JP2007131572A - エチルキシレンの異性化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物から上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン異性体の濃度を増大させる方法を提供する。
【解決手段】エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物とキシレンの比率が重量比で表して100:5〜100:400の供給原料を液相で12員酸素環からなる細孔を有するゼオライトの酸型体と接触させることを特徴とするエチルキシレンの異性化方法により上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン異性体の濃度を増大させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物から上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン異性体の濃度を増大させる異性化方法に関する。エチルキシレン各異性体は部分酸化、塩素化、ニトロ化等に供され医農薬原料として利用できることが期待される重要な工業用原料である。
エチルキシレンはフェニル基に2個のメチル基と1個のエチル基を有する炭素数10のアルキル芳香族炭化水素であり、エチルキシレンの異性体は6種類が存在する。
エチルキシレン(ジメチルエチルベンゼンとも呼称する)は、メチルエチルベンゼンをトランスアルキル化することによって製造することが出来る(例えば、非特許文献1)。又、キシレンをエチル化反応によって製造することも出来る(例えば、特許文献1参照)。
しかし、何れの方法によっても、エチルキシレン異性体混合物として得られ、高純度のエチルキシレン異性体単独成分を得ることは出来ない。従って、エチルキシレン異性体単独成分を得るには、エチルキシレン異性体混合物から分離する必要がある。エチルキシレン異性体の沸点を表1に示す。
Figure 2007131572
エチルキシレン異性体のうち、5−エチル−メタ−キシレンは低沸点成分として、3−エチル−オルソ−キシレンは高沸点成分として蒸留法で分離可能ではあるが、他の異性体との沸点差は3〜4℃と小さく、超精密蒸留設備を必要とする。一方、他の異性体は、沸点が中間にあり、且つ沸点差が1℃前後と小さく、実質的に蒸留設備では分離不可能である。
沸点差が小さい成分を分離する方法として、吸着分離法がある(例えば、特許文献2参照)。吸着分離法により、沸点差の小さいエチルキシレン異性体を分離できる。
エチルキシレン異性体混合物から目的のエチルキシレン異性体を分離した残りの目的エチルキシレン異性体濃度の乏しいエチルキシレン異性体混合物を目的エチルキシレン異性体に変換し、再び目的のエチルキシレン異性体を分離することが産業上重要である。
一般に芳香族炭化水素異性体混合物中の1つの異性体濃度が熱力学的平衡濃度より乏しい時には、それを熱力学的平衡濃度まで増大させる方法として酸型触媒を用いる異性化反応がある。キシレンの異性化反応(例えば、特許文献3参照)、トリメチルベンゼンの異性化反応(例えば、特許文献4参照)などを挙げることが出来る。芳香族炭化水素の酸型触媒上での反応では、異性化反応以外にトランスアルキル化反応、脱アルキル化反応、分解反応等が起きる。アルキル基がメチル基だけで構成されている時に比較して、メチル基とエチル基が存在している時には、異性化反応以外の反応が起きやすい。これは、メチル基に比較して、エチル基がトランスアルキル化反応、或いは脱アルキル化反応し易いためである。例えば、エチルベンゼンを含むキシレン類を酸型触媒と接触させると、キシレンの異性化とともに、エチルベンゼンが脱アルキル化してベンゼンに変換したり、エチル基がトランスアルキル化してジエチルベンゼンやエチルキシレンに変換する(例えば、特許文献4参照)。メチル基とエチル基が同一芳香核に存在するエチルキシレンの異性化反応では、エチル基の脱アルキル化反応、トランスアルキル化反応が著しく起こりやすく工業的実現性に乏しいのが現実である。
SIGMUND M. CSICSERY, JOURNAL OF CATALYSIS 19, 394−397 (1970) 表2 特開2004−244330号公報(実施例1〜4) 特開平11−180911号公報(カラム1、43行〜カラム2、30行) 特公昭59−3970号公報(実施例3〜6) 特開2002−226406号公報(実施例1、2)
エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物から、エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度を増大させる方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、「エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物とキシレンの比率が重量比で表して100:5から100:400の供給原料を液相で12員酸素環からなる細孔を有するゼオライトの酸型体を含有する触媒と接触させる」ことにより、上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン濃度を効率的に増大させることを見出し、本発明に到達した。
本発明により、エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物から上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン濃度を効率的に増大させることが出来る。
本発明に言うエチルキシレンの熱力学的平衡濃度は、実験から求めることができる。実験から目的の温度での熱力学的平衡濃度を求めるには、エチルキシレン異性体混合物をフォージャサイト型ゼオライト及び/又はベータ型ゼオライトからなる酸触媒の存在下、バッチ反応により目的の温度でエチルキシレン各異性体の組成比変化を経時的に測定し、組成比変化が認められなくなった時、その温度での熱力学的平衡濃度となる。エチルキシレン異性体の熱力学的平衡組成(315℃)を表2に示す(非特許文献1)。
Figure 2007131572
本発明において、特定のエチルキシレン異性体が熱力学的平衡濃度より乏しいかどうかの判断は、異性化反応を行う条件のもとで上記方法により求めた熱力学的平衡濃度により行うこととする。
本発明において、供給原料に用いるエチルキシレン異性体混合物としては、濃度を増大させたいエチルキシレン異性体の濃度が上記で求めた熱力学的平衡濃度より5重量%以上乏しいもの(2−エチル−メタ−キシレン及び3−エチル−オルソ−キシレンを除く)であることが、本発明の効果が十分に発揮される点で好ましい。
エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が上記熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物を異性化反応により、上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン濃度を増大させるに際して、エチルキシレンがトランスアルキル化反応、脱アルキル化反応等により損失しやすいことが問題となるが、本発明においては、供給原料としてエチルキシレン異性体混合物にキシレンを共存させることにより、トランスアルキル化反応により、エチルキシレンが損失するのを大きく減少させることが出来る。これは、エチルキシレンから脱離したエチル基が共存するキシレンにトランスアルキル化して、再びエチルキシレンになるからである。エチルキシレン異性体混合物とキシレンの混合比率は、重量比で表して100:5から100:400が好ましく、特に100:20から100:300が好ましい。キシレンの混合比率が低すぎると、トランスアルキル化反応によるエチルキシレンの損失が大きくなり、一方、キシレン混合比率が大きくなりすぎるとエチルキシレン濃度が低下しすぎて、効率が悪くなる。異性化反応に供するエチルキシレン異性体混合物中で濃度の乏しいエチルキシレン異性体が5−エチル−メタ−キシレン、4−エチル−メタ−キシレン、2−エチル−メタ−キシレンの如きエチル−メタ−キシレンの場合には、エチルキシレン異性体混合物と混合するキシレンはメタ−キシレンを含有するキシレンが好ましい。異性化反応に供するエチルキシレン異性体混合物中で熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体が2−エチル−パラ−キシレンの場合は、エチルキシレン異性体混合物と混合するキシレンはパラ−キシレンを含有するキシレンが好ましい。一方、異性化反応に供するエチルキシレン異性体混合物中で濃度の乏しいエチルキシレン異性体が4−エチル−オルソ−キシレン、3−エチル−オルソ−キシレンの場合には、エチルキシレン異性体混合物と混合するキシレンはオルソ−キシレンを含有するキシレンが好ましい。
本発明においては、エチルキシレンの異性化反応は液相で行う。気相で行うと、脱アルキル化反応が多くなり、エチルキシレン損失が増大し、好ましくない。液相で反応を行うには、液相になるのに必要な圧力で反応を行えばよい。好ましい圧力は、0.2から10MPa−G、更に好ましい圧力は0.5から5MPa−Gである。反応温度は、好ましくは200から400℃、更に好ましくは、200から350℃である。反応温度が高くなると、脱アルキル化反応が増大するので、好ましくない。
本発明は、エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物をキシレンと混合して特定の酸型触媒と接触させて異性化させることにより、上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン異性体の濃度を増大させることにある。本発明では、上記酸型触媒として12員酸素環の細孔を有するゼオライト酸型体を用いる。この12員酸素環の細孔を有するゼオライトとしては、フォージャサイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライトが挙げられる。また、フォージャサイト型ゼオライトとしてはY型ゼオライト、超安定型ゼオライトと言われるUSYゼオライトを用いることができる。Y型ゼオライトとしては、シリカ/アルミナモル比4から6が好ましく、USYゼオライトでは、シリカ/アルミナモル比が6から15である。一方、ベータ型ゼオライトではシリカ/アルミナモル比は15から70が好ましく、更に好ましくは、16から50である。
本発明で言うゼオライトの酸型体(酸型ゼオライトと称する場合もある)とは、ゼオライトのイオン交換サイトの少なくとも1部に水素イオンが存在するものを言う。
本発明において使用されるゼオライトは、次式で示される結晶性アルミノシリケートである。
0.9±0.2M2/nO:Al:xSiO:yH
ここで、Mはカチオンを示し、nはその原子価を示す。yは水和の程度により異なる。酸型ゼオライトは、このカチオンMの少なくとも一部が水素イオンであるゼオライトを言う。
ゼオライトは、一般に粉末であるので、使用にあたっては、成型することが好ましい。成型法には、圧縮成型法、転動法、押出法等が例として挙げられるが、より好ましくは、押出法である。押出法では、合成ゼオライト粉末にアルミナゾル、アルミナゲル、ベントナイト、カオリン等の無機バインダー及び成型性を改善する目的で必要に応じて、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸トリエステル、これらのエチレンオキサイド付加物(例えば、ICI社製スパン、ツインなど)などの界面活性剤が成型助剤として添加され、混練りされる。混練りは、ニーダーと呼ばれる機械を用いることが好ましい。混練りされた混練り物はスクリーンから押し出される。工業的には、例えば、エクストリューダーと呼ばれる押出機が使用される。スクリーンから押し出された混練り物はヌードル状物となる。使用するスクリーン径により成型体の粒径が決定される。粒径は、通常、0.1mm以上である。これより小さいと圧損が大きくなる。粒径の上限は、通常、2.0mmであるが、拡散を有利にするために、粒径は小さい方が好ましい。0.1〜1mmが好ましく、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。スクリーン径としては、好ましくは0.1〜2.0mmφが用いられる。スクリーンから押し出されたヌードル状成型体は、角を丸めるために、マルメライザーにより処理されるのが好ましい。このようにして成型された成型体は50〜250℃で乾燥される。乾燥後、成型強度を向上させるため、250〜600℃、好ましくは350〜600℃で焼成される。
このようにして調製された成型体は、固体酸性を付与するためにイオン交換処理が行われる。固体酸性を付与する方法としては、アンモニウムイオンを含む化合物(例えば、NHCl、NHNO、(NHSO等)でイオン交換処理し、ゼオライトのイオン交換サイトにNHイオンを導入し、しかる後、乾燥、焼成により、水素イオンに変換する方法、或いは、直接、酸を含む化合物(例えば、HCl、HNO、HPO等)で、ゼオライトのイオン交換サイトに水素イオンを導入する方法もあるが、後者は、ゼオライト構造を破壊する恐れがあるので、好ましくは前者、即ち、アンモニウムイオンを含む化合物でイオン交換処理される。 勿論、ゼオライト粉末を成型前に、アンモニウム型ゼオライトとし、次いで成型することも一つの実施態様である。イオン交換処理後、水洗が繰り返され、次いで、50〜250℃で乾燥される。
このようにして調製された触媒は、使用に先立って、350〜600℃で30分以上焼成され酸型ゼオライト触媒とする。
懸かる触媒に、エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物とキシレンを供給して上記エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度を増大させた反応生成物から蒸留分離法によりエチルキシレン異性体の中で最も沸点の低い5−エチル−メタ−キシレン及び最も沸点の高い3−エチル−オルソ−キシレンは分離可能である。しかし、これらの異性体以外の異性体は沸点が中間に存在し、且つ、その沸点差が小さい為、蒸留分離法だけでは実質的な分離は困難である。吸着分離法の場合は、沸点差の小さい成分間の成分を分離することがしばしば可能である。例えば4−エチル−メタ−キシレンは、表1に示すように、2−エチル−パラ−キシレン及び4−エチル−オルソ−キシレンとの沸点差は、僅か1〜2℃である。このようなエチルキシレンは特願2005-231470号明細書に記載しているように、エチルキシレン異性体混合物から4−エチル−メタ−キシレンをカリウムイオン及び/又はバリウムイオンを含むフォージャサイト型ゼオライト吸着剤を用いて分離できる。このフォージャサイト型ゼオライト吸着剤中のバリウムイオン交換率は、好ましくは、60〜100当量%、より好ましくは70〜100当量%である。カリウムイオン交換には、硝酸カリウム、塩化カリウム等が利用される。ゼオライト吸着剤中のカリウムイオン交換率は、60〜100当量%、より好ましくは80〜100当量%である。Baイオン交換率、Kイオン交換率の測定は、原子吸光法、ICP法、蛍光X線法など公知の分析法により求めることが出来るが、本発明においては蛍光X線法で測定された値とする。
本発明で用いる吸着剤に、4−エチル−メタ−キシレンを含むエチル−キシレン異性体混合物を接触させて4−エチル−メタ−キシレンを製造するに際し、吸着剤に4−エチル−メタキシレンを吸着させ、これを分離するための吸着分離技術は、いわゆるクロマト分取法であってもよいし、また疑似移動床による吸着分離法でもよい。疑似移動床による分離が、特定の1異性体を分離して連続的に製造する場合には、最も好ましく用いられる。
疑似移動床による連続的吸着分離技術は基本的操作として、次に示す吸着操作、濃縮操作、脱着操作及び脱着剤回収操作を連続的に循環して実施される。
(1)吸着操作:4−エチル−メタ−キシレンを含む異性体混合物(原料供給物)が、本発明で用いる吸着剤と接触すると、原料供給物中吸着力が強い成分ほど選択的に吸着される。強吸着成分である4−エチル−メタ−キシレンは吸着剤に吸着された後、エクストラクト成分として、後で述べる脱着剤とともに回収される。
(2)濃縮操作:弱吸着成分はさらに吸着剤と接触させられることにより原料供給物中の強吸着成分が吸着剤に吸着されるため、吸着力が弱い成分ほど高純度化されて、脱着剤とともにラフィネートから回収される。
(3)脱着操作:4−エチル−メタ−キシレン濃度が乏しくなった弱吸着成分はラフィネートとして回収される。一方、強吸着成分である4−エチル−メタ−キシレンは脱着剤によって吸着剤から追い出され、脱着剤をともなってエクストラクト成分として回収される。
(4)脱着剤回収操作:実質的に脱着剤のみを吸着した吸着剤は、ラフィネート流れの一部と接触させられ該吸着剤に含まれる脱着剤の一部が脱着剤回収流れとして回収される。
上記、疑似移動床による吸着分離操作の一例を模式的に示したのが図1である。吸着剤を充填した12の吸着室が連続的に循環して連結され、その中を脱着剤が循環している(ただしラフィネート成分もしくはエクストラクト成分とともに抜き出されたり、新たに補充されたりもする)。そして、ある時間、供給原料を吸着室に供給し、その後脱着剤の流れ方向に吸着室1室分だけそれぞれ移動して、ある時間供給する。また、それに伴い、エクストラクト成分やラフィネート成分の抜き出しラインも移動する。このような切り替えはバルブ操作などにより行うことができる。
このような操作を順次行うことによって吸着分離操作を連続的に効率よく行うことができる。
上記吸着分離においては、吸着剤に吸着した4−エチル−メタ−キシレンを脱着剤が効率的に脱着して、脱着剤が吸着剤に吸着する。次いで4−エチル−メタ−キシレンを含有するエチル−キシレン異性体混合物中の4−エチル−メタ−キシレンが効率的に吸着剤に吸着し、その吸着している脱着剤を脱離させる。したがって、吸着分離に使用する脱着剤は上記のような作用を有するものであることが必要である。即ち、吸着剤に対して、脱着剤は4−エチル−メタ−キシレンと同等の吸着力を有し、更には、脱着剤存在下でエチル−キシレン異性体混合物から4−エチル−メタ−キシレンを吸着剤に選択的に吸着させる効果を有していることが必要である。
エチル−キシレン異性体混合物中の4−エチル−メタ−キシレンの純度を向上させられた脱着剤との混合物(エクストラクト成分)、及びエチル−キシレン異性体混合物中の4−エチル−メタ−キシレン濃度を減少させられたエチル−キシレン異性体混合物と脱着剤との混合物(ラフィネート成分)は、それぞれ4−エチル−メタ−キシレン及びエチル−キシレン異性体混合物を回収するため、脱着剤と分離させる。この分離方法は、最も経済的方法が採用される。本発明に関わる方法では、蒸留分離法が好ましく適用される。
蒸留分離法では、4−エチル−メタ−キシレン、エチル−キシレン異性体混合物との沸点差が大きい化合物が脱着剤として好ましい。
脱着剤は、使用中、分解したり、他の化合物に変換したりしない熱的、化学的に安定な化合物ほど好ましい。懸かる観点から、本発明に好ましく用いられる脱着剤は、トルエン(沸点110.63℃)、パラ−キシレン(沸点138.35℃)及びエチル−ベンゼン(沸点136.19℃)のうち、少なくとの1種を含む芳香族炭化水素からなる。
かくの如くして、エクストラクト成分から脱着剤を分離することにより、高純度の4−エチル−メタ−キシレンを製品として得ることが出来る。一方、ラフィネート成分から脱着剤を分離することにより、4−エチル−メタ−キシレンの乏しいエチルキシレン異性体混合物を得る。この4−エチル−メタ−キシレン濃度の乏しいエチルキシレン異性体混合物は、再び、異性化工程に供給し、4−エチル−メタ−キシレン濃度を増大させ、蒸留分離により、エチルキシレン異性体成分のみとして吸着分離工程に送られる。この操作がリサイクルされ、エチルキシレン異性体混合物を実質的に全量、4−エチル−メタ−キシレンにすることが出来る。
以下、本発明を実施例で説明する。
(触媒の調製)
触媒1
ナトリウムタイプY型ゼオライト(以下“Na−Y”と表す。)(東ソー(株)製ゼオラムNa−5.5Y粉末品;SiO/Alモル比=5.5)100重量部にバインダーとしてアルミナゾル(日産化学200番;Al10重量%)をアルミナ換算で15重量部添加して0.15〜0.5mmφに造粒したNa−Y型ゼオライトを120℃で乾燥した。この乾燥品を500℃、60分間焼成したNa−Y型ゼオライト成型体50gを10重量%のNHCl溶液200ccと80℃、1時間接触させた。その後、純水で洗浄後、再び10重量%のNHCl溶液200ccと80℃、1時間接触させた。この操作を8回繰り返し、純水でバッチ的に6回水洗した。このNH−Y型ゼオライトを120℃で乾燥した。触媒反応の使用に先立って、540℃、2時間焼成し酸型ゼオライト触媒とした。
触媒2
Na−Yの替わりに、ベータ型ゼオライト(PQコーポレーション製、SiO/Alモル比=21)を用い、触媒1と同様にして触媒化した。
触媒3
Na−Yの替わりに、10員酸素環からなる細孔を有するMFI型ゼオライト(PQコーポレーション製、SiO/Alモル比=21)を用い、触媒1と同様にして触媒化した。
(吸着剤K−Yの調製)
触媒1と同様にして造粒し、乾燥、焼成したNa−Y成型体50gを10重量%のKNO(株式会社カーク)溶液200ccと80℃、1時間接触させた。その後、蒸留水で洗浄後、再び10重量%のKNO溶液200ccと80℃、1時間接触させた。この操作を8回繰り返し、蒸留水でバッチ的に6回水洗した。このK−Y型ゼオライト(吸着剤K−Y)を120℃で乾燥した。蛍光X線法により分析した結果、Kイオン交換率は98%であり、残りはNaイオンであった。
実施例1
4−エチル−メタ−キシレン濃度の乏しいエチルキシレン異性体混合体混合物をメタ−キシレンと重量比で100対100の割合で混合した。触媒1を6グラム内径12mmφのステンレス製反応管に充填した。反応を液相で行うため、反応圧力を1.5MPa−Gとし、キシレンで希釈されたエチルキシレン供給原料液を30グラム/hの速度で供給し、反応温度315℃まで上昇させ、反応温度が安定後、2時間目に反応生成液をサンプリングして、ガスクロマトグラフィーで分析した。その結果を表3に示した。
実施例2
触媒2を用い、反応温度を300℃とした以外は実施例1と同様にキシレンで希釈したエチルキシレン供給原料を反応させた。その結果を表3に示した。
比較例1
触媒3を用いて、実施例1と同様にエチルキシレン供給原料を反応させた。その結果を表3に示した。
比較例2
触媒2を6グラム内径12mmφのステンレス製反応管に充填した。キシレンで希釈していない4−エチル−メタ−キシレン濃度の乏しいエチルキシレン異性体混合体混合物を、反応圧力1.5MPa−Gで供給原料液として15グラム/hの速度で供給し、反応温度300℃まで上昇させ、反応温度が安定後、2時間目に反応生成液をサンプリングして、ガスクロマトグラフィーで分析した。その結果を表3に示した。
比較例3
4−エチル−メタ−キシレン濃度の乏しいエチルキシレン異性体混合物をメタ−キシレンと重量比で100対100の割合で混合した。触媒1を6グラム内径12mmφのステンレス製反応管に充填させた。反応圧力を大気圧として、キシレンで希釈されたエチルキシレン供給原料液を30グラム/h、水素を20L/hの速度で供給し、反応温度351℃まで上昇させ、気相反応条件にした。反応温度が安定後、2時間目に反応生成物をサンプリングして、ガスクロマトグラフィーで分析した。その結果を表3に示した。
Figure 2007131572
本発明に基づく実施例1及び2では、4−エチル−メタ−キシレンへの異性化が進行し、且つ、エチルキシレン損失が少ないことに基づく高いエチルキシレン回収率が得られた。
一方、比較例1から、MFI型ゼオライトでは、4−エチル−メタ−キシレンへの異性化はほとんど進まなかった。比較例2では、エチルキシレン異性体混合物だけで異性化すると、エチルキシレン損失が大きいことが解った。エチルキシレン異性体混合物中にキシレンが共存すると、エチルキシレン損失が小さくなり好ましいことが解った。比較例3からは、反応を気相で行うと、エチルキシレン損失が大きくなり、液相反応が好ましいことが解った。
実施例3
K−Y吸着剤を予め、500℃で、30分間焼成し、デシケータ中で冷却した。この吸着剤を吸着カラム(内径4.6mmφ、長さ1000mm)に細密充填した。吸着剤の充填量は9.8グラムであった。脱着剤パラ−キシレンでカラム内を液置換した。脱着剤を90ml/h流通しながら、カラム温度が150℃になるように安定化させた。供給原料は実施例2で得られた反応生成物を蒸留塔(柴田科学株式会社製タイプHP−1000)で精製したエチルキシレン異性体混合物(組成を下記に示す)を用い、1.5mlをパルス的にカラムに送入した。カラム出口の液組成変化を時間とともに分析し、流出曲線を調べた。その結果を図2に示した。この結果から、4−エチル−メタ−キシレンが最も遅く流出してくることが解った。4−エチル−メタ−キシレンを吸着側成分として分離できることが解った。
原料組成
n−ノナン(内部標準物質) 6.1重量%
5−エチル−メタ−キシレン(5EmXと略す) 25.7重量%
2−エチル−パラ−キシレン(2EpXと略す) 20.0重量%
4−エチル−メタ−キシレン(4EmXと略す) 13.0重量%
4−エチル−オルソ−キシレン(4EoXと略す) 25.4重量%
2−エチルーメターキシレン(2EmXと略す) 1.4重量%
3−エチル−オルソ−キシレン(3EoXと略す) 8.9重量%
このパルス操作を20回繰り返し、4−エチル−メタ−キシレン濃度の低い部分を集めた。それを単蒸留した。キシレンとエチルキシレン異性体混合物の比率は、重量比で、25.7対74.3であった。エチルキシレン異性体の比率は、次の通りであった。
5−エチル−メタ−キシレン(5EmXと略す) 30.4重量%
2−エチル−パラ−キシレン(2EpXと略す) 25.9重量%
4−エチル−メタ−キシレン(4EmXと略す) 3.7重量%
4−エチル−オルソ−キシレン(4EoXと略す) 25.8重量%
2−エチルーメターキシレン(2EmXと略す) 1.9重量%
3−エチル−オルソ−キシレン(3EoXと略す) 12.3重量%
実施例4
540℃、2時間焼成した触媒2を1グラム精評し、内径12m、長さ60mmのステンレスパイプ(一端をナットで止める)に入れ、次いで、実施例3で得た4−エチル−メタ−キシレンの乏しい原料を2.5グラム入れた。もう一方の端末をナットで止め、密封した。この反応容器を315℃にした恒温槽(熱風循環式)に入れた。1時間毎に振動させ、5時間放置し、反応させた。冷却後、ナットを外し、反応液を分析した結果、エチルキシレン異性体組成比は次の通りであった。
5−エチル−メタ−キシレン(5EmXと略す) 31.2重量%
2−エチル−パラ−キシレン(2EpXと略す) 24.6重量%
4−エチル−メタ−キシレン(4EmXと略す) 12.1重量%
4−エチル−オルソ−キシレン(4EoXと略す) 22.0重量%
2−エチルーメターキシレン(2EmXと略す) 2.1重量%
3−エチル−オルソ−キシレン(3EoXと略す) 8.0重量%
4−エチル−メタ−キシレン濃度の乏しい供給原料が、反応により、4−エチル−メタ−キシレン濃度が増大していることが解った。
本発明の実施態様である擬似移動床による吸着分離操作を模式的に示す図である。 実施例3の流出時間に伴う各成分濃度変化を表す流出曲線を示す図である。
符号の説明
1:n−ノナン
2:2−エチル−メタ−キシレン
3:5−エチル−メタ−キシレン
4:3−エチル−オルソ−キシレン
5:2−エチル−パラ−キシレン
6:4−エチル−オルソ−キシレン
7:4−エチル−メタ−キシレン

Claims (6)

  1. エチルキシレン異性体の少なくとも1成分の濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体混合物とキシレンの比率が重量比で表して100:5から100:400の供給原料を液相で12員酸素環からなる細孔を有するゼオライトの酸型体を含有する触媒と接触させることにより上記濃度の乏しい少なくとも1成分のエチルキシレン異性体の濃度を増大させることを特徴とするエチルキシレンの異性化方法。
  2. 濃度が熱力学的平衡濃度より乏しいエチルキシレン異性体が4−エチル−メタ−キシレンであることを特徴とする請求項1記載のエチルキシレンの異性化方法。
  3. キシレンがメタ−キシレンを含むことを特徴とする請求項2記載のエチルキシレンの異性化方法。
  4. 12員酸素環からなる細孔を有するゼオライトがフォージャサイト型ゼオライト、ベータ型ゼオライトの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のエチルキシレンの異性化方法。
  5. エチルキシレン異性体混合物からエチルキシレン異性体の少なくとも1成分を分離後、その分離されたエチルキシレン異性体の濃度が乏しくなったエチルキシレン異性体混合物を、供給原料とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のエチルキシレンの異性化方法。
  6. エチルキシレン異性体混合物から少なくとも1成分を分離する方法が吸着分離法であることを特徴とする請求項5記載のエチルキシレンの異性化方法。
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