JP2007130865A - 強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、透明性や物理的な強度物性に優れ、且つ高いガスバリア性を有すると共に、基材フィルムと蒸着薄膜層間との密着性、特に湿潤時の密着性が高く、容易に破袋しない強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】易接着層(2)を有する透明ポリアミド系フィルム(1)を基材フィルムとし、その易接着層(2)面に、プライマー層(3)、その上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)、ガスバリア性被膜層(5)を順次積層してなることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた積層体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品や非食品及び医薬品等の包装分野に用いられる透明ガスバリア積層体に関するもので、特に透明性や物理的強度に優れ、高いガスバリア性を有すると共に、基材であるポリアミド系フィルムとのラミネート接着性、特に湿潤時の密着性が高く、積層部分が容易に剥離しない強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた積層体に関するものである。
一般にポリアミド系フィルムは、機械特性、光学特性、強靭性、耐ピンホール性、耐屈曲性などに優れており、包装用途を主体に広く使用されている。特に、食品や非食品及び医薬品等の包装にフィルムを使用する際に、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、酸素や水蒸気等のガスが包装材料を透過するのを防ぐようなガスバリア性を備えることが求められている。そのため従来は、温度や湿度などによる影響が少ないアルミニウム箔等の金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
ところが、アルミニウム箔等の金属箔を用いた包装材料は、ガスバリア性に優れるが、包装材料を透視して内容物を確認することができない。使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない。検査の際金属探知器が使用できないなどの欠点を有し問題があった。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を高分子フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリア性の両者を有する包装材料として好適とされている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
しかしながら、上述した包装用材料に適するポリアミド系フィルムであっても、包装容器または包装材として、蒸着フィルム単体で用いられることはほとんどなく、蒸着後の後加工として蒸着フィルム表面に文字・絵柄等を印刷加工したり、またはシーラントフィルム等と貼り合わせたり、容器等の包装体への形状加工などさまざまな工程を経て包装体を完成させている。
しかしポリアミド系フィルム上に、単に無機酸化物を蒸着したフィルムでは、基材であるポリアミド系フィルムと蒸着薄膜層との密着性に問題があり、上述した蒸着フィルム等を用いてシーラントフィルムと貼り合わせ製袋後、内容物を充填すると、フィルム間の接着力が充分でなく、容易に破袋してしまっていた。
特に湿潤時の密着性が弱く、ポリアミド系フィルムは、その高い強靭性から、高強度が要求される液体等の重量物を内容物とすることが多いために、実用に供するには問題があった。このため、ポリアミド系フィルム上に、無機酸化物を蒸着する際には、ポリアミド系フィルムと蒸着薄膜との密着性を向上させる目的で、易接着層を有するポリアミド系フィルムを用いたり、プライマー層を積層したりしている。(例えば、特許文献3参照。)。
以下に先行技術文献を示す。
米国特許第3442686号公報 特公昭63-28017号公報 特開平10−58586号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、透明性や物理的な強度物性に優れ、且つ高いガスバリア性を有すると共に、基材フィルムと蒸着薄膜層間との密着性、特に湿潤時の密着性が高く、容易に破袋しない強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた積層体を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、易接着層(2)を有する透明ポリアミド系フィルム(1)を基材フィルムとし、その易接着層(2)面に、プライマー層(3)、その上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)、ガスバリア性被膜層(5)を順次積層してなることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記プライマー層(3)が、シランラップリング剤あるいはその加水分解物と、ポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記シランカップリング剤あるいはその加水分解物に、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基の少なくともどちらかと反応する官能基を含むことを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記複合物中に反応触媒が添加されていることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項4記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項5記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記錫化合物が、塩化錫、オキシ塩化錫及び錫アルコキシドから選ばれる錫化合物であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3、C25 などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項8に係る発明は、請求項7記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおい
て、前記金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物中の金属がSi、Al、Ti、Zrあるいはそれらの混合物であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記プライマー層(3)の厚さが、0.01〜2μmの範囲であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記基材フィルムの易接着層(2)が、水性ポリウレタン系樹脂とメラミン系架橋剤とから形成された膜であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項11に係る発明は、請求項1乃至9のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記基材フィルムの易接着層(2)が、疎水性ポリエステル系樹脂から形成された膜であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項12に係る発明は、請求項1乃至11のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項13に係る発明は、請求項1乃至12のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記ガスバリア性被膜層(5)が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる層であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項14に係る発明は、請求項1乃至13のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項15に係る発明は、請求項13又は14記載の強密着ガスバリア透明フィルムにおいて、前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
本発明の請求項16に係る発明は、請求項1乃至15のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フィルムを用いて作製されたことを特徴とする積層体である。
本発明に係る強密着ガスバリア透明フィルムは、易接着層(2)を有する透明ポリアミド系フィルム(1)を基材フィルムとし、その易接着層(2)面に、プライマー層(3)、その上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)、ガスバリア性被膜層(5)を順次積層してなることで、透明性や物理的な強度物性に優れ、且つ高いガスバリア性を有すると共に、基材フィルムと蒸着薄膜層間との密着性、特に湿潤時の密着性が高く、積層部分が容易に剥離しないことで、破袋しにくい包装材料とすることができる。さらに、それを用いた積層体は食品、医薬品や精密電子部品等の包装用フィルムとして適用され、実用範囲の広い包装用材料を提供する事が可能である。
本発明の実施の形態を図1および図2に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る強密着ガスバリア透明フィルム(10)およびそれを用いた強密着ガスバリア積層体(20)を説明する側断面図であり、図2は本発明に係るプレーナ型プラズマ処理を行なった場合の概略模式図である。
本発明に係る1実施例を示す強密着ガスバリア透明フィルム(10)の層構成は、図1に示すように、易接着層(2)を有する透明ポリアミド系フィルム(1)を基材フィルムとし、その易接着層(2)面に、プライマー層(3)、その上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)、ガスバリア性被膜層(5)を順次積層してなる強密着ガスバリア透明フィルム(10)である。さらに、本発明に係る強密着ガスバリア積層体(20)は、強密着ガスバリア透明フィルム(10)のガスバリア性被覆層(5)上に、接着剤層(6)を介し、ヒートシール性樹脂層(7)が積層された構成のものである。
本発明に使用される透明ポリアミド系フィルム(1)は、蒸着薄膜層(4)の透明性を生かすために可能であれば透明なフィルム基材であることが好ましい。該ポリアミド系フィルムの素材は特に限定はされず、ホモポリアミド、コポリアミドあるいはこれらの混合物などが使用できる。
ホモポリアミドの例としては、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンジアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサミエチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリへキサメチレンデカミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10,10)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン12,12)、メタキシレンジアミン−6ナイロン(MXD6)等を挙げることができる。
また、コポリアミドの例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサミチレンジアンモニウムセバケート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/へキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサミチレンジアンモニウムセバケート共重合体等を挙げることができる。強密着ガスバリア積層体(20)の使用環境、被包装物の種類、加工性および経済性などを考慮して適宜選択すればよい。
さらに、これら透明ポリアミド系フィルム(1)には、柔軟性を付与するため、芳香族スルホンアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸、エステル類の可塑剤を配合したり、低弾性率のエラストマー成分やラクタム類等を配合することも可能である。前記エラストマー成分としては、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルブロックアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー、変性アクリルゴム、変性エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。
これら透明ポリアミド系フィルム(1)上には、易接着層(2)として水性ポリウレタン系樹脂とメラミン系架橋剤とから形成された膜、または疎水性ポリエステル系樹脂から形成された膜を形成することができる。
先ず、水性ポリウレタン系樹脂とメラミン系架橋剤を用いて形成する膜からなる易接着層(2)について詳細に説明する。
前記水性ポリウレタン樹脂は、アイオノマー型自己乳化型ポリウレタン樹脂、アイオノマー型自己乳化型ポリウレタン−ポリ尿素樹脂などが挙げられる。耐溶剤性を高めるためには、少なくとも両成分のどちらか一方に芳香族系の成分を用いることが好ましい。また、接着性を高めるためには、ポリマー主鎖あるいは末端に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基を導入したものを用いることが好ましい。
前記メラミン系架橋剤としてはメラミンをメチロール化したものが用いられ、反応性の制御、貯蔵安定性を付与するために、メチロール基をアルコキシル化したものを用いるのが一般的である。なお、アルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などがあげられる。また、必要に応じて、架橋触媒を添加してもよい。架橋触媒としては、たとえばパラトルエンスルホン酸が挙げられる。
該メラミン系架橋剤の添加量は、水性ポリウレタン樹脂が90〜100重量部に対して、5〜7重量部が好ましい。該メラミン系架橋剤の添加量が、5重量部より少ないと耐溶剤性が不十分となり、7重量部より多くしても耐溶剤性は飽和するので経済的でない。また、必要に応じて、架橋触媒を架橋剤の量に対して5〜7重量%を加えることにより架橋反応を促進させることができる。
本発明における易接着コート液には、必要に応じて、接着性に影響を与えない範囲で、帯電防止剤やスリップ剤など公知の各種添加剤を加えることができる。また塗工性を向上させるため消泡剤、界面活性剤を加えることができる。
該易接着層(2)の厚さは、透明ポリアミド系フィルム(1)に易接着層(2)を設けて延伸した後の皮膜の厚さは、0.01〜0.1μmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.08μmである。皮膜の厚さが0.02μmより薄い場合には十分な接着性が得られず、0.1μmより厚くしても性能が飽和するため、それ以上の厚さを塗工しても経済的ではない。
皮膜のコーティング方法は特に限定するものではなく、例えばグラビアロール法、リバースロール法、エアーナイフ法、リバースグラビア法、マイヤーバー法、インバースロール法、又はこれらの組み合わせによる各種コーティング方式や、各種噴霧方式などを採用することができる。また、縦延伸機とコーターの間にコロナ処理装置などを設置し、縦延伸後のフィルムの濡れ張力を調整することができる。
次に、疎水性ポリエステル系樹脂を用いて形成する膜からなる易接着層(2)について詳細に説明する。
前記疎水性ポリエステル系樹脂は、ポリエステル系樹脂と架橋樹脂とから構成される架橋性ポリエステル樹脂が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、結晶性または非結晶性のポリエステル樹脂であり、架橋樹脂との架橋反応を行うため、架橋性の基を有するポリエステル樹脂である。
前記ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸又はトリカルボン酸のような酸成分と、グリコール成分とを公知の方法を用いて重縮合して作製されるポリエステル系樹脂である。このような酸成分の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。グリコール成分の例としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、およびエチレング
リコール変性ビスフェノールAが挙げられるが、特にこれらに限定はされない。
また、前記架橋性ポリエステル樹脂は、例えば、アクリル酸基を有するグラフトポリマーが例示でき、これは前記結晶性または非結晶性のポリエステル樹脂と、アクリル酸基を有するモノマーあるいはオリゴマーとのグラフト反応により得ることができる。さらには、前記結晶性または非結晶性のポリエステル樹脂と、例えば、オキサゾリン系化合物、多官能エポキシ系化合物、シラン系化合物、アルキル化フェノール系化合物、フェノールホルムアルデヒド系樹脂、尿素やメラミンやベンゾグアナミン等とホルムアルデヒドとの付加重合物、これらの付加重合物と炭素原子数が1〜6のアルコールからなるアルキルエーテル化合物等のアミノ樹脂、多官能イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、多官能性アジリジン化合物等が挙げられる架橋剤との反応物である。
さらにまた、ポリエステル系樹脂を主成分とした耐水密着性の易接着層(2)は、疎水性ポリエステル樹脂に少なくとも1種以上の重合性不飽和単量体がグラフト重合された自己架橋性ポリエステル系グラフト共重合体を主成分とする樹脂組成物が例示できる。疎水性ポリエステル樹脂とは、本来それ自身で水に分散または溶解しない本質的に水不溶性であるポリエステル系樹脂である。
該疎水性ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、重合性不飽和二重結合を有するジカルボン酸などであることが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば、1,4−シクロへキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその酸無水物等が挙げられる。重合性不飽和二重結合を有するジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でも、重合性の点から、フマル酸、マレイン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸が好ましい。
該疎水性ポリエステル樹脂のグリコール成分としては、脂肪族グリコール、脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコールが挙げられる。脂肪族グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられ、脂環族グリコールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。エーテル結合含有グリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにはビスフェノール類の二つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを付加して得られるグリコール類〔例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等〕等が挙げられる。
該疎水性ポリエステル樹脂は、3官能以上のポリカルボン酸および/またはポリオールを共重合成分として添加することもできる。3官能以上のポリカルボン酸としては、例えば、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。3官能以上のポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール等が挙げられる。
該疎水性ポリエステル樹脂の分子量は、重量平均分子量で50000未満の範囲が好ましい。当該分子量が50000を超えると重合時のゲル化等の問題が起きるおそれがある。
該疎水性ポリエステル樹脂にグラフト重合される重合性不飽和単量体としては、例えば、フマル酸;フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸のモノエステルまたはジエステル類;マレイン酸とその無水物;マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸のモノエステルまたはジエステル類;イタコン酸とその無水物;イタコン酸のモノエステルまたはジエステル類;フェニルマレイミド等のマレイミド類;スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体や、アクリル重合性単量体として、例えば、アルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有(メタ)アクリル単量体;N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル単量体;アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム酸、アンモニウム塩)等のカルボキシル基含有(メタ)アクリル単量体等が挙げられる。上記単量体は1種もしくは2種以上を用いて共重合させることができる。これらの中でも、スチレン、マレイン酸無水物が好ましい。
このグラフト共重合体を水分散樹脂とする場合、グラフト共重合体中の枝ポリマーである重合性不飽和単量体の重合体成分の重量平均分子量は500〜50000であるのが好ましい。当該重合体成分の重量平均分子量を500以下にコントロールすることは一般に困難であり、グラフト効率が低下し、疎水性ポリエステル樹脂への親水基の付与が十分に行なわれない傾向がある。また、グラフト共重合体中の重合性不飽和単量体の重合体成分は分散粒子の水和層を形成するが、十分な厚みの水和層をもたせ、安定な分散体を得るためには当該重合体成分の重量平均分子量は500以上であることが望ましい。また当該重合体成分の重量平均分子量の上限は溶液重合における重合性の点で50000が好ましい。この範囲内での分子量のコントロールは、重合開始剤の使用量、単量体滴下時間、重合時間、反応溶媒、単量体組成あるいは必要に応じて連鎖移動剤や重合禁止剤を適宜組み合わせることにより行なうことができる。
このようにして形成されたポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂組成物に、さらに架橋樹脂を配合して硬化を行うことにより、易接着層(2)に高度の耐水性を付与し得る。架橋樹脂としては、前述のものが利用できる。
該易接着層(2)には、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、各種界面活性剤、帯電防止剤、無機滑剤、有機滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有させることもできる。
該易接着層(2)の形成は、上述のポリエステル系樹脂を主成分とする水系分散液を、
未延伸または一軸延伸された透明ポリアミド系フィルム(1)上に塗布、乾燥することにより行われる。上記分散液中のポリエステル系樹脂の固形分含有量は、通常1重量%〜50重量%である。
塗布方法としては、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、ダイコート法、バーコート法、ディップコート法等の公知の方法を採用できる。塗布量は、固形分として0.005〜10g/m2 である。塗布量が0.005g/m2 未満になると、該ポリアミド系フィルム(1)との十分な密着強度が得られない。10g/m2 を超えるとブロッキングが発生して、実用上問題がある。
塗布後の乾燥条件は特に規制は無いが、該ポリアミド系フィルム(1)に熱劣化が起こらない範囲内で熱量を多くする条件が好ましい。具体的には80℃〜250℃である。ただし乾燥時間を長くすることにより、比較的低い温度でも十分な自己架橋性を発現するため上記の条件に限らない。未延伸あるいは一軸延伸された該ポリアミド系フィルム(1)に上記塗工液を塗布乾燥後、該フィルム(1)を一軸またはそれ以上で延伸する場合、塗布後の乾燥温度はその後の延伸に影響しない範囲の条件で乾燥する必要があり、該ポリアミド系フィルム(1)の場合、塗膜の水分率を2%以下にして延伸し、その後200℃以上で熱固定を行うことにより塗膜が強固になり、易接着層と該ポリアミド系フィルム(1)との接着性が飛躍的に向上する。水分率が2%を超えると乾燥温度にもよるが、横延伸工程中に結晶化が起こり易くなり、平面性の悪化や延伸性が損なわれる場合がある。
以上のようにして、透明ポリアミド系フィルム(1)上に易接着層(2)を設けた基材フィルムの厚さは、蒸着加工適性や包装材料としての機械的特性を考慮して、10〜100μmのものが用いられる。
前記透明ポリアミド系フィルム(1)上の易接着層(2)と無機酸化物よりなる蒸着薄膜層(4)との密着性を向上させるために、プライマー層(3)を設ける。この層(3)は、前記基材フィルムと無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)との間の密着性を高め、製袋後の破袋を防止することを目的とする。
鋭意検討の結果、上記目的達成の為にプライマー樹脂として用いることができるのは、シランカップリング剤或いはその加水分解物と、ポリオール及びイソシアネート化合物等との複合物である必要がある。
前記シランカップリング剤の例としては、任意の有機官能基を含むシランカップリング剤を用いることができ、例えばエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤或いはその加水分解物の1種ないしは2種以上を用いることができる。
さらにこれらのシランカップリング剤のうち、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を持つものが特に好ましい。例えばγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのようなイソシアネート基を含むもの、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランのようなメルカプト基を含むものや、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ基を含むものがある。さらにγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のようにエポキシ基を含むものや、
ビニルトリメトキシシラン、ビニル(β−メトキシエトキシ)シラン等のようなシランカップリング剤にアルコール等を付加し水酸基等を付加したものでも良く、これら1種ないしは2種以上を用いることができる。これらのシランカップリング剤は、一端に存在する有機官能基がポリオールとイソシアネート化合物からなる複合物中で相互作用を示し、もしくはポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を含むシランカップリング剤を用いることで共有結合をもたせることによりさらに強固なプライマー層(3)を形成し、他端のアルコキシ基等の加水分解によって生成したシラノール基が無機酸化物中の金属や、無機酸化物の表面の活性の高い水酸基等と強い相互作用により無機酸化物との高い密着性を発現し、目的の物性を得ることができるものである。よって上記シランカップリング剤を金属アルコキシドとともに加水分解反応させたものを用いても構わない。また上記シランカップリング剤のアルコキシ基がクロロ基、アセトキシ基等になっていても何ら問題はなく、これらのアルコキシ基、クロロ基、アセトキシ基等が加水分解し、シラノール基を形成するものであればこの複合物に用いることができる。
また該ポリオールとは、高分子末端に二つ以上のヒドロキシル基をもつもので、後に加えるイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応させるものである。中でもアクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるポリオールもしくは、アクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーと共重合させて得られるポリオールであるアクリルポリオールが特に好ましい。中でもエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシルブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させたものや、スチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオール等が好ましく用いられる。またイソシアネート化合物との反応性を考慮するとヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の間であることが好ましい。
該ポリオールとシランカップリング剤の配合比は、重量比換算で1/1〜1000/1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1〜100/1の範囲にあることである。溶解および希釈溶剤としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル・酢酸ブチル等のエステル類、メタノール・エタノール・イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン・キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独及び任意に配合したものが用いることができる。しかし、シランカップリング剤を加水分解するために塩酸等の水溶液を用いることがあるため、共溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを任意に混合した溶媒を用いることが好ましい。
また該シランカップリング剤とポリオールの配合時に反応を促進させるために反応触媒を添加しても一向に構わない。添加される触媒としては、反応性及び重合安定性の点から塩化錫(SnCl2 、SnCl4 )、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)2 Cl2 )、錫アクコキシド等の錫化合物であることが好ましい。添加量は、少なすぎても多すぎても触媒効果が得られないため、3官能オルガノシランに対してモル比換算で1/10〜1/10000の範囲であることが好ましく、更に好ましくは1/100〜1/2000の範囲にあることである。
混入するイソシアネート化合物は、ポリオールと反応してできるウレタン結合により基材フィルムや無機酸化物層との間の密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。これを達成するためにイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)などのモノマー類と、これらの重合体や誘導体等が用いられ、これらが1種
または2種以上用いることができる。
該ポリオールとイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるのもではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し加工上問題がある。そこでポリオールとインソシアネート化合物との配合比としては、イソシアネート化合物由来のNCO基がポリオール由来のOH基の50倍以下であることが好ましく、特に好ましいのはNCO基とOH基が当量で配合される場合である。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
更に上記混合物の調液時に液安定性を向上させるために、金属アルコキシド或いはその加水分解物を添加しても一向に構わない。この金属アルコキシドとは、テトラエトキシシラン(Si(OC25 4 )、トリプロポキシアルミニウム(Al(OC373 )など一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C2 5 などの一般式Cn2n+1で表わされるアルキル基)で表せるもの或いはその加水分解物である。なかでもテトラエトキシシランやトリプロポキシアルミニウム或いは両者の混合物が、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。この金属アルコキシドの加水分解物を得る方法は、シランカップリング剤とともに加水分解を行っても構わないし、単独に酸等を添加して行ったのち添加しても構わない。
複合物の被膜層は、このようなシランカップリング剤を直接或いはあらかじめ加水分解反応させたもの、または金属アルコキシドとともに加水分解したもの(このときに上述した反応触媒等を一緒に添加しても一向に構わない)を、ポリオールやイソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製するか、またシランカップリング剤、ポリオールを溶媒中にあらかじめ混合しておき(この時上述した反応触媒、金属アルコキシドを一緒に添加しても一向に構わない)加水分解反応を行ったもの、更にはシランカップリング剤とポリオールを混合しただけのもの(この時上述した反応触媒、金属アルコキシドを一緒に添加しても一向に構わない)の中に、イソシアネート化合物を加え複合液を作製し基材にコーティングして形成する。
この複合溶液中に各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を添加する事も一向に構わない。
該プライマー層(3)の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しないが、一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく密着性が低下する場合がある。また厚さが2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。特に好ましいのは0.03〜0.5μmの範囲内にあることである。
該プライマー層(3)の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。また、反応を促進させるために、高温のエージング室等に数日放置することででも可能である。
次に無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化錫、或いはこれらの混合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪
素が好ましい。ただし本発明の蒸着薄膜層(4)は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
該無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)の厚さは、用いられる無機化合物の種類、構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
該無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)をプライマー層(3)上に形成する方法としては、種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式が好ましく、薄膜と基材フィルムの密着性及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
前記ガスバリア被膜層(5)は、要求品質によりアルミニウム箔並の高いガスバリア性を付与するために無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)上に設けられるものである。
該ガスバリア被膜層(5)は、水溶性高分子と(a)1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる。水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層(4)上にコーティング、加熱乾燥し形成したものである。コーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下PVAとする)を本発明の積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2 )、塩化第二錫(SnCl4 )、或いはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
更に金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC2 5 4 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373 〕などの一般式、M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3 ,C25 等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ
、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(以下TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(以下TTI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(以下TMXDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
前記コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μm以上では膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
更に前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)やガスバリア被膜層(5)上に他の層を積層することも可能である。例えば、印刷層、中間層、ヒートシール層等である。印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えば、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法、フレキソ印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
上述した構成よりなる強密着ガスバリア透明フィルム(10)のガスバリア性被膜層(5)面に接着剤層(6)を介して、ヒートシール性樹脂層(7)を積層することにより、強密着ガスバリア積層体(20)を得ることができる。
本発明で用いられる接着剤層(6)は、汎用的なラミネート用接着剤が使用できる。たとえば、ポリ(エステル)ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エポキシ系、ポリ(メタ)アクリル系、ポリエチレンイミン系、エチレン−(メタ)アクリル酸系、ポリ酢酸ビニル系、(変性)ポリオレフィン系、ポリブタジェン系、ワックス系、カゼイン系等を主成分とする(無)溶剤型、水性型、熱溶融型の接着剤を使用することができる。上記接着剤層(6)の積層方法としては、たとえば、ダイレクトグラビアコート法、リバースグラビアコート法、キスコート法、ダイコート法、ロールコート法、ディップコート法、ナイフコート法、スプレーコート法、フォンテンコート法、その他の方法で塗布することができ、そのコーティング厚さは、0.1〜8g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
本発明で用いられるヒートシール性樹脂層(7)は、袋状包装体などを形成する際のシール層として設けられるものであり、熱によって溶融し、相互に融着可能なものであれば特に限定されるものではない。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、その他のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびその鹸化物、ポリカーボーネート樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ニトロセルロース、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物、ポリ乳酸系樹脂等の生分解性樹脂、その他の公知の樹脂を任意に使用することができる。その厚さは、目的に応じて決定すればよく、一般的には10〜200μmの範囲である。
前記ヒートシール性樹脂層(7)を強密着ガスバリア透明フィルム(10)に積層する方法としては、例えば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、押出ラミネート法等、その他公知のラミネート方法が利用できる。また、強密着ガスバリア積層体(20)では、用途、要求に応じて、強密着ガスバリア透明フィルム(10)のガスバリア性被膜層(5)の上に印刷層(図示せず)や他の基材フィルム等を積層させた後に、ヒートシール性樹脂層(7)を積層して、所望の包装材料に供することも可能である。
以下に、本発明の具体的実施例を挙げて、更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
<プライマー層の複合溶液Aの調整>
希釈溶媒中、2−(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン(以下EETMSと略す)とアクリルポリオールをEETMSに対し、5.0倍量(重量比)量り取り混合し、さらに触媒として塩化錫(SnCl2 )/メタノール溶液(0.003mol/gに調液したもの)をEETMSに対し1/135molになるように添加し攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてトリイジルイソシアネート(以下TDIと略す)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を任意の濃度に希釈したものを複合溶液Aとする。
<プライマー層の複合溶液Bの調整>
希釈溶媒中、γ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1重量部に対し、アクリルポリオール9重量部及びポリエステルポリオール1重量部を量りとり混合攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてTDIをアクリルポリオールとポリエステルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を任意の濃度に希釈したものを複合溶液Bとする。
<実施例1>
透明ポリアミド系フィルム(1)として、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6を使用し、該フィルム(1)上に易接着層(2)を設け、該易接着層(2)面に、プライマー層(3)として複合溶液Aをグラビアコート法により厚さ0.2μm形成した。次いで、プライマー層(3)上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ20nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層(4)を形成した。更にその上に下記組成のコーティング剤をバーコーターで塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ厚さ0.3μmのガスバリア性被膜層(5)を形成し、本発明の強密着ガスバリア透明フィルム(10)を得た。
ここで、基材フィルムである透明ポリアミド系フィルムの易接着層(2)は、ウレタン系の樹脂エマルジョンとメラミン系架橋剤の混合液をコーティングにて皮膜形成し、70℃の温風ドライヤーにて水分を乾燥させることにより得られたものである。
また、ガスバリア性被膜層(5)を形成するガスバリア性被膜液の調整法は、テトラエトキシシラン10gに塩酸(0.1N)89gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液と、ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール=90:10 重量比)を混合することにより、ガスバリア性被膜液を得た。
さらに、前記強密着ガスバリア透明フィルム(10)のガスバリア性被膜層(5)面上に、ポリウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 A525)を使用して、塗布量3.
5g/m2を形成した接着剤層(6)上にドライラミネーション法により、厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製 TUX−FCS)からなるヒートシール性樹脂層(7)を積層した後、40℃にて4日間養生を行い、本発明の強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
<実施例2>
実施例1において、プライマー層(3)として複合溶液Bを使用した以外は、実施例1と同様にして本発明の強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
<実施例3>
実施例1において、易接着層(2)として疎水性ポリエステル系樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして本発明の強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
<実施例4>
実施例3において、プライマー層(3)として複合溶液Bを使用した以外は、実施例3と同様にして本発明の強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
実施例1において、易接着層(2)を設けないコロナ処理をおこなった透明ポリアミド系フィルム(1)を使用した以外は、実施例1と同様にして強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
<比較例2>
実施例1において、プライマー層(3)を設けない以外は、実施例1と同様にして強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
<比較例3>
実施例1において、プライマー層(3)を設けず、かわりに図2に示すような冷却ドラム(33)側から電圧を印加する方式のプレーナ型のプラズマ(32)を利用したRIEによる前処理を基材フィルム(34)に施した以外は、実施例1と同様にして強密着ガスバリア積層体(20)を得た。この時、電極(31)には周波数13.56MHzの高周波電源を用い、処理ガスにはアルゴン/酸素混合ガスを用いた。このときのプラズマ(32)の自己バイアス値は600Vであった。
<比較例4>
実施例3において、易接着層(2)を設けないコロナ処理をおこなった透明ポリアミド系フィルム(1)を使用した以外は、実施例3と同様にして強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
<比較例5>
実施例3において、プライマー層(3)を設けない以外は、実施例3と同様にして強密着ガスバリア積層体(20)を得た。
<比較例6>
実施例3において、プライマー層(3)を設けず、かわりに図2に示すような冷却ドラム(33)側から電圧を印加する方式のプレーナ型のプラズマ(32)を利用したRIEによる前処理を透明ポリアミド系フィルム(34)に施した以外は、実施例3と同様にして強密着ガスバリア積層体(20)を得た。この時、電極(31)には周波数13.56
MHzの高周波電源を用い、処理ガスにはアルゴン/酸素混合ガスを用いた。このときのプラズマ(32)の自己バイアス値は600Vであった。
<評価>
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた強密着ガスバリア積層体(20)について、酸素透過度測定、水蒸気透過度測定、湿潤ラミネート強度測定、耐圧強度試験、屈曲ピンホール試験を以下に示す測定・試験方法で行った。その評価結果を表1に示す。
<酸素透過度の測定>
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた強密着ガスバリア積層体(20)を、JIS K−7129B法に準拠して、Modern Control社製のOxtran2/20により、30℃70%RH環境の条件で測定を行った。
<水蒸気透過度の測定>
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた強密着ガスバリア積層体(20)を、JIS K−7129B法に準拠して、Modern Control社製のOxtran3/31により、40℃90%RH環境の条件で測定を行った。
<湿潤ラミネート強度の測定>
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた強密着ガスバリア積層体(20)の強密着ガスバリア透明フィルム(10)と直鎖状低密度ポリエチレンからなるヒートシール性樹脂層(7)間の密着強度を、JIS Z−1707に準拠し測定を行った。測定条件は、試験幅15mm、剥離速度300mm/min、剥離角度T型として、初期強度の測定を実施した。測定は、剥離界面を水で湿潤させながら行った。
<耐圧強度試験>
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた強密着ガスバリア積層体(20)を用いて、100×100mmの4方シールパウチを作製し、内容物として蒸留水40gを充填した。水中に1日浸漬した後軽く拭き取り、押圧速度100mm/minで最大500kgまで荷重をかけた。そのときの最大耐圧強度を測定した。
<屈曲ピンホール試験>
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた強密着ガスバリア積層体(20)を、ゲルボフレックステスターを用いて、25℃下で2000回屈曲した後のピンホール数をチェックした。
表1は、実施例1〜4および比較例1〜6で得られた強密着ガスバリア積層体(20)の、酸素透過度、水蒸気透過度、湿潤ラミネート強度、耐圧強度、屈曲ピンホール試験の結果を示した表である。
表1から、実施例1〜4における本発明の強密着ガスバリア積層体(20)は、湿潤ラミネート強度に優れ、酸素および水蒸気透過性に優れていた。また透明ポリアミド系フィルム(1)がよく用いられる液体内容物へ適用しても耐圧強度に優れるため破袋の問題が発生する可能性が低く、屈曲ピンホール試験によるピンホール数が少なく、透明ポリアミド系フィルム(1)を用いた積層体としての性能を満足しうる結果が得られた。
これに対し、比較例1〜6の強密着ガスバリア積層体(20)については、いずれも湿潤ラミネート強度が低く、耐圧強度も低い結果であった。液体内容物へ適用した場合に満足しうる実用性能を得られなかった。
本発明に係る強密着ガスバリア透明フィルムおよびそれを用いた強密着ガスバリア積層体を説明する側断面図である。 本発明に係るプレーナ型プラズマ処理を行なった場合の概略模式図である。
符号の説明
1・・・透明ポリアミド系フィルム
2・・・易接着層
3・・・プライマー層
4・・・無機酸化物からなる蒸着薄膜層
5・・・ガスバリア性被膜層
6・・・接着剤層
7・・・ヒートシール性樹脂層
10・・・強密着ガスバリア透明フィルム
20・・・強密着ガスバリア積層体
31・・・電極
32・・・プラズマ
33・・・冷却ドラム
34・・・基材フィルム

Claims (16)

  1. 易接着層を有する透明ポリアミド系フイルムを基材フィルムとし、その易接着層面に、プライマー層、その上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次積層してなることを特徴とする強密着ガスバリア透明フイルム。
  2. 前記プライマー層が、シランラップリング剤あるいはその加水分解物と、ポリオールとイソシアネート化合物との複合物からなることを特徴とする請求項1記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  3. 前記シランカップリング剤あるいはその加水分解物に、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基の少なくともどちらかと反応する官能基を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  4. 前記複合物中に反応触媒が添加されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  5. 前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする請求項4記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  6. 前記錫化合物が、塩化錫、オキシ塩化錫及び錫アルコキシドから選ばれる錫化合物であることを特徴とする請求項5記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  7. 前記複合物中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3、C25 などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  8. 前記金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物中の金属がSi、Al、Ti、Zrあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項7記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  9. 前記プライマー層の厚さが、0.01〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  10. 前記基材フイルムの易接着層が、水性ポリウレタン系樹脂とメラミン系架橋剤とから形成された膜であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  11. 前記基材フイルムの易接着層が、疎水性ポリエステル系樹脂から形成された膜であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  12. 前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  13. 前記ガスバリア性被膜層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる層であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  14. 前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項13記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  15. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項13又は14記載の強密着ガスバリア透明フイルム。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項記載の強密着ガスバリア透明フイルムを用いて作製されたことを特徴とする積層体。
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