を取り囲む第1の部分26と、第2のピン4を取り囲む第2の部分27とを含んでいる。第2の部分27は、直交方向Vに関する一端部27aおよび他端部27bが、それぞれ、対応する第2のピン4の一端部21および他端部22に圧接されており、これにより、前貫通孔9と第2のピン4との圧入嵌合が達成されている。
後貫通孔10の周縁部28は、第1のピン3を取り囲む第1の部分29と、第2のピン4を取り囲む第2の部分30とを含んでいる。第1の部分29は、直交方向Vに関する一端部29aおよび他端部29bが、それぞれ、対応する第1のピン3の一端部14および他端部15に圧接されており、これにより、後貫通孔10と第2のピン4との圧入嵌合が達成されている。
前貫通孔9の第2の部分27の一端部27aおよび他端部27b間の直交方向Vに沿っての長さL2と、後貫通孔10の第1の部分29の一端部29aおよび他端部29b間の直交方向Vに沿っての長さL1は、等しくされている(L2=L1)。
チェーン幅方向Wからみて、前部12のうち、第2のピン4の後部19と接触可能な部分の断面形状は、インボリュート曲線とされている。これにより、隣接するリンク2同士が屈曲する際に、対応する第1および第2のピン3,4が滑らかに転がり接触でき、リンク2同士の滑らかな屈曲を達成できる。
なお、チェーン幅方向Wからみた、第1のピン3の前部12の形状は、インボリュート曲線以外の曲線(例えば、単一または複数の曲率半径を有する曲線)に形成されていてもよい。
本実施の形態の特徴とするところは、チェーン幅方向Wに沿ってのリンク2の厚さL3(以下、単にリンク2の厚さL3という)を十分に確保することにより、チェーン1が各プーリに巻き掛けられて駆動するときのリンク2内の応力場を、実質的に平面歪状態となるようにしている点にある。
平面歪状態とは、リンク2の内部のうち、チェーン幅方向Wに直交する断面31における応力状態をいい、より具体的には、上記断面31に、チェーン幅方向Wに直交する方向の力が作用したときに、チェーン幅方向Wの歪みが実質的に生じない状態をいう。したがって、リンク2に、各連結部材200からの張力が作用したとき、リンク2にはチェーン幅方向Wの歪みが実質的に生じないこととなる。
リンク2の厚さL3は、以下の条件を満たすように設定されている。すなわち、直交方向Vに沿ってのリンク2の貫通孔の長さに対する、リンク2の厚さL3の割合が、2/15〜5/15の範囲に収まるようにされている。
リンク2の貫通孔の長さとは、前述したリンク2の前貫通孔9の長さL2(=後貫通孔10の長さL1)をいう。
前貫通孔9の長さL2に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L2を2/15以上とすることにより、当該リンク2の肉厚を十分に確保でき、その結果、チェーン1が駆動するときのリンク2内の応力場を、実質的な平面歪状態とすることができる。
また、前貫通孔9の長さL2に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L2を5/15以下とすることにより、リンク2が厚肉になりすぎることを防止でき、リンク2の配列の自由度が制限されてしまうことを防止できる。
本実施の形態では、前貫通孔9の長さL2は、約6mmとされ、リンク2の厚さL3は、0.8mmとされている。すなわち、L3/L2=0.8/6=2/15である。
なお、前貫通孔9の長さL2と後貫通孔10の長さL1とが相異なる場合、リンク2の厚さL3の下限は、これらの長さL1,L2のうちの短いほうに対するリンク2の厚さL3の割合が2/15となる値である。また、この場合のリンク2の厚さL3の上限は、これらの長さL1,L2のうちの長いほうに対するリンク2の厚さL3の割合が5/15となる値である。
図2および図3を参照して、リンク2の厚さL3は、下記の条件も満たすように設定されている。すなわち、第1のピン3の一対の接触領域24のそれぞれの接触中心点C間のチェーン幅方向Wに沿っての距離L4(以下、単に接触中心点24間の距離という)に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L4が、1/30〜3/30の範囲に収まるようにされている。
接触中心点C,C間の距離L4に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L4を1/30以上とすることにより、当該リンク2の肉厚を十分に確保でき、その結果、チェーン1が駆動するときのリンク2内の応力場を、実質的な平面歪状態とすることができる。
また、接触中心点C間の距離L4に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L4を3/30以下とすることにより、リンク2が厚肉になりすぎることを防止でき、リンク2の配列の自由度が制限されてしまうことを防止できる。
本実施の形態では、第1のピン3の接触中心点C間の距離L4は、24mmとされ、リンク2の厚さL3は、0.8mmとされている。すなわち、L3/L4=0.8/24=1/30とされている。
リンク2の厚さL3は、リンク2に連結部材200からの張力が作用したときの当該リンク2に生じる応力が疲労限を越えないように、設定されている。
チェーン幅方向Wに関して、リンク2は、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4の7/8を越えない長さの範囲に配置されている。具体的には、第1のリンク列51は、8枚のリンク2を含んでおり、第2のリンク列52は、8枚のリンク2を含んでおり、第3のリンク列53は、9枚のリンク2を含んでいる。すなわち、チェーン進行方向Xに沿って8枚−8枚−9枚のリンク2が繰り返し配列されていることとなる。
本実施の形態において、チェーン幅方向Wに関するリンク2の厚さL3の総和L5は、上記第1〜第3のリンク列51〜53のリンク2の枚数の総和にリンク2の厚さL3を乗じた値、すなわち(8+8+9)×0.8=20mmである。チェーン幅方向Wに隣り合うリンク2同士は、略隙間なく近接している。
第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対する、上記リンク2の厚さL3の総和L5の割合L5/L4は、20/24<21/24(=7/8)である。第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対する、上記リンク2の厚さL3の総和L5の割合L5/L4が、7/8よりも大きくなると、各接触中心点C,Cにリンク2が近接しすぎ、その結果、各プーリ60,70のシーブ面62a,63a,72a,73aにリンク2が接触するおそれが生じるため、上記の割合L5/L4の上限を、7/8に設定している。
第1〜第3の列51〜53のリンク2はそれぞれ、チェーン1のチェーン幅方向Wの中央を通り且つチェーン幅方向Wに直交する仮想の平面Bを中心として対称に配置されている。
第1の列51のリンク2は、チェーン幅方向Wに関して、平面Bから3番目、5番目、9番目および11番目の位置に配置されている。第2の列52のリンク2は、チェーン幅方向Wに関して、平面Bから2番目、6番目、8番目および12番目の位置に配置されている。第3の列53のリンク2は、チェーン幅方向Wに関して、平面Bから1番目、4番目、7番目、10番目、および13番目の位置に配置されている。なお、平面Bに1番近いリンク2、すなわち第3の列53のチェーン幅方向Wの中央のリンク2は、平面Bと交差している。
以上説明したように、本実施の形態によれば、下記の作用効果を奏することができる。すなわち、チェーン1の駆動時において、リンク2内の応力場を実質的に平面歪状態にすることで、リンク2内の力のうち、リンク2の塑性変形に寄与しない力としての静水圧力に相当する力を増すことができる。その結果、リンク2の塑性変形に寄与する力としてのトレスカ応力やミーゼス応力等の応力の値を小さくできる。これにより、リンク2の負荷を実質的に少なくすることができると共に、リンク2の、トルクに関する伝達容量を向上でき、チェーン1の耐久性の向上および許容伝達トルクの向上を達成することができる。
また、直交方向Vに沿ってのリンク2の前貫通孔9の長さL2(後貫通孔10の長さL1)に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L2を2/15以上とすることにより、当該リンク2の肉厚を十分に確保でき、その結果、チェーン1が駆動するときのリンク2内の応力場を、平面歪状態とすることができる。さらに、上記の割合L2/L3を5/15以下とすることにより、リンク2が厚肉になりすぎることを防止でき、リンク2の配列の自由度が制限されてしまうことを防止できる。
さらに、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L4を1/30以上とすることにより、当該リンク2の肉厚を十分に確保でき、その結果、チェーン1が駆動するときのリンク2内の応力場を、平面歪状態とすることができる。また、上記割合L3/L4を3/30以下とすることにより、リンク2が厚肉になりすぎることを防止でき、リンク2の配列の自由度が制限されてしまうことを防止できる。
さらに、前貫通孔9に対応する第1のピン3を遊嵌すると共に対応する第2のピン4を圧入嵌合し、後貫通孔10に対応する第1のピン3を圧入嵌合すると共に対応する第2のピン4を遊嵌している。
この場合、第1のピン3の一対の係合領域24,24が対応するプーリ60,70に係合し、チェーン進行方向Xに隣り合うリンク2同士が屈曲する際、対をなす第2のピン4が上記第1のピン3に対して転がり摺動接触することで、リンク2同士の屈曲が可能となる。この際、対をなす第1および第2のピン3,4間において、互いの転がり接触成分が多くてすべり接触成分が極めて少なく、するとその結果、第1のピン3の各係合領域24,24が上記対応するプーリ60,70に対してほとんど回転せずに接触することとなり、摩擦損失を低減して高い伝動効率を確保できる。
また、前貫通孔9の周縁部25のうち第2のピン4に係合している部分27a,27bと、後貫通孔10の周縁部28のうち第1のピン3に係合している部分29a,29bは、それぞれ、対応する第1および第2のピン3,4から直接的に力を受けて応力が高くなる傾向にあるが、リンク2に生じる応力の値が小さくなるようにされていることにより、これら各部分27a,27b,29a,29bに生じる応力を小さくできる。
さらに、第1のピン3を基準としたその接触部Tの軌跡が、チェーン幅方向Wからみてインボリュート曲線を描くようにされている。これにより、各第1のピン3が各プーリ60,70に順次噛み込まれる際に、チェーン1に弦振動的な運動が生じることを抑制できる。その結果、チェーン1の駆動時の騒音をより低減することができる。
このように、高い許容伝達トルクを有すると共に、振動が抑制されて静粛性にすぐれ、且つ伝動効率および耐久性にすぐれた無段変速機100を実現することができる。
なお、本実施の形態において、リンク2の前貫通孔9の長さL2(後貫通孔10の長さL1)に対する、リンク2の厚さL3の割合L3/L2(L3/L1)が、2/15〜5/15の範囲に収まることと、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L4が、1/30〜3/30の範囲に収まることの、何れか一方のみが満たされるようにしてもよい。
また、第2のピン4も各プーリ60,70に係合するようにしてもよい。さらに、前貫通孔9に対応する第2のピン4が遊嵌されていてもよいし、後貫通孔10に対応する第1のピン3が遊嵌されていてもよい。
また、第1のピンの一対の端部のそれぞれの近傍に、当該第1のピンの端面と同様の動力伝達部を有する部材が配置され、第1のピンと当該動力伝達部を有する部材とが動力伝達ブロックとなる、いわゆるブロックタイプの動力伝達チェーンに本発明を適用してもよい。
さらに、リンク2の前貫通孔9と後貫通孔10の配置とを互いに入れ換えてもよい。また、リンク2の前貫通孔9と後貫通孔10との間の柱部8に連通溝(スリット)を設けてもよい。この場合、リンク2の弾性変形量(可撓性)を増すことができ、リンク2に生じる応力をより低減することができる。
また、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。さらに、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
図5は、本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。なお、以下では、図1〜図4に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については、図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図5を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、第1〜第3のリンク列51A〜53Aが、それぞれ、8枚のリンク2を含んでいる点にある。すなわち、チェーン進行方向Xに沿って、8枚−8枚−8枚のリンク2が繰り返し配列されていることとなる。
第1の列51Aのリンク2は、チェーン幅方向Wに関して、平面Bから1番目、5番目、7番目および11番目の位置に配置されている。第2の列52Aのリンク2は、チェーン幅方向Wに関して、平面Bから3番目、6番目、9番目および12番目の位置に配置されている。第3の列53Aのリンク2は、チェーン幅方向Wに関して、平面Bから2番目、4番目、8番目、10番目の位置に配置されている。なお、平面Bに1番近いリンク2、すなわち第1の列51Aのチェーン幅方向Wの中央のリンク2は、平面Bと交差していない。
本実施の形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、各リンク列51A〜53Aのリンク2の数を相等しくしているので、各リンク列51A〜53Aのリンク2に生じる応力を概ね均一にして、リンク列51A〜53A間に応力の偏りが生じることを防止できる。その結果、許容伝達トルクおよび耐久性をより向上することができる。しかも、各リンク列51A〜53Aのリンク2の数を相等しくしているので、特定のリンク列のリンク2がチェーン幅方向Wに突出することがなく、チェーンの小型化を達成することができる。
なお、本実施の形態において、各リンク列51A〜53Aのリンク2の枚数を、7枚にしてもよい。この場合、各リンク2の厚みは、例えば、1.0mmとされる。リンク2の前貫通孔9の長さL2に対する、リンク2の厚さL3の割合L3/L2=1.0/6.0=2.5/15で、2/15〜5/15の範囲に収まるようにされている。
この場合、第1のピン3の一対の接触中心点C間の距離L4に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L4=1.0/24.0=1.25/30で、1/30〜3/30の範囲に収まるようにされている。
また、この場合、チェーン進行方向Xに沿って7枚−7枚−7枚のリンク2が繰り返し配列されることとなる。チェーン幅方向Wに関するリンク2の厚さL3の総和L5は、上記第1〜第3のリンク列51A〜53Aのリンク2の枚数の総和にリンク2の厚さL3を乗じた値、すなわち(7+7+7)×1.0=21mmである。
この場合、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対する、上記リンク2の厚さL3の総和L5の割合L5/L4=21/24=7/8である。
また、各リンク列51A〜53Aのリンク2の枚数を、6枚にしてもよい。この場合、各リンク2の厚みは、例えば、1.1mmとされる。リンク2の前貫通孔9の長さL2に対する、リンク2の厚さL3の割合L3/L2=1.1/6.0=2.75/15で、2/15〜5/15の範囲に収まるようにされている。
この場合、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L4=1.1/24.0≒1.38/30で、1/30〜3/30の範囲に収まるようにされている。
また、この場合、チェーン進行方向Xに沿って6枚−6枚−6枚のリンク2が繰り返し配列されることとなる。チェーン幅方向Wに関するリンク2の厚さL3の総和L5は、上記第1〜第3のリンク列51A〜53Aのリンク2の枚数の総和にリンク2の厚さL3を乗じた値、すなわち(6+6+6)×1.1=19.8mmである。
この場合、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対する、上記リンク2の厚さL3の総和L5の割合L5/L4=19.8/24<21/24(=7/8)である。
また、各リンク列51A〜53Aのリンク2の枚数を、4枚にしてもよい。この場合、各リンク2の厚みは、例えば、1.6mmとされる。リンク2の前貫通孔9の長さL2に対する、リンク2の厚さL3の割合L3/L2=1.6/6.0=4/15で、2/15〜5/15の範囲に収まるようにされている。
この場合、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対するリンク2の厚さL3の割合L3/L2=1.6/24.0=2/30で、1/30〜3/30の範囲に収まるようにされている。
また、この場合、チェーン進行方向Xに沿って4枚−4枚−4枚のリンク2が繰り返し配列されることとなる。チェーン幅方向Wに関するリンク2の厚さL3の総和L5は、上記第1〜第3のリンク列51A〜53Aのリンク2の枚数の総和にリンク2の厚さL3を乗じた値、すなわち(4+4+4)×1.6=19.2mmである。
この場合、第1のピン3の一対の接触中心点C,C間の距離L4に対する、上記リンク2の厚さL3の総和L5の割合L5/L4=19.2/24<21/24(=7/8)である。
図6は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図である。図6および図7を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、1つの(単一の)第1のピン3からなる連結部材によって、チェーン進行方向Xに隣り合うリンク2B同士が互いに相対回転可能に(屈曲可能に)連結されている点にある。具体的には、各リンク2Bの前貫通孔9Bに、対応する第1のピン3が遊嵌され、各リンク2Bの後貫通孔10Bに、対応する第1のピン3が圧入嵌合されている。
前貫通孔9Bの周縁部25Bのチェーン進行方向Xに関する前部32(対向部)は、直交方向Vに延びる断面形状を有している。この前部32は、前貫通孔9Bに遊嵌された第1のピン3の前部12と接触部Tで転がり摺動接触している。
これにより、リンク2Bと当該リンク2Bに遊嵌された第1のピン3とは、リンク2B間の屈曲に伴い互いに転がり摺動接触するようになっている。
本実施の形態において、リンク2Bの貫通孔の長さとは、直交方向Vに沿ってのリンク2Bの後貫通孔10の一端部29aBと他端部29bBとの間の長さL1Bをいう。
本実施の形態によれば、第1のピン3間の連結ピッチをより短くして各プーリに一時に噛み込まれる第1のピン3の数をより多くできる。これにより、第1のピン3の1本あたりの負荷を低減して各プーリとの衝突力を低減でき、許容伝達トルクの向上および耐久性の向上を達成できると共に、騒音をより低減することができる。
なお、本実施の形態において、後貫通孔10Bに第1のピン3を遊嵌してもよい。
以上、本発明の実施の形態について幾つか説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
図3に示すような、第1および第2のピンのそれぞれが挿通されるリンクに関する下記の比較例および試験例1,2,3を作製した。比較例および試験例1,2,3は、それぞれ、直交方向に沿ってのリンクの前貫通孔(後貫通孔)の長さが6.0mmである。
比較例は、リンクの厚みが0.4mmであり、リンクの貫通孔の長さ(6.0mm)に対するリンクの厚さ(0.4mm)の割合が0.4/6.0=1/15である。
試験例1は、リンクの厚みが0.8mmであり、リンクの貫通孔の長さ(6.0mm)に対するリンクの厚さ(0.8mm)の割合が0.8/6.0=2/15である。
試験例2は、リンクの厚みが1.0mmであり、リンクの貫通孔の長さ(6.0mm)に対するリンクの厚さ(1.0mm)の割合が1.0/6.0=2.5/15である。
試験例3は、リンクの厚みが1.6mmであり、リンクの貫通孔の長さ(6.0mm)に対するリンクの厚さ(1.6mm)の割合が1.6/6.0=4/15である。
上記の比較例および試験例1,2,3のそれぞれについて、引張試験を行った。具体的には、前貫通孔および後貫通孔の双方に連結部材を挿通し、これらの連結部材を介してチェーン進行方向に沿って一定の繰り返し荷重を負荷した。このときのミーゼス応力の最大値を測定した。結果を図8に示す。
図8に示すように、試験例1のミーゼス応力の最大値は、比較例のミーゼス応力の最大値の約90%しかない。同様に、試験例2のミーゼス応力の最大値は、比較例のミーゼス応力の最大値の約81%しかない。試験例3のミーゼス応力の最大値は、比較例のミーゼス応力の最大値の約77%しかない。
このように、試験例1,2,3は、荷重を受けたときに生じるミーゼス応力が低く、優れた耐久性および大きなトルク伝達容量を有していることが実証された。特に、リンクの厚みが厚いほど、その効果は顕著である。
本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)およびチェーンの部分的な拡大断面図である。 チェーンの要部の断面図である。 (A)は、図3のIVA−IVA線に沿う断面図であり、(B)は、第1のピンの端面をチェーン幅方向に沿って見たときの図である。 本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 実施例について説明するためのグラフ図である。
符号の説明
1…動力伝達チェーン、2,2B…リンク、3…第1のピン(係合領域を有する動力伝達部材、第1の動力伝達部材、連結部材)、4…第2のピン(第2の動力伝達部材)、9,9B…前貫通孔(第1の貫通孔)、10,10B…後貫通孔(第2の貫通孔)、16…(第1のピンのチェーン幅方向の)端部、24…接触領域(係合領域)、60,70…プーリ、62a,63a,72a,73a…シーブ面、100…無段変速機(動力伝達装置)、200…連結部材、C…接触中心点(係合領域の中心点)、L1,L2…(貫通孔の)長さ、L3…(リンクの)厚さ、L4…(中心点間の)距離、V…直交方向(チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向)、W…チェーン幅方向、X…チェーン進行方向。

Claims (5)

  1. チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結し、チェーン幅方向に延びる複数の連結部材とを備え、
    プーリに巻き掛けられて駆動するときの上記リンク内の応力場が実質的に平面歪状態となることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 請求項1において、上記リンクは、連結部材が挿通される貫通孔を含み、
    チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に沿っての貫通孔の長さに対するチェーン幅方向に沿ってのリンクの厚さの割合が、2/15〜5/15の範囲に設定されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  3. 請求項1または2において、上記連結部材は、チェーン幅方向の一対の端部に、それぞれ、プーリに動力伝達可能に係合する一対の係合領域を有する動力伝達部材を含み、
    上記一対の係合領域のそれぞれの中心点間の距離に対するリンクの厚さの割合が、1/30〜3/30の範囲に設定されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、上記リンクは、チェーン進行方向に並んで配置され対応する連結部材がそれぞれ挿通される第1および第2の貫通孔を含み、
    上記連結部材は、プーリに動力伝達可能に係合する第1の動力伝達部材および当該第1の動力伝達部材に転がり摺動接触する第2の動力伝達部材を含み、
    上記第1の貫通孔には、対応する第1の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられると共に対応する第2の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられ、
    上記第2の貫通孔には、対応する第1の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられると共に対応する第2の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられることを特徴とする動力伝達チェーン。
  5. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1〜4の何れか1項に記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。

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