JP2007136569A - 真空チャック - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質の吸着体を有する真空チャックにおける吸着体の変形発生を防止し、吸着面と被加工物との間に液体を供給して被加工物を真空チャックから取り外すことができるようにする
【解決手段】この真空チャック10は、無機質材料の粉粒体からなる骨材と骨材相互を連結する結合材とを焼結して形成され、表面に被加工物を吸着保持する吸着面13が設けられた多孔質吸着体12を有している。多孔質吸着体12の内部には、吸着面13に透過して連通する流体案内路16が形成されている。流体案内路16に真空ポンプ24により負圧空気を供給することにより被加工物は吸着面13に吸着保持され、流体案内路16に加圧ポンプ32から正圧流体を供給すると、被加工物は真空チャックから取り外される。
【選択図】図2

Description

本発明は、被加工物を真空吸着して保持するための真空チャックに関する。
シリコン製の半導体ウエハの表面に回路パターンを形成したり、ガラス製の液晶ディスプレイ(LCD)を加工したり、種々の被加工物に切削や研削などの機械加工を施す際には、これらの被加工物つまりワークを真空吸着して保持するために真空チャックが使用されている。このような真空チャックとしては、特許文献1に記載されるように、多孔質材料からなる吸着体と、この吸着体が接合される金属製のベースプレートとを有するものがあり、真空を吸着体に供給するためにベースプレートには複数の溝が形成されている。ベースプレートに形成された溝とベースプレートに接着剤等により接合される吸着体とにより真空を案内される流路が形成されている。この流路を外部の真空源に接続することによって多孔質の吸着体の表面は大気圧よりも低い負圧状態つまり真空状態になり、被加工物は吸着体の表面に吸着されて保持される。
真空チャックにより保持されて所定の加工が施された被加工物は、真空チャックから取り外されることになる。加工能率向上のためには、加工後の被加工物を迅速に真空チャックから取り外す、つまりディチャックする必要があるため、圧縮空気などの気体を吸着体に供給して迅速に真空を解除するようにしている。
特開2001−341042号公報
被加工物に対する加工がクリーンルーム内で行われる場合には、被加工物を真空チャックからディチャックするために加圧気体を多孔質の吸着体に供給すると、供給された加圧気体がチャック内の異物つまりパーティクルとともにクリーンルーム内に飛散することになる。飛散したパーティクルが被加工物の表面に付着すると、量産品の製造歩留まりが低下することになるので、真空チャックから被加工物を取り外す際には、多孔質の吸着体に水等の液体を供給して吸着体の表面から液体を噴出させることが試みられた。
しかしながら、液体は気体に比べて粘性抵抗が高いので、ディチャック時には高圧の液体を吸着体に供給する必要がある。このため、従来のように吸着体をベースプレートに接合するようにした真空チャックにおいては、ディチャックのために液体を吸着体に供給すると、吸着体とベースプレートとの接合部に背圧による応力が集中して吸着体がベースプレートから剥がれたり、吸着体が変形したりするという問題点があった。
本発明の目的は、多孔質の吸着体を有する真空チャックにおける吸着体の変形発生を防止することにある。
本発明の目的は、吸着面と被加工物との間に液体を供給して被加工物を真空チャックから取り外すことができるようにすることにある。
本発明の真空チャックは、被加工物を真空吸着する真空チャックであって、無機質材料の粉粒体からなる骨材と当該骨材相互を連結する結合材との混合物を焼結して形成され、表面に被加工物を吸着保持する吸着面が設けられた多孔質吸着体を有し、前記吸着面に透過して連通する流体案内路を前記多孔質吸着体の内部に形成し、前記流体案内路に連通するとともに真空供給源に接続される連通ポートを前記多孔質吸着体に形成することを特徴とする。
本発明の真空チャックは、前記吸着面に吸着保持された被加工物を前記吸着面から離す際に前記流体案内路に加圧流体を供給することを特徴とする。
本発明の真空チャックは、前記流体案内路を前記多孔質吸着体の内部に格子状、同心円状または螺旋状に分散して形成することを特徴とする。
本発明の真空チャックは、前記多孔質吸着体の中央部における流体の透過量と周辺部における流体の透過量とを相違させることを特徴とする。
本発明の真空チャックは、前記流体案内路を前記吸着体の中央部における流体案内路と、周辺部における流体案内路との複数の独立案内路に分離し、前記吸着面に被加工物を吸着保持する際に、それぞれの独立案内路に時間差を持たせて真空を供給することを特徴とする。
本発明の真空チャックは、前記流体案内路を前記多孔質吸着体の中央部における流体案内路と、周辺部における流体案内路との複数の独立案内路に分離し、前記吸着面に被加工物を吸着保持する際に、それぞれの独立案内路に供給される真空の圧力を相違させることを特徴とする。
本発明によれば、多孔質吸着体の内部に吸着面に流体を透過して連通させる流体案内路を形成したので、流体案内面を区画形成する内壁面の強度が高まり、被加工物を吸着面に吸着保持させる際に流体案内路に負圧空気を供給しても多孔質吸着体の変形発生が防止される。また、吸着面に吸着保持された被加工物を真空チャックから取り外す際に流体案内路に加圧流体を供給しても多孔質吸着体の変形発生が防止される。これにより、多孔質吸着体の耐久性を向上することができるとともに、吸着保持された被加工物の加工精度を高めることができる。
流体案内路は、格子状、同心円状あるいは螺旋状とすることにより複数本の通路が相互に連通された状態となって多孔質吸着体の内部に分散されて形成され、流体案内路は流体案内路網つまり流体案内通路網となり、被加工物を吸着面で保持する際には被加工物全体に吸着力が加えられる。
被加工物を保持する際に、吸着面における空気の透過量を中央部と周辺部とで変化させたり、央部と周辺部とで真空を供給する時間に差を持たせることにより、吸着が完了する前に被加工物と吸着面との間に空気が挟み込まれることがなくなる。これにより、吸着保持された被加工物に内部歪みが発生することがなくなり、内部歪みの発生を防止することにより加工精度を高めることができる。
空気の透過量を吸着面の複数の領域で相違させるには、網状つまりネット状の流体案内路を構成する流路の本数を相違させたり、流体案内路の幅を相違させたり、それぞれの領域に相違した圧力の供給することにより達成される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(A)は本発明の一実施の形態である真空チャックの外観を示す斜視図であり、図1(B)は本発明の他の実施の形態である真空チャックの外観を示す斜視図である。図2(A)は図1(A)における2A−2A線拡大断面図であり、図2(B)は図2(A)における2B−2B線断面図である。
真空チャック10は、図1(A)に示すように、プレート状のベース11とこの表面に接着剤により接合される多孔質吸着体12とを有しており、それぞれは全体的に四辺形となっている。ベース11は金属により形成され、多孔質吸着体12は無機質材料の粉粒体からなる骨材と骨材相互を連結する結合材との混合物を焼結して形成されている。多孔質吸着体12の裏面はベース11の表面に接着され、ベース11の表面は被加工物を吸着する吸着面13となっている。多孔質吸着体12の外周部は樹脂等により封孔処理されて封止層14となっており、空気などの流体が多孔質吸着体12の外周部は透過しない。同様に、多孔質吸着体12の底部も樹脂等により封孔処理されて封止層15となっている。
多孔質吸着体12の内部には、図2(A)に示すように、図において左右方向と上下方向とにそれぞれ延びるとともに交差部で相互に連通された複数の通路からなる流体案内路16が形成されており、流体案内路16は全体的に格子状になって多孔質吸着体12の内部に分散形成されている。このようにして、流体案内路16は網状ないしネット状となった流体案内路網になり多孔質吸着体12の内部に形成されている。
図2(A)に示す多孔質吸着体12は、流体案内路網つまり流体案内路16が多孔質吸着体12の左右方向の外周二辺にそれぞれ平行となって形成された11本の通路と、上下方向の外周二辺にそれぞれ平行となって形成された11本の通路とにより形成され、それぞれを連通させることになり、流体案内路16は全体的に格子状の流体案内路網となっている。それぞれの流体案内路16を構成する通路は、多孔質吸着体12の大きさ等によって任意に設定される。流体案内路16を構成する通路の横断面形状は四角形となっており、流体案内路16相互間のピッチPは同一に設定され、流体案内路16の幅寸法Dもほぼ全て同一に設定されている。
図2(B)に示すように、流体案内路16と吸着面13との間の厚みD1の部分は吸着側領域17を構成し、流体案内路16と多孔質吸着体12の裏面との間の厚みD2の部分は支持側領域18を構成し、吸着側領域17と支持側領域18との間の厚みD3の部分は流路形成領域19を構成しており、これらの各領域17〜19は、骨材と結合材との混合物を焼結して多孔質吸着体12を成形することにより組織的に一体に連なっている。
多孔質吸着体12を構成する骨材としては、研削砥石に用いられるアルミナ質研削材や炭化ケイ素質研削材からなる粉粒体が使用される。アルミナ質研削材を骨材とする場合には、JISのR6111に規定される褐色アルミナ研削材A、白色アルミナ研削材WA、淡紅色アルミナ研削材PA、解粉型アルミナ研削材HA、人造エメリー研削材AE、およびアルミナジルコニア研削材AZを用いることができる。炭化ケイ素質研削材を骨材とする場合には、黒色炭化ケイ素研削材Cおよび緑色炭化ケイ素研削材GCを用いることができる。その他、天然ダイヤモンド、人工ダイヤモンド、コランダムなど研削砥石に使用される研削材であれば、どのような無機質材料をも使用することができる。結合材としては、砥石の結合材として使用されているビトリファイドまたはレジノイド、セメント、ゴム、およびガラスなどを使用することができる。
多孔質吸着体12は、このような骨材と結合材とを有する粉粒体混合物を用いて成型金型で図示する形状に成形した後に、焼結炉において加熱焼結することにより全体的に通気性を有する構造となり、焼結処理された後に、封止層14,15が樹脂等の封止材により形成される。多孔質吸着体12の内部に流体案内路16を形成するには、成形金型により粉粒体混合物を用いて成形する際に、粉粒体混合物の内部に流体案内路網に対応した形状に形成された消失性材料を埋め込む。この消失性材料は粉粒体混合物の焼結時の熱により消失されて多孔質吸着体12の内部には格子状となった流体案内路16が形成される。
多孔質吸着体12の表面は被加工物を吸着保持する吸着面13となっており、この吸着面13の大きさは、被加工物の大きさにほぼ対応している。図示する多孔質吸着体12は正方形の被加工物に対応して正方形となっているが、被加工物の形状に対応させて長方形としても良く、被加工物が円板形状であれば、図1(B)に示すように、多孔質吸着体12を円板形状としても良く、多孔質吸着体12の表面形状は被加工物に対応させて任意の形状に設定される。
多孔質吸着体12には流体案内路16に連通する第1と第2の2つの連通ポート21,22が形成されている。第1の連通ポート21は多孔質吸着体12の裏面に開口し、第2の連通ポート22は外周面に開口しており、第1の連通ポート21はベース11に形成された接続ポート23に連通している。接続ポート23には、真空供給源としての真空ポンプ24が真空配管25により接続され、真空配管25には流路開閉弁26と圧力調整弁27とが設けられている。第2の連通ポート22には、液体容器31内の液体を加圧して吐出する加圧流体供給源としての加圧ポンプ32が液体配管33により接続され、この液体配管33には流路開閉弁34と圧力調整弁35とが設けられている。
したがって、真空チャック10の吸着面13に図2(B)に二点鎖線で示すように被加工物Wを配置した状態のもとで、真空ポンプ24を駆動させると、吸着面13から外部空気が多孔質吸着体12の内部に透過流入して吸着面13とこれに配置された被加工物Wとの間は大気圧よりも低い真空状態つまり負圧状態となって、被加工物Wは吸着面13に吸着保持される。このときの吸着力は、図2(A)に示すように、多孔質吸着体12の内部には図において左右方向と上下方向とにそれぞれほぼ等間隔となって流体案内路16が網状に分散して形成されているので、吸着面13全体において大きく相違することはない。
真空チャック10に吸着保持された被加工物Wに対する切削加工、研削加工、あるいは表面処理等の加工が終了した後には、被加工物Wを真空チャック10からディチャックするために、真空ポンプ24により流体案内路16に対する負圧空気の供給を停止し、加圧ポンプ32の駆動により液体容器31内の水等の液体を流体案内路16内に加圧供給する。流体案内路16に供給された水は、多孔質性の吸着側領域17を透過して吸着面13から吐出され、被加工物Wは吸着面13から離れて真空チャック10から取り外される。被加工物Wの真空チャック10からの取り外しつまりディチャックを水等の液体を吸着面13から吐出させて行うと、真空チャック10がクリーンルーム内で使用される場合であっても、吸着面13から圧縮空気を吐出させる場合に比して、クリーンルーム内には異物つまりパーティクルが飛散することがない。これにより、被加工物の表面への異物付着に起因する量産品の精度低下や製造歩留まりの低下が防止される。
被加工物Wをディチャックする際に流体案内路16に供給する水の圧力は、多孔質体内を透過する際における液体の粘性抵抗が気体に比べて大きいので、真空吸着のために真空ポンプ24から流体案内路16に供給される負圧空気よりも大気圧との差圧を大きく設定する必要がある。このように、ディチャック時には高い圧力の液体が流体案内路16内に供給されるが、流体案内路16は一体に成形された多孔質吸着体12の内部に形成され、吸着側領域17と支持側領域18と流路形成領域19とが組織的に一体に連なっているので、流体案内路16を区画形成する壁面の強度が高くなり、ディチャック時における多孔質吸着体12の変形が防止される。したがって、従来のように、ベースの表面に溝を形成し、ベースに多孔質吸着体を接着剤により接合して真空チャックを形成した場合に比して、ディチャック時の多孔質吸着体12の変形発生やベース11からの多孔質吸着体12の剥がれの発生がなく、被加工物の加工精度が高まるとともに多孔質吸着体12の耐久性が大幅に向上する。
図3(A)は本発明の他の実施の形態である真空チャック10を示す断面図であり、図3(B)は図3(A)における3B−3B線断面図である。この真空チャック10は図2に示すものと同様にベース11と多孔質吸着体12とを有し、それぞれ四辺形となっている。図3(A)に示す多孔質吸着体12の内部に図において左右方向に平行となって形成される複数の通路は、相互間のピッチPが多孔質吸着体12の周辺部よりも中央部分が小さく設定されている。同様に、上下方向に平行となって形成される複数の通路は、相互間のピッチPが多孔質吸着体の周辺部よりも中央部分が小さく設定されている。これにより、流体案内路16は全体的に格子状ないし網状に分散形成されるとともに、多孔質吸着体12の中央部分における流体案内路16の占める面積が周辺部における流体案内路16の占める面積よりも大きくなっている。
したがって、被加工物Wを吸着する際に流体案内路16に真空を供給すると、吸着面13の中央部分から多孔質吸着体12の内部には周辺部よりも多くの空気が流入して空気の透過量が周辺部よりも多くなるので、吸着面13と被加工物Wとの間の真空度は周辺部よりも中央部の方が早く所定値に到達する。このように多孔質吸着体12の中央部分の通気性を高めると、被加工物Wを吸着面13に吸着保持させる際には、まず、被加工物Wは通気性が高く、つまり透過量が多く真空吸引力が高い中央部分から始めに吸着され、その後、被加工物Wと吸着面13との間に挟み込まれる空気を押し出すように周辺部に向かって吸着される。周辺部が先に吸着面13に吸着され、その後に中央部が吸着されると、吸着保持された被加工物Wの内部に歪みが発生するおそれがあるが、吸着面13の中央部における負圧空気の透過量を周辺部よりも高めることにより、吸着時に一時的にも吸着面13と被加工物Wとの間に空気が取り込まれることがないので、被加工物Wは内部に歪みを発生させることなく吸着面13に保持されることになる。
図3(B)に示すように、多孔質吸着体12に形成された連通ポート21に連通させてベース11に形成された接続ポート23には共通配管36が接続され、この共通配管36には切換弁37を介して真空配管25と、液体配管33とが接続されている。したがって、この場合には、共通配管36を介して流体案内路16には負圧空気と加圧液体とを供給することができる。ただし、図2(B)に示す場合と同様に、多孔質吸着体12の外周面に開口させて連通ポート22を形成し、その連通ポート22に液体配管33を接続するようにしても良い。なお、図3(B)においては、図2(B)に示された負圧空気供給回路と加圧流体供給回路を構成する部材と同一の機能を有する部材には同一の符号が付されている。
図4(A)は本発明の他の実施の形態である真空チャック10を示す断面図であり、図4(B)は図4(A)における4B−4B線断面図である。この真空チャック10は図2および図3に示すものと同様にベース11と多孔質吸着体12とを有し、それぞれ四辺形となっている。
図4(A)に示す多孔質吸着体12の内部には、多孔質吸着体12の中央部分における格子状の流体案内路16aと、周辺部における流体案内路16bとがそれぞれ相互に分離された独立案内路となって形成されている。それぞれの流体案内路16a,16bに連通させて多孔質吸着体12には連通ポート21a,21bが形成され、それぞれの連通ポートに連通する接続ポート23a,23bがベース11に形成されている。それぞれの接続ポート23a,23bには図3に示す場合と同様に共通配管36a,36bが接続され、それぞれの共通配管36a,36bには切換弁37a,37bを介して真空配管25と液体配管33とが接続されている。
図4に示すように、多孔質吸着体12の内部には中心部と周辺部とで分離独立させて別々の流体案内路16a,16bが分散して網状に形成されている。したがって、図4(B)に示すように、連通ポート21aを介して流体案内路16aに供給される負圧空気の圧力を圧力調整弁27aにより調圧し、連通ポート21bを介して流体案内路16bに供給される負圧空気の圧力を圧力調整弁27bにより調圧するようにすると、中央部の流体案内路16aに供給される負圧空気の真空度を、周辺部の流体案内路16bに供給される負圧空気の真空度よりも高くすることができる。
これにより、図3に示した多孔質吸着体12と同様に、被加工物Wを吸着する際に吸着面13の中央部分から多孔質吸着体12の内部には周辺部よりも多くの空気が流入するので、中央部の空気透過量は周辺部よりも多くなり、吸着面13と被加工物Wとの間の真空度は周辺部よりも中央部の方が早く所定値に到達する。このように多孔質吸着体12の中央部分の通気性を高めると、被加工物Wを吸着面13に吸着保持させる際には、まず、被加工物Wは通気性つまり透過性が高く真空吸引力が高い中央部分から始めに吸着され、その後、被加工物Wと吸着面13との間に挟み込まれる空気を押し出すように周辺部に向かって吸着される。これにより、被加工物Wは内部に歪みを発生させることなく吸着面13に保持されることになる。
図4に示すように、流体案内路16を中心部の流体案内路16aと周辺部の流体案内路16bとに分離させると、それぞれに真空ポンプ24から同一圧力の負圧空気を供給するようにしても、中心部の流体案内路16aに対して周辺部の流体案内路16bよりも早く負圧空気を供給すれば、上述した場合と同様に、まず、被加工物Wは中央部分から始めに吸着され、その後、被加工物Wと吸着面13との間に挟み込まれる空気を押し出すように周辺部に向かって吸着される。このように、両方の流体案内路16a,16bに時間差を持たせて真空を供給する場合には、それぞれの切換弁37a,37bに対して制御部39から流路切換信号を送るようにする。
図5は本発明の他の実施の形態である真空チャック10を示す断面図である。この真空チャック10は、図1(B)に示すように、ベース11と多孔質吸着体12とがそれぞれ円形となっている。この多孔質吸着体12の内部には、同心円状になって流体案内路16が分散して形成されるとともに、流体案内路16は多孔質吸着体12の中央部分における同心円状の流体案内路16aと、周辺部における同心円状の流体案内路16bとに形成され、それぞれの流体案内路16a,16bは相互に分離された独立案内路となっている。流体案内路16aを構成する同心円状の複数本の流体案内路は放射方向の連通路16cにより相互に連通されて流体案内路網となり、流体案内路16bを構成する同心円状の複数本の流体案内路は放射方向の連通路16cにより相互に連通されて流体案内路網となっている。
流体案内路16aに連通する連通ポート21aが多孔質吸着体12に形成され、流体案内路16bに連通する連通ポート21bが多孔質吸着体12に形成され、それぞれは図4(B)と同様に、図示しないベースに形成された接続ポートに連通されている。図5に示す真空チャック10における負圧空気供給回路と加圧流体供給回路の構造は、図4(B)に示す場合と同様となっている。
それぞれの流体案内路16a,16bにおける同心円状の流体案内路の径方向のピッチは同一に設定されているが、中央部分における流体案内路16aの幅寸法R1は、周辺部における同心円状の流体案内路16bの幅寸法R2よりも大きく設定されている。したがって、図3に示した多孔質吸着体12と同様に、被加工物Wを吸着する際に吸着面13の中央部分から多孔質吸着体12の内部には周辺部よりも多くの空気が流入し、空気の透過量が周辺部よりも多いので、吸着面13と被加工物Wとの間の真空度は周辺部よりも中央部の方が早く所定値に到達する。このように多孔質吸着体12の中央部分の通気性つまり透過性を高めると、被加工物Wを吸着面13に吸着保持させる際には、まず、被加工物Wは通気性が高く真空吸引力が高い中央部分から始めに吸着され、その後、被加工物Wと吸着面13との間に挟み込まれる空気を押し出すように周辺部に向かって吸着される。
図5に示す流体案内路16は同心円状となって形成されているが、螺旋状に流体案内路を形成するようにしても良い。その場合にも、図5に示すように、複数の流体案内路16a,16bに分離して形成するようにしても良い。
上述したそれぞれの真空チャック10においては、一体に成形された多孔質吸着体12の内部に流体案内路が形成されているので、多孔質吸着体12とベース11との間で流体案内路を形成する場合に比して多孔質吸着体12の強度を高めることができ、被加工物を吸着保持するための負圧空気を流体案内路に供給し、被加工物をディチャックするときに高い圧力の水等の液体を流体案内路に供給しても、多孔質吸着体12の変形発生を防止できる。ただし、真空チャックの使用環境によっては、ディチャックのために液体を流体案内路に供給することなく、圧縮空気を供給するようにしても良い。また、真空チャック10は被加工物のディチャック時に流体案内路に加圧流体を供給することなく、流体案内路には吸着保持のための負圧空気のみを供給するようにしても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図2に示すように、同一の幅の流体案内路を等ピッチで多孔質吸着体12の内部に形成した場合においても、中央部における流体案内路の幅を周辺部よりも大きく設定し、図3と同様の吸着保持時の機能を達成するようにしても良い。また、図4および図5に示す多孔質吸着体においては、中央部における流体案内路と周辺部における流体案内路とに2分割しているが、中央部から周辺部に向けて3分割以上に流体案内路を分離独立して形成するようにしても良い。さらに、真空チャック10は図示する場合には吸着面13が上向きとなって示されており、被加工物Wを真空チャック10の上面で支持するようになっているが、真空チャック10をその吸着面13が下向きになるようにして使用して、下面で被加工物Wを支持するようにしても良い。
(A)は本発明の一実施の形態である真空チャックの外観を示す斜視図であり、(B)は本発明の他の実施の形態である真空チャックの外観を示す斜視図である。 (A)は図1(A)における2A−2A線拡大断面図であり、(B)は図2(A)における2B−2B線断面図である。 (A)は本発明の他の実施の形態である真空チャックを示す断面図であり、(B)は図3(A)における3B−3B線断面図である。 (A)は本発明の他の実施の形態である真空チャックを示す断面図であり、(B)は図4(A)における4B−4B線断面図である。 本発明の他の実施の形態である真空チャックを示す断面図である。
符号の説明
10 真空チャック
11 ベース
12 多孔質吸着体
13 吸着面
14,15 封止層
16 流体案内路
17 吸着側領域
18 支持側領域
19 流路形成領域
21,22 連通ポート
23 接続ポート
24 真空ポンプ(真空供給源)
25 真空配管
31 液体容器
32 加圧ポンプ(加圧流体供給源)
33 液体配管

Claims (6)

  1. 被加工物を真空吸着する真空チャックであって、
    無機質材料の粉粒体からなる骨材と当該骨材相互を連結する結合材との混合物を焼結して形成され、表面に被加工物を吸着保持する吸着面が設けられた多孔質吸着体を有し、
    前記吸着面に透過して連通する流体案内路を前記多孔質吸着体の内部に形成し、
    前記流体案内路に連通するとともに真空供給源に接続される連通ポートを前記多孔質吸着体に形成することを特徴とする真空チャック。
  2. 請求項1記載の真空チャックにおいて、前記吸着面に吸着保持された被加工物を前記吸着面から離す際に前記流体案内路に加圧流体を供給することを特徴とする真空チャック。
  3. 請求項1または2記載の真空チャックにおいて、前記流体案内路を前記多孔質吸着体の内部に格子状、同心円状または螺旋状に分散して形成することを特徴とする真空チャック。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空チャックにおいて、前記多孔質吸着体の中央部における流体の透過量と周辺部における流体の透過量とを相違させることを特徴とする真空チャック。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空チャックにおいて、前記流体案内路を前記吸着体の中央部における流体案内路と、周辺部における流体案内路との複数の独立案内路に分離し、前記吸着面に被加工物を吸着保持する際に、それぞれの独立案内路に時間差を持たせて真空を供給することを特徴とする真空チャック。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空チャックにおいて、前記流体案内路を前記多孔質吸着体の中央部における流体案内路と、周辺部における流体案内路との複数の独立案内路に分離し、前記吸着面に被加工物を吸着保持する際に、それぞれの独立案内路に供給される真空の圧力を相違させることを特徴とする真空チャック。
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