JP2007134568A - 積層コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造が容易で、しかも、優れた電気的特性を有する小型の積層コイル部品及びその製造方法を得る。
【解決手段】 セラミックグリーンシート21にコイル導体13を印刷するとともに、貫通孔22に導電性ペーストを充填したコイル導体シート23を作製する。また、セラミックグリーンシート21’に貫通孔24を形成した貫通孔シート25を作製する。コイル導体13が貫通孔22に充填された導電性ペーストからなるビアホール導体22aにより順次電気的に接続されるようにコイル導体シート23を積層し、その上側及び下側に、貫通孔シート25を積層して積層体26を形成し、該積層体26を圧着する。この圧着工程において、ビアホール導体22aの一部が貫通孔24に侵入し、侵入した導体がコイルの両端部を外部に引き出すためのビアホール導体24aを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層コイル部品及びその製造方法、特に、セラミックグリーンシートを積層して製造される積層コイル部品及びその製造方法に関する。
一般に、積層コンデンサや積層インダクタなどの積層電子部品の製造方法としては、印刷工法やシート工法が知られている。印刷工法では、磁性体セラミック材料の仮焼粉をスラリー状に分散させたものと導電性ペーストとを交互に印刷することにより積層体を製造している。シート工法では、セラミックスラリーをドクターブレード法などによってグリーンシートを成形し、その上に導電性ペーストを塗布して乾燥させ、導体付きのグリーンシートを積層して積層体を製造している。
印刷工法はシート工法に比較して、セラミックグリーンシートの成形工程やその積層工程が不要で、製造工程が比較的簡単であるという利点を有している。これに対し、シート工法は、印刷工法に比較して精度的に優れており、現在では、特に小型の製品についてはシート工法による製造が主流となっている。
特許文献1には、前記シート工法により製造される積層インダクタ(積層コイル部品)が開示されている。この積層インダクタは、図11に示すように、磁性体又は誘電体からなる絶縁体層1a〜1gを有しており、これら絶縁体層1a〜1gには印刷などによりコイル導体2a〜2gが形成されている。また、絶縁体層1a〜1fにはビアホール導体3a〜3fが形成されており、これらビアホール導体3a〜3fはセラミックグリーンシートに予めレーザの照射などにより形成された孔にコイル導体の形成と同じ工程で導電ペーストを充填して形成している。
ビアホール導体3a〜3fは、積層方向において相互に隣接するコイル導体の端部間を電気的に接続している。コイル導体2a〜2gのうち、最上部及び最下部のコイル導体2a,2gには、巻始め端部及び巻終り端部としての引出し電極部4a,4bが積層体の端面にそれぞれ引き出されるように形成されている。
前記積層インダクタを製造するに際し、図12(A)に示すように、コイル導体2a〜2gをそれぞれ多数個分、マトリックス状に縦横に形成したセラミックグリーンシートを、上層のカバー用絶縁体層1i,1j及び下層のカバー用絶縁体層1kとなるセラミックグリーンシート間に挟んで重ね、上方よりプレスPにより圧着している。その後、個々のチップに切断する切断工程、焼成工程を経て、図12(B)に示すように、チップの両端面への導電性ペーストの塗布、焼付け、メッキなどにより外部電極5a,5bを形成している。
ところで、近年、電子機器の小型化に伴い、それに使用される積層電子部品などに対する小型化の要求も一段と厳しくなっている。このような小型化に伴って次のような問題点が生じてきた。
即ち、大きなインダクタンスを有し、小型で直流抵抗の小さい積層インダクタを得るためには、セラミックグリーンシートの厚みTs(図12(A)参照)を薄くする一方、コイル導体の厚みTcを厚くして直流抵抗を小さくする必要がある。しかしながら、絶縁体層1a〜1kとなるセラミックグリーンシートは、それぞれが他のセラミックグリーンシートとの接着性を確保するためにある程度のバインダーを含んで柔軟な状態にあるので、これらのシートを積層し、圧着する際に、シートは潰されることになる。これに対し、銀や銀合金粉末ペーストからなるコイル導体2a〜2gやビアホール導体3a〜3fは、圧縮による縮み量は比較的小さい。よって、コイル導体2a〜2g及びビアホール導体3a〜3fは圧縮されにくい部分となる。
その結果、ビアホール導体3a〜3f及びそれぞれのビアホール導体3a〜3f周辺のコイル導体2a〜2gには圧力が加わる。特に、Tc≧Tsのときには、その圧力は強くなる。そして、その強い圧力により応力が生じ、インダクタンスが低下してしまう。また、強い圧力によりコイル導体2a〜2gやビアホール導体3a〜3fが潰れ、コイル径が小さくなることによって、インダクタンスがさらに低下してしまう。このため、大きなインダクタンスを得ようとすると、どうしても形状が大きくなるという問題点があった。
また、コイル導体がコイル軸方向に対して直交する方向に引き出されている場合は、図12(A)に示すように、コイル導体2a〜2gが形成されない部分(積層体の端面部となる部分)には圧縮前に隙間gが存在するので、圧着により、図12(B)に示すように、引出し電極部4a,4bがそれぞれ下向き、上向きに曲がり、引出し電極部4a,4bとコイル導体2b,2fのビアホール導体3b,3eの周辺部分とがそれぞれ符号6,7で示す部分で近接して短絡することがあり、製造の歩留まりを低下させるという問題点をも有していた。
特開2003−209016号公報
そこで、本発明の目的は、製造が容易で、しかも、優れた電気的特性を有する小型の積層コイル部品及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る積層コイル部品の製造方法は、
セラミックグリーンシートを作製する工程と、
第1のセラミックグリーンシートの所定位置に第1の貫通孔を形成し、かつ、導電性ペーストにより第1のセラミックグリーンシート上にコイル導体を形成するとともに前記第1の貫通孔に前記導電性ペーストを充填してコイル導体シートを作製する工程と、
第2のセラミックグリーンシートの所定位置に第2の貫通孔を形成して貫通孔シートを作製する工程と、
前記コイル導体シートと前記貫通孔シートを積層、圧着して前記導電性ペーストを前記第2の貫通孔に侵入させるとともに、前記コイル導体を電気的に接続してコイルを形成し、セラミック積層体を形成する工程と、
前記セラミック積層体を焼成して焼結体ユニットを作製する工程と、
前記焼結体ユニットに、前記コイルに電気的に接続された外部電極を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明に係る製造方法では、貫通孔シートの第2の貫通孔には導電性ペーストが充填されていないので、セラミック積層体を圧着した際に、第2の貫通孔に隣接する第1の貫通孔に充填された導電性ペーストが第2の貫通孔に侵入する。即ち、第2の貫通孔はセラミック積層体の圧着の際に導電性ペーストを受け入れる吸収部分となる。これにより、コイル導体シートの第1の貫通孔に近接した部分及び貫通孔シートの第2の貫通孔の周辺部分に加わる圧力が緩和され、これらの部分における応力が小さくなり、インダクタンスの低下が抑制される。また、コイル径が小さくなることによるインダクタンスの低下も抑制される。
本発明に係る製造方法において、コイル導体シートを、その積層方向がコイルのコイル軸方向と合致するように積層するとともに、貫通孔シートをセラミック積層体の最下層部及び最上層部に位置するように積層することが好ましい。コイルの両端部に相当する導電性ペースト(第1のビアホール導体)は、セラミック積層体の圧着の際に、貫通孔シートに形成された第2の貫通孔に侵入する。この第2の貫通孔に侵入した導電性ペーストが引出し電極部として機能してコイルの両端部が外部電極と電気的に接続される。
また、第2の貫通孔は第1の貫通孔よりも大きく形成することが好ましい。セラミック積層体の圧着の際に、コイルの両端部に相当する導電性ペーストを受け入れる第2貫通孔の受け入れ容量が大きくなり、コイル導体シートの第1の貫通孔に近接した部分及び貫通孔シートの第2の貫通孔の周辺部分に加わる圧力がより緩和され、これらの部分における応力がより小さくなる。
また、本発明に係る積層コイル部品は、
セラミックグリーンシートの積層、圧着及び焼成により形成されたセラミック層を間にしてコイル導体が形成されており、該コイル導体が前記セラミック層に形成されたビアホール導体により電気的に接続されて内部にコイルが形成されてなる焼結体ユニットを備え、
前記コイルが前記焼結体ユニットに形成された外部電極に引出し電極部を介して電気的に接続されており、
前記コイル導体は前記ビアホール導体に近接した部分が前記セラミック層の積層面に対して傾斜していること、
を特徴とする。
本発明に係る積層コイル部品において、コイル導体のビアホール導体に近接した部分の傾斜により、セラミック積層体内のビアホール導体に近接した部分に加わる圧力が緩和される。これにより、インダクタンスの低下が抑制されるとともに、コイル導体間の短絡不良も解消される。
本発明に係る積層コイル部品にあっては、コイル導体は引出し電極部に近接した部分がセラミック層の積層面に対して傾斜していることが好ましい。セラミック積層体内のビアホール導体に近接した部分に加わる圧力が緩和され、しかも、引出し電極部とコイル導体との接続工程が容易になる。
また、コイル導体パターンは、それぞれ、1/2ターンに相当する長さを有していることが好ましい。コイル導体が180度回転対称なパターン形状となり、ビアホール導体の位置も2箇所に集中して形成されるので、ビアホール導体に圧力が集中して加わるが、コイル導体が傾斜していることにより、圧力が緩和されてインダクタンスの低下が抑制されるとともに、コイル導体間の短絡が解消される。
また、外部電極が焼結体ユニットのコイル軸方向と直交する端面に形成されていてもよい。外部電極は焼結体ユニット内に形成されているコイルの両端部に位置するコイル導体にしか対向しないので、外部電極とコイルとの対向面積が小さくなり、浮遊容量が小さくなる。
本発明によれば、ビアホール導体の周辺部分に加わる圧力が緩和されるので、インダクタンスの低下が抑制され、電気的特性に優れた積層コイル部品を得ることができる。また、コイル導体間の短絡不良が解消され、製造時の製品の歩留まりも向上する。さらに、第2の貫通孔に侵入した導電性ペーストによりコイルの両端部が外部電極に電気的に接続されるので、製造工程が簡略化され、製造コストを引き下げることができる。
以下、本発明に係る積層コイル部品及びその製造方法の実施形態及び実施例について説明する。なお、各実施形態の説明において参照する図面は、成形された広面積のセラミックグリーンシート(マザーシート)を積層した後、カットした結果得られる一つのユニットについて図示したものである。
(第1実施形態、図1〜図4参照)
第1実施形態である積層コイル部品の製造方法を図1〜図3に、また、積層コイル部品の完成品の模式的縦断面を図4にそれぞれ示す。
図4に示すように、積層コイル部品10は、チップ形状を有するセラミック焼結体ユニット11内に螺旋状のコイル12が形成されている。コイル12は、焼結体ユニット11内に形成されたコイル導体13を第1のビアホール導体22aにより直列に順次電気的に接続されている。コイル導体13はセラミック層17上に所定のパターン形状に形成されたものである。
また、コイル12は、焼結体ユニット11の最上部及び最下部に位置するセラミック層15に形成された第2のビアホール導体24aにより、積層方向に平行な両端面に形成された外部電極18,18にそれぞれ引き出されている。
前述した内部構造を有する積層コイル部品10は次のようにして製造することができる。まず、フェライト仮焼粉を水中に分散し、粉砕してセラミックスラリーを作製する。このセラミックスラリーから、引上げ法やドクターブレード法などによりセラミックグリーンシートを成形する。成形したセラミックグリーンシートのうち、図1に示すように、セラミックグリーンシート21のコイル導体13の一端部に対応する所定位置に、炭酸ガスレーザの照射などにより第1の貫通孔22を形成する。
次に、前記セラミックグリーンシート21上に、Agを主成分とする導電性ペーストを用いて、第1の貫通孔22が一端部に位置するようにL字形状のコイル導体13をスクリーン印刷する。この印刷と同時に、第1の貫通孔22に導電性ペーストが充填され、第1のビアホール導体22aとされる。なお、コイル導体13は、1/2ターンに相当する長さを有している。このようにして、主面にL字形状のコイル導体13が印刷されるとともに、第1の貫通孔22に導電性ペーストが充填されたコイル導体シート23を作製する。
また、前記とは別のセラミックグリーンシート21’に、炭酸ガスレーザの照射などで第2の貫通孔24を形成して貫通孔シート25を作製する。第2の貫通孔24は、コイル12(図4参照)の巻始め端部及び巻終わり端部に相当するコイル導体13の端部に対応する位置にそれぞれ形成する。また、第2の貫通孔24は、その径が第1の貫通孔22の径と同じか、または大きくなるように形成する。本第1実施形態では第2の貫通孔24を大きく形成した。
その後、図2に示すように、コイル導体シート23を、コイル導体13が第1のビアホール導体22aにより順次直列に電気的に接続されるように積層し、図4に示すコイル12を形成する。そして、積層したコイル導体シート23の上側及び下側には、さらに貫通孔シート25を積層して圧着し、セラミック積層体26を形成する(図3参照)。
この圧着工程において、セラミックグリーンシート21,21’は、接着性を確保するためにある程度のバインダーを含んで柔軟な状態にあるが、貫通孔シート25の第2の貫通孔24には導電性ペーストが充填されていないので、圧縮による縮み量が比較的小さい導電性ペースト(第2の貫通孔24の直上及び直下に位置する第1の貫通孔22に充填された導電性ペースト)が侵入する。第2の貫通孔24に侵入した導電性ペーストは、コイル12を外部に引き出すための第2のビアホール導体24aを形成する(図3参照)。なお、第2の貫通孔24に侵入した導電性ペーストは、スクリーン印刷後に乾燥された導電性ペーストである。
また、第2の貫通孔24への導電性ペーストの侵入により、コイル導体13は、第1のビアホール導体22aの周辺部分がなだらかなスロープを描いて積層面に対してなだらかに傾斜し、第1の貫通孔22に近接した部分及び第2の貫通孔24の周辺部分に加わる圧力が緩和される。これに対して、引出し電極として機能する第2のビアホール導体24aに近接する部分のコイル導体13の傾斜は比較的大きい。なお、コイル導体13の全てが傾斜している必要はなく、一部のコイル導体13が傾斜することで、圧力を緩和することができる。
次に、前記工程を経て作製したセラミック積層体26を1単位のユニットにカットし、焼成する。これにより、内部にコイル12が形成された焼結体ユニット11が得られる。その後、焼結体ユニット11を、湿式バレル研磨工程で研磨した後、Ag外部電極形成工程、該Ag外部電極の湿式メッキ工程の各工程を経ることにより、図4に示した内部構造を有する積層コイル部品10を得ることができる。
本第1実施形態において、第2の貫通孔24は、第1の貫通孔22よりも直径が大きく、しかも内部には導電性ペーストが充填されていない。従って、セラミック積層体26の圧着の際に、第2の貫通孔24は隣接する第1の貫通孔22に充填された導電性ペーストを受け入れる吸収部分となる。これにより、第1の貫通孔22に近接する部分及び第2の貫通孔24の周辺部分に加わる圧力が緩和され、これらの部分における応力が小さくなり、インダクタンスの低下を抑制することができる。また、圧力が緩和されるので、コイル径が小さくなることによるインダクタンスの低下も抑制することができる。
また、第2の貫通孔24に侵入した導電性ペースト(第2のビアホール導体24a)によりコイル12が外部電極18に電気的に接続されるので、引出し電極部のパターンが不要となり、積層コイル部品の製造工程が簡略化され、製造コストも引き下げることができる。
(第2実施形態、図5参照)
第2実施形態である積層コイル部品の模式的縦断面を図5に示す。この積層コイル部品10aは、前記第1実施形態として説明した積層コイル部品10において、外部電極18を、焼結体ユニット11の最上層及び最下層に位置するセラミック層15及びその周縁にかけてそれぞれ形成するようにしたものである。なお、図5において、図4に対応する部分には対応する符号を付し、重複した説明は省略する。
本第2実施形態では、外部電極18は焼結体ユニット11のコイル軸方向と直交する端面、即ち、焼結体ユニット11の最上層及び最下層のセラミック層15の直上及び直下に位置しているので、焼結体ユニット11内に形成されているコイル12の両端部に位置するコイル導体13に対向するにすぎない。これにより、外部電極18とコイル12との対向面積が小さくなり、浮遊容量が小さくなり、積層コイル部品の高周波特性が向上する。
(第3実施形態、図6及び図7参照)
第3実施形態である積層コイル部品は、図6及び図7に示すように、前記第1実施形態として説明した積層コイル部品10において、コイル12の両端部に位置するコイル導体13を外部電極18に電気的に接続するための引出し電極部31を形成したセラミックグリーンシート32及びカバーシート33を、上側及び下側の貫通孔シート25の上面及び下面に積層するようにしたものである。なお、図6及び図7において、図1〜図4に対応する部分には対応する符号を付し、重複した説明は省略する。
本第3実施形態では、セラミック積層体26の圧着の際に、第1のビアホール導体22a及び引出し電極部31の上下両方向から第2の貫通孔24に導電性ペーストが侵入する。これにより、コイル導体13と引出し電極部31との電気的な接続が確実に行われ、コイル12の両端部から外部電極18への電気的な引出しの信頼性が高くなる。また、コイル軸方向と直交する方向に導体(引出し電極部31)を引き出しても、第2のビアホール導体24aの周辺での圧力が緩和されているので、導体(引出し電極部31)に大きな圧力が加わらず、短絡を生じることもない。
なお、本第3実施形態において、セラミックグリーンシート32を、コイル導体シート23の中間部に挿入することにより、コイル12からいわゆる中間タップを引き出す構造とすることもできる。
(実施例1及び比較例1、比較例2)
次に、実施例1及び比較例1,2を示し、さらに詳細に説明する。以下に示す(1)〜(7)の工程により図1〜図4で説明した第1実施形態の積層コイル部品10(実施例1)を製造した。
(1)まず、Ni−Cu−Zn系フェライト粉末(透磁率μ=400)と分散剤、バインダ及び溶剤を混練してスラリーを作製し、キャリヤフィルム上にドクターブレード法により、厚さが20μmの長尺のセラミックグリーンシート21,21’を成形した。
(2)前記工程(1)で作製したセラミックグリーンシート21に、炭酸ガスレーザの照射により、直径50μmの第1の貫通孔22を形成した。
(3)前記工程(2)で第1の貫通孔22を形成したセラミックグリーンシート21に、Agからなる導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷により1/2ターンに相当する長さを有する厚さが25μmのコイル導体13を印刷するとともに、この印刷と同時に第1の貫通孔22に導電性ペーストを充填し、コイル導体シート23を作製した。そして、印刷及び充填した導電性ペーストを乾燥させた。
(4)前記(1)の工程で作製した別のセラミックグリーンシート21’に、炭酸ガスレーザにより直径100μmの第2の貫通孔24を形成し、貫通孔シート25を製造した。
(5)前記(3)の工程で得たコイル導体シート23を積層して、その上側及び下側に前記(4)で製造した貫通孔シート25を2枚ずつ積層した後、1.0トン/cm2の圧力で圧着し、第1の貫通孔22内の導電性ペースト(第1のビアホール導体22a)によりコイル導体13を順次直列に電気的に接続し、各ユニットごとにカットして内部にターン数が8.5ターンのコイル12が形成されたチップ状のセラミック積層体26を得た。
(6)前記工程(5)で得たセラミック積層体26を、脱バインダ工程を経て、870〜900℃の温度で焼成し、焼結体ユニット11を作製した。
(7)前記工程(6)で得た焼結体ユニット11を、湿式バレル研磨工程で研磨した後、Ag外部電極の焼付け、該Ag外部電極の表面をNi/Snメッキ処理し、サイズが0.6×0.3×0.3mmの積層コイル部品10を得た。
一方、前記実施例1の製造工程において、工程(4)を省略、即ち、第2の貫通孔24を形成した貫通孔シート25に代えて、図8〜図10に示すように、コイル12を外部電極18に引き出すための引出し電極部41を形成したセラミックグリーンシート21とカバー用のセラミックグリーンシート42(いずれも貫通孔は形成されていない)を用いて積層コイル部品(比較例1)を製造した。この比較例1では、コイル導体13の厚みを10μmとした。
さらに、前記比較例1の製造工程によって、コイル導体13の厚みを25μmとした積層コイル部品(比較例2)を製造した。
前記実施例1、比較例1及び比較例2の各サンプルについて、100MHzにおけるコイルのインピーダンスZ(Ω)(絶対値)、直流抵抗Rdc(mΩ)及びサンプル1000個当たりの短絡不良個数を調べたところ、次の表1で示す結果を得た。
Figure 2007134568
前記表1からも分かるように、実施例1の積層コイル部品では、比較例1及び比較例2の積層コイル部品に比較して、直流抵抗Rdcが小さくなっていることが分かる。また、実施例1のコイルでは、比較例2のコイルに比較してインピーダンスZも高くなっている。これにより、実施例1の積層コイル部品では、電気的特性の優れたコイルを得ることができる。
(他の実施形態)
本発明に係る積層コイル部品及びその製造方法は前記実施形態、実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の構成とすることができる。
例えば、各コイル導体13は、コイルの合計ターン数に対して1/2ターンに相当する長さのものについて説明したが、1/4ターンあるいは3/4ターンに相当する長さであってもよい。また、焼結体ユニットの材料としては、Ni−Zn−Cuフェライト、Ni−Znフェライト、Cu−Znフェライトなどの磁性体セラミック材料のほか、非磁性のセラミック材料も使用することができる。
また、実施形態においては、貫通孔シートを積層したコイル導体シートの上下に配置させたが、複数のコイル導体シートの間に貫通孔シートを配置させることも可能である。即ち、コイル導体シートの上下に配置した貫通孔シートの他に、さらに複数のコイル導体シートの間に貫通孔シートを配置させてもよい。あるいは、コイル導体シートの上下には貫通孔シートを配置させないで、複数のコイル導体シートの間にのみ貫通孔シートを配置させてもよい。さらに、貫通孔シートの積層枚数は1枚でも複数枚でもよく、コイル導体シートの上下の一方にのみ配置してもよい。
第1実施形態である積層コイル部品を示す分解斜視図である。 第1実施形態におけるセラミック積層体の圧着前を示す部分縦断面図である。 第1実施形態におけるセラミック積層体の圧着後を示す部分縦断面図である。 第1実施形態である積層コイル部品を模式的に示す縦断面図である。 第2実施形態である積層コイル部品を模式的に示す縦断面図である。 第3実施形態におけるセラミック積層体の圧着前を示す部分断面図である。 第3実施形態におけるセラミック積層体の圧着後を示す部分断面図である。 比較例1におけるセラミック積層体の圧着前を示す部分縦断面図である。 比較例1におけるセラミック積層体の圧着後を示す部分縦断面図である。 比較例1である積層コイル部品を示す縦断面図である。 従来の積層コイル部品を示す分解斜視図である。 従来の積層コイル部品におけるセラミック積層体を示し、(A)は圧着前のセラミック積層体の縦断面図、(B)は圧着後のセラミック積層体の縦断面図である。
符号の説明
10,10a…積層コイル部品
11…焼結体ユニット
12…コイル
13…コイル導体
14…第1のビアホール導体
15…セラミック層
16…第2のビアホール導体
17…セラミック層
18…外部電極
21,21’…セラミックグリーンシート
22…第1の貫通孔
22a…第1のビアホール導体
23…コイル導体シート
24…第2の貫通孔
24a…第2のビアホール導体
25…貫通孔シート
26…セラミック積層体
31…引出し電極部

Claims (7)

  1. セラミックグリーンシートを作製する工程と、
    第1のセラミックグリーンシートの所定位置に第1の貫通孔を形成し、かつ、導電性ペーストにより第1のセラミックグリーンシート上にコイル導体を形成するとともに前記第1の貫通孔に前記導電性ペーストを充填してコイル導体シートを作製する工程と、
    第2のセラミックグリーンシートの所定位置に第2の貫通孔を形成して貫通孔シートを作製する工程と、
    前記コイル導体シートと前記貫通孔シートを積層、圧着して前記導電性ペーストを前記第2の貫通孔に侵入させるとともに、前記コイル導体を電気的に接続してコイルを形成し、セラミック積層体を形成する工程と、
    前記セラミック積層体を焼成して焼結体ユニットを作製する工程と、
    前記焼結体ユニットに、前記コイルに電気的に接続された外部電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする積層コイル部品の製造方法。
  2. 前記コイル導体シートを、その積層方向が前記コイルのコイル軸方向と合致するように積層するとともに、前記貫通孔シートを前記セラミック積層体の最下層部及び最上層部に位置するように積層することを特徴とする請求項1に記載の積層コイル部品の製造方法。
  3. 前記第2の貫通孔を前記第1の貫通孔よりも大きく形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層コイル部品の製造方法。
  4. セラミックグリーンシートの積層、圧着及び焼成により形成されたセラミック層を間にしてコイル導体が形成されており、該コイル導体が前記セラミック層に形成されたビアホール導体により電気的に接続されて内部にコイルが形成されてなる焼結体ユニットを備え、
    前記コイルが前記焼結体ユニットに形成された外部電極に引出し電極部を介して電気的に接続されており、
    前記コイル導体は前記ビアホール導体に近接した部分が前記セラミック層の積層面に対して傾斜していること、
    を特徴とする積層コイル部品。
  5. 前記コイル導体は前記引出し電極部に近接した部分が前記セラミック層の積層面に対して傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の積層コイル部品。
  6. 前記コイル導体は、それぞれ、1/2ターンに相当する長さを有していることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の積層コイル部品。
  7. 前記外部電極は前記焼結体ユニットのコイル軸方向と直交する端面に形成されていることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の積層コイル部品。
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