JP2007131220A - 自動車内装材用基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 曲げ剛性、寸法安定性、加熱成形性などの自動車内装材としての実用特性を保持し、軽量性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートからなる自動車内装材用基材を提供する。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂発泡シート10の両面に、無機繊維シート12,14と、ポリエチレン系樹脂フィルム16,18からなる複合シートを積層することにより、上記の自動車内装材としての実用特性を保持し、軽量性に優れた自動車内装材用基材を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂発泡シート10の両面に、無機繊維シート12,14と、ポリエチレン系樹脂フィルム16,18からなる複合シートを積層することにより、上記の自動車内装材としての実用特性を保持し、軽量性に優れた自動車内装材用基材を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、無機繊維シートおよびポリエチレン系樹脂フィルムからなる複合シートにより補強されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートからなる自動車内装材用基材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、曲げ剛性、寸法安定性、加熱成形性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートからなる自動車内装材用基材およびその製造方法に関する。
従来、自動車天井材として、熱可塑性樹脂発泡体を主体とする基材にウレタンフォームを積層したものや、スチレン−無水マレイン酸共重合体の発泡層の両面にスチレン−無水マレイン酸共重合体の非発泡層を積層した積層シートを所望の形状に成形したものが広く用いられている。それらの自動車天井材は、軽量で断熱性が高く、成形加工性が優れているという特徴がある。
しかしながら、上記のような従来の自動車天井材は、高温に長時間さらされると、耐熱性が不十分であるため、フロント部が自重で垂れ下がる(ヒートサグ)、変形を生じるなどの問題を発生することがあった。例えば、自動車天井材の場合、フロント部分は直接太陽光が当たるため100℃前後まで温度が上がり、天井材の変形量が大きくなるという問題が発生している。
そこで、これらの問題を解決するために、無機質のガラス繊維とポリオレフィン系樹脂の複合材料をベースとした自動車天井材が使用されるようになってきた(特許文献1、2)。しかし、この複合材料では、耐熱性という品質は維持できるものの、軽量化が図れない上にまたコスト高になるという問題があった。
軽量化を図る為、ポリプロピレン系樹脂発泡シートに無機繊維を含む補強材を積層した成形天井基材も提案されている(特許文献3)。これは、剛性や耐熱性の向上は認められるが、発泡シートと補強材の構成樹脂に同種のポリプロピレン系樹脂を用いているため、加熱成形性に劣るという問題があった。すなわち、成形時、補強層に残留歪を発生させないように充分な加熱を実施すると、発泡シートがダメージを受け、外観が悪く、不均一な成形体しか得られず、また、発泡シートにダメージを与えないような加熱では、補強材に残留歪が残り、成形後の初期形状の発現、加熱寸法変化等の寸法安定性に劣る成形体しか得られないというものであった。
特開平1−285432号公報
特開平7−68689号公報
特開2003−34192号公報
本発明は、曲げ剛性、寸法安定性、加熱成形性などの自動車内装材としての実用特性を保持し、軽量性に優れた自動車内装材用基材を提供することを目的とする。
本発明者は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両面に積層される補強材である無機繊維シートと熱可塑性樹脂フィルムからなる複合シート、特に熱可塑性樹脂フィルムについて鋭意検討を行った結果、自動車内装材としての実用特性を保持し軽量性に優れた自動車内装材用基材を提供するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両面に、無機繊維シートおよびポリエチレン系樹脂フィルムからなる複合シートを積層したことを特徴とする、自動車内装材用基材(請求項1)、
(2)無機繊維シートおよびポリエチレン系樹脂フィルムからなる複合シートが、無機繊維シートを複数のポリエチレン系樹脂フィルムで挟み込んだ構造よりなることを特徴とする、(1)記載の自動車内装材用基材(請求項2)および
(3)ポリエチレン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂であることを特徴とする、(1)または(2)記載の自動車内装材用基材(請求項3)
に関する。
(1)ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両面に、無機繊維シートおよびポリエチレン系樹脂フィルムからなる複合シートを積層したことを特徴とする、自動車内装材用基材(請求項1)、
(2)無機繊維シートおよびポリエチレン系樹脂フィルムからなる複合シートが、無機繊維シートを複数のポリエチレン系樹脂フィルムで挟み込んだ構造よりなることを特徴とする、(1)記載の自動車内装材用基材(請求項2)および
(3)ポリエチレン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂であることを特徴とする、(1)または(2)記載の自動車内装材用基材(請求項3)
に関する。
本発明の自動車内装材用基材は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両面に積層する無機繊維シートを含む繊維複合シートに特徴を持たせることにより、曲げ剛性、寸法安定性、加熱成形性などの自動車内装材としての実用特性を保持すると共に、軽量に優れるという特徴を有する、環境適合性のある自動車内装材用基材である。
本発明の1実施形態である自動車内装材用基材を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材用基材(以下、「1次発泡積層シート」と称すことがある)の構成を示すものであり、ポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)の両面に、無機繊維シート(12、14)とポリエチレン系樹脂フィルム(16、18)の複合繊維シートが形成されてなる。
図2は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材用基材の構成を示すものであり、ポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)の両面に、ポリエチレン系樹脂フィルム(16、18、20、22)に挟み込まれた無機繊維シート(12、14)の複合繊維シートが形成されてなる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)としては、例えば、線状のポリプロピレン系樹脂(以下、このポリプロピレン系樹脂のことを「原料ポリプロピレン系樹脂」ということもある)に電子線を照射して長鎖分岐を導入したもの(例えば、サンアロマー社製HMS−PP)を基材樹脂としたもの、または、原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体、ジビニルベンゼン等のラジカル重合性単量体およびラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂を基材樹脂としたものが、好ましく用いられる。
これらのうちでは、原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体およびラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂を基材樹脂としたものが、外観美麗で加熱成形性に優れた発泡シートを容易に得ることができることから、好ましい。
本発明で使用されるポリプロピレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)(10)の基材樹脂として用いられるイソプレン単量体を用いた改質ポリプロピレン系樹脂は、例えば、特開平11−172016号公報、等に記載されている方法により得ることができる。さらに、ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂を用いたポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法は、例えば、特開平11−228726号公報、特開平11−349722号公報、特開2000−109591号公報等に記載されている製造方法により得ることができる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)の密度は、0.03〜0.09g/ ccが好ましく、0.045〜0.09g/ ccがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度が0.09g/ccより大きい場合には、実用特性を満足する剛性を確保するためには重量を増加させる必要が生じ、自動車内装材用基材の軽量化が困難になる傾向があり、0.03g/ ccより小さい場合には、発泡シートの剛性が極端に低くなり、実用特性を満足する剛性の確保が困難になる傾向にある。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)の発泡倍率(以下、「一次発泡倍率」と称する場合がある)は、10〜30倍が好ましく、10〜20倍がより好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡シートの一次発泡倍率が10倍より小さくなると、実用特性を満足する剛性を確保するためには重量を増加させる必要が生じ、自動車内装材の軽量化が困難になる傾向があり、30倍より大きくなると、発泡シートの剛性が極端に低くなり、実用特性を満足する剛性の確保が困難になる傾向にある。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)の連続気泡率は、0〜98%の任意の範囲での使用が可能であり、要求される品質に応じて調整を行う。例えば、自動車内装材に吸音性能が必要とされる場合は55〜98%、吸音性能が必要とされず、高剛性が必要とされる場合は0〜30%が好ましい。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)の厚さ(以下、「一次厚み」と称する場合がある)は、自動車内装材として配置される部位によって異なるが、例えば自動車天井材の場合は、3〜7mmが好ましく、4〜6mmがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚さが3mmより小さくなると、自動車車体への取り付け時のハンドリング性が悪くなったり、曲げ剛性も低下する場合が多い。逆に、7mmより大きくなると、成形時の形状発現性が悪くなったり、小スペース性が劣ることになる傾向にある。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)の目付は、100〜350g/ m2が好ましく、150〜250g/m2がより好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡シートの目付が100g/m2より小さい場合には、前記発泡倍率および厚みを得ようするとコア層の曲げ剛性も低下する傾向があり、350g/m2より大きい場合には、軽量性に劣る傾向にある。
本発明において、無機繊維シートをポリプロピレン系樹脂発泡シートの補強材として用いることにより、特に成形後の成形体の寸法安定性、耐熱性、剛性を向上させることができる。
本発明における無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、バサルト繊維、アルミナ繊維等があげられ、これらの無機繊維は、同種または異種のものと混合、もしくは多層に積層して用いても良い。無機繊維のなかでは、加工性、汎用性、コストの点からガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維シートとしては、ガラスストランドを所定の長さに切断してガラスチョップドストランドを得た後、多数のガラスチョップドストランドを搬送コンベア上に均一に分散するように堆積させ、次いで上から熱可塑性樹脂エマルジョンからなるバインダー樹脂を散布してから加熱、冷却することによって固着するガラス繊維マット、およびガラス繊維を解繊した状態でバインダー樹脂である熱可塑性樹脂エマルジョンを含む水中に分散させ、これを掬い取り乾燥させる方法、いわゆる抄造法により得られるガラス繊維ペーパーのいずれも使用可能である。
本発明における無機繊維シートを形成する無機繊維の繊維径は、5〜20μmが好ましく、8〜15μmがより好ましい。繊維径が5μmよりも細いと、得られる積層発泡シートの機械的強度が不足する場合があり、また、20μmよりも太いと、ポリプロピレン系樹脂発泡シートと積層一体化するのが困難となる場合がある。
前記無機繊維シートを形成する無機繊維の繊維長は、30〜100mmが好ましく、30〜50mmがより好ましい。繊維長が30mmよりも短いと、補強効果が低下する傾向があり、100mmよりも長いと、発泡シートと積層一体化するのが困難となる場合がある。
本発明における無機繊維シート単位面積当りの質量(目付)は、20〜150g/m2が好ましく、30〜100g/m2がより好ましい。目付が20g/m2よりも軽くなると補強効果が低下する傾向があり、150g/m2よりも重くなると、製造単価が高くなると共に、得られる発泡積層シートのトータル目付が増加し、軽量性が損なわれる傾向がある。ここで、目付が20〜50g/m2程度の場合にはガラス繊維ペーパーを用い、100g/m2近辺及びそれ以上の場合にはガラスマットを用いるのが現実的である。
本発明における無機繊維シート(12、14)は、ポリエチレン系樹脂フィルム(16、18、20、22)より複合化される。ポリエチレン系樹脂フィルム(16,18、20、22)は、ポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)と無機繊維シート(12,14)との接着および、成形体の外観を改良する働きを担うと同時に、無機繊維シートと複合化することにより、成形体の寸法安定性、耐熱性、剛性の向上および加熱成形性を改良する働きを担う。
すなわち、本発明では、複合繊維シートを構成する熱可塑性樹脂フィルムの基材樹脂として、発泡シートを構成する基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂よりも、耐熱性、特に融点の低いポリエチレン系樹脂を使用することにより、熱融着によって自動車内装材の実用特性上問題のない強固な接着性が得られ、しかも、ポリプロピレン系樹脂発泡シートにダメージを与えずに、複合シートに残留歪を生じさせない加熱成形が可能となり、成形体の外観を改善することができる。さらに、ポリエチレン系樹脂フィルムと無機繊維シートを複合化することにより、剛性、耐熱性が向上し、発泡シートの寸法変化、動きを抑制することが可能となり、成形体の寸法安定性、耐熱性、剛性を向上させることができる。
本発明におけるポリエチレン系樹脂フィルム(16、18、20、22)は、無機繊維シート(12、14)の片面または両面に配置積層されて用いられる。
本発明においては、ポリエチレン系樹脂フィルムが無機繊維シートの片面のみに積層された場合にも、ポリプロピレン系樹脂発泡シート(10)および無機繊維シート(12,14)との積層時の加熱・加圧工程において、フィルム(16、18、20、22)を構成するポリエチレン系樹脂が溶融されて、無機繊維シート内を通過し、無機繊維シートの反対側に滲み出すことにより、接着および成形体の外観の改良が可能となる。そのため、ポリエチレン系樹脂フィルムが無機繊維シートの片面のみに積層される場合、ポリエチレン系樹脂フィルムは、無機繊維シートとポリプロピレン系樹脂発泡シートとの間に積層されても構わないし、無機繊維シートの外側に積層されても構わない。
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂発泡シートと複合シートとの接着を確実にすること、および成形体の外観をより美麗にすることの観点から、無機繊維シート(12、14)を複数のポリエチレン系樹脂フイルム(16、18、20、22)で挟み込むような、無機繊維シート(12,14)の両面にポリエチレン系樹脂フィルムを配置積層する構造が好ましい。
本発明におけるポリエチレン系樹脂フィルムを構成するポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)等が挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂のなかでも、ポリプロピレン系樹脂発泡シートとの熱融着性がよく、成形性の面から融点がポリプロピレン発泡シートの融点よりも低い点から、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂フィルムを構成するポリエチレン系樹脂の融点は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを構成するポリプロピレン系樹脂の融点よりも、少なくとも20℃低いことが好ましく、少なくとも30℃低いことがより好ましい。ポリエチレン系樹脂の融点と該ポリプロピレン系樹脂の融点の差が20℃よりも小さい場合、ポリプロピレン系樹脂発泡シートへの繊維複合シートの積層時および加熱成形時に、フィルム層に歪を発生させない温度まで加熱した際に、ポリプロピレン系発泡シートにダメージを与え、すなわち、該発泡シートの表層付近の気泡が破泡するため、得られた自動車内装材は、繊維複合シート面側の表面がでこぼこした、表面性が劣ったものとなる傾向がある。
なお、本発明における樹脂の融点は、JIS K 7121に則り、示差走査熱量測定(DSC)により測定したものであり、2つ以上の樹脂を併用した場合には、その相加平均値を採用する。
なお、本発明における樹脂の融点は、JIS K 7121に則り、示差走査熱量測定(DSC)により測定したものであり、2つ以上の樹脂を併用した場合には、その相加平均値を採用する。
本発明におけるポリエチレン系樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、無機繊維シートの両面に配置積層する場合は、通常30〜200μmが好ましく、50〜150μmがより好ましい。ポリエチレン系樹脂フィルムの厚みが30μmよりも薄いと、シートの表面性が悪化する傾向があり、200μmよりも厚くなると、発泡積層シートの強度は向上するものの、軽量化が損なわれる傾向がある。
本発明において、ポリエチレン系樹脂フィルムが無機繊維シートの片面のみに積層された場合には、ポリプロピレン系樹脂発泡シートと積層する際に、ポリエチレン系樹脂フィルムを溶融させて無機繊維シートを通過させる必要があり、該通過樹脂分を考慮して、ポリエチレン系樹脂フィルムの厚みを厚く調整することが好ましい。この際、ポリエチレン系樹脂フィルムを構成するポリエチレン系樹脂の230℃および2.16kg/cm2の条件下におけるメルフローレートは、大きくなるほど無機繊維シートを通過し易くなるため、5〜20g/10分が好ましく、7〜15g/10分がより好ましい。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂発泡シート、ポリエチレン系樹脂フィルムおよび無機繊維シートの積層方法としては、以下のような方法があげられる。例えば、(1)ポリプロピレン系樹脂発泡シート、ポリエチレン系樹脂フィルム単体および、無機繊維シートを重ね合わせたものを、ポリエチレン系樹脂フィルムの融点以上の温度にて加熱した後、プレス、ロール等によって圧着、冷却することにより、自動車内装材用基材を得ることができる。(2)予め、無機繊維シートとポリエチレン系樹脂フィルムとを重ね合わせたものをポリエチレン系樹脂フィルムの融点以上の温度にて加熱し、プレス、ロール等によって圧着、冷却して複合シートを得た後に、ポリプロピレン系樹脂発泡シートと重ね合わせ、以降を同様の工程により自動車内装材用基材を得ることができる。(3)押出ラミネート法により、無機繊維シート上に溶融状態のポリエチレン系樹脂をフィルム状に押出し、フィルムの融点以上の温度にて溶融状態のポリエチレン系樹脂フィルムと無機繊維シートとポリプロピレン系樹脂発泡シートとをロールで加圧、冷却しながら複合体とすることにより、自動車内装材用基材を得ることができる。(4)押出ラミネート法により、無機繊維シート上に溶融状態のポリエチレン系樹脂をフィルム状に押出し、フィルムの融点以上の温度で溶融状態のポリエチレン系樹脂フィルムと、予め無機繊維シートとポリエチレン系樹脂フィルムが重ね合わせられたポリプロピレン系樹脂発泡シートとをロールで加圧、冷却しながら複合体とすることにより、自動車内装材用基材を得ることができる。
これらの積層方法の中でも、(3)および(4)の押出ラミネート法が、溶融状態のポリエチレン系樹脂を加圧と同時に冷却でき、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの熱によるダメージを低減することが可能であるため、好ましい。
本発明のポリプロピレン系発泡積層シート(1次発泡積層シート)である自動車内装材用基材から、賦形された自動車内装材を成型する方法としては、例えば、上下にヒーターを有する加熱炉の中央に、1次発泡積層シートをクランプして導き、成形に適した温度になるように加熱して2次発泡させた後、温度調節した金型にてプレス冷却し、賦形する方法が挙げられる。
本発明における成形方法の例としては、具体的には、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法が挙げられる。
本発明における1次発泡積層シートの成形温度領域は、無機繊維シートと複合化されるポリエチレン系樹脂フィルムの融点より高く、かつ、ポリプロピレン系樹脂発泡層の構成樹脂の融点よりも低い温度に設定することより、深絞り成形においても2次発泡積層シートに破れ等が発生せず、発泡層の破泡等による外観不良等がない良好な自動車内装材を得ることができる。具体的には、成形温度領域としては、135〜155℃が好ましく、140〜150℃がより好ましい。
ここで、1次積層発泡シートを加熱により2次発泡させる際には、2次発泡シートの厚みが、加熱前後で1次発泡シートの厚みに対して、1.1〜4倍になるよう2次発泡させることが好ましく、さらには1.2〜3倍に2次発泡させるのが好ましい。
以上、本発明に係る内装材用基材の実施態様を種々説明したが、本発明は上述の態様に限定されるものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
なお、本発明で使用する数値については、以下の測定方法により測定される。
(加熱収縮率)
実施例または比較例により得られた成形体から、220mm角の評価用試験片を3枚切り出した後、23℃および50%RHの雰囲気中に24時間放置し、サンプルの片面に、長さ方向(MD方向)および巾方向(TD方向)に100mm間隔で200mmの標線をそれぞれ3本引き、標線間の初期寸法を測定しておく。
その後、85℃に設定された恒温槽中に24時間放置し、23℃および50%RHの雰囲気中で放冷してから、再度、標線間寸法を測定する。
それぞれの標線間寸法について下記式を用いて加熱寸法変化率を計算し、長さ方向および巾方向の相加平均の値を算出した。
実施例または比較例により得られた成形体から、220mm角の評価用試験片を3枚切り出した後、23℃および50%RHの雰囲気中に24時間放置し、サンプルの片面に、長さ方向(MD方向)および巾方向(TD方向)に100mm間隔で200mmの標線をそれぞれ3本引き、標線間の初期寸法を測定しておく。
その後、85℃に設定された恒温槽中に24時間放置し、23℃および50%RHの雰囲気中で放冷してから、再度、標線間寸法を測定する。
それぞれの標線間寸法について下記式を用いて加熱寸法変化率を計算し、長さ方向および巾方向の相加平均の値を算出した。
(線膨張係数)
実施例または比較例により得られた成形体から300mm×40mmの試験片を長さ方向(MD方向)、巾方向(TD方向)それぞれ3枚切り出した後、85℃の恒温槽中24時間放置し、23℃および50%RHの雰囲気中で放冷し、23℃および50%RH雰囲気中にて、試験片に280mmの標線をつけ寸法を測定する。次に、この試験片を80℃恒温槽中に6時間放置後、80℃恒温槽中にて標線間寸法を測定する。次に、この試験片を自然放冷した後、0℃恒温槽中に6時間放置後、0℃恒温槽中にて標線間寸法を測定する。それぞれの試験片の標線間寸法について下記式を用いて線膨張係数を計算し、長さ方向(および巾方向の相加平均の値を算出した。
実施例または比較例により得られた成形体から300mm×40mmの試験片を長さ方向(MD方向)、巾方向(TD方向)それぞれ3枚切り出した後、85℃の恒温槽中24時間放置し、23℃および50%RHの雰囲気中で放冷し、23℃および50%RH雰囲気中にて、試験片に280mmの標線をつけ寸法を測定する。次に、この試験片を80℃恒温槽中に6時間放置後、80℃恒温槽中にて標線間寸法を測定する。次に、この試験片を自然放冷した後、0℃恒温槽中に6時間放置後、0℃恒温槽中にて標線間寸法を測定する。それぞれの試験片の標線間寸法について下記式を用いて線膨張係数を計算し、長さ方向(および巾方向の相加平均の値を算出した。
(曲げ弾性勾配の測定)
得られた成形体から、150mm×50mmの試験片を、長さ方向(MD方向)、巾方向(TD方向)にそれぞれ3枚切り出した後、23℃および50%RHの雰囲気中に24時間放置した。
23℃および50%RHの雰囲気中で、島津(株)製オートグラフD2000を用い、両端自由支持でスパン長100mmの中心部に、50mm/分の速度で荷重をかけていき、その荷重と歪の関係を示す曲線を得た。
得られた測定チャート曲線の加圧初期直線部分の歪量と曲げ荷重から、歪量1mm当りの曲げ荷重を算出し、曲げ弾性勾配とした。それぞれの試験片について測定を実施し、長さ方向、巾方向の相加平均の値を算出した。
得られた成形体から、150mm×50mmの試験片を、長さ方向(MD方向)、巾方向(TD方向)にそれぞれ3枚切り出した後、23℃および50%RHの雰囲気中に24時間放置した。
23℃および50%RHの雰囲気中で、島津(株)製オートグラフD2000を用い、両端自由支持でスパン長100mmの中心部に、50mm/分の速度で荷重をかけていき、その荷重と歪の関係を示す曲線を得た。
得られた測定チャート曲線の加圧初期直線部分の歪量と曲げ荷重から、歪量1mm当りの曲げ荷重を算出し、曲げ弾性勾配とした。それぞれの試験片について測定を実施し、長さ方向、巾方向の相加平均の値を算出した。
(厚み)
得られた発泡シートまたは積層発泡シートに対し、幅方向に20ヵ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
得られた発泡シートまたは積層発泡シートに対し、幅方向に20ヵ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
(発泡倍率)
得られた1次原反の密度dfをJIS K7222に準じて測定し、別途、変性PPE系樹脂の密度dpをJIS K7112に準じて測定し、発泡倍率=dp/dfの式により算出した。
得られた1次原反の密度dfをJIS K7222に準じて測定し、別途、変性PPE系樹脂の密度dpをJIS K7112に準じて測定し、発泡倍率=dp/dfの式により算出した。
(独立気泡率)
得られた1次原反に対し、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて、ASTM D−2859に準じて測定し、独立気泡率を求めた。
得られた1次原反に対し、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて、ASTM D−2859に準じて測定し、独立気泡率を求めた。
(融点)
示差走査熱量測定器((株)島津製作所製 DSC50)を用い、試料5.0mgについて、窒素雰囲気下、加熱速度20℃/minで23℃から200℃まで昇温した後、放冷した。この操作を2回繰り返し、2回目のスペクトルのピーク値を読み取った。
示差走査熱量測定器((株)島津製作所製 DSC50)を用い、試料5.0mgについて、窒素雰囲気下、加熱速度20℃/minで23℃から200℃まで昇温した後、放冷した。この操作を2回繰り返し、2回目のスペクトルのピーク値を読み取った。
(実施例1)
プロピレン単独重合体(三井化学工業(株)製F113G、融点158℃、230℃でのメルフローレート(MFR)0.5g/10分)100部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーオキシエステル系ラジカル重合開始剤、1分間半減期温度159℃)0.2部をリボンブレンダーで攪拌混合した配合物を、軽量フィーダーを用いて、2軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX44XCT−38)に供給し、液添ポンプを用いて押出し機途中からイソプレン単量体1.0部を供給し、前記2軸押出機中で溶融混練することにより、改質ポリプロピレン系樹脂(融点159℃)のペレットを得た。
なお、前記2軸押出機は、同方向2軸タイプであり、スクリュー径が44mmφであり、最大スクリュー有効長(L/D)が38であった。この2軸押出機のシリンダー部の設定温度イソプレン単量体圧入以降は200℃とし、スクリュー回転速度を150rpmに設定した。
プロピレン単独重合体(三井化学工業(株)製F113G、融点158℃、230℃でのメルフローレート(MFR)0.5g/10分)100部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーオキシエステル系ラジカル重合開始剤、1分間半減期温度159℃)0.2部をリボンブレンダーで攪拌混合した配合物を、軽量フィーダーを用いて、2軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX44XCT−38)に供給し、液添ポンプを用いて押出し機途中からイソプレン単量体1.0部を供給し、前記2軸押出機中で溶融混練することにより、改質ポリプロピレン系樹脂(融点159℃)のペレットを得た。
なお、前記2軸押出機は、同方向2軸タイプであり、スクリュー径が44mmφであり、最大スクリュー有効長(L/D)が38であった。この2軸押出機のシリンダー部の設定温度イソプレン単量体圧入以降は200℃とし、スクリュー回転速度を150rpmに設定した。
得られた改質ポリプロピレン系樹脂80部、ポリプロピレン樹脂20部(三井化学工業(株)製、F113G)、ブレンドオイル0.05部および、気泡核剤としてタルク(三井化学工業(株)製、EVOLUE)0.1重量部を、リボンブレンダーで攪拌混合した配合物を65−90mmφタンデム型押出機に供給し、230℃に設定した第1段押出機(65mmφ)中で溶融させた後、iso−ブタンを主成分とする発泡剤<iso−ブタン/n−ブタン=85/15(重量比)>を改質プロピレン系樹脂および前記プロピレン系樹脂の合計100重量部に対して6部圧入混合し、170℃に設定した第2弾押出機(90mmφ)中で冷却し圧力10MPaでサーキュラーダイスにより大気圧下に押出し、引き取りロールを介して、巻取りロールにロール状に巻取り、一次厚み3.7mm、一次発泡倍率18倍、独立気泡率26%および目付け195g/m2のポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートを巻き取りロールより繰り出し、また、目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット、100−SH/G)および目付100g/m2の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、T.U.X L−LDPE TCS#100、融点103℃、115℃)をそれぞれ繰り出しながら、ガラスマットを前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートと直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとの間に挟み込み、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム面側を160℃に加熱された熱ロールとし、ポリプロピレン系樹脂発泡シート面側を未加熱ロールとした、クリアランス3.5mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、片面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。さらに、同様の操作を繰り返して、両面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。
得られた発泡積層シートの厚みは3.6mmであり、目付は595g/m2であった。
以上のようにして、ポリプロピレン系樹脂発泡積層シートからなる自動車内装材用基材を得た。
得られた発泡積層シートの厚みは3.6mmであり、目付は595g/m2であった。
以上のようにして、ポリプロピレン系樹脂発泡積層シートからなる自動車内装材用基材を得た。
得られた自動車内装用基材から長さ40cm×幅40cmの成形用シートを切り出し、成形用シートの四方をクランプして、オーブンに入れ、成形用シートの表面加熱温度が約150℃となるように加熱し、金型クリアランス3.5mmにて成形プレスすることにより、厚み約3.5mmの平板状の成形体を得た。
得られた成形体から、測定用試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数および曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
得られた成形体から、測定用試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数および曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)および、2枚の50g/m2の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、T.U.X L−LDPE TCS#50、融点103℃、115℃)の間に挟み込むように繰り出し、両方のロールが160℃に加熱された熱ロールであり、クリアランス2.0mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、ガラスマット/ポリエチレンフィルム複合シートを得た。次いで、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび前記ガラスマット/ポリエチレン複合シートをそれぞれ繰り出し、重ね合わせた状態で、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム面側を160℃に加熱された熱ロールとし、ポリプロピレン系樹脂発泡シート面側を未加熱ロールとした、クリアランス3.5mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、片面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。また、同様の操作を繰り返して、両面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。得られた発泡積層シートの厚みは3.5mmであり、目付は595g/m2であった。
さらに、実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体について試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数、曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)および、2枚の50g/m2の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、T.U.X L−LDPE TCS#50、融点103℃、115℃)の間に挟み込むように繰り出し、両方のロールが160℃に加熱された熱ロールであり、クリアランス2.0mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、ガラスマット/ポリエチレンフィルム複合シートを得た。次いで、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび前記ガラスマット/ポリエチレン複合シートをそれぞれ繰り出し、重ね合わせた状態で、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム面側を160℃に加熱された熱ロールとし、ポリプロピレン系樹脂発泡シート面側を未加熱ロールとした、クリアランス3.5mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、片面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。また、同様の操作を繰り返して、両面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。得られた発泡積層シートの厚みは3.5mmであり、目付は595g/m2であった。
さらに、実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体について試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数、曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
次いで、ポリエチレン系樹脂を用いた押出ラミネート法により、ポリプロピレン系樹脂発泡シートに繊維複合シートを積層させた。すなわち、一方より、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートと目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)との間に、目付25g/m2の直鎖状ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、T.U.X L−LDPE TCS#25、融点103℃、115℃)を挟み込むように繰り出し、他方より、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(三井化学工業(株)製、EVOLUE SP1540、メルフローレート3.8g/10min、融点110℃)を押出機にて溶融混練(樹脂温度230℃)し、Tダイを用いてフィルム状に目付100g/m2で押出し、ガラスマットをポリプロピレン系樹脂発泡シート上の25g/m2の直鎖状ポリエチレンフィルムおよび溶融した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂で挟み込む形で、バインダーロールにより圧着させることにより、目付225g/m2の繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。また、同様の操作を繰り返して、両面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。得られた発泡積層シートの厚みは3.6mm、目付は610g/m2であった。
さらに、実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体について試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数、曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
次いで、ポリエチレン系樹脂を用いた押出ラミネート法により、ポリプロピレン系樹脂発泡シートに繊維複合シートを積層させた。すなわち、一方より、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートと目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)との間に、目付25g/m2の直鎖状ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、T.U.X L−LDPE TCS#25、融点103℃、115℃)を挟み込むように繰り出し、他方より、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(三井化学工業(株)製、EVOLUE SP1540、メルフローレート3.8g/10min、融点110℃)を押出機にて溶融混練(樹脂温度230℃)し、Tダイを用いてフィルム状に目付100g/m2で押出し、ガラスマットをポリプロピレン系樹脂発泡シート上の25g/m2の直鎖状ポリエチレンフィルムおよび溶融した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂で挟み込む形で、バインダーロールにより圧着させることにより、目付225g/m2の繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。また、同様の操作を繰り返して、両面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。得られた発泡積層シートの厚みは3.6mm、目付は610g/m2であった。
さらに、実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体について試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数、曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)および、2枚の50g/m2の無延伸ホモポリプロピレンフィルム(東セロ(株)製、CP SC#50、融点103℃、115℃)の間に挟み込むように繰り出し、両方のロールが180℃に加熱された熱ロールであり、クリアランス0.2mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、ガラスマット/ポリプロピレンフィルム複合シートを得た。次いで、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび前記ガラスマット/ポリプロピレン複合シートをそれぞれ繰り出し、重ね合わせた状態で、無延伸ホモプロピレンフィルム面側を180℃に加熱された熱ロールとし、ポリプロピレン系樹脂発泡シート面側を未加熱ロールとした、クリアランス3.5mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、片面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。但し、得られた発泡積層シートは、繊維複合シート側の表面がでこぼこで、均一な発泡積層シートは得られなかった。
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)および、2枚の50g/m2の無延伸ホモポリプロピレンフィルム(東セロ(株)製、CP SC#50、融点103℃、115℃)の間に挟み込むように繰り出し、両方のロールが180℃に加熱された熱ロールであり、クリアランス0.2mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、ガラスマット/ポリプロピレンフィルム複合シートを得た。次いで、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび前記ガラスマット/ポリプロピレン複合シートをそれぞれ繰り出し、重ね合わせた状態で、無延伸ホモプロピレンフィルム面側を180℃に加熱された熱ロールとし、ポリプロピレン系樹脂発泡シート面側を未加熱ロールとした、クリアランス3.5mmにて0.2MPaの圧力で挟圧されたロール間に通し、片面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。但し、得られた発泡積層シートは、繊維複合シート側の表面がでこぼこで、均一な発泡積層シートは得られなかった。
(比較例2)
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
次いで、ポリプロピレン系樹脂を用いた押出ラミネート法により、ポリプロピレン系樹脂発泡シートに繊維複合シートを積層させた。すなわち、一方より、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートと目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)との間に、目付25g/m2の無延伸ホモポリプロピレンフィルム(東セロ(株)製、CP SC#25)を挟み込むように繰り出し、他方より、ホモポリプロピレン系樹脂(三井化学工業(株)製、F113G、融点158℃)を押出機にて溶融混練(樹脂温度230℃)し、Tダイを用いてフィルム状に目付100g/m2で押出し、ガラスマットをポリプロピレン系樹脂発泡シート上の25g/m2の直鎖状ポリエチレンフィルムおよび溶融した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂で挟み込む形で、バインダーロールにより圧着させることにより、目付225g/m2の繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。また、同様の操作を繰り返して、両面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。得られた発泡積層シートの厚みは3.6mm、目付は645g/m2であった。
さらに、実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体について試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数、曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを得た。
次いで、ポリプロピレン系樹脂を用いた押出ラミネート法により、ポリプロピレン系樹脂発泡シートに繊維複合シートを積層させた。すなわち、一方より、前記ポリプロピレン系樹脂発泡シートと目付100g/m2のガラスマット(日本電気硝子(株)製、ガラスチョップドストランドマット100−SH/G)との間に、目付25g/m2の無延伸ホモポリプロピレンフィルム(東セロ(株)製、CP SC#25)を挟み込むように繰り出し、他方より、ホモポリプロピレン系樹脂(三井化学工業(株)製、F113G、融点158℃)を押出機にて溶融混練(樹脂温度230℃)し、Tダイを用いてフィルム状に目付100g/m2で押出し、ガラスマットをポリプロピレン系樹脂発泡シート上の25g/m2の直鎖状ポリエチレンフィルムおよび溶融した直鎖状低密度ポリエチレン樹脂で挟み込む形で、バインダーロールにより圧着させることにより、目付225g/m2の繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。また、同様の操作を繰り返して、両面に繊維複合シートが積層されたポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを得た。得られた発泡積層シートの厚みは3.6mm、目付は645g/m2であった。
さらに、実施例1と同様の操作により、成形体を得た。
得られた成形体について試験片を切り出し、加熱収縮率、線膨張係数、曲げ弾性勾配を測定した。得られた結果を、表1に示す。
10 ポリプロピレン系樹脂発泡シート
12 無機繊維シート
14 無機繊維シート
16 ポリエチレン系樹脂フィルム
18 ポリエチレン系樹脂フィルム
20 ポリエチレン系樹脂フィルム
22 ポリエチレン系樹脂フィルム
12 無機繊維シート
14 無機繊維シート
16 ポリエチレン系樹脂フィルム
18 ポリエチレン系樹脂フィルム
20 ポリエチレン系樹脂フィルム
22 ポリエチレン系樹脂フィルム
Claims (3)
- ポリプロピレン系樹脂発泡シートの両面に、無機繊維シートおよびポリエチレン系樹脂フィルムからなる複合シートを積層してなることを特徴とする、自動車内装材用基材。
- 無機繊維シートおよびポリエチレン系樹脂フィルムからなる複合シートが、無機繊維シートを複数のポリエチレン系樹脂フィルムで挟み込んだ構造よりなることを特徴とする、請求項1記載の自動車内装材用基材。
- ポリエチレン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする、請求項1または2記載の自動車内装材用基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005327386A JP2007131220A (ja) | 2005-11-11 | 2005-11-11 | 自動車内装材用基材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005327386A JP2007131220A (ja) | 2005-11-11 | 2005-11-11 | 自動車内装材用基材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007131220A true JP2007131220A (ja) | 2007-05-31 |
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ID=38153224
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005327386A Pending JP2007131220A (ja) | 2005-11-11 | 2005-11-11 | 自動車内装材用基材 |
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JP (1) | JP2007131220A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014069444A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Asahi Fiber Glass Co Ltd | 自動車内装材用成形材料 |
-
2005
- 2005-11-11 JP JP2005327386A patent/JP2007131220A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014069444A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Asahi Fiber Glass Co Ltd | 自動車内装材用成形材料 |
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